1 00:00:01,235 --> 00:00:29,429 ♬~ 2 00:00:32,499 --> 00:00:36,069 草刈さん どうしたんですか? それ。 3 00:00:36,069 --> 00:00:41,275 ん? これね 叔父さんが集めたものだと 思うんですけどね➡ 4 00:00:41,275 --> 00:00:43,810 蔵にあった箱を開けたら これ 全部➡ 5 00:00:43,810 --> 00:00:47,681 白地に青い模様のものばかりなんですよ。 6 00:00:47,681 --> 00:00:50,550 すてきな染付ですね。 7 00:00:50,550 --> 00:00:52,553 えっ 染付? 8 00:00:56,189 --> 00:01:01,495 白地に青の絵柄が施された 焼き物 「染付」。 9 00:01:01,495 --> 00:01:05,198 全国に さまざまな種類があります。 10 00:01:09,236 --> 00:01:14,575 きりっとした青と白のコントラストは 料理を引き立て➡ 11 00:01:14,575 --> 00:01:18,178 食卓を涼やかに演出してくれます。 12 00:01:22,916 --> 00:01:28,922 京都の夏の茶会では 染付に込めた思いに注目。 13 00:01:34,027 --> 00:01:39,333 いにしえの青に引かれ 研究を続ける陶芸家。 14 00:01:41,902 --> 00:01:49,409 一方 文様に魅せられた陶芸家は 伝統をモダンに変化させます。 15 00:01:52,512 --> 00:01:58,085 長い歴史を持ち 今も進化し続ける染付。 16 00:01:58,085 --> 00:02:01,888 今回は その多様な魅力を堪能します。 17 00:02:18,872 --> 00:02:24,578 さまざまな時代や産地の 染付を扱う骨董店があります。 18 00:02:28,482 --> 00:02:33,787 中でも店主のおすすめは 古伊万里の染付。 19 00:02:36,356 --> 00:02:39,926 古伊万里は江戸時代に 肥前➡ 20 00:02:39,926 --> 00:02:45,298 現在の佐賀県と長崎県で作られた 磁器のこと。 21 00:02:45,298 --> 00:02:52,406 高級品から手頃な品まで 伊万里の港から 全国へと運ばれていきました。 22 00:02:54,441 --> 00:03:00,247 古伊万里は江戸時代 ほぼ ずっと 200年以上かけて➡ 23 00:03:00,247 --> 00:03:04,217 有田で作って 全国に 行き渡らせてましたんで➡ 24 00:03:04,217 --> 00:03:12,359 あらゆるもので ものすごい種類のものが 日本の全国の蔵に残ってますからね。 25 00:03:12,359 --> 00:03:18,165 それを今でも 私たちも仕事で仕入れて 選べて➡ 26 00:03:18,165 --> 00:03:22,803 また値段の幅も 物によって いろんな種類があるんですけど➡ 27 00:03:22,803 --> 00:03:25,605 本当に もう ちょっとした お小遣いぐらいの値段から➡ 28 00:03:25,605 --> 00:03:30,811 そういう200年ぐらい前の器が買えて みんなが ふだんに使えるっていうのが➡ 29 00:03:30,811 --> 00:03:33,113 まず魅力やと思います 古伊万里は。 30 00:03:34,681 --> 00:03:37,918 絵柄も楽しみの一つ。 31 00:03:37,918 --> 00:03:45,726 江戸時代中期に作られた こちらの器には 珍しい幾何学模様が描かれています。 32 00:03:47,494 --> 00:03:51,465 幕末近くになると ものすごい いろんなバラエティーの模様が➡ 33 00:03:51,465 --> 00:03:56,636 いっぱい出てくるんですけど こいつです 蛙。 34 00:03:56,636 --> 00:04:01,241 「柳に蛙」という模様はね 数は少ないんですけど時々あって➡ 35 00:04:01,241 --> 00:04:05,645 こういうのを ちょっと探される楽しみは 古伊万里の中ではあると思います。 36 00:04:09,049 --> 00:04:14,387 明治時代になると型紙や銅版で 絵柄を転写する➡ 37 00:04:14,387 --> 00:04:17,691 「印判」という技法が広まります。 38 00:04:19,259 --> 00:04:26,666 印判の染付は 手描きとは一味違う 楽しみ方があると 杉本さんは言います。 39 00:04:31,138 --> 00:04:33,707 まだ あんまり こう安定を 技術もしてなかったようで➡ 40 00:04:33,707 --> 00:04:37,110 結構もう「あっ 失敗した」みたいな。 41 00:04:37,110 --> 00:04:39,045 たぶん紙を ペターッと貼るんで➡ 42 00:04:39,045 --> 00:04:41,882 ここは もう模様が くっついてしまってるんですね。 43 00:04:41,882 --> 00:04:45,285 こういうところの未熟な感じの面白さが➡ 44 00:04:45,285 --> 00:04:48,588 きっちり できてないのが面白いです 印判は。 45 00:04:50,157 --> 00:04:53,093 日本や中国の染付をまねて➡ 46 00:04:53,093 --> 00:04:58,899 17世紀から盛んに作られた オランダのデルフト陶器。 47 00:05:01,168 --> 00:05:05,038 錫を原料とする白い釉薬をかけるため➡ 48 00:05:05,038 --> 00:05:09,743 ヨーグルトのような 柔らかい肌合いが魅力です。 49 00:05:12,779 --> 00:05:19,686 染付が長きにわたり各地で愛されるのには 理由があるといいます。 50 00:05:23,890 --> 00:05:29,563 例えば もっと見た目も良くて 割れなくて 清潔で安価で➡ 51 00:05:29,563 --> 00:05:33,433 しかも 物が盛りやすいものが デザイン的にも技術的にも➡ 52 00:05:33,433 --> 00:05:38,705 もし できたら… どれかの時代の タイミングで できてたら➡ 53 00:05:38,705 --> 00:05:42,876 それに移行すると思うんですけど たぶん そういう意味で こういうものは➡ 54 00:05:42,876 --> 00:05:46,780 完成してしまってるんやと思います。 55 00:05:49,983 --> 00:05:52,385 今日 一つ目のツボは… 56 00:06:05,031 --> 00:06:11,538 東京・渋谷区で食器店を営む刀根弥生さん。 57 00:06:11,538 --> 00:06:16,643 ふだん使いの器にも なみなみならぬ こだわりがあります。 58 00:06:20,680 --> 00:06:23,383 骨董から現代作家まで➡ 59 00:06:23,383 --> 00:06:30,390 食卓にアクセントを与えてくれる 染付の器は特に お気に入りなのだとか。 60 00:06:32,392 --> 00:06:36,329 こちらは女性の作家さんの鉢で➡ 61 00:06:36,329 --> 00:06:40,133 あまり描き込みすぎてない柔らかさ というか。 62 00:06:40,133 --> 00:06:44,404 だけれども染付のきりりとした感じは あって➡ 63 00:06:44,404 --> 00:06:50,210 本当に こう煮物だったりですとか サラダとか いろいろに使っています。 64 00:06:50,210 --> 00:06:56,416 ちょっと こう 和っぽすぎないので 洋風なものも おいしそうに見えます。 65 00:07:18,071 --> 00:07:24,244 合わせる素材で 全く表情を変えるのも 染付の魅力だといいます。 66 00:07:24,244 --> 00:07:26,746 そばちょこを組み合わせます。 67 00:07:26,746 --> 00:07:35,455 竹の こう 風通しのいい感じと 染付の つるんとした涼やかさが よく合います。 68 00:07:35,455 --> 00:07:42,662 ガラスの透明感も加えると より夏らしさが目に伝わります。 69 00:07:47,067 --> 00:07:51,604 赤い漆のお盆や 金の盃と合わせれば➡ 70 00:07:51,604 --> 00:07:55,608 華やかな おもてなしの席に ぴったり。 71 00:07:59,346 --> 00:08:04,951 染付の真価は 料理を盛りつけた時に 発揮されます。 72 00:08:09,990 --> 00:08:13,493 とうもろこしごはんを盛りつければ…。 73 00:08:17,130 --> 00:08:21,835 鮮やかな黄色が引き立つ 夏のお膳。 74 00:08:26,139 --> 00:08:32,545 四角い絵柄のシンプルな丸皿と うり形のひょろりと長い皿。 75 00:08:35,815 --> 00:08:40,019 盛りつけは絵柄を少し のぞかせて。 76 00:08:41,988 --> 00:08:48,695 トマトの赤と 黄色の縁から 角ばった染付の藍の色が見えたら➡ 77 00:08:48,695 --> 00:08:50,630 きれいだろうなと思って➡ 78 00:08:50,630 --> 00:08:56,136 鮮やかな色と染付の藍の色の美しさを 感じたいと思いました。 79 00:08:58,271 --> 00:09:03,877 染付と一口に言っても 色みも絵柄も さまざま。 80 00:09:06,079 --> 00:09:10,784 料理をのせれば その組み合わせは無限大。 81 00:09:14,220 --> 00:09:19,826 どんな食材でも どんな食卓でも しっかり受け止めてくれる➡ 82 00:09:19,826 --> 00:09:22,729 頼もしい器です。 83 00:09:29,102 --> 00:09:32,572 あ~ 染付ね。 なるほど。 84 00:09:32,572 --> 00:09:34,974 あれ? 85 00:09:34,974 --> 00:09:38,244 これ1個だけ白いのがある。 86 00:09:38,244 --> 00:09:42,015 あ~ やっぱり模様がないと つまんないね これ。 87 00:09:42,015 --> 00:09:45,652 え~ 今「つまらない」って言ったかしら? 88 00:09:45,652 --> 00:09:48,755 えっ… そばちょこ しゃべった? 89 00:09:50,790 --> 00:09:55,628 そう。 話しかけたの わ・た・し。 90 00:09:55,628 --> 00:09:57,630 え~っ? 91 00:10:08,208 --> 00:10:14,314 東京・足立区に 焼き物のコレクションで 知られる美術館があります。 92 00:10:19,486 --> 00:10:25,592 ここに とても希少な染付が 178件も収蔵されています。 93 00:10:36,302 --> 00:10:40,106 中国の磁器の一大産地 景徳鎮で➡ 94 00:10:40,106 --> 00:10:45,111 ある期間にだけ作られた 謎多き 焼き物です。 95 00:10:48,515 --> 00:10:53,086 集めたのは 実業家・佐藤千壽。 96 00:10:53,086 --> 00:10:56,523 29歳で古染付の蒐集を始め➡ 97 00:10:56,523 --> 00:11:00,527 日本有数のコレクションを 築き上げました。 98 00:11:02,862 --> 00:11:06,232 古染付の多くは 日本の茶人が➡ 99 00:11:06,232 --> 00:11:11,738 景徳鎮の民間の窯に依頼して 作らせたと考えられています。 100 00:11:13,406 --> 00:11:19,712 青と白の焼き物が 当時の茶人の嗜好に ぴったりでした。 101 00:11:22,015 --> 00:11:25,485 縁に見られる 釉薬の欠け落ち。 102 00:11:25,485 --> 00:11:32,492 こんな欠陥も 茶人は「虫喰い」と呼び 景色として喜びました。 103 00:11:37,163 --> 00:11:41,668 裏を返せば こちらにも絵が続きます。 104 00:11:44,971 --> 00:11:47,807 みかんの肌の ぼつぼつ。 105 00:11:47,807 --> 00:11:51,411 遊び心が随所に見られます。 106 00:11:53,513 --> 00:12:00,353 形や絵付けの面白さもさることながら 古染付には もう一つポイントがあります。 107 00:12:00,353 --> 00:12:03,356 それが青の色。 108 00:12:06,092 --> 00:12:12,365 景徳鎮で作られた染付でも 宮廷用の高級品と比べると➡ 109 00:12:12,365 --> 00:12:16,169 やや鈍く沈んだ青のよう。 110 00:12:18,571 --> 00:12:23,776 これも日本の茶人の心をくすぐりました。 111 00:12:31,150 --> 00:12:37,390 どこか くすんだ この青を 「墨絵のような趣」と捉え➡ 112 00:12:37,390 --> 00:12:40,593 枯淡の味わいとして好んだのです。 113 00:12:44,097 --> 00:12:46,499 今日 二つ目のツボは… 114 00:12:58,344 --> 00:13:01,447 京都市北区の山あい。 115 00:13:07,854 --> 00:13:12,759 ここに古染付に魅了された 陶芸家がいます。 116 00:13:14,961 --> 00:13:17,363 村田 森さん。 117 00:13:17,363 --> 00:13:23,670 個展を開けば 日本各地から ファンが集まる 人気陶芸家です。 118 00:13:37,317 --> 00:13:44,123 中国骨董のうつしから オリジナルまで 幅広い作品を手がけます。 119 00:13:51,397 --> 00:13:56,803 村田さんが陶芸家を志したのは 高校生の時。 120 00:13:56,803 --> 00:14:01,908 展覧会での ある焼き物との出会いが きっかけでした。 121 00:14:04,444 --> 00:14:10,249 それは北大路魯山人による 古染付のうつしの皿。 122 00:14:10,249 --> 00:14:15,154 村田さんは この作品に強く引かれました。 123 00:14:17,557 --> 00:14:19,559 すごい衝撃 受けましたね。 124 00:14:19,559 --> 00:14:23,663 単純にいうと かっこいいなあって 思ったんですけど。 125 00:14:23,663 --> 00:14:28,267 食器なんですけど 高校生がね かっこいいって思うんですから➡ 126 00:14:28,267 --> 00:14:30,770 本当に感動したんですよね。 127 00:14:32,472 --> 00:14:40,079 陶芸家となってからは 中国や日本の 古い染付を徹底的に研究。 128 00:14:40,079 --> 00:14:45,051 特に こだわったのが青の色でした。 129 00:14:45,051 --> 00:14:49,856 食器で目指す青の色というのは 清潔感のある紺色というかね 藍色で➡ 130 00:14:49,856 --> 00:14:54,160 で 紫色も若干 何か 混じってて。 131 00:14:54,160 --> 00:14:58,431 染付の青のもととなるのは「呉須」。 132 00:14:58,431 --> 00:15:02,435 コバルトを主な成分とする顔料です。 133 00:15:04,237 --> 00:15:11,010 コバルト以外の成分の含有率によって 色みが微妙に変わります。 134 00:15:11,010 --> 00:15:17,417 マンガンが多いと赤みが増し 鉄が多いと黒っぽくなります。 135 00:15:19,719 --> 00:15:27,727 研究の末 村田さんは成分の違う呉須を 3種類 ブレンドすることにしました。 136 00:15:32,765 --> 00:15:35,568 そこに ベンガラを加えます。 137 00:16:05,231 --> 00:16:09,735 焼き上げる前の顔料は赤茶色。 138 00:16:16,876 --> 00:16:20,580 素焼きした素地に絵付けしていきます。 139 00:16:34,260 --> 00:16:38,898 釉薬によっても色の出方が変わります。 140 00:16:38,898 --> 00:16:42,602 ブレンドした釉薬の濃度を見極めます。 141 00:16:57,283 --> 00:17:00,186 それは すごい合わせますね。 142 00:17:02,622 --> 00:17:10,029 釉薬が厚くかかると色がぼけてしまうため 厚みも慎重に調整します。 143 00:17:19,539 --> 00:17:23,543 村田さんの器が完成しました。 144 00:17:30,316 --> 00:17:36,322 緻密な作業を繰り返して たどりついた 深い藍色。 145 00:17:52,939 --> 00:17:56,342 そういうところに ちょっとでも 近づきたいというような気持ちですかね。 146 00:17:59,045 --> 00:18:05,351 深遠なる古典の川を泳ぎ続ける鯰です。 147 00:18:13,626 --> 00:18:17,763 話しかけたのは私 模様だけどね。 148 00:18:17,763 --> 00:18:23,469 模様? つまりタコってこと? 149 00:18:23,469 --> 00:18:26,672 そうね 今はタコだけど➡ 150 00:18:26,672 --> 00:18:29,575 時には魚になったり➡ 151 00:18:29,575 --> 00:18:33,446 時には波になったり➡ 152 00:18:33,446 --> 00:18:37,350 時には雷になったり。 153 00:18:37,350 --> 00:18:39,352 へえ すごいな。 154 00:18:39,352 --> 00:18:43,789 でも本当は一体 何者なの? 155 00:18:43,789 --> 00:18:47,026 えっ 私? 156 00:18:47,026 --> 00:18:49,862 あっ 泣いちゃった。 157 00:18:49,862 --> 00:18:52,264 あれ どうしよう。 158 00:19:13,853 --> 00:19:19,558 大正9年創業の茶道具店に 設けられた茶室です。 159 00:19:30,069 --> 00:19:36,475 毎年7月 祇園祭に合わせて 茶会が開かれます。 160 00:19:40,212 --> 00:19:46,018 茶席のしつらえも この時期ならではのものに。 161 00:19:46,018 --> 00:19:50,990 7月ですので 外は暑いですけども この茶席の中はですね➡ 162 00:19:50,990 --> 00:19:59,231 少しでも涼を感じて頂くような そういう思いで➡ 163 00:19:59,231 --> 00:20:02,435 いつも取り合わせをさせて 頂いております。 164 00:20:04,070 --> 00:20:08,908 床には桃山時代の祇園祭の掛け物。 165 00:20:08,908 --> 00:20:12,411 青磁に むくげと葦を合わせました。 166 00:20:15,147 --> 00:20:23,155 この日の主役は 中国 明時代末期に 作られた古染付の水指。 167 00:20:33,399 --> 00:20:38,804 見た感じも すごく涼しげですし この縦に筋が入って➡ 168 00:20:38,804 --> 00:20:43,909 こういう丸文の水指というのは 非常に数少ないんですよね。 169 00:20:50,015 --> 00:20:55,821 古代インドの装身具を図案化した 縁起のいい丸文。 170 00:20:55,821 --> 00:21:03,129 水を連想させる縦じまの上を ぷかぷかと漂うように浮かんでいます。 171 00:21:09,869 --> 00:21:16,876 菓子器は「祥瑞」と呼ばれる 17世紀の中国で作られた染付。 172 00:21:21,313 --> 00:21:28,420 唐草や亀甲など めでたい文様で 埋め尽くされ 茶席を盛り上げます。 173 00:21:35,427 --> 00:21:40,332 広間には長寿を願う鶴と亀。 174 00:21:42,067 --> 00:21:47,973 代々 受け継がれてきた 祈りの心が ちりばめられています。 175 00:21:55,080 --> 00:22:03,856 こういう染付という磁器を代表するものが 入ることによって➡ 176 00:22:03,856 --> 00:22:09,461 茶席を明るく照らしてくれる。 ひいては全体の品性を上げてくれる。 177 00:22:09,461 --> 00:22:14,366 バランスをよくしてくれるというふうな そういうふうに思います。 178 00:22:19,138 --> 00:22:21,440 今日 最後のツボは… 179 00:22:30,082 --> 00:22:32,818 福岡県福津市。 180 00:22:32,818 --> 00:22:36,822 海外でも注目される陶芸家がいます。 181 00:22:40,092 --> 00:22:42,294 藤吉憲典さん。 182 00:22:44,029 --> 00:22:49,034 身近な自然をスケッチするのが 藤吉さんの日課です。 183 00:23:02,281 --> 00:23:07,887 今 描いているのは伝統的な牡丹唐草文様。 184 00:23:14,593 --> 00:23:21,500 絵付けをする時には 自然に触れて 感じたことを大切にしています。 185 00:23:33,312 --> 00:23:37,516 唐草 ずっと蔓がつながってる 模様なんで➡ 186 00:23:37,516 --> 00:23:44,356 勢いを… つながりというか流れ方が 大事かなとは思ってるんですけど。 187 00:23:44,356 --> 00:23:52,031 蔓が進んだ方向に向かって 枝葉も出ていくっていう。 188 00:23:52,031 --> 00:23:59,038 仕上げは 水をたっぷり含んだ呉須で 花に色をさします。 189 00:24:04,743 --> 00:24:12,551 青い唐草の蔓の中に 柔らかな牡丹の花が ぽっと咲きました。 190 00:24:18,857 --> 00:24:21,393 藤吉さんは もともと東京で➡ 191 00:24:21,393 --> 00:24:26,165 グラフィックデザインの仕事を していました。 192 00:24:26,165 --> 00:24:32,304 22歳の時 故郷で出会ったのが 有田焼の染付。 193 00:24:32,304 --> 00:24:37,109 その絵柄が デザインとして 優れていることに気付いたといいます。 194 00:25:07,139 --> 00:25:11,477 藤吉さんは有田焼の絵付け指導にあたり➡ 195 00:25:11,477 --> 00:25:15,681 絵柄のそれぞれに 意味があることを知ります。 196 00:25:18,584 --> 00:25:28,360 これですね 暦文といって 昔 今でも 占い師さんが八卦で使いますよね。 197 00:25:28,360 --> 00:25:32,965 棒に線が チョンチョンって描いてある。 あれの模様です。 198 00:25:34,800 --> 00:25:41,206 連続する文様は めでたいことが 重なるとされ好まれました。 199 00:25:43,142 --> 00:25:48,447 無限に連なる海の波を表した「青海波」。 200 00:25:51,950 --> 00:25:55,154 「福寿」の文字の繰り返し。 201 00:25:55,154 --> 00:25:58,757 幸せを祈る気持ちが あふれます。 202 00:26:01,360 --> 00:26:07,266 藤吉さん 伝統的な文様を マグカップにも使います。 203 00:26:09,668 --> 00:26:16,575 今 描いているのは めでたい柄で 全体を覆う祥瑞文様。 204 00:26:20,012 --> 00:26:24,917 柄の帯と帯の間に 山水画を挟むのが一般的ですが➡ 205 00:26:24,917 --> 00:26:30,923 藤吉さんは あえて 柄帯の組み合わせだけで構成します。 206 00:26:42,267 --> 00:26:48,974 伝統の文様を使いながらも どこかに現代の感性を生かす。 207 00:26:48,974 --> 00:26:52,978 それが藤吉さんの目指すところです。 208 00:27:01,887 --> 00:27:08,093 藤吉さんの作品は 海外でも発表され 人気となりました。 209 00:27:11,964 --> 00:27:17,769 唐草模様の蔓の上に とまっているのは小鳥。 210 00:27:20,572 --> 00:27:26,578 深い森の中の小さな命の息吹を 表現しました。 211 00:27:31,984 --> 00:27:37,556 亀甲を意味する六角形に乗った亀。 212 00:27:37,556 --> 00:27:45,998 文様の意味を作品と深く結びつける 斬新な試みが高く評価されました。 213 00:27:45,998 --> 00:27:51,803 自分の作ってるものは 奇抜な表現技術は 一切 使わずに➡ 214 00:27:51,803 --> 00:27:58,911 伝統的な技術だけで やってるので そこを変えようとは➡ 215 00:27:58,911 --> 00:28:03,181 今のところは思ってないですね。 216 00:28:03,181 --> 00:28:12,190 深い青が好きなので そこを基本に 変わり続けていけたら いいのかなと。 217 00:28:14,259 --> 00:28:18,063 これまでも そして これからも。 218 00:28:18,063 --> 00:28:22,367 限りなく広がる 青と白の世界です。 219 00:28:27,339 --> 00:28:30,042 私って一体 何者なんだろう? 220 00:28:30,042 --> 00:28:31,977 でも いいじゃないの。 221 00:28:31,977 --> 00:28:36,782 いろんなものに なれるなんて… ねっ すばらしいことだよ。 222 00:28:36,782 --> 00:28:43,088 そう? じゃあ 私 これから自分を探す旅に出ます。 223 00:28:43,088 --> 00:28:45,090 えっ ちょっと待って。 224 00:28:48,794 --> 00:28:51,229 いなくなっちゃった。 225 00:28:51,229 --> 00:28:54,132 自分を見つけたら➡ 226 00:28:54,132 --> 00:28:56,134 いつでも戻っておいで。