1 00:00:02,202 --> 00:00:08,942 ♬~ 2 00:00:08,942 --> 00:00:15,115 ♬「いたずらに 過ぎていく時間が」 3 00:00:15,115 --> 00:00:21,288 ♬「夢へと 流れ出す」 4 00:00:21,288 --> 00:00:27,160 ♬「迷わずに 明日を選んでいける」 5 00:00:27,160 --> 00:00:32,299 ♬「そんなふうに 思えるよう」 6 00:00:32,299 --> 00:00:39,172 ♬「隠しきれない この気持ち」 7 00:00:39,172 --> 00:00:45,846 ♬「大空に描きだす」 8 00:00:45,846 --> 00:00:48,315 ♬「Reach for the golden ring」 9 00:00:48,315 --> 00:00:50,984 ♬「Reach for the sky」 10 00:00:50,984 --> 00:00:54,021 ♬「今すべて 受けとめて」 11 00:00:54,021 --> 00:00:58,325 ♬「陽の当たる丘で」 12 00:00:58,325 --> 00:01:03,163 ♬「軽く口笛を吹き」 13 00:01:03,163 --> 00:01:12,873 ♬「思いきりアハハと笑ってみようよ」 14 00:01:15,275 --> 00:01:29,623 ♬~ 15 00:01:29,623 --> 00:01:36,496 (美月)<昭和29年4月 東映の 中村錦之助の「笛吹童子」が大当たり> 16 00:01:36,496 --> 00:01:44,204 ♬~ 17 00:01:46,640 --> 00:01:52,846 <大京映画の「疾風・三本の剣」も 大当たりし シリーズ化が決定> 18 00:01:58,652 --> 00:02:05,392 ♬~ 19 00:02:05,392 --> 00:02:08,762 (女性客たち)キャ~! (君江)幸様~!➡ 20 00:02:08,762 --> 00:02:14,267 幸様… いや~! (女性客たち)キャ~! 21 00:02:14,267 --> 00:02:17,771 <黒田社長の もくろみは まんまと当たり➡ 22 00:02:17,771 --> 00:02:21,942 世の中は 空前の映画ブームが 到来しようとしていた。➡ 23 00:02:21,942 --> 00:02:24,978 そんなころ…➡ 24 00:02:24,978 --> 00:02:27,481 弟が生まれた> 25 00:02:29,816 --> 00:02:32,953 <弟は 梓と名付けられた。➡ 26 00:02:32,953 --> 00:02:37,958 「梓」は 本当は ママが 私に付けたかった名前らしい> 27 00:02:40,427 --> 00:02:46,233 <このころから 私は 隣の椿屋で 寝起きするようになっていた> 28 00:02:49,136 --> 00:02:52,439 (春夫)フフッ…。 29 00:02:52,439 --> 00:02:55,308 (愛子)どうして あの時 うちにいてくれなかったの? 30 00:02:55,308 --> 00:02:57,310 (春夫)えっ? 31 00:02:57,310 --> 00:03:03,817 梓が病気になった晩よ。 肺炎になって 死にそうになった時。 32 00:03:05,919 --> 00:03:08,755 (愛子)梓の熱が 高くて…! 33 00:03:08,755 --> 00:03:11,658 春夫さん 東京なんです。 34 00:03:11,658 --> 00:03:13,627 (滝乃)救急車は やめときよし。 35 00:03:13,627 --> 00:03:17,397 どこの病院 連れていかれるか 分からへんし…。 36 00:03:17,397 --> 00:03:20,100 泣いてる場合やあらへんやろ。 37 00:03:20,100 --> 00:03:25,605 大丈夫。 京大病院の先生 うちのお客さんやから 任しとき。 38 00:03:25,605 --> 00:03:28,408 (梓の泣き声) (愛子)すいません…。 39 00:03:28,408 --> 00:03:31,211 (滝乃)京大病院の救急入り口。 40 00:03:34,281 --> 00:03:37,951 小児科の山根教授が 待っててくれはるさかい。 41 00:03:37,951 --> 00:03:40,620 すいません 美月を よろしくお願いします。 42 00:03:40,620 --> 00:03:43,957 大丈夫よ。 大丈夫 大丈夫。 43 00:03:43,957 --> 00:03:48,295 <それから1週間 梓は生死の境をさまよい➡ 44 00:03:48,295 --> 00:03:52,966 ママとパパは ずっと 病院に詰めていた> 45 00:03:52,966 --> 00:04:00,240 あなたが いてくれれば あの時 美月を あの人に託さなくても済んだのよ…。 46 00:04:00,240 --> 00:04:03,143 一緒に 病院に連れていけたのよ。 47 00:04:03,143 --> 00:04:06,146 今更言うても しかたないやろ。 48 00:04:09,249 --> 00:04:13,120 ご苦労さんやったね。 さっき 山根先生からも お電話あったんえ。 49 00:04:13,120 --> 00:04:15,122 親切な先生やろ。 50 00:04:15,122 --> 00:04:17,958 何もかも 滝さんのおかげや。 ホンマに ありがとうございました。 51 00:04:17,958 --> 00:04:21,595 ありがとうございました。 美月のことも お願いしっぱなしで。 52 00:04:21,595 --> 00:04:24,264 水くさいこと。 美月ちゃん➡ 53 00:04:24,264 --> 00:04:28,969 パパとママに 見てもらおうか? 入って はよ。 54 00:04:39,813 --> 00:04:41,815 どうぞ! 55 00:04:45,952 --> 00:04:50,290 (滝乃)美月ちゃんの お部屋。 模様替えしたんえ。 56 00:04:50,290 --> 00:04:52,292 1週間の間に? 57 00:04:52,292 --> 00:04:59,299 大きなったら ここで お勉強したり ご本 読んだりしよね。 58 00:04:59,299 --> 00:05:03,570 これ… 美月ちゃんの お気に入りなんえ。 なっ?➡ 59 00:05:03,570 --> 00:05:07,240 熊さん… ほら はい。 60 00:05:07,240 --> 00:05:13,113 あの人は 恐ろしい。 着々と既成事実 作って…。 61 00:05:13,113 --> 00:05:15,949 (春夫)キセイジジツ? ぜいたくな部屋 作ることが➡ 62 00:05:15,949 --> 00:05:17,951 愛情じゃないわ。 63 00:05:17,951 --> 00:05:22,255 人生を強く生き抜ける人間に 育てることが 親の愛じゃないの。 64 00:05:22,255 --> 00:05:25,158 (英語で) 65 00:05:25,158 --> 00:05:29,996 ぜいたくな部屋でも 強い人間に育てることはできるよ。 66 00:05:29,996 --> 00:05:35,402 梓も 大きなったら 子供部屋が要るやろ? こっちの家は 狭い。 67 00:05:35,402 --> 00:05:37,771 お風呂も借りてんのやし➡ 68 00:05:37,771 --> 00:05:42,609 オードリーの部屋が あっちにあっても ええと思うけどな。 69 00:05:42,609 --> 00:05:47,948 どんなに狭くても 一つ屋根の下で 子供育てるのが➡ 70 00:05:47,948 --> 00:05:50,650 親の愛だと思うけど…。 71 00:05:54,287 --> 00:05:57,791 (ふすまが開く音) (滝乃)どうぞ。 72 00:06:03,363 --> 00:06:06,900 (花尾)いや いつもありがとう。 73 00:06:06,900 --> 00:06:09,936 ただいま お薄 お持ちします。 74 00:06:09,936 --> 00:06:12,772 うちの書斎では つらい仕事も➡ 75 00:06:12,772 --> 00:06:17,911 ここへ座って あんたのお薄を頂いたら やる気が出るわ。 76 00:06:17,911 --> 00:06:22,215 もったいないこと。 どうぞ ごゆっくり。 77 00:06:25,585 --> 00:06:28,088 <お母ちゃまは 優しかったけど➡ 78 00:06:28,088 --> 00:06:33,393 私をお客様の前に出すことだけは 絶対に しなかった> 79 00:06:37,264 --> 00:06:43,403 (君江)昔々 お父ちゃんと お母ちゃんは 死にました。 80 00:06:43,403 --> 00:06:52,112 海の向こうの 山の向こうの 熊本っていう国に➡ 81 00:06:52,112 --> 00:06:55,615 君ちゃんのおばあちゃんは 住んでいました。 82 00:06:58,418 --> 00:07:06,159 「山鹿の灯籠踊り」いうて こんな灯籠を頭に載せて 踊るねん。 83 00:07:06,159 --> 00:07:11,898 ♬~ 84 00:07:11,898 --> 00:07:16,236 うちは踊りたかったんやけど…➡ 85 00:07:16,236 --> 00:07:23,576 ばあちゃんが 「京都へ行ったら 戻ってくるな」って➡ 86 00:07:23,576 --> 00:07:26,579 このうちに言いました。 87 00:07:30,450 --> 00:07:35,755 <君ちゃんは 10歳の時に 椿屋に奉公に来たらしい。➡ 88 00:07:35,755 --> 00:07:40,593 同い年のお母ちゃまとは そのころからの つきあいやった> 89 00:07:40,593 --> 00:07:46,466 ♬~ 90 00:07:46,466 --> 00:07:51,237 (ふすまが開く音) (滝乃)何 やってんの? 91 00:07:51,237 --> 00:07:57,043 ごめんね~。 大事なお客様やったの。 もうええわ。 92 00:07:57,043 --> 00:08:01,214 あっ 君ちゃん 霞の二番の花尾先生 音に敏感な先生やから➡ 93 00:08:01,214 --> 00:08:04,884 まき割りする時 大きな声 出さんといてね。 94 00:08:04,884 --> 00:08:08,221 返事。 (無声で)はい。 95 00:08:08,221 --> 00:08:10,924 面白い子やね。 96 00:08:12,559 --> 00:08:17,263 <お母ちゃまは 君ちゃんのこういうとこが かわいいみたいやった> 97 00:08:32,379 --> 00:08:34,748 おりゃ~! 98 00:08:34,748 --> 00:08:39,085 あっ…。 (泰子)し~っ! 奥様に言われたやろ。 99 00:08:39,085 --> 00:08:43,089 (小声で)そやった…。 何 やってんの。 100 00:08:49,396 --> 00:08:53,099 君ちゃん。 す… すんませんでした。 101 00:08:53,099 --> 00:08:55,034 これ 関川さんが 持ってきはったんやけど➡ 102 00:08:55,034 --> 00:08:58,772 休みの日にでも 見てきよし。 103 00:08:58,772 --> 00:09:00,774 あっ…。 104 00:09:05,345 --> 00:09:09,549 <映画界も カラー時代に突入> 105 00:09:09,549 --> 00:09:15,221 (金太郎)「ひと~つ 人の世のため 国のため」。 106 00:09:15,221 --> 00:09:20,093 (剣之助)「ふた~つ 不正不義の輩ども」。 107 00:09:20,093 --> 00:09:25,231 (幸太郎)「みっつ みんごと この剣 受けてみるか」。 108 00:09:25,231 --> 00:09:28,134 幸様~! 幸様~! 109 00:09:28,134 --> 00:09:34,240 (女性客たち)幸様~! 幸様~! 110 00:09:34,240 --> 00:09:48,254 ♬~ 111 00:09:48,254 --> 00:09:53,760 (泣き声) どないした? 112 00:09:53,760 --> 00:09:57,597 あっ… ちょっと待っててな。 なっ? 113 00:09:57,597 --> 00:10:00,600 待ってて… 美月ちゃん 待ってて。 114 00:10:11,277 --> 00:10:17,617 (滝乃)待ってて。 あっ…。 (美月の泣き声) 115 00:10:17,617 --> 00:10:24,791 (泣き声) 116 00:10:24,791 --> 00:10:28,294 山根先生? ああ よかった! 先生が出てくれはって…。 117 00:10:28,294 --> 00:10:35,635 うちの美月が…。 あ… あの… 椿屋の吉岡滝乃です。 118 00:10:35,635 --> 00:10:43,977 ⚟(車のエンジン音) 119 00:10:43,977 --> 00:10:47,480 うん? 愛子? 120 00:10:50,316 --> 00:10:53,319 うん? 愛子…。 121 00:11:00,126 --> 00:11:03,596 美月! あっ…。 122 00:11:03,596 --> 00:11:06,633 先生! 123 00:11:06,633 --> 00:11:10,270 (山根)もう お嬢さんも ご心配ないと思いますよ。 124 00:11:10,270 --> 00:11:14,607 あとは 十分に水分をとって 安静にしておられれば…。 125 00:11:14,607 --> 00:11:17,277 梓のことでは いろいろ お世話になりまして…。 126 00:11:17,277 --> 00:11:21,281 また 不安になったら連絡さしてもろて よろしおすか?どうぞ。 127 00:11:21,281 --> 00:11:24,050 どうして… どうして 知らせてくれなかったんですか!? 128 00:11:24,050 --> 00:11:26,953 静かにおしやす。 この子は あたしが産んだ子です。 129 00:11:26,953 --> 00:11:30,290 先生の前やないの。 すいません。 130 00:11:30,290 --> 00:11:32,959 あたしが 夜中に 表の気配に気付かなかったら➡ 131 00:11:32,959 --> 00:11:37,297 どうなってたんですか? 山根先生に 往診していただくような事態なのに➡ 132 00:11:37,297 --> 00:11:40,199 母親のあたしが 何も知らされないなんて…。 133 00:11:40,199 --> 00:11:44,437 先生。 先生も こんなの おかしいと お思いになりません? 134 00:11:44,437 --> 00:11:47,640 連れて帰ります。 せっかく寝たとこやのに…。 135 00:11:47,640 --> 00:11:51,811 (山根)今 夜風に当てるのは やめておいた方がええ。 136 00:11:51,811 --> 00:11:59,686 それと 複雑な環境は 幼児の心の負担になります。 137 00:11:59,686 --> 00:12:02,255 では これで。 138 00:12:02,255 --> 00:12:04,757 おおきに。 お世話さんどした。 139 00:12:04,757 --> 00:12:07,460 (春夫)ホンマに ありがとうございました。 140 00:12:09,629 --> 00:12:18,438 美月…。 ママ どうしたらいい? 美月は どうしたい? 141 00:12:20,273 --> 00:12:26,145 ごめんね…。 ごめんね 苦しい時に こんなこと聞いて…。 142 00:12:26,145 --> 00:12:33,820 でもね ママも 美月には 強くて優しい子になってほしいのよ。 143 00:12:33,820 --> 00:12:41,527 ♬~ 144 00:13:01,848 --> 00:13:06,152 愛子さん ごめんなさいね。 145 00:13:12,492 --> 00:13:17,330 はあ… ホンマに気が動転してて あんたのこと忘れてた。 146 00:13:17,330 --> 00:13:20,767 認めるわ。 ごめんなさい。 147 00:13:20,767 --> 00:13:25,938 すぐに知らせへんかったことも 堪忍して。 148 00:13:25,938 --> 00:13:28,274 滝乃さん…。 149 00:13:28,274 --> 00:13:33,413 山根先生の言わはったことで 私も 目が覚めた。 150 00:13:33,413 --> 00:13:39,218 美月ちゃんのためにも 私とあんたは 一番 仲のええ2人でないとあかんのや。 151 00:13:39,218 --> 00:13:41,954 そやろ? 152 00:13:41,954 --> 00:13:46,125 はあ…。 あんたも 美月ちゃんの前で➡ 153 00:13:46,125 --> 00:13:49,328 さっきみたいな大声 出さんといて。 154 00:13:50,963 --> 00:13:56,836 美月の前で動揺を見せたことは 反省してます。 155 00:13:56,836 --> 00:14:02,542 これからも 仲よう 美月ちゃんを育てていきましょね。 156 00:14:04,243 --> 00:14:07,914 はあ…。 157 00:14:07,914 --> 00:14:12,919 そやわ。 ええ考えがある。 158 00:14:15,588 --> 00:14:20,393 <3日後 椿屋と佐々木家を結ぶ 渡り廊下が出来た> 159 00:14:20,393 --> 00:14:26,599 フフッ 美月ちゃん これからは どっちのおうちも あんたのおうち。 160 00:14:26,599 --> 00:14:32,405 あんよが 上手になったら 自由に行き来したらええわ。 なっ? 161 00:14:32,405 --> 00:14:35,308 うわ~ こりゃ ええわ。 162 00:14:35,308 --> 00:14:38,611 雨の日も困らへんし お風呂行くのも便利やわ。 163 00:14:38,611 --> 00:14:42,315 子供抱いて 傘差すの 難儀やもんなあ。 164 00:14:46,953 --> 00:14:52,959 <お母ちゃまは こうして 一つ一つ 既成事実を積み重ねていった>