1 00:00:16,168 --> 00:00:24,843 (僧侶)いかん。 いかんぞ。 お主 よくない相が出とる。 2 00:00:24,843 --> 00:00:29,843 うむ。 わしが 手相を見て 進ぜよう。 さあ。 3 00:00:33,518 --> 00:00:35,854 (盤嶽)見料を取るのでは あるまいな? 4 00:00:35,854 --> 00:00:39,454 そんなもんは取らん。 どれ。 あっ そうか。 5 00:00:41,193 --> 00:00:48,533 ふーん。 やはり そうか。 女難 剣難の相が はっきり 出ておる。 6 00:00:48,533 --> 00:00:53,538 丑寅の方角は 避けて 行かれるのがよい。 うむ。 7 00:00:53,538 --> 00:00:56,875 「丑寅」か。 うむ。 よし。 気を付けるとしよう。 8 00:00:56,875 --> 00:00:59,475 ああ。 では 十文 頂こう。 9 00:01:01,546 --> 00:01:06,151 見料は取らんと 言うたでは ないか! 見料は取らん。 10 00:01:06,151 --> 00:01:11,490 が しかし 寺の本堂修復のための お布施として 十文 頂く。 11 00:01:11,490 --> 00:01:16,828 うーっ。 もう! 騙しおって! 12 00:01:16,828 --> 00:01:21,128 はは。 み仏のためでござる。 ほれ。 13 00:01:27,506 --> 00:01:29,506 二文 足りませんぞ。 14 00:01:31,176 --> 00:01:33,176 ああっ! 15 00:01:38,850 --> 00:01:41,520 こら こら そっちは 丑寅の方角じゃ。 16 00:01:41,520 --> 00:01:43,820 お主が行くのは こっちだ。 こっち。 17 00:02:00,205 --> 00:02:11,149 ♪ (テーマ曲) 18 00:02:11,149 --> 00:02:38,176 ♪ 19 00:02:38,176 --> 00:03:07,176 ♪ 20 00:05:19,838 --> 00:05:28,838 (駕籠かき)えいほ えいほ えいほ… えいほ。 21 00:05:30,782 --> 00:05:34,452 ≪(侍)止まれ! 奸賊ばら! ≪(侍)お命 頂戴 仕る! 22 00:05:34,452 --> 00:05:39,124 (悲鳴) (侍)待て! 23 00:05:39,124 --> 00:05:41,126 (利兵衛)浪藉者でございます。⇒ 24 00:05:41,126 --> 00:05:43,128 お助けくださいませ! お助けくださいませ! 25 00:05:43,128 --> 00:05:45,463 (盤嶽)あの野郎。 方角 間違えおって。 26 00:05:45,463 --> 00:05:47,465 (侍)退け! (侍)邪魔するな! やあー! 27 00:05:47,465 --> 00:05:49,465 (兵庫)うわっ! (侍達)わーっ。 28 00:05:51,469 --> 00:05:53,469 (侍)覚えてろ! 29 00:06:05,817 --> 00:06:10,822 (修理)某は 藩 筆頭家老 岩田修理と申します。 30 00:06:10,822 --> 00:06:13,491 何のお礼も出来ぬが 差し支えなくば⇒ 31 00:06:13,491 --> 00:06:17,162 当家の客分として ご滞留 願いたい。 32 00:06:17,162 --> 00:06:19,497 いやいや。 そのような お心遣いは。 33 00:06:19,497 --> 00:06:22,434 いやいや まあ どうか そう おっしゃらずに。 34 00:06:22,434 --> 00:06:27,439 (兵庫)盤嶽様のような 武芸達者な お方が 居てくださると⇒ 35 00:06:27,439 --> 00:06:31,109 わたしも父も 心強いのです。 36 00:06:31,109 --> 00:06:34,779 いや 実は 当地では今⇒ 37 00:06:34,779 --> 00:06:39,451 厄介な騒動が 持ち上がって おりましてな。 「騒動」とは? 38 00:06:39,451 --> 00:06:43,455 我が藩は 石高 わずか 三万石にして⇒ 39 00:06:43,455 --> 00:06:47,125 恥ずかしながら 財政は 逼迫しております。 40 00:06:47,125 --> 00:06:50,128 それを建て直すには 新田を開発して⇒ 41 00:06:50,128 --> 00:06:53,798 米の取り高を 増やす以外に 方策はござらぬ。 42 00:06:53,798 --> 00:06:58,803 そこで わしは その準備を着々と 進めて参ったのだが ここにきて⇒ 43 00:06:58,803 --> 00:07:05,477 次席家老 早坂玄蕃を中心とする 反対派が 横槍を入れてきた。 44 00:07:05,477 --> 00:07:07,479 すると あの刺客は? 45 00:07:07,479 --> 00:07:12,150 (兵庫)早坂一派の者どもに 違いございませぬ。 46 00:07:12,150 --> 00:07:14,486 しかし 何故 そうまでして 反対を? 47 00:07:14,486 --> 00:07:17,155 (修理)新田開発は 金がかかるのです。⇒ 48 00:07:17,155 --> 00:07:21,426 そこで 藩士の扶持の中から 四割を借り上げて⇒ 49 00:07:21,426 --> 00:07:23,762 これに当てることにした。 50 00:07:23,762 --> 00:07:29,100 「四割」? それでは 下々の家来は 食べていけますまい。 51 00:07:29,100 --> 00:07:36,107 しかし 今 手を打っておかねば 十年先には もっと 苦しくなる。 52 00:07:36,107 --> 00:07:39,110 我々が 苦労を背負わねば⇒ 53 00:07:39,110 --> 00:07:44,115 子や孫に その付けが回ることに なるのです。 なるほど。 54 00:07:44,115 --> 00:07:48,453 従って 新田は 是が非でも 開発せねばならぬ。 55 00:07:48,453 --> 00:07:52,457 そのために わしは 命をも なげうつ 覚悟でおります。 56 00:07:52,457 --> 00:07:57,462 まぁ ご覧のように その政務の 心労からか⇒ 57 00:07:57,462 --> 00:08:01,466 髪の毛が 真っ白になって しまいました。 58 00:08:01,466 --> 00:08:04,135 見上げた ご心底でござる。 59 00:08:04,135 --> 00:08:07,472 そういう次第で 何かの折には⇒ 60 00:08:07,472 --> 00:08:10,809 是非 貴殿のお力添えを 願いたいのだが。 61 00:08:10,809 --> 00:08:14,813 拙者に出来ることなら 何なりと。 62 00:08:14,813 --> 00:08:19,150 (小三郎)この裏切り者。 (数馬) 心外な。 裏切り者とは 何だ! 63 00:08:19,150 --> 00:08:21,753 (甚五郎)裏切り者でなければ おべっか使いだ。 お前は。 64 00:08:21,753 --> 00:08:25,090 (源八郎)告げ口など しおって。 後で これだぞ。 65 00:08:25,090 --> 00:08:28,426 (数馬)俺は よかれと思って…。 考えてもみろ。 66 00:08:28,426 --> 00:08:32,430 貴様らが 暗殺などに手を染めれば 迷惑するのは ご家老だ。 67 00:08:32,430 --> 00:08:34,432 内緒にはしておけぬではないか。 (源八郎)くっ! 68 00:08:34,432 --> 00:08:38,032 ≪(玄蕃)そう。 数馬の言うとおりだ。 69 00:08:48,446 --> 00:08:53,118 (玄蕃)暴力はいかんと あれほど 言っておいたではないか。 70 00:08:53,118 --> 00:08:55,787 (源八郎)しかし 黙って 見過ごしには できませぬ。 71 00:08:55,787 --> 00:08:58,456 (小三郎)岩田家老は 藩のおためと 言いながら⇒ 72 00:08:58,456 --> 00:09:00,458 裏では 武蔵屋利兵衛と 手を結んで⇒ 73 00:09:00,458 --> 00:09:03,128 新田開発を 不正に 請け負わせようとしています。 74 00:09:03,128 --> 00:09:06,131 (甚五郎)あ奴らは 我々 家中一統から 扶持を巻き上げて⇒ 75 00:09:06,131 --> 00:09:08,466 自分の懐を 肥やそうと しているのですぞ。 76 00:09:08,466 --> 00:09:13,805 まぁまぁ いずれにせよ 三日後には 殿が 江戸より ご帰国なされる。 77 00:09:13,805 --> 00:09:16,474 それまで 待て。 (源八郎)待てませぬ! 78 00:09:16,474 --> 00:09:19,144 岩田家老は 重役方に 賂を ばらまいて⇒ 79 00:09:19,144 --> 00:09:22,080 殿のご帰国前に 味方に 取り込もうと 画策しております。 80 00:09:22,080 --> 00:09:24,082 捨て置いては 取り返しが つきませぬ。 81 00:09:24,082 --> 00:09:28,086 斬ってでも 阻止すべきです。 いかん。 それは いかん。 82 00:09:28,086 --> 00:09:32,090 そのようなことをされては わしは 殿に対して 申し訳が立たぬ。 83 00:09:32,090 --> 00:09:34,092 ご家老には ご迷惑はかけませぬ。 84 00:09:34,092 --> 00:09:36,761 我ら一同が 腹を切れば 済むことです。 85 00:09:36,761 --> 00:09:40,098 そりゃ なお いかん。 そのようなことを されては⇒ 86 00:09:40,098 --> 00:09:43,768 わしは お前達の両親に対して 申し訳が立たぬ。 87 00:09:43,768 --> 00:09:47,105 「申し訳」「申し訳」と 遠慮ばかり していては 何も出来ませぬぞ。 88 00:09:47,105 --> 00:09:51,109 ご家老。 もっと しっかりして頂かねば。 89 00:09:51,109 --> 00:09:57,109 いや ははは。 誠に 申し訳ない。 90 00:09:59,117 --> 00:10:03,121 のう? 申し訳ない。 91 00:10:03,121 --> 00:10:07,125 (利兵衛)それにしても 妙でございますな。 92 00:10:07,125 --> 00:10:10,128 重役方に 金を贈ろうと していることが⇒ 93 00:10:10,128 --> 00:10:12,464 どうして 知れたので ございましょうか? 94 00:10:12,464 --> 00:10:15,133 (修理)うーむ。 分からぬ。 95 00:10:15,133 --> 00:10:19,137 とにかく 金と引き換えに こちらの味方につくという⇒ 96 00:10:19,137 --> 00:10:29,147 重役一同の内諾は 取ってある。 問題は 誰に金を運ばせるかじゃ。 97 00:10:29,147 --> 00:10:31,816 わたしは 御免 被りますよ。 98 00:10:31,816 --> 00:10:33,818 あんな危ない目に遭うのは もう たくさんでございますからな。 99 00:10:33,818 --> 00:10:36,821 ふふ。 今度は大丈夫じゃ。 100 00:10:36,821 --> 00:10:41,159 腕の立つ男を 護衛につける。 どなたでございます? 101 00:10:41,159 --> 00:10:46,498 うむ? 例の 阿地川盤嶽という 浪人じゃ。 102 00:10:46,498 --> 00:10:49,501 まっ いずれにしましても わたしは もう…。 103 00:10:49,501 --> 00:10:56,174 じゃ 番頭の徳兵衛に運ばせるか? とんでもございません。 104 00:10:56,174 --> 00:11:00,174 徳兵衛に もしものことがあったら 店が 立ち行きませぬ。 105 00:11:02,847 --> 00:11:08,520 伜の長太郎に 運ばせましょう。 「長太郎」? 総領息子のか? 106 00:11:08,520 --> 00:11:13,191 ええ。 どうしようもない 馬鹿息子でございましてな。 107 00:11:13,191 --> 00:11:16,528 あれなら 斬り殺されても 商いには 一向に 響きません。 108 00:11:16,528 --> 00:11:21,799 ふふふ。 ただし 其の方の息子にも 盤嶽にも⇒ 109 00:11:21,799 --> 00:11:25,399 金を運んでることを 気づかれてはならんぞ。 110 00:11:40,818 --> 00:11:43,488 (利兵衛)おっ 長太郎。⇒ 111 00:11:43,488 --> 00:11:48,159 ちょっと 用事を頼まれてくれぬか。 (長太郎)どんな用事です? 112 00:11:48,159 --> 00:11:52,759 藩の重役方にな これを 届けてもらいたいのじゃ。 113 00:11:55,500 --> 00:11:59,170 (利兵衛)届け先はな これに 書いてある。⇒ 114 00:11:59,170 --> 00:12:03,841 ご家老の岩田様から 言付かった 大事な品じゃ。 115 00:12:03,841 --> 00:12:10,181 粗相のないようにな。 でも わたしゃ これから 用事が。 116 00:12:10,181 --> 00:12:14,852 どこへ行く気だ。 また 小染に 会いにいくのでは あるまいな? 117 00:12:14,852 --> 00:12:16,521 馬鹿 言っちゃいけません。 118 00:12:16,521 --> 00:12:21,125 そんなお金が あるはずないじゃ ありませんか。 119 00:12:21,125 --> 00:12:26,464 ちっ。 近頃 伜は 「かめ屋」という 女郎屋の女に のぼせ上がって⇒ 120 00:12:26,464 --> 00:12:29,467 全く 始末に負えんのです。 121 00:12:29,467 --> 00:12:34,472 途中 女の所に立ち寄らぬように くれぐれも 気を付けてくだされ。 122 00:12:34,472 --> 00:12:38,072 ああ 心得た。 123 00:12:40,812 --> 00:12:44,112 (長太郎)それじゃあ この辺で お待ちください。 (盤嶽)うむ。 124 00:13:03,835 --> 00:13:07,435 (中老)いや 確かに。 ご苦労であった。 125 00:13:12,176 --> 00:13:16,176 (勘定奉行)いや 確かに。 ご苦労であった。 126 00:13:22,120 --> 00:13:25,120 (長太郎)お待たせしました。 (盤嶽)おっ。 127 00:13:26,791 --> 00:13:28,791 あと 何軒だ? 128 00:13:31,129 --> 00:13:33,729 あーっ。 まだ 三軒も。 129 00:13:38,803 --> 00:13:43,103 (甚五郎)おい 貴様ら。 何を運んでいる? 130 00:13:45,143 --> 00:13:49,743 何を運ぼうが お手前方には 関係のないことだ。 131 00:14:04,162 --> 00:14:07,462 あれは… 環様。 132 00:14:09,834 --> 00:14:14,172 (環)やあー! 何だ この女は!? 133 00:14:14,172 --> 00:14:16,841 次席家老 早坂様の一人娘。 134 00:14:16,841 --> 00:14:20,178 この辺で 知らない者はない じゃじゃ馬でございます。 135 00:14:20,178 --> 00:14:24,115 籠の中を 改めさせて もらいたい。 136 00:14:24,115 --> 00:14:28,453 断る。 では 抜け。 それも 断る。 137 00:14:28,453 --> 00:14:33,453 女を斬っては 拙者の名刀が泣く。 (環)馬鹿にするな! 138 00:14:40,131 --> 00:14:42,431 許せ。 「日置光平」よ。 139 00:14:50,808 --> 00:14:52,808 旦那。 旦那。 140 00:14:55,146 --> 00:14:57,148 何だ その金子は!? 141 00:14:57,148 --> 00:15:02,153 賂でございます。 まさか!? 142 00:15:02,153 --> 00:15:04,489 (環)やあー! 143 00:15:04,489 --> 00:15:06,157 待て! 144 00:15:06,157 --> 00:15:08,493 騙された。 俺は 騙されたんだ! 145 00:15:08,493 --> 00:15:10,495 おのれ! 恐れをなしたか! 146 00:15:10,495 --> 00:15:13,095 ああっ! 世の中 嘘でいっぱいだ! 147 00:19:18,142 --> 00:19:25,149 (玄蕃) 中老。 勘定奉行。 目付。 作事奉行。 148 00:19:25,149 --> 00:19:28,149 派手に ばらまいたもんじゃのう。 149 00:19:29,820 --> 00:19:33,824 (盤嶽)誠にもって お詫の致しようも。 150 00:19:33,824 --> 00:19:35,824 (環)謝って済むことか。 151 00:19:39,497 --> 00:19:41,497 面目ない。 152 00:19:44,168 --> 00:19:47,838 斯くなる上は 筆頭家老の 悪事の証人として⇒ 153 00:19:47,838 --> 00:19:51,108 拙者 出る所へ出て…。 154 00:19:51,108 --> 00:19:58,115 お気持ちはありがたいが お手前が いかに 証人になられたとしても⇒ 155 00:19:58,115 --> 00:20:04,121 それを取り調べるべき 目付が 賂を 受け取っておってはのう。 156 00:20:04,121 --> 00:20:09,421 うむ。 確かに 無駄でござろうな。 157 00:20:11,128 --> 00:20:15,728 情けない。 父上は 気が弱すぎます! 158 00:20:19,804 --> 00:20:29,146 はあー。 それにしても 危ない。 誠に危ない。 「危ない」とは? 159 00:20:29,146 --> 00:20:37,154 新田開発に 大金を投じて もし その間に 飢饉でも来れば⇒ 160 00:20:37,154 --> 00:20:41,492 米は取れない上に 金もない。 161 00:20:41,492 --> 00:20:48,492 さすれば 一藩 こぞって 飢え死にをせねばなるまい。 162 00:20:57,108 --> 00:21:00,444 (玄藩)そんな危険を冒すより⇒ 163 00:21:00,444 --> 00:21:04,448 桑の木でも植えた方が よほど よいと わしは思うのだが。 164 00:21:04,448 --> 00:21:07,785 「桑の木」でござるか? さよう。 165 00:21:07,785 --> 00:21:11,789 藩士の庭から 川岸の土手に至るまで⇒ 166 00:21:11,789 --> 00:21:15,793 領内の 空き地という空き地に 桑の木を植えつくす。 167 00:21:15,793 --> 00:21:19,797 しかる後に 蚕を飼って 糸を紡ぎ⇒ 168 00:21:19,797 --> 00:21:24,468 武家から 町家に至るまで 一同 内職に⇒ 169 00:21:24,468 --> 00:21:28,139 からりん とんとん からりん とんとん 機を織る。 170 00:21:28,139 --> 00:21:35,146 されば 飢饉の年には その絹を売って 米が買える。 171 00:21:35,146 --> 00:21:40,484 豊作の年には 絹を売った金を 蓄えることができる。 172 00:21:40,484 --> 00:21:44,484 まさに 一石二鳥でござるな! さよう。 173 00:21:46,157 --> 00:21:50,761 今更 言っても どうにもならぬか。 のう? 174 00:21:50,761 --> 00:21:53,097 ≪(数馬)ご家老! 175 00:21:53,097 --> 00:21:55,099 大変です! 176 00:21:55,099 --> 00:21:58,102 (盤嶽)待ったー! 待った 待った 待った。 待った! 177 00:21:58,102 --> 00:22:03,107 盤嶽殿。 お迎えに参りました。 178 00:22:03,107 --> 00:22:09,113 何を言うか! 人を騙しおって! (兵庫)そう おっしゃらず。 179 00:22:09,113 --> 00:22:12,783 父も 十分に お礼を致したいと 申しておりますれば。 180 00:22:12,783 --> 00:22:17,783 礼など要らん! 失せろ! 分かりました。 181 00:22:19,790 --> 00:22:24,461 武蔵屋の伜を お引き渡し願えれば すぐにも 退散 致しましょう。 182 00:22:24,461 --> 00:22:26,797 そうは いかん。 長太郎は 意地でも渡さん。 183 00:22:26,797 --> 00:22:30,801 あなたでは 話にならぬ。 184 00:22:30,801 --> 00:22:34,138 お父上を呼んで頂こう。 (環)何だと!? 185 00:22:34,138 --> 00:22:37,808 女の出る幕ではないと 言っておるのだ。 186 00:22:37,808 --> 00:22:40,811 (一同)おーっ!? (侍)こら。 187 00:22:40,811 --> 00:22:43,814 門前で 死人でも出しては お父上の立場がござらぬ。 188 00:22:43,814 --> 00:22:45,816 うるさい! 退け! いや 退きませぬ。 189 00:22:45,816 --> 00:22:49,116 退けと言ったら 退け! 退かんと言ったら 退かん! 190 00:22:52,489 --> 00:22:54,825 (環)うっ。 あっ。⇒ 191 00:22:54,825 --> 00:22:58,829 放せ! 放せ! 無礼者!⇒ 192 00:22:58,829 --> 00:23:07,129 放せ! 放せ! 放せ! こら。 下ろせ! 193 00:23:09,173 --> 00:23:12,176 ほほ!? うほほほ。 194 00:23:12,176 --> 00:23:18,182 (環)あーっ。 うーっ。 あっ。⇒ 195 00:23:18,182 --> 00:23:23,854 おのれ! 無礼者めが! うう…。 196 00:23:23,854 --> 00:23:27,454 少しは 女らしくしたら どうだ! 197 00:23:34,531 --> 00:23:42,206 ≪(環)開けろ! 開けろ! こら! ううっ! 198 00:23:42,206 --> 00:23:48,212 ≪(戸を叩く音) あっ。 199 00:23:48,212 --> 00:23:54,485 盤嶽殿。 大した お手並みだ。 うふふふ。 200 00:23:54,485 --> 00:23:58,155 あのじゃじゃ馬娘に 言うことを聞かせたのは⇒ 201 00:23:58,155 --> 00:24:03,160 あんたが 初めてだよ。 ふふふ。 とんだ ご無礼を。 202 00:24:03,160 --> 00:24:08,832 いやいや いやいや。 娘は 剣が達者な上に 男まさりで⇒ 203 00:24:08,832 --> 00:24:11,502 親のわしでも 手を焼くほどです。 204 00:24:11,502 --> 00:24:14,505 あのぐらい お灸をすえられたほうが⇒ 205 00:24:14,505 --> 00:24:17,508 本人のためになる。 確かに。 206 00:24:17,508 --> 00:24:21,512 何かというと 刀を振り回す あの癖は 困ったものですな。 207 00:24:21,512 --> 00:24:30,187 いや 全く。 二十七にもなって…。 208 00:24:30,187 --> 00:24:33,190 幼い頃に 母親を亡くして⇒ 209 00:24:33,190 --> 00:24:39,530 男手一つで 野放図に育てたのが 間違いのもとでしてな。 210 00:24:39,530 --> 00:24:44,201 ひと頃は 縁組の申し出も 山ほどに あったが⇒ 211 00:24:44,201 --> 00:24:48,205 あの気性で 片っ端から はねつけ⇒ 212 00:24:48,205 --> 00:24:53,205 今では 婿のなり手もおらぬ 始末です。 213 00:24:59,149 --> 00:25:08,449 そうだ。 盤嶽殿。 よかったら もらってくださらんか。 214 00:25:12,496 --> 00:25:15,833 そ… そんな。 ご冗談を申されては。 215 00:25:15,833 --> 00:25:19,503 (玄蕃)あっ いやいや。 決して 冗談では。 216 00:25:19,503 --> 00:25:24,508 この度の騒動で わしの身に もしものことがあれば⇒ 217 00:25:24,508 --> 00:25:29,179 この家は お取り潰しということも あり得る。⇒ 218 00:25:29,179 --> 00:25:35,519 そうならぬためにも 跡継ぎを早く 決めておかねば ならんのです。 219 00:25:35,519 --> 00:25:41,525 今のわしは 四面楚歌の状態です。 220 00:25:41,525 --> 00:25:46,196 盤嶽殿のような 頼もしい お方が 婿になって⇒ 221 00:25:46,196 --> 00:25:52,196 助けてくださるとなれば これほど 心強いことはない。 222 00:25:53,804 --> 00:25:57,474 しかし そう 急に おっしゃられても。 223 00:25:57,474 --> 00:26:02,813 いやいや…。 あの娘に ご不満の 点は 多々 あるとは思うが⇒ 224 00:26:02,813 --> 00:26:08,813 このわしを助けると 思って。 このとおり。 225 00:26:33,844 --> 00:26:35,844 (甚五郎)食え。 226 00:26:38,515 --> 00:26:42,519 (長太郎)申し上げたいことが ございます。 (小三郎)何だ? 227 00:26:42,519 --> 00:26:45,522 わたしは 親父の悪事を 暴き立てる⇒ 228 00:26:45,522 --> 00:26:48,192 証拠の品の 在り処を 存じております。 229 00:26:48,192 --> 00:26:51,128 で その証拠とは!? どんな品だ? 230 00:26:51,128 --> 00:26:55,132 (長太郎)親父が これまでに 賂を 贈りました先と その金額を⇒ 231 00:26:55,132 --> 00:26:57,134 書き留めた 帳面でございます。 232 00:26:57,134 --> 00:27:02,473 恐らく 何かの時の用心のために 手控えておいたものではないかと。 233 00:27:02,473 --> 00:27:07,478 (小三郎)その帳面は どこにある? 親父の部屋に ございます。 234 00:27:07,478 --> 00:27:13,817 用箪笥の 鍵の掛かった 引き出しの中に。 235 00:27:13,817 --> 00:27:19,156 わたしは それを開ける 鍵の在り処も 存じております。 236 00:27:19,156 --> 00:27:22,826 よくぞ 打ち明けてくれた。 その鍵は どこにある? 237 00:27:22,826 --> 00:27:27,164 (長太郎)それを教えるには 一つ 条件が。 238 00:27:27,164 --> 00:27:30,834 「条件」? よしよし。 何でも 申してみろ。 239 00:27:30,834 --> 00:27:36,173 (長太郎)新町に 「かめ屋」という 女郎屋がございます。 存じておる。 240 00:27:36,173 --> 00:27:42,179 そこにいる 小染という女を ここに 連れてきて頂きたい。 241 00:27:42,179 --> 00:27:45,182 馬鹿! 貴様 ここを どこだと 思っている! 242 00:27:45,182 --> 00:27:47,184 いやしくも 家老のお屋敷に⇒ 243 00:27:47,184 --> 00:27:49,186 女郎など 連れ込めると 思っているのか! 244 00:27:49,186 --> 00:27:51,121 固いことを おっしゃらないで。 あっ。 245 00:27:51,121 --> 00:27:54,791 ご足労ですが この金子で み… 身請けを。 身請けを。 246 00:27:54,791 --> 00:27:56,791 ふざけるな! 247 00:28:00,464 --> 00:28:04,134 (長太郎)では こちらとしても⇒ 248 00:28:04,134 --> 00:28:07,434 鍵の在り処を 教えることは できません。 249 00:28:16,480 --> 00:28:19,149 いつまで ここにいる つもりだ? 250 00:28:19,149 --> 00:28:22,486 いつまでとは まだ 決めてはおらぬが。 251 00:28:22,486 --> 00:28:26,823 父は お人よしで すぐに 人を信用する 癖がある。 252 00:28:26,823 --> 00:28:29,826 俺が お父上に 取り入ってるとでも 言うのか! 253 00:28:29,826 --> 00:28:34,126 私は 父のようにはいかぬ。 それを 覚えておいてもらおう。 254 00:28:46,176 --> 00:28:48,178 (小三郎)環様!⇒ 255 00:28:48,178 --> 00:28:53,778 あのう ご相談したいことが ございまして。 実は…。 256 00:28:56,119 --> 00:28:58,119 「取り引き」? 257 00:32:14,151 --> 00:32:20,490 (盤嶽)腫れておる。 あんな女を 妻にしたら⇒ 258 00:32:20,490 --> 00:32:25,162 毎日の夫婦喧嘩は 命懸けだ。 259 00:32:25,162 --> 00:32:29,833 やはり 断るべきだ。 260 00:32:29,833 --> 00:32:35,839 何しろ 相手は 犬や猫ではない。 人間だ。 261 00:32:35,839 --> 00:32:39,839 やると 言われても おいそれとは。 262 00:32:43,847 --> 00:32:50,447 しかし むげには 断れんぞ。 263 00:32:59,462 --> 00:33:06,462 どうしたものかなぁ。 「日置光平」よ。 264 00:33:33,163 --> 00:33:38,168 (小染)若旦那! 小染! ああっ。⇒ 265 00:33:38,168 --> 00:33:43,173 小染! 小染! 小染! 小染! 小染! 266 00:33:43,173 --> 00:33:45,842 お取り込み中 申し訳ないが。 267 00:33:45,842 --> 00:33:49,142 あっ。 鍵は 床の間の 壷の中。 268 00:34:10,200 --> 00:34:13,203 ≪(徳兵衛)はい。 どちら様で ございますか? 269 00:34:13,203 --> 00:34:16,539 (小三郎)筆頭家老の使いの者じゃ。 戸を開けい。 270 00:34:16,539 --> 00:34:19,839 ≪(徳兵衛)はい。 ただいま。 しばらく お待ちを。 271 00:34:21,544 --> 00:34:24,844 ただいま。 あっ!? うっ。 272 00:34:29,552 --> 00:34:31,852 (小三郎)数馬。 見張りを頼むぞ。 273 00:34:47,904 --> 00:34:57,180 ≪(忍び笑い) 274 00:34:57,180 --> 00:35:01,180 (長太郎)はははは。 (小染)ふふふ。 嫌。 275 00:35:05,855 --> 00:35:12,195 お… お前は 何をしているんだ!? その女は 何だ? 276 00:35:12,195 --> 00:35:19,795 旦那。 これが 例の「かめ屋」の…。 ああ ああ。 小染か。 277 00:35:25,542 --> 00:35:28,842 おい。 どういうことだ? 278 00:35:33,550 --> 00:35:36,886 (数馬)取り急ぎ 申し上げたいことがございます。 279 00:35:36,886 --> 00:35:40,890 連絡は 書面をもって遣わすよう 申し渡しておいたはずだ。 280 00:35:40,890 --> 00:35:44,227 (数馬)しかしながら ご家老。 今や 一刻 遅れれば⇒ 281 00:35:44,227 --> 00:35:47,227 こちらの首が 飛ぼうという 事態でございます! 282 00:35:49,232 --> 00:35:51,835 (利兵衛)ううっ。 うう…。 (甚五郎)黙れ。 283 00:35:51,835 --> 00:35:57,135 (利兵衛の うめき声) 284 00:36:06,182 --> 00:36:10,782 (盤嶽)あの じゃじゃ馬が! 全く 手に負えん! 285 00:36:16,860 --> 00:36:18,860 数馬は? 286 00:36:24,868 --> 00:36:26,868 (甚五郎)環様! 287 00:36:37,213 --> 00:36:40,213 (兵庫)行け! (侍達)やあー! 288 00:37:09,179 --> 00:37:10,847 (侍)あっ! うわー! 289 00:37:10,847 --> 00:37:13,147 (盤嶽)やあー! (侍)うわーっ! 290 00:37:17,187 --> 00:37:20,857 (小三郎)ええい! あっ! ああーっ! 291 00:37:20,857 --> 00:37:23,193 小三! 小三! 292 00:37:23,193 --> 00:37:25,528 逃げてくだされー!⇒ 293 00:37:25,528 --> 00:37:28,528 環様! お逃げください! 放せ! 294 00:37:44,881 --> 00:37:49,219 (玄蕃) これを 殿が ご覧なされたら⇒ 295 00:37:49,219 --> 00:37:53,219 さぞや お嘆きに なることであろう。 296 00:37:55,158 --> 00:38:00,158 筆頭家老の悪行 これで はっきりした。 297 00:38:01,831 --> 00:38:05,831 しかし 無茶をしたもんだなぁ。 298 00:38:08,838 --> 00:38:12,438 みんな 無事でいてくれれば よいが。 299 00:38:36,199 --> 00:38:39,869 (盤嶽)今夜は もう 無茶をするのは およしなされ。 300 00:38:39,869 --> 00:38:42,539 うるさい! 301 00:38:42,539 --> 00:38:45,139 こういうことに なったのは 貴様のせいだぞ。 302 00:38:47,210 --> 00:38:49,212 私は みんなを 助けに行こうと したのだ。 303 00:38:49,212 --> 00:38:53,212 それを 貴様が無理やり。 負け惜しみを言っては いかんな。 304 00:38:54,817 --> 00:38:58,817 人に 命を助けられた時は 素直に 礼を言うもんだ。 305 00:39:13,169 --> 00:39:15,169 ううっ…。 306 00:39:18,174 --> 00:39:29,185 (環の泣き声) 307 00:39:29,185 --> 00:39:35,485 泣くことはない。 環殿は 正しいことを なされたのだ。 308 00:39:37,527 --> 00:39:43,199 でも みんなのことを思うと…。 309 00:39:43,199 --> 00:39:48,538 これから どうしたら いいか。 ううっ。 泣くな! 310 00:39:48,538 --> 00:39:50,838 いつまでも めそめそ するな。 311 00:39:52,809 --> 00:39:59,109 俺が 力になる。 俺に出来ることは 何でも やってやる。 312 00:40:05,488 --> 00:40:10,088 武士は 相身互いでござる。 313 00:40:25,174 --> 00:40:35,518 あの…。 うむ。 さっきは…。 うむ。 314 00:40:35,518 --> 00:40:39,818 危ないとこを 助けて頂いて。 うむ! 315 00:40:51,134 --> 00:41:05,134 ふふ。 ふふ ふふふ。 316 00:44:10,166 --> 00:44:12,502 (修理)奪われたで 済むか! 明日の昼 殿が ご帰国になられる。 317 00:44:12,502 --> 00:44:14,504 それまで 何としても 取り戻せ。 318 00:44:14,504 --> 00:44:19,509 (兵庫)しかし 早坂の屋敷には 例の素浪人が。 319 00:44:19,509 --> 00:44:24,809 何? 素浪人一匹に てこずって どうする! ええ? このたわけ! 320 00:44:40,196 --> 00:44:42,196 誰だ? 321 00:44:46,202 --> 00:44:50,206 おう 数馬殿。 よく 無事だったな。 322 00:44:50,206 --> 00:44:53,876 (数馬)はっ。 わたしは 真っ先に 逃げましたので 運良く。 323 00:44:53,876 --> 00:44:55,878 うむ。 ほかの方々は? 324 00:44:55,878 --> 00:44:59,882 全員 捕らえられて 長久寺の 庫裏に 押し込められております。 325 00:44:59,882 --> 00:45:05,182 早く 助けてやらないと。 よし。 そこへ案内しろ。 326 00:45:08,558 --> 00:45:11,158 (数馬)この先です。 (盤嶽)ああ。 327 00:45:13,896 --> 00:45:16,899 どうなさいました? 328 00:45:16,899 --> 00:45:21,499 それは こっちが聞きたい。 一体 何の真似だ!? 329 00:45:25,908 --> 00:45:28,908 (侍)うわーっ! (侍)やあー! うわーっ! 330 00:45:35,918 --> 00:45:43,918 何故 俺を騙した? 言え。 言わぬか! 331 00:45:53,869 --> 00:45:56,469 (環)父上…。 父上。 332 00:46:00,876 --> 00:46:05,881 待て 環。 その男は 味方じゃ。⇒ 333 00:46:05,881 --> 00:46:11,481 筆頭家老の不正を 暴くために わしが放っておいた 間者だ。 334 00:46:14,890 --> 00:46:17,890 (乙也)おっつけ 敵が 踏み込んで 参ります。 お早く。 335 00:46:35,244 --> 00:46:37,244 (玄蕃)おう おう。 336 00:46:39,248 --> 00:46:41,248 (環)こちらです。 (乙也)こちらへ! 337 00:46:46,255 --> 00:46:49,258 (侍)やあー! (侍)えーい! 338 00:46:49,258 --> 00:46:51,258 (乙也)お逃げください! 339 00:47:08,210 --> 00:47:12,810 馬鹿。 しっ 馬鹿 しーっ。 しーっ! 340 00:47:46,248 --> 00:47:48,248 (侍)待てい! 341 00:47:57,193 --> 00:47:59,195 (侍)やあー! あーっ! 342 00:47:59,195 --> 00:48:01,195 (侍)えい! 343 00:48:03,866 --> 00:48:05,866 (盤嶽)えい! 344 00:48:07,870 --> 00:48:09,872 環殿! お怪我は? 345 00:48:09,872 --> 00:48:14,210 今まで どこに いたのです! いや すまん すまん。 346 00:48:14,210 --> 00:48:16,545 いいのです。 私 信じて おりました。 347 00:48:16,545 --> 00:48:19,845 必ず 助けに来てくださると。 いや 間に合って よかった。 348 00:48:39,568 --> 00:48:41,570 あっ! 349 00:48:41,570 --> 00:48:44,870 (侍)うわっ! (侍)ああっ! おい! 350 00:49:02,858 --> 00:49:10,158 (うめき声) 351 00:49:12,201 --> 00:49:15,871 小三! 源八! 甚五! みんな 無事か! 352 00:49:15,871 --> 00:49:20,209 (小三郎)環様。 例の証拠の品は? (環)父が 城に持って参られた。 353 00:49:20,209 --> 00:49:22,878 今頃は 殿も ご覧になって おられよう。 354 00:49:22,878 --> 00:49:26,549 (小三郎)よかった! (源八郎)はははは。 355 00:49:26,549 --> 00:49:28,549 はははは。 356 00:49:40,896 --> 00:49:43,899 阿地川盤嶽 参りました。 入られよ。 357 00:49:43,899 --> 00:49:46,569 では 委細は後ほど。 (玄蕃)うむ。 358 00:49:46,569 --> 00:49:49,869 御免。 あっ。 359 00:49:54,844 --> 00:49:57,444 拙者に 何か お話が おありとか? 360 00:49:59,181 --> 00:50:02,518 今 出ていった 諸積乙也は⇒ 361 00:50:02,518 --> 00:50:07,857 当藩きっての 秀才でしてな。 はあ。 362 00:50:07,857 --> 00:50:15,865 実を言うと わしは あの男に 次席家老の職を 譲りたいと⇒ 363 00:50:15,865 --> 00:50:19,869 前々から 思っておった。 ほう。 364 00:50:19,869 --> 00:50:25,207 あ… あの ご家老。 お話の意味が よく 飲み込めませんが。 365 00:50:25,207 --> 00:50:31,507 環の婿は あの男をおいて ほかにはない。 366 00:50:35,885 --> 00:50:39,889 そこで あんたには 誠に 気の毒だが⇒ 367 00:50:39,889 --> 00:50:44,560 何も言わずに 立ち去ってもらいたい。⇒ 368 00:50:44,560 --> 00:50:47,229 いくら わしが お人よしでも⇒ 369 00:50:47,229 --> 00:50:51,500 環に 二人の婿を取るわけには いかんでのう。 370 00:50:51,500 --> 00:50:55,170 では あの 拙者を婿にと 申されたのは⇒ 371 00:50:55,170 --> 00:50:59,842 あれは 真っ赤な…。 いや いや いや。 嘘ではない。 372 00:50:59,842 --> 00:51:02,511 あの時は 本気で そう思った。 373 00:51:02,511 --> 00:51:07,182 その見込みどおり あんたは わしと娘の命を 救い⇒ 374 00:51:07,182 --> 00:51:12,521 筆頭家老を 切腹にまで 追いやった。⇒ 375 00:51:12,521 --> 00:51:17,192 が 後顧の 憂いのなくなった 今となっては⇒ 376 00:51:17,192 --> 00:51:24,199 婿の選び方も また おのずから 変わらざるを得ん。⇒ 377 00:51:24,199 --> 00:51:33,542 家老の職に就く者は 剣よりも 知恵が回らなくてはならんでのう。 378 00:51:33,542 --> 00:51:43,542 いやぁ 誠に 申し訳ない。 のう。 申し訳ない。 379 00:51:57,833 --> 00:52:00,833 あの狸親爺め! 380 00:52:06,508 --> 00:52:09,108 馬鹿野郎ー! 381 00:52:55,157 --> 00:52:57,159 (環)父上。 盤嶽殿は? 382 00:52:57,159 --> 00:53:01,497 (玄蕃)うむ。 つい 先程 出ていかれた。 383 00:53:01,497 --> 00:53:03,499 どうして 急に? 384 00:53:03,499 --> 00:53:07,099 (玄蕃)そうしてくれと わしが頼んだのじゃ。 385 00:53:08,837 --> 00:53:13,175 でも 父上は あの方に 私を もらってくれと⇒ 386 00:53:13,175 --> 00:53:15,175 おっしゃっていたでは ありませぬか。 387 00:53:17,179 --> 00:53:22,179 其方 知っていたのか? 388 00:53:24,186 --> 00:53:27,189 なのに どうして? 389 00:53:27,189 --> 00:53:32,194 盤嶽殿と わしらとでは 住む世界が 違う。 390 00:53:32,194 --> 00:53:37,199 このほうが あの男にとっては 幸せなのじゃ。 391 00:53:37,199 --> 00:53:47,199 家老なんぞになるには 盤嶽殿の 心根は 余りにも 立派すぎる。 392 00:54:28,851 --> 00:54:36,859 来る。 来ない。 来る。 あっ 来た。 393 00:54:36,859 --> 00:54:39,528 ご浪人。 どちらへ行かれる? 394 00:54:39,528 --> 00:54:42,197 (盤嶽)どこに行こうと 御坊の 知ったことではないわ。 395 00:54:42,197 --> 00:54:45,200 まあ そう言うな。 また 手相を見て進ぜよう。 396 00:54:45,200 --> 00:54:49,872 御坊の忠告を聞いて 丑寅の道を 避けたばっかりに⇒ 397 00:54:49,872 --> 00:54:51,874 俺は ひどい目に遭ったんだ! 398 00:54:51,874 --> 00:54:55,210 それは お布施が 二文 足りなかったせいじゃ。 399 00:54:55,210 --> 00:55:01,550 ふん! おい おい おい。 そっちの道は 危ないぞ。 400 00:55:01,550 --> 00:55:04,219 お主の顔にな そう ちゃんと 出とるわ。 401 00:55:04,219 --> 00:55:08,519 うるさい! ならば これを 其方に 進ぜよう。 402 00:55:14,229 --> 00:55:20,569 これはな さる叡山の 高僧に頂きし ご念珠。 403 00:55:20,569 --> 00:55:26,169 これを持っておれば 災いは 福と 転じよう。 さあ。 ほれ。 404 00:55:29,244 --> 00:55:33,544 で 本堂修復のために お布施 十文。 405 00:55:35,250 --> 00:55:40,255 はは。 み仏のためでござる。 うむ。 406 00:55:40,255 --> 00:55:45,255 南無阿弥陀仏…。 南無阿弥陀仏。 407 00:55:47,262 --> 00:55:51,867 愚僧は これから 丑寅の方角へ。 お主は 辰巳じゃ。 408 00:55:51,867 --> 00:55:54,867 では 御免。 ははは。 409 00:56:05,547 --> 00:56:13,547 これは…。 柿の種!? 410 00:56:19,561 --> 00:56:22,161 こらー! 嘘つき! 411 00:56:24,900 --> 00:56:27,900 斬る! 絶対 斬る! 412 00:56:29,571 --> 00:56:31,571 十文 返せ! 413 00:56:40,249 --> 00:57:10,212 ♪ 414 00:57:10,212 --> 00:57:40,242 ♪ 415 00:57:40,242 --> 00:57:55,242 ♪