1 00:00:23,458 --> 00:00:25,460 (親爺)いらっしゃい。 (盤嶽)すまんが⇒ 2 00:00:25,460 --> 00:00:29,464 雨宿りを させてくれ。 (親爺)ようがすとも。 3 00:00:29,464 --> 00:00:32,064 (親爺)いいこだよ~。 (猫の鳴き声) 4 00:00:38,806 --> 00:00:43,144 (親爺)旦那。 棚田の宿を お通りになりますか? 5 00:00:43,144 --> 00:00:48,149 棚田っていうと こっちか? へえ。 峠を越えた所なんですが。 6 00:00:48,149 --> 00:00:50,818 うん。 ならば 通る。 それでしたら⇒ 7 00:00:50,818 --> 00:00:54,418 ついでに 人を送ってって もらえませんでしょうか。 8 00:00:59,160 --> 00:01:04,098 お安いご用だ。 送って進ぜよう。 (娘)ありがとう存じます。 9 00:01:04,098 --> 00:01:06,698 はい。 下りていいんだよ~。 (猫の鳴き声) 10 00:01:18,446 --> 00:01:24,118 (親爺)何のお礼も できませんが これで 温まってってください。 11 00:01:24,118 --> 00:01:27,418 あー。 すまんな。 12 00:01:35,129 --> 00:01:36,729 あぁー! 13 00:01:38,466 --> 00:01:44,066 もし。 あの ご親切なお武家様が 送ってくださるそうですよ。 14 00:01:45,807 --> 00:01:49,477 おい。 送ってほしいのは その娘御ではないのか。 15 00:01:49,477 --> 00:01:52,777 いえ。 あちらの方ですよ。 16 00:01:55,817 --> 00:01:57,485 (平四郎)ううっ。 17 00:01:57,485 --> 00:02:00,488 店の前で 行き倒れになられて⇒ 18 00:02:00,488 --> 00:02:03,157 うっちゃっとくわけにも いかねえんで⇒ 19 00:02:03,157 --> 00:02:07,457 どうしたものかと 困り果てているんですよ。 20 00:02:09,097 --> 00:02:13,434 この病人を連れて 峠を越えろと 言うのか? 21 00:02:13,434 --> 00:02:17,105 断ると おっしゃるんですか? 断る! 22 00:02:17,105 --> 00:02:20,705 では 酒のお代を 払って頂きましょう。 23 00:02:22,443 --> 00:02:28,443 おのれ! 謀ったな! 24 00:02:36,457 --> 00:02:46,467 ♪~ (テーマ曲) 25 00:02:46,467 --> 00:03:16,431 ♪~ 26 00:03:16,431 --> 00:03:29,444 ♪~ 27 00:03:29,444 --> 00:03:35,450 ♪~ 28 00:03:35,450 --> 00:03:42,450 ♪~ 29 00:05:46,447 --> 00:05:53,454 ♪~ 30 00:05:53,454 --> 00:05:57,124 (平四郎)すまん。 すまんなあ。 31 00:05:57,124 --> 00:06:02,797 女房と子供が 俺の帰るのを 待ってるんだ。 32 00:06:02,797 --> 00:06:09,136 何としてでも 帰ってやらねば。 もういい! 黙っておれ。 33 00:06:09,136 --> 00:06:13,140 ♪~ 34 00:06:13,140 --> 00:06:18,740 (盤嶽)はぁ はぁ はぁ…。 35 00:06:20,414 --> 00:06:30,014 おい。 家は どこだ? あー。 はぁ はぁ。 (雷鳴) 36 00:06:31,759 --> 00:06:35,763 あー! 参ったな。 37 00:06:35,763 --> 00:06:41,063 ♪~ 38 00:06:44,772 --> 00:06:47,772 あー! おーい! 39 00:06:49,777 --> 00:06:53,114 病人だ。 (才助)へい。 部屋を頼む。 へい。 40 00:06:53,114 --> 00:06:56,414 (才助)おふみ! (おふみ)はい。 41 00:06:58,786 --> 00:07:03,124 (才助)やっ! これは 平四郎様! 知り合いか? 42 00:07:03,124 --> 00:07:04,792 (おふみ)はい。 このお方は⇒ 43 00:07:04,792 --> 00:07:08,796 地主様の土蔵に 住んでいらっしゃる 田中平四郎様です。 44 00:07:08,796 --> 00:07:11,396 とにかく 医者だ。 (おふみ)はい。 45 00:07:14,135 --> 00:07:19,740 ああー 待て。 医者は要らぬ。 俺には そんな金の余裕は。 46 00:07:19,740 --> 00:07:23,077 馬鹿を言え! 死んだら それっきりだ! 47 00:07:23,077 --> 00:07:26,414 金など 何とでもなる! 48 00:07:26,414 --> 00:07:29,414 さっ 早く! 49 00:07:41,762 --> 00:07:47,768 (龍伯)こんな体で 普請場に出て 働くとは もってのほかですぞ。 50 00:07:47,768 --> 00:07:53,107 しかし 稼がねば 女房 子供が。 51 00:07:53,107 --> 00:07:58,446 (龍伯)風邪は 万病のもとです。 侮ると 命がございませぬぞ。⇒ 52 00:07:58,446 --> 00:08:00,046 これをな。 53 00:08:09,457 --> 00:08:11,792 (盤嶽)おい。 さっ 薬だ。 54 00:08:11,792 --> 00:08:15,092 (平四郎)うっ。 ああ すまん。 55 00:08:29,076 --> 00:08:35,750 ああ。 帰りが遅いんで きっと 女房が心配してる。 56 00:08:35,750 --> 00:08:40,421 おふみさん。 すまんが。 ええ。 知らせに参りましょう。 57 00:08:40,421 --> 00:08:45,426 すまんね。 夜分に度々。 何を おっしゃいます。 58 00:08:45,426 --> 00:08:51,026 この銭を女房に。 はい。 59 00:08:55,436 --> 00:09:02,443 はぁ。 お主も 苦労をしているようだな。 60 00:09:02,443 --> 00:09:08,783 全く 浪人ほど 惨めなものはない。 61 00:09:08,783 --> 00:09:16,123 江戸で食い詰めて にっちもさっちも いかなくなってな。 62 00:09:16,123 --> 00:09:24,398 どうせ死ぬなら 国もとへ帰ろうと 女房に泣かれて。 63 00:09:24,398 --> 00:09:29,403 国は どこだ。 津軽だ。 64 00:09:29,403 --> 00:09:35,076 遠い所だな。 ひどく遠い。 65 00:09:35,076 --> 00:09:41,749 帰るつもりで ここまで来たが 子供が病を患い⇒ 66 00:09:41,749 --> 00:09:50,091 その看病で 女房まで 倒れてしまって 早 ひと月。 67 00:09:50,091 --> 00:09:53,761 ここで 足止めを食ってる。 68 00:09:53,761 --> 00:10:00,434 津軽までは とても たどりつけまい。 69 00:10:00,434 --> 00:10:03,771 気弱なことを言うな! 70 00:10:03,771 --> 00:10:11,445 とにかく しっかりと養生をして 風邪を 治してしまうことだ。 71 00:10:11,445 --> 00:10:13,114 うん。 72 00:10:13,114 --> 00:10:19,714 ♪~ 73 00:10:26,794 --> 00:10:29,130 (平四郎)ご造作を掛けて すまなかったな。⇒ 74 00:10:29,130 --> 00:10:32,133 あっ。 盤嶽殿と おふみさんに よろしくな。 75 00:10:32,133 --> 00:10:33,733 (才助)はあ。 76 00:10:44,145 --> 00:10:46,145 (戸が開く音) 77 00:10:48,149 --> 00:10:50,449 (双葉)お前様。 78 00:10:53,821 --> 00:10:57,158 (双葉)お風邪を召されて お倒れに なられたとか。 79 00:10:57,158 --> 00:10:59,160 (平四郎)何 心配は要らん。 80 00:10:59,160 --> 00:11:02,830 それより 平之助の具合は? はあ。 81 00:11:02,830 --> 00:11:05,830 今は 落ち着いておりますけれど。 82 00:11:07,501 --> 00:11:11,505 (双葉)本当に もう お体のほうは? 大丈夫だ。 83 00:11:11,505 --> 00:11:17,511 もう すっかり本復した。 阿地川盤嶽という男が⇒ 84 00:11:17,511 --> 00:11:21,448 付きっきりで 寝ずの介抱を してくれてな。 85 00:11:21,448 --> 00:11:28,789 まあ。 寝ずの介抱を? ああ。 あんな親切な男は おらんぞ。 86 00:11:28,789 --> 00:11:35,129 はぁ。 しかし 気の毒なことを してしまった。 87 00:11:35,129 --> 00:11:38,429 はぁ はぁ…。 88 00:11:40,134 --> 00:11:44,138 (おふみ)ひどい熱。 龍伯先生を 呼んで参ります。 89 00:11:44,138 --> 00:11:50,144 いや。 医者は要らん。 俺は そんな金は。 90 00:11:50,144 --> 00:11:53,480 馬鹿おっしゃい! 死んだら それっきりでございますよ。 91 00:11:53,480 --> 00:11:56,483 お金など 何とでもなります! 92 00:11:56,483 --> 00:12:01,155 はぁ はぁ…。 93 00:12:01,155 --> 00:12:06,455 (駕籠かき達)えっほ えっほ。 えっほ えっほ えっほ…。 94 00:12:08,162 --> 00:12:10,497 (才助)どうも ようこそ お越しくださいました。 95 00:12:10,497 --> 00:12:14,835 (山城屋)才助さん。 今年も 頼みますよ。 96 00:12:14,835 --> 00:12:17,838 どうも 恐れ入ります。 もう この旅籠が⇒ 97 00:12:17,838 --> 00:12:19,440 つぶれずに やっていけますのも⇒ 98 00:12:19,440 --> 00:12:21,775 ひとえに 皆様方の お陰でございますんで。 99 00:12:21,775 --> 00:12:24,075 さあ さあ どうぞ。 (山城屋)あっ はい はい。 100 00:12:36,457 --> 00:12:39,460 (おふみ)本当に ご無理 申し上げて すいません。 101 00:12:39,460 --> 00:12:45,060 いや いや。 商売繁盛で 結構なことだ。 102 00:12:51,472 --> 00:12:55,809 (騒ぎ声) 103 00:12:55,809 --> 00:12:58,809 賑やかな客だな。 104 00:13:01,482 --> 00:13:04,151 皆さん 近在の大店の旦那方で⇒ 105 00:13:04,151 --> 00:13:07,488 年に一度 お楽しみに おいでになるんです。 106 00:13:07,488 --> 00:13:12,826 こんな寂れた所に 楽しいことがあるとは思えんが。 107 00:13:12,826 --> 00:13:15,496 博打を打ちに おいでになるんです。 108 00:13:15,496 --> 00:13:19,099 賭け事で ぱあーっと 散財すると⇒ 109 00:13:19,099 --> 00:13:22,436 一年間の商いの疲れが 吹っ飛ぶとかで。 110 00:13:22,436 --> 00:13:24,438 お金持ちの 考えることは⇒ 111 00:13:24,438 --> 00:13:28,038 あたしなんぞには まるっきり 分かりません。 112 00:13:35,115 --> 00:13:38,452 ♪~ 113 00:13:38,452 --> 00:13:45,793 聞いたか。 日置光平よ。 一方では⇒ 114 00:13:45,793 --> 00:13:53,801 病気の妻子を抱えて 薬も買えん 人間が いるというのに。 115 00:13:53,801 --> 00:14:02,401 はぁ。 全く あきれた話だ。 116 00:14:09,817 --> 00:14:11,485 (才助)ご苦労様でございます。⇒ 117 00:14:11,485 --> 00:14:13,821 旦那衆が 首を長くして お待ちでございます。⇒ 118 00:14:13,821 --> 00:14:15,821 ずーっと 中へ。 さっさっ。 119 00:14:20,094 --> 00:14:21,762 (おふみ)お前さん。⇒ 120 00:14:21,762 --> 00:14:23,764 ちょっと お前さん! ひどいじゃ ありませんか。 121 00:14:23,764 --> 00:14:26,100 十日も留守にして。 (仙吉)うるせえ! 122 00:14:26,100 --> 00:14:29,770 やくざの尻に くっついて 遊び回るのは やめとくれって⇒ 123 00:14:29,770 --> 00:14:34,108 あれほど 頼んだのに。 手前。 亭主の俺に 意見するのか。 124 00:14:34,108 --> 00:14:35,776 ≪(次郎作)女将さん。⇒ 125 00:14:35,776 --> 00:14:39,113 おい。 ご亭主の博打の貸しが⇒ 126 00:14:39,113 --> 00:14:42,449 一両二分ほど 溜まってるんですがね。 127 00:14:42,449 --> 00:14:47,049 えっ!? お前さん! 128 00:14:50,791 --> 00:14:52,459 (男)さあ 入りやした。 (男)さあ どうぞ。 129 00:14:52,459 --> 00:14:58,132 (山城屋)おーし! 半! (男)こっちも 半だ! 130 00:14:58,132 --> 00:14:59,800 (男)さあ どうぞ。 半! 131 00:14:59,800 --> 00:15:02,100 (男)丁半 駒 揃いやした! 勝負! 132 00:15:03,804 --> 00:15:06,473 (男)丁! (男)ああー! 133 00:15:06,473 --> 00:15:09,143 (山城屋)あーん! 134 00:15:09,143 --> 00:15:11,812 (笑い声) 135 00:15:11,812 --> 00:15:15,149 (熊蔵)ははははは。 泣くか? 136 00:15:15,149 --> 00:15:20,421 (笑い声) 137 00:15:20,421 --> 00:15:22,421 あぁ~。 138 00:19:31,438 --> 00:19:35,438 ≪(おふみ)盤嶽様。 龍伯先生が お見えです。 139 00:19:37,778 --> 00:19:39,780 (龍伯)お加減は いかがかな? 140 00:19:39,780 --> 00:19:42,115 お陰様で だいぶ よくなりました。 141 00:19:42,115 --> 00:19:46,415 (龍伯)おう。 それは結構じゃ。 お顔の色も よろしい。 142 00:19:49,056 --> 00:19:51,056 まあ。 143 00:19:52,726 --> 00:19:55,395 お汁粉を こさえて いらっしゃるのですか? 144 00:19:55,395 --> 00:19:57,731 汁粉? 誰が? 145 00:19:57,731 --> 00:20:02,736 だって 小豆を煮てらっしゃるじゃ ございませんか。 146 00:20:02,736 --> 00:20:08,408 ああ。 これは 飯の代わりに 食うのだ。 147 00:20:08,408 --> 00:20:14,414 小豆が よほど お好きと見える。 別段 好きでもないが。 148 00:20:14,414 --> 00:20:19,086 じゃあ 何も 小豆など 買って来なくとも よかろう。 149 00:20:19,086 --> 00:20:25,086 買って来たのではない。 じゃあ どうなさったんです? 150 00:20:28,095 --> 00:20:30,430 実はな。 151 00:20:30,430 --> 00:20:35,030 宿代も払えんのに 米の飯を 食っては 申し訳ないと思ってな。 152 00:20:42,776 --> 00:20:45,776 誠に すまん! 153 00:20:47,447 --> 00:20:50,717 (二人の笑い声) 154 00:20:50,717 --> 00:20:56,390 これは よほど お困りのようだ。 ははははは…! 155 00:20:56,390 --> 00:21:00,727 実はな。 薬代が溜まっておるが 払えんだろうと思って⇒ 156 00:21:00,727 --> 00:21:05,399 仕事を持って来た。 あら。 どんな仕事です? 157 00:21:05,399 --> 00:21:09,736 わしの代わりに 薬代を 取り立ててもらうのじゃ。 158 00:21:09,736 --> 00:21:15,075 借金の取り立てか。 159 00:21:15,075 --> 00:21:24,075 嫌だ。 嫌だな。 うーん。 160 00:21:25,752 --> 00:21:29,752 (龍伯)あははは。 えへへへ。 161 00:21:32,426 --> 00:21:36,430 ≪(争いの物音) 162 00:21:36,430 --> 00:21:40,434 ≪(男)やかましいやい! 163 00:21:40,434 --> 00:21:44,434 ≪(男)ちくしょう! もってきやがれ! 164 00:21:47,774 --> 00:21:52,712 (龍伯)あはは! 取ったか。 あはは。 うはは。 165 00:21:52,712 --> 00:21:56,716 おう。 おう。 やった やった。 166 00:21:56,716 --> 00:22:00,720 おう。 派手にやったのう。 よし 次。 167 00:22:00,720 --> 00:22:06,059 ♪~ 168 00:22:06,059 --> 00:22:07,727 次は ここじゃ。 169 00:22:07,727 --> 00:22:13,066 ♪~ 170 00:22:13,066 --> 00:22:15,735 御免! 171 00:22:15,735 --> 00:22:18,738 (戸が開く音) 172 00:22:18,738 --> 00:22:27,747 おお。 盤嶽殿。 ああ。 お主の家だったのか。 173 00:22:27,747 --> 00:22:30,417 何か用か? 174 00:22:30,417 --> 00:22:32,017 うん。 175 00:22:34,087 --> 00:22:39,092 それがな。 どうした? 子供が具合 悪いのか? 176 00:22:39,092 --> 00:22:44,097 ああ。 今朝から急に 熱が高くなってな。 177 00:22:44,097 --> 00:22:47,397 あっ。 そりゃ ちょうど いい時に来た。 178 00:22:49,102 --> 00:22:51,702 (龍伯)え? 何じゃ。 おっ。 何だ! 179 00:22:53,440 --> 00:22:57,444 先生。 平之助の具合が 急に悪くなって。 180 00:22:57,444 --> 00:22:59,779 熱! 熱を下げる お薬を! 181 00:22:59,779 --> 00:23:05,118 借金を返してくだされば 薬は すぐに 作って差し上げますがな。 182 00:23:05,118 --> 00:23:09,789 今 持ち合わせは これしか。 お願いします。 183 00:23:09,789 --> 00:23:13,089 平之助に薬を。 お願いします。 184 00:23:17,464 --> 00:23:19,132 医は仁術です。 185 00:23:19,132 --> 00:23:21,801 金など なくとも 薬は すぐに 作って差し上げます。 186 00:23:21,801 --> 00:23:23,803 そんな むちゃな。 何が むちゃだ。 187 00:23:23,803 --> 00:23:25,805 頑是ない子供が 苦しんでいるんだ。 188 00:23:25,805 --> 00:23:27,474 助けてやるのが 医者の務めではないか。 189 00:23:27,474 --> 00:23:30,477 しかし この子の病を治せるのは 南蛮の薬だけで⇒ 190 00:23:30,477 --> 00:23:33,813 安い薬を いくら 飲んだところで…。 黙れ! 191 00:23:33,813 --> 00:23:36,149 わしは 借金を取りに ここへ来たんじゃ! 192 00:23:36,149 --> 00:23:37,817 つべこべ言わずに 治してやらんか! 193 00:23:37,817 --> 00:23:42,417 (龍伯)分かった。 もう 分かった。 (双葉)お願いします。 平之助。 194 00:23:44,824 --> 00:23:46,493 すまん。 195 00:23:46,493 --> 00:23:50,430 お主に 助けてもらうのは これで二度目だな。 よせ! 196 00:23:50,430 --> 00:23:53,430 俺は 当たり前のことを したまでだ。 197 00:23:57,103 --> 00:24:00,774 いい奴だなあ。 お主は。 198 00:24:00,774 --> 00:24:05,779 俺で 役に立つことがあったら 何でも言ってくれ。 199 00:24:05,779 --> 00:24:08,079 いや。 そのような気遣い…。 200 00:24:10,784 --> 00:24:24,464 ♪~ 201 00:24:24,464 --> 00:24:26,132 すまんな。 202 00:24:26,132 --> 00:24:47,153 ♪~ 203 00:24:47,153 --> 00:24:50,453 御免。 誰か おらんか。 204 00:24:54,094 --> 00:24:56,096 留守か? 205 00:24:56,096 --> 00:24:58,096 ≪(女達の泣き声) 206 00:25:02,102 --> 00:25:05,102 ≪(女)南無阿弥陀仏…。 207 00:25:10,443 --> 00:25:14,447 (女)南無阿弥陀仏。 うわー! 待て 待て 待て…! 208 00:25:14,447 --> 00:25:17,450 (女)止めねえでくれ。 どうか 死なせてくだせえ! 209 00:25:17,450 --> 00:25:20,120 待て! 早まっては いかん! 210 00:25:20,120 --> 00:25:25,420 (二人の泣き声) 一体 どういうことだ! 211 00:25:29,462 --> 00:25:36,469 借金が かさみまして どうにも 月末が越せません。 212 00:25:36,469 --> 00:25:42,475 もう 娘を売る以外には。 213 00:25:42,475 --> 00:25:45,145 (二人の泣き声) 214 00:25:45,145 --> 00:25:50,083 それは いかん! 娘を売るなど とんでもない! 215 00:25:50,083 --> 00:25:56,756 へえ。 おらも そう思って。 そんなこと するぐらいなら⇒ 216 00:25:56,756 --> 00:26:01,094 いっそ 二人で 死んだほうが ましだと。 217 00:26:01,094 --> 00:26:07,434 (二人の泣き声) 218 00:26:07,434 --> 00:26:11,734 とにかく これで 当座をしのいで。 219 00:26:13,773 --> 00:26:19,779 小判だ! うわあ! 仏様だー! 220 00:26:19,779 --> 00:26:22,782 (平四郎)おい。 いいのか。 そんなことして。 221 00:26:22,782 --> 00:26:27,454 借金取りとて 人間だ! 血も涙もある! 222 00:26:27,454 --> 00:26:30,790 ≪(米屋)御免下さい。 何だ!? 223 00:26:30,790 --> 00:26:33,126 (米屋)米屋でございます。⇒ 224 00:26:33,126 --> 00:26:35,795 掛けを 頂きに参りました。 225 00:26:35,795 --> 00:26:38,131 (商人達)御免なさいよ。 おい おい。 ちょっと。⇒ 226 00:26:38,131 --> 00:26:41,468 おおー! ちょっと。 相手は かよわい母娘ではないか! 227 00:26:41,468 --> 00:26:44,471 借金などは ひと月でも ふた月でも 待ってやるべきだ! 228 00:26:44,471 --> 00:26:46,473 えっ! いや でも 先月も 先々月も⇒ 229 00:26:46,473 --> 00:26:48,475 一文も 頂いておりません。 (商人達)うん。 230 00:26:48,475 --> 00:26:51,077 人の命に比べれば そんなことが何だ! 231 00:26:51,077 --> 00:26:54,414 ここの家は 当分 借金取り お断りだ。 余所へ行け。 余所へ。 232 00:26:54,414 --> 00:26:57,417 (米屋)いいえ そうは参りません。 こっちも 商売ですからね! 233 00:26:57,417 --> 00:27:01,755 (商人達の騒ぐ声) 234 00:27:01,755 --> 00:27:03,423 (平四郎)待て! 235 00:27:03,423 --> 00:27:06,760 ちと やりすぎではないのか。 何を言うか! 236 00:27:06,760 --> 00:27:10,096 ここの母娘は 借金を苦にして 首を吊ろうとまでしたのだぞ! 237 00:27:10,096 --> 00:27:14,768 ええー!? また やりましたか? 「また」とは 何だ! 238 00:27:14,768 --> 00:27:18,104 いや。 ここのばあさんの首吊りは 有名なことで⇒ 239 00:27:18,104 --> 00:27:21,107 月末になれば 一度は必ずやります。 240 00:27:21,107 --> 00:27:23,707 なっ? なあ? (商人達)うん うん。 241 00:27:41,795 --> 00:27:52,739 くっ おのれ! よくも。 よくも 騙したなー! 242 00:27:52,739 --> 00:28:08,087 ♪~ 243 00:28:08,087 --> 00:28:12,387 (米屋)お前さん達が逃がしたんだ。 この掛け どうしてくださる。 244 00:28:17,764 --> 00:28:20,433 (佐兵衛)で その母娘の 借金というのは⇒ 245 00:28:20,433 --> 00:28:26,105 いかほどですかな? 締めて… 八両ほどでござる。 246 00:28:26,105 --> 00:28:30,777 それを このわしに 立て替えてほしいと おっしゃる。 247 00:28:30,777 --> 00:28:33,446 土蔵の中に 住まわして頂いてる上に⇒ 248 00:28:33,446 --> 00:28:37,450 無理なお願いをして 誠に心苦しんですが⇒ 249 00:28:37,450 --> 00:28:41,450 当方としても よんどころない 行き掛かりで。 250 00:28:43,790 --> 00:28:48,127 ちょっと。 旦那! 立派な刀じゃないですか。 251 00:28:48,127 --> 00:28:51,731 この刀を売ればね。 八両ぐらいの金子は すぐ…。 252 00:28:51,731 --> 00:28:55,401 馬鹿者! 何を言うか! (米屋)そんな。 253 00:28:55,401 --> 00:28:57,701 ちと 拝見。 おっ おい。 254 00:29:03,743 --> 00:29:07,080 ほう。 これは名刀だ。 255 00:29:07,080 --> 00:29:14,087 八両どころか 八百両でも 買い手がつく。 256 00:29:14,087 --> 00:29:16,422 (商人達)八… 八百両!? 257 00:29:16,422 --> 00:29:19,425 その刀は売らん。 命よりも大切な物だ。 258 00:29:19,425 --> 00:29:21,761 (平四郎)そんな わがままを 言っている場合か。 259 00:29:21,761 --> 00:29:25,431 売らんと言ったら 売らん。 返せ。 260 00:29:25,431 --> 00:29:29,102 (平四郎)身勝手な奴だな。 お主は。⇒ 261 00:29:29,102 --> 00:29:34,702 俺などは 女房 子供を 食わせんがために。 見てみろ! 262 00:29:36,442 --> 00:29:38,444 俺は 貴様とは違う! 263 00:29:38,444 --> 00:29:41,781 いかに落ちぶれようと 武士の魂だけは売らん! 264 00:29:41,781 --> 00:29:45,781 ふん! 何を偉そうに。 265 00:29:49,722 --> 00:29:51,391 むー! むー! 266 00:29:51,391 --> 00:29:53,393 (佐兵衛)あー! これ これ これ これ。⇒ 267 00:29:53,393 --> 00:29:56,729 やめなされ。 やめなされ。 しようがない お人達じゃ。 268 00:29:56,729 --> 00:30:00,733 借金は わしが 肩代わりして差し上げます。 269 00:30:00,733 --> 00:30:02,402 (商人達)えー!? 270 00:30:02,402 --> 00:30:04,070 それには 及びません。 271 00:30:04,070 --> 00:30:09,075 まっ そう おっしゃらずに。 わしも 只でとは申しません。 272 00:30:09,075 --> 00:30:14,080 代わりに お二人に 家の鶏の番をして頂く。 273 00:30:14,080 --> 00:30:16,416 鶏? 274 00:30:16,416 --> 00:30:19,085 (佐兵衛)全部で 九十九羽 おりましてな。 275 00:30:19,085 --> 00:30:21,754 九十九羽? 左様。 276 00:30:21,754 --> 00:30:26,092 この間 泥棒に 一羽 盗まれて 百羽が 九十九羽になった。 277 00:30:26,092 --> 00:30:29,762 そこで とり屋が 買い付けに来るまで⇒ 278 00:30:29,762 --> 00:30:33,433 二度と盗まれんように 守って頂きたいのじゃ。 279 00:30:33,433 --> 00:30:37,103 心得ました。 佐兵衛殿。 かたじけのうござる。 280 00:30:37,103 --> 00:30:41,774 ただし 一羽たりとも 盗まれてはなりませんぞ。 281 00:30:41,774 --> 00:30:43,776 いや ご安心ください。 282 00:30:43,776 --> 00:30:48,448 もしも 万が一のことがあったらば その時は この刀で弁償を。 283 00:30:48,448 --> 00:30:52,385 勝手に決めるな! まだ わがままを言うか! 284 00:30:52,385 --> 00:30:54,387 これだけの恩義を受けながら⇒ 285 00:30:54,387 --> 00:30:58,057 貴様には 誠意というものは ないのか。 見損なうな。 286 00:30:58,057 --> 00:30:59,726 こう見えても 俺は⇒ 287 00:30:59,726 --> 00:31:01,326 誠意のあることに かけては 誰にも引けは取らん! 288 00:34:05,444 --> 00:34:08,447 ♪~ 289 00:34:08,447 --> 00:34:14,047 では 鶏を盗まれたら お差料で弁償することに? 290 00:34:16,122 --> 00:34:22,795 売り言葉に 買い言葉で つい かっとなって 約束を。 291 00:34:22,795 --> 00:34:28,134 はあ。 馬鹿なことをした。 292 00:34:28,134 --> 00:34:33,806 日置光平に 申し訳ないことをした。 293 00:34:33,806 --> 00:34:37,143 まっ。 そんなに しょげなくっても。 294 00:34:37,143 --> 00:34:41,147 鶏の番をするぐらい 子供にだって できることですもの。 295 00:34:41,147 --> 00:34:43,149 どうってこと ありませんよ。 296 00:34:43,149 --> 00:34:48,754 ふんっ。 ふっ ふふふ。 297 00:34:48,754 --> 00:34:51,090 何が おかしい。 298 00:34:51,090 --> 00:34:57,430 だって そんな真面目なお顔で 鶏の番人だなんて。 299 00:34:57,430 --> 00:35:01,434 いかんか? いいえ。 300 00:35:01,434 --> 00:35:07,106 可愛らしいお仕事で 大変 結構でございます。 ふふふ。 301 00:35:07,106 --> 00:35:25,458 ♪~ 302 00:35:25,458 --> 00:35:30,129 (博打客の声) 303 00:35:30,129 --> 00:35:36,129 まだ やっとるのか。 ええ。 304 00:35:38,804 --> 00:35:42,104 (盤嶽)十五。 305 00:35:47,813 --> 00:35:49,813 十六。 306 00:35:58,424 --> 00:36:02,024 十七。 十八。 307 00:36:08,768 --> 00:36:14,368 十九! よし! 308 00:36:21,781 --> 00:36:23,381 おっ。 309 00:36:28,788 --> 00:36:33,388 (鶏の鳴き声) 310 00:36:38,130 --> 00:36:41,467 一羽も 盗まれてはおるまいな。 当たり前だ。 311 00:36:41,467 --> 00:36:45,767 貴様こそ 盗まれるなよ。 312 00:36:50,409 --> 00:36:54,409 あ~あ。 313 00:36:56,749 --> 00:36:58,349 あー。 314 00:37:00,753 --> 00:37:02,353 ふんっ。 315 00:37:08,427 --> 00:37:14,027 ひぃ。 ふぅ。 316 00:37:18,104 --> 00:37:20,106 みぃ。 317 00:37:20,106 --> 00:37:24,106 よぉ。 いつ。 318 00:37:34,787 --> 00:37:42,128 (博打客の声) 319 00:37:42,128 --> 00:37:45,728 まだ やってんのか! 320 00:37:47,466 --> 00:37:50,736 (騒ぎ声) 321 00:37:50,736 --> 00:37:55,036 貴様ら いい加減にしろー! 322 00:37:56,742 --> 00:37:58,411 (男)それでは 上がらしてもらいます。 323 00:37:58,411 --> 00:38:00,011 (男)上がらしてもらいます。 324 00:38:01,747 --> 00:38:06,747 (男)あー。 ああー。 325 00:38:08,421 --> 00:38:14,093 (熊蔵)お楽しみ頂けましたかな? 山城さんは 泣き疲れですか?⇒ 326 00:38:14,093 --> 00:38:17,763 いやー。 旦那方も 本当に お好きですな。 327 00:38:17,763 --> 00:38:20,433 (山城屋)うっ。 しかし もう⇒ 328 00:38:20,433 --> 00:38:27,106 さいころ博打は 十分 堪能しました。 ははは…。⇒ 329 00:38:27,106 --> 00:38:29,442 熊蔵さん。 (熊蔵)はい。 もっと⇒ 330 00:38:29,442 --> 00:38:34,113 変わった賭け事は ないもんでしょうかねえ。 331 00:38:34,113 --> 00:38:36,782 (熊蔵)あー。 花札でも やりますか? 332 00:38:36,782 --> 00:38:42,455 そういう月並みな遊びには 我々は いささか食傷気味でしてな。 333 00:38:42,455 --> 00:38:45,791 もっとこう 毛色の変わった⇒ 334 00:38:45,791 --> 00:38:50,729 手に汗 握るような 博打を打ってみたいのです。 335 00:38:50,729 --> 00:38:54,400 手に汗。 難しい注文ですな。 336 00:38:54,400 --> 00:39:00,000 面白い趣向があれば 金は惜しみませんよ。 337 00:39:08,747 --> 00:39:36,442 ♪~ 338 00:39:36,442 --> 00:39:39,111 おい! 待たんか! 339 00:39:39,111 --> 00:39:41,447 ♪~ 340 00:39:41,447 --> 00:39:43,782 うわー! 341 00:39:43,782 --> 00:40:06,382 ♪~ 342 00:40:13,412 --> 00:40:16,081 こら こら こら。 待たんか 待たんか 待たんか。 343 00:40:16,081 --> 00:40:21,086 よし よし。 そこで 待ってろ。 よーし 家 帰ろうな。 344 00:40:21,086 --> 00:40:23,422 旨いもん 食わせてやるぞー。 345 00:40:23,422 --> 00:40:28,427 あっ くっ。 とっとっとっとっ…。 346 00:40:28,427 --> 00:40:30,429 待て 待て…。 待て 待て…。 待て 待て。 347 00:40:30,429 --> 00:40:32,097 よーし いいこだ。 いいこだ。 いいこだ。 348 00:40:32,097 --> 00:40:34,433 よーし 待たんか。 待たんか。 よし。 待て 待て。 349 00:40:34,433 --> 00:40:36,733 こら 待たんか! 待たんか! 350 00:40:58,057 --> 00:41:28,087 ♪~ 351 00:41:28,087 --> 00:41:37,096 ♪~ 352 00:41:37,096 --> 00:41:44,770 許してくれ。 日置光平よ。 不甲斐ない この俺を。 353 00:41:44,770 --> 00:41:51,070 ♪~ 354 00:42:01,720 --> 00:42:06,725 (おふみ)あのう。 盤嶽様は? 知るか! 355 00:42:06,725 --> 00:42:11,397 (おふみ)お帰りが遅いので あたし 迎えに来たんですけど。 356 00:42:11,397 --> 00:42:14,733 佐兵衛殿の所へ 詫でも入れに 行ったのであろう。 357 00:42:14,733 --> 00:42:17,333 見ろ。 この始末を。 358 00:42:22,741 --> 00:42:24,341 まあ。 359 00:42:26,078 --> 00:42:27,746 鶏は? 360 00:42:27,746 --> 00:42:33,746 盗まれた。 たった一晩で 九十八羽も! 361 00:42:36,088 --> 00:42:37,688 (平四郎)はー。 362 00:42:59,378 --> 00:43:01,046 御免ください。 363 00:43:01,046 --> 00:43:07,386 (男達)おやー! おー。 これは すごいなあ。⇒ 364 00:43:07,386 --> 00:43:11,724 あの貧乏侍が 持ってるものとは 思えねえな。 はっはっはっ。⇒ 365 00:43:11,724 --> 00:43:16,395 これは すごいわな。 え? これは すごいぜ。 366 00:43:16,395 --> 00:43:20,399 ははははは。 (熊蔵)佐兵衛さん。 うん? あんたも 悪いお人ですな。 367 00:43:20,399 --> 00:43:23,736 いや。 こんなに うまく刀が 手に入るとは 思わなんだわい。⇒ 368 00:43:23,736 --> 00:43:28,407 ふふふふ。 はははは。 儲けは山分けですぞ。 369 00:43:28,407 --> 00:43:31,076 分かっとる。 分かっとる。 ふふふふ。 370 00:43:31,076 --> 00:43:32,745 あっ 仙吉。 (仙吉)へい。 371 00:43:32,745 --> 00:43:37,082 鶏は売れたか? へい。 九十八羽 残らず。 372 00:43:37,082 --> 00:43:39,084 とり屋が 言い値で 買って行きやした。 373 00:43:39,084 --> 00:43:41,420 おおー。 ご苦労 ご苦労。 へっへっへっ。 374 00:43:41,420 --> 00:43:43,756 (熊蔵)佐兵衛さん。 これも 山分けですぜ。 375 00:43:43,756 --> 00:43:48,356 馬鹿。 欲が 深すぎるんだよ。 はははははは。 376 00:43:53,098 --> 00:43:57,102 (おふみ)盤嶽様ー! お待ちください! 377 00:43:57,102 --> 00:44:01,774 鶏泥棒は 地主の佐兵衛さんの 差し金だったんです! 378 00:44:01,774 --> 00:44:04,774 旦那は 騙されたんですよ! 379 00:44:06,779 --> 00:44:08,447 ♪~ 380 00:44:08,447 --> 00:44:15,447 おりゃー! くそー! 待ってろよ! 日置光平! 381 00:44:17,790 --> 00:44:22,127 貴様ら! よくも 騙したな! 382 00:44:22,127 --> 00:44:35,474 ♪~ 383 00:44:35,474 --> 00:44:38,774 (佐兵衛)うっ。 うわっ。 ううっ。 384 00:44:40,479 --> 00:44:42,815 貴様 よくも。 385 00:44:42,815 --> 00:44:48,487 よくも その汚らわしい手で 俺の大事な刀を! 386 00:44:48,487 --> 00:44:50,487 (佐兵衛)ぎゃー! 387 00:44:55,761 --> 00:44:58,430 (平四郎)これは 佐兵衛殿。 どうなされた? 388 00:44:58,430 --> 00:45:01,767 (佐兵衛)あの盤嶽という男は ひどい奴だ。⇒ 389 00:45:01,767 --> 00:45:05,771 約束を破って 刀を持ち逃げしおった。 390 00:45:05,771 --> 00:45:10,108 何ですと!? どうぞ 刀を取り戻してくだされ。 391 00:45:10,108 --> 00:45:13,408 先生。 こいつを お使いになって。 392 00:45:21,787 --> 00:45:23,387 (男)それでは。 393 00:45:27,793 --> 00:45:31,129 (熊蔵)毛色の変わった賭け事が 見つかりました。 394 00:45:31,129 --> 00:45:35,467 ほう。 どんな趣向ですかな? 395 00:45:35,467 --> 00:45:39,471 浪人が二人。 これから 果たし合いを致します。 396 00:45:39,471 --> 00:45:45,477 その真剣勝負に お銭を どーんと 張って頂こうという 趣向で。 397 00:45:45,477 --> 00:45:50,082 それは面白い! 行きましょう! 398 00:45:50,082 --> 00:45:54,753 ♪~ 399 00:45:54,753 --> 00:45:56,353 ついて来てください! 400 00:49:11,450 --> 00:49:21,460 ♪~ 401 00:49:21,460 --> 00:49:26,465 盤嶽。 俺は 貴様という奴を 見損なったぞ。 402 00:49:26,465 --> 00:49:29,801 貴様は 勘違いをしている。 403 00:49:29,801 --> 00:49:35,140 鶏泥棒は佐兵衛 自ら やらせたんだ。 404 00:49:35,140 --> 00:49:40,479 嘘をつけ! 自分の鶏を 自分で盗む 馬鹿がどこにおる。 405 00:49:40,479 --> 00:49:43,482 嘘ではない! 問答無用だ! 406 00:49:43,482 --> 00:49:48,753 黙って その刀を引き渡すか 俺と勝負をするか⇒ 407 00:49:48,753 --> 00:49:51,423 どちらか一つを選べ。 408 00:49:51,423 --> 00:50:02,434 ♪~ 409 00:50:02,434 --> 00:50:07,734 (男)わしは 平四郎に五百両じゃ。 (男)わたしも 平四郎に五百両。 410 00:50:10,775 --> 00:50:17,115 わしは 盤嶽に五百両 賭ける。 わしも 盤嶽に五百だ。 ほいきた! 411 00:50:17,115 --> 00:50:19,451 (次郎作)俺は盤嶽に 一分 賭けるぜ。 412 00:50:19,451 --> 00:50:21,119 (男)平四郎に一朱! (男)よっしゃ! 413 00:50:21,119 --> 00:50:24,122 (男)平四郎に三百文。 (男)よっしゃー! 414 00:50:24,122 --> 00:50:31,722 ♪~ 415 00:50:50,081 --> 00:50:51,750 おっ おっ おふみ。 416 00:50:51,750 --> 00:50:55,086 金は ねえか。 お金は みんな お前さんが⇒ 417 00:50:55,086 --> 00:50:57,088 博打に 使っちまったんじゃ ありませんか! 418 00:50:57,088 --> 00:51:01,426 なっ。 一分で いいんだよ。 頼む。 このとおり。 419 00:51:01,426 --> 00:51:04,763 早くしねえと 果たし合いが 終わっちまう。 420 00:51:04,763 --> 00:51:09,434 「果たし合い」って 何ですよ。 えっ? 421 00:51:09,434 --> 00:51:12,771 ああ いや。 何でもねえ。 何でもねえんだよ。 422 00:51:12,771 --> 00:51:18,771 何でもないわけ ないでしょう。 どういうことなんです? 423 00:51:20,779 --> 00:51:22,781 あっ そうだ。 424 00:51:22,781 --> 00:51:26,451 おっしゃい! どういうことなの!? 425 00:51:26,451 --> 00:51:42,801 ♪~ 426 00:51:42,801 --> 00:51:44,803 (男)盤嶽! (男)平四郎! 427 00:51:44,803 --> 00:51:48,473 ♪~ 428 00:51:48,473 --> 00:51:50,742 うわー! てや! 429 00:51:50,742 --> 00:51:52,410 やあー! やあー! 430 00:51:52,410 --> 00:51:54,412 ♪~ 431 00:51:54,412 --> 00:51:58,012 (おふみ)盤嶽様! 平四郎様! やめてください! 432 00:51:59,751 --> 00:52:02,087 分からないんですか! あの ごろつきどもは⇒ 433 00:52:02,087 --> 00:52:07,087 お二人の真剣勝負に お金を賭けて 慰みものにしてるんです! 434 00:52:08,760 --> 00:52:12,430 (男)おい。 お茶がねえぞ。 (笑い声) 435 00:52:12,430 --> 00:52:16,101 本当か? 本当か? ええ! 本当ですとも! 436 00:52:16,101 --> 00:52:19,437 許せん! おのれ よくも こけにしおったな! 437 00:52:19,437 --> 00:52:21,037 うおー! うおー! 438 00:52:24,442 --> 00:52:26,444 待てー! 曲者! 439 00:52:26,444 --> 00:52:30,115 (才助)この ろくでなしが! 勘当じゃ!⇒ 440 00:52:30,115 --> 00:52:32,415 出て行け! 出てけ! 出てってやらあ! 441 00:52:34,119 --> 00:52:37,419 はぁ。 これで やっと せいせいしました。 442 00:52:39,457 --> 00:52:42,757 あんな亭主は おらんほうが幸せだ。 443 00:52:44,462 --> 00:52:47,132 さてと 俺も行くかな。 444 00:52:47,132 --> 00:52:51,403 飯の支度を 仕掛けたまま 出て来たもんでな。 445 00:52:51,403 --> 00:52:55,407 仕事も 探さねばならんし。 平四郎。 446 00:52:55,407 --> 00:53:02,407 達者でな。 親子三人 無事 津軽へ帰れること 祈ってる。 447 00:53:04,749 --> 00:53:07,049 あっ あの。 ちょっと お待ちを。 448 00:53:11,089 --> 00:53:14,089 これを お納めください。 449 00:53:17,095 --> 00:53:20,098 何だ。 これは。 ええ。 あのう。 450 00:53:20,098 --> 00:53:23,101 旦那衆が お詫の しるしに⇒ 451 00:53:23,101 --> 00:53:27,401 お二人に 差し上げてくれと おっしゃって。 452 00:53:29,774 --> 00:53:32,444 ♪~ 453 00:53:32,444 --> 00:53:37,782 平四郎様。 きっと 天のお助けでございますよ。 454 00:53:37,782 --> 00:53:43,455 これだけあれば 南蛮の薬が買える。 455 00:53:43,455 --> 00:53:46,755 坊やの病も 必ず治ります。 456 00:53:48,727 --> 00:53:51,730 俺は要らん。 お主に やる。 457 00:53:51,730 --> 00:53:56,401 (平四郎)哀れみなら 要らん。 哀れみではない! 458 00:53:56,401 --> 00:53:59,070 こんな博打の おこぼれのような 金を 受け取っては⇒ 459 00:53:59,070 --> 00:54:03,074 俺は この日置光平に対して 申し訳がない。 460 00:54:03,074 --> 00:54:09,080 津軽までの旅費にしろ。 盤嶽様。 461 00:54:09,080 --> 00:54:11,416 貴様という男は。 462 00:54:11,416 --> 00:54:17,088 もう 行かねばならん。 いろいろ世話になった。 463 00:54:17,088 --> 00:54:21,092 盤嶽様。 道中 お気を付けて。 464 00:54:21,092 --> 00:54:23,692 騙されんように 気を付けて行けよ。 465 00:54:26,097 --> 00:54:31,436 大きなお世話だ。 俺だって そう度々は 騙されない。 466 00:54:31,436 --> 00:54:36,775 ♪~ 467 00:54:36,775 --> 00:54:38,777 おっ。 今日は 柿か。 468 00:54:38,777 --> 00:54:41,446 ♪~ 469 00:54:41,446 --> 00:54:43,114 (平四郎)では。 470 00:54:43,114 --> 00:55:05,714 ♪~ 471 00:55:13,144 --> 00:55:15,146 どうなすったんです? そのお金。 472 00:55:15,146 --> 00:55:20,819 あー。 いや その。 これは。 何じゃ。 何なんです? 473 00:55:20,819 --> 00:55:28,159 うーん。 実は 旦那衆から 言づかった金子は 百両でな。 474 00:55:28,159 --> 00:55:32,163 そのうちの二十五両ずつを お二人に。 475 00:55:32,163 --> 00:55:36,501 では お二人に渡す 金子の上前を? 476 00:55:36,501 --> 00:55:45,844 そう目くじらを 立てんでも。 ほんの出来心じゃ。 ははは。 477 00:55:45,844 --> 00:55:47,512 はぁー。 478 00:55:47,512 --> 00:56:36,512 ♪~ 479 00:56:38,496 --> 00:57:38,823 ♪~ 480 00:57:38,823 --> 00:57:53,823 ♪~