1 00:00:02,202 --> 00:00:04,271 (小声で)<蛇です> (小声で)<蛙です> 2 00:00:04,271 --> 00:00:08,141 <今 ヘブン先生は 金縛りに遭っています> 3 00:00:08,141 --> 00:00:13,814 (蛙)<最近 金縛りに遭ってばかりねえ。 呪われてるのかしら?> 4 00:00:13,814 --> 00:00:16,817 (ヘブン)ガッ! ガッ… ハア~! 5 00:00:16,817 --> 00:00:18,952 (ふすまが開く音) 6 00:00:18,952 --> 00:00:22,256 (トキ)今日もですか? ハイ…。 7 00:00:26,293 --> 00:00:29,196 あの… 錦織さんは なして➡ 8 00:00:29,196 --> 00:00:31,965 お迎えに 来てくれんようになったんですかね? 9 00:00:31,965 --> 00:00:35,836 ニシコオリサン… ワタシノ コト…➡ 10 00:00:35,836 --> 00:00:37,838 キライ デショウ。 11 00:00:37,838 --> 00:00:39,840 えっ? 12 00:00:39,840 --> 00:00:47,981 ♬~ 13 00:00:47,981 --> 00:00:51,318 (錦織) 先生から聞いているかもしれないが…➡ 14 00:00:51,318 --> 00:00:55,656 距離を取らせてもらっていてな…。 なしてですか? 15 00:00:55,656 --> 00:00:57,991 先生が 言ったんだ。 16 00:00:57,991 --> 00:01:05,399 「私は通りすがりの人間だ。 もう 人と深く関わることはない」と。 17 00:01:05,399 --> 00:01:12,172 私と先生の… 半年以上のつきあいは 一体 何だったんだろうと。 18 00:01:12,172 --> 00:01:16,610 なので… 私も 先生とは深く関わらず…➡ 19 00:01:16,610 --> 00:01:21,415 学校以外での つきあいは やめようと決めた。 20 00:01:21,415 --> 00:01:23,951 では。 21 00:01:23,951 --> 00:01:27,287 あっ… お待ちください。 22 00:01:27,287 --> 00:01:31,291 ガッ! ハア ハア… ハア~! 23 00:01:31,291 --> 00:01:33,627 ⚟失礼いたします。 ハア~。 24 00:01:33,627 --> 00:01:36,964 はい。 25 00:01:36,964 --> 00:01:39,266 先生…。 26 00:01:41,301 --> 00:01:45,973 「レツツ ゴウツ エクソスズミ➡ 27 00:01:45,973 --> 00:01:54,448 エクソシジミ イズ ジヤパ ニーズ セレモニー…」。 28 00:01:54,448 --> 00:01:57,818 「レツツ ゴウツ…」。 フフフ… オーケー オーケー。 29 00:01:57,818 --> 00:01:59,753 ワカリマシタ。 30 00:01:59,753 --> 00:02:04,624 あっ… ああ…。 はあ… よかった。 31 00:02:04,624 --> 00:02:10,931 <数日後 ヘブンは 教え子に紹介された寺で➡ 32 00:02:10,931 --> 00:02:13,934 お祓いを受けました> 33 00:02:18,605 --> 00:02:23,944 オハライ オモシロイ。 34 00:02:23,944 --> 00:02:28,281 (住職)せっかく 気に入っていただけたなら…➡ 35 00:02:28,281 --> 00:02:33,153 面白い話を聞いていただきませんかの? (通訳する声) 36 00:02:33,153 --> 00:02:38,792 オウ? 我が寺に伝わる… 怪談がございまして。 37 00:02:38,792 --> 00:02:40,727 えっ!? 38 00:02:40,727 --> 00:02:42,963 すんません…。 39 00:02:42,963 --> 00:02:46,433 (住職)どげしましょうか? ア~…。 40 00:02:46,433 --> 00:02:49,803 ゼヒ ネガイマス! 41 00:02:49,803 --> 00:02:53,306 (住職)なら 墓地の方へ…。 42 00:02:57,310 --> 00:03:04,918 これは 初代藩主 松平直政公の頃のお話。 43 00:03:04,918 --> 00:03:08,755 「この大雄寺の東側に➡ 44 00:03:08,755 --> 00:03:12,926 小さな飴屋があったそうで…」。 (通訳する声) 45 00:03:12,926 --> 00:03:20,100 「ある夜更けに 痩せこけた かげろうのような おなごが➡ 46 00:03:20,100 --> 00:03:25,906 『水飴を下さい』と店を訪れました。➡ 47 00:03:25,906 --> 00:03:34,614 店主は 毎晩訪れてくる おなごの顔色が 悪くなっていくのが気になり➡ 48 00:03:34,614 --> 00:03:37,517 後をつけてみたところ➡ 49 00:03:37,517 --> 00:03:42,789 この墓の前で ふっと消えたのです。➡ 50 00:03:42,789 --> 00:03:46,293 すると 墓の下から 突然➡ 51 00:03:46,293 --> 00:03:50,163 赤子の泣き声が聞こえてきました。➡ 52 00:03:50,163 --> 00:03:53,066 急いで 墓を掘ると…➡ 53 00:03:53,066 --> 00:03:56,636 あの女の亡骸が。➡ 54 00:03:56,636 --> 00:04:04,244 傍らには 生まれたばかりの 赤ん坊がおるではありませんか。➡ 55 00:04:04,244 --> 00:04:08,915 おなかに子を宿したまま 亡くなった母親が➡ 56 00:04:08,915 --> 00:04:17,257 幽霊となって水飴を買いに 店を訪れていたのです」。 57 00:04:17,257 --> 00:04:20,160 (泣き声) 58 00:04:20,160 --> 00:04:24,764 ゴメンナサイ。 ソ… ソーリー。 59 00:04:24,764 --> 00:04:29,402 あっ いいえ。 ハジメテ…。 スバラシ! 60 00:04:29,402 --> 00:04:33,940 カイダン… モット ホシイ! 61 00:04:33,940 --> 00:04:36,276 (住職)ここに伝わる怪談は➡ 62 00:04:36,276 --> 00:04:42,949 「水飴を買う女」だけでございます。 (通訳する声) 63 00:04:42,949 --> 00:04:51,258 (カラスの鳴き声) 64 00:04:55,529 --> 00:04:58,431 ヘブン先生。 65 00:04:58,431 --> 00:05:03,904 怪談に… ご興味… ある ですか? 66 00:05:03,904 --> 00:05:06,206 ⚟(足音) 67 00:05:10,243 --> 00:05:15,916 私 怪談 知っちょります! 68 00:05:15,916 --> 00:05:17,851 You know? 69 00:05:17,851 --> 00:05:20,253 シジミサン? はい。シル!? 70 00:05:20,253 --> 00:05:23,256 ようけ 知っちょります。 ようけ ようけ 知っちょります! 71 00:05:23,256 --> 00:05:25,592 サア サア コッチ! えっ? 72 00:05:25,592 --> 00:05:28,094 スワッテ… クダサイ! 73 00:05:30,764 --> 00:05:34,267 ア~ カイダン ネガイマス。 あっ…。 74 00:05:34,267 --> 00:05:38,605 母が 買ってくれた 怪談の本です。 75 00:05:38,605 --> 00:05:42,409 その中から 好きな怪談を…。 76 00:05:42,409 --> 00:05:44,477 まずは…。 マツ マツ マツ! 77 00:05:44,477 --> 00:05:50,617 ホン… ミル… イケマセン。 えっ? 78 00:05:50,617 --> 00:05:55,121 アナタノ ハナシ アナタノ カンガエ➡ 79 00:05:55,121 --> 00:06:00,560 アナタノ コトバ… デ ナケレバ イケマセン。 80 00:06:00,560 --> 00:06:04,231 私の…? 81 00:06:04,231 --> 00:06:08,735 では… え~…➡ 82 00:06:08,735 --> 00:06:13,607 「鳥取の布団」という怪談 いかがでしょうか? 83 00:06:13,607 --> 00:06:18,111 ゼヒ! はい!ネガイマス。 84 00:06:20,347 --> 00:06:23,850 ナニ? あ~…。 85 00:06:34,594 --> 00:06:36,930 お待たせいたしました。 フッ。 86 00:06:36,930 --> 00:06:38,932 ふう~…。 87 00:06:43,603 --> 00:06:48,108 「とある宿屋で 客が布団に入ると➡ 88 00:06:48,108 --> 00:06:55,782 『兄さん 寒かろう』『お前も寒かろう』と➡ 89 00:06:55,782 --> 00:06:59,119 布団から 声がする。➡ 90 00:06:59,119 --> 00:07:03,089 ある鳥取の 寒い寒い 雪の降る田舎町に➡ 91 00:07:03,089 --> 00:07:07,560 貧しく幼い兄弟が 2人だけで暮らしていた。➡ 92 00:07:07,560 --> 00:07:12,232 ボロ家には たった一枚の布団。➡ 93 00:07:12,232 --> 00:07:18,371 『家賃を払え! 払えねえなら もらっていくぞ!』と➡ 94 00:07:18,371 --> 00:07:25,245 家の大家が布団を取り上げ 吹きすさぶ雪の中に兄弟を追い出した。➡ 95 00:07:25,245 --> 00:07:31,751 『兄さん 寒かろう』『お前も寒かろう』➡ 96 00:07:31,751 --> 00:07:37,557 そう言いながら 2人は凍え死んでしまった。➡ 97 00:07:37,557 --> 00:07:43,763 宿屋のしゃべる布団は その大家が売った 兄弟のものだった」。 98 00:07:46,599 --> 00:07:48,802 (吹き消す音) 99 00:07:51,104 --> 00:07:53,606 ハア…。 100 00:07:53,606 --> 00:07:57,277 分かり… ましたか? 日本語で。 101 00:07:57,277 --> 00:08:01,548 ハンブン… モット… ワカラナイ…。 102 00:08:01,548 --> 00:08:04,217 モッペン… モッペン! 103 00:08:04,217 --> 00:08:09,089 もういっぺん? イエス! モウイッペン… ネガイマス! 104 00:08:09,089 --> 00:08:12,092 もちろんです! あの 何べんでも➡ 105 00:08:12,092 --> 00:08:15,362 何十ぺんでも お話ししますけん! 106 00:08:15,362 --> 00:08:19,232 アリガトウゴザイマス! こちらこそです。 107 00:08:19,232 --> 00:08:22,135 フフフ…。 108 00:08:22,135 --> 00:08:32,579 ♬~ 109 00:08:32,579 --> 00:08:35,582 (鳥の鳴き声) 110 00:08:46,926 --> 00:08:48,862 何があったんだ? 111 00:08:48,862 --> 00:08:52,599 (鐘の音) (錦織)泣いていた? 怪談を聞いてか? 112 00:08:52,599 --> 00:08:56,269 (正木)はい…。 怪談を いたく気に入ったご様子で➡ 113 00:08:56,269 --> 00:08:58,938 もっと ほかにも話を聞いてみたいと。 114 00:08:58,938 --> 00:09:01,941 なるほどな…。 ふ~ん…。 115 00:09:04,544 --> 00:09:08,415 「出雲の国の ある百姓の夫婦は➡ 116 00:09:08,415 --> 00:09:13,887 ひどく貧しく 自分たちが食べるだけで精いっぱい。➡ 117 00:09:13,887 --> 00:09:16,556 子供が生まれる度に➡ 118 00:09:16,556 --> 00:09:19,592 『ごめんよ ごめんよ』と➡ 119 00:09:19,592 --> 00:09:23,730 家の裏を流れる川に捨てていました。➡ 120 00:09:23,730 --> 00:09:28,234 月日は流れ 暮らしに 少しのゆとりが出てきた頃➡ 121 00:09:28,234 --> 00:09:34,374 初めて 生まれてきた子を 育ててみることにしました。➡ 122 00:09:34,374 --> 00:09:40,580 ある月夜の晩のことです」。 123 00:09:40,580 --> 00:09:49,255 ♬ ねえん ねえんねえんや 124 00:09:49,255 --> 00:09:52,759 「父親は 赤子を背負って➡ 125 00:09:52,759 --> 00:09:57,397 『今夜は ええ月だ』と 独りごちておりました。➡ 126 00:09:57,397 --> 00:10:02,602 すると… まだ しゃべるはずのない背中の子が➡ 127 00:10:02,602 --> 00:10:06,106 口を開いて こう言ったのです。➡ 128 00:10:06,106 --> 00:10:10,410 『お父っつぁんが 最後に私をお捨てになった時も➡ 129 00:10:10,410 --> 00:10:15,949 こげに月のきれ~いな晩でしたね』」。 130 00:10:15,949 --> 00:10:18,151 (吹き消す音) 131 00:10:19,786 --> 00:10:22,822 難し でしたよね? 132 00:10:22,822 --> 00:10:26,960 ワカル… キモチ アル。 133 00:10:26,960 --> 00:10:33,299 チチ… ワタシ… ステタ。 134 00:10:33,299 --> 00:10:40,640 ハハ ノ コト… ステタ。 135 00:10:40,640 --> 00:10:43,543 ユルス ナイ…。 136 00:10:43,543 --> 00:10:48,248 すんません…。 そげなこととは知らず…。 137 00:10:50,984 --> 00:10:55,321 あっ でも… こうも思います。 138 00:10:55,321 --> 00:10:58,658 何べん 捨てられても…➡ 139 00:10:58,658 --> 00:11:02,529 同じ親のもと 生まれた。 140 00:11:02,529 --> 00:11:09,936 この子の 親 思う気持ち… 強い。 141 00:11:09,936 --> 00:11:13,806 それを知った… この親➡ 142 00:11:13,806 --> 00:11:20,280 大切に 育てる 思います。 143 00:11:20,280 --> 00:11:25,618 相手の 気持ち 知ることで…➡ 144 00:11:25,618 --> 00:11:32,959 ええことに なったらええなあって 思います。 145 00:11:32,959 --> 00:11:36,629 ワタシ…➡ 146 00:11:36,629 --> 00:11:40,500 イイコト…➡ 147 00:11:40,500 --> 00:11:45,305 エエコト…。 フフッ…。 シマス。 148 00:11:45,305 --> 00:11:50,143 はい。 シジミサンノ… カンガエ➡ 149 00:11:50,143 --> 00:11:53,446 コトバ… スバラシ。 150 00:11:53,446 --> 00:11:55,381 アリガトウ! 151 00:11:55,381 --> 00:12:12,799 ♬~ 152 00:12:12,799 --> 00:12:15,702 先生は お元気か? 153 00:12:15,702 --> 00:12:18,605 変わらず。 154 00:12:18,605 --> 00:12:24,410 実は… 怪談が ヘブン先生の日本滞在記の➡ 155 00:12:24,410 --> 00:12:28,948 ラストピースになるのではと 思えてきてな。 156 00:12:28,948 --> 00:12:31,784 君が 怪談を語れば語るほど➡ 157 00:12:31,784 --> 00:12:35,288 滞在記は完成に近づき 先生は…➡ 158 00:12:35,288 --> 00:12:38,291 ここから いなくなる ということになる。 159 00:12:43,796 --> 00:12:45,732 ⚟オトキ シショウ!➡ 160 00:12:45,732 --> 00:12:47,967 ハヤク! カイダン! 161 00:12:47,967 --> 00:12:51,638 はい! ああ~… だ… 何? うわ~ うっ…。 162 00:12:51,638 --> 00:12:55,308 頑固な汚れが…。 恐らく 今日中には取れませんけん➡ 163 00:12:55,308 --> 00:12:57,243 今日は 怪談 なしで。 164 00:12:57,243 --> 00:12:59,646 ナンデ!? おっかしいな~? 165 00:12:59,646 --> 00:13:01,648 プリーズ。 おっかしい…。 166 00:13:07,920 --> 00:13:11,257 ネガイマス。 167 00:13:11,257 --> 00:13:15,128 そげですよね。 では…。 168 00:13:15,128 --> 00:13:21,134 カイダン… カタル… キライ? 169 00:13:22,869 --> 00:13:28,675 ワタシ… キク… スキデス。 170 00:13:28,675 --> 00:13:33,413 アナタノ ハナシ… アナタノ カンガエ…➡ 171 00:13:33,413 --> 00:13:38,217 アナタノ コトバ… スキデス。 172 00:13:41,621 --> 00:13:43,623 フフッ…。 173 00:13:48,394 --> 00:13:54,634 初代藩主 松平直政公の頃のお話。 174 00:13:54,634 --> 00:13:56,936 ミズアメ? 175 00:13:58,971 --> 00:14:00,973 アリガトウ。 176 00:14:03,576 --> 00:14:05,912 「『ごめんなさいませ』。➡ 177 00:14:05,912 --> 00:14:09,382 痩せこけた かげろうのような女が➡ 178 00:14:09,382 --> 00:14:16,923 『水飴を下さいませんか?』と 店を訪れた」。 179 00:14:16,923 --> 00:14:20,793 (勘右衛門)ひい! ふう! みい! 180 00:14:20,793 --> 00:14:23,596 ⚟松野さ~ん。 郵便で~す。 181 00:14:23,596 --> 00:14:25,531 松野トキ様宛てに。 182 00:14:25,531 --> 00:14:27,467 (フミ)へえ~…。 183 00:14:27,467 --> 00:14:32,605 初めてだないですかね? おトキに手紙だなんて…。➡ 184 00:14:32,605 --> 00:14:35,274 山根… 銀二郎…! 185 00:14:35,274 --> 00:14:38,177 銀二郎じゃと…? 186 00:14:38,177 --> 00:14:40,146 うん? 187 00:14:40,146 --> 00:14:42,615 おトキちゃんと やり直したい。 188 00:14:42,615 --> 00:14:45,284 (蛙)<えっ 銀二郎さん 帰ってくるのね!?> 189 00:14:45,284 --> 00:14:47,954 <来週は 男と女と 女と男!> 190 00:14:47,954 --> 00:14:51,424 (蛙)<あ~ これは 女と男と 男と女ね!> 191 00:14:51,424 --> 00:14:54,293 (2匹)<ねえ~!> 192 00:14:54,293 --> 00:14:57,296 (蛙)<えっ もしかして?> <もしかするわね!>