1 00:00:02,202 --> 00:00:05,939 (天璋院)薩摩が 江戸に来る!? 何をしに参るのじゃ? 2 00:00:05,939 --> 00:00:08,609 (重野)ご政道 改革のため。 3 00:00:08,609 --> 00:00:13,480 <江戸へと向かう久光と 天皇の使者である勅使は➡ 4 00:00:13,480 --> 00:00:18,185 幕府への 3つの命令を 携えていました> 5 00:00:39,573 --> 00:00:45,312 <それは 久光の意向が 強く働いた内容でした。➡ 6 00:00:45,312 --> 00:00:52,653 朝廷が幕府に改革を指示するという 前代未聞の事態。➡ 7 00:00:52,653 --> 00:01:00,260 薩摩の帯刀と徳川の天璋院 2人の友情の行方は?> 8 00:01:00,260 --> 00:01:14,274 ♬~(テーマ音楽) 9 00:01:14,274 --> 00:03:44,925 ♬~ 10 00:03:44,925 --> 00:03:47,961 文久2年6月7日。 11 00:03:47,961 --> 00:03:54,634 久光様は 小松様や大久保様を従え ついに江戸へ。 12 00:03:54,634 --> 00:04:00,707 46歳にして 初めての江戸入りでございました。 13 00:04:00,707 --> 00:04:02,743 いよいよ来たか…。 14 00:04:02,743 --> 00:04:07,881 (滝山)兵の数は およそ500とのことにございます。 15 00:04:07,881 --> 00:04:14,654 とにかく 薩摩の言いなりにならぬよう くれぐれも表の者たちに伝えおくように。 16 00:04:14,654 --> 00:04:19,493 (滝山)ご老中方は どのような勅命を 突きつけられるのかと➡ 17 00:04:19,493 --> 00:04:22,229 戦々恐々としております。 18 00:04:22,229 --> 00:04:25,065 そうか…。 19 00:04:25,065 --> 00:04:30,871 幕府の危機は 大奥の危機でもあるのじゃな。 20 00:04:32,572 --> 00:04:36,243 そちも 私を恨んでおろうのう。 21 00:04:36,243 --> 00:04:44,918 いえ 先日の天璋院様のお姿を拝し お気持ちは 痛いほど分かりました。 22 00:04:44,918 --> 00:04:46,853 そうか…。 23 00:04:46,853 --> 00:04:51,791 しかしながら 困ったことに 京方の皆様が…。 24 00:04:51,791 --> 00:04:54,261 京方の? 25 00:04:54,261 --> 00:05:00,534 (庭田嗣子)いや~ 勅使さんが とうとう来やはりましたな。 26 00:05:00,534 --> 00:05:06,706 (観行院)朝廷が後ろ盾になれば 幕府も強うなります。 27 00:05:06,706 --> 00:05:11,211 ということは…。 (嗣子)攘夷にも 弾みがつく。 28 00:05:11,211 --> 00:05:14,881 (2人の笑い声) 29 00:05:14,881 --> 00:05:18,185 (徳川家茂)攘夷の実行は かないますまい。 30 00:05:19,753 --> 00:05:24,558 宮さん どない おしやしたんです? 31 00:05:24,558 --> 00:05:27,227 (和宮)別に何でもない。 32 00:05:27,227 --> 00:05:29,896 (能登)お顔の色が…。 33 00:05:29,896 --> 00:05:32,232 (和宮)案ずるでない。 34 00:05:32,232 --> 00:05:34,935 失礼いたします。 35 00:05:44,811 --> 00:05:49,783 はあ… また急なお渡りですか? 36 00:05:49,783 --> 00:05:53,253 急用ゆえ ご無礼は平に…。 37 00:05:53,253 --> 00:05:56,156 何でっしゃろ? 38 00:05:56,156 --> 00:06:03,330 今 幕府は 朝廷の言いなりになるわけには まいりませぬ。 39 00:06:03,330 --> 00:06:05,265 それだけにございます。 40 00:06:05,265 --> 00:06:07,701 (観行院)なんという 不敬な! 41 00:06:07,701 --> 00:06:12,205 勅使さんが 帝の命を奉じてこられた以上➡ 42 00:06:12,205 --> 00:06:15,041 それに素直に従うのが➡ 43 00:06:15,041 --> 00:06:18,878 幕府の務めというもので あらしゃいましょう。 44 00:06:18,878 --> 00:06:25,051 されど まずは朝廷ではなく…➡ 45 00:06:25,051 --> 00:06:28,088 薩摩の真意を確かめなければ…。 46 00:06:28,088 --> 00:06:34,761 薩摩の真意? それは もう よ~くご存じであらしゃいましょう? 47 00:06:34,761 --> 00:06:37,764 もはや 私は薩摩を捨てた身なれば➡ 48 00:06:37,764 --> 00:06:42,369 今 薩摩が何を思うておるかなど まったく分かりませぬ。 49 00:06:42,369 --> 00:06:53,013 間違えんといとくれやす。 私ら 薩摩さんには感謝しておりますのえ。 50 00:06:53,013 --> 00:06:59,252 薩摩さんは 攘夷の先陣を 切ってくれたようなものですよってに。 51 00:06:59,252 --> 00:07:05,525 ありがたいことや。 はあ…。 なあ…。 52 00:07:05,525 --> 00:07:11,398 とにかく 幕府は 幕府のやり方を貫くまで。 53 00:07:11,398 --> 00:07:16,102 そのこと ご承知置きくださいませ。 54 00:07:31,217 --> 00:07:38,091 薩摩から 此度 江戸へ来た者たちだが…。 はい。 55 00:07:38,091 --> 00:07:40,894 その者たちの中に➡ 56 00:07:40,894 --> 00:07:44,764 小松尚五郎という人物がいるかどうか 調べられるか? 57 00:07:44,764 --> 00:07:52,238 藩邸に問えば分かると存じます。 小松様にございますね? 58 00:07:52,238 --> 00:08:00,246 いや… やはりよい。 (重野)はい…。 59 00:08:03,183 --> 00:08:07,187 知ってどうなるものでもない。 60 00:08:12,525 --> 00:08:16,863 (島津久光)ここが 江戸屋敷か。 61 00:08:16,863 --> 00:08:20,533 そちは 2度目であったな。 62 00:08:20,533 --> 00:08:22,469 (小松帯刀)はい。 63 00:08:22,469 --> 00:08:26,039 わずかの間ではございましたが 懐かしゅうございます。 64 00:08:26,039 --> 00:08:28,241 ふむ。 65 00:08:34,748 --> 00:08:38,752 江戸か…。 66 00:08:38,752 --> 00:08:45,892 とうとう ここまで… 来たな! 67 00:08:45,892 --> 00:08:47,827 はい! 68 00:08:47,827 --> 00:08:54,234 そして 幕府と大原勅使との話し合いが 始まったのでした。 69 00:08:54,234 --> 00:08:56,903 勅命は 以下のとおりです。 70 00:08:56,903 --> 00:09:04,177 一つ 将軍が上洛し 国家の安泰につき 朝廷と話し合うこと。 71 00:09:04,177 --> 00:09:12,052 一つ 有力外様の諸侯より 5人の大老を選び 政に参加させること。 72 00:09:12,052 --> 00:09:20,727 一つ 一橋慶喜を 将軍後見職とし 松平春嶽を 大老とすること。 73 00:09:20,727 --> 00:09:26,032 どれもこれも無理なことと存ずる。 74 00:09:26,032 --> 00:09:30,904 将軍後見職は 職そのものを廃しました。 75 00:09:30,904 --> 00:09:37,210 勅命が出そうやから お役目を廃したんと違いますか。 76 00:09:37,210 --> 00:09:40,213 (笑い声) まさか…。 77 00:09:40,213 --> 00:09:43,883 (大原)そんなら ほかに お役目をお考えなされ! 78 00:09:43,883 --> 00:09:46,352 無理なものは 無理にござりまする。 79 00:09:46,352 --> 00:09:49,055 (板倉勝静) 無理より道理で話しましょうぞ。 80 00:09:49,055 --> 00:09:51,891 勅命を何と心得るか! 81 00:09:51,891 --> 00:09:57,564 交渉は この後も 大いに紛糾することになります。 82 00:09:57,564 --> 00:10:02,435 (家茂)朝廷が薩摩の求めに応じて 勅命を下されたのは➡ 83 00:10:02,435 --> 00:10:08,208 帝が幕府よりも 薩摩を信じてらっしゃるからなのか。 84 00:10:08,208 --> 00:10:11,111 私には分かりませぬ。 85 00:10:11,111 --> 00:10:19,819 でも お上も お苦しみあそばして おられるのやもしれませぬ。 86 00:10:19,819 --> 00:10:22,822 そうか…。 87 00:10:30,263 --> 00:10:35,135 私のせいに ございますね。 そなたのせい? 88 00:10:35,135 --> 00:10:40,907 私が ここにいながら 朝廷が幕府を苦しめているのは➡ 89 00:10:40,907 --> 00:10:46,279 私が 私の役割を果たしていないから。 90 00:10:46,279 --> 00:10:49,282 そなたのせいなどではない。 でも…。 91 00:10:49,282 --> 00:10:55,622 そなたに そのようなことを言わせるのが 一番つらい。 92 00:10:55,622 --> 00:10:58,925 母上様もじゃ。 93 00:11:02,228 --> 00:11:04,564 薩摩の行いは許せぬ。 94 00:11:04,564 --> 00:11:08,434 何としても久光殿と会い 此度のこと 問いたださねばならぬ。 95 00:11:08,434 --> 00:11:12,906 しかし 久光公は 藩主の後見役にすぎませぬ。 96 00:11:12,906 --> 00:11:18,378 城に上がり 天璋院様とお会いになるなど かなわぬことにございます。 97 00:11:18,378 --> 00:11:20,313 それは そうじゃが…。 98 00:11:20,313 --> 00:11:24,250 それに 今 薩摩方とお会いになられては➡ 99 00:11:24,250 --> 00:11:28,054 天璋院様は 薩摩と通じておいでになるなどと➡ 100 00:11:28,054 --> 00:11:32,592 また 噂されかねません。 101 00:11:32,592 --> 00:11:36,095 大原様は 一体 何をやっておるのか! 102 00:11:36,095 --> 00:11:38,398 小松! はっ! 103 00:11:38,398 --> 00:11:41,267 老中たちには 事を決しようとする気配が 見られません。 104 00:11:41,267 --> 00:11:44,604 時を稼げば うやむやになるとでも 考えているような…。 105 00:11:44,604 --> 00:11:48,474 手ぬるい! はっ! 106 00:11:48,474 --> 00:11:51,477 大久保。 (大久保正助)はっ。 107 00:11:51,477 --> 00:11:57,183 (久光)次は お主も出向け。 かしこまりましてございもす。 108 00:11:57,183 --> 00:12:01,554 どんな手を使ってもかまわん。 109 00:12:01,554 --> 00:12:06,226 わしが どれほどの覚悟で 江戸に来たのか➡ 110 00:12:06,226 --> 00:12:11,931 それを 幕府の者どもに 見せつけてやるのだ! 111 00:12:25,912 --> 00:12:29,782 今日こそは 答えていただく。 112 00:12:29,782 --> 00:12:36,255 仰せなれど 我らにも事情がありまする。 113 00:12:36,255 --> 00:12:41,928 ⚟(大原)帝のご意向を ないがしろになさるおつもりか。 114 00:12:41,928 --> 00:12:47,934 ⚟(板倉)めっそうもない。 よくよく考えねばならぬと。 115 00:12:50,269 --> 00:12:56,142 お答えいただけぬのなら こちらにも考えが! 116 00:12:56,142 --> 00:13:13,893 ♬~ 117 00:13:13,893 --> 00:13:21,234 ここから お帰りになれぬことにも…。 118 00:13:21,234 --> 00:13:30,910 ♬~ 119 00:13:30,910 --> 00:13:33,379 待たれよ! 120 00:13:33,379 --> 00:13:41,888 勅命は きっと お受けいたしまする。 121 00:13:43,589 --> 00:13:51,297 ついに 幕府は 人事に関する勅命を 受け入れたのです。 122 00:13:54,600 --> 00:14:02,341 あのような… 脅すような まねまでして➡ 123 00:14:02,341 --> 00:14:06,546 無理を通したことが よかったのかどうか…。 124 00:14:08,147 --> 00:14:12,552 小松様は お優しすぎもす。 125 00:14:12,552 --> 00:14:20,226 鬼にならんといかん時もありもす。 鬼? 126 00:14:20,226 --> 00:14:23,563 鬼でごわす。 127 00:14:23,563 --> 00:14:31,237 大久保さんは これが 我々の天命だと言いましたね。 128 00:14:31,237 --> 00:14:36,909 日本国を強か国にすること。 129 00:14:36,909 --> 00:14:40,913 そいが我らの天命でございもす。 130 00:14:43,683 --> 00:14:48,521 天命とは そういうものでしょうか。 131 00:14:48,521 --> 00:14:51,924 は? 132 00:14:51,924 --> 00:15:00,533 天は 人を脅したり そんなことを我らに命じるのでしょうか。 133 00:15:00,533 --> 00:15:04,237 そげなことも ありもんそ。 134 00:15:07,306 --> 00:15:15,114 私は… 納得がいきません。 135 00:15:21,821 --> 00:15:29,829 私と小松様のお考えは 違うのかもしれもはんな…。 136 00:15:37,437 --> 00:15:39,906 そして…。 137 00:15:39,906 --> 00:15:46,078 将軍後見職を命じる。 念を入れて務めい。 138 00:15:46,078 --> 00:15:48,014 (一橋慶喜)ははっ。 139 00:15:48,014 --> 00:15:53,820 勅命を受け入れ 慶喜殿を後見職にじゃと!? 140 00:15:53,820 --> 00:15:58,257 やはり 久光殿に会わねばならぬ。 141 00:15:58,257 --> 00:16:03,529 勅命を取り下げさせるのは無理でも 何らかの手を打たねば…。 142 00:16:03,529 --> 00:16:07,867 しかし… しかし どうやって。 143 00:16:07,867 --> 00:16:14,173 もうすぐ 亡き公方様の ご命日でございますね。 144 00:16:16,876 --> 00:16:20,179 ご命日…。 145 00:16:23,549 --> 00:16:27,854 滝山… でかした! 146 00:16:31,224 --> 00:16:37,897 天璋院様が わしにお会いになりたいそうじゃ。 147 00:16:37,897 --> 00:16:40,233 えっ! 148 00:16:40,233 --> 00:16:44,103 これは面白い…。 149 00:16:44,103 --> 00:16:50,576 そして 家定様のご命日である 8月8日➡ 150 00:16:50,576 --> 00:16:57,917 天璋院様は 墓参りのため 寛永寺を訪れました。 151 00:16:57,917 --> 00:17:22,708 ♬~ 152 00:17:22,708 --> 00:17:25,211 面を上げよ。 153 00:17:25,211 --> 00:17:27,513 ははっ。 154 00:17:33,352 --> 00:17:39,559 この度は お目通りがかない 過分なる誉れに…。 155 00:17:39,559 --> 00:17:42,228 挨拶は 要らぬ。 156 00:17:42,228 --> 00:17:44,230 は…。 157 00:17:44,230 --> 00:17:47,433 前置きも省く。 158 00:18:20,533 --> 00:18:24,870 官位も持たぬその方が 朝廷の威を借り➡ 159 00:18:24,870 --> 00:18:31,744 武力をもって 幕府の政に口を出すとは どういうつもりじゃ。 160 00:18:31,744 --> 00:18:39,418 此度の江戸参府は 朝廷よりの勅使を お守りするためにございます。 161 00:18:39,418 --> 00:18:44,056 老中たちを斬ると脅し 勅命を受け取らせたとか。 162 00:18:44,056 --> 00:18:48,227 (久光)それは… 噂にすぎません。 163 00:18:48,227 --> 00:18:54,900 幕府の負け惜しみではございませぬか。 164 00:18:54,900 --> 00:19:02,174 古い政を終わらせ 異国と対峙できる強い日本国を造る。 165 00:19:02,174 --> 00:19:08,514 そのために 今の幕府を薩摩が変えようと決意し➡ 166 00:19:08,514 --> 00:19:12,685 実行に移したまでにございます。 167 00:19:12,685 --> 00:19:19,191 朝廷も 私の考えに同意なされたゆえ 此度の勅命が…。 168 00:19:19,191 --> 00:19:23,529 朝廷の言い分を聞けば いずれ攘夷実行を持ち出される。 169 00:19:23,529 --> 00:19:26,432 それが分からぬのか! 170 00:19:26,432 --> 00:19:32,038 攘夷は 無理かと存じます。 171 00:19:32,038 --> 00:19:38,911 攘夷が無理!? それを帝に申し上げたのか? 172 00:19:38,911 --> 00:19:42,681 いいえ。 なぜじゃ? 173 00:19:42,681 --> 00:19:48,487 帝は 攘夷をお望みゆえ。 174 00:19:51,891 --> 00:20:00,366 要するに そちは朝廷に取り入るため 己の考えを隠していると。 175 00:20:00,366 --> 00:20:08,874 それは 幕府も同じではございませぬか? 176 00:20:19,585 --> 00:20:22,922 私は…。 177 00:20:22,922 --> 00:20:38,104 ♬~ 178 00:20:38,104 --> 00:20:42,608 私は 薩摩に誇りを持ってきた。 179 00:20:49,415 --> 00:20:59,425 薩摩にだけは 間違った道へと進んでほしくはなかった。 180 00:20:59,425 --> 00:21:07,166 畏れながら 間違っているとは思いませぬが。 181 00:21:07,166 --> 00:21:15,741 私は 徳川家の大御台所として この国の安泰を守り抜く覚悟じゃ。 182 00:21:15,741 --> 00:21:20,946 それゆえ そちの指図は受けぬ。 183 00:21:22,515 --> 00:21:29,522 もう 会うこともなかろう。 184 00:21:33,926 --> 00:21:38,797 畏れ入り奉りましてございます。 185 00:21:38,797 --> 00:22:30,916 ♬~ 186 00:22:30,916 --> 00:22:34,253 天璋院様は もはや➡ 187 00:22:34,253 --> 00:22:39,124 薩摩の味方となってくださる おつもりは ないようじゃの。 188 00:22:39,124 --> 00:22:43,596 我々が進めようとしている改革は 間違っていないはずです。 189 00:22:43,596 --> 00:22:46,599 しかし 畏れながら…。 190 00:22:49,935 --> 00:22:53,806 力で脅したため 無用な抵抗を受け…。 191 00:22:53,806 --> 00:23:00,346 そちは 天璋院様と 友であったと申したな。 192 00:23:00,346 --> 00:23:03,215 は…。 193 00:23:03,215 --> 00:23:09,521 もう二度と 会うこともあるまい。 194 00:23:12,358 --> 00:23:15,561 は…。 195 00:23:15,561 --> 00:23:31,377 ♬~ 196 00:23:31,377 --> 00:23:35,247 1人にしてくれぬか。 197 00:23:35,247 --> 00:23:38,584 承知つかまつりました。 198 00:23:38,584 --> 00:24:13,052 ♬~ 199 00:24:13,052 --> 00:24:16,255 (松平春嶽)面を上げよ。 は…。 200 00:24:18,223 --> 00:24:22,895 此度の薩摩の建白書 面白く読ませてもらった。 201 00:24:22,895 --> 00:24:24,830 はっ。 202 00:24:24,830 --> 00:24:28,567 (家臣)失礼いたします。 勝殿が お見えですが。 203 00:24:28,567 --> 00:24:31,904 かまわぬ 通せ。 (家臣)はっ。 204 00:24:31,904 --> 00:24:35,374 (勝 麟太郎)ご無礼つかまつりまする。 205 00:24:35,374 --> 00:24:39,912 先客でしたか。 (春嶽)かまわぬ 入れ入れ。 206 00:24:39,912 --> 00:24:42,915 では 失礼して。 207 00:24:44,583 --> 00:24:50,756 此度は 政事総裁職 ご就任 祝着至極に存じます。 208 00:24:50,756 --> 00:24:57,396 うむ。 こちらは 薩摩の小松殿じゃ。 209 00:24:57,396 --> 00:25:00,199 改革について話しておったところじゃ。 210 00:25:00,199 --> 00:25:03,035 薩摩は 武力で迫り➡ 211 00:25:03,035 --> 00:25:06,538 権謀術数を尽くして この国を変えようとしております。 212 00:25:06,538 --> 00:25:11,210 ご用心せねば 後々 恐ろしいことに。 213 00:25:11,210 --> 00:25:16,081 卒爾ながら 我が薩摩を侮辱なさるのか! 214 00:25:16,081 --> 00:25:20,352 我が薩摩は…。 「薩摩 薩摩」と申されますな。 215 00:25:20,352 --> 00:25:24,890 これからは 薩摩も徳川もござりませぬ。 216 00:25:24,890 --> 00:25:28,727 分かっています。 強い日本国を造るため➡ 217 00:25:28,727 --> 00:25:33,232 異国に負けぬために…。 まあ そうお熱くならず➡ 218 00:25:33,232 --> 00:25:37,102 お聞きくださいませ。 219 00:25:37,102 --> 00:25:43,242 此度 薩摩は 強引なやり方で 幕府の改革を迫った。 220 00:25:43,242 --> 00:25:50,949 力をちらつかせて脅した。 そんなやり方は 下の下です。 221 00:25:52,584 --> 00:25:56,588 私も…。 うん? 222 00:25:58,390 --> 00:26:01,393 此度のやり方には 納得がいっておりません。 223 00:26:01,393 --> 00:26:05,164 こりゃ 面白いことだ。 224 00:26:05,164 --> 00:26:10,869 薩摩の中にも こういう御仁がおいでとは。 いえ…。 225 00:26:10,869 --> 00:26:17,176 だったら どうすべきだったか。 よろしいか…。 226 00:26:18,744 --> 00:26:26,418 上等な人間てえものは 力で人は動かさねえもんです。 227 00:26:26,418 --> 00:26:30,055 では どうやって? 228 00:26:30,055 --> 00:26:36,228 心です。 心で動かすもんですよ。 229 00:26:36,228 --> 00:26:41,934 心で…。 そういうことです。 230 00:26:48,240 --> 00:26:54,246 お言葉 胸にしみました。 231 00:26:56,915 --> 00:27:00,786 本当に そうですね。 232 00:27:00,786 --> 00:27:05,724 ますます面白い。 233 00:27:05,724 --> 00:27:09,328 お名は 何といわれましたかな。 234 00:27:09,328 --> 00:27:13,532 申し遅れました。 小松帯刀と申します。 235 00:27:13,532 --> 00:27:15,567 あの そちらは? 236 00:27:15,567 --> 00:27:18,403 勝 麟太郎と申します。 237 00:27:18,403 --> 00:27:22,207 こう見えて 幕府の役人じゃ。 238 00:27:22,207 --> 00:27:26,879 幕府の…。 いや…。 239 00:27:26,879 --> 00:27:36,221 小松帯刀様 その名を忘れずにおりましょう。 240 00:27:36,221 --> 00:27:44,229 勝 麟太郎様… 私も忘れません。 241 00:27:47,833 --> 00:27:52,538 そのころ 大奥では…。 242 00:27:58,243 --> 00:28:00,846 御台様! 243 00:28:00,846 --> 00:28:03,549 宮様? 244 00:28:08,187 --> 00:28:11,490 いかがなさったのですか? 245 00:28:21,533 --> 00:28:29,274 この度の勅命のこと 心よりお詫び申し上げます。 246 00:28:29,274 --> 00:28:34,213 それは 宮様とは関わりのなきこと。 そのような…。 247 00:28:34,213 --> 00:28:41,219 私は 公武合体のため…➡ 248 00:28:41,219 --> 00:28:46,091 朝廷と幕府が 一つになり この国を守っていく。 249 00:28:46,091 --> 00:28:48,961 その証しとして参りました。 250 00:28:48,961 --> 00:28:51,863 此度のことが 幕府を苦しめているのであれば…。 251 00:28:51,863 --> 00:28:56,368 それは違います。 此度は 薩摩です。 252 00:28:56,368 --> 00:29:02,874 すべては 我がふるさと 薩摩が犯せしこと。 253 00:29:05,510 --> 00:29:09,014 ふるさと…。 254 00:29:09,014 --> 00:29:14,186 ふるさとは捨てたのでした。 255 00:29:14,186 --> 00:29:23,195 私は ふるさとを捨てることなど できません。 何があろうとも。 256 00:29:26,765 --> 00:29:31,737 それは 天璋院さんも同じかと。 257 00:29:31,737 --> 00:30:00,232 ♬~ 258 00:30:00,232 --> 00:30:02,567 薩摩と会った? 259 00:30:02,567 --> 00:30:06,738 お伝えもせず 申し訳ございませんでした。 260 00:30:06,738 --> 00:30:11,243 ただ どうしても その真意を 問いただしたかったのでございます。 261 00:30:11,243 --> 00:30:13,178 薩摩の真意? 262 00:30:13,178 --> 00:30:22,754 はい。 なれど 久光殿とは 物別れに終わり…。 263 00:30:22,754 --> 00:30:25,257 そうですか…。 264 00:30:29,261 --> 00:30:35,133 でも 一つだけ心残りがあるのです。 265 00:30:35,133 --> 00:30:42,808 それを果たすため 公方様のお力添えを 頂きたいのでございます。 266 00:30:42,808 --> 00:30:58,290 ♬~ 267 00:30:58,290 --> 00:31:00,592 まさか…。 268 00:31:31,590 --> 00:31:33,925 小松殿。 269 00:31:33,925 --> 00:31:36,595 ははっ。 270 00:31:36,595 --> 00:31:42,267 にわかに呼び出したること 申し訳なく思うておりまする。 271 00:31:42,267 --> 00:31:46,138 そんな もったいのうございます。 272 00:31:46,138 --> 00:31:49,408 どうしても もう一度 会って話がしたいと思い➡ 273 00:31:49,408 --> 00:31:55,213 公方様にお願いし 計らっていただきました。 274 00:31:55,213 --> 00:31:59,418 もう こそこそするのは 嫌になりました。 275 00:31:59,418 --> 00:32:03,221 正々堂々と 会いたいと思ったのです。 276 00:32:09,895 --> 00:32:16,368 天璋院様におかれましては 此度の件で さぞや おつらい思いを。 277 00:32:16,368 --> 00:32:18,737 尚五郎さん。 278 00:32:18,737 --> 00:32:21,239 は…。 279 00:32:27,913 --> 00:32:35,587 ここは 大奥です。 皆 私の家族。 以前のように話してください。 280 00:32:35,587 --> 00:32:38,490 はあ しかし…。 281 00:32:38,490 --> 00:32:41,193 ⚟(常盤)失礼いたします。 282 00:32:49,935 --> 00:32:52,838 これは…。 283 00:32:52,838 --> 00:33:03,215 ♬~ 284 00:33:03,215 --> 00:33:07,519 薩摩のことを お聞かせください。 285 00:33:09,087 --> 00:33:13,859 今和泉の方々は お変わりありません。 286 00:33:13,859 --> 00:33:20,365 お母上も… 忠敬殿も。 287 00:33:20,365 --> 00:33:23,168 そうですか。 288 00:33:27,906 --> 00:33:35,247 あなたは… まだお一人ということはありませんよね。 289 00:33:35,247 --> 00:33:38,149 妻をめとりました。 290 00:33:38,149 --> 00:33:43,455 お相手は どのようなお方なのですか? 291 00:33:46,858 --> 00:33:49,594 近です。 292 00:33:49,594 --> 00:33:58,603 ♬~ 293 00:33:58,603 --> 00:34:01,606 そうなのです。 294 00:34:03,208 --> 00:34:07,879 では 養子に入られた時に? 295 00:34:07,879 --> 00:34:13,552 はい。 6年になります。 296 00:34:13,552 --> 00:34:21,293 そうですか お近さんと。 はい。 297 00:34:21,293 --> 00:34:26,131 お子さんは? いえ まだ。 298 00:34:26,131 --> 00:34:30,568 そうですか。 299 00:34:30,568 --> 00:34:35,240 でも お二人が 夫婦になられるなんて➡ 300 00:34:35,240 --> 00:34:40,111 縁というのは 分からないものですね。 301 00:34:40,111 --> 00:34:43,114 そうですね。 302 00:34:44,916 --> 00:34:51,256 それと 私は 名を小松帯刀と改めました。 303 00:34:51,256 --> 00:34:58,263 小松帯刀殿? はあ。 304 00:35:06,738 --> 00:35:31,563 ♬~ 305 00:35:31,563 --> 00:35:37,268 (ジョン万次郎)尚五郎さんは 天璋院様を好いちょられました。 306 00:35:40,238 --> 00:35:43,908 どうかなさいましたか? 307 00:35:43,908 --> 00:35:49,614 いいえ 何でもありません。 308 00:35:55,086 --> 00:35:59,391 天璋院様。 はい。 309 00:35:59,391 --> 00:36:05,597 一つだけ お分かりいただきたいことがございます。 310 00:36:07,132 --> 00:36:09,868 何でしょう。 311 00:36:09,868 --> 00:36:15,740 老中たちを脅して 勅命を受け入れさせたこと➡ 312 00:36:15,740 --> 00:36:23,748 私は 間違ったやり方だと思っております。 313 00:36:25,417 --> 00:36:27,419 それで? 314 00:36:27,419 --> 00:36:33,725 私は 己の考えに 自信が持てなかったのです。 315 00:36:33,725 --> 00:36:39,230 なぜなら 友たちの命を犠牲にしてまで ここに来たこと➡ 316 00:36:39,230 --> 00:36:41,566 無駄にしてよいはずはない。 317 00:36:41,566 --> 00:36:50,241 幕府を一刻も早く改革せねばならぬと 焦っていたからにございます。 318 00:36:50,241 --> 00:36:59,584 しかし 間違っていたと。 はい。 ある方に言われたのです。 319 00:36:59,584 --> 00:37:08,393 力で人を動かすのではない。 心で人を動かすのだと。 320 00:37:08,393 --> 00:37:14,699 力ではなく 心で…。 321 00:37:17,335 --> 00:37:20,538 そうですか…。 322 00:37:20,538 --> 00:37:30,248 ♬~ 323 00:37:32,150 --> 00:37:39,557 私も 間違っていたことがありました。 え? 324 00:37:39,557 --> 00:37:45,897 薩摩など捨てると思い そうしてきたつもりでした。 325 00:37:45,897 --> 00:37:52,771 でも 私は 自分の心に うそをついていたのです。 326 00:37:52,771 --> 00:37:58,476 そのことを ある方に気づかされました。 327 00:38:04,382 --> 00:38:07,385 尚五郎さん…。 328 00:38:10,088 --> 00:38:19,531 いえ… 帯刀殿。 はっ。 329 00:38:19,531 --> 00:38:26,204 私は この大奥で 徳川を守ります。 330 00:38:26,204 --> 00:38:36,214 でも あなたは 私が… 私の愛するふるさと➡ 331 00:38:36,214 --> 00:38:39,918 薩摩を守ってください。 332 00:38:42,554 --> 00:38:44,856 ははっ。 333 00:38:51,229 --> 00:38:57,936 お会いできて 本当によかった。 334 00:39:01,840 --> 00:39:05,143 私もにございます。 335 00:39:08,713 --> 00:39:12,183 それと…。 336 00:39:12,183 --> 00:39:14,886 はい。 337 00:39:17,055 --> 00:39:20,858 参りました。 338 00:39:20,858 --> 00:39:22,794 ああ…。 339 00:39:22,794 --> 00:39:30,568 ああ… 久しく会わないうちに 随分と ご立派になられたのですね。 340 00:39:30,568 --> 00:39:34,405 打ち筋が違っておいでです。 341 00:39:34,405 --> 00:39:37,408 そのような…。 342 00:39:39,544 --> 00:39:42,247 また…。 343 00:39:44,883 --> 00:39:49,187 また あなたと会えますように。 344 00:39:54,892 --> 00:40:01,599 お会いできます 必ずや。 345 00:40:03,368 --> 00:40:06,170 必ず。 346 00:40:09,173 --> 00:40:12,110 必ず。 347 00:40:12,110 --> 00:40:21,786 ♬~ 348 00:40:21,786 --> 00:40:26,925 2か月にわたった幕府との折衝を終え➡ 349 00:40:26,925 --> 00:40:34,932 薩摩の一行が江戸を離れたのは それから間もなくのことでした。 350 00:40:40,271 --> 00:40:49,414 そして 事件は 神奈川宿に近い 生麦村で起こります。 351 00:40:49,414 --> 00:40:54,252 (家臣)止まれ 止まれ! 352 00:40:54,252 --> 00:40:57,155 (伊地知正治)どけどけ! 道をあけんか! 353 00:40:57,155 --> 00:41:00,858 (有村俊斎)帰れ! 引き返せ! 354 00:41:02,894 --> 00:41:05,196 何事じゃ? 355 00:41:06,764 --> 00:41:09,567 (奈良原喜八郎)貴様!➡ 356 00:41:09,567 --> 00:41:13,237 うわ~ うわ~。 357 00:41:13,237 --> 00:41:15,940 (リチャードソン)ストップ! 358 00:41:23,881 --> 00:41:31,255 イギリス人男性1人が死亡 2人が負傷した生麦事件。 359 00:41:31,255 --> 00:41:34,158 薩摩は これを無礼討ちとし➡ 360 00:41:34,158 --> 00:41:40,164 一行は そのまま 東海道を西へと進みました。 361 00:41:45,803 --> 00:41:49,640 異人を斬った!? 何かの間違いではないのか!? 362 00:41:49,640 --> 00:41:52,944 薩摩が 攘夷を行うはずがない。 363 00:41:52,944 --> 00:41:56,814 久光殿は 攘夷は無理だと はっきり言うておったのじゃ。 364 00:41:56,814 --> 00:42:01,352 されど イギリスと薩摩との間に 戦が起きるかもしれぬと➡ 365 00:42:01,352 --> 00:42:06,157 表は騒いでおりまする。 戦じゃと! 366 00:42:09,894 --> 00:42:16,567 薩摩は… 薩摩はどうなるのじゃ。 367 00:42:16,567 --> 00:42:21,439 攘夷を否定しながら イギリスと戦う。 368 00:42:21,439 --> 00:42:28,446 矛盾に満ちた薩英戦争は 次の年に迫っておりました。 369 00:42:30,581 --> 00:42:33,384 公方様…。 370 00:42:33,384 --> 00:42:35,453 よくぞ ご決意なさいました。 371 00:42:35,453 --> 00:42:37,755 家茂 京へ参りまする。 372 00:42:37,755 --> 00:42:39,791 大御台さんを お恨み申します。 373 00:42:39,791 --> 00:42:42,927 母上を頼みます。 宮様を頼みます。 374 00:42:42,927 --> 00:42:45,763 無駄なこと。 大変なことにございます。 375 00:42:45,763 --> 00:42:47,698 イギリスとの戦になるやもしれん。 376 00:42:47,698 --> 00:42:50,935 坂本。はい。 いつも海を思え。 377 00:42:50,935 --> 00:42:52,870 母上が!? 母上…。 378 00:42:52,870 --> 00:42:57,275 間違いじゃ! 私は… あの方の妻です。 379 00:42:57,275 --> 00:43:00,278 母とは違うのです。 380 00:43:02,880 --> 00:43:05,216 <東京都墨田区。➡ 381 00:43:05,216 --> 00:43:10,088 幕府の中で 広い視野を持つ 開明派として活躍した➡ 382 00:43:10,088 --> 00:43:13,391 勝 海舟のふるさとです> 383 00:43:15,560 --> 00:43:22,867 <勝は 将軍直属の家臣 旗本の長男として 生まれました> 384 00:43:24,569 --> 00:43:28,439 <若い頃 剣術の修行に明け暮れた勝は➡ 385 00:43:28,439 --> 00:43:34,579 神社の境内で 夜通し 稽古を行ったといいます。➡ 386 00:43:34,579 --> 00:43:39,083 剣の師匠の勧めで 禅修行にも励みます。➡ 387 00:43:39,083 --> 00:43:45,857 その後 蘭学を学び 徐々に 頭角を現していきました。➡ 388 00:43:45,857 --> 00:43:50,094 万延元年 1860年。➡ 389 00:43:50,094 --> 00:43:53,397 幕府の軍艦で アメリカに渡った勝は➡ 390 00:43:53,397 --> 00:43:57,602 新たな社会制度を学び 帰ってきます> 391 00:43:59,604 --> 00:44:02,206 <幕政改革を 推し進める➡ 392 00:44:02,206 --> 00:44:07,545 松平慶永に認められた 勝 海舟。➡ 393 00:44:07,545 --> 00:44:10,882 後に 天璋院と共に➡ 394 00:44:10,882 --> 00:44:15,553 徳川家の命運を 担っていくことになります> 395 00:44:15,553 --> 00:44:25,263 ♬~