1 00:00:32,574 --> 00:00:40,574 ♬~ 2 00:00:53,962 --> 00:00:54,579 3 00:00:54,579 --> 00:00:56,581 (明智五郎) こんばんは。 4 00:00:56,581 --> 00:01:00,618 私 探偵をしております 明智五郎と申します。 5 00:01:00,618 --> 00:01:04,656 先週まで 私は 助手である小林1号と共に➡ 6 00:01:04,656 --> 00:01:07,592 さまざまな犯罪者による さまざまな事件を➡ 7 00:01:07,592 --> 00:01:09,594 解決して来ました。 8 00:01:09,594 --> 00:01:11,596 そして その全てが➡ 9 00:01:11,596 --> 00:01:15,099 マグダラのマリアを名乗る 一人の美しい女性によって➡ 10 00:01:15,099 --> 00:01:17,101 企てられたものだったのは➡ 11 00:01:17,101 --> 00:01:20,605 ドラマをご覧の皆さんには 既に周知の事実かと。 12 00:01:20,605 --> 00:01:24,108 さて 今週から3週にわたって お送りするのは➡ 13 00:01:24,108 --> 00:01:28,162 マリアによって操られた 犯罪者たちの悲しい過去や➡ 14 00:01:28,162 --> 00:01:31,599 その犯罪の裏側を描いた オリジナルストーリーだそうです。 15 00:01:31,599 --> 00:01:35,086 なぜ 彼女たちが 犯罪を犯してしまったのか。 16 00:01:35,086 --> 00:01:37,105 これをご覧になれば➡ 17 00:01:37,105 --> 00:01:41,142 その理由が あなたにも 少し理解できるかもしれない。 18 00:01:41,142 --> 00:01:43,077 しかし その前に➡ 19 00:01:43,077 --> 00:01:46,581 まずは私のことを 知ってもらいたいと思います。 20 00:01:46,581 --> 00:01:49,117 なぜ 私が このような➡ 21 00:01:49,117 --> 00:01:54,188 舌の肥えた 違いの分かる 美食家になったのか。 22 00:01:54,188 --> 00:01:58,109 私の過去を 少しだけお見せしましょう。 23 00:01:58,109 --> 00:02:01,609 VTR スタート。 24 00:02:03,097 --> 00:02:06,601 (小林 苺) <もし 明日 死んでしまうとしたら➡ 25 00:02:06,601 --> 00:02:09,601 あなたは最後に 何を食べますか?> 26 00:02:12,090 --> 00:02:15,126 ここは 江戸川探偵事務所。 27 00:02:15,126 --> 00:02:19,180 美食探偵 明智五郎の アジトである。 28 00:02:19,180 --> 00:02:22,583 <彼は 優秀な助手 小林1号と共に➡ 29 00:02:22,583 --> 00:02:25,103 あまたの事件を解決して来た> 30 00:02:25,103 --> 00:02:29,607 <しかし 殺人鬼 マリアとの 死闘は まだまだ続く> 31 00:02:29,607 --> 00:02:32,093 事件の真相に迫るため 今日も彼は➡ 32 00:02:32,093 --> 00:02:34,612 この大都会 東京の街で 暗躍する! 33 00:02:34,612 --> 00:02:36,597 この物語では…。 34 00:02:36,597 --> 00:02:39,100 おい 小林1号。 「苺」です! …って 明智さん。 35 00:02:39,100 --> 00:02:41,652 黙って聞いていれば アジトだ 暗躍だと➡ 36 00:02:41,652 --> 00:02:44,188 君は探偵の仕事を 一体 何だと思ってるんだ? 37 00:02:44,188 --> 00:02:46,107 いやぁ…。 それに ここは僕の席だ。 38 00:02:46,107 --> 00:02:49,107 さぁ どきなさい。 あっ ちょっと…! 39 00:02:50,611 --> 00:02:52,111 (せき払い) 40 00:02:53,097 --> 00:02:56,601 あんな照明 どこから持って来たんだ? 41 00:02:56,601 --> 00:03:01,155 この物語では 美食名探偵 明智五郎が挑む➡ 42 00:03:01,155 --> 00:03:04,192 難事件の裏側を少しだけ のぞき見ることができる➡ 43 00:03:04,192 --> 00:03:07,095 そう いわば お得意様のためだけの➡ 44 00:03:07,095 --> 00:03:09,113 マル秘裏メニューなのだ。 45 00:03:09,113 --> 00:03:11,632 私のセリフ! しかも肩書 微妙に盛ってるし。 46 00:03:11,632 --> 00:03:15,632 今日は僕 明智五郎の マル秘裏メニューだ。 47 00:03:19,590 --> 00:03:22,643 でさぁ さっきも 急に電話かけて来て➡ 48 00:03:22,643 --> 00:03:25,196 「忙しくて手が離せない いつものを頼む」って。 49 00:03:25,196 --> 00:03:27,615 すぐそこなんだから 買いに来なさいっての! 50 00:03:27,615 --> 00:03:29,615 ちょっ 桃子 聞いてる? 51 00:03:31,602 --> 00:03:35,606 ツケてる分 今日こそ耳をそろえて 払ってもらうんだから! 52 00:03:35,606 --> 00:03:38,593 (桃子) ふぅ~ん。 金持ちのくせに➡ 53 00:03:38,593 --> 00:03:41,612 それでも ホントに 扇屋百貨店の御曹司かっつうの! 54 00:03:41,612 --> 00:03:44,665 そのくせ よく見りゃ スーツも時計も 高そうなのばっかりでさ。 55 00:03:44,665 --> 00:03:47,218 成り金趣味の男って モテないよね。 56 00:03:47,218 --> 00:03:50,121 (桃子) この前 聞いた時も 思ってたんだけどさぁ。 57 00:03:50,121 --> 00:03:52,090 何? (桃子) 苺 その探偵の➡ 58 00:03:52,090 --> 00:03:55,109 言動から服装まで 散々 文句 言ってる割には➡ 59 00:03:55,109 --> 00:03:57,595 まぁ 細かいことまで よ~く見てるよね。 60 00:03:57,595 --> 00:03:59,597 ホントは彼のこと➡ 61 00:03:59,597 --> 00:04:02,116 気になっちゃってる自分が いるんじゃないの? 62 00:04:02,116 --> 00:04:05,169 いや あり得ないって! 大体 私 年上 無理だし。 63 00:04:05,169 --> 00:04:07,205 あんな ひねくれ者で センスが昭和な➡ 64 00:04:07,205 --> 00:04:09,205 ドケチなボンボン! (ドアが開く音) 65 00:04:12,110 --> 00:04:14,112 何を騒いでるんだ? 66 00:04:14,112 --> 00:04:15,612 ゲッ…。 67 00:04:18,099 --> 00:04:20,099 お待たせしました。 68 00:04:26,124 --> 00:04:30,124 じゃあ お代を頂いて私は…。 69 00:04:32,697 --> 00:04:35,583 小林1号。 「苺」ですが…。 70 00:04:35,583 --> 00:04:37,585 何でしょう? 71 00:04:37,585 --> 00:04:39,587 6分。 へっ? 72 00:04:39,587 --> 00:04:42,106 揚げてから6分といったところか。 73 00:04:42,106 --> 00:04:45,093 君のワゴンから ここまで 普通に歩けば1分もかからない。 74 00:04:45,093 --> 00:04:47,078 それに 君の弁当は➡ 75 00:04:47,078 --> 00:04:49,580 揚げたてのおかずが 信条のはずじゃないのか? 76 00:04:49,580 --> 00:04:52,633 そんな まだ揚げたてですよ~。 料理人として➡ 77 00:04:52,633 --> 00:04:54,669 プライベートな電話と 上客への配達➡ 78 00:04:54,669 --> 00:04:58,089 どちらを優先すべきか さすがの君でも分かるだろう。 79 00:04:58,089 --> 00:05:00,074 ゲッ やっぱ聞かれてたか。 80 00:05:00,074 --> 00:05:02,093 それから 今日の目玉焼きは➡ 81 00:05:02,093 --> 00:05:04,095 いつもより 火が通り過ぎているようだ。 82 00:05:04,095 --> 00:05:06,080 まぁ ばか話の間 ずっと保温性の高い容器で➡ 83 00:05:06,080 --> 00:05:08,082 蒸されていたのだから仕方ない。 84 00:05:08,082 --> 00:05:10,067 それから…。 まだ 何か? 85 00:05:10,067 --> 00:05:12,120 いつもより 米が硬いように感じるんだが➡ 86 00:05:12,120 --> 00:05:14,172 吸水時間を短くしたのかな? 87 00:05:14,172 --> 00:05:16,090 えっ そんなことまで 分かるんですか? 88 00:05:16,090 --> 00:05:18,092 僕の舌は ごまかせない。 89 00:05:18,092 --> 00:05:20,595 恐らく 寝坊して 米をとぐ時間が遅くなった。 90 00:05:20,595 --> 00:05:22,079 そんなところだろう。 91 00:05:22,079 --> 00:05:24,081 そんなの 決め付けないでくださいよ! 92 00:05:24,081 --> 00:05:26,584 目の下のくまが 夜更かしを雄弁に物語っている。 93 00:05:26,584 --> 00:05:28,603 さて 聞こう 小林1号。 94 00:05:28,603 --> 00:05:31,656 君は昨晩遅くまで 一体 何を? 95 00:05:31,656 --> 00:05:33,674 うっ…。 96 00:05:33,674 --> 00:05:35,593 海外ドラマ 見てました。 97 00:05:35,593 --> 00:05:37,078 正直で結構。 98 00:05:37,078 --> 00:05:40,097 あと これは 常々 思っていたことなんだが➡ 99 00:05:40,097 --> 00:05:42,099 この…。 100 00:05:42,099 --> 00:05:45,586 浮かれた柄のエプロンと三角巾は 何なんだ? 101 00:05:45,586 --> 00:05:48,089 浮かれって… かわいいじゃないですか! 102 00:05:48,089 --> 00:05:51,142 君は今 いくつだ? ピチピチの21ですけど。 103 00:05:51,142 --> 00:05:55,580 もう大人じゃないか これじゃあ まるで七五三だ。 104 00:05:55,580 --> 00:05:58,082 服のセンスについて 明智さんに言われたくないです! 105 00:05:58,082 --> 00:06:00,568 何ですか? このループタイは おじいちゃんか! 106 00:06:00,568 --> 00:06:03,087 ふんっ! 僕が言いたいのはだね➡ 107 00:06:03,087 --> 00:06:06,591 君は最近 少々 たるんでるんじゃ ないかなということさ。 108 00:06:06,591 --> 00:06:08,593 たるんで…!? やあ➡ 109 00:06:08,593 --> 00:06:11,128 そうこうしている間に ますます 磯辺揚げが冷めてしまった。 110 00:06:11,128 --> 00:06:14,582 しかし これも君のためを思えば 必要な時間だった。 111 00:06:14,582 --> 00:06:17,118 ということで 小林1号。 「苺」ですってば! 112 00:06:17,118 --> 00:06:20,104 授業料は 揚げたての磯辺揚げで 勘弁してやる。 113 00:06:20,104 --> 00:06:21,589 えっ? 114 00:06:21,589 --> 00:06:24,592 君より年上の ひねくれ者でセンスが昭和の➡ 115 00:06:24,592 --> 00:06:27,128 ドケチなボンボンの言うことは 聞けないということか? 116 00:06:27,128 --> 00:06:29,630 も~う やっぱり全部 聞いてたんじゃないですか! 117 00:06:29,630 --> 00:06:32,530 はいはい 揚げて来ます! 揚げて来ますよ! 118 00:06:34,202 --> 00:06:36,202 (ドアが閉まる音) 119 00:06:49,083 --> 00:06:52,083 あれでも 料理の腕は悪くないんですよ。 120 00:06:53,621 --> 00:06:55,590 <祖父の五十六じいじは➡ 121 00:06:55,590 --> 00:06:57,608 僕の美食の師匠だった> 122 00:06:57,608 --> 00:07:04,115 ♬~ 123 00:07:04,115 --> 00:07:06,651 (家政婦) 奥様 お車のご用意ができております。 124 00:07:06,651 --> 00:07:08,669 (明智寿々栄) 今 行くわ。 125 00:07:08,669 --> 00:07:12,106 (寿々栄) 五郎 ちゃんとお留守番してるのよ。 126 00:07:12,106 --> 00:07:15,109 じいじを困らせたらダメよ。 127 00:07:15,109 --> 00:07:17,111 また出張? 128 00:07:17,111 --> 00:07:19,597 お土産 買って来るからね。 129 00:07:19,597 --> 00:07:22,583 あっ それ 菱政屋さんとこの。 130 00:07:22,583 --> 00:07:25,102 好き嫌いせずに食べるのよ。 131 00:07:25,102 --> 00:07:32,693 ♬~ 132 00:07:32,693 --> 00:07:35,112 (明智五十六) 今回はどこへ? 133 00:07:35,112 --> 00:07:37,581 パリへ商談に。 134 00:07:37,581 --> 00:07:39,583 来年度から 婦人服売り場に➡ 135 00:07:39,583 --> 00:07:43,087 輸入品専門のセレクトショップを 呼ぶつもりでおりますの。 136 00:07:43,087 --> 00:07:46,090 おいしいものを たくさん食べて来なさい。 137 00:07:46,090 --> 00:07:48,609 パリは美食の街だからね。 138 00:07:48,609 --> 00:07:51,646 フッ その時間があれば いいんですけど。 139 00:07:51,646 --> 00:07:54,146 では いってきます。 140 00:07:55,700 --> 00:07:57,700 ちゃんと食べるのよ。 141 00:08:02,590 --> 00:08:04,090 (ドアが閉まる音) 142 00:08:06,110 --> 00:08:23,194 ♬~ 143 00:08:23,194 --> 00:08:25,194 どうした? 144 00:08:26,614 --> 00:08:29,600 味付けが濃くて 素材の味が…。 145 00:08:29,600 --> 00:08:32,086 ハハハ…! 146 00:08:32,086 --> 00:08:36,590 昔から ここの仕出しはな 見栄えだけで味はひどいんだ。 147 00:08:36,590 --> 00:08:39,593 五郎は 味の分かる子だね。 148 00:08:39,593 --> 00:08:42,113 よし 何か食べたいものはあるか? 149 00:08:42,113 --> 00:08:44,165 どんな料理でもな じいじが一番おいしいもの➡ 150 00:08:44,165 --> 00:08:46,600 食べさせてあげよう。 151 00:08:46,600 --> 00:08:48,085 お寿司。 152 00:08:48,085 --> 00:08:51,088 おっ! 寿司か さすが五郎。 153 00:08:51,088 --> 00:08:54,608 お子様ランチと言わないところが 生意気でいいぞ。 154 00:08:54,608 --> 00:08:59,108 じゃあな じいじがな 東京で一番の板前 呼んでやろう。 155 00:09:01,615 --> 00:09:05,653 (板前) 天然のアオリイカのにぎりを 塩とスダチでどうぞ。 156 00:09:05,653 --> 00:09:09,073 東京湾で取れた旬のノドグロです。 157 00:09:09,073 --> 00:09:11,092 大間の本マグロです。 158 00:09:11,092 --> 00:09:14,078 煮切りを塗ってあるので そのまま召し上がってください。 159 00:09:14,078 --> 00:09:20,601 ♬~ 160 00:09:20,601 --> 00:09:23,104 どうだ 五郎 うまいだろ? 161 00:09:23,104 --> 00:09:25,606 悪くない。 (五十六) あぁ そうかそうか。 162 00:09:25,606 --> 00:09:28,642 じゃあな どこが どう おいしいか じいじに教えてくれ。 163 00:09:28,642 --> 00:09:30,694 ご飯が温かいところ。 164 00:09:30,694 --> 00:09:32,596 おっ さすが五郎。 165 00:09:32,596 --> 00:09:36,584 江戸前の酢飯はな 人肌の温度が大事なんだ。 166 00:09:36,584 --> 00:09:39,603 ママ 買って来た お寿司やお弁当を➡ 167 00:09:39,603 --> 00:09:42,606 すぐ冷蔵庫に入れちゃうからね。 168 00:09:42,606 --> 00:09:45,092 だから ご飯が冷たくて硬いの。 169 00:09:45,092 --> 00:09:47,611 でも これは そうじゃないところがいい。 170 00:09:47,611 --> 00:09:51,165 ハッハッハッ… これは参った。 171 00:09:51,165 --> 00:09:53,200 五郎は やっぱり 食通だ。 172 00:09:53,200 --> 00:09:56,103 大したもんだ こんな小さい子が。 173 00:09:56,103 --> 00:09:59,089 子供のうちから 本物に触れさせて育てなきゃ➡ 174 00:09:59,089 --> 00:10:03,110 扇屋百貨店の跡取りには なれないからね。 175 00:10:03,110 --> 00:10:05,095 これからのデパートはな➡ 176 00:10:05,095 --> 00:10:08,599 食品売り場が主役の時代が やって来るんだから。 177 00:10:08,599 --> 00:10:11,635 うん フフフ…。 178 00:10:11,635 --> 00:10:15,635 <おいしいものは いつだって じいじが教えてくれた> 179 00:10:18,092 --> 00:10:19,593 ふぅ~。 180 00:10:19,593 --> 00:10:22,596 よ~し 五郎 まだ食べられるか? 181 00:10:22,596 --> 00:10:24,615 うん。 (五十六) うん。 182 00:10:24,615 --> 00:10:33,641 ♬~ 183 00:10:33,641 --> 00:10:36,143 (五十六) ほっほっほっ… 着いた着いた。 184 00:10:36,143 --> 00:10:38,179 アハハ…。 185 00:10:38,179 --> 00:10:46,587 ♬~ 186 00:10:46,587 --> 00:10:49,590 (店員) はい 160円ね。 はい。 187 00:10:49,590 --> 00:10:52,126 あぁ ありがとう。 (店員) どうも~。 188 00:10:52,126 --> 00:10:55,095 (五十六) ここのコロッケはな 最高にうまいんだ。 189 00:10:55,095 --> 00:10:58,595 さぁ ソースをかけずに 食べてごらん。 190 00:11:04,655 --> 00:11:06,190 おいしい! 191 00:11:06,190 --> 00:11:10,094 ハハハ… どうだ びっくりしたろう? 192 00:11:10,094 --> 00:11:12,112 いいか? 五郎。 193 00:11:12,112 --> 00:11:15,616 おいしいものは 高いか安いかなんて関係ない。 194 00:11:15,616 --> 00:11:18,102 店のブランドだって 当てにならない。 195 00:11:18,102 --> 00:11:22,106 一流の料理人はな 自分の舌で見つけるんだ。 196 00:11:22,106 --> 00:11:26,627 一流の料理人は 自分の舌で…? 197 00:11:26,627 --> 00:11:30,197 そうだよ お前は おいしいものが大好きだから➡ 198 00:11:30,197 --> 00:11:33,601 大きくなったら きっと 立派な美食家になるぞ。 199 00:11:33,601 --> 00:11:35,603 じゃあ 僕が大人になったら➡ 200 00:11:35,603 --> 00:11:39,607 僕が見つけた おいしい お店を じいじに教えてあげる! 201 00:11:39,607 --> 00:11:43,093 フフフ… そりゃ 楽しみだ。 202 00:11:43,093 --> 00:11:45,112 あっ どんどん食べなさい。 203 00:11:45,112 --> 00:11:47,612 じいじも食べちゃうぞ うん。 204 00:11:49,149 --> 00:11:53,149 <だけど その約束は かなわなかった> 205 00:11:54,104 --> 00:12:04,598 ♬~ 206 00:12:04,598 --> 00:12:07,585 ハァ ハァ! ハァ ハァ…。 207 00:12:07,585 --> 00:12:11,622 さぁ ご注文通り 揚げたて サックサクの磯辺揚げですよ! 208 00:12:11,622 --> 00:12:14,174 ワゴンから ここまで 30秒で来たんですから! 209 00:12:14,174 --> 00:12:16,210 さぁ 食べてください。 210 00:12:16,210 --> 00:12:18,596 ハァ ハァ…。 ふむふむ。 211 00:12:18,596 --> 00:12:24,585 ♬~ 212 00:12:24,585 --> 00:12:26,604 えっ 何で? 213 00:12:26,604 --> 00:12:30,608 やあ 弁当の神髄は 冷めてもおいしいところにあるな。 214 00:12:30,608 --> 00:12:33,093 ちょっ… せっかく揚げたんだから 食べてくださいよ! 215 00:12:33,093 --> 00:12:35,112 そうだ 小林1号➡ 216 00:12:35,112 --> 00:12:37,147 今日のポテトサラダ なかなか悪くなかった。 217 00:12:37,147 --> 00:12:40,147 あっ! っていうか お会計 まだなんですけど。 218 00:12:42,086 --> 00:12:43,587 これで。 219 00:12:43,587 --> 00:12:45,606 現金払いで。 220 00:12:45,606 --> 00:12:48,108 っていうか ツケてる分も 今日こそ払ってもらいますからね。 221 00:12:48,108 --> 00:12:51,595 ちょっと 聞いてます? 現金払い! 222 00:12:51,595 --> 00:12:55,115 今日 払ってくれなかったら もう二度とお弁当 作りませんよ。 223 00:12:55,115 --> 00:12:58,118 っていうか その磯辺揚げ せっかく揚げて ワゴンから…。 224 00:12:58,118 --> 00:13:01,155 <この街には おいしいものが たくさんあるけれど➡ 225 00:13:01,155 --> 00:13:03,155 一番の僕のお気に入りは…> 226 00:13:04,575 --> 00:13:08,575 <あの日 食べた コロッケみたいな やさしい味> 227 00:13:12,583 --> 00:13:16,086 私の裏メニュー いかがだったでしょうか? 228 00:13:16,086 --> 00:13:18,088 あの店のコロッケを➡ 229 00:13:18,088 --> 00:13:21,158 ぜひ あなたにも 味わってもらいたいものだ。 230 00:13:21,158 --> 00:13:24,094 さて 続いての オリジナルストーリーは➡ 231 00:13:24,094 --> 00:13:27,081 林檎こと古川 茜の 過去に迫ったもの。 232 00:13:27,081 --> 00:13:31,085 なぜ彼女は恋人を殺すという 犯罪を犯してしまったのか。 233 00:13:31,085 --> 00:13:34,088 凶器となったのは手作りのジャム。 234 00:13:34,088 --> 00:13:38,642 その作り方を教えた 実の母と彼女の間にある➡ 235 00:13:38,642 --> 00:13:41,695 愛と憎しみの物語。 236 00:13:41,695 --> 00:13:44,195 いったん CMです。 237 00:15:46,603 --> 00:15:49,606 <帝都ホテルで 若い男女が殺された> 238 00:15:49,606 --> 00:15:51,108 (上遠野) 第一発見者は? 239 00:15:51,108 --> 00:15:54,094 (高橋) 最後に 生きてる2人が 確認されたのは今朝8時。 240 00:15:54,094 --> 00:15:56,113 (高橋) 朝食のルームサービスを 頼んでました。 241 00:15:56,113 --> 00:16:00,100 <殺害方法は シアン化合物による毒殺> 242 00:16:00,100 --> 00:16:03,600 <明智さんと私は 調査を開始する> 243 00:16:04,688 --> 00:16:06,590 厨房まで来ました。 よし。 244 00:16:06,590 --> 00:16:08,592 そのまま潜入を続けるんだ。 245 00:16:08,592 --> 00:16:11,595 どのタイミングで誰が 毒を入れることができるのか。 246 00:16:11,595 --> 00:16:15,582 (苺の声) これだけ人がいたら 厨房で毒を盛るのは不可能です。 247 00:16:15,582 --> 00:16:17,584 やあ 困った。 248 00:16:17,584 --> 00:16:20,137 この ふんわり やさしい味の フレンチトーストじゃ➡ 249 00:16:20,137 --> 00:16:24,208 シアン化合物を混入しても ひと口 食べて吐き出してしまう。 250 00:16:24,208 --> 00:16:26,093 …となると 自殺!? 251 00:16:26,093 --> 00:16:28,593 もしくは メニューにないものを食べたか。 252 00:16:29,596 --> 00:16:33,100 <明智さんの読み通り 被害者の胃の中からは➡ 253 00:16:33,100 --> 00:16:35,085 メニューにはない リンゴが発見され➡ 254 00:16:35,085 --> 00:16:38,088 さらに そのリンゴから 毒物が検出された> 255 00:16:38,088 --> 00:16:39,590 リンゴ? 256 00:16:39,590 --> 00:16:43,677 <犯人は 目の前でシアン化合物を リンゴジャムに混入させ➡ 257 00:16:43,677 --> 00:16:45,696 2人を殺害したのだ> 258 00:16:45,696 --> 00:16:47,598 (上遠野) 人 殺すのに ほがな面倒くせぇこと➡ 259 00:16:47,598 --> 00:16:49,600 する奴なんか おるわけねえじゃろうが! 260 00:16:49,600 --> 00:16:52,102 犯人は面倒でも この やり方にこだわっている。 261 00:16:52,102 --> 00:16:54,605 だから あえて朝食を選んだ。 262 00:16:54,605 --> 00:16:58,105 この犯人 今 捕まえないと 大変なことになる。 263 00:16:59,092 --> 00:17:01,094 <捜査線上に浮かんだのは➡ 264 00:17:01,094 --> 00:17:05,148 青森のリンゴ農園で働く 一人の女性> 265 00:17:05,148 --> 00:17:08,085 <そして 彼女を操っていたのは➡ 266 00:17:08,085 --> 00:17:10,087 マグダラのマリア> 267 00:17:10,087 --> 00:17:12,587 (マリア) 女を傷つけるバカな男は…。 268 00:17:14,575 --> 00:17:17,075 殺してしまえばいい。 269 00:17:20,080 --> 00:17:23,100 (古川 茜) 私…。 270 00:17:23,100 --> 00:17:27,137 大丈夫 あなたは悪くない。 271 00:17:27,137 --> 00:17:29,189 犯人は➡ 272 00:17:29,189 --> 00:17:31,608 真っ赤な このリンゴなんだから。 273 00:17:31,608 --> 00:17:34,595 <明智さんと私は 手掛かりを求めて➡ 274 00:17:34,595 --> 00:17:37,598 一路 青森へ向かったのだった> 275 00:17:37,598 --> 00:17:39,099 (桃子) アンコウ! ハタハタ! 276 00:17:39,099 --> 00:17:42,586 (桃子:苺)♪~ 全部のせ~~! 277 00:17:42,586 --> 00:17:46,607 (マリアの声) あの人は魔女が作った 毒リンゴを食べるかしら? 278 00:17:46,607 --> 00:17:51,695 きっと食べないわ あの人は そういう人。 279 00:17:51,695 --> 00:17:56,099 誰よりも うたぐり深くて 誰よりも 賢くて。 280 00:17:56,099 --> 00:17:59,603 だからこそ 誰よりも ロマンチストなの。 281 00:17:59,603 --> 00:18:03,603 早く私を追い掛けて来て。 282 00:18:08,612 --> 00:18:11,615 (TV) ホテルの従業員が 2人の遺体を発見し➡ 283 00:18:11,615 --> 00:18:14,184 警察に110番通報しました。 284 00:18:14,184 --> 00:18:16,703 (TV) 亡くなっていたのは 杉並区のアルバイト➡ 285 00:18:16,703 --> 00:18:18,588 沢田 剛さん 23歳と➡ 286 00:18:18,588 --> 00:18:23,093 渋谷区の飲食店店員 川上エリさん 25歳です。 287 00:18:23,093 --> 00:18:25,612 (TV) 客室内には争った形跡はなく➡ 288 00:18:25,612 --> 00:18:28,115 また 遺体が客室の…。 289 00:18:28,115 --> 00:18:30,115 (祖父) ん? 290 00:18:31,618 --> 00:18:34,171 また 風で落ちたか。 291 00:18:34,171 --> 00:18:36,606 うん…。 292 00:18:36,606 --> 00:18:43,106 (祖父) あいだな 東京は ま~だ 殺人事件があったみてぇだな。 293 00:18:44,631 --> 00:18:47,631 んだの? 全然 知らねえ。 294 00:18:55,676 --> 00:18:57,176 ハァ…。 295 00:18:58,078 --> 00:19:01,081 わぁ~! リンゴの木 初めて見た。 296 00:19:01,081 --> 00:19:04,618 さて リンゴ狩りでも するとするか。 297 00:19:04,618 --> 00:19:06,620 あんなにリンゴ買ったのに まだ? 298 00:19:06,620 --> 00:19:09,120 ≪リンゴ狩りですか?≫ 299 00:19:12,109 --> 00:19:15,145 大人2人 いいですか? 300 00:19:15,145 --> 00:19:18,198 今日は ちょっと やってなくて。 301 00:19:18,198 --> 00:19:22,102 やあ それは残念だ。 すみません。 302 00:19:22,102 --> 00:19:24,104 お金をお支払いしますので➡ 303 00:19:24,104 --> 00:19:26,604 そのリンゴを 分けてもらえませんか? 304 00:19:28,108 --> 00:19:30,608 これは…。 305 00:19:32,596 --> 00:19:37,117 風が強くて 落ちてしまった 傷物です。 306 00:19:37,117 --> 00:19:40,687 あっ ちなみに この品種って何ですか? 307 00:19:40,687 --> 00:19:42,589 「ふじ」? 「紅玉」? 308 00:19:42,589 --> 00:19:44,608 ≪「茜」だよ≫ 309 00:19:44,608 --> 00:19:48,111 (茜) おじいちゃん! (祖父) 聞がねえ品種だべ? 310 00:19:48,111 --> 00:19:51,098 これ作ってんの この辺では うちだけだ。 311 00:19:51,098 --> 00:19:53,600 へぇ~。 いがったら 持ってくか? 312 00:19:53,600 --> 00:19:57,104 いいんですか!? 傷 入ってても おいしいや。 313 00:19:57,104 --> 00:19:59,623 タダでいいから。 えっ! ありがとうございます! 314 00:19:59,623 --> 00:20:01,658 おじいちゃん 家 入ってて! 315 00:20:01,658 --> 00:20:03,693 何だ? おめぇ 大声 出して。 早く! 316 00:20:03,693 --> 00:20:06,096 何だ? おめぇ。 ありがとうございました! 317 00:20:06,096 --> 00:20:08,098 (祖父) 茜! どうした? 318 00:20:08,098 --> 00:20:12,586 このリンゴ 「茜」って あの人の名前と同じなんですね。 319 00:20:12,586 --> 00:20:15,086 古川 茜…。 320 00:20:16,073 --> 00:20:19,092 被害者の男が 二股をかけていたのは彼女か。 321 00:20:19,092 --> 00:20:21,111 えっ! それ知ってて ここに!? 322 00:20:21,111 --> 00:20:24,664 日本のマヌケな警察が 農園の場所を教えてくれてね。 323 00:20:24,664 --> 00:20:28,602 さて このリンゴ ジャムに適していると思うかい? 324 00:20:28,602 --> 00:20:31,121 まぁ 実は しっかりしてそうですけど。 325 00:20:31,121 --> 00:20:33,621 やっぱり作ってみないと 分からないか。 326 00:20:37,110 --> 00:20:40,597 …って結局 作ってるのは私一人。 327 00:20:40,597 --> 00:20:43,617 (祖父) ≪あ~ いだ いだ~≫ 328 00:20:43,617 --> 00:20:45,652 さっきは…。 329 00:20:45,652 --> 00:20:48,188 ほぉ ジャムか。 330 00:20:48,188 --> 00:20:54,094 勘違いかもしれねばって 孫 訪ねて来たんでねえか? 331 00:20:54,094 --> 00:20:56,613 あ… えっと。 332 00:20:56,613 --> 00:20:59,599 やっぱり んだが。 333 00:20:59,599 --> 00:21:03,086 あれ ホントは 東京さ 行きてぇんだべ。 334 00:21:03,086 --> 00:21:06,590 向こうさ 彼氏ば いるしな アハハ…。 335 00:21:06,590 --> 00:21:09,609 それは会いたいでしょうね。 336 00:21:09,609 --> 00:21:14,181 (祖父) それが あの子の母親も➡ 337 00:21:14,181 --> 00:21:18,602 ちょうど 今の あの子ぐらいん時 東京 出でっての。 338 00:21:18,602 --> 00:21:23,090 ただ まぁ 向こうで いろいろあって➡ 339 00:21:23,090 --> 00:21:28,612 あの子をお腹さ こさえて こっちさ戻って来たんだ。 340 00:21:28,612 --> 00:21:31,098 そうだったんですか。 341 00:21:31,098 --> 00:21:37,187 その母親も あの子が小学校の時 亡くなってなぁ。 342 00:21:37,187 --> 00:21:40,687 その母親が教えたのが…。 343 00:21:42,109 --> 00:21:45,612 傷物のリンゴで作った ジャムだったんだ。 344 00:21:45,612 --> 00:21:53,103 ♬~ 345 00:21:53,103 --> 00:21:57,103 やあ 結果は出たかな? 346 00:21:59,159 --> 00:22:01,228 「茜」です。 347 00:22:01,228 --> 00:22:11,104 ♬~ 348 00:22:11,104 --> 00:22:13,104 悪くない。 349 00:22:15,592 --> 00:22:18,595 (茜の声) 「東京から ちょっと変な人が来ました」。 350 00:22:18,595 --> 00:22:21,081 「リンゴのことを 聞いて帰りました」。 351 00:22:21,081 --> 00:22:25,581 思ったより早かったわね 探偵さん。 352 00:22:29,172 --> 00:22:30,690 (マリアの声) 「大丈夫。 353 00:22:30,690 --> 00:22:33,109 その人は あなたを 捕まえに来たわけじゃないわ。 354 00:22:33,109 --> 00:22:37,097 その人には 全部を話してちょうだい。 355 00:22:37,097 --> 00:22:40,097 あなたは絶対に捕まらない」。 356 00:22:41,084 --> 00:22:43,084 (ノック) 357 00:25:01,558 --> 00:25:04,561 先ほどは おいしいリンゴを ありがとう 茜さん。 358 00:25:04,561 --> 00:25:07,580 しかし 交際相手が 東京で変死したというのに➡ 359 00:25:07,580 --> 00:25:11,067 リンゴの収穫とは 随分と のんきですね。 360 00:25:11,067 --> 00:25:14,567 それとも また帝都ホテルに リンゴを届けに行くんですか? 361 00:25:16,072 --> 00:25:18,141 警察なの? 362 00:25:18,141 --> 00:25:22,178 私は おいしいものが大好きな ただの美食家です。 363 00:25:22,178 --> 00:25:27,567 先ほど頂いた この小さなリンゴで ジャムを作らせていただきました。 364 00:25:27,567 --> 00:25:30,553 それから 市場で買って来た 別のリンゴでも。 365 00:25:30,553 --> 00:25:32,572 1号 説明を。 366 00:25:32,572 --> 00:25:36,576 この「茜」で作ったジャムは 味もしっかりしていて➡ 367 00:25:36,576 --> 00:25:39,562 実も煮崩れしない そして 火の通りもいいので➡ 368 00:25:39,562 --> 00:25:42,565 煮込んでから 10分ほどで出来ました。 369 00:25:42,565 --> 00:25:45,135 他のリンゴでも ジャムを作りましたが➡ 370 00:25:45,135 --> 00:25:49,089 こうはなりませんでした。 それが? 371 00:25:49,089 --> 00:25:52,075 ホテルで殺害された あなたの恋人の舌には➡ 372 00:25:52,075 --> 00:25:54,575 小さなやけどの痕があった。 373 00:25:56,062 --> 00:25:59,566 例えば ホテルで客の目の前で➡ 374 00:25:59,566 --> 00:26:01,568 毒入りのジャムを作って サーブし➡ 375 00:26:01,568 --> 00:26:03,586 それなりの量を 食べさせるとしたら➡ 376 00:26:03,586 --> 00:26:07,640 一番 適しているリンゴは この「茜」だったということです。 377 00:26:07,640 --> 00:26:10,193 胃の内容物を さらに詳しく調べれば➡ 378 00:26:10,193 --> 00:26:14,097 殺害に使われたリンゴの品種まで 特定できるでしょう。 379 00:26:14,097 --> 00:26:16,097 私は…。 380 00:26:19,068 --> 00:26:21,070 私は何も知らねえ。 381 00:26:21,070 --> 00:26:26,593 ずっと黙ってバレなければ… 捕まらなければいいんですか? 382 00:26:26,593 --> 00:26:28,611 茜さんのおじいさんは➡ 383 00:26:28,611 --> 00:26:30,630 誰かを殺すために リンゴを作ったんじゃ ない! 384 00:26:30,630 --> 00:26:32,665 お母さんだって 人を殺すために➡ 385 00:26:32,665 --> 00:26:35,602 ジャムの作り方を 教えたんじゃないでしょう!? 386 00:26:35,602 --> 00:26:38,588 都会で のんきに リンゴ食べてる人さ➡ 387 00:26:38,588 --> 00:26:42,588 この土地でリンゴ作ってる人間の 気持ちなんか分かるわけねえ! 388 00:26:44,594 --> 00:26:46,594 だって…。 389 00:26:49,599 --> 00:26:53,099 「ずっと一緒にいよう」って 言ってくれたのに…。 390 00:26:54,687 --> 00:27:00,187 東京さ 行った途端 あんな…。 391 00:27:11,104 --> 00:27:17,604 私たちは 中学生の頃から ずっと一緒で…。 392 00:27:19,095 --> 00:27:24,095 高校1年生の時に 私が告白して 付き合い始めました。 393 00:27:27,203 --> 00:27:33,576 (茜の声) でも 彼が東京の大学に 進学することになって…。 394 00:27:33,576 --> 00:27:38,081 きっと卒業したら また こっち戻って来ると思って➡ 395 00:27:38,081 --> 00:27:43,169 私は ここで 実家のリンゴ園を 手伝うことになって…。 396 00:27:43,169 --> 00:27:45,738 ⦅振動音⦆ 397 00:27:45,738 --> 00:27:48,675 ⦅もしもし?⦆ (剛)⦅もしもし 茜⦆ 398 00:27:48,675 --> 00:27:50,643 (剛)⦅届いたよ⦆ 399 00:27:50,643 --> 00:27:54,063 (茜の声) 私はずっと 一人暮らしの彼のために➡ 400 00:27:54,063 --> 00:27:56,649 小包を送ってあげてたんです。 401 00:27:56,649 --> 00:28:00,553 ⦅うん 剛君が好きなもの 選んだから⦆ 402 00:28:00,553 --> 00:28:04,073 (茜の声) 彼は すごく喜んでくれました。 403 00:28:04,073 --> 00:28:06,125 (明智の声) その小包に➡ 404 00:28:06,125 --> 00:28:09,646 あなたの手作りのジャムを 入れたんですね。 405 00:28:09,646 --> 00:28:11,646 はい。 406 00:28:13,082 --> 00:28:15,582 でも…。 407 00:28:17,070 --> 00:28:21,574 彼は すぐに大学を中退して➡ 408 00:28:21,574 --> 00:28:24,574 夜のバイトを始めたみたいで…。 409 00:28:26,079 --> 00:28:31,651 (茜の声) ある日 彼のページに 女の人が写ってて。 410 00:28:31,651 --> 00:28:35,071 私の作ったジャムをその人が➡ 411 00:28:35,071 --> 00:28:38,057 クラッカーさ オシャレに盛り付けて…。 412 00:28:38,057 --> 00:28:42,078 私のおじいちゃんが作った リンゴの➡ 413 00:28:42,078 --> 00:28:46,078 私と同じ名前のリンゴで作った…。 414 00:28:47,567 --> 00:28:51,067 お母さんが教えてくれた ジャムを…。 415 00:28:54,123 --> 00:28:58,123 その女が 食べてた。 416 00:29:00,079 --> 00:29:04,567 何年も ずっと私は➡ 417 00:29:04,567 --> 00:29:10,567 その女が食べるために ジャムをコトコト煮てた。 418 00:29:14,077 --> 00:29:17,096 きっと彼は➡ 419 00:29:17,096 --> 00:29:21,096 「母親が作って送って来る」 とでも言ってたんだべ。 420 00:29:23,086 --> 00:29:28,586 だから私 その女を殺してやろうと思って。 421 00:29:32,061 --> 00:29:34,581 そしたら マリアさんが➡ 422 00:29:34,581 --> 00:29:37,600 毒を入れてくれたんです。 423 00:29:37,600 --> 00:29:40,100 ステキなアイデアでしょ? 424 00:29:41,638 --> 00:29:44,138 マリアが ホテルの部屋でサーブした。 425 00:29:45,575 --> 00:29:49,078 マリアさんは 私と違ってキレイだから➡ 426 00:29:49,078 --> 00:29:52,578 あの高級ホテルが よく似合う。 427 00:29:53,650 --> 00:29:57,687 ⦅季節限定の朝食の サービスメニューでございます⦆ 428 00:29:57,687 --> 00:29:59,589 (剛)⦅えっ ここで 作ってくれんすか?⦆ 429 00:29:59,589 --> 00:30:01,708 ⦅青森産のリンゴで作った コンフィチュールを➡ 430 00:30:01,708 --> 00:30:03,660 フレンチトーストに添えて…⦆ (剛)⦅つうか➡ 431 00:30:03,660 --> 00:30:05,762 「コンフィチュール」って 何すか?⦆ 432 00:30:05,762 --> 00:30:08,231 ⦅フランス語で「ジャム」という 意味でございます⦆ 433 00:30:08,231 --> 00:30:11,231 (エリ)⦅え~ 何かオシャレ~⦆ (剛)⦅ねっ⦆ 434 00:30:12,635 --> 00:30:18,157 ⦅ここに 当ホテルの 秘密の隠し味をひとさじ⦆ 435 00:30:18,157 --> 00:30:20,693 ⦅このジャムが 一生 忘れられないくらい➡ 436 00:30:20,693 --> 00:30:23,663 おいしくなる魔法の粉を…⦆ 437 00:30:23,663 --> 00:30:26,132 ⦅俺も食おっかな~⦆ ⦅えっ でも あんた リンゴジャム➡ 438 00:30:26,132 --> 00:30:28,568 食べ飽きたって言ってたじゃん⦆ ⦅いや それはカノ…➡ 439 00:30:28,568 --> 00:30:31,154 あっ いや おふくろが作ったやつの話ね⦆ 440 00:30:31,154 --> 00:30:34,707 ⦅こんな高級ホテルのやつなら 食ってみたいじゃん⦆ 441 00:30:34,707 --> 00:30:36,726 (エリ)⦅いただきま~す⦆ 442 00:30:36,726 --> 00:30:38,261 ⦅熱っち!⦆ 443 00:30:38,261 --> 00:30:40,261 ⦅アハハ 何やってんの?⦆ 444 00:30:43,716 --> 00:30:46,552 (剛)⦅うまっ!⦆ ⦅う~ん おいしい!⦆ 445 00:30:46,552 --> 00:30:55,745 ♬~ 446 00:30:55,745 --> 00:30:57,547 ⦅うっ…!⦆ 447 00:30:57,547 --> 00:31:06,656 ♬~ 448 00:31:06,656 --> 00:31:08,658 (エリ)⦅大丈夫? どうしたの!?⦆ 449 00:31:08,658 --> 00:31:10,076 ⦅うっ…!⦆ 450 00:31:10,076 --> 00:31:17,133 ♬~ 451 00:31:17,133 --> 00:31:20,687 ⦅まぁまぁ そんなに 喜んでいただけるなんて➡ 452 00:31:20,687 --> 00:31:23,139 ステキな最後の晩餐…⦆ 453 00:31:23,139 --> 00:31:28,077 ⦅いえ 最後のブレックファーストに なりましたわね⦆ 454 00:31:28,077 --> 00:31:38,977 ♬~ 455 00:31:44,560 --> 00:31:47,080 (茜) 私は…➡ 456 00:31:47,080 --> 00:31:51,580 彼は 絶対に ジャムを食べないと思ってた。 457 00:31:53,586 --> 00:31:57,086 あの女だけ死ねばいいと思ってた。 458 00:32:00,576 --> 00:32:04,076 なのに 彼は食べた。 459 00:32:05,648 --> 00:32:09,569 私の作ったジャムと同じなのに➡ 460 00:32:09,569 --> 00:32:13,569 私が送ったジャムは 腐らせるくせに…。 461 00:32:16,058 --> 00:32:21,058 高級ホテルで出たジャムは 食べた。 462 00:32:22,548 --> 00:32:27,086 料理とは そういうものです。 463 00:32:27,086 --> 00:32:30,156 同じ材料 同じ味付けでも➡ 464 00:32:30,156 --> 00:32:33,576 美しい皿や サーブする人間の演出によって➡ 465 00:32:33,576 --> 00:32:35,576 いくらでも その価値は変わる。 466 00:32:37,079 --> 00:32:41,567 あなたは この美しく おいしいリンゴを➡ 467 00:32:41,567 --> 00:32:45,067 魔女の毒入りリンゴに 変えてしまった。 468 00:32:46,572 --> 00:32:49,072 そのリンゴは私です。 469 00:32:52,145 --> 00:32:54,645 私が彼を殺したんです。 470 00:32:56,065 --> 00:33:00,553 どうして… どうして愛してた人を。 471 00:33:00,553 --> 00:33:04,557 そんなの おじいさん 悲しむよ! お母さんだって! 472 00:33:04,557 --> 00:33:09,557 愛してたから… 殺した。 473 00:33:11,564 --> 00:33:15,635 女って そういうもんです。 474 00:33:15,635 --> 00:33:19,572 まぁ 理解はできます。 475 00:33:19,572 --> 00:33:22,074 茜さん! 476 00:33:22,074 --> 00:33:25,578 真実を話して 罪を償ってください! 477 00:33:25,578 --> 00:33:27,578 きっと やり直せますから! 478 00:33:29,065 --> 00:33:31,067 おじいさんも言ってました。 479 00:33:31,067 --> 00:33:36,088 ⦅こんな 年寄りのことなんか ほっといてくれていいから➡ 480 00:33:36,088 --> 00:33:40,660 好きな人と一緒になって…➡ 481 00:33:40,660 --> 00:33:47,660 いい人生 過ごしてほしいんです⦆ 482 00:33:52,071 --> 00:33:54,073 なのに…! 483 00:33:54,073 --> 00:33:58,573 (泣き声) 484 00:34:00,062 --> 00:34:03,566 もう… 遅い。 485 00:34:03,566 --> 00:34:06,566 そんなことは…! 君は黙ってろ。 486 00:34:09,121 --> 00:34:11,657 彼女は…。 487 00:34:11,657 --> 00:34:13,559 マリアは今 どこに? 488 00:34:13,559 --> 00:34:22,068 ♬~ 489 00:34:22,068 --> 00:34:33,162 (サイレン) 490 00:34:33,162 --> 00:34:36,182 明智! 明智さ~ん! 491 00:34:36,182 --> 00:34:39,068 やあ 相変わらず遅いな。 492 00:34:39,068 --> 00:34:41,570 令状 取るんに 時間がかかってしもうたがじゃ。 493 00:34:41,570 --> 00:34:44,573 おんしは何で ここにおるがじゃ? 君たちが来るまで➡ 494 00:34:44,573 --> 00:34:48,073 彼女が間違いを起こさないように 見張っていた。 495 00:34:52,081 --> 00:34:54,081 茜…。 496 00:34:56,585 --> 00:34:58,621 古川 茜さんですね? 497 00:34:58,621 --> 00:35:03,576 東京の帝都ホテル男女殺人事件の 重要参考人として➡ 498 00:35:03,576 --> 00:35:06,562 事情聴取に ご協力いただけますか? 499 00:35:06,562 --> 00:35:08,547 はい。 500 00:35:08,547 --> 00:35:12,084 (祖父) 茜! どうしたば!? 何のことだ!? 501 00:35:12,084 --> 00:35:15,571 茜に何の用だ!? あぁ! (茜) いいの! おじいちゃん。 502 00:35:15,571 --> 00:35:20,142 よ~し 家宅捜索じゃ! 物証 出るまで捜せ捜せ! 503 00:35:20,142 --> 00:35:22,561 あぁ…! (茜) おじいちゃん! 504 00:35:22,561 --> 00:35:24,561 おじい…。 505 00:35:26,048 --> 00:35:30,069 だ… 大丈夫だ うん 大丈夫だ。 506 00:35:30,069 --> 00:35:32,571 うん… じいちゃん ついてる。 507 00:35:32,571 --> 00:35:36,058 うん 大丈夫だ 茜。 508 00:35:36,058 --> 00:35:39,111 何も心配いらねえ。 509 00:35:39,111 --> 00:35:52,058 ♬~ 510 00:35:52,058 --> 00:35:54,060 (茜) あの…。 511 00:35:54,060 --> 00:36:00,082 今度 私が作ったジャム 食べてください。 512 00:36:00,082 --> 00:36:02,082 はい。 513 00:36:03,569 --> 00:36:06,589 最後の晩餐候補に入れておこう。 514 00:36:06,589 --> 00:36:19,068 ♬~ 515 00:36:19,068 --> 00:36:26,068 ♬~ 516 00:36:30,563 --> 00:36:33,099 ついに起こってしまった 第2の事件! 517 00:36:33,099 --> 00:36:36,118 帝都ホテル男女殺人事件の 重要参考人として…。 518 00:36:36,118 --> 00:36:38,170 茜に何の用だ!? あぁ! (茜) いいの! 519 00:36:38,170 --> 00:36:41,574 <そして 事件を裏から操る 怪しい影> 520 00:36:41,574 --> 00:36:45,077 <その名も マグダラのマリア> 521 00:36:45,077 --> 00:36:48,080 彼女は 一体 何者なのか 事件はまだ続くのか。 522 00:36:48,080 --> 00:36:51,083 東京の上空に暗雲が立ち込める! 523 00:36:51,083 --> 00:36:52,585 この物語では…。 524 00:36:52,585 --> 00:36:55,087 小林1号。 「苺」です! …って また来た。 525 00:36:55,087 --> 00:36:58,140 それは こっちのセリフだ ここは 僕の探偵事務所だぞ。 526 00:36:58,140 --> 00:37:00,640 どれ 代わりたまえ。 あっ ちょっと…! 527 00:37:03,579 --> 00:37:07,566 この物語では 美食探偵 明智五郎が挑む➡ 528 00:37:07,566 --> 00:37:10,569 難事件の裏側を 少しだけ のぞき見ることができる。 529 00:37:10,569 --> 00:37:14,073 そう これは いわば お得意様のためだけの➡ 530 00:37:14,073 --> 00:37:16,609 マル秘裏メニューなのだ。 531 00:37:16,609 --> 00:37:20,646 今日のお話は 林檎こと古川 茜の マル秘裏メニューです。 532 00:37:20,646 --> 00:37:22,646 かぶってるぞい。 はい。 533 00:37:27,586 --> 00:37:30,089 明智さん リンゴむけましたよ。 534 00:37:30,089 --> 00:37:31,989 ありがとう。 535 00:37:37,580 --> 00:37:39,598 何の形だ? これは。 536 00:37:39,598 --> 00:37:42,098 見たまんま お寿司ですよ。 537 00:37:43,119 --> 00:37:45,154 うん 味はリンゴだ。 538 00:37:45,154 --> 00:37:47,089 そりゃ そうだろう。 539 00:37:47,089 --> 00:37:50,092 茜さん これから どうするんだろう? 540 00:37:50,092 --> 00:37:52,061 罪には問われなくても➡ 541 00:37:52,061 --> 00:37:55,581 人殺しに関わった事実は 消えないからな。 542 00:37:55,581 --> 00:37:59,568 茜さんなりの方法で 償ってくれたらいいなぁ。 543 00:37:59,568 --> 00:38:02,104 あっ 何か 茜さんの恋って➡ 544 00:38:02,104 --> 00:38:04,640 彼氏が浮気しないで 殺人事件にならなかったら➡ 545 00:38:04,640 --> 00:38:06,675 あの歌みたいでしたよね。 歌? 546 00:38:06,675 --> 00:38:08,561 え~ 何でしたっけ? あの➡ 547 00:38:08,561 --> 00:38:12,581 恋人が上京して だんだん変わって行っちゃう…。 548 00:38:12,581 --> 00:38:18,070 [ 音程が外れている ] ♪~ 恋人よ ぼくは旅立つ 549 00:38:18,070 --> 00:38:22,074 [ 音程が外れている ] ♪~ 東へと向う列車で 550 00:38:22,074 --> 00:38:24,110 ♪~ チャチャチャチャ 歌詞から察するに➡ 551 00:38:24,110 --> 00:38:26,145 『 木綿のハンカチーフ』 のようだが…。 552 00:38:26,145 --> 00:38:28,180 えっ 歌詞から察するに? 553 00:38:28,180 --> 00:38:31,083 音程だけでは判断できなかった 怖かった。 554 00:38:31,083 --> 00:38:33,102 それ どういう意味ですか!? 555 00:38:33,102 --> 00:38:36,088 上遠野氏は『 林檎殺人事件』 みたいだと言っていたし➡ 556 00:38:36,088 --> 00:38:40,593 いやはや 昭和の名曲に彩られた 事件だったということか。 557 00:38:40,593 --> 00:38:42,595 う~ん あの歌みたいに➡ 558 00:38:42,595 --> 00:38:45,595 切ないだけで終われば よかったんですけどね。 559 00:38:49,568 --> 00:38:52,571 (茜) お待たせ! 560 00:38:52,571 --> 00:38:55,574 あの… これ。 561 00:38:55,574 --> 00:38:57,593 (剛) 何? 562 00:38:57,593 --> 00:38:59,578 うちのリンゴで作ったジャム。 563 00:38:59,578 --> 00:39:01,578 手作り? うん。 564 00:39:06,152 --> 00:39:09,171 うまい。 フフっ やった~。 565 00:39:09,171 --> 00:39:12,074 茜 料理 上手なんだな。 566 00:39:12,074 --> 00:39:14,059 これね➡ 567 00:39:14,059 --> 00:39:17,559 死んだお母さんがら 教えてもらったレシピなんだ。 568 00:39:19,081 --> 00:39:21,083 そっか…。 569 00:39:21,083 --> 00:39:23,586 ごめん。 ううん。 570 00:39:23,586 --> 00:39:28,123 うち お父さんもいないべ? 571 00:39:28,123 --> 00:39:30,159 だから 私➡ 572 00:39:30,159 --> 00:39:36,081 温かい家族の だんらんみたいなの ずっと憧れててね。 573 00:39:36,081 --> 00:39:41,086 剛君と いつか そうなれたらいいなぁって…。 574 00:39:41,086 --> 00:39:55,217 ♬~ 575 00:39:55,217 --> 00:39:59,217 俺 大学 卒業したら 戻って来るから。 576 00:40:01,574 --> 00:40:03,592 ごめんね。 577 00:40:03,592 --> 00:40:06,579 一緒に行げなくて。 (剛) 仕方ねえよ。 578 00:40:06,579 --> 00:40:09,579 茜が この農園 継がないといけないんだべ。 579 00:40:11,083 --> 00:40:13,602 (茜) <本当は…> 580 00:40:13,602 --> 00:40:16,602 俺が帰って来るのを 待ってでける? 581 00:40:18,157 --> 00:40:21,157 <「一緒に行こう」って 言ってほしかった> 582 00:40:24,630 --> 00:40:26,582 うん。 583 00:40:26,582 --> 00:40:28,582 待ってる。 584 00:40:32,054 --> 00:40:37,126 <あの頃の私はバカで 幸せだった> 585 00:40:37,126 --> 00:40:40,179 <だから こんな未来が訪れることを➡ 586 00:40:40,179 --> 00:40:43,599 少しも想像できなかったんだ> 587 00:40:43,599 --> 00:40:49,599 ♬~ 588 00:40:51,590 --> 00:40:53,590 (PC) (メールの受信音) 589 00:41:00,132 --> 00:41:08,073 ♬~ 590 00:41:08,073 --> 00:41:12,077 何してらんだ? こった暗い部屋で。 591 00:41:12,077 --> 00:41:14,580 ちょっと調べ物。 592 00:41:14,580 --> 00:41:16,565 早く寝ろ。 593 00:41:16,565 --> 00:41:18,065 うん。 594 00:41:20,586 --> 00:41:23,605 何かあったのか? 595 00:41:23,605 --> 00:41:25,641 何でもないよ。 596 00:41:25,641 --> 00:41:28,577 (祖父) おめぇのお母さんもそうだった。 597 00:41:28,577 --> 00:41:32,081 何かあっても 「何でもない」って。 598 00:41:32,081 --> 00:41:36,085 おめぇを お腹さ こさえて 戻って来た時もそうだった。 599 00:41:36,085 --> 00:41:44,626 ♬~ 600 00:41:44,626 --> 00:41:47,126 私は大丈夫。 601 00:41:49,698 --> 00:41:51,698 (祖父) 茜。 602 00:41:54,586 --> 00:41:56,572 おめぇの人生なんだ。 603 00:41:56,572 --> 00:41:58,572 おめぇの好きにせぇ。 604 00:42:00,592 --> 00:42:02,578 ありがとう。 605 00:42:02,578 --> 00:42:04,596 (祖父) ああ。 606 00:42:04,596 --> 00:42:09,096 おめぇ お母さんさ似て 美人さんさ なって来たな。 607 00:42:10,652 --> 00:42:12,671 おやすみなさい。 608 00:42:12,671 --> 00:42:14,073 (祖父) ああ。 609 00:42:14,073 --> 00:42:34,176 ♬~ 610 00:42:34,176 --> 00:42:36,095 ♬~ 611 00:42:36,095 --> 00:42:40,595 <私は 母親似なんかじゃ ない> 612 00:44:48,560 --> 00:44:51,560 (リンゴを洗う音) 613 00:45:00,088 --> 00:45:03,091 私みたい…。 614 00:45:03,091 --> 00:45:07,591 傷ついで 汚れで…。 615 00:45:09,197 --> 00:45:11,617 <その時 思い出したのは➡ 616 00:45:11,617 --> 00:45:14,617 あの日の 母のことでした> 617 00:45:24,079 --> 00:45:26,079 (母) ハァ…。 618 00:45:27,649 --> 00:45:31,203 茜 やめなさい。 619 00:45:31,203 --> 00:45:36,103 だって こんな汚くなっちゃったの 食べられないよ。 620 00:45:37,593 --> 00:45:39,593 そんなごと ない。 621 00:45:41,079 --> 00:45:44,616 見た目が どんなに傷ついて汚れても➡ 622 00:45:44,616 --> 00:45:47,616 おいしいままなんだがら。 623 00:45:51,089 --> 00:45:57,179 <あの時 母も今の私と 同じことを思っていたとしたら➡ 624 00:45:57,179 --> 00:46:02,084 幼い私は 残酷なことをしました> 625 00:46:02,084 --> 00:46:14,563 ♬~ 626 00:46:14,563 --> 00:46:16,598 お母さん? 627 00:46:16,598 --> 00:46:19,117 あっ…。 628 00:46:19,117 --> 00:46:21,117 ごめんね。 629 00:46:22,671 --> 00:46:25,073 拾ったリンゴは ジャムにしましょうね。 630 00:46:25,073 --> 00:46:27,559 作り方 教えてあげるから。 631 00:46:27,559 --> 00:46:29,578 (茜) やったぁ。 632 00:46:29,578 --> 00:46:38,070 ♬~ 633 00:46:38,070 --> 00:46:40,070 いい匂い。 634 00:46:41,590 --> 00:46:47,179 お料理は 愛を込めで作るのが 大切なんだよ。 635 00:46:47,179 --> 00:46:49,179 愛って何? 636 00:46:50,565 --> 00:46:52,565 えっ? 637 00:46:56,555 --> 00:46:58,555 そうね…。 638 00:47:00,058 --> 00:47:06,081 お母さんは 茜のごと愛してるわ。 639 00:47:06,081 --> 00:47:10,581 大好きってこと? じゃあ 私も お母さんのこと 愛してる。 640 00:47:12,671 --> 00:47:18,093 <母は あの時 私の顔を見て 何を思ったんだろう?> 641 00:47:18,093 --> 00:47:21,593 <だって 私の顔は…> 642 00:47:23,565 --> 00:47:25,565 <私の顔は…> 643 00:47:27,069 --> 00:47:31,569 <母を捨てた父に よく似ていたから> 644 00:47:34,109 --> 00:47:42,067 (泣き声) 645 00:47:42,067 --> 00:47:45,570 お母さん 大丈夫? どうしたの? 646 00:47:45,570 --> 00:47:47,572 ねぇ お母さん…。 647 00:47:47,572 --> 00:47:49,072 やめて! 648 00:47:52,561 --> 00:47:54,563 あっ…。 649 00:47:54,563 --> 00:47:57,582 ごめんね 茜。 650 00:47:57,582 --> 00:48:02,582 愛って 難しいから…。 651 00:48:04,690 --> 00:48:07,190 私ね…。 652 00:48:08,593 --> 00:48:12,581 お父さんのごと…➡ 653 00:48:12,581 --> 00:48:14,566 愛してだの。 654 00:48:14,566 --> 00:48:17,066 お父さん? 655 00:48:21,056 --> 00:48:23,608 おいしそうに煮えだ。 (コンロのスイッチを切る音) 656 00:48:23,608 --> 00:48:31,566 ♬~ 657 00:48:31,566 --> 00:48:34,069 ホント…。 658 00:48:34,069 --> 00:48:36,588 そっくり。 659 00:48:36,588 --> 00:48:38,588 何? 660 00:48:41,560 --> 00:48:43,578 (コンロのスイッチを入れる音) 661 00:48:43,578 --> 00:48:53,588 (ジャムが煮える音) 662 00:48:53,588 --> 00:48:57,109 ほら 味見してみで。 663 00:48:57,109 --> 00:48:59,109 うん。 664 00:49:00,579 --> 00:49:05,079 愛してるわ 茜…。 665 00:49:07,085 --> 00:49:09,638 (茜) 熱い! 熱いよ! 666 00:49:09,638 --> 00:49:13,091 あっ 大変 ごめんね ごめんね。 熱い~。 667 00:49:13,091 --> 00:49:15,577 熱いよ~。 (コップに水を注ぐ音) 668 00:49:15,577 --> 00:49:17,577 はい。 669 00:49:20,065 --> 00:49:22,100 <そうだ> 670 00:49:22,100 --> 00:49:27,100 <あの時 お母さんは わざと…> 671 00:49:30,158 --> 00:49:32,558 ひどいなぁ。 672 00:49:34,079 --> 00:49:37,582 <でも 今なら その気持ち➡ 673 00:49:37,582 --> 00:49:40,082 痛いくらい分かる> 674 00:49:41,586 --> 00:49:43,588 <母も また➡ 675 00:49:43,588 --> 00:49:47,088 私と同じ 落ちたリンゴだった> 676 00:49:49,161 --> 00:49:51,196 <お母さん> 677 00:49:51,196 --> 00:49:53,098 <愛って➡ 678 00:49:53,098 --> 00:49:56,098 「大好き」ってだけじゃ ないんだね> 679 00:49:57,586 --> 00:50:00,088 <だけど 私➡ 680 00:50:00,088 --> 00:50:04,576 あなたみたいに 傷ついて終わるのは嫌> 681 00:50:04,576 --> 00:50:09,130 <だから 私は魔女になる> 682 00:50:09,130 --> 00:50:17,072 (ジャムが煮える音) 683 00:50:17,072 --> 00:50:19,090 傷ついたリンゴは➡ 684 00:50:19,090 --> 00:50:21,576 果実自体が その傷を治そうと➡ 685 00:50:21,576 --> 00:50:25,080 傷がないものより 甘くなるらしい。 686 00:50:25,080 --> 00:50:27,082 人生も また しかりだ。 687 00:50:27,082 --> 00:50:29,084 なるほどなぁ。 688 00:50:29,084 --> 00:50:32,621 しかし 愛してるから殺すって どんな感じなんでしょうね? 689 00:50:32,621 --> 00:50:34,656 私だったら 愛する人には➡ 690 00:50:34,656 --> 00:50:38,593 毎日 おいしい手料理 食べさせて 笑顔にさせたいって思うけどなぁ。 691 00:50:38,593 --> 00:50:42,581 ♬~ 692 00:50:42,581 --> 00:50:46,101 <何? この沈黙 何よ? その目> 693 00:50:46,101 --> 00:50:48,069 <ないって! 明智さんは ない ない ない!> 694 00:50:48,069 --> 00:50:51,072 <だけど この前 明智さんの実家まで行って➡ 695 00:50:51,072 --> 00:50:53,108 親にも会っちゃったし…> 696 00:50:53,108 --> 00:50:55,660 <えっ! もっ… ももも… もしかして 明智さん➡ 697 00:50:55,660 --> 00:50:57,579 そういうつもりがあって!?> 698 00:50:57,579 --> 00:50:59,581 ちなみにイチゴは…。 699 00:50:59,581 --> 00:51:02,584 <何? 突然の名前呼び!?> 700 00:51:02,584 --> 00:51:06,571 傷ついた所から すぐ腐る。 701 00:51:06,571 --> 00:51:08,056 は? 702 00:51:08,056 --> 00:51:10,575 しかし 形が悪いもののほうが おいしいんだ。 703 00:51:10,575 --> 00:51:14,629 小林1号 君は せいぜい 不格好な恋に励みたまえ。 704 00:51:14,629 --> 00:51:18,617 傷ついて 腐ってしまう前にな。 705 00:51:18,617 --> 00:51:20,602 はぁ~!? 706 00:51:20,602 --> 00:51:22,587 じゃあ 明智さんの恋愛は どうなんですか? 707 00:51:22,587 --> 00:51:25,090 におわせばっかりで 実際に 女性と一緒にいるところなんて➡ 708 00:51:25,090 --> 00:51:27,092 見たことありませんけどね! 709 00:51:27,092 --> 00:51:29,628 ねぇ ちょっと 聞いてます? 710 00:51:29,628 --> 00:51:32,028 ん~! 今日はもう帰ります! 711 00:51:34,082 --> 00:51:35,667 (ドアが閉まる音) 712 00:51:35,667 --> 00:51:38,667 ⦅世界中の人間を 殺してしまわないと⦆ 713 00:51:40,155 --> 00:51:45,610 ⦅私たちが… アダムとイヴになるために⦆ 714 00:51:45,610 --> 00:51:54,569 ♬~ 715 00:51:54,569 --> 00:52:00,058 1時間にわたって お送りして来た 『 美食探偵 明智五郎』 特別編。 716 00:52:00,058 --> 00:52:02,060 いかがでしたか? 717 00:52:02,060 --> 00:52:04,062 さて 来週のメニューは➡ 718 00:52:04,062 --> 00:52:07,115 自分の店を グルメサイトで酷評され➡ 719 00:52:07,115 --> 00:52:11,169 そのレビュアーを窒息死させた マリアの忠実なしもべ➡ 720 00:52:11,169 --> 00:52:13,054 伊藤シェフ。 721 00:52:13,054 --> 00:52:16,057 そして キッチンハラスメントに 苦しめられ➡ 722 00:52:16,057 --> 00:52:19,561 ついには 夫を殺害 解体するに至ってしまった➡ 723 00:52:19,561 --> 00:52:21,563 れいぞう子。 724 00:52:21,563 --> 00:52:25,083 この2人の その後や 犯行に至る裏側が➡ 725 00:52:25,083 --> 00:52:27,068 明らかになるようです。 726 00:52:27,068 --> 00:52:29,068 お楽しみに。 727 00:55:32,554 --> 00:55:34,572 (松本) 俺かてな 跳ばれへんわけやないねん! 728 00:55:34,572 --> 00:55:36,572 でもな…。 729 00:55:40,078 --> 00:55:41,578 (遠藤) すいません。 730 00:55:49,103 --> 00:55:52,603 <浜田 方正 ココリコの 協力のもと…> 731 00:55:56,578 --> 00:55:59,078 <今宵は その中から…>