1 00:00:01,201 --> 00:00:29,596 ♬~ 2 00:00:32,799 --> 00:00:36,270 これ いつのかな…。 3 00:00:36,270 --> 00:00:39,506 草刈さん その箱 何ですか? 4 00:00:39,506 --> 00:00:44,211 いやね 蔵を整理してたらね こんなもの出てきたんですよ。 5 00:00:44,211 --> 00:00:46,146 お酒かな? 6 00:00:46,146 --> 00:00:48,081 もしかして ウイスキーじゃないですか? 7 00:00:48,081 --> 00:00:50,083 ウイスキーね。 8 00:00:52,819 --> 00:00:59,226 大麦の麦芽や穀類を原料に蒸留した ウイスキー。 9 00:01:03,897 --> 00:01:07,234 ストレートは もちろん ロックや ハイボールなど➡ 10 00:01:07,234 --> 00:01:11,038 それぞれで 香りや味わいが変化します。 11 00:01:24,451 --> 00:01:28,855 樽に入れ 3年から数十年 熟成。 12 00:01:33,160 --> 00:01:38,065 そうして出来上がるのは 奇跡の琥珀色。 13 00:01:42,869 --> 00:01:49,476 今や世界5大ウイスキーの一つに 数えられる日本のウイスキー。 14 00:01:49,476 --> 00:01:55,082 北から南まで全国に およそ20の蒸留所があります。 15 00:01:57,584 --> 00:02:02,689 それぞれの土地に それぞれの職人技がありました。 16 00:02:10,130 --> 00:02:15,102 複数のウイスキーをブレンドし 作られる味わい。 17 00:02:15,102 --> 00:02:21,441 これ ちょっと カリッと ナッツ風の香りが ありますね。 18 00:02:21,441 --> 00:02:27,147 近年 注目される 日本ならではの樽。 19 00:02:29,549 --> 00:02:34,054 手間と時間をかけて造られる ウイスキー。 20 00:02:36,323 --> 00:02:44,431 今回は めでて 飲んで 楽しむ ウイスキーの奥深い世界をご案内します。 21 00:02:59,546 --> 00:03:05,352 東京・六本木に ウイスキーを専門に扱う バーがあります。 22 00:03:05,352 --> 00:03:10,357 ここに そろうのは およそ2,000種類のウイスキー。 23 00:03:13,193 --> 00:03:16,363 さまざまな飲み方 それぞれによって➡ 24 00:03:16,363 --> 00:03:23,570 ウイスキーの味や香りやテイストの 違いだとか ございますので➡ 25 00:03:23,570 --> 00:03:29,376 それぞれの楽しみ方で お飲みになって頂けるかと思います。 26 00:03:32,245 --> 00:03:34,915 王道は「ストレート」。 27 00:03:34,915 --> 00:03:39,519 ウイスキーそのものの 香りと味を楽しみます。 28 00:03:51,364 --> 00:03:56,570 おすすめのグラスは チューリップ型の テイスティンググラス。 29 00:04:04,077 --> 00:04:08,482 グラスを斜めにして ゆっくり回します。 30 00:04:11,518 --> 00:04:15,222 グラスの縁を垂れますね 原酒が。 31 00:04:15,222 --> 00:04:17,290 これ 涙といいます。 32 00:04:17,290 --> 00:04:23,296 これが いわゆるアルコール度数を 見たりですとか 粘度を見たりですとか。 33 00:04:25,432 --> 00:04:32,339 グラスを伝って落ちる滴と琥珀色を ゆったり楽しみます。 34 00:04:39,779 --> 00:04:45,385 次に篠崎さんは ウイスキーに数滴の水を入れました。 35 00:04:47,287 --> 00:04:51,892 数滴の水だけで 変化が楽しめるといいます。 36 00:05:21,721 --> 00:05:25,592 さらに水を足すと アルコール分が弱まり➡ 37 00:05:25,592 --> 00:05:30,797 閉じ込められていた さまざまな香りが顔を出すのだとか。 38 00:05:34,434 --> 00:05:37,037 こちらは「ロック」。 39 00:05:41,474 --> 00:05:46,279 氷を入れることで さらに変化が楽しめます。 40 00:06:11,204 --> 00:06:14,708 そして おなじみ「ハイボール」。 41 00:06:20,880 --> 00:06:27,487 アルコールの刺激が影を潜め 爽やかな香りを楽しむことができます。 42 00:06:46,439 --> 00:06:48,742 今日 最初のツボは… 43 00:06:58,885 --> 00:07:04,891 日本で本格的なウイスキーが誕生したのは 昭和4年。 44 00:07:10,196 --> 00:07:16,102 「ウイスキーの父」と呼ばれる 竹鶴政孝の尽力によるものでした。 45 00:07:21,541 --> 00:07:30,050 大正4年 当時 勤めていた酒造会社の 命を受けて スコットランドに2年間留学。 46 00:07:33,920 --> 00:07:37,457 「日本人に本物のウイスキーを 飲んでほしい」と➡ 47 00:07:37,457 --> 00:07:43,663 本場で学んできたことを ノート2冊に ぎっしりと書き込みました。 48 00:07:43,663 --> 00:07:47,067 いわゆる「竹鶴ノート」です。 49 00:07:53,206 --> 00:07:59,012 このノートをもとに 日本の 本格ウイスキーの歴史が始まりました。 50 00:08:02,882 --> 00:08:05,618 北海道 余市町。 51 00:08:05,618 --> 00:08:08,521 現在も当時の手法を受け継いで➡ 52 00:08:08,521 --> 00:08:13,026 ウイスキーを製造している蒸留所が あります。 53 00:08:31,745 --> 00:08:36,149 こちらは「ポットスチル」と呼ばれる 蒸留器。 54 00:08:41,187 --> 00:08:48,962 「蒸留」とは発酵した麦汁を加熱して アルコールの蒸気を取り出すこと。 55 00:08:48,962 --> 00:08:53,666 この形も ウイスキーの味に影響すると いいます。 56 00:09:22,495 --> 00:09:27,200 こちらのポットスチルは 中央部が膨らんでいます。 57 00:09:27,200 --> 00:09:31,004 アルコール蒸気が この膨らみで対流を起こし➡ 58 00:09:31,004 --> 00:09:34,707 味が まろやかになるといいます。 59 00:09:41,414 --> 00:09:45,919 加熱方法にも特徴があります。 60 00:09:45,919 --> 00:09:47,921 石炭です。 61 00:09:50,757 --> 00:09:56,262 昭和9年の創業時から受け継がれている こだわりです。 62 00:10:19,252 --> 00:10:24,357 炉の状態を見極めながら 火力の調節をしていきます。 63 00:10:29,028 --> 00:10:35,368 炉の下の明るさと あと炉の蓋から見える 火炎の状態だったりとか➡ 64 00:10:35,368 --> 00:10:40,073 しゃがんで見た時に 奥 両端が 暗くなってると思うんですけど。 65 00:10:41,808 --> 00:10:47,380 炉の下をよく見ると 両側が やや暗くなっています。 66 00:10:47,380 --> 00:10:53,186 空気の通りが悪く 石炭が効率よく燃焼していません。 67 00:11:02,262 --> 00:11:09,469 固まってしまい 燃えていない石炭を 取り除き 空気の流れをよくします。 68 00:11:30,323 --> 00:11:33,960 出来上がった原酒は無色透明。 69 00:11:33,960 --> 00:11:40,066 これから長い年月をかけ 琥珀色のウイスキーになります。 70 00:11:48,408 --> 00:11:52,178 草刈さん グラス いっぱいありますね。 71 00:11:52,178 --> 00:11:56,049 そう。 ウイスキーグラス。 72 00:11:56,049 --> 00:11:58,484 実はね 少しずつ集めてるんですよ。 73 00:11:58,484 --> 00:12:01,521 いろんな形があって 大好きなんです。 74 00:12:01,521 --> 00:12:05,258 テイスティンググラスだけでも こうやってね いろいろ あるんですよ。 75 00:12:05,258 --> 00:12:10,964 これがね ロック用ね。 これがね ハイボール用。 76 00:12:10,964 --> 00:12:13,366 あのウイスキー 飲むんですか? 77 00:12:13,366 --> 00:12:17,170 ん? 今夜は ハイボールで いきますかね。 うん。 78 00:12:32,652 --> 00:12:38,458 雄大な駒ヶ岳を望む場所に ウイスキーの蒸留所があります。 79 00:12:42,295 --> 00:12:48,401 今年 発売予定のウイスキーの ブレンド作業が行われています。 80 00:12:55,274 --> 00:13:01,547 ちょっと カリッとナッツ風の香りが ありますね。 81 00:13:01,547 --> 00:13:05,451 チーフブレンダーの久内 一さんです。 82 00:13:11,858 --> 00:13:13,860 うん バランスがいい。 83 00:13:34,847 --> 00:13:36,949 …という作業になります。 84 00:13:39,052 --> 00:13:47,760 蒸留した原酒を木製の樽に入れ 3年から 長いもので数十年 熟成させます。 85 00:13:55,301 --> 00:14:00,139 それぞれの樽の熟成度合いを 見極めることが大事だと➡ 86 00:14:00,139 --> 00:14:02,842 久内さんは言います。 87 00:14:06,846 --> 00:14:12,552 同じ貯蔵庫の中でも1段目と5段目では 全然 味が変わってきます。 88 00:14:12,552 --> 00:14:19,392 というのは やっぱり上のほうが 温度が高いですから 熟成が早いんですね。 89 00:14:19,392 --> 00:14:25,298 樽に入ってるウイスキーはですね 一つ一つ 全部 味が違います。 90 00:14:27,633 --> 00:14:33,439 およそ3,000もの樽の中から 50から100の樽を選び出し➡ 91 00:14:33,439 --> 00:14:37,643 ブレンドして 一つのウイスキーを造り上げます。 92 00:14:42,782 --> 00:14:49,889 一つ一つ 香りや味を見極め ウイスキーの割合を決めていきます。 93 00:15:08,541 --> 00:15:10,543 調和感は出るんですけど… 94 00:15:50,950 --> 00:15:54,453 うん これで バランスよくなった。 じゃあ これで いきましょう。 95 00:15:58,124 --> 00:16:00,426 今日 ニつ目のツボは… 96 00:16:13,406 --> 00:16:20,313 創業 僅か17年ながら 世界からも 注目されている蒸留所があります。 97 00:16:27,053 --> 00:16:34,360 この蒸留所では およそ1万1,000もの樽で ウイスキーが熟成中。 98 00:16:42,101 --> 00:16:45,471 オーナーの肥土伊知郎さん。 99 00:16:45,471 --> 00:16:49,475 熟成が ウイスキーの味を決めると いいます。 100 00:16:53,312 --> 00:17:00,319 実は ウイスキーというのは この樽の中で 少しずつ 量が減っていくんですね。 101 00:17:00,319 --> 00:17:05,691 これを天使の分け前 エンジェルズ・シェア というんですけども➡ 102 00:17:05,691 --> 00:17:07,693 この現象というのは… 103 00:17:14,100 --> 00:17:19,405 すなわち寒暖差がないと ウイスキーを おいしくしてくれない。 104 00:17:19,405 --> 00:17:22,174 そういった土地柄ですので ウイスキーが やっぱり➡ 105 00:17:22,174 --> 00:17:24,977 おいしくなっていくんだというふうに 考えています。 106 00:17:27,446 --> 00:17:30,082 樽の種類も さまざま。 107 00:17:30,082 --> 00:17:35,187 現在 20種類ほどの樽を使い分けています。 108 00:17:41,827 --> 00:17:48,134 アメリカのオーク材で バーボンを一度 熟成させた樽。 109 00:17:48,134 --> 00:17:51,938 バーボン由来の甘みが出るのが 特徴です。 110 00:17:53,940 --> 00:18:00,646 こちらは ヨーロッパのオーク材で シェリー酒を熟成させたあとの樽。 111 00:18:06,218 --> 00:18:09,255 赤ワインを熟成させた樽も。 112 00:18:09,255 --> 00:18:15,161 樽の種類によって さまざまな味と香りが 生み出されます。 113 00:18:21,200 --> 00:18:27,073 そんな樽の中で 肥土さんが 最も こだわっている樽があります。 114 00:18:27,073 --> 00:18:30,076 ミズナラの木で できた樽。 115 00:18:32,745 --> 00:18:39,652 海外では ほとんど使われることがない 日本のウイスキーならではの樽です。 116 00:18:58,871 --> 00:19:02,875 例えば日本の方だったら 神社 仏閣に行った時に➡ 117 00:19:02,875 --> 00:19:07,279 香りを嗅いだことが あるような 高級なお香とか お線香のような… 118 00:19:16,188 --> 00:19:24,096 肥土さんは「納得する樽を使いたい」と 6年前から樽作りも行っています。 119 00:19:26,399 --> 00:19:30,903 使用するのは 北海道産のミズナラ。 120 00:19:35,408 --> 00:19:41,013 樽職人が 厚さ5センチほどの木を 組んでいきます。 121 00:19:47,987 --> 00:19:53,693 ウイスキーの味に影響が出ないよう くぎは一切 使いません。 122 00:20:03,469 --> 00:20:07,373 組み上げられた樽から火の粉が? 123 00:20:12,978 --> 00:20:18,984 これは「チャー」と呼ばれる 樽作りの伝統的な工程。 124 00:20:30,763 --> 00:20:37,670 樽の内側を焦がすことで 甘い香味成分が 生まれると言われています。 125 00:20:45,811 --> 00:20:53,319 近年 注目されるミズナラですが 実は職人泣かせの素材でもあります。 126 00:20:58,891 --> 00:21:05,097 今 ここと この面から 漏れてきてるんですけど➡ 127 00:21:05,097 --> 00:21:07,299 これが全部 漏れてる跡。 128 00:21:09,435 --> 00:21:14,173 木の性質上 水漏れを起こしやすいのです。 129 00:21:14,173 --> 00:21:20,379 こうした水漏れを一樽一樽 チェックして 直していきます。 130 00:21:44,670 --> 00:21:50,409 ミズナラの樽で 10年近く熟成させた ウイスキー。 131 00:21:50,409 --> 00:22:00,119 甘いお香のような香りと麦芽の香りなどが 複雑に絡み合い グラスに充満します。 132 00:22:04,089 --> 00:22:06,492 いや~ いい熟成してますね。 133 00:22:10,329 --> 00:22:17,036 時を重ね 時をこえて ウイスキーは出来上がります。 134 00:22:34,954 --> 00:22:38,791 草刈さん 今度は料理ですか? 135 00:22:38,791 --> 00:22:44,897 え? ハイボールといえば やっぱり これでしょ。 136 00:22:44,897 --> 00:22:51,170 唐揚げ! お客さんでも来るんですか? そんなに たくさん。 137 00:22:51,170 --> 00:22:54,073 いや 妻と2人。 138 00:22:54,073 --> 00:22:56,775 僕ね 唐揚げ 大好きなんですよ。 139 00:23:08,187 --> 00:23:14,927 壁一面に並べられた およそ2,000本のウイスキー。 140 00:23:14,927 --> 00:23:18,831 バーではなく 個人の自宅です。 141 00:23:24,236 --> 00:23:29,675 集めたのは ウイスキーの評論家で コレクターとしても有名な➡ 142 00:23:29,675 --> 00:23:32,378 山岡秀雄さんです。 143 00:23:59,204 --> 00:24:06,345 ウイスキーの個性は 原料や樽の種類 蒸留方法 熟成期間など➡ 144 00:24:06,345 --> 00:24:09,882 さまざまな要因によって変わります。 145 00:24:09,882 --> 00:24:14,887 しかし もう一つ 大事な要素があると 山岡さんは言います。 146 00:24:46,385 --> 00:24:48,587 今日 最後のツボは… 147 00:24:59,598 --> 00:25:04,103 北海道の東に位置する厚岸町です。 148 00:25:08,307 --> 00:25:14,179 町の中心近くに広がる別寒辺牛湿原。 149 00:25:14,179 --> 00:25:17,683 ラムサール条約にも指定されています。 150 00:25:26,225 --> 00:25:34,333 地中には ウイスキー造りに必要な泥炭 「ピート」が豊富に埋まっています。 151 00:25:35,901 --> 00:25:41,407 植物が長い年月をかけ 泥状に炭化したものです。 152 00:25:44,009 --> 00:25:50,716 厚岸町の川には そのピートの層を 通ってきた水が流れています。 153 00:25:55,621 --> 00:26:02,728 そんな環境に魅せられて 5年前に 造られた 新しい蒸留所があります。 154 00:26:10,803 --> 00:26:14,306 所長の立崎勝幸さんです。 155 00:26:16,942 --> 00:26:23,782 蒸留所の目標は スコットランドの アイラ島のようなウイスキー。 156 00:26:23,782 --> 00:26:26,285 うちの蒸留所を建てる時に… 157 00:26:46,338 --> 00:26:51,443 気候とともに決め手となったのが 水でした。 158 00:27:19,905 --> 00:27:27,412 麦汁に ウイスキー用の酵母を加えて発酵 蒸留と進みます。 159 00:27:31,984 --> 00:27:34,887 貯蔵庫は海沿いにあります。 160 00:27:34,887 --> 00:27:40,392 アイラ島のように 海からの霧が多い場所を選びました。 161 00:27:46,965 --> 00:27:55,073 ここで ウイスキーは ゆっくりと熟成し 深い味わいを生み出します。 162 00:28:03,415 --> 00:28:07,319 大地が育てたウイスキーです。 163 00:28:24,836 --> 00:28:26,972 よいしょっと。 164 00:28:26,972 --> 00:28:29,508 よし! 準備よしと。 165 00:28:29,508 --> 00:28:31,710 あとは氷! ねっ。 166 00:28:34,313 --> 00:28:36,381 あ! どうしたんですか? 167 00:28:36,381 --> 00:28:40,419 あれ? 氷がない。 買ってこなくちゃ。 168 00:28:40,419 --> 00:28:46,225 いや 氷なくても おいしいし…。 えっ どうしよう…。 169 00:28:48,760 --> 00:28:53,065 あっ やっぱり せっかくだから… せっかくだから買いに行こう。