1 00:00:34,746 --> 00:00:38,750 (栞子)<作者の 自筆メッセージが 入った 本というのは➡ 2 00:00:38,750 --> 00:00:44,756 ファンにとっては 何物にも替え難い 価値を持っているものです> 3 00:00:44,756 --> 00:00:48,760 <それを 手に入れるためなら 誰かを傷つけても 構わない> 4 00:00:48,760 --> 00:00:53,765 <そう考える人間が いたとしても 不思議ではありません> 5 00:00:53,765 --> 00:00:57,769 <でも もし 自分のつづった 言葉が➡ 6 00:00:57,769 --> 00:01:00,772 そこに込めた思いとは 裏腹に➡ 7 00:01:00,772 --> 00:01:06,778 後の世で 争いを招く要因に なっていると 作者が知ったら➡ 8 00:01:06,778 --> 00:01:09,778 果たして どう思うでしょうか?> 9 00:01:19,791 --> 00:01:24,796 ≪(足音) 10 00:01:24,796 --> 00:01:39,745 ♬~ 11 00:01:39,745 --> 00:01:46,752 (救急車のサイレン) 12 00:01:46,752 --> 00:02:01,767 ♬~ 13 00:02:01,767 --> 00:02:07,767 ♬~ 14 00:02:09,775 --> 00:02:11,777 (大輔)大丈夫ですか? 階段から 落ちたって➡ 15 00:02:11,777 --> 00:02:15,781 志田さんから 聞いて。 (栞子)あっ。 はい。 16 00:02:15,781 --> 00:02:18,784 (栞子)雨で 足を滑らせてしまって。 17 00:02:18,784 --> 00:02:21,787 でも 検査の結果 足首の骨折だけで➡ 18 00:02:21,787 --> 00:02:23,789 他は 異常ないそうです。 19 00:02:23,789 --> 00:02:27,793 (大輔)そうですか。 ハァー。 あれ? 20 00:02:27,793 --> 00:02:30,796 (藤波)どうも。 (大輔)何で 藤波さんが? 21 00:02:30,796 --> 00:02:32,731 (文也)救急車を 呼んでくれたんだよ。 22 00:02:32,731 --> 00:02:34,733 (大輔)えっ? 通り掛かったの。 たまたまね。 23 00:02:34,733 --> 00:02:38,737 (志田)いやー。 よかったよ。 あそこは 人通りも少ねえし➡ 24 00:02:38,737 --> 00:02:40,739 下手したら 朝まで 放置されかねねえからな。 25 00:02:40,739 --> 00:02:45,744 ホント ありがとうございました。 26 00:02:45,744 --> 00:02:47,746 (文也)入院の手続き してきましょうか。 27 00:02:47,746 --> 00:02:49,748 (志田)よし。 行こうか。 ああ おい。➡ 28 00:02:49,748 --> 00:02:51,750 しばらく 付いててやってくれよ。 (大輔)あっ はい。 29 00:02:51,750 --> 00:02:54,753 (志田)藤波さん。 そろそろ 帰りましょ。 ねっ?➡ 30 00:02:54,753 --> 00:02:57,756 ああ。 頼むぞ。 (大輔)はい。 31 00:02:57,756 --> 00:03:01,760 (志田)藤波さん。 お店も あるでしょ。 帰りましょ。 32 00:03:01,760 --> 00:03:05,764 そうですね。 では 失礼。 33 00:03:05,764 --> 00:03:07,766 ホント お騒がせして 申し訳ありませんでした。 34 00:03:07,766 --> 00:03:10,766 いえいえ。 お大事に。 35 00:03:14,773 --> 00:03:16,773 (大輔)フゥ。 36 00:03:18,777 --> 00:03:23,782 (大輔)ああ。 あっつい。 どうぞ。 37 00:03:23,782 --> 00:03:26,782 (大輔)あっ。 ありがとうございます。 38 00:03:29,788 --> 00:03:32,724 すいませんでした。 えっ? 39 00:03:32,724 --> 00:03:35,727 僕が あのとき 代わりに 行っていれば…。 40 00:03:35,727 --> 00:03:38,730 《僕が代わりに行きましょうか?》 《ああ。 大丈夫です》 41 00:03:38,730 --> 00:03:40,732 《じゃあ 気を付けて》 42 00:03:40,732 --> 00:03:43,732 ああ いえ。 そんな。 気にしないでください。 43 00:03:49,741 --> 00:03:53,745 ジュースでも 買ってきますね。 44 00:03:53,745 --> 00:03:57,745 五浦さん。 はい。 45 00:04:00,752 --> 00:04:04,756 お話ししておきたいことが あります。 46 00:04:04,756 --> 00:04:06,756 何ですか? 47 00:04:09,761 --> 00:04:21,773 ♬~ 48 00:04:21,773 --> 00:04:28,780 ♬~ 49 00:04:28,780 --> 00:04:33,719 これで その中にある 金庫を 開けてください。 50 00:04:33,719 --> 00:04:35,721 あっ。 51 00:04:35,721 --> 00:04:54,740 ♬~ 52 00:04:54,740 --> 00:04:57,740 突き落とされたんです。 53 00:04:59,745 --> 00:05:08,745 私 本当は 階段から 突き落とされたんです。 54 00:05:12,758 --> 00:05:15,758 その本を 狙っている男に。 55 00:05:18,764 --> 00:05:27,773 ♬~ 56 00:05:27,773 --> 00:05:37,773 ♬~ 57 00:07:40,739 --> 00:07:42,741 突き落とされたって。 一瞬の出来事だったので➡ 58 00:07:42,741 --> 00:07:47,746 相手の顔は 見ていません。 名前も 素性も知りません。 59 00:07:47,746 --> 00:07:50,749 ただ 半年ほど前から➡ 60 00:07:50,749 --> 00:07:53,752 『晩年』を どうしても 譲ってほしいという メールが➡ 61 00:07:53,752 --> 00:07:55,754 しつこく 送られてきていて。 62 00:07:55,754 --> 00:07:58,757 内容が だんだん 脅迫めいてきたので➡ 63 00:07:58,757 --> 00:08:01,760 警戒はしていたんです。 脅迫って。 64 00:08:01,760 --> 00:08:03,762 そんなに 価値のある本なんですか? 65 00:08:03,762 --> 00:08:06,765 『晩年』は 太宰 治の 処女作品集です。 66 00:08:06,765 --> 00:08:08,767 これは 昭和 11年に➡ 67 00:08:08,767 --> 00:08:11,770 砂子屋書房から 刊行された 初版本です。 68 00:08:11,770 --> 00:08:13,772 乱丁本ってやつですか? 69 00:08:13,772 --> 00:08:16,775 いいえ。 アンカットです。 アンカット? 70 00:08:16,775 --> 00:08:20,779 普通 本というのは こんなふうに 袋とじで 製本されて➡ 71 00:08:20,779 --> 00:08:22,781 後から 小口を 奇麗に 切り揃えるんです。 72 00:08:22,781 --> 00:08:24,783 アンカットというのは➡ 73 00:08:24,783 --> 00:08:27,786 切り揃えられずに 出版された本のことです。 74 00:08:27,786 --> 00:08:30,789 昔は この状態で 出版されることが➡ 75 00:08:30,789 --> 00:08:32,791 多かったんですよ。 どうやって 読むんですか? 76 00:08:32,791 --> 00:08:35,794 ペーパーナイフで 開きながら 読んでいくんです。 77 00:08:35,794 --> 00:08:38,813 ってことは この本は まだ➡ 78 00:08:38,813 --> 00:08:40,732 誰にも 読まれてないってことですか? 79 00:08:40,732 --> 00:08:43,735 はい。 80 00:08:43,735 --> 00:08:46,738 これ 本物ですか? ええ。 81 00:08:46,738 --> 00:08:50,742 『晩年』は 太宰が 27歳のときに 刊行されました。 82 00:08:50,742 --> 00:08:53,745 それまで 書きためた短編を 収録したものですが➡ 83 00:08:53,745 --> 00:08:55,747 その中に 『晩年』という題名は ありません。 84 00:08:55,747 --> 00:08:57,749 じゃあ 何で 『晩年』なんですか? 85 00:08:57,749 --> 00:09:01,753 遺書のつもりだったと 太宰自身が 書き残しています。 86 00:09:01,753 --> 00:09:06,758 『晩年』の初版は 500冊しか 印刷されませんでした。 87 00:09:06,758 --> 00:09:08,760 ページが アンカットのまま➡ 88 00:09:08,760 --> 00:09:10,762 帯付きで 署名まで入っている 美本は➡ 89 00:09:10,762 --> 00:09:15,767 もう この1冊以外 存在しないかもしれません。 90 00:09:15,767 --> 00:09:17,769 もし 店に出すとしたら➡ 91 00:09:17,769 --> 00:09:21,773 少なくとも 300万以上の値を 付けると 思います。 92 00:09:21,773 --> 00:09:24,776 300万? でも。 93 00:09:24,776 --> 00:09:30,782 私にとっての この本の価値は 値段とは 関係ありません。 94 00:09:30,782 --> 00:09:36,782 この 見返しに書かれた 太宰の言葉の方が 大事なんです。 95 00:09:40,725 --> 00:09:45,730 きっと 知り合いを励ますつもりで 一文を添えて 送ったんでしょう。 96 00:09:45,730 --> 00:09:49,734 同じ文章が書かれた 署名本は 他にも 見つかっています。 97 00:09:49,734 --> 00:09:51,736 「罪ノ子」という 言い回しにも➡ 98 00:09:51,736 --> 00:09:53,738 思い入れが あったのかもしれません。 99 00:09:53,738 --> 00:09:57,742 『鷗』という短編にも 出てきますから。 100 00:09:57,742 --> 00:10:02,747 「罪ノ子」 みんな 悪人ってことですか? 101 00:10:02,747 --> 00:10:05,750 必ずしも そうではなくて➡ 102 00:10:05,750 --> 00:10:09,754 「生きている者は 誰でも 業が深い」という意味に➡ 103 00:10:09,754 --> 00:10:16,754 私は 解釈しています。 とても 好きな言葉です。 104 00:10:18,763 --> 00:10:22,767 業ですか。 105 00:10:22,767 --> 00:10:27,767 そもそも 『晩年』は 売り物ではないんです。 106 00:10:29,774 --> 00:10:32,777 うちの祖父が 知人から 譲り受けたもので➡ 107 00:10:32,777 --> 00:10:34,779 代々 店と一緒に 受け継がれてきた➡ 108 00:10:34,779 --> 00:10:38,800 個人的な コレクションです。 そうなんですか。 109 00:10:38,800 --> 00:10:42,721 祖父や 父は 時々 お客さまに 本を見せていたようですが➡ 110 00:10:42,721 --> 00:10:44,723 私は ずっと➡ 111 00:10:44,723 --> 00:10:48,727 人目に触れるところに 出したことは ありませんでした。 112 00:10:48,727 --> 00:10:52,727 一度だけの 例外を除いては。 113 00:10:54,733 --> 00:10:57,736 去年 長谷にある文学館で➡ 114 00:10:57,736 --> 00:10:59,738 太宰の回顧展が 開かれたんですけど➡ 115 00:10:59,738 --> 00:11:03,742 その際に 『晩年』を 展示させてほしいと 依頼されて➡ 116 00:11:03,742 --> 00:11:05,744 お貸しすることに したんです。 117 00:11:05,744 --> 00:11:07,746 うちから 貸したということは➡ 118 00:11:07,746 --> 00:11:10,749 伏せて 展示してもらったんですが➡ 119 00:11:10,749 --> 00:11:14,753 気が付いたら 情報が ネットに 流れてしまってました。 120 00:11:14,753 --> 00:11:18,757 おそらく 祖父か 父が 本を見せていた 常連客の誰かが➡ 121 00:11:18,757 --> 00:11:25,764 気付かれたんでしょう。 そして 最初のメールが 届いたんです。 122 00:11:25,764 --> 00:11:28,767 具体的な金額を 提示してくれと 言ってきたり➡ 123 00:11:28,767 --> 00:11:31,770 自分が どれだけ あの本を 必要としているか➡ 124 00:11:31,770 --> 00:11:33,772 長々と 説明してきたり。 125 00:11:33,772 --> 00:11:37,776 毎日 毎日 何十通も 絶え間なく 送られてきたんです。 126 00:11:37,776 --> 00:11:40,712 文也君や 志田さんには? 127 00:11:40,712 --> 00:11:44,716 心配を かけたくなかったので。 そんな。 128 00:11:44,716 --> 00:11:48,720 それに もう しばらく メールは 来ていなかったんです。 129 00:11:48,720 --> 00:11:53,725 去年の 11月ごろ ぷつっと 途絶えて それっきりで。 130 00:11:53,725 --> 00:11:59,731 だから さすがに諦めたのかなって そう思ってたんですけど。 131 00:11:59,731 --> 00:12:03,735 その後も 何となく 誰かに 見られているような気がしたり➡ 132 00:12:03,735 --> 00:12:08,740 後をつけられているような気が することも 時々 ありました。 133 00:12:08,740 --> 00:12:11,743 あれは 錯覚じゃなかったんですね。 134 00:12:11,743 --> 00:12:13,745 っていうか そんなことより➡ 135 00:12:13,745 --> 00:12:16,748 早く 警察に知らせた方が いいですよ。 136 00:12:16,748 --> 00:12:18,750 何で そんなに 落ち着いてるんですか? 137 00:12:18,750 --> 00:12:20,752 命を狙われてるかも しれないんですよ。 138 00:12:20,752 --> 00:12:22,754 いえ。 これは 単なる➡ 139 00:12:22,754 --> 00:12:25,757 脅しだと思います。 脅し? 140 00:12:25,757 --> 00:12:30,762 自分が 本気だということを 伝えるための 警告でしょう。 141 00:12:30,762 --> 00:12:32,764 あの男の狙いは 『晩年』です。 142 00:12:32,764 --> 00:12:37,769 私を殺しても 本は 手に入りません。 143 00:12:37,769 --> 00:12:42,769 でも 五浦さんには 伝えておくべきだと思って。 144 00:12:46,711 --> 00:12:48,713 今後 どうしたらいいのか➡ 145 00:12:48,713 --> 00:12:51,716 もう少し 落ち着いて 考えたいんです。 146 00:12:51,716 --> 00:12:54,719 それまでは 文也にも 志田さんにも➡ 147 00:12:54,719 --> 00:12:57,722 このことは 秘密にしていてください。 148 00:12:57,722 --> 00:13:01,722 どうか お願いします。 149 00:13:11,736 --> 00:13:13,738 病院で ちゃんと お礼が言えなくて。 150 00:13:13,738 --> 00:13:16,741 ホントに ありがとうございました。 151 00:13:16,741 --> 00:13:19,744 別に。 当たり前のこと しただけですけど。 152 00:13:19,744 --> 00:13:21,746 (奈津実)全治 1カ月って 大変だね。 153 00:13:21,746 --> 00:13:23,748 (亜弥)階段で 転んじゃうなんて かわいそう。 154 00:13:23,748 --> 00:13:25,750 (藤波)ホントに ただ 転んだだけなの? 155 00:13:25,750 --> 00:13:27,752 えっ? また 何か 事件でも➡ 156 00:13:27,752 --> 00:13:29,754 起きてるんじゃないの? 隠さないで 教えてよ。 157 00:13:29,754 --> 00:13:31,756 いや。 そんなわけないでしょう。 考え過ぎですよ。 158 00:13:31,756 --> 00:13:34,759 (藤波)いつ 退院するの? えっ? 159 00:13:34,759 --> 00:13:37,762 ああ。 2週間後です。 それまで お店は どうするの? 160 00:13:37,762 --> 00:13:42,700 休みます。 僕 本のこと 何も分からないし➡ 161 00:13:42,700 --> 00:13:44,702 一人じゃ とても。 (奈津実)2週間も 閉めちゃって➡ 162 00:13:44,702 --> 00:13:46,704 大丈夫なの? (藤波)経営に➡ 163 00:13:46,704 --> 00:13:48,706 ゆとりがあるようには 見えないし 結構 まずいんじゃない? 164 00:13:48,706 --> 00:13:52,706 これが きっかけで つぶれちゃったりして。 165 00:13:54,712 --> 00:13:56,712 (亜弥)ちょっ ちょっ。 166 00:14:03,721 --> 00:14:06,724 ああ。 危ない 危ない。 よしっと。 167 00:14:06,724 --> 00:14:10,728 (奈緒)どうも。 あっ。 小菅さん。 168 00:14:10,728 --> 00:14:12,730 志田さんなら さっき 出掛けましたよ。 169 00:14:12,730 --> 00:14:14,732 (奈緒)そう。 ☎ 170 00:14:14,732 --> 00:14:17,735 あっ。 ☎ 171 00:14:17,735 --> 00:14:21,739 もしもし。 ビブリア古書堂です。 172 00:14:21,739 --> 00:14:25,743 そうですか。 少々 お待ちください。 173 00:14:25,743 --> 00:14:30,748 あっ。 ありました。 有島 武郎の 『一房の葡萄』ですね。 174 00:14:30,748 --> 00:14:33,751 申し訳ありません。 すぐに 発送します。 175 00:14:33,751 --> 00:14:36,754 はい。 お待たせして 大変 申し訳ありません。 176 00:14:36,754 --> 00:14:40,692 今後とも よろしく お願いします。 はい。 失礼します。 177 00:14:40,692 --> 00:14:43,695 ああ。 (奈緒)今の クレームの電話? 178 00:14:43,695 --> 00:14:46,698 ああ。 ネットで 注文した本が 届かないみたいで。 179 00:14:46,698 --> 00:14:49,701 五浦さん 頑張ってんね。 180 00:14:49,701 --> 00:14:53,705 えっ? 栞子さんのため? 181 00:14:53,705 --> 00:14:57,709 僕のことより 小菅さんは どうなんですか? 182 00:14:57,709 --> 00:15:04,716 あっ。 私は 当分 恋とか そういうのは いいや。 183 00:15:04,716 --> 00:15:06,718 すいません。 184 00:15:06,718 --> 00:15:09,721 あっ。 違う 違う。 この間も 言ったけど➡ 185 00:15:09,721 --> 00:15:12,724 西野のことは 何とも思ってないから。 186 00:15:12,724 --> 00:15:17,729 ホントだって。 そうじゃなくて ただ…。 187 00:15:17,729 --> 00:15:23,735 ああ。 何か あったんですか? 188 00:15:23,735 --> 00:15:27,739 実はさ あいつが 私を振ったってことが➡ 189 00:15:27,739 --> 00:15:30,742 学校で 噂になってて。➡ 190 00:15:30,742 --> 00:15:33,745 私の携帯番号と メアドを 勝手に 人に教えたことまで➡ 191 00:15:33,745 --> 00:15:37,749 いつの間にか みんなに 知れ渡ってたんだよね。 192 00:15:37,749 --> 00:15:40,685 他の子にも 陰で ひどいこと してたみたいで。 193 00:15:40,685 --> 00:15:45,690 私のことが きっかけで 一気に そういうのが 広まっちゃって。 194 00:15:45,690 --> 00:15:52,697 学年中の女子に 無視されて 学校 来なくなっちゃったんだよね。 195 00:15:52,697 --> 00:15:54,699 でも 不思議なんだ。 196 00:15:54,699 --> 00:15:58,703 あのときのこと 誰にも話してないのに。 197 00:15:58,703 --> 00:16:04,709 五浦さん どっかで話した? いいえ。 話してませんよ。 198 00:16:04,709 --> 00:16:09,714 だよね。 ≪(戸の開閉音) 199 00:16:09,714 --> 00:16:20,725 ♬~ 200 00:16:20,725 --> 00:16:23,728 何だ。 藤波さんですか。 201 00:16:23,728 --> 00:16:26,731 (藤波)寒い。 冬は もう こりごり。 202 00:16:26,731 --> 00:16:29,734 何ですか? これ。 (藤波)ああ。➡ 203 00:16:29,734 --> 00:16:32,737 差し入れ。 よかったら どうぞ。➡ 204 00:16:32,737 --> 00:16:35,740 その後 店主の具合は どう? 205 00:16:35,740 --> 00:16:39,677 もしかして 心配して 来てくれたんですか? 206 00:16:39,677 --> 00:16:41,677 ああ。 207 00:16:43,681 --> 00:16:45,683 ホントに ただ 転んだだけなの? はっ? 208 00:16:45,683 --> 00:16:47,685 (藤波)実は 何か あったんじゃないの? 209 00:16:47,685 --> 00:16:51,685 ハァー。 210 00:16:54,692 --> 00:16:56,694 藤波さん。 何? 211 00:16:56,694 --> 00:16:58,696 小菅さんの クラスメートの 男の子の話なんですけど。 212 00:16:58,696 --> 00:17:01,699 (藤波)ああ 西野? あいつ 嫌なやつだよねぇ。 213 00:17:01,699 --> 00:17:06,704 聞いてたんですか。 (藤波)聞こえちゃったのよ。 214 00:17:06,704 --> 00:17:09,707 誰かに 話しました? お店に来た 女子高生に話した。 215 00:17:09,707 --> 00:17:13,711 話してる。 ああ。 216 00:17:13,711 --> 00:17:18,716 …ような 話さなかったような? 小菅さん。 ごめんなさい。 217 00:17:18,716 --> 00:17:23,721 いいよ 別に。 別に 隠そうとしてたわけじゃないし。 218 00:17:23,721 --> 00:17:25,723 (藤波)そうだよね。 聞かれたくなかったら➡ 219 00:17:25,723 --> 00:17:28,723 人がいない場所で 話しなさい。 220 00:17:30,728 --> 00:17:34,732 それじゃ また 来るから。 頑張れ。 221 00:17:34,732 --> 00:17:39,737 ちょっ。 いや。 ったく。 222 00:17:39,737 --> 00:17:41,739 ≪(藤波)ちょっと。 何やってんの?➡ 223 00:17:41,739 --> 00:17:45,739 あっ! 待ちなさい! ≪(駆ける足音) 224 00:17:49,747 --> 00:17:52,750 どうしたんですか? (藤波)今 変な男が そこに。➡ 225 00:17:52,750 --> 00:17:55,753 声 掛けたら 逃げていっちゃったのよ。 226 00:17:55,753 --> 00:17:57,755 どんな男でした? (藤波)えっ?➡ 227 00:17:57,755 --> 00:18:03,755 よく 顔は見えなかったけど。 (奈緒)五浦さん。 228 00:18:05,763 --> 00:18:08,763 (奈緒)これって。 229 00:18:10,768 --> 00:18:13,768 ガソリン? (藤波・奈緒)はあ? えっ? 230 00:18:17,775 --> 00:18:21,775 あっ。 はっ!? 231 00:18:26,784 --> 00:18:28,786 放火? はい。 232 00:18:28,786 --> 00:18:32,790 幸い 未遂で済んだんですが。 ガソリンを掛けられた➡ 233 00:18:32,790 --> 00:18:34,792 本が 売り物に ならなくなっちゃいました。 234 00:18:34,792 --> 00:18:38,792 すいません。 ああ。 235 00:18:40,731 --> 00:18:44,735 もしかして あの男ですかね? 236 00:18:44,735 --> 00:18:47,738 篠川さん。 はい。 237 00:18:47,738 --> 00:18:51,742 『晩年』 売っちゃった方が いいんじゃないんでしょうか? 238 00:18:51,742 --> 00:18:54,745 えっ? 手元に あの本を置いていたら➡ 239 00:18:54,745 --> 00:18:59,750 何をされるか 分かりませんよ。 たとえ 脅しだとしても➡ 240 00:18:59,750 --> 00:19:01,752 たかが 本のために 人を傷つけるなんて➡ 241 00:19:01,752 --> 00:19:05,752 まともな人間が することじゃないです。 242 00:19:08,759 --> 00:19:13,764 あの本は 売りません。 何があっても 絶対に。 243 00:19:13,764 --> 00:19:15,766 篠川さん。 よく考えてください。 244 00:19:15,766 --> 00:19:22,773 もし 取り返しのつかないこと…。 いいえ。 いいえ。 245 00:19:22,773 --> 00:19:28,773 あの本を手放すぐらいなら 殺された方が ましです。 246 00:19:35,786 --> 00:19:38,806 そう思ってしまう 私も➡ 247 00:19:38,806 --> 00:19:42,727 きっと まともじゃないんでしょうね。 248 00:19:42,727 --> 00:19:50,727 ♬~ 249 00:21:24,729 --> 00:21:26,731 すいません。 そんな お願いをしてしまって。 250 00:21:26,731 --> 00:21:28,733 (笠井)構いませんよ。 大した お役には立てないですけど。 251 00:21:28,733 --> 00:21:30,735 いや。 とんでもないです。 252 00:21:30,735 --> 00:21:32,737 通販の対応をしてもらえるだけで すごく 助かります。 253 00:21:32,737 --> 00:21:34,739 (笠井)通販のことなら 任してください。 254 00:21:34,739 --> 00:21:36,741 笠井堂って ネットショップなんですよね? 255 00:21:36,741 --> 00:21:38,743 (笠井)はい。 古書も 扱ってるんですか? 256 00:21:38,743 --> 00:21:41,746 (笠井)いや。 中古のゲームと CD専門です。➡ 257 00:21:41,746 --> 00:21:43,748 だから 同じ せどり屋でも➡ 258 00:21:43,748 --> 00:21:45,750 志田さんとは 欲しいものが バッティングしないんですよ。➡ 259 00:21:45,750 --> 00:21:48,753 それに 志田さんは パソコンが まるっきりでしょう?➡ 260 00:21:48,753 --> 00:21:51,756 でも その代わり 長年の経験で培った➡ 261 00:21:51,756 --> 00:21:53,758 勘と 幅広い人脈を持ってる。➡ 262 00:21:53,758 --> 00:21:56,761 お互い 足りないものを 補い合える いい関係なんですよ。 263 00:21:56,761 --> 00:21:59,764 なるほど。 志田さんとは 長いんですか? 264 00:21:59,764 --> 00:22:02,767 (笠井)いや。 まだ 3カ月くらいですかね。 265 00:22:02,767 --> 00:22:05,770 ふーん。 (ファクスの作動音) 266 00:22:05,770 --> 00:22:07,770 あっ。 267 00:22:09,774 --> 00:22:15,780 『完本』 漢字ばっかだな これ。 268 00:22:15,780 --> 00:22:18,783 笠井さん。 これって 読めますか? 269 00:22:18,783 --> 00:22:24,722 「完本 蔦葛木曽棧」? あっ。 さあ。 270 00:22:24,722 --> 00:22:26,724 ああ。 ああ。 271 00:22:26,724 --> 00:22:29,727 『完本 蔦葛木曽棧』 272 00:22:29,727 --> 00:22:34,732 この 国枝 史郎が 大正時代に 発表した 伝奇小説の名作だよ。 273 00:22:34,732 --> 00:22:41,739 在庫 あったんですね。 何のために 店 開けてんだかよ? 274 00:22:41,739 --> 00:22:45,743 すいません。 いつも 志田さんが 探してる本を 見つけたら➡ 275 00:22:45,743 --> 00:22:48,746 買い付けてるだけで 僕も 古書の知識は 全然 ないんです。 276 00:22:48,746 --> 00:22:50,748 あっ いや。 とんでもない。 笠井さんが➡ 277 00:22:50,748 --> 00:22:52,750 謝ることじゃないですから。 278 00:22:52,750 --> 00:22:55,753 あっ。 それと これ 今日のお礼です。 279 00:22:55,753 --> 00:22:57,755 あっ。 いいですよ。 お金なんて いりません。 280 00:22:57,755 --> 00:22:59,757 いや。 そういうわけにはいきません。 281 00:22:59,757 --> 00:23:02,760 受け取ってください。 あっ。 282 00:23:02,760 --> 00:23:05,763 じゃあ あの。 頂きます。 283 00:23:05,763 --> 00:23:08,766 あっ。 お手数ですが 領収書だけ 書いてもらっていいですか? 284 00:23:08,766 --> 00:23:11,769 今 取ってきますから。 ああ。 領収書なら 持ってますよ。 285 00:23:11,769 --> 00:23:13,769 ああ。 すいません。 286 00:23:17,775 --> 00:23:21,779 おい。 お前 男爵だったのか? 男爵? 287 00:23:21,779 --> 00:23:23,714 梶山 季之の 『せどり男爵数奇譚』って➡ 288 00:23:23,714 --> 00:23:26,717 小説 知ってっか? 289 00:23:26,717 --> 00:23:29,720 ハァ。 知るわけねえか。 その小説が どうしたんですか? 290 00:23:29,720 --> 00:23:32,723 主人公の名前が 笠井 菊哉ってんだよ。 291 00:23:32,723 --> 00:23:35,726 えっ? 同姓同名ですか? へえー。 そうなんですか? 292 00:23:35,726 --> 00:23:37,728 偶然ですね。 おい。 293 00:23:37,728 --> 00:23:40,731 もしかして 親が 本から取って 付けたんじゃねえのか? 294 00:23:40,731 --> 00:23:43,734 ああ。 どうだろう? 聞いたことないな。 295 00:23:43,734 --> 00:23:46,737 確かな どっかの段ボールに 入ってたはずだ。 296 00:23:46,737 --> 00:23:48,739 探しといてやるか? 297 00:23:48,739 --> 00:23:51,742 あっ。 うーん。 いいです。 どうせ 読まないんで。 298 00:23:51,742 --> 00:23:54,745 何だよ。 張り合いのねえやつだな。 おい。 299 00:23:54,745 --> 00:23:56,745 すいません。 300 00:23:59,750 --> 00:24:14,765 ≪(足音) 301 00:24:14,765 --> 00:24:18,765 ≪(看護師)横山さん。 向き 変えましょうか? 302 00:24:27,711 --> 00:24:31,715 (亜弥)あの。 お店が 放火されそうになったって➡ 303 00:24:31,715 --> 00:24:33,717 本当ですか? あれ? 304 00:24:33,717 --> 00:24:36,720 (亜弥)藤波さんから 聞いたんです。 大丈夫ですか? 305 00:24:36,720 --> 00:24:38,722 ああ。 306 00:24:38,722 --> 00:24:41,725 (奈津実)藤波さんって その手の話 大好きだよね。➡ 307 00:24:41,725 --> 00:24:43,727 また タイミング よく 居合わせちゃうんだから➡ 308 00:24:43,727 --> 00:24:48,732 鼻が利くっていうか 大したもんだわ。 あれ? 309 00:24:48,732 --> 00:24:51,735 (奈津実)私 何か 変なこと 言っちゃった? 310 00:24:51,735 --> 00:24:54,738 いや。 311 00:24:54,738 --> 00:24:56,740 《何で 藤波さんが?》 312 00:24:56,740 --> 00:24:58,742 《救急車を 呼んでくれたんだよ》 313 00:24:58,742 --> 00:25:00,744 (藤波)《通り掛かったの。 たまたまね》➡ 314 00:25:00,744 --> 00:25:02,746 《今 変な男が そこに》 315 00:25:02,746 --> 00:25:12,756 ♬~ 316 00:25:12,756 --> 00:25:14,756 何? 317 00:25:21,765 --> 00:25:26,704 藤波さん。 本当に 顔を見なかったんですか? 318 00:25:26,704 --> 00:25:28,706 (藤波)はっ? 放火犯です。 319 00:25:28,706 --> 00:25:30,708 ああ。 見てないよ。 走っていったところは➡ 320 00:25:30,708 --> 00:25:32,710 見たんですよね? ええ。 まあ。 321 00:25:32,710 --> 00:25:34,712 身長は どのぐらいでした? 322 00:25:34,712 --> 00:25:37,715 普通。 体格は? 323 00:25:37,715 --> 00:25:39,717 普通。 年は 幾つくらいでした? 324 00:25:39,717 --> 00:25:41,719 どっちの方向に 走っていきましたか? 325 00:25:41,719 --> 00:25:43,721 ちょっ。 ちょっと 待ってよ。 326 00:25:43,721 --> 00:25:45,723 とっさのことだし そこまで ちゃんと 見てないって。 327 00:25:45,723 --> 00:25:47,725 篠川さんが 倒れてるのを 見つけたときは➡ 328 00:25:47,725 --> 00:25:50,725 どこに 行くところだったんですか? 329 00:25:52,730 --> 00:25:56,734 (藤波)何で そんなこと 聞くの? いえ。 ただ 聞いただけです。 330 00:25:56,734 --> 00:25:58,736 (藤波)どこで 何しようと 私の勝手でしょ。 331 00:25:58,736 --> 00:26:00,738 いいじゃないですか 別に。 教えてくれたって。 332 00:26:00,738 --> 00:26:02,740 それとも 何か➡ 333 00:26:02,740 --> 00:26:04,740 言えないことでも してたんですか? 334 00:26:07,745 --> 00:26:09,747 教えない。 何で? 335 00:26:09,747 --> 00:26:11,749 プライバシーって 言葉 知らないの? 大輔君。 336 00:26:11,749 --> 00:26:14,749 そういうこと 聞かれるの 嫌いなんだよ 私! 337 00:26:16,754 --> 00:26:19,757 (藤波)コマツナ 買ってくる。 (亜弥)えっ? 338 00:26:19,757 --> 00:26:33,757 ♬~ 339 00:26:35,706 --> 00:26:40,711 ≪五浦です。 あっ。 どうぞ。 340 00:26:40,711 --> 00:26:42,711 どうも。 341 00:26:44,715 --> 00:26:46,717 買い取り希望の本 持ってきましたよ。 342 00:26:46,717 --> 00:26:50,721 ああ。 じゃあ こちらに 置いてください。 343 00:26:50,721 --> 00:26:52,721 ああ。 はい。 344 00:26:55,726 --> 00:27:00,726 あと 伝票類です。 ありがとうございます。 345 00:27:09,740 --> 00:27:12,743 その後 特に 変わったことはありませんか? 346 00:27:12,743 --> 00:27:16,743 えっ? ええ。 347 00:27:25,689 --> 00:27:29,693 ちょっと 怪しいなって 思ってる人がいるんですけど。 348 00:27:29,693 --> 00:27:33,697 誰ですか? 349 00:27:33,697 --> 00:27:38,702 藤波さんです。 藤波さん? どうしてですか? 350 00:27:38,702 --> 00:27:42,706 いや。 都合のいいときに 居合わせ過ぎっていうか。 351 00:27:42,706 --> 00:27:44,708 篠川さんの一件では 第一発見者ってことに➡ 352 00:27:44,708 --> 00:27:48,712 なるわけだし 放火犯を見たのも 藤波さんだけだし。 353 00:27:48,712 --> 00:27:51,712 確証は 何もないんですけど。 354 00:27:55,719 --> 00:27:58,722 やっぱり 警察に任せましょう。 えっ? 355 00:27:58,722 --> 00:28:00,724 篠川さんが 怖いのは 分かります。 356 00:28:00,724 --> 00:28:03,727 警察が捜査してくれても すぐに 犯人が捕まるとは 限りません。 357 00:28:03,727 --> 00:28:06,730 でも このままじゃ 危険過ぎますよ。 358 00:28:06,730 --> 00:28:10,730 大丈夫です。 僕が ついてますから。 359 00:28:15,739 --> 00:28:19,743 五浦さん。 はい。 360 00:28:19,743 --> 00:28:23,680 お願いしたいことが あります。 361 00:28:23,680 --> 00:28:36,693 ♬~ 362 00:28:36,693 --> 00:28:44,701 ♬~ 363 00:28:44,701 --> 00:28:47,704 《あの男を お店に おびき寄せたいんです》 364 00:28:47,704 --> 00:28:49,706 《おびき寄せる?》 《はい》 365 00:28:49,706 --> 00:28:53,710 《協力してもらえませんか?》 《どういうことですか?》 366 00:28:53,710 --> 00:28:57,714 《あの男の執念は 並大抵のものではありません》 367 00:28:57,714 --> 00:29:00,717 《このまま 諦めるとは とうてい 思えない》 368 00:29:00,717 --> 00:29:04,721 《ええ》 《でも 警察が捜査するにしても➡ 369 00:29:04,721 --> 00:29:07,724 あまりにも 情報が 少な過ぎると思うんです》 370 00:29:07,724 --> 00:29:11,728 《だから まずは あの男が お店に現れるように しむけて➡ 371 00:29:11,728 --> 00:29:16,733 正体を探りたいんです》 《でも どうやって?》 372 00:29:16,733 --> 00:29:21,738 《これに 350万の値を付けて 店のガラスケースに 飾ってください》 373 00:29:21,738 --> 00:29:23,674 《350万?》 374 00:29:23,674 --> 00:29:26,677 《私は 『晩年』の極美本が 入荷したという 情報を➡ 375 00:29:26,677 --> 00:29:28,679 ホームページに 告知します》 376 00:29:28,679 --> 00:29:30,681 《自分が狙っている本が 売りに出たと 知ったら➡ 377 00:29:30,681 --> 00:29:34,685 あの男は 状況確認をするために 店を訪れるでしょう》 378 00:29:34,685 --> 00:29:36,687 《そんなことして 強引に とっていかれたら》 379 00:29:36,687 --> 00:29:41,692 《大丈夫です。 これは レプリカですから》 380 00:29:41,692 --> 00:29:46,697 《昭和 49年に ほるぷ社から出た 復刻版です》 381 00:29:46,697 --> 00:29:49,700 《本物じゃなくても 欲しがる人って いるんですか?》 382 00:29:49,700 --> 00:29:52,703 《初版と同じ形で 読んでみたいという ファンは➡ 383 00:29:52,703 --> 00:29:56,707 結構 いますよ。 この復刻版は➡ 384 00:29:56,707 --> 00:30:00,711 よくできていますし 何度も 重版されています》 385 00:30:00,711 --> 00:30:05,716 《原本を持っている私でも 何冊か 買ってしまったくらいです》 386 00:30:05,716 --> 00:30:07,716 《はあ》 387 00:30:09,720 --> 00:30:13,724 《もし 『晩年』を買いたいという お客が現れたら 入院中の店主に➡ 388 00:30:13,724 --> 00:30:17,728 電話で 了承を取ると 嘘をついて 警察に通報してください》 389 00:30:17,728 --> 00:30:19,730 《それで もし 犯人じゃなかったら?》 390 00:30:19,730 --> 00:30:21,732 《あの男は 他の誰かに 本を買われてしまうのを 恐れて➡ 391 00:30:21,732 --> 00:30:23,667 すぐに 行動に出るはずです》 392 00:30:23,667 --> 00:30:26,670 《おそらく 1日 2日のうちに 事が起こると思います》 393 00:30:26,670 --> 00:30:28,672 《じゃあ 電話で 問い合わせてきたら?》 394 00:30:28,672 --> 00:30:32,676 《何も分からないふりをして 「店主の指示で 本を出した」》 395 00:30:32,676 --> 00:30:34,678 《「通販は 受け付けていない」とだけ➡ 396 00:30:34,678 --> 00:30:38,682 言ってください。 そうすれば 彼は 店に来るしかありません》 397 00:30:38,682 --> 00:30:41,682 《うーん》 398 00:30:43,687 --> 00:30:47,691 《すみません。 こんなことに 巻き込んでしまって》 399 00:30:47,691 --> 00:30:49,693 《あっ いや》 400 00:30:49,693 --> 00:30:56,700 《でも 五浦さんしか 頼れる人がいないんです》 401 00:30:56,700 --> 00:30:59,700 《お願いします》 402 00:31:01,705 --> 00:31:21,725 ♬~ 403 00:31:21,725 --> 00:31:34,738 ♬~ 404 00:31:34,738 --> 00:31:36,738 ≪(戸の開閉音) 405 00:31:38,742 --> 00:31:51,755 ♬~ 406 00:31:51,755 --> 00:32:11,775 ♬~ 407 00:32:11,775 --> 00:32:24,721 ♬~ 408 00:32:24,721 --> 00:32:27,721 (男性)あのう。 409 00:32:29,726 --> 00:32:32,729 (男性)東経新聞なんですけど 先月分の 集金に来ました。 410 00:32:32,729 --> 00:32:35,732 あっ。 新聞。 (男性)ええ。 411 00:32:35,732 --> 00:32:37,732 ハァー。 412 00:32:50,747 --> 00:32:54,751 さやかちゃん。 抹茶クリームあん蜜 2つ。 413 00:32:54,751 --> 00:32:57,754 (さやか)出前ですか? 414 00:32:57,754 --> 00:33:01,754 そう。 ビブリア古書堂にね。 415 00:33:03,760 --> 00:33:07,764 (文也)よいしょっと。 こっちが 短編で 長編。 416 00:33:07,764 --> 00:33:09,766 (文也)よろしく。 はい。 417 00:33:09,766 --> 00:33:11,768 ああ。 おかえりなさい。 418 00:33:11,768 --> 00:33:13,770 ああ。 ただいま。 笠井さん。 419 00:33:13,770 --> 00:33:15,772 (笠井)どうも。 何してるんですか? 420 00:33:15,772 --> 00:33:18,775 あっ。 均一本を 入れ替えようと思って➡ 421 00:33:18,775 --> 00:33:20,777 ちょっと 作業してるんです。 (笠井)均一本って➡ 422 00:33:20,777 --> 00:33:22,796 あの ワゴンに入ってるやつ? あっ はい。 423 00:33:22,796 --> 00:33:24,714 定期的に テーマを決めて 商品を入れ替えるんです。 424 00:33:24,714 --> 00:33:27,717 (笠井)へえー。 今回は 『晩年』に ちなんで➡ 425 00:33:27,717 --> 00:33:30,720 短編集を集めようと思って それで より分けてるんですよ。 426 00:33:30,720 --> 00:33:35,725 (文也)五浦さん。 これ 短編。 はい。 427 00:33:35,725 --> 00:33:37,727 おい。 『晩年』の初版 売っちまうなんて➡ 428 00:33:37,727 --> 00:33:39,729 俺は 聞いてなかったぞ。 男爵から➡ 429 00:33:39,729 --> 00:33:41,731 ホームページで 見たって 言われて 驚いたよ。 430 00:33:41,731 --> 00:33:43,733 (文也)男爵? こいつの あだ名。 431 00:33:43,733 --> 00:33:46,736 あっ。 これですね? 432 00:33:46,736 --> 00:33:48,738 お前 本に 興味なんか なかったんじゃねえのかよ? 433 00:33:48,738 --> 00:33:51,741 (笠井)350万もする 本なんて 見たことありませんからね。 434 00:33:51,741 --> 00:33:53,743 本好きじゃなくたって 気になりますよ。 435 00:33:53,743 --> 00:33:57,747 まあな。 ちょっとや そっとじゃ お目にかかれる 代物じゃねえぞ。 436 00:33:57,747 --> 00:34:01,751 ヘッ。 あっ? おい。 ちょっと。 437 00:34:01,751 --> 00:34:04,754 何だ? こりゃ。 復刻版じゃねえか! 438 00:34:04,754 --> 00:34:07,757 ああ。 やっぱり 分かりますよね。 439 00:34:07,757 --> 00:34:09,759 当たり前だろ! 紙が 新し過ぎんだ! 440 00:34:09,759 --> 00:34:13,763 こんなのな 見るやつが見りゃ 一発で 分かるぞ。 441 00:34:13,763 --> 00:34:16,766 おい。 まさか 復刻版 この値段で 売る気じゃねえだろうな? 442 00:34:16,766 --> 00:34:18,768 ああ。 まさか。 443 00:34:18,768 --> 00:34:23,707 あっ その。 安全のために 本物は 展示してないんですよ。 444 00:34:23,707 --> 00:34:26,710 で 代わりに これを置いてあるだけで。 445 00:34:26,710 --> 00:34:29,713 はあ? 何で そんな 回りくどいことすんだよ? 446 00:34:29,713 --> 00:34:33,717 (笠井)へえー。 僕には 本物っぽく 見えるけどなぁ。➡ 447 00:34:33,717 --> 00:34:35,719 本物は どこに 保管してあるんですか? 448 00:34:35,719 --> 00:34:39,723 ああ。 病院にいる 篠川さんが 持ってます。 449 00:34:39,723 --> 00:34:42,726 病院に 置いてあんのかよ? お前 そっちの方が 不用心じゃねえかよ? 450 00:34:42,726 --> 00:34:44,728 金庫の中に 入ってますから。 451 00:34:44,728 --> 00:34:46,730 何で そんな 訳の分かんねえことすんだよ? 452 00:34:46,730 --> 00:34:51,735 おい。 やっぱ 栞子 頭 打ったんじゃねえのか? 453 00:34:51,735 --> 00:34:54,738 あっ。 文也君。 早く やっちゃいましょうか。 454 00:34:54,738 --> 00:34:56,738 (文也)そうだね。 455 00:34:58,742 --> 00:35:00,744 (笠井)それじゃ 僕は 失礼して。 あっ。 456 00:35:00,744 --> 00:35:02,746 これ 志田さんが言ってた 本じゃないですか? 457 00:35:02,746 --> 00:35:04,748 あっ? おお。 それそれ。 これだよ。 458 00:35:04,748 --> 00:35:06,750 (文也)何? 主人公が➡ 459 00:35:06,750 --> 00:35:09,753 笠井さんと 同姓同名なんですよ。 (文也)それで 男爵か。 460 00:35:09,753 --> 00:35:13,757 そう。 へえー。 461 00:35:13,757 --> 00:35:17,761 買ってくか? 100万でいいぞ。 フッ。 遠慮しときます。 462 00:35:17,761 --> 00:35:20,764 フフフ。 100万は ないんじゃ? 463 00:35:20,764 --> 00:35:22,782 おっ。 分かるようになってきたな。 (文也)何か 臭くない? 464 00:35:22,782 --> 00:35:26,703 えっ? (文也)焦げ臭くない? 465 00:35:26,703 --> 00:35:31,708 まさか!? あっ。 えっ? 466 00:35:31,708 --> 00:35:37,708 うわっ! 何だ? これ。 あちっ。 467 00:35:39,716 --> 00:35:41,718 うわっ! おい。 ヤバい ヤバい ヤバい。 468 00:35:41,718 --> 00:35:43,720 文也。 消火器 持ってこい。 消火器。 469 00:35:43,720 --> 00:35:45,722 (文也)分かった。 あちっ。 470 00:35:45,722 --> 00:35:47,724 (せき) 471 00:35:47,724 --> 00:35:50,724 (文也)五浦さん。 五浦さん。 俺は 電話してきます。 472 00:35:57,734 --> 00:36:04,734 (せき) 473 00:36:09,746 --> 00:36:11,746 藤波さん? 474 00:36:14,751 --> 00:36:18,751 あっ。 ちょっと。 475 00:36:21,758 --> 00:36:23,693 ちょっと 待ってください。 藤波さん! 476 00:36:23,693 --> 00:36:25,695 何? ああー! 477 00:36:25,695 --> 00:36:28,698 藤波さん。 (藤波)いってぇ。 どこ 見てんだよ? 478 00:36:28,698 --> 00:36:31,701 (藤波)今 私のこと 呼んだ? いや。 あっ。 後で。 479 00:36:31,701 --> 00:36:34,704 (藤波)何? 何なのよ! 480 00:36:34,704 --> 00:36:37,704 (笠井)放火犯です! (藤波)ええっ!? 481 00:36:41,711 --> 00:36:43,713 待て。 482 00:36:43,713 --> 00:36:55,725 ♬~ 483 00:36:55,725 --> 00:36:57,727 おい。 (男性)放せよ。 484 00:36:57,727 --> 00:36:59,729 おとなしくしろ! もう 逃げられないぞ! 485 00:36:59,729 --> 00:37:01,729 (男性)ううっ。 486 00:37:11,741 --> 00:37:13,743 西野。 487 00:37:13,743 --> 00:37:18,743 (西野)重てえんだよ。 どけよ ボケ! くそ。 488 00:37:25,689 --> 00:37:29,693 そうですか。 西野さんが。 [TEL]はい。 489 00:37:29,693 --> 00:37:31,695 「何もかも お前らのせいだ」 490 00:37:31,695 --> 00:37:34,698 「お前らが 俺の人生を めちゃくちゃにしたんだ」って➡ 491 00:37:34,698 --> 00:37:36,700 散々 わめき散らされました。 492 00:37:36,700 --> 00:37:39,703 でも どうして 私たちのせいだと 思ったんでしょう? 493 00:37:39,703 --> 00:37:41,705 [TEL]最初は 小菅さんなんじゃないかって➡ 494 00:37:41,705 --> 00:37:44,708 疑ってたみたいなんですけど。 後をつけてるうちに➡ 495 00:37:44,708 --> 00:37:46,710 彼女が ここに 出はいりしたのを 見たらしく➡ 496 00:37:46,710 --> 00:37:49,713 僕と つながっていることに 気付いたらしいんです。 497 00:37:49,713 --> 00:37:53,717 きっと 僕が 陰で 悪口を言い触らして➡ 498 00:37:53,717 --> 00:37:55,719 自分を陥れたと 思ったんでしょう。 499 00:37:55,719 --> 00:38:02,726 ≪志田の志は こころざし。 田んぼで。 肇はね…。 500 00:38:02,726 --> 00:38:05,729 篠川さんを 階段から 突き落としたのも➡ 501 00:38:05,729 --> 00:38:07,731 西野だと思います。 えっ? 502 00:38:07,731 --> 00:38:10,734 [TEL]いや。 どうも 僕と 篠川さんが➡ 503 00:38:10,734 --> 00:38:12,736 付き合ってるって 勘違いしたらしく➡ 504 00:38:12,736 --> 00:38:16,740 「お前から 女も店も 何もかも 奪ってやろうとしたんだ」って➡ 505 00:38:16,740 --> 00:38:20,744 言ってたみたいで。 完全な逆恨みですよ。 506 00:38:20,744 --> 00:38:22,762 [TEL]ずっと つけられてるような気が したのは➡ 507 00:38:22,762 --> 00:38:25,682 西野のせいだったんです。 508 00:38:25,682 --> 00:38:27,684 『晩年』を狙ってた男は 脅迫メールが➡ 509 00:38:27,684 --> 00:38:30,687 来なくなった時点で 諦めたと いうことになるんですよ。 510 00:38:30,687 --> 00:38:36,693 [TEL]よかったですね。 篠川さん。 あっ。 そうですね。 511 00:38:36,693 --> 00:38:39,696 [TEL]事情聴取が 終わりそうなんで 切りますね。 512 00:38:39,696 --> 00:38:45,696 [TEL]また 後で 連絡します。 あっ はい。 513 00:38:58,715 --> 00:39:11,728 ♬~ 514 00:39:11,728 --> 00:39:20,728 ♬~ 515 00:39:27,677 --> 00:39:30,680 お二人とも お時間を 取らせてしまって➡ 516 00:39:30,680 --> 00:39:32,682 申し訳ありませんでした。 517 00:39:32,682 --> 00:39:35,685 (笠井)しょうがないですよ。 状況が 状況ですし。 518 00:39:35,685 --> 00:39:39,689 っていうか 私のこと 放火犯だと 思ってたよね? 大輔君。 519 00:39:39,689 --> 00:39:42,692 それは 藤波さんの言動が 不審だったから。 520 00:39:42,692 --> 00:39:45,695 不審? 不審って 何よ? 篠川さんを 見つけたとき➡ 521 00:39:45,695 --> 00:39:47,697 どこへ 行こうとしたか 隠してましたよね? 522 00:39:47,697 --> 00:39:49,699 ああ。 あのとき? 523 00:39:49,699 --> 00:39:51,701 あれは 町内会の会合が 終わって 帰るところだったの。 524 00:39:51,701 --> 00:39:53,703 そんなんなら 言ってくれれば よかったじゃないですか。 525 00:39:53,703 --> 00:39:58,708 (藤波)言わない。 言いたくなかったから。 526 00:39:58,708 --> 00:40:00,710 もう一度 言っときますけどね。 527 00:40:00,710 --> 00:40:02,712 私が どこで 何しようと 私の勝手。 528 00:40:02,712 --> 00:40:04,714 そういうこと 聞かれたくないの! この ピーマン! 529 00:40:04,714 --> 00:40:11,721 それじゃ お気を 確かに。 フゥー。 530 00:40:11,721 --> 00:40:14,724 今日は 何か 疲れちゃったからな。 (文也)うん。 531 00:40:14,724 --> 00:40:17,727 もう 店 閉めてさ。 うん。 紅茶でも 飲もう。 なっ? 532 00:40:17,727 --> 00:40:20,730 (文也)うん。 そうしよう。 (笠井)じゃあ 僕は そろそろ➡ 533 00:40:20,730 --> 00:40:23,666 帰りますよ。 ありがとな。 534 00:40:23,666 --> 00:40:26,669 お疲れさまでした。 535 00:40:26,669 --> 00:40:30,673 それじゃ 気を付けて。 (笠井)はい。 536 00:40:30,673 --> 00:40:34,673 どうぞ。 (笠井)すいません。 537 00:40:39,682 --> 00:40:43,686 (笠井)どうしたんですか? ああ。 いや。 538 00:40:43,686 --> 00:40:47,690 何か 後味が悪くて。 西野君のこと? 539 00:40:47,690 --> 00:40:49,692 彼の行為は もちろん 許し難いです。 540 00:40:49,692 --> 00:40:54,697 でも そもそもの原因を つくったのは 僕なんですよね。 541 00:40:54,697 --> 00:40:56,699 だからといって 人を突き落としたり➡ 542 00:40:56,699 --> 00:40:58,701 火を付けていいってことには ならないでしょう。 543 00:40:58,701 --> 00:41:02,705 栞子さんは 運が悪ければ 命を落としてたかもしれないんだ。 544 00:41:02,705 --> 00:41:04,707 同情することないと 思いますよ。 545 00:41:04,707 --> 00:41:09,712 ああ。 そうですね。 元気 出してください。 546 00:41:09,712 --> 00:41:13,712 ありがとうございます。 じゃあ。 547 00:41:17,720 --> 00:41:20,720 ああ。 548 00:41:22,725 --> 00:41:24,725 ハァー。 549 00:41:39,742 --> 00:41:41,744 短編。 550 00:41:41,744 --> 00:41:56,759 ♬~ 551 00:41:56,759 --> 00:42:02,759 ♬~ 552 00:43:46,769 --> 00:43:49,772 短編。 553 00:43:49,772 --> 00:44:01,784 ♬~ 554 00:44:01,784 --> 00:44:16,799 ♬~ 555 00:44:16,799 --> 00:44:21,799 ≪笠井さん! どうしたんですか? 556 00:44:23,806 --> 00:44:26,809 笠井さん。 557 00:44:26,809 --> 00:44:30,813 この本を 読んだことがないって 言いましたよね? 558 00:44:30,813 --> 00:44:32,815 ええ。 それは ホントですか? 559 00:44:32,815 --> 00:44:36,753 えっ? あのとき この本を 手にした後。 560 00:44:36,753 --> 00:44:41,753 《買ってくか? 100万にしとくぜ》 《遠慮しときます》 561 00:44:43,760 --> 00:44:48,765 中を見もしないのに 短編集の方に 置きましたよね? 562 00:44:48,765 --> 00:44:50,767 どうして 読んだことがないのに この本が➡ 563 00:44:50,767 --> 00:44:52,769 短編集だと 分かったんですか? 分かったも何も➡ 564 00:44:52,769 --> 00:44:55,772 たまたま 置いた場所が 短編集の方だったんですよ。 565 00:44:55,772 --> 00:44:57,774 そうでしょうか? 566 00:44:57,774 --> 00:44:59,776 ホントは 読んだことが あるんじゃないんですか? 567 00:44:59,776 --> 00:45:02,779 どういう意味ですか? あなたは➡ 568 00:45:02,779 --> 00:45:04,781 実は 古書の知識が あるんでしょう? 569 00:45:04,781 --> 00:45:07,784 笠井 菊哉という 名前も 『せどり男爵数奇譚』から 取った➡ 570 00:45:07,784 --> 00:45:09,786 偽名だったんだ。 どうしたんですか? 五浦さん。 571 00:45:09,786 --> 00:45:11,788 何を言われてるのか さっぱり 分からないんですけど。 572 00:45:11,788 --> 00:45:13,790 篠川さんは 脅迫されているんです。 573 00:45:13,790 --> 00:45:15,792 えっ? 574 00:45:15,792 --> 00:45:21,798 『晩年』の初版本を狙った 異常な男から。 575 00:45:21,798 --> 00:45:26,803 それは あなたなんでしょう? 576 00:45:26,803 --> 00:45:28,805 ちょっと 待ってください。 藤波さんの次は 僕ですか? 577 00:45:28,805 --> 00:45:31,808 さっき 西野の話をしたとき 言いましたよね? 578 00:45:31,808 --> 00:45:33,810 《だからって 人のこと 突き落としたり➡ 579 00:45:33,810 --> 00:45:36,746 火を付けていいってことには ならないでしょう》 580 00:45:36,746 --> 00:45:38,748 それが 何か? 581 00:45:38,748 --> 00:45:41,751 確かに 西野は 店に 火を付けました。 582 00:45:41,751 --> 00:45:44,754 でも どうして 篠川さんを 突き落としたのも➡ 583 00:45:44,754 --> 00:45:47,757 西野だと 思ったんですか? 根拠はないけど。 584 00:45:47,757 --> 00:45:49,759 同時期に 2つの事件が 起きたら➡ 585 00:45:49,759 --> 00:45:51,761 関連性があると 思うのが 普通じゃないですか? 586 00:45:51,761 --> 00:45:54,764 そうかもしれませんね。 でも それは➡ 587 00:45:54,764 --> 00:45:58,768 事件が起きていることを 知っていたらの話です。 588 00:45:58,768 --> 00:46:01,771 篠川さんは 階段から 足を滑らせて 転落した。 589 00:46:01,771 --> 00:46:07,777 志田さんも 文也君も 藤波さんも みんな そう思ってます。 590 00:46:07,777 --> 00:46:11,781 誰かに 突き落とされたという 事実を知ってるのは➡ 591 00:46:11,781 --> 00:46:16,786 篠川さんと 僕と➡ 592 00:46:16,786 --> 00:46:18,788 犯人だけなんですよ。 593 00:46:18,788 --> 00:46:29,799 ♬~ 594 00:46:29,799 --> 00:46:34,820 笠井さん。 あなたが 犯人なんですね? 595 00:46:34,820 --> 00:46:51,754 ♬~ 596 00:46:51,754 --> 00:47:05,768 ♬~ 597 00:47:05,768 --> 00:47:09,772 なるほどねぇ。 598 00:47:09,772 --> 00:47:13,776 君も あの女に影響されて 名探偵になったわけだ。 599 00:47:13,776 --> 00:47:15,776 えっ? 600 00:47:18,781 --> 00:47:23,786 あっ。 うわっ。 ああ。 601 00:47:23,786 --> 00:47:25,786 (せき) 602 00:47:30,793 --> 00:47:32,795 (メールの着信音) 603 00:47:32,795 --> 00:47:49,745 ♬~ 604 00:47:49,745 --> 00:47:52,748 [TEL](メールの着信音) 605 00:47:52,748 --> 00:48:10,748 ♬~ 606 00:48:28,784 --> 00:48:36,726 ♬~ 607 00:48:36,726 --> 00:48:38,728 くそ! 608 00:48:38,728 --> 00:48:51,741 ♬~ 609 00:48:51,741 --> 00:49:11,761 ♬~ 610 00:49:11,761 --> 00:49:22,761 ♬~ 611 00:49:28,778 --> 00:49:38,778 ♬~