1 00:00:02,202 --> 00:00:30,197 ♬~ 2 00:00:32,199 --> 00:00:34,701 ん~。 3 00:00:38,972 --> 00:00:41,875 あなた ど… どなたです? 4 00:00:41,875 --> 00:00:44,411 シッ! 静かに。 5 00:00:44,411 --> 00:00:48,148 な… 何なんです? あなた。 6 00:00:48,148 --> 00:00:50,651 うん! うん? 7 00:00:52,319 --> 00:00:55,222 読んで。 8 00:00:55,222 --> 00:00:57,991 何ですか? これ。 9 00:00:57,991 --> 00:01:00,761 伝説の金印。 10 00:01:00,761 --> 00:01:04,631 金印って あの 邪馬台国の? 11 00:01:04,631 --> 00:01:09,002 草の刈の国王。 12 00:01:09,002 --> 00:01:11,772 そんな国 あった? 13 00:01:11,772 --> 00:01:16,109 そうだ! わしゃ トレジャーハンターである。 14 00:01:16,109 --> 00:01:21,248 伝説の はんこを 探しているのだ。 15 00:01:21,248 --> 00:01:23,250 はっ? 16 00:01:26,153 --> 00:01:31,224 誰もが必ず一つは持つ はんこ。 17 00:01:31,224 --> 00:01:34,795 その起源は 古代にまで さかのぼり➡ 18 00:01:34,795 --> 00:01:37,698 各時代の暮らし向きに応じた➡ 19 00:01:37,698 --> 00:01:43,203 ユニークで 多様な はんこが 世界中で誕生しました。 20 00:01:47,507 --> 00:01:51,712 印面の文字や図柄に刻まれた… 21 00:01:58,318 --> 00:02:06,126 代々受け継がれてきた技術が成す 精巧な作りと 芸術作品としての美しさ。 22 00:02:06,126 --> 00:02:11,131 はんこは 究極の美を兼ね備えた実用品です。 23 00:02:15,268 --> 00:02:20,273 今日は 奥深い はんこの世界に迫ります。 24 00:02:24,378 --> 00:02:31,918 ♬~ 25 00:02:31,918 --> 00:02:36,757 はんこ その姿形は さまざま。 26 00:02:36,757 --> 00:02:40,961 銅や陶器 石などに 文字や図柄を彫り➡ 27 00:02:40,961 --> 00:02:44,965 意思を伝える道具として 使われてきました。 28 00:02:46,633 --> 00:02:51,304 こちらは 書家が使っていたものでしょうか…。 29 00:02:51,304 --> 00:02:54,808 硯と扇形の落款印。 30 00:02:54,808 --> 00:02:58,812 石の側面に文字が彫られています。 31 00:03:01,615 --> 00:03:08,121 僅か0.1ミリの 極細の線で刻まれているのは亀。 32 00:03:11,091 --> 00:03:17,297 密刻と呼ばれ 日本で彫れる職人は 数えるほどといいます。 33 00:03:21,268 --> 00:03:25,605 これらの はんこを集めたのは 真子 茂さん。 34 00:03:25,605 --> 00:03:30,310 そのコレクションは 400以上に及びます。 35 00:03:32,279 --> 00:03:38,151 こちらの はんこが 僕が一番初め はんこを集める きっかけになった➡ 36 00:03:38,151 --> 00:03:41,288 思い出の はんこ なんですけれども。➡ 37 00:03:41,288 --> 00:03:46,827 私 亀を飼ってますんで その亀の絵柄を 彫ってくださいとお願いしたんですけど。 38 00:03:46,827 --> 00:03:51,631 手足の長い亀で それが むしろ すごく気に入りまして。 39 00:03:56,103 --> 00:03:58,605 その はんこから… 40 00:04:02,242 --> 00:04:09,916 日本で唯一の はんこ専門雑誌の 編集長を務める 真子さん。 41 00:04:09,916 --> 00:04:15,722 実印や銀行印 以外に お礼状や ちょっとした仕事のメモにも➡ 42 00:04:15,722 --> 00:04:18,725 はんこを使っています。 43 00:04:21,261 --> 00:04:26,800 自分の名前が書かれた はんこだけでも 200種類。 44 00:04:26,800 --> 00:04:34,274 好きな車をあしらったり 3Dや自分の顔が入ったものまで。 45 00:04:34,274 --> 00:04:39,279 型にはまらない はんこライフを楽しんでいます。 46 00:04:47,788 --> 00:04:50,824 「私が この書類に書かれていることに➡ 47 00:04:50,824 --> 00:04:53,960 同意しましたよ」という証拠として➡ 48 00:04:53,960 --> 00:04:56,796 私の はんこを押して 相手に差し出してしまう。➡ 49 00:04:56,796 --> 00:05:00,767 相手は それを「確かに真子という人間が これを同意した」という証拠を➡ 50 00:05:00,767 --> 00:05:03,069 手に入れることができるんですね。 51 00:05:18,118 --> 00:05:21,121 今日1つ目の壺は… 52 00:05:28,728 --> 00:05:34,234 日本で最も有名な はんこ といえば こちら。 53 00:05:36,269 --> 00:05:40,607 志賀島で発見された 金印です。 54 00:05:40,607 --> 00:05:44,945 2,000年ほど前 漢の皇帝 光武帝が➡ 55 00:05:44,945 --> 00:05:49,282 委奴国王に 与えたといわれるもの。 56 00:05:49,282 --> 00:05:55,288 重さ108グラムで 純度の高い金で作られています。 57 00:05:57,791 --> 00:06:05,298 印面には… 5つの文字が彫られています。 58 00:06:08,735 --> 00:06:14,241 では この はんこをミュージシャンの シシド・カフカさんと見ていきましょう。 59 00:06:14,241 --> 00:06:16,476 カフカさん。 はい。 60 00:06:16,476 --> 00:06:19,512 はんこの どんなところに ひかれますか? 61 00:06:19,512 --> 00:06:22,916 私 趣味で書道をやっているんですけど➡ 62 00:06:22,916 --> 00:06:28,722 あの 白と黒の空間に 赤い名前が入るだけで➡ 63 00:06:28,722 --> 00:06:33,860 その世界観が すごく締まるんですね。 それが すてきだなと思っていて。 64 00:06:33,860 --> 00:06:37,797 教えていただくのは…。 65 00:06:37,797 --> 00:06:40,934 おっ! 今日 案内役を務めます 真子です。 66 00:06:40,934 --> 00:06:43,703 どうぞ よろしくお願いします。 (シシド・カフカ)お願いしま~す。 67 00:06:43,703 --> 00:06:46,606 はんこのほうは レプリカなので どうぞ手に取って ご覧ください。 68 00:06:46,606 --> 00:06:48,942 あっ はい。 失礼します。 69 00:06:48,942 --> 00:06:55,282 これ… 何か上についてるんですけど これ何だろう? 動物? 70 00:06:55,282 --> 00:06:59,152 つまみの部分 鈕というふうに いうんですけれども➡ 71 00:06:59,152 --> 00:07:04,357 この鈕の部分は蛇の形をしています。 72 00:07:04,357 --> 00:07:08,895 (シシド・カフカ)あっ 蛇。 尻尾だと思ってたのが 顔なんですね きっと。 73 00:07:08,895 --> 00:07:14,567 (真子) 蛇が身をくねらせながら とぐろを巻いて 少し後ろを振り向いているような。➡ 74 00:07:14,567 --> 00:07:19,539 当時は はんこ そのものに 権威や地位を表す意味があって➡ 75 00:07:19,539 --> 00:07:25,912 小さな国だった奴の国王が 大国である 漢の国王から後ろ盾をもらった➡ 76 00:07:25,912 --> 00:07:28,581 証しのようなもの っていうふうに考えられてます。 77 00:07:28,581 --> 00:07:32,552 へ~。 その証明なんですね。 へ~。 78 00:07:32,552 --> 00:07:39,592 次は こちら。 天皇の印 御璽です。 79 00:07:39,592 --> 00:07:46,599 大きさは およそ9センチ四方で 重さは3.5キロもあります。 80 00:07:48,268 --> 00:07:52,939 御璽は 天皇が同意を示した証しとして➡ 81 00:07:52,939 --> 00:07:58,244 法律や政令などの 重要な文書に押すものです。 82 00:08:02,248 --> 00:08:06,553 3.5キロ。 私いつも2キロのお米 買って 抱えて帰ってますから➡ 83 00:08:06,553 --> 00:08:09,255 それより重いってことですよね。 そうですね。 84 00:08:09,255 --> 00:08:12,092 ちなみに 現在 使用されている御璽は➡ 85 00:08:12,092 --> 00:08:16,896 カフカさんの すぐ横にある 明治7年に作られたものです。➡ 86 00:08:16,896 --> 00:08:21,201 代々 皇位を継承するときに この はんこが 受け継がれてきました。 87 00:08:21,201 --> 00:08:25,105 そして 左の3つは かつて使用されていた御璽です。 88 00:08:25,105 --> 00:08:27,574 日本の御璽の起源は➡ 89 00:08:27,574 --> 00:08:29,509 なんと奈良時代まで さかのぼるんです。 90 00:08:29,509 --> 00:08:31,444 (シシド・カフカ)お~! なんか こう➡ 91 00:08:31,444 --> 00:08:34,247 同じ文字なんでしょうけど その時代によって➡ 92 00:08:34,247 --> 00:08:37,550 ちょっとずつ 形が変わっていくのが面白いですね。 93 00:08:39,219 --> 00:08:43,690 続いては はんこが一気に進化した 時代のものを見ていただきます。 はい。 94 00:08:43,690 --> 00:08:48,395 これらは 戦国武将の はんこ なんですが。 戦国武将の…。 はい。 95 00:08:48,395 --> 00:08:52,098 いろいろ動物のようなものが 描かれているように思いますけれども。 96 00:08:52,098 --> 00:08:59,839 (シシド・カフカ)そうですね。 龍は わかります。 あとは 鳥っぽいものと?➡ 97 00:08:59,839 --> 00:09:04,210 きっと ネコ科なんだろうな…。 98 00:09:04,210 --> 00:09:06,212 正解は…。 99 00:09:08,081 --> 00:09:13,219 1つ目は 武田信玄所有の 龍の はんこ。 100 00:09:13,219 --> 00:09:17,223 文字は無く 絵だけが彫られています。 101 00:09:19,092 --> 00:09:25,098 2つ目は 安房国の里見氏が使った 鷲の はんこ。 102 00:09:26,766 --> 00:09:30,637 こちらの2つは 虎と獅子。 103 00:09:30,637 --> 00:09:37,444 強さを表す象徴として 動物が使われました。 104 00:09:37,444 --> 00:09:44,150 一方 古文書に押された印にも 注目してみましょう。 105 00:09:44,150 --> 00:09:47,053 「天下布武」と 彫らせたのは➡ 106 00:09:47,053 --> 00:09:50,590 織田信長です。 107 00:09:50,590 --> 00:09:57,931 「武力をもって天下を統一する」。 織田信長らしい考え方だと思いますよね。 108 00:09:57,931 --> 00:10:00,600 やっぱり 自分の好きな動物だったり➡ 109 00:10:00,600 --> 00:10:04,404 自分の好きな言葉だったり 今じゃ考えつかないほど➡ 110 00:10:04,404 --> 00:10:07,273 自由度が高かったんですね。 (真子)そうなんです。 111 00:10:07,273 --> 00:10:09,609 (シシド・カフカ)一人一人の アイデンティティーを表現する➡ 112 00:10:09,609 --> 00:10:13,313 大切なものだったんだな っていうふうには感じました。 113 00:10:16,282 --> 00:10:20,286 はんこは まさに 自分そのもの。 114 00:10:24,958 --> 00:10:30,096 ちょっと失礼。 えっ?よいしょっと。 115 00:10:30,096 --> 00:10:32,031 どこ? 116 00:10:32,031 --> 00:10:35,435 ん~!えっ? ん~!えっ? 117 00:10:35,435 --> 00:10:37,804 うん!はい。 ん~! 118 00:10:37,804 --> 00:10:40,707 本当に こんな所に 金印があるんですか? 119 00:10:40,707 --> 00:10:43,109 んん! えっ? 120 00:10:44,978 --> 00:10:47,013 ここか! 121 00:10:47,013 --> 00:10:51,651 あっ ここはね…➡ 122 00:10:51,651 --> 00:10:56,356 うちのね 印鑑入れなんですよ。 123 00:10:58,424 --> 00:11:03,263 ふふふ…。 あっ! 違ったか~! 124 00:11:03,263 --> 00:11:07,934 あ~ あ~。 125 00:11:07,934 --> 00:11:09,936 残念でしたね。 126 00:11:11,804 --> 00:11:18,111 ♬~ 127 00:11:25,285 --> 00:11:31,491 ここに 400年以上続く 印判店があります。 128 00:11:31,491 --> 00:11:36,296 12代目の当主 細字左平さん。 129 00:11:36,296 --> 00:11:42,602 先祖は この地を治めていた 加賀藩のお抱え印判師でした。 130 00:11:44,170 --> 00:11:47,173 御用という まぁ 要するに… 131 00:11:55,114 --> 00:11:58,818 これを持ってないと 加賀藩の仕事ができないと。 132 00:12:01,254 --> 00:12:06,392 そもそも 細字家に 印判店を営むように命じたのは➡ 133 00:12:06,392 --> 00:12:10,196 あの豊臣秀吉だったのだとか。 134 00:12:28,281 --> 00:12:37,290 以来 細字家は加賀藩や石川県の公印など 重要な はんこの制作を担ってきました。 135 00:12:42,829 --> 00:12:47,133 その技は加賀藩の藩札にも。 136 00:12:48,968 --> 00:12:54,841 僅か4センチ四方の枠の中に 「貳百文」という文字と➡ 137 00:12:54,841 --> 00:13:00,146 うさぎが2羽 極細の線で かたどられています。 138 00:13:03,249 --> 00:13:10,256 はんこ作りに欠かせない道具や資料も 大切に受け継がれてきました。 139 00:13:13,259 --> 00:13:16,596 これは 字体の見本帳。 140 00:13:16,596 --> 00:13:21,934 はんこには 中国・漢の時代の文字が 用いられますが➡ 141 00:13:21,934 --> 00:13:27,940 「美」という文字一つとっても さまざまな字体があります。 142 00:13:45,792 --> 00:13:48,795 あれだけは 本当に尊敬してました。 143 00:13:51,431 --> 00:13:57,236 これ結構 親父から そのまま 受け継いだ道具も結構あります。 144 00:13:59,138 --> 00:14:05,244 印面を彫るための道具 印刀です。 145 00:14:05,244 --> 00:14:10,249 (細字)下手すりゃ何十年も 70~80年 まだ使ってるかもしれませんわ。 146 00:14:13,753 --> 00:14:18,257 こちらは 先々代のお手製。 147 00:14:18,257 --> 00:14:24,263 小さな はんこを 握りやすくするための 巻竹です。 148 00:14:25,932 --> 00:14:32,238 はんこを竹の中に挟み 革ひもで巻きつけて固定します。 149 00:14:37,543 --> 00:14:40,913 馬。 親父が「馬 馬」と言ってましたね。 150 00:14:40,913 --> 00:14:46,319 手元を安定させて彫るための台です。 151 00:14:52,291 --> 00:14:55,962 これらの道具は 今でも現役。 152 00:14:55,962 --> 00:14:59,298 いい はんこを作るための知恵と技が➡ 153 00:14:59,298 --> 00:15:03,603 現代の はんこにも 生かされているんですね。 154 00:15:05,104 --> 00:15:08,908 年が いけばいくほど なんか そういう難しさ➡ 155 00:15:08,908 --> 00:15:12,245 すごさっちゅうものが わかってきたような気します。 156 00:15:12,245 --> 00:15:15,148 まぁ 私も もう70は済んでおりますけど➡ 157 00:15:15,148 --> 00:15:22,155 まぁ 体の動くかぎり 手の動くかぎり この仕事は ずっと続けたいと思います。 158 00:15:25,758 --> 00:15:28,761 今日2つ目の壺は… 159 00:15:37,270 --> 00:15:45,144 天に向かって 首を長く伸ばす 獅子に似た架空の動物。 160 00:15:45,144 --> 00:15:52,151 次に注目するのは はんこの つまみ部分 印鈕です。 161 00:15:55,621 --> 00:16:01,627 福岡で 印鈕作家として活動する 田中愛己さん。 162 00:16:03,229 --> 00:16:08,734 石の印材に 細かな彫刻を施してゆきます。 163 00:16:10,903 --> 00:16:20,213 20年前 書を究めようと留学した中国で 印鈕に出会い その世界に魅せられました。 164 00:16:34,126 --> 00:16:37,129 まぁ それでハマった感じですね。 165 00:16:39,932 --> 00:16:42,401 弟子入りを志願した当初➡ 166 00:16:42,401 --> 00:16:49,609 「外国人に印鈕の技を習得するのは 難しい」と断られた田中さん。 167 00:16:49,609 --> 00:16:55,281 諦めず通い続け 入門許可が下りたのは半年後。 168 00:16:55,281 --> 00:17:01,287 それまでは ひたすら 師匠の作品を観察する日々でした。 169 00:17:20,239 --> 00:17:22,241 …って言われて。 170 00:17:24,110 --> 00:17:28,114 頭の中で十分イメージをしてから➡ 171 00:17:28,114 --> 00:17:34,120 下絵なしに 直接 石材を彫っていきます。 172 00:17:48,301 --> 00:17:55,107 (パリパリという音) 173 00:17:57,944 --> 00:18:04,250 25歳のとき 田中さんが初めて彫った作品です。 174 00:18:09,221 --> 00:18:15,027 それから20年。 およそ5,000個の作品を制作し➡ 175 00:18:15,027 --> 00:18:19,565 本場 中国で数々の賞も受賞しました。 176 00:18:19,565 --> 00:18:26,272 上海や杭州の美術館には 田中さんの作品が所蔵されています。 177 00:18:29,241 --> 00:18:34,380 田中さんが 中国で高く評価されている 理由の一つに➡ 178 00:18:34,380 --> 00:18:37,917 「石を見極める技術」があります。 179 00:18:37,917 --> 00:18:41,921 わかるかな? ちょっと… 180 00:18:54,266 --> 00:19:00,072 透き通る緑の石が目を引く 蝉の印鈕。 181 00:19:00,072 --> 00:19:08,581 岩肌と蝉の部分は 異なる石のように 見えますが なんと 一つの石です。 182 00:19:24,563 --> 00:19:28,567 彫って作っていくというよりも… 183 00:19:35,207 --> 00:19:40,212 …作業みたいな イメージ的には そんな感じで僕は作ってます。 184 00:19:42,581 --> 00:19:47,086 中国伝統の技を受け継ぎ 田中さんは今➡ 185 00:19:47,086 --> 00:19:52,291 自分ならではの作品の世界を 追求しています。 186 00:19:53,859 --> 00:19:58,798 少し笑いかけているように見える口元。 187 00:19:58,798 --> 00:20:07,106 ほんの少し口角を上げた 愛きょうのある 表情が 田中さんの作品の特徴です。 188 00:20:24,790 --> 00:20:31,297 まぁ それが うれしいというか 楽しいというか。 189 00:20:33,299 --> 00:20:41,307 石に宿る生命が 人の手の中で 育ってゆきます。 190 00:20:51,684 --> 00:20:54,520 へ~ いつから探してるんですか? 191 00:20:54,520 --> 00:20:56,989 小さい頃からね。 192 00:20:56,989 --> 00:21:02,294 へ~ そんなに長い間? うん。 これ。 193 00:21:03,796 --> 00:21:09,568 「徳川埋蔵金 ツチノコ 金印」。 194 00:21:09,568 --> 00:21:14,039 中でも 金印は 特別なのだ。 195 00:21:14,039 --> 00:21:19,245 あっそう。 はぁ~ 見つかるといいですね。 196 00:21:21,280 --> 00:21:28,954 必ず ある! あ~! ああ あ…。 197 00:21:28,954 --> 00:21:32,158 ど… どこ行くんですか? 198 00:21:32,158 --> 00:21:39,265 ♬~ 199 00:21:41,300 --> 00:21:44,303 これはね… 200 00:21:46,639 --> 00:21:50,309 これ見て こんなの。 201 00:21:50,309 --> 00:21:54,180 篆刻家の小田玉瑛さん。 202 00:21:54,180 --> 00:21:57,816 半世紀以上にわたり 世界を旅し➡ 203 00:21:57,816 --> 00:22:02,555 各地の はんこを 集めてきました。 204 00:22:02,555 --> 00:22:05,457 (小田)これが アフガニスタン。➡ 205 00:22:05,457 --> 00:22:10,930 砂漠の中 子どもがね なんか いろんな雑物を売ってるんですよ。➡ 206 00:22:10,930 --> 00:22:12,965 そん中で これを見つけたわけ。➡ 207 00:22:12,965 --> 00:22:16,602 で これもイランだし これもイランだし。➡ 208 00:22:16,602 --> 00:22:20,406 これは 古いからエジプトね。➡ 209 00:22:20,406 --> 00:22:25,211 やっぱり 懐かしいでしょ。 「あそこで あんなもの買ったな」とかね。 210 00:22:27,179 --> 00:22:32,017 これまで訪ねた国は およそ40か国。 211 00:22:32,017 --> 00:22:36,021 集めた はんこは 1,000個に及びます。 212 00:22:39,291 --> 00:22:44,797 「はんこは 歴史の語り部」と言う小田さん。 213 00:22:44,797 --> 00:22:51,904 はんこを通して 当時の人々の暮らしに 思いをはせてきました。 214 00:22:51,904 --> 00:22:57,710 (小田)旅をしてると いろんな民族の文字がありますよね。➡ 215 00:22:57,710 --> 00:23:03,215 デザインじゃないかと思うぐらい この美しさに ひかれましたよね。 216 00:23:18,130 --> 00:23:24,770 紀元前1900年ごろ メソポタミアで 使われていた はんこ。 217 00:23:24,770 --> 00:23:29,275 神に生贄を 差し出す様子が 描かれています。 218 00:23:33,279 --> 00:23:38,617 紙が まだなかった この時代 軟らかい粘土板に転がすと➡ 219 00:23:38,617 --> 00:23:42,621 図柄が浮かび上がってくる というものでした。 220 00:23:46,492 --> 00:23:52,131 当初 はんこは 線や円 絵柄などの文様に始まり➡ 221 00:23:52,131 --> 00:23:56,335 やがて文字へと発展していきました。 222 00:23:57,937 --> 00:24:04,944 また はんこには もともと 魔よけや お守りといった意味がありました。 223 00:24:06,779 --> 00:24:12,251 足の形をしたインドの佛足跡印。 224 00:24:12,251 --> 00:24:17,756 釈迦のシンボルとして 古くから 寺院に祭られてきました。 225 00:24:20,592 --> 00:24:23,495 こちらは チベットの はんこ。 226 00:24:23,495 --> 00:24:28,334 万物の始まりと終わりを意味する 「阿吽」の「吽」の字が➡ 227 00:24:28,334 --> 00:24:31,236 チベット文字で書かれています。 228 00:24:31,236 --> 00:24:36,241 ラマ僧が 護符として 身につけていたといわれています。 229 00:24:43,315 --> 00:24:45,317 もちろん… 230 00:24:47,986 --> 00:24:49,988 そこに… 231 00:24:57,963 --> 00:25:01,266 今日 最後の壺は… 232 00:25:07,773 --> 00:25:10,909 世界中を旅してきた小田さんは➡ 233 00:25:10,909 --> 00:25:16,215 篆刻家としては 一風変わった作品を 手がけてきました。 234 00:25:17,783 --> 00:25:25,090 ラテン語やペルシャ語など さまざまな 文化の文字が 作品の中に登場します。 235 00:25:45,811 --> 00:25:50,816 ビルマ語で 「おかげさま」と 書かれた はんこ。 236 00:25:54,953 --> 00:25:57,456 こちらは ラテン語で… 237 00:26:07,232 --> 00:26:12,104 はんこに刻む言葉に 特別な こだわりを持ってきた小田さん。 238 00:26:12,104 --> 00:26:18,610 90歳になった今も 精力的に制作に取り組んでいます。 239 00:26:21,246 --> 00:26:27,052 かつて 古代の人々が はんこをお守りのように扱い➡ 240 00:26:27,052 --> 00:26:36,261 祈りをささげたように 小田さんも また 祈りの言葉を彫り続けています。 241 00:26:40,599 --> 00:26:43,302 (小田)これはね… 242 00:26:55,781 --> 00:26:58,784 で そういう中にあって… 243 00:27:01,553 --> 00:27:06,558 で 私は特に この語を今 彫った次第です。 244 00:27:09,228 --> 00:27:17,102 都内の寺に 小田さんが制作した はんこが 収められています。 245 00:27:17,102 --> 00:27:22,107 寺が開かれて500年を記念して作りました。 246 00:27:24,776 --> 00:27:31,083 印面に彫ったのは 弥勒菩薩を表す… 247 00:27:33,919 --> 00:27:39,591 この寺に祭られている 弥勒菩薩像を表しています。 248 00:27:39,591 --> 00:27:45,297 未来をつかさどり 人々を救う仏様です。 249 00:27:47,266 --> 00:27:53,939 (小田) 弥勒菩薩は ずっと人を救う仏様として➡ 250 00:27:53,939 --> 00:27:59,278 ず~っと 長い間 拝まれてきたんだと思います。➡ 251 00:27:59,278 --> 00:28:03,282 祈りながら彫らせていただきました。 252 00:28:08,720 --> 00:28:15,227 未来への希望が 印に込められています。 253 00:28:21,233 --> 00:28:25,904 (アナウンサー)「伝説の草の刈の国王の金印が 発見されました。➡ 254 00:28:25,904 --> 00:28:30,242 歴史的発見をしたのは トレジャーハンターの 判 浩さんです」。 255 00:28:30,242 --> 00:28:33,145 あっ! この人! 256 00:28:33,145 --> 00:28:39,785 「あったあった! やった~! やったよ~! あったあった!」。 257 00:28:39,785 --> 00:28:43,355 あ~ あったんだ! 258 00:28:43,355 --> 00:28:47,793 「うれしい! うれしい! やったよ~!」。 259 00:28:47,793 --> 00:28:50,596 すごいな これ。 260 00:28:50,596 --> 00:28:56,201 僕も… ツチノコ探してみようかな。