1 00:00:02,202 --> 00:00:04,137 (雷鳴と雨音) 2 00:00:04,137 --> 00:00:07,774 (松本秀持) あっ… ご無礼仕ります!➡ 3 00:00:07,774 --> 00:00:10,611 ただいま 報告が参りまして➡ 4 00:00:10,611 --> 00:00:12,546 利根川が決壊いたしました! 5 00:00:12,546 --> 00:00:14,481 (雷鳴) 6 00:00:14,481 --> 00:00:18,285 (一橋治済)時が… 来た! 7 00:00:18,285 --> 00:00:21,989 (雷鳴) ハハハハハ…。 8 00:00:24,791 --> 00:00:26,727 (雨音) 9 00:00:26,727 --> 00:00:31,965 (松本)利根川の堤が壊され 大水となり その勢いは収まることを知らず➡ 10 00:00:31,965 --> 00:00:34,868 江戸市中にも 水が押し寄せております! 11 00:00:34,868 --> 00:00:37,437 (田沼意次)勢いは どれほどか? 12 00:00:37,437 --> 00:00:39,373 (松本)はっ。 報告によりますと➡ 13 00:00:39,373 --> 00:00:42,976 永代橋 新大橋など おもだった橋は 既に流され➡ 14 00:00:42,976 --> 00:00:48,849 本所 下谷などでは 胸まで達した水に 人も家も のまれる有様です! 15 00:00:48,849 --> 00:00:51,652 (松平康福)胸まで…! すぐに 舟を出せ。 16 00:00:51,652 --> 00:00:53,987 取り残された者たちを救い出せ! 17 00:00:53,987 --> 00:00:56,490 (松本)はっ! 直ちに人を向かわせます! 18 00:00:59,326 --> 00:01:02,229 (長谷川平蔵宣以)待たせたな! 19 00:01:02,229 --> 00:01:04,264 市中! 20 00:01:04,264 --> 00:01:10,971 ♬~ 21 00:01:10,971 --> 00:01:12,973 よいしょ! 22 00:01:12,973 --> 00:01:16,109 (蔦屋重三郎) あと頼む。 入り口には 土俵な! 23 00:01:16,109 --> 00:01:18,946 分かりました! 24 00:01:18,946 --> 00:01:23,283 よいしょ! よし もう一ふんばり! 25 00:01:23,283 --> 00:01:27,988 はい! よいしょ! 26 00:01:29,623 --> 00:01:31,658 (てい)これを。 はい! 27 00:01:31,658 --> 00:01:35,495 本は 全て上げ終わりました。 ありがた山。 28 00:01:35,495 --> 00:01:39,633 (つよ)旦那様! あ?水が! 水が…! 29 00:01:39,633 --> 00:01:50,644 ♬~ 30 00:01:50,644 --> 00:01:52,980 来んな! 引け~! 31 00:01:52,980 --> 00:01:54,915 お前も! (みの吉)はい! 32 00:01:54,915 --> 00:01:56,850 引け~! 引け~! 33 00:01:56,850 --> 00:01:58,852 (2人)引け~! 34 00:02:01,688 --> 00:03:16,596 ♬~ 35 00:03:16,596 --> 00:04:27,601 ♬~ 36 00:04:31,138 --> 00:04:34,141 蔦重たちの言霊のおかげ➡ 37 00:04:34,141 --> 00:04:36,276 …では ありませんが➡ 38 00:04:36,276 --> 00:04:42,949 連日 降り続いた 激しい雨はやみ 水が引き始めました。 39 00:04:42,949 --> 00:04:47,287 けれど その傷痕は大きく➡ 40 00:04:47,287 --> 00:04:51,124 数多の者が 住まいを失いました。 41 00:04:51,124 --> 00:04:56,429 (意次)ただいま 各所に お救小屋を設け 施しを始めました。➡ 42 00:04:56,429 --> 00:05:01,568 握り飯のほか ろうそく 塩 飲み水を手配し➡ 43 00:05:01,568 --> 00:05:06,573 仮住まいの普請も指図いたしました。 44 00:05:08,341 --> 00:05:13,747 (徳川家治)今後 米の値 物の値も上がろう。 そこは? 45 00:05:13,747 --> 00:05:15,682 米 水 油➡ 46 00:05:15,682 --> 00:05:21,388 更には 材木 船賃などの値上げも禁ずる 触れを出しましてございます。 47 00:05:21,388 --> 00:05:27,928 ただ この混乱の中 どこまで効き目があるかどうか…。 48 00:05:27,928 --> 00:05:33,600 ともかく 市中の暮らしを第一に。 (意次)はっ! 49 00:05:33,600 --> 00:05:35,635 んん…。 50 00:05:35,635 --> 00:05:37,771 上様! 51 00:05:37,771 --> 00:05:39,706 ああ… 案ずるな。 52 00:05:39,706 --> 00:05:46,279 このところの長雨で 風邪でもひいたのか 体が重くてな…。 53 00:05:46,279 --> 00:05:56,289 ♬~ 54 00:05:56,289 --> 00:05:58,625 (大崎)お呼びにございますか? 55 00:05:58,625 --> 00:06:01,228 (知保の方)上様が ご不調のようで➡ 56 00:06:01,228 --> 00:06:07,901 何か 滋養のあるものを お見舞い申し上げたいのじゃ。 57 00:06:07,901 --> 00:06:11,404 では…。 58 00:06:15,242 --> 00:06:21,047 「醍醐」などは いかがでしょうか? 59 00:06:21,047 --> 00:06:23,383 (せみの声) 60 00:06:23,383 --> 00:06:25,452 ありがとうございました! 61 00:06:25,452 --> 00:06:27,754 (つよ)はい どうぞ。 (北尾政演)ありがとうございます。 62 00:06:27,754 --> 00:06:30,390 それでね 姐さんと 仲よく しけ込んでましたら➡ 63 00:06:30,390 --> 00:06:33,260 そこに流された船が ど~んと! 64 00:06:33,260 --> 00:06:36,096 (笑い声) (唐来三和)何でえ そのくれえ! 65 00:06:36,096 --> 00:06:39,933 うちなんか 生き別れた女房が 流れてきてよ! 66 00:06:39,933 --> 00:06:41,968 それで どうしたんだい? 俺の顔 見たら➡ 67 00:06:41,968 --> 00:06:46,806 ものすごい速さで泳いで逃げやがった! (笑い声) 68 00:06:46,806 --> 00:06:49,643 これでいいか? (喜多川歌麿)あっ ありがた山! 69 00:06:49,643 --> 00:06:51,645 助かるよ。 70 00:06:51,645 --> 00:06:54,781 そんなに ひどかったのか? 先生んとこは。 71 00:06:54,781 --> 00:06:58,618 2階のない家だから 物を逃がせなくて。 ああ…。 72 00:06:58,618 --> 00:07:00,887 先生たちは 無事さ。 73 00:07:00,887 --> 00:07:05,058 あ 吉原は? 床上少しで済んだらしいよ。 74 00:07:05,058 --> 00:07:07,727 んじゃ 皆 大事なく? 75 00:07:07,727 --> 00:07:11,231 燕十さんが 顔 見せねえんだよなぁ。 76 00:07:11,231 --> 00:07:15,235 まぁ どっかの賭場にでも 入り浸ってるだけだろ。 77 00:07:15,235 --> 00:07:17,904 だな。 78 00:07:17,904 --> 00:07:20,807 (みの吉)旦那様。 79 00:07:20,807 --> 00:07:23,076 これで よろしいですか? おお! うん。 80 00:07:23,076 --> 00:07:26,746 よし! んじゃ 一緒に出るぞ。 どこ行くんだ? 81 00:07:26,746 --> 00:07:30,083 新さんとこに。 深川は 随分やられちまったみてえで。 82 00:07:30,083 --> 00:07:32,752 (歌麿)ああ…。 (てい)旦那様!➡ 83 00:07:32,752 --> 00:07:35,255 これを おふくさんに。 84 00:07:35,255 --> 00:07:38,925 早えなぁ。 ありがた山。 85 00:07:38,925 --> 00:07:44,431 くれぐれも よろしくお伝えくださいませ。 おう。 86 00:07:48,935 --> 00:07:51,971 通るよ。 (小田新之助)ああ 気を付けて。 87 00:07:51,971 --> 00:07:57,277 大水の被害が 比較的少なかった長屋には➡ 88 00:07:57,277 --> 00:08:01,881 幕府のお救小屋から あふれ出た 町人や流民たちも➡ 89 00:08:01,881 --> 00:08:04,784 身を寄せ合っていました。 90 00:08:04,784 --> 00:08:07,754 (虫の羽音) 91 00:08:07,754 --> 00:08:10,056 (ふく)はい。 ありがとう。 92 00:08:13,593 --> 00:08:16,229 (子供)もらった。 93 00:08:16,229 --> 00:08:18,231 よし! 94 00:08:29,776 --> 00:08:36,082 新さん! おふくさんも ご機嫌どうで有馬の大入道。 95 00:08:36,082 --> 00:08:42,889 (虫の羽音) 96 00:08:46,793 --> 00:08:52,298 これ うちのやつからで。 97 00:08:58,471 --> 00:09:03,543 これ… おていさんが作ってくれたのかい? 98 00:09:03,543 --> 00:09:08,715 とよ坊のことが 気になるみてえで。 99 00:09:08,715 --> 00:09:11,351 それから これ。 100 00:09:11,351 --> 00:09:14,254 気休めにしかならねえけど。 101 00:09:14,254 --> 00:09:16,256 ああ。 102 00:09:19,893 --> 00:09:21,828 …蔦重! 103 00:09:21,828 --> 00:09:25,231 新さんにじゃねえよ。 おふくさんに。 104 00:09:25,231 --> 00:09:29,569 おふくさんが食わねえと とよ坊が 干上がっちまうだろ。 105 00:09:29,569 --> 00:09:35,074 ほんに まぁ ありがたいよ…。 106 00:09:35,074 --> 00:09:37,977 まこと かたじけない。 107 00:09:37,977 --> 00:09:40,380 いえいえ。 108 00:09:40,380 --> 00:09:46,920 ただ 皆さんに配るほどのものはねえんで お口巾着で。 109 00:09:46,920 --> 00:09:50,757 決まり巾着。 へえ。 110 00:09:50,757 --> 00:09:53,259 あと 新さん。 111 00:10:00,467 --> 00:10:04,671 これの筆耕を頼めますか? うん。 112 00:10:08,274 --> 00:10:13,413 ありがたいが これは往来物であろう。 なにも 今 出さずとも…。 113 00:10:13,413 --> 00:10:15,949 往来物は いつ 板 作ってもいいんで。 114 00:10:15,949 --> 00:10:18,852 紙と墨は ここに。 115 00:10:18,852 --> 00:10:23,857 まことに 何と礼を言っていいのか…。 116 00:10:30,130 --> 00:10:32,065 ⚟(長七)新さん。 117 00:10:32,065 --> 00:10:34,801 (新之助)おう 何だ? (戸が開く音) 118 00:10:34,801 --> 00:10:38,138 (長七)山本町の旦那衆が タダで 味噌 下さるって。 119 00:10:38,138 --> 00:10:40,073 寺で配ってるってよ。 120 00:10:40,073 --> 00:10:42,275 分かった。 121 00:10:44,444 --> 00:10:48,982 (男)米はねえのか 米は! (女)この子に死ねってのかい!? 122 00:10:48,982 --> 00:10:52,652 すみません 本当にすみません! 123 00:10:52,652 --> 00:10:55,321 早くしてくれよ! 124 00:10:55,321 --> 00:10:57,991 味噌は まだあります! 125 00:10:57,991 --> 00:11:01,494 大変になりそうだなぁ…。 126 00:11:03,596 --> 00:11:06,099 …え? 127 00:11:06,099 --> 00:11:08,301 長谷川様? 128 00:11:09,936 --> 00:11:11,971 おお 蔦重! へえ! 129 00:11:11,971 --> 00:11:14,607 何でえ 文無しになったのか? 130 00:11:14,607 --> 00:11:17,944 いえ 届け物の帰りで。 131 00:11:17,944 --> 00:11:19,879 長谷川様は? 132 00:11:19,879 --> 00:11:24,817 実は 先日 「御先手弓頭」になってな。 はぁ~! 133 00:11:24,817 --> 00:11:28,121 次は いよいよ奉行かってことでな➡ 134 00:11:28,121 --> 00:11:33,426 こうして 日夜…➡ 135 00:11:33,426 --> 00:11:35,962 市中を見回ってんのさ。 136 00:11:35,962 --> 00:11:40,633 フフ… それは お頼もしきことで。 137 00:11:40,633 --> 00:11:43,670 ところで 日本橋は大事ねえか? 138 00:11:43,670 --> 00:11:49,175 盗みや押し込みも増えておるゆえ 何かあったら すぐに申せよ。 139 00:11:51,644 --> 00:11:57,317 では 御公儀は お救い米は もう出せぬのですか? 140 00:11:57,317 --> 00:12:00,153 皆 困ってるようなんですが…。 141 00:12:00,153 --> 00:12:04,123 とりあえず 出せるものは 出してしまったのではないかの。 142 00:12:04,123 --> 00:12:09,596 大水の手当てで普請もあるし 物入りでもあるし。 143 00:12:09,596 --> 00:12:14,100 もはや 裕福な町方の助けが頼りだ。 144 00:12:16,102 --> 00:12:21,274 (磯八)兄ぃ! 兄ぃ! 145 00:12:21,274 --> 00:12:23,276 向こうで 喧嘩が! 146 00:12:23,276 --> 00:12:26,946 何!? じゃあ 蔦重 またな。 147 00:12:26,946 --> 00:12:29,649 へえ。 148 00:12:34,687 --> 00:12:39,292 私たちが 救いの手を差し伸べましょうよ。 149 00:12:39,292 --> 00:12:44,631 (村田屋治郎兵衛)ほかの町を助けるってな 通油町は厳しいだろ。 150 00:12:44,631 --> 00:12:48,134 (松村屋弥兵衛) 手前のことだけで いっぱいだよ。 151 00:12:48,134 --> 00:12:50,436 (釘屋四郎兵衛) 流された堀の渡し場の普請も➡ 152 00:12:50,436 --> 00:12:52,372 町でやんなきゃだしなぁ。 153 00:12:52,372 --> 00:12:54,307 そこまで かかんねえでしょ。 154 00:12:54,307 --> 00:13:00,113 (村田屋)それがよ 材木も普請の手間賃も 跳ね上がってんだよ。 155 00:13:00,113 --> 00:13:02,582 その辺 上げんなって お触れ 出ませんでしたっけ? 156 00:13:02,582 --> 00:13:04,617 (松村屋)んなもん 効くもんかい! 157 00:13:04,617 --> 00:13:12,592 米はもちろん 紙も墨も板も絵の具も これから どんどん上がるって話さ。 158 00:13:12,592 --> 00:13:17,930 おめえも 覚悟しといた方がいいぜ。 159 00:13:17,930 --> 00:13:22,268 (ため息) どっかから 金 降ってきませんかね? 160 00:13:22,268 --> 00:13:27,273 (鶴屋喜右衛門)どうやら お上も そう思ってるようですよ。え? 161 00:13:28,941 --> 00:13:30,877 何です? それ。 162 00:13:30,877 --> 00:13:36,416 そう。 田沼様が考えた新しい財政の仕組み➡ 163 00:13:36,416 --> 00:13:38,351 「貸金会所令」は➡ 164 00:13:38,351 --> 00:13:40,787 なんとも間の悪いことに➡ 165 00:13:40,787 --> 00:13:45,124 大水の直後に 広く知れ渡ることになったのです。 166 00:13:45,124 --> 00:13:48,961 (米次)俺たちに出せってんですかい? お大名に貸すための金を! 167 00:13:48,961 --> 00:13:53,132 (長七)ああ。 お救い米も ろくに出しやがらねえくせによ➡ 168 00:13:53,132 --> 00:13:55,068 取れるもんは 取ってけって! 169 00:13:55,068 --> 00:13:58,638 (ナベ) 血も涙もないのかい!? お上ってなぁ! 170 00:13:58,638 --> 00:14:02,608 何でも その金で てめえらの屋敷を直すって話だぜ。 171 00:14:02,608 --> 00:14:04,744 おい! ええ…。 172 00:14:04,744 --> 00:14:11,617 お上ってのは 私たちも生きてるとは考えないのかね。 173 00:14:11,617 --> 00:14:16,255 貸金会所令は あらゆるところで誤解を生み➡ 174 00:14:16,255 --> 00:14:22,462 田沼様にとって 逆風となってしまったのです。 175 00:14:24,597 --> 00:14:27,633 (松平定信)ご老中方 少し よろしいか。➡ 176 00:14:27,633 --> 00:14:31,104 溜間 帝鑑間より お願い申し上げる。➡ 177 00:14:31,104 --> 00:14:34,407 民草より金を取り立てる 貸金会所の制を➡ 178 00:14:34,407 --> 00:14:36,342 直ちに取りやめにしていただきたい。 179 00:14:36,342 --> 00:14:42,148 これは 皆様方に 金を都合するための…。 180 00:14:42,148 --> 00:14:46,152 以前にも申したが 諸国の民は 飢饉を乗り越えたばかり。 181 00:14:46,152 --> 00:14:49,789 市中も 此度の大水で困り果てておる。➡ 182 00:14:49,789 --> 00:14:53,292 その者らより取り立てた金で 我が身を凌ぐなど➡ 183 00:14:53,292 --> 00:14:57,630 末代までの恥さらし! 武士の風上にも置けぬ。 184 00:14:57,630 --> 00:15:02,602 将軍家にお仕えする身とし 取り下げとするまで一歩も引かぬ覚悟。 185 00:15:02,602 --> 00:15:05,438 然様な無分別なお振る舞い➡ 186 00:15:05,438 --> 00:15:10,209 とても 越中守様のなさることとは思えませぬ。 187 00:15:10,209 --> 00:15:14,080 是か非かの御裁可を下さるのは 上様。 188 00:15:14,080 --> 00:15:16,749 決められたのは 上様にございますぞ。 189 00:15:16,749 --> 00:15:18,785 (定信)窮すれば 上様を持ち出す。 190 00:15:18,785 --> 00:15:21,921 虎の威を借る狐とは そなたのことだ。 191 00:15:21,921 --> 00:15:25,391 (意次)申し訳ございませぬ。 この件に関しましては➡ 192 00:15:25,391 --> 00:15:31,597 月次御礼のお席にて 上様に 直に ご意向を伺う➡ 193 00:15:31,597 --> 00:15:33,933 この形では いかがでございましょう? 194 00:15:33,933 --> 00:15:35,868 ならぬ。 195 00:15:35,868 --> 00:15:40,706 甘言を弄し あらかじめ 上様を籠絡するつもりであろう。 196 00:15:40,706 --> 00:15:44,944 今 ここで返事をせよ。 197 00:15:44,944 --> 00:15:50,616 上様のご意向なき 我らの返答など 何の値打ちもござらん。 198 00:15:50,616 --> 00:15:53,319 今 ここで返事をせよ。 199 00:15:54,954 --> 00:15:57,423 (治済)それで つまるところは➡ 200 00:15:57,423 --> 00:16:01,227 やはり 月次御礼でとなったのか。 201 00:16:01,227 --> 00:16:04,564 (定信)あたう限りの大名から 取りやめの嘆願を集め➡ 202 00:16:04,564 --> 00:16:06,599 上様に申し出る次第です。 203 00:16:06,599 --> 00:16:11,404 一橋様にも ぜひ 一筆頂きたく。 204 00:16:13,239 --> 00:16:20,246 然様なことをせずとも 天は見ておられようぞ。 205 00:16:22,915 --> 00:16:27,787 ただしき者は…➡ 206 00:16:27,787 --> 00:16:30,790 誰か。 207 00:16:32,925 --> 00:16:35,828 そなたが 手ずから作ったのか? 208 00:16:35,828 --> 00:16:39,699 何か滋養のあるものをと 思ったのですが➡ 209 00:16:39,699 --> 00:16:42,268 随分 ようなられたようで➡ 210 00:16:42,268 --> 00:16:44,770 余計なこととなってしまいましたか。 211 00:16:44,770 --> 00:16:47,807 いやいや 嬉しいぞ。 212 00:16:47,807 --> 00:16:49,942 醍醐。➡ 213 00:16:49,942 --> 00:16:52,778 父上も よく食しておられた。 214 00:16:52,778 --> 00:16:58,584 はい。 そのころには 田安が作り納めておったと聞き➡ 215 00:16:58,584 --> 00:17:03,356 越中守様に 作り方をお教え願いました。 216 00:17:03,356 --> 00:17:05,892 ああ…。 217 00:17:05,892 --> 00:17:12,231 …しかし 食べつけぬものは 体に障ってしまうこともあるからのう。 218 00:17:12,231 --> 00:17:17,737 そうなれば また 医師を案じさせることとなろうし。 219 00:17:20,373 --> 00:17:23,743 田安は 取り潰しが決まっております。 220 00:17:23,743 --> 00:17:27,246 何卒 一口でも お召し上がりいただければと➡ 221 00:17:27,246 --> 00:17:30,249 越中守様も仰せにございました。 222 00:17:34,921 --> 00:17:39,392 そうであったな。 223 00:17:39,392 --> 00:17:42,595 では 毒味を。 224 00:17:42,595 --> 00:17:44,630 はっ。 225 00:17:44,630 --> 00:17:59,612 ♬~ 226 00:17:59,612 --> 00:18:04,050 例の お大名に貸す金を出せって話➡ 227 00:18:04,050 --> 00:18:06,352 俺も 初めは驚きましたけど➡ 228 00:18:06,352 --> 00:18:10,222 どうも 集めた金は 増えて戻ってくるみてえで。 229 00:18:10,222 --> 00:18:13,059 よく出来た仕組みだと思いますよ。 230 00:18:13,059 --> 00:18:16,896 触れ込みは そうであれ 戻るかどうか分かったものではなかろう。 231 00:18:16,896 --> 00:18:20,232 けど 新さんが 怒ることでもねえと思うんでさ。 232 00:18:20,232 --> 00:18:24,103 取られるのは 家主で 新さんたちは 取られねえ。 233 00:18:24,103 --> 00:18:26,572 …そうなのか? そうなんでさ。 234 00:18:26,572 --> 00:18:29,875 その辺も ちゃんと考えられてる。 235 00:18:32,244 --> 00:18:36,749 蔦重は 相変わらず 田沼贔屓だね。 236 00:18:36,749 --> 00:18:39,085 …え? 237 00:18:39,085 --> 00:18:42,755 考えているふりをしてるだけさ。 238 00:18:42,755 --> 00:18:48,628 だって 家主は金を出せと言われたら 店賃を上げるさ。 239 00:18:48,628 --> 00:18:53,766 米屋は 米の値を上げるし 油屋は 油の値を上げる。 240 00:18:53,766 --> 00:18:57,637 庄屋は 水呑百姓から もっと米を取る。 241 00:18:57,637 --> 00:19:02,875 吉原は 女郎からの取り分を増やすだろうね。 242 00:19:02,875 --> 00:19:06,345 つまるところ ツケを回されるのは➡ 243 00:19:06,345 --> 00:19:12,218 私らみたいな 地べたを這いつくばってるやつ。 244 00:19:12,218 --> 00:19:16,555 世話になってる身で 偉そうで悪いけど➡ 245 00:19:16,555 --> 00:19:23,362 それが 私が見てきた 浮世ってやつなんだよ 蔦重。 246 00:19:25,064 --> 00:19:30,369 ⚟(赤子の泣き声) 247 00:19:30,369 --> 00:19:33,572 ⚟(女)おふくさん…。 ⚟(赤子の泣き声) 248 00:19:33,572 --> 00:19:38,077 (ふく)どうぞ。 ⚟(赤子の泣き声) 249 00:19:38,077 --> 00:19:42,915 (赤子の泣き声) 250 00:19:42,915 --> 00:19:47,253 あの子にも乳をあげなきゃ。 (赤子の泣き声) 251 00:19:47,253 --> 00:19:50,156 ちょいと 坊を見ててくれるかい? (赤子の泣き声) 252 00:19:50,156 --> 00:19:53,759 坊 おいで。 (赤子の泣き声) 253 00:19:53,759 --> 00:19:58,597 (赤子の泣き声) 254 00:19:58,597 --> 00:20:00,533 蔦重。 (赤子の泣き声) 255 00:20:00,533 --> 00:20:18,417 (赤子の泣き声) 256 00:20:18,417 --> 00:20:23,255 ♬~ 257 00:20:23,255 --> 00:20:28,160 くたびれねえんですかね あっちこっちに 乳やって。 258 00:20:28,160 --> 00:20:30,996 うちは 蔦重のおかげで➡ 259 00:20:30,996 --> 00:20:37,136 少しばかり いい目を 見させてもらっているからと言っていた。 260 00:20:37,136 --> 00:20:43,008 私は 人に身を差し出すのには 慣れているからとも。 261 00:20:43,008 --> 00:20:46,812 …何も言えねえです 俺。 262 00:20:46,812 --> 00:20:49,615 俺もだ。 263 00:20:51,984 --> 00:20:58,757 (ふく)困った時は お互いさまですから。 264 00:20:58,757 --> 00:21:11,270 ♬~ 265 00:21:17,943 --> 00:21:20,279 (定信)上様が お出ましにならぬ? 266 00:21:20,279 --> 00:21:24,784 初めてではないか? 上様が 月次御礼をお休みになるのは。 267 00:21:24,784 --> 00:21:27,486 これでは 訴えられぬな。 268 00:21:29,955 --> 00:21:33,759 もしや 謀ったか。 269 00:21:37,129 --> 00:21:39,632 何か聞いておるか? 270 00:21:39,632 --> 00:21:45,137 ここのところ 大水の件で かかりきりで。 271 00:21:45,137 --> 00:21:48,440 (足音) 272 00:21:48,440 --> 00:21:51,443 (稲葉正明)主殿頭様。 273 00:21:54,313 --> 00:21:58,317 あちらも予期せぬことか。 274 00:22:02,955 --> 00:22:06,392 昨日の夜半に腹痛を訴えられまして。 275 00:22:06,392 --> 00:22:08,327 食あたりということか? 276 00:22:08,327 --> 00:22:12,198 しかしながら その日の毒味役で 異変のあった者はおらず。 277 00:22:12,198 --> 00:22:16,068 故に 医師たちは そもそも調子を崩されておられたゆえ➡ 278 00:22:16,068 --> 00:22:22,975 常なら平気のものでも たまたま障ってしまったのであろうと。 279 00:22:22,975 --> 00:22:27,780 主殿頭様。 上様がお召しにございます。 280 00:22:31,283 --> 00:22:33,953 (意次)醍醐を食された? 281 00:22:33,953 --> 00:22:36,288 うむ…。 282 00:22:36,288 --> 00:22:44,964 越中の指南で お知保が大奥にて 手ずから作ったな…。 283 00:22:44,964 --> 00:22:48,834 お二人のうち どちらか もしくは➡ 284 00:22:48,834 --> 00:22:54,673 お二人ともに謀られたということでは ございますまいな? 285 00:22:54,673 --> 00:23:03,349 来し方を辿れば 2人とも 余に含むところもあろう…。 286 00:23:03,349 --> 00:23:08,087 故に 毒を盛る…。➡ 287 00:23:08,087 --> 00:23:11,924 考えられぬことではないが…。 288 00:23:11,924 --> 00:23:15,594 その方々を 表に出すわけには…。 289 00:23:15,594 --> 00:23:21,267 そこが あの者のねらいにございますか!➡ 290 00:23:21,267 --> 00:23:27,139 私には あの者の考えていることが 分かりませぬ。➡ 291 00:23:27,139 --> 00:23:31,777 何故 かような 無益なことを繰り返すのか! 292 00:23:31,777 --> 00:23:37,116 あやつは…➡ 293 00:23:37,116 --> 00:23:41,820 天に なりたいのよ。 294 00:23:44,623 --> 00:23:48,961 (家治)あやつは 人の命運を操り➡ 295 00:23:48,961 --> 00:23:52,798 将軍の座を決する➡ 296 00:23:52,798 --> 00:23:57,636 天に なりたいのだ…。➡ 297 00:23:57,636 --> 00:24:00,539 そうすることで➡ 298 00:24:00,539 --> 00:24:04,443 将軍など さほどのものではないと➡ 299 00:24:04,443 --> 00:24:08,447 あざ笑いたいのであろう…。 300 00:24:11,183 --> 00:24:16,755 将軍の控えに生まれついた➡ 301 00:24:16,755 --> 00:24:22,561 あの者なりの 復讐であるのかもしれぬな…。 302 00:24:28,367 --> 00:24:34,106 とはいえ お知保が絡んでおる上は➡ 303 00:24:34,106 --> 00:24:38,777 奥医師に まことのことを告げるわけにもいかぬ…。 304 00:24:38,777 --> 00:24:45,417 誰か… 毒おろしの得意な医者はおらぬか? 305 00:24:45,417 --> 00:24:47,786 かしこまりました。 306 00:24:47,786 --> 00:24:51,090 口の堅い医者を連れてまいりまする。 307 00:24:54,126 --> 00:24:57,162 余には まだ…➡ 308 00:24:57,162 --> 00:25:02,368 生きて守らねばならぬものがある! 309 00:25:02,368 --> 00:25:10,909 ♬~ 310 00:25:10,909 --> 00:25:14,380 上様の具合が およろしくない? 311 00:25:14,380 --> 00:25:22,087 どうも先日より 田沼様が 新しき医師なども召されておるようで。 312 00:25:23,756 --> 00:25:25,691 …大崎。 313 00:25:25,691 --> 00:25:30,095 まさか 私が 食べ慣れぬものを お贈りしたゆえではあるまいな? 314 00:25:30,095 --> 00:25:32,131 お方様! 315 00:25:32,131 --> 00:25:35,901 今のお言葉 決して口になさいますな! 316 00:25:35,901 --> 00:25:37,836 もしも 然様なことであれば➡ 317 00:25:37,836 --> 00:25:43,275 醍醐作りに関わった者 何人の首が飛ぶか分かりませぬ! 318 00:25:43,275 --> 00:25:46,278 あ…! 319 00:25:46,278 --> 00:26:00,225 ♬~ 320 00:26:00,225 --> 00:26:03,729 大事のうございます。 321 00:26:03,729 --> 00:26:07,232 私が お守りしますゆえ。 322 00:26:07,232 --> 00:26:13,739 ♬~ 323 00:26:13,739 --> 00:26:17,743 うう…。 324 00:26:19,611 --> 00:26:23,816 う… うう… う…。 325 00:26:30,189 --> 00:26:40,599 大奥より 主殿頭が医師を変えたゆえ 上様の具合がお悪くなったとの訴えじゃ。 326 00:26:40,599 --> 00:26:46,271 (水野忠友)主殿頭殿が 医師を使い 毒を盛らせたという噂も出ておりますな。 327 00:26:46,271 --> 00:26:50,109 うむ…。 328 00:26:50,109 --> 00:26:57,282 もはや 我らも 土産は考えた方がよいかもしれぬな。 329 00:26:57,282 --> 00:26:59,218 土産? 330 00:26:59,218 --> 00:27:07,226 土産がなくば 我らも一蓮托生となろう。 331 00:27:09,928 --> 00:27:14,233 め… 目通り差し控えとは? 332 00:27:14,233 --> 00:27:20,572 (康福)上様の具合が 再びお悪くなられ ひどく お怒りなのだ。➡ 333 00:27:20,572 --> 00:27:24,076 そなたの推挙した医師らのせいであると。 334 00:27:24,076 --> 00:27:26,912 あ… ハハ… なんと…。 335 00:27:26,912 --> 00:27:31,783 それは 事情を知らぬ者の妄言かと。 336 00:27:31,783 --> 00:27:39,091 とにかく そなたが手配した医師が よくなかったと お怒りじゃ。 337 00:27:39,091 --> 00:27:42,594 首座としては 然様な者を 登城させるわけにはまいらぬ。 338 00:27:42,594 --> 00:27:46,465 上様に 直にお確かめくださいませ! 339 00:27:46,465 --> 00:27:49,935 …で 上様のお加減は? 340 00:27:49,935 --> 00:27:54,773 う~ん…。 341 00:27:54,773 --> 00:27:58,644 のう 主殿頭。 342 00:27:58,644 --> 00:28:06,351 ここは ひとつ 自ら退くことを考えてはどうじゃ? 343 00:28:08,220 --> 00:28:14,893 その方が まだ そなたの負う傷も 浅く済もう。 344 00:28:14,893 --> 00:28:22,634 自ら退く覚悟を見せれば 毒を盛った疑いも晴れようというもの。 345 00:28:22,634 --> 00:28:27,472 上様に毒を盛る理由が この私のどこに! 346 00:28:27,472 --> 00:28:30,742 上様だけが頼りの この私のどこに!? 347 00:28:30,742 --> 00:28:33,745 そなたのために言うておる! 348 00:28:38,250 --> 00:28:46,391 自ら退いた方が 家名も禄も守れよう。 349 00:28:46,391 --> 00:28:50,896 このままでは 全てを失いかねぬぞ。 350 00:28:55,400 --> 00:28:59,271 うう… う…。 351 00:28:59,271 --> 00:29:02,040 うう…。 352 00:29:02,040 --> 00:29:09,548 ♬~ 353 00:29:09,548 --> 00:29:14,253 ⚟(三浦庄司) 殿。 水野様がおいでになりました。 354 00:29:15,887 --> 00:29:23,762 此度 御貸付金会所 印旛沼の干拓も 取りやめと相成りました。 355 00:29:23,762 --> 00:29:28,600 遠からず 蝦夷も 同じくとなる運びとなりますかと。 356 00:29:28,600 --> 00:29:34,072 …上様のお加減は いかがで? 357 00:29:34,072 --> 00:29:40,245 お変わりなく ご息災にございます。 358 00:29:40,245 --> 00:29:42,247 あ~…。 359 00:29:48,387 --> 00:29:51,290 上様のお加減は? 360 00:29:51,290 --> 00:30:04,970 ♬~ 361 00:30:04,970 --> 00:30:07,973 老中の職…。 362 00:30:12,577 --> 00:30:15,480 上様にお返しいたす。 363 00:30:15,480 --> 00:30:37,169 ♬~ 364 00:30:49,815 --> 00:30:55,320 そして 天明六年八月。 365 00:31:00,258 --> 00:31:05,764 西の丸…。 366 00:31:05,764 --> 00:31:13,405 もう… 時もなさそうじゃ。 367 00:31:13,405 --> 00:31:22,214 故に 大事なことを一つだけ…。 368 00:31:25,150 --> 00:31:33,625 田沼主殿頭は…➡ 369 00:31:33,625 --> 00:31:40,499 まとうどの者である。 370 00:31:40,499 --> 00:31:43,135 (徳川家斉)まとうど? 371 00:31:43,135 --> 00:31:55,714 臣下には 正直な者を 重用せよ…。 372 00:31:55,714 --> 00:31:58,316 (将棋を指す音) 373 00:31:58,316 --> 00:32:03,922 (家治)正直な者は…➡ 374 00:32:03,922 --> 00:32:11,229 世の ありのままを 口にする。 375 00:32:12,931 --> 00:32:16,268 それが…➡ 376 00:32:16,268 --> 00:32:26,778 たとえ 我らにとり 不都合なことでも。 377 00:32:30,115 --> 00:32:35,987 政において➡ 378 00:32:35,987 --> 00:32:46,965 それは ひどく 大事なことだ。 379 00:32:46,965 --> 00:32:50,836 はい 父上様。 380 00:32:50,836 --> 00:33:02,080 ♬~ 381 00:33:02,080 --> 00:33:10,255 長生きひとつ できぬ➡ 382 00:33:10,255 --> 00:33:17,929 不甲斐ない父で➡ 383 00:33:17,929 --> 00:33:21,933 すまぬな…。 384 00:33:28,640 --> 00:33:31,409 家基! 385 00:33:31,409 --> 00:33:33,345 え? 386 00:33:33,345 --> 00:33:39,651 うう… 家基…。 387 00:33:43,989 --> 00:33:47,192 家基…。 388 00:33:49,294 --> 00:33:53,498 家基…! 389 00:33:55,433 --> 00:34:01,740 あ… うう…。 390 00:34:01,740 --> 00:34:07,245 悪いのは… 父だ。 391 00:34:10,248 --> 00:34:16,755 全て…➡ 392 00:34:16,755 --> 00:34:20,959 そなたの父だ…。 393 00:34:25,263 --> 00:34:28,767 よいか…➡ 394 00:34:28,767 --> 00:34:33,104 天は見ておるぞ! 395 00:34:33,104 --> 00:34:40,612 天は 天の名を騙る おごりを許さぬ! 396 00:34:44,282 --> 00:34:47,185 これからは➡ 397 00:34:47,185 --> 00:34:53,291 余も 天の一部となる…。 398 00:34:53,291 --> 00:34:58,163 余が見ておることを➡ 399 00:34:58,163 --> 00:35:03,101 ゆめゆめ 忘るるな! 400 00:35:03,101 --> 00:35:12,577 ♬~ 401 00:35:12,577 --> 00:35:15,480 上様! 402 00:35:15,480 --> 00:35:20,251 上様! 403 00:35:20,251 --> 00:35:23,755 今の…。 404 00:35:23,755 --> 00:35:31,630 西の丸様と 家基様を間違えておられた。 405 00:35:31,630 --> 00:35:36,334 はあ… おいたわしや…。 406 00:35:36,334 --> 00:35:43,775 もはや 夢と現もお分かりならぬように…。 407 00:35:43,775 --> 00:35:48,413 お亡くなりになりました。 408 00:35:48,413 --> 00:35:58,156 ♬~ 409 00:35:58,156 --> 00:36:02,560 西の丸様。 410 00:36:02,560 --> 00:36:05,463 上様には及びませぬが➡ 411 00:36:05,463 --> 00:36:11,269 これからは この父が 西の丸様をお支え申し上げます。 412 00:36:11,269 --> 00:36:15,907 どうぞ ご案じなく。 413 00:36:15,907 --> 00:36:38,263 ♬~ 414 00:36:38,263 --> 00:36:43,768 世の節目となる 大きな死。 415 00:36:43,768 --> 00:36:47,605 その一方 市中の片隅の小さな➡ 416 00:36:47,605 --> 00:36:49,941 小さな死。 417 00:36:49,941 --> 00:36:53,144 今日は ついておったな。 418 00:36:55,280 --> 00:36:58,783 (すすり泣き) 419 00:36:58,783 --> 00:37:00,718 え? 420 00:37:00,718 --> 00:37:03,354 新さん! 421 00:37:03,354 --> 00:37:07,726 (すすり泣き) 422 00:37:07,726 --> 00:37:10,729 え…。 423 00:37:39,257 --> 00:37:42,560 おふく…。 424 00:37:44,762 --> 00:37:47,966 とよ坊…。 425 00:37:50,568 --> 00:37:53,071 おい…。 426 00:37:54,939 --> 00:37:57,976 おい…。➡ 427 00:37:57,976 --> 00:38:03,748 ふく… 坊!➡ 428 00:38:03,748 --> 00:38:06,351 ふく! 429 00:38:06,351 --> 00:38:11,189 ふく! おい… ふく! 430 00:38:11,189 --> 00:38:15,560 返事してくれよ! ふく! 431 00:38:15,560 --> 00:38:19,063 なあ… ふく!➡ 432 00:38:19,063 --> 00:38:24,369 ふく… 返事してくれよ おい!➡ 433 00:38:24,369 --> 00:38:29,574 ふく… ふく! ふく! 434 00:38:29,574 --> 00:38:31,609 いらっしゃいませ! 435 00:38:31,609 --> 00:38:34,813 ご確認を。 おう。 436 00:38:36,748 --> 00:38:38,683 (走る足音) 437 00:38:38,683 --> 00:38:41,586 (米次)旦那! 438 00:38:41,586 --> 00:38:43,621 どうしました? 439 00:38:43,621 --> 00:38:45,924 おふくさんが…。 440 00:38:45,924 --> 00:38:47,959 …え? 441 00:38:47,959 --> 00:38:50,461 (足音) 442 00:38:52,697 --> 00:38:55,200 請け人だ。 443 00:39:01,206 --> 00:39:05,043 新さん…。 444 00:39:05,043 --> 00:39:13,351 ♬~ 445 00:39:13,351 --> 00:39:17,222 そなたが 請け人の蔦屋か。 446 00:39:17,222 --> 00:39:21,226 はい…。 一体 何が? 447 00:39:21,226 --> 00:39:30,034 恐らくは 空腹ゆえ盗みに入り 争ったあげくというところ。 448 00:39:34,072 --> 00:39:36,741 ⚟(長七)おい! そいつか! 449 00:39:36,741 --> 00:39:39,577 ⚟(男)お許しくださいまし! お許しくだせえ!➡ 450 00:39:39,577 --> 00:39:42,614 お… お許しくだせえ! お許しくださいませ! 451 00:39:42,614 --> 00:39:45,383 お… お… お許し… お許し…➡ 452 00:39:45,383 --> 00:39:48,586 お許しくだせえ! お… お許しくだ…➡ 453 00:39:48,586 --> 00:39:50,922 お許しくださいませ! お許し…➡ 454 00:39:50,922 --> 00:39:54,259 お許しくださいませ~! ああ… あ…➡ 455 00:39:54,259 --> 00:39:56,761 おら… あ… おら…。 (赤子の泣き声) 456 00:39:56,761 --> 00:39:58,696 (赤子の泣き声) 457 00:39:58,696 --> 00:40:00,632 (赤子の泣き声) わ… わ… 私が…➡ 458 00:40:00,632 --> 00:40:05,937 あの家には米があるんじゃないかって 言っちまったもんで…。(赤子の泣き声) 459 00:40:05,937 --> 00:40:09,774 この人 魔が差しちまって…! (赤子の泣き声) 460 00:40:09,774 --> 00:40:14,646 (男)とんでもないことを いたしました! (赤子の泣き声) 461 00:40:14,646 --> 00:40:18,416 (女)申し訳ございません! (赤子の泣き声) 462 00:40:18,416 --> 00:40:30,428 (赤子の泣き声) 463 00:40:30,428 --> 00:40:35,266 …この者は 俺ではないか。 (赤子の泣き声) 464 00:40:35,266 --> 00:40:41,973 (赤子の泣き声) 465 00:40:41,973 --> 00:40:44,876 (赤子の泣き声) 俺は…➡ 466 00:40:44,876 --> 00:40:49,447 俺は どこの何に向かって怒ればいいのだ! 467 00:40:49,447 --> 00:41:14,639 (赤子の泣き声) 468 00:41:14,639 --> 00:41:21,946 ♬~ 469 00:41:21,946 --> 00:41:24,983 新さん。 470 00:41:24,983 --> 00:41:30,955 よかったら うちに来ねえですか? 471 00:41:30,955 --> 00:41:36,828 あそこにいたら 気が ふさぐばかりじゃねえですか? 472 00:41:36,828 --> 00:41:40,965 体も きついでしょうし。 473 00:41:40,965 --> 00:41:49,974 ♬~ 474 00:41:49,974 --> 00:41:59,650 もう どこまで逃げても 逃げきれぬ気もする。 475 00:41:59,650 --> 00:42:03,087 いや…➡ 476 00:42:03,087 --> 00:42:08,593 もはや 逃げてはならぬ気もする。 477 00:42:08,593 --> 00:42:12,397 この場所から…。 478 00:42:12,397 --> 00:42:29,881 ♬~ 479 00:42:35,286 --> 00:42:37,221 我々 打ちこわすべし。 480 00:42:37,221 --> 00:42:40,158 打ちこわしなんて べらぼうじゃねえですか! 481 00:42:40,158 --> 00:42:42,160 田沼の手先に話せることはないな。 482 00:42:42,160 --> 00:42:44,629 見苦しい! 犬を食えと! 483 00:42:44,629 --> 00:42:47,298 盗賊同然の主殿。 皆 田沼が招いたものであろう。 484 00:42:47,298 --> 00:42:49,233 田沼様を。 生贄として。 485 00:42:49,233 --> 00:42:51,169 懲りもせず けしからん! 486 00:42:51,169 --> 00:42:53,171 一気に攻め込むぞ。 喧嘩だな。 487 00:42:53,171 --> 00:42:55,173 手ぬるい! え?え?