1 00:01:20,877 --> 00:01:22,877 (メガネさん)フッ。 2 00:01:26,883 --> 00:01:28,885 (マスター)あっ 松ちゃん。 いらっしゃい。 3 00:01:28,885 --> 00:01:30,885 (松ちゃん)おばんでやす。 4 00:01:32,823 --> 00:01:37,828 こちら フリーライターの ブラック黒田さん。 5 00:01:37,828 --> 00:01:40,831 いらっしゃいませ。 当店のマスターでございます。 6 00:01:40,831 --> 00:01:44,835 ハァ…。 松ちゃんが いい店だって 言うから来てみたけど 7 00:01:44,835 --> 00:01:48,839 何だ ただの すかしたバーじゃねえか。 8 00:01:48,839 --> 00:01:55,846 カウンターも黒くねえし 何より あの白い花が目障りだ。 9 00:01:55,846 --> 00:01:58,849 まあまあ そう言わずに どうぞ お掛けください。 10 00:01:58,849 --> 00:02:00,849 どうぞ。 11 00:02:03,854 --> 00:02:11,862 その上 俺とキャラが かぶってるやつまでいるときてる。 12 00:02:11,862 --> 00:02:13,864 メ… メガネさん。 いや 違うんだよ あの…。 13 00:02:13,864 --> 00:02:17,868 なるほど。 噂どおりだな。 14 00:02:17,868 --> 00:02:20,871 俺のこと 何か知ってんのか? 15 00:02:20,871 --> 00:02:22,873 ブラック黒田。 16 00:02:22,873 --> 00:02:25,876 人間や社会の闇を 鋭く えぐる作品ばかりを 17 00:02:25,876 --> 00:02:28,876 一貫して書き続けている ノンフィクション作家。 18 00:02:30,897 --> 00:02:33,817 一方 歯に衣着せぬ毒舌発言で 19 00:02:33,817 --> 00:02:37,821 文壇でも屈指の 鼻つまみ者でもある。 20 00:02:37,821 --> 00:02:40,824 な… 何 言ってんだよ。 黒田さん すごく いい人なんだよ。 21 00:02:40,824 --> 00:02:42,826 僕だって すごい お世話になってんだから。 22 00:02:42,826 --> 00:02:47,831 まったく…。 うるせえハエが いるみてえだな マスター。 23 00:02:47,831 --> 00:02:49,833 ごめんね マスター。 24 00:02:49,833 --> 00:02:52,836 さっき そこで 出版社のパーティーが あったんだけどさ 25 00:02:52,836 --> 00:02:55,839 黒田さん そこで ある人と ひと悶着あって 26 00:02:55,839 --> 00:02:58,842 ご機嫌斜めなんだよ。 27 00:02:58,842 --> 00:03:01,845 あいつのこと 思い出させんじゃねえよ! 28 00:03:01,845 --> 00:03:03,847 ああ…。 29 00:03:03,847 --> 00:03:07,851 黒田さんの ご機嫌直すお酒 何か ない? 30 00:03:07,851 --> 00:03:12,856 そうですね。 お見受けしたところ 黒が お好きなようですね。 31 00:03:12,856 --> 00:03:16,860 好き? ハッ そんな陳腐な言葉じゃ 収まんねえ。 32 00:03:16,860 --> 00:03:21,865 黒こそ俺。 俺こそ黒。 わが人生の色よ。 33 00:03:21,865 --> 00:03:26,870 そんな黒田さんに ぴったりのお酒が あります。 34 00:03:26,870 --> 00:03:30,841 どうせ スタウトか ジャックダニエルの黒でも 出そうってんだろ? 35 00:03:30,841 --> 00:03:33,710 言っとくがな そんな ありきたりじゃ…。 36 00:03:33,710 --> 00:03:35,712 こちらです。 37 00:03:35,712 --> 00:03:37,714 これは? 38 00:03:37,714 --> 00:03:40,717 メーカーズマーク ブラックトップです。 39 00:03:40,717 --> 00:03:43,720 メーカーズマークに ブラックなんて あったのか? 40 00:03:43,720 --> 00:03:46,723 お飲みになりますか? も… もちろん。 41 00:03:46,723 --> 00:03:48,723 かしこまりました。 42 00:03:59,736 --> 00:04:01,736 どうぞ。 43 00:04:07,744 --> 00:04:13,744 やだ 何!? これ。 おいしい! いや~! 44 00:04:19,756 --> 00:04:23,760 マスター 実に うまいな。 あっ はい…。 45 00:04:23,760 --> 00:04:28,765 しかし メーカーズマークといえば 赤い封蝋のレッドトップが代名詞。 46 00:04:28,765 --> 00:04:30,767 黒があったとは知らなかったな。 47 00:04:30,767 --> 00:04:34,804 確かに メーカーズマークといえば レッドトップですね。 48 00:04:34,804 --> 00:04:38,808 ビル・サミュエルズが作り上げた 最高傑作。 49 00:04:38,808 --> 00:04:42,812 酒のプロたちに 究極のバーボンと 認めさせた お酒です。 50 00:04:42,812 --> 00:04:46,816 それを超えるべく 息子の ビル・サミュエルズ・ジュニアが 51 00:04:46,816 --> 00:04:48,818 自らブレンダーとなって 52 00:04:48,818 --> 00:04:51,821 12年の歳月をかけて 完成させた傑作。 53 00:04:51,821 --> 00:04:55,825 それが このブラックトップなんです。 54 00:04:55,825 --> 00:04:59,829 マスター。 最高の口直しになったよ。 55 00:04:59,829 --> 00:05:01,831 ありがとうございます。 56 00:05:01,831 --> 00:05:05,831 よかった~。 一時は どうなることかと…。 57 00:05:09,839 --> 00:05:14,844 こんばんは! いや すてきな お店ですね。 58 00:05:14,844 --> 00:05:17,847 いらっしゃいませ。 59 00:05:17,847 --> 00:05:19,849 あっ! 60 00:05:19,849 --> 00:05:22,852 し… 白井さん。 き… 奇遇ですね。 ハハハハ…。 61 00:05:22,852 --> 00:05:25,855 お知り合いの方ですか? う… うん。 あの… 62 00:05:25,855 --> 00:05:27,857 僕が お世話になってる フリーライターの…。 63 00:05:27,857 --> 00:05:30,844 初めまして。 ホワイト白井と申します。 64 00:05:30,844 --> 00:05:32,844 ホ… ホワイト。 65 00:05:34,798 --> 00:05:37,801 は… 初めまして。 当店のマスターでございます。 66 00:05:37,801 --> 00:05:42,806 いやあ 先ほどまで 出版社のパーティーだったんですけどね 67 00:05:42,806 --> 00:05:46,810 嫌~な男に絡まれちゃいましてね。 68 00:05:46,810 --> 00:05:49,813 ハハハハ。 ちょうど よかった。 69 00:05:49,813 --> 00:05:51,815 飲み直しましょうか 松ちゃん。 70 00:05:51,815 --> 00:05:53,815 あっ はい…。 2人で。 71 00:05:56,820 --> 00:05:59,823 あ~。 それじゃあ マスター。 72 00:05:59,823 --> 00:06:01,825 はい。 私に飲まれるために 73 00:06:01,825 --> 00:06:05,829 あるようなカクテル。 白く輝くダイキリを。 74 00:06:05,829 --> 00:06:07,831 かしこまりました。 マスター。 75 00:06:07,831 --> 00:06:11,835 はい。 こっちは ブラックレインを。 76 00:06:11,835 --> 00:06:13,835 かしこまりました。 77 00:06:15,839 --> 00:06:19,839 フフ 面白くなってきやがった。 78 00:06:36,793 --> 00:06:39,793 (黒田)あ~! 79 00:06:49,806 --> 00:06:51,806 あ~! 80 00:07:02,819 --> 00:07:05,819 あ~! 81 00:07:07,824 --> 00:07:09,826 ホワイト・レディ。 82 00:07:09,826 --> 00:07:12,826 こっちは ブラック・マンデー。 83 00:07:25,842 --> 00:07:28,842 あ~! 84 00:07:34,784 --> 00:07:37,787 あ~! 85 00:07:37,787 --> 00:07:41,791 あ~! 86 00:07:41,791 --> 00:07:44,791 ハァ…。 87 00:07:50,800 --> 00:07:52,800 つぁ~! 88 00:07:54,804 --> 00:07:56,806 ホワイト・スワン。 89 00:07:56,806 --> 00:07:59,806 こっちは ブラック・ルシアン。 90 00:08:13,823 --> 00:08:15,823 フッ。 91 00:08:17,827 --> 00:08:21,831 醜い争いだな。 92 00:08:21,831 --> 00:08:26,836 あの白井さんも 有名な方なんですか? 93 00:08:26,836 --> 00:08:31,775 ホワイト白井。 黒田の同業者だが 作風は真逆だ。 94 00:08:31,775 --> 00:08:35,779 人間や社会の闇の部分を描く 黒田に対し 95 00:08:35,779 --> 00:08:39,783 ホワイトは 明るい部分 愛や友情 絆の素晴らしさを 96 00:08:39,783 --> 00:08:41,785 一貫して描いてる。 97 00:08:41,785 --> 00:08:46,785 なるほど。 正反対のお二人なんですね。 98 00:08:48,792 --> 00:08:53,797 バカの一つ覚えみたいに 生っ白い酒ばかり飲みやがって。 99 00:08:53,797 --> 00:08:56,800 あなただって 黒い酒ばかりじゃないですか。 100 00:08:56,800 --> 00:08:59,803 黒は他の色とは違う。 101 00:08:59,803 --> 00:09:03,807 どんな色にも染まらねえ 孤高の色だ。 102 00:09:03,807 --> 00:09:07,811 真理のために闘う者は 常にブラックなりだ。 103 00:09:07,811 --> 00:09:10,814 さすが 黒田さん。 言葉に重みがあるな。 104 00:09:10,814 --> 00:09:13,817 白だって 特別です。 105 00:09:13,817 --> 00:09:17,821 どんな色にも染まれる しなやかな色。 106 00:09:17,821 --> 00:09:20,824 全ての笑顔はホワイトに通ずです。 107 00:09:20,824 --> 00:09:24,828 さすが 白井さん。 言葉に深みがあるな。 108 00:09:24,828 --> 00:09:27,831 あっ えっ? 109 00:09:27,831 --> 00:09:31,768 俺の名言 メモしといた方が いいんじゃねえのか? 110 00:09:31,768 --> 00:09:36,773 私の名言も 書き留めなくていいんですか? 111 00:09:36,773 --> 00:09:40,777 だ… 大丈夫です。 ばっちり 頭の中に メモりましたから。 112 00:09:40,777 --> 00:09:42,779 そうか? 113 00:09:42,779 --> 00:09:44,779 なら いいですが。 114 00:09:46,783 --> 00:09:49,786 そんなに白が好きなら 115 00:09:49,786 --> 00:09:53,790 おうちで ママのおっぱいでも しゃぶってろってんだ。 116 00:09:53,790 --> 00:09:55,792 く… 黒田さん。 117 00:09:55,792 --> 00:09:59,796 その白いお乳を 出したくても出せないのは 118 00:09:59,796 --> 00:10:01,798 どなたでしたかね? オネエさま。 119 00:10:01,798 --> 00:10:03,800 なっ…。 120 00:10:03,800 --> 00:10:05,802 知ってるんですよ。 121 00:10:05,802 --> 00:10:08,805 一丁前にハードボイルドを 気取っている あなただが 122 00:10:08,805 --> 00:10:10,807 実は これなんでしょ? 123 00:10:10,807 --> 00:10:12,809 ち… 違うわよ! 124 00:10:12,809 --> 00:10:15,812 毎日のように 美白パックにホワイトニング。 125 00:10:15,812 --> 00:10:17,814 いやん! 126 00:10:17,814 --> 00:10:20,817 あなた 白に すがって 生きてるじゃないですか。 127 00:10:20,817 --> 00:10:22,819 う~! 128 00:10:22,819 --> 00:10:26,823 どうやら 勝負あったようですね。 129 00:10:26,823 --> 00:10:29,826 メラメラメラ…! 130 00:10:29,826 --> 00:10:33,830 ノリの白井。 えっ? 131 00:10:33,830 --> 00:10:38,835 知ってんのよ。 あんたの実家 ノリ屋さんでしょ? 132 00:10:38,835 --> 00:10:42,839 どうして それを…。 ネットに 上がるたびに 削除してるのに。 133 00:10:42,839 --> 00:10:47,844 フッ! あんたこそ 黒に育てられた口じゃない。 134 00:10:47,844 --> 00:10:49,846 し… 白井さん? 135 00:10:49,846 --> 00:10:51,848 (白井)う~! 136 00:10:51,848 --> 00:10:56,853 おのれ~! 137 00:10:56,853 --> 00:11:00,857 人の出自をネタにするとは どこまでも黒いやつ! 138 00:11:00,857 --> 00:11:04,861 いや 黒豆タンク! 139 00:11:04,861 --> 00:11:06,863 なっ ま… 豆!? 140 00:11:06,863 --> 00:11:09,866 (白井)そうだ! てめえなんか 豆タンクだ。 141 00:11:09,866 --> 00:11:12,869 いっつも 白いおまんまの お世話になってるくせに 142 00:11:12,869 --> 00:11:16,873 その恩を忘れて 白に文句ばっか垂れやがって! 143 00:11:16,873 --> 00:11:18,875 白井さん!? 144 00:11:18,875 --> 00:11:23,880 ついに本性を現したわね この腹黒野郎! 145 00:11:23,880 --> 00:11:29,886 あんた そんな汚い言葉遣いで 何が 愛だの絆だの友情だので 146 00:11:29,886 --> 00:11:31,821 もう しらじらしいんだよ! 147 00:11:31,821 --> 00:11:33,823 そんなに 白が好きならね 148 00:11:33,823 --> 00:11:36,826 早く白髪になって 白い骨になっちゃえばいいのよ! 149 00:11:36,826 --> 00:11:39,829 この野郎! もう許せねえ! 150 00:11:39,829 --> 00:11:42,832 ちょちょちょ…。 こっちのせりふよ。 くそ眼鏡! 151 00:11:42,832 --> 00:11:46,836 (白井)くそ眼鏡!? は~? てめえだって 眼鏡だろうが! 152 00:11:46,836 --> 00:11:48,838 これは 眼鏡じゃない! サングラスは 眼鏡じゃない! 153 00:11:48,838 --> 00:11:52,842 この野郎! もう がたがた言うんじゃねえ! 154 00:11:52,842 --> 00:11:54,842 お待ちください! 155 00:11:56,846 --> 00:12:01,851 この勝負 私に預けていただけませんか? 156 00:12:01,851 --> 00:12:04,851 (白井・黒田)えっ? よろしいですね。 157 00:14:31,701 --> 00:14:33,703 マスター あんなこと言っちゃったけど 158 00:14:33,703 --> 00:14:37,707 ホントに大丈夫かな? さあ どうだろうな。 159 00:14:37,707 --> 00:14:40,710 まずは こちらです。 160 00:14:40,710 --> 00:14:46,716 黒い スコッチモルトウイスキー ロッホデューです。 161 00:14:46,716 --> 00:14:50,716 さすが マスター 分かってらっしゃる。 162 00:14:57,727 --> 00:15:01,731 (黒田)わっ! ホントに 真っ黒! 163 00:15:01,731 --> 00:15:05,735 おそらく スコッチの中で 一番 黒いモルトだと思います。 164 00:15:05,735 --> 00:15:07,735 どうぞ。 165 00:15:10,740 --> 00:15:14,744 う~ん! たまらない この香ばしい香り! 166 00:15:14,744 --> 00:15:19,744 内側を焦がしたオーク樽で 熟成させてますから。 167 00:15:27,757 --> 00:15:31,694 やだ! おいしい~! 168 00:15:31,694 --> 00:15:33,694 次は こちらです。 169 00:15:35,698 --> 00:15:39,702 白い スコッチモルトウイスキー マノックモアです。 170 00:15:39,702 --> 00:15:41,704 (白井)おいおい。 171 00:15:41,704 --> 00:15:45,704 まるで 地上に舞い降りた天使じゃねえか。 172 00:15:56,719 --> 00:16:00,723 (白井)か~! 本当に薄い色だぜ。 173 00:16:00,723 --> 00:16:03,726 限りなく白に近い。 174 00:16:03,726 --> 00:16:06,729 おそらく スコッチの中で 一番 白いモルトだと思います。 175 00:16:06,729 --> 00:16:08,729 どうぞ。 176 00:16:11,734 --> 00:16:13,734 お~! 177 00:16:20,743 --> 00:16:23,746 こりゃあ うめえ! 178 00:16:23,746 --> 00:16:28,751 やっぱ 黒い酒なんかとは 生まれも育ちも違うんだろうな。 179 00:16:28,751 --> 00:16:32,688 フン! 白い酒の方こそ 180 00:16:32,688 --> 00:16:36,692 品性下劣な蒸留所の 出なんでしょうよ。 181 00:16:36,692 --> 00:16:38,694 何だと!? 何よ。 182 00:16:38,694 --> 00:16:42,698 お二人に一つお願いがあります。 183 00:16:42,698 --> 00:16:44,698 何? えっ? 184 00:16:46,702 --> 00:16:50,706 黒田さんには ここを。 185 00:16:50,706 --> 00:16:52,708 そして 白井さんには 186 00:16:52,708 --> 00:16:58,714 ここを声に出して 読んでもらいたいんです。 187 00:16:58,714 --> 00:17:00,716 は~? 188 00:17:00,716 --> 00:17:03,719 お願いします。 189 00:17:03,719 --> 00:17:09,725 (白井・黒田) マノックモア・ディスティラリー。 190 00:17:09,725 --> 00:17:12,728 マスター? これって? 191 00:17:12,728 --> 00:17:15,728 2本とも マノックモア・ディスティラリー。 192 00:17:18,734 --> 00:17:22,738 つまり マノックモア蒸留所と 書かれています。 193 00:17:22,738 --> 00:17:25,741 ってことは? つまり? 194 00:17:25,741 --> 00:17:33,683 ロッホデュー マノックモア 2つとも 同じ蒸留所で造られています。 195 00:17:33,683 --> 00:17:39,689 そうだったのね。 そういうことだったのか。 196 00:17:39,689 --> 00:17:43,693 お二人も 同じじゃないでしょうかね。 197 00:17:43,693 --> 00:17:45,695 (白井・黒田)えっ? お二人とも さすが 198 00:17:45,695 --> 00:17:47,697 ライターでいらっしゃる。 199 00:17:47,697 --> 00:17:49,699 いつでも メモが取れるように 200 00:17:49,699 --> 00:17:52,699 胸のポケットに ペンを挿してらっしゃいます。 201 00:17:54,704 --> 00:17:56,706 白と黒。 202 00:17:56,706 --> 00:18:01,706 色は違っても まったく同じ文字が 刻まれてますよね。 203 00:18:05,715 --> 00:18:12,722 お二人は 同じ大学の 同じゼミ生だったんですね。 204 00:18:12,722 --> 00:18:17,727 そうだったんだ。 同じ大学とは聞いてたけど。 205 00:18:17,727 --> 00:18:21,731 そして お二人とも 学生時代のペンを 206 00:18:21,731 --> 00:18:25,735 いまだに 大切に使ってらっしゃる。 207 00:18:25,735 --> 00:18:27,737 そういうことを お見受けしてると 208 00:18:27,737 --> 00:18:32,675 お二人にとって 忘れることのできない 209 00:18:32,675 --> 00:18:35,675 まさに 原点なんじゃないでしょうか。 210 00:18:39,682 --> 00:18:45,688 灰谷先生が 俺たちに それぞれ 白と黒のペンをくれたんだよな。 211 00:18:45,688 --> 00:18:50,688 ええ。 ペンは全ての壁を超える。 212 00:18:53,696 --> 00:18:57,700 灰谷教授の口癖だったわね。 213 00:18:57,700 --> 00:19:02,705 (白井)俺は その思いで ずっと 必死にやって来たんだ。 214 00:19:02,705 --> 00:19:06,709 俺のペンで 立場や境遇の壁を超えて 215 00:19:06,709 --> 00:19:09,712 みんなを感動させたいと。 216 00:19:09,712 --> 00:19:11,712 あたしだって同じよ。 217 00:19:18,721 --> 00:19:20,721 ちょっと待て。 218 00:19:23,726 --> 00:19:25,728 教授の名前 灰谷だって? 219 00:19:25,728 --> 00:19:29,749 ええ。 それが? 220 00:19:29,749 --> 00:19:32,668 グレーじゃないですか。 221 00:19:32,668 --> 00:19:35,671 あら。 そういえば。 222 00:19:35,671 --> 00:19:41,677 (一同)ハハハハハ! 223 00:19:41,677 --> 00:19:45,681 白いお酒と黒いお酒を造る。 224 00:19:45,681 --> 00:19:48,684 伝統を重んじる シングルモルトの世界においては 225 00:19:48,684 --> 00:19:50,686 異色の試みです。 226 00:19:50,686 --> 00:19:55,686 奇をてらってと非難されたことも あるでしょうね。 227 00:19:59,695 --> 00:20:03,699 まるで あたしたちみたいね。 まったくだ。 228 00:20:03,699 --> 00:20:05,701 でも その裏には 229 00:20:05,701 --> 00:20:08,704 どんなことをしてでも おいしいお酒を造って 230 00:20:08,704 --> 00:20:11,707 人々に感動してもらいたい。 231 00:20:11,707 --> 00:20:15,711 そういう切実な思いが あったんじゃないでしょうかね。 232 00:20:15,711 --> 00:20:19,715 そんな思いのもとで造った お酒だからこそ 233 00:20:19,715 --> 00:20:22,715 両方とも こんなに おいしいんですよ。 234 00:20:27,723 --> 00:20:30,659 マスター。 あたしにも 白いモルト ちょうだい。 235 00:20:30,659 --> 00:20:32,661 俺にも 黒いモルトを。 236 00:20:32,661 --> 00:20:35,661 はい! 喜んで。 237 00:20:53,682 --> 00:20:55,684 何だ~。 238 00:20:55,684 --> 00:20:59,688 白も 結構 いけるじゃねえか。 239 00:20:59,688 --> 00:21:02,691 確かに 黒も おいしいですね。 240 00:21:02,691 --> 00:21:06,695 (白井・黒田)ハハハハ。 241 00:21:06,695 --> 00:21:08,697 ありがとね マスター。 助かったよ。 242 00:21:08,697 --> 00:21:12,701 いやいや たまたま いいお酒が あっただけです。 243 00:21:12,701 --> 00:21:14,703 マスターらしいな。 244 00:21:14,703 --> 00:21:18,707 (黒田)ふざけないでよ。 史上最高の名馬? 245 00:21:18,707 --> 00:21:21,710 そんなの 漆黒の弾丸 ナリタブライアンに決まってるでしょ。 246 00:21:21,710 --> 00:21:27,716 何 言ってやがる。 芦毛の怪物 オグリキャップだろうが。 247 00:21:27,716 --> 00:21:29,735 (黒田)甘い 甘い。 248 00:21:29,735 --> 00:21:34,657 駄目だ こりゃ。 ハハ さすがに私もお手上げです。 249 00:21:34,657 --> 00:21:37,660 しかし 少し うらやましくもあるな。 250 00:21:37,660 --> 00:21:42,665 あそこまで ぶつかり合える相手がいるなんて。 251 00:21:42,665 --> 00:21:45,668 クロマティ。 252 00:21:45,668 --> 00:21:47,670 だね。 (白井)同じ外野手でいました。 253 00:21:47,670 --> 00:21:52,675 (白井)ホワイト。 いたか~! 254 00:21:52,675 --> 00:21:57,675 (白井)ホワイトは よかったな。 いい選手だった。 255 00:22:00,683 --> 00:22:03,686 じゃあ 相撲でいったら…。 256 00:22:03,686 --> 00:22:06,686 (白井)白鵬! うわ~! 257 00:24:56,725 --> 00:24:58,725 そのバーは 港町にある。 258 00:25:15,744 --> 00:25:18,747 店内に足を踏み入れると 259 00:25:18,747 --> 00:25:22,747 ほのかに 心の中に 期待の明かりがともる。 260 00:25:31,760 --> 00:25:36,760 シェーカーからグラスに カクテルが静かに注がれるとき…。 261 00:25:40,702 --> 00:25:42,704 マスターのバースプーンが 262 00:25:42,704 --> 00:25:45,704 ミキシンググラスの中で 回るとき…。 263 00:25:50,712 --> 00:25:53,712 かすかな緊張が その場を支配する。 264 00:26:01,723 --> 00:26:03,723 どうぞ。 265 00:26:05,727 --> 00:26:07,727 どうぞ。 266 00:26:17,739 --> 00:26:19,739 おいしい。 267 00:26:22,744 --> 00:26:25,747 ああ こっちも おいしい。 268 00:26:25,747 --> 00:26:30,752 やがて 「あ~ おいしい」 の一言とともに 269 00:26:30,752 --> 00:26:32,754 それは 魔法のように とけ 270 00:26:32,754 --> 00:26:38,760 代わって 温かく くつろいだ気分が 周りを包む。 271 00:26:38,760 --> 00:26:41,697 親しい会話や リラックスした笑い。 272 00:26:41,697 --> 00:26:46,702 人々の間を まるで 陽気な妖精が 飛び回っているかのような 273 00:26:46,702 --> 00:26:50,702 満ち足りた時間が 静かに流れていくのである。 274 00:26:56,712 --> 00:26:59,715 はい 松ちゃん。 いつもの ウイスキーのウーロン茶割り。 275 00:26:59,715 --> 00:27:02,718 どうも どうも。 何 書いてるんです? 276 00:27:02,718 --> 00:27:07,723 思いついたことを ちょっとね。 ああ いいですか? 277 00:27:07,723 --> 00:27:10,726 へ~。 ほう。 278 00:27:10,726 --> 00:27:12,728 さすがは フリーランスのライターですね。 279 00:27:12,728 --> 00:27:14,730 そう? とてもね 280 00:27:14,730 --> 00:27:18,734 お酒オンチの人が書いたとは 思えない文章ですね。 281 00:27:18,734 --> 00:27:21,737 いや~ こんなにカッコイイ文章 書けるのに 282 00:27:21,737 --> 00:27:24,740 どうして 女性にモテないんでしょうね。 283 00:27:24,740 --> 00:27:26,742 それ 褒めてるの? 284 00:27:26,742 --> 00:27:29,745 もちろんですよ。 285 00:27:29,745 --> 00:27:31,745 はい。 286 00:27:38,754 --> 00:27:40,754 いらっしゃい。 287 00:27:45,694 --> 00:27:48,697 メガネさん 指定席 空いてますよ。 288 00:27:48,697 --> 00:27:50,697 ああ。 289 00:27:56,705 --> 00:27:58,707 どうしました? 290 00:27:58,707 --> 00:28:02,711 マスター。 右に一歩 動いてくれる? 291 00:28:02,711 --> 00:28:05,714 こうですか? 292 00:28:05,714 --> 00:28:08,717 このブランデーの棚が あやしい。 293 00:28:08,717 --> 00:28:10,719 な… 何がでしょう? 294 00:28:10,719 --> 00:28:16,725 マスター そのチョウチョの ブランデー 見せてくれる? 295 00:28:16,725 --> 00:28:19,728 あっ… マルキ・ド・コサード・ナポレオンですか? 296 00:28:19,728 --> 00:28:22,731 珍しいですね。 メガネさんが これを ご所望とは。 297 00:28:22,731 --> 00:28:24,733 …の後ろにある 瓶! 298 00:28:24,733 --> 00:28:28,737 あの… 普通の フレンチブランデーですよ。 299 00:28:28,737 --> 00:28:30,739 とぼけないで。 ちゃんと見せて ほら! 300 00:28:30,739 --> 00:28:32,739 ええ…。 301 00:28:39,765 --> 00:28:44,686 ラベルまで 後ろに向けて この念の入った隠しよう。 302 00:28:44,686 --> 00:28:51,693 しかし ラベルを見るまでもなく その シンプルなボトルは 303 00:28:51,693 --> 00:28:53,695 ポール・ジロー。 304 00:28:53,695 --> 00:28:56,698 ハァー。 正解だな マスター。 305 00:28:56,698 --> 00:29:01,703 参りましたね さすがはメガネさん。 306 00:29:01,703 --> 00:29:06,708 確かに 正真正銘 ポール・ジローです。 307 00:29:06,708 --> 00:29:08,708 久しぶりの出会いだ。 308 00:29:10,712 --> 00:29:13,715 しかも 35年ものときたか。 309 00:29:13,715 --> 00:29:16,718 でも メガネさん ブランデーは あまり飲まないですよね。 310 00:29:16,718 --> 00:29:18,720 確かに いつもは ジンだよね。 311 00:29:18,720 --> 00:29:20,389 じゃあ これは しまっときましょう。 312 00:29:20,389 --> 00:29:24,626 あー 待て待て待て。 確かに カラメルシロップを添加した 313 00:29:24,626 --> 00:29:28,630 原酒をこねくり回して味付けする ブランデーは 気に入らないが 314 00:29:28,630 --> 00:29:31,633 ポール・ジローだけは 別格だ。 しかり! 315 00:29:31,633 --> 00:29:35,637 マスター このお酒の どこが すごいの? 316 00:29:35,637 --> 00:29:39,641 ブランデーといえば フランス産が 広く知れ渡ってますけどもね 317 00:29:39,641 --> 00:29:42,577 中でも コニャック地方で 生産されたものは 318 00:29:42,577 --> 00:29:44,579 特に 高い評価を受けてるんです。 319 00:29:44,579 --> 00:29:46,581 その中でも ポール・ジロー社は 320 00:29:46,581 --> 00:29:49,584 最も古い歴史と伝統を持つ 会社の一つです。 321 00:29:49,584 --> 00:29:52,587 創業は 確か 1650年だったか。 322 00:29:52,587 --> 00:29:55,590 へ~ そんな昔から あるんだ。 はい。 323 00:29:55,590 --> 00:29:59,594 ポール・ジローは 一切の妥協を 許さないことでも有名なんですよ。 324 00:29:59,594 --> 00:30:03,598 300年来の頑固なまでの製法で 325 00:30:03,598 --> 00:30:06,601 収穫前のブドウにすら 農薬を使わずに 326 00:30:06,601 --> 00:30:08,603 全て 手摘みで行うそうなんですよ。 327 00:30:08,603 --> 00:30:10,605 何で 機械 使わないの? 328 00:30:10,605 --> 00:30:14,609 葉っぱや 虫を入れず 良質なブドウだけ 選ぶには 329 00:30:14,609 --> 00:30:16,611 手摘みが一番なんだ。 330 00:30:16,611 --> 00:30:19,614 ホント 妥協しないんだね~。 はい。 ですから 331 00:30:19,614 --> 00:30:22,617 熟成した後に 多少のオリが出ていても 332 00:30:22,617 --> 00:30:26,621 自然の香りを損なわないために あえて こしたりはせず 333 00:30:26,621 --> 00:30:28,623 そのままにしておく というんですから 334 00:30:28,623 --> 00:30:30,625 まあ 徹底してますよ。 335 00:30:30,625 --> 00:30:32,627 そうして つくられた ポール・ジローは 336 00:30:32,627 --> 00:30:34,629 グラスに注いで 1週間以上たっても 337 00:30:34,629 --> 00:30:37,632 香りが 変わらないというぐらいです。 338 00:30:37,632 --> 00:30:41,570 まさに コニャックの生一本と 呼ぶべき代物です。 339 00:30:41,570 --> 00:30:44,573 へ~。 そんな すごいお酒 メガネさん どこで飲んだの? 340 00:30:44,573 --> 00:30:48,577 フッ 10年ほど前だ。 341 00:30:48,577 --> 00:30:51,580 パリから 50kmほど南に行った 小さな町のレストランで 342 00:30:51,580 --> 00:30:53,582 これを飲んだんだ。 343 00:30:53,582 --> 00:30:57,586 仕事を終え いよいよ日本に帰る 前日の夜だった。 344 00:30:57,586 --> 00:31:01,590 食後に出されたのが 15年ものの ポール・ジローさ。 345 00:31:01,590 --> 00:31:04,593 それの うまかったこと。 346 00:31:04,593 --> 00:31:06,595 15年ものというと 古酒の入り口だが 347 00:31:06,595 --> 00:31:09,598 フレッシュな風味と 絶妙なバランスに 348 00:31:09,598 --> 00:31:12,601 俺は感動したんだ。 349 00:31:12,601 --> 00:31:16,605 ところで フランスには 何の仕事で行ったんですか? 350 00:31:16,605 --> 00:31:22,611 うん? そもそも メガネさんの仕事って 何? 351 00:31:22,611 --> 00:31:24,613 とにかく 日本で 352 00:31:24,613 --> 00:31:27,616 とんと お目にかかれなかった ポール・ジローと 353 00:31:27,616 --> 00:31:29,618 今日 晴れて 再会したってわけだ。 354 00:31:29,618 --> 00:31:32,621 マスター。 グラスは ショットグラスでいいよ。 355 00:31:32,621 --> 00:31:34,623 あ…。 356 00:31:34,623 --> 00:31:39,628 何 ボケッとしてる? これ以上 俺を待たせないでくれ。 357 00:31:39,628 --> 00:31:42,564 メガネさん すいません。 358 00:31:42,564 --> 00:31:45,567 これを 開けるわけには いかないんです。 359 00:31:45,567 --> 00:31:47,569 何? 360 00:31:47,569 --> 00:31:49,569 マスター! 361 00:31:52,574 --> 00:31:55,577 それは ないよ~。 362 00:31:55,577 --> 00:31:57,579 生まれてくるときは別々でも 死ぬときは一緒だって 363 00:31:57,579 --> 00:31:59,581 誓い合った仲じゃないか! そうなの? 364 00:31:59,581 --> 00:32:01,583 いや…。 それほどまで 365 00:32:01,583 --> 00:32:03,585 マスターと俺の仲は 深いってこと! 366 00:32:03,585 --> 00:32:05,587 その俺に ごめんはないだろ。 367 00:32:05,587 --> 00:32:07,589 1本 全部くれって 言ってるわけじゃないんだ。 368 00:32:07,589 --> 00:32:09,591 たった一杯。 一杯でいいんだ! 369 00:32:09,591 --> 00:32:13,595 これは ある人のために 手に入れたんです。 370 00:32:13,595 --> 00:32:18,600 その人に 封を開けて もらわなければ いけないんです。 371 00:32:18,600 --> 00:32:21,603 誰だ そいつは。 372 00:32:21,603 --> 00:32:24,606 私が 師と仰いでる人です。 373 00:32:24,606 --> 00:32:28,610 師? はい。 374 00:32:28,610 --> 00:32:32,614 師と きょうだいだったら 師の方が強そうですね。 375 00:32:32,614 --> 00:32:36,618 で その 師とやらは どこのどいつだ? 376 00:32:36,618 --> 00:32:39,621 はい。 久保田先生という 大学教授です。 377 00:32:39,621 --> 00:32:41,656 常連さん? 378 00:32:41,656 --> 00:32:46,661 いや 20年前に いらして以来 一度も おみえになってません。 379 00:32:46,661 --> 00:32:51,666 まあ 正しく言えば 二度と店に来てくれるなと 380 00:32:51,666 --> 00:32:54,669 私が言ってしまったんです。 381 00:32:54,669 --> 00:32:58,673 よし。 話を聞かせてもらおう。 382 00:32:58,673 --> 00:33:02,677 俺が その先生とやらの話を聞いて 納得すれば ポール・ジローを諦める。 383 00:33:02,677 --> 00:33:06,681 しかし 納得しなければ 封を開けてもらう。 384 00:33:06,681 --> 00:33:09,684 ハァー。 分かりました。 385 00:33:09,684 --> 00:33:13,688 あれは 私が 35歳。 386 00:33:13,688 --> 00:33:17,692 バーテンダーになって 10年くらい たったころのことです。 387 00:33:17,692 --> 00:33:20,695 「え~ どれを お勧めしようかな」 388 00:33:20,695 --> 00:33:25,700 色々な酒を覚えてきて 生意気盛りだったころです。 389 00:33:25,700 --> 00:33:28,703 私は スコッチモルトに凝っていて 390 00:33:28,703 --> 00:33:30,705 スコッチモルト以外のお酒は 391 00:33:30,705 --> 00:33:32,707 大したことないと 言いきってました。 392 00:33:32,707 --> 00:33:36,711 それが原因で お客さんと もめることも。 393 00:33:36,711 --> 00:33:41,650 「今日の お勧めは グレンリベットの21ですね」 394 00:33:41,650 --> 00:33:44,653 「はい。 グレンリベット 21。 これ お勧めします」 395 00:33:44,653 --> 00:33:47,656 (男性)「あ~ 今日は スコッチは…」 396 00:33:47,656 --> 00:33:49,658 「いやいやいや…」 397 00:33:49,658 --> 00:33:52,661 「あの 私 スコッチ ホントに分かってますから」 398 00:33:52,661 --> 00:33:54,663 「これは 信用して 安心して お飲みください」 399 00:33:54,663 --> 00:33:56,665 (男性)「いや ホント 今日は スコッチは 結構です」 400 00:33:56,665 --> 00:33:59,668 「いやいや… おいしいから お勧めしてるんです」 401 00:33:59,668 --> 00:34:01,670 「これ どなたが飲んでも あっ ホントにおいしい。 402 00:34:01,670 --> 00:34:04,673 ありがとうって 皆さん おっしゃるんですよ」 403 00:34:04,673 --> 00:34:07,676 (男性)「いらないと 言ってるじゃないですか」 404 00:34:07,676 --> 00:34:09,678 「おいしいから お勧めしてるんですよ」 405 00:34:09,678 --> 00:34:13,682 「もう 飲んでみれば いいじゃないですか」 406 00:34:13,682 --> 00:34:15,682 (男性)「帰ります」 407 00:34:19,688 --> 00:34:24,693 「な~んだよ せっかく 勧めて…」 408 00:34:24,693 --> 00:34:27,696 「後で後悔するぜ」 (ドアの閉まる音) 409 00:34:27,696 --> 00:34:29,698 「来なくて結構!」 410 00:34:29,698 --> 00:34:33,702 へ~ マスターにも とがってた時期があったんですね。 411 00:34:33,702 --> 00:34:36,705 若気の至りってやつです。 412 00:34:36,705 --> 00:34:40,705 (男性)マスター また来るね。 ありがとうございました。 413 00:34:43,712 --> 00:34:46,715 今の姿からは とても想像できないね。 414 00:34:46,715 --> 00:34:48,717 ああ。 415 00:34:48,717 --> 00:34:50,719 じゃあ マスター。 その先生とも 416 00:34:50,719 --> 00:34:52,721 この味が分からないのか!って ケンカしたの? 417 00:34:52,721 --> 00:34:57,726 いやいや 先生は お酒に精通された方でした。 418 00:34:57,726 --> 00:34:59,728 珍しいスコッチモルトが 手に入ると 419 00:34:59,728 --> 00:35:02,731 私は先生に連絡をして 飲んでもらってました。 420 00:35:02,731 --> 00:35:05,734 それが また どうして? 421 00:35:05,734 --> 00:35:10,739 原因は ポール・ジローです。 422 00:35:10,739 --> 00:35:14,743 その夜 久保田先生は 私に飲ませたい酒があると言って 423 00:35:14,743 --> 00:35:18,743 1本のお酒を持ってきました。 ポール・ジローです。 424 00:35:23,752 --> 00:35:26,755 「ブランデーですか」 425 00:35:26,755 --> 00:35:30,759 久保田先生は 粋がってる私を いさめようと思ったんでしょう。 426 00:35:30,759 --> 00:35:34,763 これを飲めば 君も変わると おっしゃいました。 427 00:35:34,763 --> 00:35:36,431 でも 私は…。 428 00:35:36,431 --> 00:35:39,667 「ハァー。 私は あの…」 429 00:35:39,667 --> 00:35:42,604 「自分が うまいと思ったものしか 出したくないんですよ」 430 00:35:42,604 --> 00:35:45,607 「ここ 私の店ですから」 431 00:35:45,607 --> 00:35:49,611 「私の好きなようにして 何が悪いんですか?」 432 00:35:49,611 --> 00:35:51,613 「それが嫌なら 433 00:35:51,613 --> 00:35:53,615 二度と 店に来なければ いいんです」 434 00:35:53,615 --> 00:35:55,617 プライドが 傷つけられたような気がして 435 00:35:55,617 --> 00:35:58,617 先生に 言い返してしまったんですよ。 436 00:36:01,623 --> 00:36:04,623 (久保田)「分かった そうしよう」 437 00:36:09,631 --> 00:36:11,633 それから しばらく 438 00:36:11,633 --> 00:36:16,638 私は 久保田先生が置いてった ポール・ジローを飲まずにいました。 439 00:36:16,638 --> 00:36:19,641 それを飲んだら 私が間違っていたことを 440 00:36:19,641 --> 00:36:23,645 認めるような気がして 飲めなかったんですよ。 441 00:36:23,645 --> 00:36:26,648 まあ そんな私が バーテンダーを やってるんですから 442 00:36:26,648 --> 00:36:29,648 店には いつも 閑古鳥が鳴いてました。 443 00:36:32,654 --> 00:36:35,657 それから 半年ほどたった ある日…。 444 00:36:35,657 --> 00:36:39,657 「じゃあ ごちそうさまでした」 「どうも ありがとうございます」 445 00:36:41,596 --> 00:36:44,599 「あれ? マスター そのボトルって…」 446 00:36:44,599 --> 00:36:46,601 「これですか?」 「はい」 447 00:36:46,601 --> 00:36:50,605 お客さまに ポール・ジローのことを聞かれて 448 00:36:50,605 --> 00:36:52,607 久保田先生のことを お話ししたんですよ。 449 00:36:52,607 --> 00:36:54,609 そしたら偶然にも そのお客さんは 450 00:36:54,609 --> 00:36:58,613 久保田先生の教え子だったんです。 451 00:36:58,613 --> 00:37:00,615 「あっ 僕 その久保田先生の 教え子なんです」 452 00:37:00,615 --> 00:37:02,617 「そうなんですか」 453 00:37:02,617 --> 00:37:04,619 「はい」 「へ~」 454 00:37:04,619 --> 00:37:06,621 「僕 前に 一度 久保田先生のうちに行った時に 455 00:37:06,621 --> 00:37:09,624 このポール・ジローを 飲ませてくれって 頼んだんです」 456 00:37:09,624 --> 00:37:12,627 「はあ」 「でも フランスから大事に持ち帰った 457 00:37:12,627 --> 00:37:16,631 虎の子の酒だと言って 絶対に 飲ませてくれなかったんですよ」 458 00:37:16,631 --> 00:37:20,635 「これをですか?」 「ええ」 459 00:37:20,635 --> 00:37:24,639 「ああ… そうなんですか」 460 00:37:24,639 --> 00:37:27,642 「へぇ…」 461 00:37:27,642 --> 00:37:30,645 私は そのとき 初めて知りました。 462 00:37:30,645 --> 00:37:33,648 久保田先生は 一介のバーテンダーに飲ませるために 463 00:37:33,648 --> 00:37:36,651 ボトルに半分ほど入ってる ポール・ジローを 464 00:37:36,651 --> 00:37:39,651 わざわざ 家から 持ってきてくださった。 465 00:37:41,589 --> 00:37:43,589 そして 私は…。 466 00:38:45,687 --> 00:38:47,687 「ハァー」 467 00:38:49,691 --> 00:38:55,697 世の中には すごい酒が 色々あるんだってことを知り 468 00:38:55,697 --> 00:38:58,700 それで 今までの自分を 深く反省しました。 469 00:38:58,700 --> 00:39:02,704 へぇ~ 人には 色々な過去が あるんですね。 470 00:39:02,704 --> 00:39:05,707 それで その恩師と会うために ポール・ジローを手に入れたんだ。 471 00:39:05,707 --> 00:39:10,712 はい。 まあ ちょうど 20年で いい時期だと思いました。 472 00:39:10,712 --> 00:39:13,715 ふ~ん。 面白くも何ともない話だ。 473 00:39:13,715 --> 00:39:16,718 メガネさん 飲めないから すねてるんでしょ。 474 00:39:16,718 --> 00:39:20,722 フン。 よっぽど おいしいお酒なんだ。 475 00:39:20,722 --> 00:39:22,724 おいしいなんてもんじゃない。 476 00:39:22,724 --> 00:39:24,726 10年前にレストランで飲んで 477 00:39:24,726 --> 00:39:26,728 その味が忘れられない酒 っていうのは かなりのお酒だ! 478 00:39:26,728 --> 00:39:29,731 しかも そのとき 俺が飲んだのは 15年ものだったけど 479 00:39:29,731 --> 00:39:32,734 ここにあるのは 35年ものだ! 480 00:39:32,734 --> 00:39:35,737 ヘビードリンカーとしては 嫌でも期待が高まるってもんよ。 481 00:39:35,737 --> 00:39:39,674 何と言われようと これを開けるわけにはいきません。 482 00:39:39,674 --> 00:39:41,676 ポール・ジローを なぜ これほどまでに 483 00:39:41,676 --> 00:39:45,680 気に入ってるのかというと ビンテージのネーミングだ。 484 00:39:45,680 --> 00:39:48,683 VSOP ナポレオン XOなんて ややこしい名前はなし。 485 00:39:48,683 --> 00:39:52,687 15年 25年 35年! このシンプルさが 何ともいい! 486 00:39:52,687 --> 00:39:55,690 いくら 褒めても 開けません! 487 00:39:55,690 --> 00:39:58,693 ポール・ジローの 最も気に入ってるところは 488 00:39:58,693 --> 00:40:00,695 ブレンドするのが常識の ブランデーの中で 489 00:40:00,695 --> 00:40:02,697 ポール・ジローは 原酒オンリー! 490 00:40:02,697 --> 00:40:04,699 ウイスキーでいう シングルモルトなんだ。 491 00:40:04,699 --> 00:40:07,702 「古い原酒と 若い原酒を混ぜたら 492 00:40:07,702 --> 00:40:09,704 せっかくの古酒が 台無しになってしまう」 493 00:40:09,704 --> 00:40:12,707 そういう伝統主義が 俺のスピリッツにピッタリなんだ。 494 00:40:12,707 --> 00:40:14,709 何と言われても 開けません。 495 00:40:14,709 --> 00:40:16,711 ポール・ジローの持つ ブーケの すごさは…。 496 00:40:16,711 --> 00:40:19,714 女々しいよ メガネさん! ハードボイルドの名が泣くよ! 497 00:40:19,714 --> 00:40:24,719 く~ 飲めるまで 徹底的に言ってやる。 498 00:40:24,719 --> 00:40:27,722 その 久保田先生ってのは いつ来るの? 499 00:40:27,722 --> 00:40:29,724 10時のお約束です。 500 00:40:29,724 --> 00:40:32,727 奥さまには 電話で知らせてありますが 501 00:40:32,727 --> 00:40:34,729 来られるかどうかは…。 502 00:40:34,729 --> 00:40:39,751 じゃあ もし 来なかったら そのときは…。 503 00:40:39,751 --> 00:40:43,751 分かりました。 そのときは 開けましょう。 504 00:43:47,855 --> 00:43:49,855 よし 10時だ。 505 00:43:51,859 --> 00:43:53,859 (ドアの開く音) 506 00:44:00,868 --> 00:44:03,871 久保田先生! 507 00:44:03,871 --> 00:44:06,874 久しぶりだね マスター。 508 00:44:06,874 --> 00:44:10,878 先生も お元気で 何よりです。 509 00:44:10,878 --> 00:44:13,881 そこ いいかな? どうぞ。 510 00:44:13,881 --> 00:44:15,881 ハハハ。 511 00:44:40,841 --> 00:44:44,845 (久保田)いや~ 20年ぶりかな。 512 00:44:44,845 --> 00:44:48,849 はい。 その節は 大変 失礼いたしました。 513 00:44:48,849 --> 00:44:52,853 えっ? いや… 君も 律儀な男だね。 514 00:44:52,853 --> 00:44:56,857 私は もう そんな昔のことは とっくに忘れてるよ。 515 00:44:56,857 --> 00:44:59,860 私は忘れません。 先生が いらっしゃったおかげで 516 00:44:59,860 --> 00:45:02,863 今の自分があると思ってます。 517 00:45:02,863 --> 00:45:06,867 そのお礼といっては なんですが 518 00:45:06,867 --> 00:45:09,870 これを。 519 00:45:09,870 --> 00:45:11,872 ほう…。 520 00:45:11,872 --> 00:45:16,894 珍しい酒が入ったと聞いたんで 何だと思ったら これか。 521 00:45:16,894 --> 00:45:20,815 どうぞ。 お受け取りください。 522 00:45:20,815 --> 00:45:25,820 おやおや… 35年ものの ポール・ジロー。 523 00:45:25,820 --> 00:45:27,822 逸品だね~。 はい。 524 00:45:27,822 --> 00:45:30,825 あのときは 本当に ありがとうございました。 525 00:45:30,825 --> 00:45:32,827 そんな 大げさな。 526 00:45:32,827 --> 00:45:36,831 いや 本当に感謝してるんです。 527 00:45:36,831 --> 00:45:39,834 じゃあ 早速 頂こうか。 528 00:45:39,834 --> 00:45:42,837 あっ いえ。 これ あの… 私からのプレゼントなので 529 00:45:42,837 --> 00:45:44,839 どうぞ お持ち帰りください。 530 00:45:44,839 --> 00:45:46,839 え…? 531 00:45:48,843 --> 00:45:51,846 マスター。 はい。 532 00:45:51,846 --> 00:45:56,851 世の中には たくさんの出会いがある。 533 00:45:56,851 --> 00:46:02,851 その中で 最も いい出会いとは 何だと思う? 534 00:46:05,860 --> 00:46:07,860 再会だよ。 535 00:46:09,864 --> 00:46:13,868 立派に成長した君を見て 私は 心の底から うれしい。 536 00:46:13,868 --> 00:46:17,805 あのときの ポール・ジローが 無駄ではなかったんだからね。 537 00:46:17,805 --> 00:46:21,809 だからこそ このポール・ジローで 538 00:46:21,809 --> 00:46:25,813 君と 再会の乾杯がしたいんだ。 539 00:46:25,813 --> 00:46:27,815 久保田先生…。 540 00:46:27,815 --> 00:46:30,818 さあ 開けてくれ。 541 00:46:30,818 --> 00:46:32,818 はい! 542 00:46:41,829 --> 00:46:45,829 よかったら 君たちも どうかね? 543 00:46:47,835 --> 00:46:50,838 いいんですか? 一緒に 乾杯しよう。 544 00:46:50,838 --> 00:46:52,838 はい! 545 00:47:18,799 --> 00:47:25,806 それでは マスターが 誇り高きバーマンになったことに。 546 00:47:25,806 --> 00:47:28,809 運命の酒との再会に。 547 00:47:28,809 --> 00:47:30,811 フッ。 548 00:47:30,811 --> 00:47:33,814 愛すべきBAR レモンハートに! 549 00:47:33,814 --> 00:47:36,817 全ての 出会いに。 550 00:47:36,817 --> 00:47:38,817 (一同)乾杯! 551 00:47:44,825 --> 00:47:48,829 うまい! うまいよ~。 552 00:47:48,829 --> 00:47:51,829 酒オンチの僕でも この味は 分かる! 553 00:47:56,837 --> 00:48:01,842 いや~。 こんなに うまい酒は 久しぶりだ。 554 00:48:01,842 --> 00:48:04,845 私もです。 555 00:48:04,845 --> 00:48:09,850 君にあげた ポール・ジローは 25年ものだったと思うが 556 00:48:09,850 --> 00:48:14,855 さすが 35年もの。 熟成感が違う。 557 00:48:14,855 --> 00:48:17,792 う~ん 何ていうか 558 00:48:17,792 --> 00:48:21,796 角の取れた 達人の味だ。 559 00:48:21,796 --> 00:48:25,800 ええ! ハハハ…。 560 00:48:25,800 --> 00:48:27,802 マスター。 561 00:48:27,802 --> 00:48:35,810 私は バーというものは その町の小さな劇場だと思う。 562 00:48:35,810 --> 00:48:39,814 劇場ごとに それぞれの色合いがあろうが 563 00:48:39,814 --> 00:48:43,818 そこで生まれるドラマには 筋書きがない。 564 00:48:43,818 --> 00:48:47,822 喜劇もあれば 悲劇もあり 565 00:48:47,822 --> 00:48:49,824 出会いもあれば 別れもある。 566 00:48:49,824 --> 00:48:53,828 その物語を彩るのが 567 00:48:53,828 --> 00:48:56,831 この多くの酒であり 568 00:48:56,831 --> 00:49:00,835 そして バーマンだ。 569 00:49:00,835 --> 00:49:02,837 はい! 570 00:49:02,837 --> 00:49:06,837 君の すてきな劇場のために…。 571 00:49:12,847 --> 00:49:15,850 今夜も BAR レモンハートに お越しいただき 572 00:49:15,850 --> 00:49:17,785 ありがとうございました。 573 00:49:17,785 --> 00:49:23,791 では 今夜 登場したお酒を あらためて ご紹介いたします。 574 00:49:23,791 --> 00:49:27,795 まずは…。 575 00:49:27,795 --> 00:49:29,797 二つとも スコットランドの 576 00:49:29,797 --> 00:49:33,801 まったく同じ蒸留所で 造られているスコッチです。 577 00:49:33,801 --> 00:49:39,807 ロッホデューの特徴は この真っ黒な色。 578 00:49:39,807 --> 00:49:41,809 わざわざ 内側を焦がしたオーク樽で 579 00:49:41,809 --> 00:49:44,812 熟成させることで生み出され 580 00:49:44,812 --> 00:49:47,815 大変 まろやかな口当たりです。 581 00:49:47,815 --> 00:49:55,823 一方 マノックモアの特徴は レモン水のような色の薄さ。 582 00:49:55,823 --> 00:49:59,827 全シングルモルトの中で 最も色が薄いといわれ 583 00:49:59,827 --> 00:50:03,831 フルーティーな風味が広がる モルトです。 584 00:50:03,831 --> 00:50:07,835 まったく正反対の色をした 2本ですが 585 00:50:07,835 --> 00:50:11,839 どちらも 癖になる味わいですよ。 586 00:50:11,839 --> 00:50:14,842 続いては ポール・ジロー。 587 00:50:14,842 --> 00:50:18,779 ブランデーといえば フランス コニャック地方が有名ですが 588 00:50:18,779 --> 00:50:20,781 その中でも このポール・ジローは 589 00:50:20,781 --> 00:50:24,785 コニャックは自然の贈り物 という考えから 590 00:50:24,785 --> 00:50:27,788 全てのブドウを 一つ一つ 手で摘み 591 00:50:27,788 --> 00:50:29,790 品質を確認し 592 00:50:29,790 --> 00:50:32,793 イーストを用いず 自然に発酵させるという 593 00:50:32,793 --> 00:50:37,798 伝統的な製法を かたくなに 守り続けているコニャックです。 594 00:50:37,798 --> 00:50:41,802 最近 機械化や 量産化された ブランデーが多い中 595 00:50:41,802 --> 00:50:48,809 まさに 手作りの味わいを ぜひ お楽しみください。 596 00:50:48,809 --> 00:50:50,811 では また 次回。 597 00:50:50,811 --> 00:50:53,811 BAR レモンハートで お待ちしております。 598 00:51:44,798 --> 00:51:46,800 アンポンタン? アンポンタンは 599 00:51:46,800 --> 00:51:50,804 飲んでも飲んでも減らない 夢のお酒なんだ。 600 00:51:50,804 --> 00:51:53,807 この世には飲んでも減らない 夢の酒ってやつがあるらしい。 601 00:51:53,807 --> 00:51:55,809 嘘じゃねえんだよ。 602 00:51:55,809 --> 00:51:59,813 昨日も飲んで けさ見たら やっぱり増えてやがった。 603 00:51:59,813 --> 00:52:01,815 いったい どこから湧いて出るんだ!? 604 00:52:01,815 --> 00:52:04,818 マスター 謎解きは頼んだ。 605 00:52:04,818 --> 00:52:08,822 夢の酒 アンポンタン…。 606 00:52:08,822 --> 00:52:10,822 不思議な酒に隠された秘密とは?