1 00:00:05,473 --> 00:00:07,473 (喜三郎)おりゃあ! おりゃあ! (源太)あっ あっ。 2 00:00:10,144 --> 00:00:11,813 (喜三郎)おりゃあ!⇒ 3 00:00:11,813 --> 00:00:13,481 やー! (源太)うわっ! 4 00:00:13,481 --> 00:00:16,818 (喜三郎)うっ。 (源太)くぅー! 5 00:00:16,818 --> 00:00:20,822 (喜三郎)死ねー! 源太ー! 6 00:00:20,822 --> 00:00:22,490 (喜三郎)ああー! 7 00:00:22,490 --> 00:00:27,161 (源太)馬鹿野郎ー! 喜三郎。 お前こそ 死ねー!⇒ 8 00:00:27,161 --> 00:00:31,833 ああー! ああ! (喜三郎)うわー!⇒ 9 00:00:31,833 --> 00:00:35,169 あああ!⇒ 10 00:00:35,169 --> 00:00:39,169 ああー! (源太)うわー! ああー! うわー! 11 00:00:41,175 --> 00:00:45,513 (源太)うおっ! うわっ! うお! (盤嶽)おおっ。 12 00:00:45,513 --> 00:00:49,517 おっ お侍 助けてくれ! 大丈夫か? 13 00:00:49,517 --> 00:00:52,854 (源太)ぬっ ぬっ ぬっ 盗っ人だ。 山賊なんだ! 山賊!? 14 00:00:52,854 --> 00:00:58,526 (喜三郎)うわー! やー! 15 00:00:58,526 --> 00:01:01,863 痛ててててー! 何しやがんだ。 この野郎! 16 00:01:01,863 --> 00:01:04,132 この盗っ人野郎! 馬鹿野郎! 17 00:01:04,132 --> 00:01:06,134 おいら 盗っ人なんかじゃねえや! 18 00:01:06,134 --> 00:01:10,471 悪党は そっちだ! 何? 19 00:01:10,471 --> 00:01:13,141 いひひ。 いひひひひひ。 20 00:01:13,141 --> 00:01:17,812 騙したのか? 俺を。 いえいえ… とんでもない。⇒ 21 00:01:17,812 --> 00:01:23,484 へへへへ。 お侍。 えっ? へへ。 騙すなんて そんな。 はははは。⇒ 22 00:01:23,484 --> 00:01:29,824 とか言って。 長生きするぜ 三一! はは。 喜三郎 ざまあ見やがれ! 23 00:01:29,824 --> 00:01:32,493 貴様! 24 00:01:32,493 --> 00:01:38,499 (喜三郎)あー! 痛ーっ! 痛ーよ! 斬られたぁ! 25 00:01:38,499 --> 00:01:40,168 うぐっ! 26 00:01:40,168 --> 00:01:56,184 ♪~ (テーマ曲) 27 00:01:56,184 --> 00:02:26,147 ♪~ 28 00:02:26,147 --> 00:02:53,447 ♪~ 29 00:04:57,465 --> 00:05:08,476 ♪~ 30 00:05:08,476 --> 00:05:10,144 (徳兵衛)この ど抜けめ!⇒ 31 00:05:10,144 --> 00:05:14,816 太えことばっかり 抜かしやがって。 何て どじなんだい! 32 00:05:14,816 --> 00:05:17,151 ふん! このどじ! (喜三郎)熱っ!⇒ 33 00:05:17,151 --> 00:05:19,420 すいません。 親分!⇒ 34 00:05:19,420 --> 00:05:21,422 もうちょっとだったんだ。 もうちょっとで⇒ 35 00:05:21,422 --> 00:05:24,091 源太の野郎を とっ捕まえて お夏 連れ戻せたんだ。 36 00:05:24,091 --> 00:05:28,095 ところが! 肝心な時に この三一が 邪魔しやがって。 37 00:05:28,095 --> 00:05:30,097 こんな怪我まで させやがって! 38 00:05:30,097 --> 00:05:32,099 (おとし)ふんっ! 馬鹿馬鹿しい!⇒ 39 00:05:32,099 --> 00:05:34,769 たかが 薄汚い だるま茶屋の すべた女じゃないか。 40 00:05:34,769 --> 00:05:37,772 あんな女の どこがいいんだよ! うるせえ。 41 00:05:37,772 --> 00:05:40,107 一度 惚れたら 命を懸けんのが 男ってもんだい! 42 00:05:40,107 --> 00:05:42,109 (喜三郎)へい! 左様で! (おとし)ふんっ。 43 00:05:42,109 --> 00:05:44,445 おい 喜三郎。 (喜三郎)へい。 44 00:05:44,445 --> 00:05:48,449 礼金は二十両。 二十両出す。 (喜三郎)二十両!? へっへっへ…。 45 00:05:48,449 --> 00:05:50,785 女連れじゃ そう遠くには 行くめえ。 46 00:05:50,785 --> 00:05:53,788 鳥越の宿に入る前に とっ捕まえるんだ!⇒ 47 00:05:53,788 --> 00:05:57,792 鳥越から先は 今天狗の縄張だからな。⇒ 48 00:05:57,792 --> 00:06:01,128 逃げ込まれたら どうにもならねえ。⇒ 49 00:06:01,128 --> 00:06:05,800 いいな? 分かったな! (喜三郎)へい! 50 00:06:05,800 --> 00:06:09,804 (盤嶽)つまり 女が逃げたのか。 お夏ってんだよ。 51 00:06:09,804 --> 00:06:13,808 だるま茶屋の女でな。 徳兵衛親分 首ったけ。 ふふ。 52 00:06:13,808 --> 00:06:16,811 お陰さんで 三日に一回は 夫婦喧嘩ってわけだよ。 へっ。 53 00:06:16,811 --> 00:06:21,082 ところが その女 源太の野郎と 手に手を取ってよ。 54 00:06:21,082 --> 00:06:24,418 源太っていうと 先程 お前と 斬り合っていた男か。 55 00:06:24,418 --> 00:06:30,091 そうよ。 流れ者で 親分の厄介に なりながら いい度胸だぜ。 56 00:06:30,091 --> 00:06:48,109 ♪~ 57 00:06:48,109 --> 00:06:52,446 (お夏)あっ。 うっ。 (源太)お夏 急ぐんだ。 58 00:06:52,446 --> 00:07:07,461 ♪~ 59 00:07:07,461 --> 00:07:10,464 俺は 追いに追ったねえ。 そして とうとう⇒ 60 00:07:10,464 --> 00:07:13,467 猫目峠を 越そうとしやがってる ところに追いついた。 61 00:07:13,467 --> 00:07:15,469 ほいっ! 源太! せっぱ詰まって⇒ 62 00:07:15,469 --> 00:07:17,138 源太の野郎が どす 抜きやがったから⇒ 63 00:07:17,138 --> 00:07:19,740 こっちも抜き返して 丁々発止 やり合ってるところで⇒ 64 00:07:19,740 --> 00:07:25,079 お前と ばったりってわけよ。 痛っ。 すまん。 悪かった。 65 00:07:25,079 --> 00:07:28,082 そう思ったら 一つ相談だ。 66 00:07:28,082 --> 00:07:34,088 ♪「股旅烏の喜三郎~」 自慢じゃねえがな。 67 00:07:34,088 --> 00:07:38,092 街道筋の裏道や 抜け道は 一つ残らず 知ってんだ。 68 00:07:38,092 --> 00:07:40,761 おいらが そっちを捜すから お前 表街道のほうを⇒ 69 00:07:40,761 --> 00:07:43,097 当たってくんねえか? 何だと? だから⇒ 70 00:07:43,097 --> 00:07:45,766 二手に分かれて どっちが捜し出しても⇒ 71 00:07:45,766 --> 00:07:48,102 二十両は 仲良く 山分けといこうじゃねえか。 72 00:07:48,102 --> 00:07:50,104 えっ? どうだい? 馬鹿を言うな! 73 00:07:50,104 --> 00:07:52,106 何故 俺が そんなことを。 74 00:07:52,106 --> 00:07:54,775 暇そうな連中が 大勢いるじゃないか。 75 00:07:54,775 --> 00:07:59,447 ぷっ! やい 三一。 なんだか盤嶽とか言ったな。 76 00:07:59,447 --> 00:08:03,117 何だ? 手前は侍だから 知らねえだろうがな。 77 00:08:03,117 --> 00:08:07,788 俺達 やくざの世界にゃあ 一宿一飯てことが あるんだ。 78 00:08:07,788 --> 00:08:11,792 「一宿一飯」? そうよ。 一宿一飯よ! 79 00:08:11,792 --> 00:08:14,462 こうやって 飯を 食わせて頂いたなら⇒ 80 00:08:14,462 --> 00:08:17,131 その親分のためなら 命を捨ててでも⇒ 81 00:08:17,131 --> 00:08:21,068 恩義を返さなきゃならねんだ! そういう しきたりなんだよ! 82 00:08:21,068 --> 00:08:23,738 手前 俺を こんな目に 遭わせやがって。 この野郎。 83 00:08:23,738 --> 00:08:25,406 血も涙も ねえのなぁ? 84 00:08:25,406 --> 00:08:33,006 痛っ! 痛えなあ。 痛ーっ! 一宿一飯。 85 00:08:36,083 --> 00:08:39,420 (喜三郎)いいか。 俺は こっちの道を捜す。 86 00:08:39,420 --> 00:08:42,423 どっちが めっけたって 二十両は山分けだぜ。 87 00:08:42,423 --> 00:08:48,429 忘れるんじゃねえぜ。 念には及ばん。 分かってる。 88 00:08:48,429 --> 00:08:50,097 はあー。 89 00:08:50,097 --> 00:08:57,104 ♪~ 90 00:08:57,104 --> 00:09:00,775 へっへっへ。 馬鹿正直な野郎だぜ。 91 00:09:00,775 --> 00:09:04,779 人目を忍ぶ 駆け落ち者が 本街道を行くたあ 思えねえが⇒ 92 00:09:04,779 --> 00:09:06,447 こうしておきゃあ 安心だ。 93 00:09:06,447 --> 00:09:12,453 こっちが めっけりゃ 二十両は独り占めよ。 へへへへ。 94 00:09:12,453 --> 00:09:21,729 ♪~ 95 00:09:21,729 --> 00:09:23,731 はっはっはっはっ。 96 00:09:23,731 --> 00:09:35,409 (船頭)船が出るぞー。 船が出るぞー。 97 00:09:35,409 --> 00:09:41,415 おーい。 船頭 待ってくれ。 すまん すまん。 98 00:09:41,415 --> 00:09:47,415 おう すまんな。 はい どうぞ。 99 00:09:50,424 --> 00:09:53,024 (船頭)出ますぞー。 100 00:10:08,442 --> 00:10:13,114 (文七)今日は ちと冷えますな。 101 00:10:13,114 --> 00:10:21,789 姐さんは お一人ですか? 女の一人旅は 寂しいでしょう。 102 00:10:21,789 --> 00:10:25,789 で どちらまで? 103 00:10:35,136 --> 00:10:36,804 (文七)うっ。 104 00:10:36,804 --> 00:10:47,481 ♪~ 105 00:10:47,481 --> 00:10:52,820 いい眺めですねえ。 姐さんと一緒だ。 106 00:10:52,820 --> 00:11:02,163 ♪~ 107 00:11:02,163 --> 00:11:05,166 (お夏)おかしいわ。 (船頭)どうした 姐さん。 確か…。 108 00:11:05,166 --> 00:11:07,835 (船頭)早く渡し賃 払ってくださいよ。 (お夏)はあ。 109 00:11:07,835 --> 00:11:09,503 (船頭)へい。 ありがと。 (お夏)おかしいわ。 110 00:11:09,503 --> 00:11:12,173 (船頭)どうしたんだい。 111 00:11:12,173 --> 00:11:13,773 おい! 待て。 112 00:11:15,843 --> 00:11:23,143 昼間 星を見たことがあるか? (文七)えっ。 は? 113 00:11:27,121 --> 00:11:29,456 (お夏)ふふっ。 114 00:11:29,456 --> 00:11:35,129 あっ ありがとうございました。 助かりました。 本当に。 115 00:11:35,129 --> 00:11:38,465 いや 当然のことを したまでだ。 そう恩に着ることはない。 116 00:11:38,465 --> 00:11:44,805 旦那は お一人? 一人っていうか 二人っていうか まあ 一人だ。 117 00:11:44,805 --> 00:11:46,807 うふふ。 何です。 それ。 118 00:11:46,807 --> 00:11:49,143 実は 致し方のない 事情があってな。 119 00:11:49,143 --> 00:11:52,146 人を捜してる。 二手に分かれたんだ。 120 00:11:52,146 --> 00:11:58,152 捜してるって 誰を? 誰を 捜してるんです? 121 00:11:58,152 --> 00:12:02,823 男と女の二人連れだ。 駆け落ち者でな。 122 00:12:02,823 --> 00:12:08,162 男は 源太。 女は お夏と 言ったかな。 123 00:12:08,162 --> 00:12:14,835 お女中の お名前は? あっ わたし? あたし。 124 00:12:14,835 --> 00:12:20,107 あたし。 お冬! お冬殿か。 125 00:12:20,107 --> 00:12:27,114 お一人で どこまで行かれる? ええと。 えっ 江戸です。 126 00:12:27,114 --> 00:12:31,118 独り暮らしの母が 病気なものですから。 127 00:12:31,118 --> 00:12:32,786 何? 128 00:12:32,786 --> 00:12:36,457 母御が病気? はい。 129 00:12:36,457 --> 00:12:42,463 それは ご心配なことであろうな。 はい。 心配です。 130 00:12:42,463 --> 00:12:47,134 うん。 気の毒にな。 131 00:12:47,134 --> 00:12:59,813 ♪~ 132 00:12:59,813 --> 00:13:03,413 では 気を付けてな。 はい。 133 00:13:05,819 --> 00:13:10,819 あっ。 無事 母御に会えること 願うてる。 はい。 134 00:13:12,826 --> 00:13:16,163 ≪(女)いらっしゃいませ。 お一人様 ご案内。 135 00:13:16,163 --> 00:13:44,163 ♪~ 136 00:13:47,795 --> 00:13:51,131 おいっ。 137 00:13:51,131 --> 00:13:52,731 あっ! 138 00:13:58,806 --> 00:14:01,475 手前 一体 何してやがるんでい。 あっ? 139 00:14:01,475 --> 00:14:05,813 男と見ると すぐこれだ。 油断も 隙もねえ。 140 00:14:05,813 --> 00:14:08,148 約束した旅籠にも とっとと入らねえで⇒ 141 00:14:08,148 --> 00:14:12,152 俺に待ちぼうけ 食わせる気かい! そんなんじゃないんだよ。 142 00:14:12,152 --> 00:14:15,155 小室川の渡しで 偶然 一緒に なっちまったんだ。 143 00:14:15,155 --> 00:14:17,157 で 一人旅ってことに してあるから⇒ 144 00:14:17,157 --> 00:14:19,760 あんたと一緒になっちゃ まずかったんだ。 145 00:14:19,760 --> 00:14:23,764 (源太)あの浪人は 知ってるぜ。 何者なんだ? 146 00:14:23,764 --> 00:14:27,101 (お夏)追っ手なんだよ。 何? 147 00:14:27,101 --> 00:14:31,772 何とか盤嶽って 言うの。 徳兵衛親分に頼まれて⇒ 148 00:14:31,772 --> 00:14:33,774 あたし達を 捜してるらしいんだ。 149 00:14:33,774 --> 00:14:37,111 それじゃあ お前 追っ手と一緒に 旅してたってのかい。 150 00:14:37,111 --> 00:14:39,446 (お夏)冷や汗もんだったよ。 151 00:14:39,446 --> 00:14:45,786 野郎。 あの後 すぐに 喜三郎の 奴に 引っ張り込まれやがったな。 152 00:14:45,786 --> 00:14:50,124 分かったろう? 同じ旅籠じゃ まずいしさ。 153 00:14:50,124 --> 00:14:52,793 困ってたんだ。 ねえ どうする? 154 00:14:52,793 --> 00:14:55,796 あはっ。 野宿したって いいんだよ。 155 00:14:55,796 --> 00:14:58,465 あんたと一緒なら。 ああ。 ちょっと待てい。 156 00:14:58,465 --> 00:15:03,137 どうすりゃいいか ここが 思案の しどころだぜ。 157 00:15:03,137 --> 00:15:08,142 あの三一 お前が 当のお夏だってこたあ⇒ 158 00:15:08,142 --> 00:15:09,810 知らねえわけだな。 159 00:15:09,810 --> 00:15:13,480 お冬って 言っちゃった。 はっ。 お冬って お前。 160 00:15:13,480 --> 00:15:17,151 ああ 一人旅だって 思い込んでるわけだな。 161 00:15:17,151 --> 00:15:19,086 そうだよ。 よし。 162 00:15:19,086 --> 00:15:22,423 それじゃあ お前 このまま あの三一に くっついてろ。 163 00:15:22,423 --> 00:15:25,759 えっ? あの三一と一緒に 鳥越まで行くんだよ。 164 00:15:25,759 --> 00:15:30,431 ええっ!? そんなに びっくりすることは ねえやな。 165 00:15:30,431 --> 00:15:34,101 考えてみりゃ 好都合だ。 あっ? 166 00:15:34,101 --> 00:15:37,771 追っ手を用心棒に しちまうんだからな。 167 00:15:37,771 --> 00:15:39,440 これ以上 安心なことはねえや。 168 00:15:39,440 --> 00:15:43,444 まっ俺は 奴に面 見られてるから 姿 消すが⇒ 169 00:15:43,444 --> 00:15:47,114 鳥越に着いたら 宿外れの 黒姫神社で 待ってるぜ。 170 00:15:47,114 --> 00:15:51,785 ちょっと待ってよ。 そりゃ 好都合は好都合だけど。 171 00:15:51,785 --> 00:15:57,124 でも 折角こうやって あんたと 一緒になれたのに。 172 00:15:57,124 --> 00:15:59,460 ふっ。 何だよ。 えっ?⇒ 173 00:15:59,460 --> 00:16:04,465 ほかの男は 嫌なのかい? それとも 怖いのかい? 174 00:16:04,465 --> 00:16:08,135 ふっはは。 そんなはずは ねえよな。 ああ? 175 00:16:08,135 --> 00:16:12,135 昨日まで 茶屋勤めで さんざん 男 手玉に取ってきたんだからよ。 176 00:16:14,808 --> 00:16:18,745 ふっ。 分かったよ。 177 00:16:18,745 --> 00:16:22,749 うまく たらし込んで 道連れにすりゃ いいんだろ。 178 00:16:22,749 --> 00:16:28,349 お安いご用さ。 男を操るのは 慣れてるんだ。 179 00:16:30,424 --> 00:16:34,094 ≪(番頭)失礼致します。 180 00:16:34,094 --> 00:16:36,096 (番頭)お連れ様が お見えでございます。 181 00:16:36,096 --> 00:16:38,432 連れ? はい。 182 00:16:38,432 --> 00:16:43,103 ごめんなさい。 おう。 どこの旅籠も満員で。 183 00:16:43,103 --> 00:16:46,773 あっはは。 お夕飯 まだでしょう? 184 00:16:46,773 --> 00:16:48,442 (お夏)あっ 番頭さん。 はい。 185 00:16:48,442 --> 00:16:50,444 (お夏)お銚子 どんどん 持って来てくださいな。 186 00:16:50,444 --> 00:16:52,779 こりゃ どうも ありがとうございます。 187 00:16:52,779 --> 00:16:56,783 困る! 困るぞ! こういうことは 困るぞ! 188 00:16:56,783 --> 00:16:59,453 だって 泊まる所が ないんですもの。 189 00:16:59,453 --> 00:17:02,789 この寒空に 女のあたしを 追い出そうってんですか? 190 00:17:02,789 --> 00:17:08,128 いや いや。 そうか。 では 俺が 出て行こう。 191 00:17:08,128 --> 00:17:11,131 ああ。 嫌ですよ。 そんな 独りじゃ 寂しいし。 192 00:17:11,131 --> 00:17:13,133 じゃと申して。 ねえ 旦那。 193 00:17:13,133 --> 00:17:16,136 今 お酒が来ますから たーくさん飲んで⇒ 194 00:17:16,136 --> 00:17:18,739 ゆっくり 考えましょ! ねっ? 195 00:17:18,739 --> 00:17:22,743 ♪「かんかんのう きゅうれんす」 196 00:17:22,743 --> 00:17:26,747 ♪「かんかんのう きゅうれんす」 197 00:17:26,747 --> 00:17:31,084 ♪「きゅうわきゅうできゅう さんしょならえ」 198 00:17:31,084 --> 00:17:40,427 ♪「さあいほ ちいかんさん ぴんぴん たいたい やんろ」 199 00:17:40,427 --> 00:17:44,765 ♪「あ めんこが こわくて きゅうれんす」 200 00:17:44,765 --> 00:17:48,101 うふっ。 ねっ 旦那。 いいの。 201 00:17:48,101 --> 00:17:53,106 あたし いいの。 何が いいのだ。 202 00:17:53,106 --> 00:17:56,406 どうでもいいの。 ねっ。 一緒に 寝ましょうよ。 ねっ? 203 00:17:58,779 --> 00:18:01,782 馬鹿なことを申すな。 ああん。 隠したって駄目。 204 00:18:01,782 --> 00:18:07,454 男だもん。 考えてることは みんな一緒でしょ? ふふ。 205 00:18:07,454 --> 00:18:19,454 ♪(お夏の鼻歌) 206 00:18:28,408 --> 00:18:31,408 明日は雨かなあ。 207 00:18:42,756 --> 00:18:45,056 あっ! お冬さん! いかん。 208 00:18:48,095 --> 00:18:52,099 これは 国境の一の木戸。 209 00:18:52,099 --> 00:18:58,105 通行証のない者は 何人たりとも 行き来はならん! 210 00:18:58,105 --> 00:19:02,105 では ごゆっくり お休みくだされ。 211 00:19:09,783 --> 00:19:11,783 ああー。 212 00:19:28,068 --> 00:19:58,098 ♪~ 213 00:19:58,098 --> 00:20:20,120 ♪~ 214 00:20:20,120 --> 00:20:21,788 ああ! 215 00:20:21,788 --> 00:20:44,478 ♪~ 216 00:20:44,478 --> 00:20:50,817 (盤嶽)若い男女の二人連れだ。 見かけんか? (亭主)さあ。 217 00:20:50,817 --> 00:20:56,490 実は 駆け落ち者でな。 男のほうは やくざ者で 名前は源太。 218 00:20:56,490 --> 00:21:01,828 女は お夏。 とびっきりの美人。 ふふ。 219 00:21:01,828 --> 00:21:05,165 何故 分かる。 220 00:21:05,165 --> 00:21:08,835 怖い親分さんに 思われてる上に 若い男が 命懸けで⇒ 221 00:21:08,835 --> 00:21:13,507 連れ出したんでしょう? なるほど。 確かに そうだ。 222 00:21:13,507 --> 00:21:15,509 どうだ? 通らぬか。 (亭主)へい。 223 00:21:15,509 --> 00:21:19,112 この二、三日 ここを通った べっぴんさんなら⇒ 224 00:21:19,112 --> 00:21:24,112 この人だけだ。 あはっ。 うふっ。 225 00:21:26,787 --> 00:21:28,387 茶だんご。 226 00:25:33,466 --> 00:25:36,469 ♪~ 227 00:25:36,469 --> 00:25:38,805 (盤嶽)今夜で お別れだな。 228 00:25:38,805 --> 00:25:44,805 この旅籠には 部屋もある。 一の木戸を 設けることもない。 229 00:25:47,147 --> 00:25:53,086 あたしのことが うるさかった? いや。 楽しかった。 230 00:25:53,086 --> 00:25:59,759 近しく 女人と語らったことなど ここ数年 なかったからな。 231 00:25:59,759 --> 00:26:07,100 好き? あたしのこと。 ああ。 大好きだ。 232 00:26:07,100 --> 00:26:10,770 この先も ともに 旅をして いたいのだが⇒ 233 00:26:10,770 --> 00:26:13,440 そうもいかん。 人捜しのことがある。 234 00:26:13,440 --> 00:26:16,776 仲間と 落ち合うことに なっているんだ。 235 00:26:16,776 --> 00:26:19,776 源太と お夏。 236 00:26:21,781 --> 00:26:23,381 そうだ。 237 00:26:25,785 --> 00:26:27,787 ほっときゃいいじゃない。 238 00:26:27,787 --> 00:26:31,124 旦那とは かかわりのない話だろう? 239 00:26:31,124 --> 00:26:36,129 うん。 俺も 気が進まんのだが やめるわけには いかんのだ。 240 00:26:36,129 --> 00:26:46,129 身から出たさびでな。 そう。 やっぱり お別れか。 うん。 241 00:26:54,414 --> 00:26:59,419 盤嶽の旦那。 一人旅で 不自由してるんだろ? 242 00:26:59,419 --> 00:27:02,088 あたし 何かお礼がしたいんだけど⇒ 243 00:27:02,088 --> 00:27:04,424 あたしは 貧乏で お金もないしさ。 244 00:27:04,424 --> 00:27:07,760 だから あたしのこと 可愛いと 思ってくれるんなら⇒ 245 00:27:07,760 --> 00:27:13,099 本当に 今夜 いいんだよ。 お冬さん。 246 00:27:13,099 --> 00:27:16,769 ふふ。 だって ほかに 何にも できないし⇒ 247 00:27:16,769 --> 00:27:20,369 あたしも好きだから いいじゃない。 ならん! 248 00:27:22,775 --> 00:27:26,779 そういうことをしては いかん! 決して いかん! 249 00:27:26,779 --> 00:27:29,379 我が身を粗末に 扱うて どうする! 250 00:27:31,451 --> 00:27:37,790 旦那は 何にも知らないからね。 実は あたしは お茶屋勤め。 251 00:27:37,790 --> 00:27:41,794 旦那の捜してる お夏って女と 一緒なのさ。 252 00:27:41,794 --> 00:27:44,797 抱かれた男は星の数。 253 00:27:44,797 --> 00:27:48,735 今更 我が身を どう扱おうと 取り返しは つかないんだよ。 254 00:27:48,735 --> 00:27:51,404 いや! それは違うぞ。 255 00:27:51,404 --> 00:27:55,742 病の母を思い その母のいる 江戸へ行こうと 決心した時から⇒ 256 00:27:55,742 --> 00:27:59,078 お冬さんは変わったんだ。 茶屋勤めの女ではなく⇒ 257 00:27:59,078 --> 00:28:02,678 純な心を持った 一人の優しい娘になった! 258 00:28:05,084 --> 00:28:10,684 旦那。 そんな娘を 抱けるものか! 259 00:28:14,427 --> 00:28:18,097 礼がしたいと言うなら ほかには何もいらん。 260 00:28:18,097 --> 00:28:24,097 今のこの純な娘なままで 江戸の母上に会ってくれ。 261 00:28:27,106 --> 00:28:31,110 俺には それが いちばん嬉しい。 262 00:28:31,110 --> 00:28:38,410 ♪~ 263 00:29:31,104 --> 00:29:33,104 (男達)おい! (お夏)きゃっ! 264 00:29:37,777 --> 00:29:42,448 お夏。 お前さん。 265 00:29:42,448 --> 00:29:44,784 待ってたぜ。 お夏。 266 00:29:44,784 --> 00:29:47,787 約束どおり 無事 たどりついてくれて よかったぜ。 267 00:29:47,787 --> 00:29:49,722 こいつら 一体 何なんだい!? 268 00:29:49,722 --> 00:29:53,726 今天狗の民五郎親分の お身内衆さ。 よいしょ。 269 00:29:53,726 --> 00:29:58,064 お前を引き渡すと 三十両の お駄賃が頂けるんだ。 あっはっは。 270 00:29:58,064 --> 00:29:59,732 (お夏)何だって? 271 00:29:59,732 --> 00:30:02,068 徳兵衛親分の首根っこ 捕まえるには⇒ 272 00:30:02,068 --> 00:30:04,737 お前を人質に取るのが 一番だって おっしゃるんだ。⇒ 273 00:30:04,737 --> 00:30:09,075 そこで 二枚目の この俺が 一肌 脱いだってわけだ。 274 00:30:09,075 --> 00:30:11,077 (お夏)そいじゃあ お前さん。 275 00:30:11,077 --> 00:30:13,413 初めっから あたしを 騙してたんだね。 276 00:30:13,413 --> 00:30:17,417 (源太)しがねえ一匹狼の これが世渡りだ。 へっ。⇒ 277 00:30:17,417 --> 00:30:21,754 さあ。 民五郎親分が お待ちかねだぜ。 (子分達)へい。 278 00:30:21,754 --> 00:30:26,092 くそお! 嘘つき! 離…せ! 279 00:30:26,092 --> 00:30:30,430 ♪~ 280 00:30:30,430 --> 00:30:32,432 (いびき) 281 00:30:32,432 --> 00:30:49,382 ♪~ 282 00:30:49,382 --> 00:30:51,384 (いびき) 283 00:30:51,384 --> 00:30:55,722 ♪~ 284 00:30:55,722 --> 00:30:58,057 ≪(民五郎)馬鹿野郎! 何を寝てやがる!⇒ 285 00:30:58,057 --> 00:31:00,059 この野郎! (子分)ああっ 民五郎親分! 286 00:31:00,059 --> 00:31:02,729 (民五郎)寝ぼけやがって! (子分)あっ! あっ! うっ! 287 00:31:02,729 --> 00:31:04,397 (民五郎)串刺しにして。 (子分)ええっ!? 288 00:31:04,397 --> 00:31:08,067 (民五郎)丸焼きにするぞ! (子分)ご勘弁を! 289 00:31:08,067 --> 00:31:09,736 (民五郎)鍵 開けろい! (子分)ええ。 290 00:31:09,736 --> 00:31:11,336 (民五郎)おい! (子分)ええっ。 291 00:31:23,416 --> 00:31:25,418 (源太)親分! (民五郎)どうした!? 292 00:31:25,418 --> 00:31:32,425 (子分)あれ? 親分。 これ。 (民五郎)何だあ こりゃあ。 293 00:31:32,425 --> 00:31:34,427 (源太)くそお! 逃げやがった! 294 00:31:34,427 --> 00:31:39,432 逃げられたな! 追え! 行け! 早くしねえか この馬鹿野郎! 295 00:31:39,432 --> 00:31:41,032 (源太)あの女ぁ! 296 00:31:50,710 --> 00:31:52,310 はあ。 297 00:32:27,747 --> 00:32:29,415 (喜三郎)危ねえ! 298 00:32:29,415 --> 00:32:32,752 (お夏)きゃあ! 何すんだ! 姐さん。 離して! 299 00:32:32,752 --> 00:32:36,756 あたしゃ もう行く所も ないんだ。 信じる相手も いないんだよ。 300 00:32:36,756 --> 00:32:39,759 若え身空で 何 一体 どうしたってんだよ。 301 00:32:39,759 --> 00:32:44,359 (お夏)お前さん!? お前は お夏じゃねえか! 302 00:32:46,098 --> 00:32:49,101 (喜三郎)やっと 捕まえた! 二十両だ。 あはは。⇒ 303 00:32:49,101 --> 00:32:52,438 もう離さねえぜ! (泣き声) 304 00:32:52,438 --> 00:32:55,438 (喜三郎)二十両! 二十両! (泣き声) あっはっはっはっ…! 305 00:35:59,458 --> 00:36:02,128 へへ。 何があったか 知らねえがよ。 306 00:36:02,128 --> 00:36:04,797 死んでしまえば それっきりじゃねえか。 307 00:36:04,797 --> 00:36:08,467 ただ死ぬぐれえなら 器用に捕まってだよ。 308 00:36:08,467 --> 00:36:12,471 この俺に 二十両の 金儲けを させたほうが⇒ 309 00:36:12,471 --> 00:36:16,809 ずーんと 功徳ってもんだぜ。 へっへっへっへっ。 喜三郎。 310 00:36:16,809 --> 00:36:21,814 (喜三郎)何だよ。 三一。 こんな所にいたのか。 311 00:36:21,814 --> 00:36:26,152 何してんだ。 一体 どうしたんだ。 お冬さん。 312 00:36:26,152 --> 00:36:31,157 馬鹿。 お冬じゃねえ。 お夏だよ。 季節を間違えて どうすんだよ。 313 00:36:31,157 --> 00:36:34,827 お夏? 314 00:36:34,827 --> 00:36:36,427 あんたが? 315 00:36:39,498 --> 00:36:43,169 騙したのか? 俺を。 316 00:36:43,169 --> 00:36:49,775 何でえ。 行き会ってたのか。 へっ。 まあ 勘弁しねえ。 317 00:36:49,775 --> 00:36:52,445 女ってのは 惚れた男と⇒ 318 00:36:52,445 --> 00:36:55,745 一緒になるためなら 何だってやるのさ。 319 00:36:59,452 --> 00:37:02,788 (喜三郎)けっ。 泣いたって しようがねえや。 320 00:37:02,788 --> 00:37:05,791 もう 源太んとこへは 戻れねえぜ。 321 00:37:05,791 --> 00:37:09,795 お前は 徳兵衛親分の 囲われもんに納まって⇒ 322 00:37:09,795 --> 00:37:12,131 俺は ありがたく 二十両を頂戴する。 323 00:37:12,131 --> 00:37:14,467 しゃんしゃんってわけだ。 はっはっはっ。 324 00:37:14,467 --> 00:37:20,139 よし。 では拙者も 一緒に行こう。 徳兵衛親分の所へな。 325 00:37:20,139 --> 00:37:24,810 半分の十両は 俺の取り分だからな。 326 00:37:24,810 --> 00:37:28,147 親父! さっき 勘定を払ったな。 (親父)ええ。 327 00:37:28,147 --> 00:37:35,488 ♪~ 328 00:37:35,488 --> 00:37:38,491 (喜三郎) はあ はあ はあ はあ はあ。⇒ 329 00:37:38,491 --> 00:37:45,164 は~あ。 (すすり泣き) 330 00:37:45,164 --> 00:37:46,832 (喜三郎)おう。 お侍。⇒ 331 00:37:46,832 --> 00:37:50,436 俺は ひとっ風呂 浴びてくらあ。 うん。 お夏を逃がさないように⇒ 332 00:37:50,436 --> 00:37:52,736 頼んだぜ。 分かった。 333 00:37:58,444 --> 00:38:01,444 何故 嘘をついた。 334 00:38:03,115 --> 00:38:06,715 本当のことを言ったら 見逃してくれたのかい。 335 00:38:09,789 --> 00:38:16,796 いや 分からんが。 よく 分からんが⇒ 336 00:38:16,796 --> 00:38:22,468 お冬さんが…。 いや お夏さんが⇒ 337 00:38:22,468 --> 00:38:26,138 それほど あの源太という男に 惚れていると知ったら⇒ 338 00:38:26,138 --> 00:38:29,475 俺だって鬼じゃない。 もしかしたら。 339 00:38:29,475 --> 00:38:34,146 いいんだよ。 どうせ あたしは これだけの女。 340 00:38:34,146 --> 00:38:41,487 幸せになれそうな気がして 一所懸命 嘘ついたって。 341 00:38:41,487 --> 00:38:45,491 はぁ。 もう あきらめたよ。 342 00:38:45,491 --> 00:38:50,095 身の程知らずの夢を 持ったのが 間違いのもと。 343 00:38:50,095 --> 00:38:53,766 ごろつきの親分の 囲われ者が⇒ 344 00:38:53,766 --> 00:38:56,769 あたしには ちょうど 似合いなのさ。 345 00:38:56,769 --> 00:39:11,784 ♪~ 346 00:39:11,784 --> 00:39:16,121 そうだ。 俺も風呂に入ろう。 347 00:39:16,121 --> 00:39:24,797 ♪~ 348 00:39:24,797 --> 00:39:28,797 お夏さん。 逃げてはいかんぞ。 349 00:39:31,804 --> 00:39:37,142 この廊下を 右へ曲がって 突き当たりを 左に曲がると⇒ 350 00:39:37,142 --> 00:39:46,151 すぐそこが 裏口だ。 いいか。 逃げてはいかんぞ。 351 00:39:46,151 --> 00:40:06,772 ♪~ 352 00:40:06,772 --> 00:40:11,777 (喜三郎)女一人にして 手前! 逃げ出したら どうすんだい! 353 00:40:11,777 --> 00:40:14,777 折角の二十両が お前~。 354 00:40:21,453 --> 00:40:24,790 (喜三郎)いやあ~ 驚いたあ。 355 00:40:24,790 --> 00:40:27,459 驚いたね お侍。 356 00:40:27,459 --> 00:40:32,131 あの女 逃げねえで おとなしく 部屋の真ん中に 座ってらあ。⇒ 357 00:40:32,131 --> 00:40:34,131 驚いたあ。 358 00:40:52,418 --> 00:40:54,018 食わねえのかい? 359 00:41:00,092 --> 00:41:01,692 おいっ! 360 00:41:04,096 --> 00:41:12,438 あっ? あれ? 俺の煙草入れ。 おい。 俺の煙草入れ 知らねえか。 361 00:41:12,438 --> 00:41:15,107 先刻の茶店に 置き忘れてきたのではないのか。 362 00:41:15,107 --> 00:41:18,444 (喜三郎)ああ! そうかもしれねえ。 弱ったなあ。 363 00:41:18,444 --> 00:41:20,779 ひとっ走りして 取ってくればいい。 364 00:41:20,779 --> 00:41:24,116 俺達は 一足先に 猫目峠で待っている。 365 00:41:24,116 --> 00:41:27,453 そうか。 うん。 じゃあ ちょいと 行ってくらぁ。 366 00:41:27,453 --> 00:41:31,123 ♪(喜三郎の鼻歌) 367 00:41:31,123 --> 00:41:32,791 俺 すぐ 戻って来るからよ。 368 00:41:32,791 --> 00:41:35,391 お夏のこと 頼んだぜ。 おう。 分かった。 369 00:41:56,415 --> 00:42:17,436 ♪~ 370 00:42:17,436 --> 00:42:23,776 お夏さん。 何故 逃げないんだ? 371 00:42:23,776 --> 00:42:41,126 ♪~ 372 00:42:41,126 --> 00:42:44,463 何だ! お前達は。 373 00:42:44,463 --> 00:42:49,401 (源太)へっへっへっへっ…。 お夏 会いたかったぜ。 374 00:42:49,401 --> 00:42:56,075 急に消えちまったから 随分 心配したじゃねえか。 お前さん。 375 00:42:56,075 --> 00:43:00,079 (源太)やい 三一! さっさと その女 こっちへ よこすんだ!⇒ 376 00:43:00,079 --> 00:43:05,751 さもねえと こいつの命は。 377 00:43:05,751 --> 00:43:10,089 (喜三郎)お侍 助けてくれ。 にっ 二十両は もういい。⇒ 378 00:43:10,089 --> 00:43:17,763 何とかしてくれ。 お侍 助けてくれよ。 お侍。 379 00:43:17,763 --> 00:43:19,363 ふっ。 380 00:43:22,434 --> 00:43:26,438 何を 大げさな真似してるのさ。 あたしは⇒ 381 00:43:26,438 --> 00:43:29,441 どこへでも ついてくから その男を離しておやり。 382 00:43:29,441 --> 00:43:39,785 (源太)ほう。 お前 もしかして まだ この俺に 惚れてたのかい。 383 00:43:39,785 --> 00:43:41,453 当たり前じゃないか。 384 00:43:41,453 --> 00:43:45,791 少しは腹も立ったけど 迎えに来るのを 待ってたんだよ。 385 00:43:45,791 --> 00:43:49,128 お夏さん。 386 00:43:49,128 --> 00:43:56,135 いいな。 行きたいんだな。 ふん! 何を偉そうに。 387 00:43:56,135 --> 00:44:01,473 あんただって お金目当てで あたしを追っかけて来たんだろう。 388 00:44:01,473 --> 00:44:04,476 さっさと 離してやりな! 可哀想に。 389 00:44:04,476 --> 00:44:10,149 震え上がってるじゃないか。 よしよし 分かったよ。 390 00:44:10,149 --> 00:44:14,820 はあっ! (源太)目障りだ! どこへでも 消えちまいな! 391 00:44:14,820 --> 00:44:21,160 (喜三郎)旦那。 何とかしてくれよ。 鳶に油揚げだよ。 何とかしろよ! 392 00:44:21,160 --> 00:44:26,832 ならん! このようなことで 日置光平は抜けん! 393 00:44:26,832 --> 00:44:31,503 手前。 侍のくせに どすも抜けねえのかよ! 394 00:44:31,503 --> 00:44:34,840 情けねえ! 395 00:44:34,840 --> 00:44:38,177 (源太)馬鹿野郎! 器用な真似しやがって!⇒ 396 00:44:38,177 --> 00:44:42,177 よくも 俺に 恥かかせやがったな! うっ。 397 00:44:45,517 --> 00:44:47,853 何をするか! 398 00:44:47,853 --> 00:44:53,792 (源太)逃げ出しやがったからだよ。 今天狗の民五郎親分の所から。 399 00:44:53,792 --> 00:44:58,463 今天狗? 今天狗が何故! (源太)うるせえな!⇒ 400 00:44:58,463 --> 00:45:01,800 手土産だったんだ。 この女は。⇒ 401 00:45:01,800 --> 00:45:08,140 初めっから そのつもりで 色仕掛けで 連れ出したんだ。 402 00:45:08,140 --> 00:45:13,145 騙されていたのか? この男に! 403 00:45:13,145 --> 00:45:16,148 (お夏)戻ったところで どうせ 徳兵衛の囲い者。⇒ 404 00:45:16,148 --> 00:45:19,151 どっちも どっちなら そいつを助けてやったほうが⇒ 405 00:45:19,151 --> 00:45:24,823 夢見がいいからね。 今天狗の所へ 行くことにするよ。 406 00:45:24,823 --> 00:45:26,423 盤嶽の旦那。 407 00:45:29,161 --> 00:45:32,831 いろいろ ありがとう。 408 00:45:32,831 --> 00:45:36,168 江戸の おっ母さんの所には 行けなくなっちまったけど⇒ 409 00:45:36,168 --> 00:45:40,172 おっ母さんが 待ってるのは こんな白粉焼けした娘じゃない。 410 00:45:40,172 --> 00:45:43,842 会えなくて かえって よかったのかもしれないよ。 411 00:45:43,842 --> 00:45:48,513 お夏さん。 では 江戸の おっ母さんの話は 本当だったのか? 412 00:45:48,513 --> 00:45:53,785 おっ母さんはね あたしが この甲州で⇒ 413 00:45:53,785 --> 00:45:56,455 堅気な人の女房だとばっかり 思ってるんだ。 414 00:45:56,455 --> 00:46:00,792 立派なご亭主を 連れて帰るんなら まだしも⇒ 415 00:46:00,792 --> 00:46:05,797 こんな源太と一緒じゃ どうせ 悲しませるだけだったよ。 416 00:46:05,797 --> 00:46:12,097 そうか。 そうだったのか。 嘘じゃなかったのか。 417 00:46:16,475 --> 00:46:21,480 じゃあ 旦那 ごきげんよう。 お達者で。 418 00:46:21,480 --> 00:46:23,480 お夏さん 待て。 419 00:46:26,151 --> 00:46:31,451 もう一つ 聞かしてくれ。 今でも おっ母さんに会いたいか? 420 00:46:34,159 --> 00:46:40,499 そりゃ 今でも 会いたくって 会いたくって たまんないさ。 421 00:46:40,499 --> 00:46:47,506 だけどもう あきらめたのさ。 よおし! 分かった。 422 00:46:47,506 --> 00:46:55,447 ♪~ 423 00:46:55,447 --> 00:46:57,449 手前 何しやがんでえ! 424 00:46:57,449 --> 00:47:01,787 すまんが 気が変わった。 女は返してもらう。 425 00:47:01,787 --> 00:47:03,789 (源太)ざけんじゃねえ! 426 00:47:03,789 --> 00:47:06,458 構いやしねえから 叩き斬っちまえ! 427 00:47:06,458 --> 00:47:18,136 ♪~ 428 00:47:18,136 --> 00:47:19,805 野郎ー! 429 00:47:19,805 --> 00:47:29,405 ♪~ 430 00:50:33,465 --> 00:50:37,469 ♪~ 431 00:50:37,469 --> 00:50:39,804 (徳兵衛)へっへっへっへっ…。⇒ 432 00:50:39,804 --> 00:50:45,810 いやあ。 ご苦労だった。 ご苦労だった。 えっへっへっへ。⇒ 433 00:50:45,810 --> 00:50:50,415 よく やってくれたぜ。 大変だったろうなぁ。 434 00:50:50,415 --> 00:50:55,754 (喜三郎)何。 徳兵衛親分の ためなら たとえ火の中 水の中。 435 00:50:55,754 --> 00:50:58,757 (徳兵衛)あっはっはっはっはっ。 そうかい。 そうかい。⇒ 436 00:50:58,757 --> 00:51:04,095 久しぶりで 何だか 懐かしい気分だな。⇒ 437 00:51:04,095 --> 00:51:12,103 ええ? おい。 あんまり人を 困らせるもんじゃないよ。 438 00:51:12,103 --> 00:51:18,443 うっふふ。 このつんとしたのが また可愛いんだー。 ははっ。 439 00:51:18,443 --> 00:51:21,112 ついちっあ 親分。 親分。 (徳兵衛)うん? 440 00:51:21,112 --> 00:51:26,712 お約束の こっちのほうを。 (徳兵衛)おう。 二十両だったな。 441 00:51:29,120 --> 00:51:30,720 (徳兵衛)おとし。 442 00:51:33,792 --> 00:51:35,392 おい。 443 00:51:41,800 --> 00:51:48,139 (喜三郎)こりゃ どうも! へへへ。 姐さん どうも。⇒ 444 00:51:48,139 --> 00:51:50,739 確かに 頂戴致しやす。 445 00:51:53,078 --> 00:51:59,084 しようがねえな。 おう 半分こだよ。 うん? 446 00:51:59,084 --> 00:52:02,384 お前も まあ よく働いたからな。 447 00:52:10,428 --> 00:52:18,428 (徳兵衛)へっへっへっへへ。 お夏。 へっへっへっへっ…。 448 00:52:23,775 --> 00:52:28,113 取っておけ。 えっ? 喜三郎。 449 00:52:28,113 --> 00:52:32,784 これで お前は一宿一飯の恩義を 果たしたわけだな。 450 00:52:32,784 --> 00:52:35,784 そうだよ。 だから どうしたってんだよ。 451 00:52:45,130 --> 00:52:49,067 では! 改めて。 452 00:52:49,067 --> 00:52:53,071 お夏さん 行こう。 どこへ? 453 00:52:53,071 --> 00:52:56,074 江戸だ。 おっ母さんの所へな。 454 00:52:56,074 --> 00:53:04,749 ♪~ 455 00:53:04,749 --> 00:53:09,754 (徳兵衛)ちょっと待て 三一! 野郎ども! 奴を逃がすな! 456 00:53:09,754 --> 00:53:18,096 ♪~ 457 00:53:18,096 --> 00:53:40,452 ♪~ 458 00:53:40,452 --> 00:53:42,454 強えなあ。 459 00:53:42,454 --> 00:53:45,457 ♪~ 460 00:53:45,457 --> 00:53:48,727 (喜三郎)二十と。 あっ 二十両。 461 00:53:48,727 --> 00:53:56,735 ♪~ 462 00:53:56,735 --> 00:54:00,071 (男)でやー! おわっと! 463 00:54:00,071 --> 00:54:03,671 (男)野郎! おおっ。 (男)うおっ! 464 00:54:05,410 --> 00:54:07,410 (男)いやー! うっ! 465 00:54:10,081 --> 00:54:12,751 よし。 (おとし)お待ち! 466 00:54:12,751 --> 00:54:14,753 お金が いるだろう? これ 持ってお行き。 467 00:54:14,753 --> 00:54:16,755 早く お行き。 いや。 さっさと お行き。 あっ。 468 00:54:16,755 --> 00:54:18,755 捕まるんじゃないよ! かたじけない。 469 00:54:23,428 --> 00:54:29,100 おとし お前! 何だい! 宿六! 文句があるかい!? 470 00:54:29,100 --> 00:54:38,777 ♪~ 471 00:54:38,777 --> 00:54:42,377 それを持って おっ母さんを 喜ばせてやるんだ。 472 00:54:45,450 --> 00:54:48,119 江戸には こっちの道のほうが近い。 473 00:54:48,119 --> 00:54:51,122 二人連れというわけには いかなかったが⇒ 474 00:54:51,122 --> 00:54:55,460 何。 立派な堅気のご亭主は 江戸で見つければよい。 475 00:54:55,460 --> 00:55:03,134 お冬さんなら…。 お夏さんなら きっと大丈夫だ。 476 00:55:03,134 --> 00:55:08,807 ありがとう。 盤嶽の旦那。 あたしみたいな 女のために。 477 00:55:08,807 --> 00:55:13,478 何を言う! お夏さんは いい人だ。 俺には分かる。 478 00:55:13,478 --> 00:55:22,153 あばずれ。 男に惚れて 江戸から逃げて 捨てられて⇒ 479 00:55:22,153 --> 00:55:26,825 川越 牛久 長野沢。 480 00:55:26,825 --> 00:55:33,498 お冬って名前もね。 旦那。 その頃 使ってた名前の一つ。 481 00:55:33,498 --> 00:55:35,834 そうかあ! 482 00:55:35,834 --> 00:55:39,504 ならば お夏さんは 何一つ 嘘は ついていなかったんだ! 483 00:55:39,504 --> 00:55:45,844 ♪~ 484 00:55:45,844 --> 00:55:47,444 旦那。 485 00:55:50,114 --> 00:55:54,786 そうかあ! あはははは。 486 00:55:54,786 --> 00:55:58,790 では! 達者でな! 487 00:55:58,790 --> 00:56:08,132 ♪~ 488 00:56:08,132 --> 00:56:12,470 盤嶽の旦那! 元気でねえ! 489 00:56:12,470 --> 00:56:35,470 ♪~ 490 00:56:39,497 --> 00:57:56,497 ♪~