1 00:00:01,201 --> 00:00:29,396 ♬~ 2 00:00:31,198 --> 00:00:34,401 よ~し 重たい…。 3 00:00:34,401 --> 00:00:36,336 よいしょ。 4 00:00:36,336 --> 00:00:40,073 草刈さん 模様替えですか? 5 00:00:40,073 --> 00:00:43,076 え? いやね 同窓会なんですよ。 6 00:00:43,076 --> 00:00:45,712 それが オンライン飲み会ってやつでね。 7 00:00:45,712 --> 00:00:49,583 あれ 部屋の中 見えるでしょ。 それでね…。 8 00:00:49,583 --> 00:00:52,185 オンライン飲み会ですか。 9 00:00:52,185 --> 00:00:55,622 いやね 初めてなんですけどね。 10 00:00:55,622 --> 00:00:58,225 テーブルの上も ばえるようにしないと。 11 00:00:58,225 --> 00:01:03,964 えっ テーブル? ばえる? 12 00:01:03,964 --> 00:01:06,166 あっ どうしよう…。 13 00:01:12,272 --> 00:01:18,178 素朴な風合いが どこか懐かしい。 民藝のやきものです。 14 00:01:21,582 --> 00:01:25,786 「民藝」とは「民衆的工藝品」の略語で➡ 15 00:01:25,786 --> 00:01:29,990 思想家の柳 宗悦によって 作られた言葉です。 16 00:01:36,096 --> 00:01:40,567 大正末期から昭和にかけて 柳は全国を回り➡ 17 00:01:40,567 --> 00:01:44,871 各地に伝えられてきた 職人の手仕事を見いだしました。 18 00:01:49,109 --> 00:01:55,882 名もなき職人が作り続けてきた 庶民のための日用品。 19 00:01:55,882 --> 00:02:04,224 そこには鑑賞のための美術品とは異なる 機能的で健康的な美しさがある。 20 00:02:04,224 --> 00:02:10,931 柳は これを「用の美」と表現し そのすばらしさを広く世に伝えました。 21 00:02:13,900 --> 00:02:19,139 今日は そんな民藝のやきものをご紹介。 22 00:02:19,139 --> 00:02:24,144 暮らしを彩る 手仕事の器の世界に お連れします。 23 00:02:36,556 --> 00:02:42,863 民藝の器で食卓を演出するのは 料理家のワタナベマキさんです。 24 00:02:44,665 --> 00:02:51,204 さまざまな食器をお持ちですが 棚の中には民藝の器が たくさん。 25 00:02:51,204 --> 00:02:55,108 これは ふだん使っている 民藝の食器なんですけれども。 26 00:03:16,329 --> 00:03:19,966 今日 作るのは…。 27 00:03:19,966 --> 00:03:24,071 鶏もも肉を ニンニクで香り付けして ソテー。 28 00:03:30,610 --> 00:03:34,414 そこに 半分に切ったアスパラガス。 29 00:03:38,452 --> 00:03:43,156 蓋をして 火が通るまで 蒸し焼きにします。 30 00:03:47,027 --> 00:03:52,532 合わせるのは ワタナベさん イチ押しの小鹿田焼の大皿。 31 00:03:57,170 --> 00:04:03,877 この皿と出会った時 自分の料理に とても合うと直感したそうです。 32 00:04:06,947 --> 00:04:13,453 素朴な風合いのお皿が 鶏肉と アスパラガスの緑を引き立てますね。 33 00:04:15,355 --> 00:04:19,092 この大皿は合わせる料理を選びません。 34 00:04:19,092 --> 00:04:22,796 チーズケーキだって このとおり。 35 00:04:28,468 --> 00:04:31,972 こちらは小鹿田焼のすり鉢。 36 00:04:37,144 --> 00:04:40,447 アンチョビとニンニクをすりおろします。 37 00:04:40,447 --> 00:04:46,453 すり鉢は調理の道具ですが これは しゃれた丼のようですね。 38 00:04:48,955 --> 00:04:54,060 オリーブオイルとワインビネガーをかけて パクチーをどっさり。 39 00:04:57,464 --> 00:04:59,866 食べる直前にあえる。 40 00:05:02,302 --> 00:05:05,939 すり鉢は そのままテーブルへ。 41 00:05:05,939 --> 00:05:11,545 道具としても使い勝手がよく 器にもなる すぐれものです。 42 00:05:16,716 --> 00:05:20,120 温かみとか ぬくもりとか 感じられていて… 43 00:05:37,671 --> 00:05:39,973 今日 一つ目のツボは… 44 00:05:49,683 --> 00:05:55,188 小鹿田焼が作られているのは 大分県日田市の山あい。 45 00:05:56,890 --> 00:06:03,697 昭和の初めに 柳 宗悦が見いだしたことで 全国に知られるようになりました。 46 00:06:05,298 --> 00:06:07,701 窯元は9軒。 47 00:06:07,701 --> 00:06:13,607 江戸時代から一子相伝で受け継がれ 器を作り続けています。 48 00:06:20,981 --> 00:06:27,988 地元でとれた土を 川の水の力を 利用して砕き 陶土を作ります。 49 00:06:34,461 --> 00:06:40,767 唐臼と呼ばれる装置で 2週間から3週間 つき続けます。 50 00:06:57,284 --> 00:07:02,789 唐臼で砕いたあとは 水にさらして濾します。 51 00:07:02,789 --> 00:07:09,529 もともと唐臼ってのも 打ってる中身は石なんですよね。 52 00:07:09,529 --> 00:07:11,464 土では ないんですよ。 53 00:07:11,464 --> 00:07:16,836 山から とってきた石を砕いて 粉にするというんですね。 54 00:07:16,836 --> 00:07:24,945 粉になってる分だけを 要するに 水に撹拌したら浮く分だけが土です。 55 00:07:27,480 --> 00:07:33,787 沈殿した土を集めて水を抜くと 材料となる土ができます。 56 00:07:39,125 --> 00:07:43,730 土作りには1か月余りかかります。 57 00:07:45,565 --> 00:07:48,868 よその土を混ぜれば手間は省けますが➡ 58 00:07:48,868 --> 00:07:54,374 地元の土だけを使うのが 300年 続いてきた伝統。 59 00:07:57,610 --> 00:08:01,114 この日は大皿を作ります。 60 00:08:14,995 --> 00:08:17,998 力を抜いて作るというかですね。 61 00:08:17,998 --> 00:08:22,235 がむしゃらに若い時っていうのは 力だけで作るんですよ。 62 00:08:22,235 --> 00:08:26,940 そうじゃなくて土に任して ろくろのスピードに体を合わせれば➡ 63 00:08:26,940 --> 00:08:30,810 不思議と器って できるんですよ。 64 00:08:30,810 --> 00:08:37,517 だから余計な力を入れなくても できる というふうに なっていくんですよね。 65 00:08:41,254 --> 00:08:45,158 白い化粧土を全体にかけます。 66 00:08:52,832 --> 00:08:55,135 手にしたのは刷毛。 67 00:09:04,043 --> 00:09:08,448 化粧土が剥がれ 下地の土が出てきました。 68 00:09:09,949 --> 00:09:15,655 土には鉄分が多く 焼くと刷毛を当てた部分が黒くなります。 69 00:09:15,655 --> 00:09:18,858 土の特性を生かした模様です。 70 00:09:22,295 --> 00:09:28,101 もう一つ 小鹿田焼の代表的な技法が 「飛び鉋」。 71 00:09:32,806 --> 00:09:37,110 薄い鋼を曲げた自作の鉋を使います。 72 00:09:54,761 --> 00:09:59,365 職人の知恵と工夫が刻まれた模様です。 73 00:10:08,641 --> 00:10:11,010 厚みがあって どっしり。 74 00:10:11,010 --> 00:10:14,814 素朴な風合いが魅力の小鹿田焼です。 75 00:10:28,094 --> 00:10:33,967 昭和の初め 柳 宗悦が そのすばらしさを 世に広めたことも支えとなり➡ 76 00:10:33,967 --> 00:10:38,404 小鹿田焼は 工業製品が主流になっていく時代を➡ 77 00:10:38,404 --> 00:10:41,608 現代まで生き延びてきました。 78 00:10:48,081 --> 00:10:52,185 伝統の力を伝えてくれる やきものです。 79 00:11:01,461 --> 00:11:09,102 これね うちのね 家宝なんですけどね これなら ばえるでしょう。 80 00:11:09,102 --> 00:11:13,339 うわ~ すごい! でも ちょっと…。 81 00:11:13,339 --> 00:11:18,077 えっ やりすぎ? 大げさ? 82 00:11:18,077 --> 00:11:21,481 もう少し カジュアルなほうが…。 83 00:11:21,481 --> 00:11:26,686 あ… 背伸びしてるように思われるかな。 84 00:11:26,686 --> 00:11:30,890 もっと こう… もっと ふだんの感じがいいか。 85 00:11:43,469 --> 00:11:46,973 ポップな模様が楽しい お皿たち。 86 00:11:46,973 --> 00:11:49,275 民藝の中でも人気が高い➡ 87 00:11:49,275 --> 00:11:52,478 「スリップウェア」と呼ばれる やきものです。 88 00:11:57,016 --> 00:12:01,854 スリップウェアの模様は 絵の具を使った絵付けではなく➡ 89 00:12:01,854 --> 00:12:06,459 「スリップ」と呼ばれる化粧土で 描かれています。 90 00:12:11,631 --> 00:12:18,037 スリップウェアを作る窯元の一つが 兵庫県の丹波篠山市にあります。 91 00:12:20,306 --> 00:12:28,014 丹波篠山は その起源が平安時代にまで さかのぼるといわれる丹波焼の産地。 92 00:12:31,551 --> 00:12:35,355 窯の8代目 市野茂子さんです。 93 00:12:39,125 --> 00:12:43,463 まず全体に化粧土をかけます。 94 00:12:43,463 --> 00:12:48,568 次に別の色の化粧土で 模様を描いていきます。 95 00:13:02,649 --> 00:13:06,886 スリップウェアは 18世紀から19世紀にかけて➡ 96 00:13:06,886 --> 00:13:09,922 イギリスで盛んに作られました。 97 00:13:09,922 --> 00:13:16,329 しかし産業革命による大量生産の流れに 押され 廃れていきます。 98 00:13:20,900 --> 00:13:25,238 そんなスリップウェアが 日本の窯で作られているのには➡ 99 00:13:25,238 --> 00:13:28,741 一人のイギリス人が関わっています。 100 00:13:32,011 --> 00:13:39,352 柳 宗悦とともに 民藝運動を牽引したバーナード・リーチ。 101 00:13:39,352 --> 00:13:44,590 陶芸家だったリーチは 日本の伝統的な窯元を訪ね歩き➡ 102 00:13:44,590 --> 00:13:47,794 丹波焼にも興味を持ちました。 103 00:13:49,996 --> 00:13:54,200 丹波焼には 「墨流し」という技法があります。 104 00:13:56,903 --> 00:14:02,875 使うのは釉薬ですが 器の表面に フリーハンドで模様をつける方法が➡ 105 00:14:02,875 --> 00:14:06,079 スリップウェアと似ていました。 106 00:14:09,649 --> 00:14:15,521 リーチは 茂子さんの夫・茂良さんを イギリスに招きます。 107 00:14:15,521 --> 00:14:22,228 リーチの工房は一度 途絶えていた スリップウェアに取り組んでいました。 108 00:14:22,228 --> 00:14:28,468 市野さん一家は海を渡り リーチのもとで学びました。 109 00:14:28,468 --> 00:14:31,003 クリスマスパーティーがあったんですね。 110 00:14:31,003 --> 00:14:34,974 その時も工房の中 全部 飾りつけて➡ 111 00:14:34,974 --> 00:14:40,346 リーチさんと 工房の方たちと 家族が みんな集まって➡ 112 00:14:40,346 --> 00:14:47,120 うちの子なんかは一緒に踊ったり リーチさんと したりしてました。 113 00:14:47,120 --> 00:14:50,523 リーチさんって優しいんですよ 本当に もう。 114 00:14:52,925 --> 00:14:58,398 帰国後 茂良さんは丹波の地で スリップウェアに取り組み➡ 115 00:14:58,398 --> 00:15:02,902 夫の死後は茂子さんが跡を継いでいます。 116 00:15:09,809 --> 00:15:13,012 下書きなしで一息に。 117 00:15:16,682 --> 00:15:19,585 一期一会の模様です。 118 00:15:23,923 --> 00:15:25,892 自分が思うようにしようって思ってても➡ 119 00:15:25,892 --> 00:15:30,163 ちょっと線が ゆがんだりも したりするけども➡ 120 00:15:30,163 --> 00:15:37,270 でも それ焼いてみたら それでも面白いな と思ったりするししてね。 121 00:15:37,270 --> 00:15:41,974 私は スリップが好きです。 122 00:15:44,377 --> 00:15:49,182 スリップウェアは リーチや柳らが伝え広めたことで➡ 123 00:15:49,182 --> 00:15:53,085 日本で美しい花を咲かせました。 124 00:15:54,687 --> 00:15:56,789 二つ目のツボは… 125 00:16:04,730 --> 00:16:07,700 多くの窯元がある島根県。 126 00:16:07,700 --> 00:16:12,205 ここにも柳やリーチは足繁く通いました。 127 00:16:16,409 --> 00:16:20,313 大正11年創業の窯元です。 128 00:16:23,816 --> 00:16:30,523 工房に隣接した店には スリップウェアの やきものが数多く並んでいます。 129 00:16:38,898 --> 00:16:43,102 中でも人気が高いのが「エッグ・ベーカー」。 130 00:16:43,102 --> 00:16:46,205 50年来のロングセラーです。 131 00:16:55,348 --> 00:17:00,853 エッグ・ベーカーの底に スリップウェアの技法で模様をつけます。 132 00:17:13,866 --> 00:17:21,474 この窯に エッグ・ベーカー作りを 勧めたのも バーナード・リーチでした。 133 00:17:21,474 --> 00:17:26,145 当時 この窯では 今ほど器が売れていませんでした。 134 00:17:26,145 --> 00:17:32,952 新しい試みとして リーチは エッグ・ベーカーを提案したのです。 135 00:17:36,322 --> 00:17:38,824 おいしい卵を焼きます。 136 00:17:47,433 --> 00:17:50,336 どう言いますか 勘というか。 137 00:17:50,336 --> 00:17:52,638 あまり強火じゃないみたいで。 138 00:17:52,638 --> 00:17:55,841 たまに こうして中を見てもらうと いいですわ。 139 00:17:55,841 --> 00:18:00,413 ちょっと白くなりました。 140 00:18:00,413 --> 00:18:02,815 中火で4~5分。 141 00:18:05,251 --> 00:18:09,622 これで大体 3分から4分 蒸らしてもらうと いいです。 142 00:18:09,622 --> 00:18:11,724 おいしく焼けます。 143 00:18:16,395 --> 00:18:24,603 直接 火にかけ そのまま食卓に出し あつあつのまま食べられる。 144 00:18:24,603 --> 00:18:29,408 エッグ・ベーカーは この窯の代表アイテムとなりました。 145 00:18:34,947 --> 00:18:40,753 リーチは もう一つ 西洋の日用品の作り方を教えました。 146 00:18:40,753 --> 00:18:43,155 コーヒーカップです。 147 00:18:47,226 --> 00:18:53,733 若き陶工だった福間琇士さんは リーチから直接 教えを受けました。 148 00:18:55,935 --> 00:18:58,638 特に熱心に指導されたのが➡ 149 00:18:58,638 --> 00:19:03,843 「ウエットハンドル」といわれる カップの取っ手付けの手法。 150 00:19:11,350 --> 00:19:15,554 リーチの要求に応えるのは 大変だったそうです。 151 00:19:17,623 --> 00:19:22,428 これは バーナード・リーチ先生に 教わりました。 152 00:19:22,428 --> 00:19:26,298 指が1本 入って ちょうど。 153 00:19:26,298 --> 00:19:31,170 大きいと バランス悪いし 小さいと当たって熱くて いけないと。 154 00:19:31,170 --> 00:19:35,875 そして ここから取っ手を ただ取って付けちゃいけないと。 155 00:19:35,875 --> 00:19:38,310 ここから生えてるように付けると。 156 00:19:38,310 --> 00:19:43,983 そうすると力強さも出るし 美しさが出るという。 157 00:19:43,983 --> 00:19:46,886 ずいぶん これ苦労しました。 158 00:19:46,886 --> 00:19:52,992 仕事が休んでからも やるし ちょっと 空が明るくなるまで やったもんですわ。 159 00:19:57,530 --> 00:20:02,368 こう 口当たりのいい 唇が喜ぶように作れ。 160 00:20:02,368 --> 00:20:07,573 カップの中も スプーンで混ぜるから 丸くするように。 161 00:20:07,573 --> 00:20:12,545 そうすると 自然と美しさも出るからという。 162 00:20:12,545 --> 00:20:16,315 力強さも出ると こういうことをおっしゃってましたわ。 163 00:20:16,315 --> 00:20:18,317 用の美かなと思って。 164 00:20:23,122 --> 00:20:26,926 使いやすいものこそ美しい。 165 00:20:26,926 --> 00:20:32,231 海を越えて 時代を超えて 民藝の心を伝えます。 166 00:20:36,969 --> 00:20:41,774 どうです? 民藝スタイルで攻めてみました。 167 00:20:41,774 --> 00:20:45,745 ふだん使いだけど いいものっていう狙いで… ねっ。 168 00:20:45,745 --> 00:20:49,815 あら すてきな器。 169 00:20:49,815 --> 00:20:52,718 さて じゃあ そろそろね。 170 00:20:55,054 --> 00:20:57,656 あれ? 映らないよ。 171 00:20:59,825 --> 00:21:05,731 あれ? 映らないよ これ。 どうしたの? 172 00:21:16,041 --> 00:21:18,244 東京・吉祥寺。 173 00:21:21,347 --> 00:21:27,052 こちらの店は 全国各地の 手仕事の品を扱っています。 174 00:21:31,357 --> 00:21:35,227 おうちごはんを 少しでも楽しいものにしたい。 175 00:21:35,227 --> 00:21:40,733 そんな人たちが今 手仕事の器に 引かれているのだとか。 176 00:21:48,240 --> 00:21:53,345 8年前に この店を開いた 久保田 直さんです。 177 00:21:55,981 --> 00:21:59,418 久保田さんが この店を開く きっかけとなったのは➡ 178 00:21:59,418 --> 00:22:02,655 大手インテリアショップの バイヤー時代に➡ 179 00:22:02,655 --> 00:22:07,359 バーナード・リーチの器に出会い 衝撃を受けたことでした。 180 00:22:16,902 --> 00:22:19,672 触った時に 土の質感が やっぱ気持ちよくて➡ 181 00:22:19,672 --> 00:22:21,941 手触りとか形とかっていうのが➡ 182 00:22:21,941 --> 00:22:28,681 手のひらに しっくりくる感覚というのが あって あ~ 何か 和むなっていう。 183 00:22:28,681 --> 00:22:32,451 持ってて気持ちいいなって。 何の知識も ないんですけども。 184 00:22:32,451 --> 00:22:35,354 バーナード・リーチって誰?っていう ぐらいでしたから。 185 00:22:35,354 --> 00:22:42,127 例えば こんな皿を持った時に 手のひらに吸い付くような感覚が➡ 186 00:22:42,127 --> 00:22:46,131 「何か 持ってて気持ちいいですよね」とか 「安心感ありますよね」という話は➡ 187 00:22:46,131 --> 00:22:48,133 よくするんです。 188 00:22:50,469 --> 00:22:54,340 久保田さんは かつての柳やリーチのように➡ 189 00:22:54,340 --> 00:22:58,043 全国の窯元を訪ね歩いています。 190 00:23:02,081 --> 00:23:06,085 民藝の窯元で修業し 独立した職人たちが➡ 191 00:23:06,085 --> 00:23:10,389 伝統を生かした やきもの作りに 取り組んでいます。 192 00:23:21,867 --> 00:23:24,069 今日 最後のツボは… 193 00:23:33,078 --> 00:23:36,649 深く透明感をたたえた青。 194 00:23:36,649 --> 00:23:41,654 窯元の名を冠して「出西ブルー」と 称されています。 195 00:23:43,422 --> 00:23:49,028 東京などのセレクトショップが扱い 人気が出た民藝の器です。 196 00:23:51,964 --> 00:23:55,868 窯元は島根県の出雲市にあります。 197 00:24:03,208 --> 00:24:07,079 総勢24名が働く大所帯。 198 00:24:07,079 --> 00:24:14,787 ベテランもいれば 陶工を志して 全国から 集まってきた若者も数多くいます。 199 00:24:17,222 --> 00:24:22,728 この窯が開かれたのは 戦後まもない昭和22年。 200 00:24:24,763 --> 00:24:30,135 農家の5人の若者が 生きていくための仕事を模索する中で➡ 201 00:24:30,135 --> 00:24:33,339 陶器作りに乗り出しました。 202 00:24:33,339 --> 00:24:39,044 当初は芸術的な陶芸を目指しましたが すぐに壁にぶつかります。 203 00:24:41,980 --> 00:24:48,987 そんな時に知ったのが 柳 宗悦たちが掲げる民藝の理念でした。 204 00:24:51,357 --> 00:24:57,463 青年たちは民藝運動に関わっていた 島根県出身の陶芸家➡ 205 00:24:57,463 --> 00:25:01,367 河井寛次郎に教えを請いました。 206 00:25:01,367 --> 00:25:08,874 「用の美」を説く河井の言葉に感銘を受け ふだん使いの器作りを決意します。 207 00:25:11,310 --> 00:25:15,180 青年たちは研究を重ねました。 208 00:25:15,180 --> 00:25:18,684 中でも力を入れたのが釉薬。 209 00:25:22,955 --> 00:25:28,227 作っては河井に見せ 指導を受けては また作る。 210 00:25:28,227 --> 00:25:32,731 師弟関係は河井の晩年まで続きました。 211 00:25:35,868 --> 00:25:43,475 釉薬は木を燃やしてできる灰に 長石や顔料などを混ぜて作ります。 212 00:25:43,475 --> 00:25:49,882 顔料に酸化銅を使った「緑釉」は 味わい深い緑色に。 213 00:26:00,325 --> 00:26:06,165 原料の種類や配合を変え 濃度や焼き方も さまざま試しながら➡ 214 00:26:06,165 --> 00:26:09,068 理想の色を探します。 215 00:26:26,018 --> 00:26:29,888 そして あの青い釉薬。 216 00:26:29,888 --> 00:26:37,296 平成元年から本格的に取り組み始めた この色は この窯の代名詞となります。 217 00:26:47,940 --> 00:26:56,748 こう 何て言うんですかね 日本海の すごく晴れた海の青というものが➡ 218 00:26:56,748 --> 00:27:02,588 おそらく この出西が目指していく ブルーだと思ってますので。 219 00:27:02,588 --> 00:27:10,195 ですから それが少し 例えば曇りになった時の青ではなくて➡ 220 00:27:10,195 --> 00:27:17,102 もっと透明な すごく気持ちいい青が できるようにっていうのは➡ 221 00:27:17,102 --> 00:27:24,543 濃度とか それから焼き方とか全てが 一つになっていきますから。 222 00:27:24,543 --> 00:27:29,148 それを目標として やっていくこと じゃないのかなとは思います。 223 00:27:33,118 --> 00:27:36,989 きのうの色より 今日の色が➡ 224 00:27:36,989 --> 00:27:44,062 今日の器より あしたの器が 良いものであるように。 225 00:27:44,062 --> 00:27:50,269 工房では陶工たちが 今日も器を作り続けています。 226 00:28:14,092 --> 00:28:18,830 懐かしいね~ うんうん 元気 元気。 そっちは? 227 00:28:18,830 --> 00:28:24,036 草刈さん オンライン同窓会は どうしたんですか? 228 00:28:24,036 --> 00:28:27,439 つなぎ方 分からなくてさ。 229 00:28:27,439 --> 00:28:30,642 あの… パソコンの調子が悪くてさ。 230 00:28:30,642 --> 00:28:34,513 次回は もう必ず! ねっ。 231 00:28:34,513 --> 00:28:37,416 それじゃ 乾杯しよう。 232 00:28:37,416 --> 00:28:39,718 再会に乾杯! 233 00:28:44,990 --> 00:28:47,292 あ そう…。 234 00:28:50,796 --> 00:28:52,798 何だ これ… ノンアルじゃないか。