1 00:00:34,103 --> 00:00:41,978 <本所深川見廻り方同心 井筒平四郎が通う鉄瓶長屋では➡ 2 00:00:41,978 --> 00:00:48,451 店子の家移りが相次ぐ中 差配人の佐吉の努力もむなしく➡ 3 00:00:48,451 --> 00:00:53,322 おかしな壺信心にかぶれた 八助一家と➡ 4 00:00:53,322 --> 00:00:58,795 ほかの2家族までもが 姿を消してしまう。➡ 5 00:00:58,795 --> 00:01:03,666 さすがに 事件の影を感じ取った平四郎は➡ 6 00:01:03,666 --> 00:01:08,805 幼なじみの隠密廻り同心 辻井英之介に➡ 7 00:01:08,805 --> 00:01:15,805 地主 湊屋総右衛門を 探らせる事にした> 8 00:01:17,480 --> 00:01:19,415 (烏の鳴き声) 9 00:01:19,415 --> 00:01:21,350 (平四郎)ああ~! 10 00:01:21,350 --> 00:01:29,350 (鳴き声) 11 00:01:47,443 --> 00:02:11,667 ♬~ 12 00:02:11,667 --> 00:02:16,138 (何やら唱える声) 13 00:02:16,138 --> 00:02:22,478 ♬~ 14 00:02:22,478 --> 00:02:28,478 (佐吉)俺は 一体 何のために ここにいるんだろう…。 15 00:02:33,422 --> 00:02:39,122 「だったら 俺は 何で ここにいるんだろう」。 16 00:02:43,432 --> 00:02:47,103 あなた どうかなさいました? 17 00:02:47,103 --> 00:02:51,803 うん? ああ いや 何でもない。 18 00:02:58,447 --> 00:03:00,783 う~ん…。 19 00:03:00,783 --> 00:03:03,452 うん? どうした? 20 00:03:03,452 --> 00:03:06,789 お嫌いでしたでしょう? ぬか漬け。 21 00:03:06,789 --> 00:03:10,660 (せきこみ) 22 00:03:10,660 --> 00:03:14,463 よほど 心にかかる事が おありなのですね。 23 00:03:14,463 --> 00:03:17,133 いや なに しばらく食わねえうちに➡ 24 00:03:17,133 --> 00:03:19,068 味が変わってやしねえかと 思ってな。 25 00:03:19,068 --> 00:03:21,804 いかがでした? まずいよ。 26 00:03:21,804 --> 00:03:25,675 相変わらず まずい。 大体 何だって お前は➡ 27 00:03:25,675 --> 00:03:28,144 俺が こう 嫌いな物を ちょくちょく出すのかね。 28 00:03:28,144 --> 00:03:30,479 ご心配なく。 あなたが召し上がらなくても➡ 29 00:03:30,479 --> 00:03:32,748 後で 私が頂きますから。 30 00:03:32,748 --> 00:03:36,419 お前は ぬか漬けと俺と どっちの味方なんだ? 31 00:03:36,419 --> 00:03:40,719 決まってるじゃありませんか。 32 00:03:46,762 --> 00:04:03,779 ♬~ 33 00:04:03,779 --> 00:04:08,451 おいおい おしまばあさんまで 家移りだと? 34 00:04:08,451 --> 00:04:12,321 へえ。 八王子の娘夫婦ん所に 行きました。 35 00:04:12,321 --> 00:04:15,621 前から 腰の具合も悪かったみたいで。 36 00:04:18,127 --> 00:04:25,801 「だったら 俺は 何で ここにいるんだろう」か。 37 00:04:25,801 --> 00:04:31,140 この前 言ってただろう 日陰の幽霊みてえな顔して。 38 00:04:31,140 --> 00:04:34,410 言いましたっけね そんな事。 39 00:04:34,410 --> 00:04:37,079 俺には 確かに そう聞こえたんだがな。 40 00:04:37,079 --> 00:04:40,750 すいません あの時は すっかり うろたえちまって。 41 00:04:40,750 --> 00:04:43,750 何にも覚えてないんです。 42 00:04:47,089 --> 00:04:51,761 (お徳)結構な話じゃないですか。 娘夫婦が面倒見てくれんだから。 43 00:04:51,761 --> 00:04:55,761 それが 本当なら 結構なんだがなぁ。 44 00:04:58,434 --> 00:05:02,104 八百富を振り出しに➡ 45 00:05:02,104 --> 00:05:07,777 お律 善治郎 八助一家に 籠屋と納豆屋。 46 00:05:07,777 --> 00:05:10,446 今度は おしまばあさんまで。 47 00:05:10,446 --> 00:05:15,117 これだけ 次々に いなくなられちゃなあ…。 48 00:05:15,117 --> 00:05:17,453 平気な顔をして 見せちゃあいるが➡ 49 00:05:17,453 --> 00:05:21,123 佐吉も…。 50 00:05:21,123 --> 00:05:23,059 あ? 51 00:05:23,059 --> 00:05:28,464 あ~! ああ~! 52 00:05:28,464 --> 00:05:30,399 イデデデ…。 53 00:05:30,399 --> 00:05:33,069 (小平次)旦那~! 佐吉を呼べ。 54 00:05:33,069 --> 00:05:35,404 佐吉… あと医者だ。 医者 医者。 へい。 55 00:05:35,404 --> 00:05:37,740 おい お徳。 お徳 おい。 56 00:05:37,740 --> 00:05:40,076 (佐吉)旦那 お徳さんは!? 57 00:05:40,076 --> 00:05:42,411 おお 手ぇ貸してくれ。 58 00:05:42,411 --> 00:05:46,749 よいしょ。 旦那。 座敷へ上げるぞ。 59 00:05:46,749 --> 00:05:49,085 (3人)せ~の! よいしょ! 60 00:05:49,085 --> 00:05:51,420 (腰が鳴る音) あ~! 61 00:05:51,420 --> 00:05:55,091 ちょっと旦那 何やってるんですか。 62 00:05:55,091 --> 00:05:57,760 (腰が鳴る音) 腰…。 63 00:05:57,760 --> 00:06:00,096 えっ? 64 00:06:00,096 --> 00:06:03,096 腰…。 旦那…。 65 00:06:27,323 --> 00:06:30,023 それでは 行ってらっしゃいませ。 (総右衛門)よろしく頼む。 66 00:06:35,397 --> 00:06:45,407 ♬~ 67 00:06:45,407 --> 00:06:47,343 [ 回想 ] (仁平)何で わざわざ➡ 68 00:06:47,343 --> 00:06:50,746 鉄瓶長屋なんぞに 越そうってんだ? あん? 69 00:06:50,746 --> 00:06:53,082 何か裏があるんだろう。 70 00:06:53,082 --> 00:06:56,952 先生 早く。 早く! 71 00:06:56,952 --> 00:07:00,252 よいしょ よいしょ。 先生! 72 00:07:03,425 --> 00:07:05,425 どうしたんだ? 73 00:07:08,097 --> 00:07:19,108 うん… う~ん…。 74 00:07:19,108 --> 00:07:22,011 しっ! 75 00:07:22,011 --> 00:07:24,780 心配ない。 76 00:07:24,780 --> 00:07:27,683 疲れが たまって 倒れただけだろう。 77 00:07:27,683 --> 00:07:32,388 しばらく養生すれば 大丈夫だ。 78 00:07:32,388 --> 00:07:35,724 (おくめ)お徳さん! お徳さん! 79 00:07:35,724 --> 00:07:39,395 大丈夫かい? 今 幸庵先生に 診てもらったところで。 80 00:07:39,395 --> 00:07:42,731 そうかい。 それじゃあ 私が看病するよ。 81 00:07:42,731 --> 00:07:45,401 佐吉さんは お湯沸かして。 ああ… へい。 82 00:07:45,401 --> 00:07:47,736 はいはい。 幸庵先生は➡ 83 00:07:47,736 --> 00:07:50,072 お見立てが済んだら さっさと どく。 84 00:07:50,072 --> 00:07:54,372 では 次は井筒の旦那をと。 85 00:07:55,945 --> 00:07:57,947 腰が…。 (小平次)旦那。 86 00:07:57,947 --> 00:08:01,684 (幸庵)どれどれ 診てしんぜよう。 87 00:08:01,684 --> 00:08:04,086 イタタタタ…。 88 00:08:04,086 --> 00:08:07,423 この忙しい時に 旦那は そこで何やってるんです? 89 00:08:07,423 --> 00:08:11,093 あっ 痛い痛い痛い…。 我慢しなさい。 90 00:08:11,093 --> 00:08:13,762 大の男が 情けない声 出すんじゃない。 91 00:08:13,762 --> 00:08:16,665 イタタタ… 痛い痛い痛い…。 92 00:08:16,665 --> 00:08:20,102 あら お徳さん 目が覚めたんだね。 93 00:08:20,102 --> 00:08:23,005 痛い痛い痛い…。 うう~。 94 00:08:23,005 --> 00:08:25,774 (幸庵)ただの ぎっくり腰だよ。 95 00:08:25,774 --> 00:08:28,444 お徳さん あんた 果報者だよ。 96 00:08:28,444 --> 00:08:31,714 井筒の旦那ったらさ あんたを助けようとして➡ 97 00:08:31,714 --> 00:08:34,617 腰 くじいちまったんだって。 98 00:08:34,617 --> 00:08:37,317 あ…。 (小平次)あっ う~。 99 00:08:39,588 --> 00:08:42,057 (弓之助)おはようございます。 あっ 坊ちゃん。 フッ…。 100 00:08:42,057 --> 00:08:44,960 おはようございます。 フフフッ…。 どうかなさいましたか? 101 00:08:44,960 --> 00:08:47,730 いえいえ 何でも… フフフフッ。 102 00:08:47,730 --> 00:08:49,665 あっ 叔父上は どちらに? 103 00:08:49,665 --> 00:08:53,365 あっ それが 何とも一大事でして…。 104 00:08:55,070 --> 00:08:58,941 う~…。 105 00:08:58,941 --> 00:09:01,410 ぎっくり腰ですか…。 106 00:09:01,410 --> 00:09:04,313 何でも 子どもを 抱き上げようとした拍子に➡ 107 00:09:04,313 --> 00:09:07,313 腰に グキッと来たのだそうですよ。 108 00:09:09,752 --> 00:09:12,087 え? あっ…。 109 00:09:12,087 --> 00:09:14,990 え? ねっ。 110 00:09:14,990 --> 00:09:20,763 お気を付けて下さいね。 もう お年なのですから。 111 00:09:20,763 --> 00:09:23,098 そろそろ 手習いの刻限だろう。 112 00:09:23,098 --> 00:09:25,434 子どもらが待ってるぞ。 113 00:09:25,434 --> 00:09:28,771 はいはい。 後は頼みますよ。 はい。 114 00:09:28,771 --> 00:09:32,041 行ってらっしゃいませ。 115 00:09:32,041 --> 00:09:36,912 …で 本当のところは 何があったのですか? 116 00:09:36,912 --> 00:09:39,381 えっ? 117 00:09:39,381 --> 00:10:06,408 ♬~ 118 00:10:06,408 --> 00:10:11,747 それは さすがに 叔母上には申し上げにくいですね。 119 00:10:11,747 --> 00:10:13,682 あれ? お前 今 笑っただろう? 120 00:10:13,682 --> 00:10:15,617 えっ? いや 笑った 笑った。 121 00:10:15,617 --> 00:10:17,917 ああ~ いえいえいえ… とんでもない。 122 00:10:19,621 --> 00:10:22,758 それでは 佐吉さんが お徳さんの看病を? 123 00:10:22,758 --> 00:10:25,661 いや おくめのやつが 面倒見てるよ。 124 00:10:25,661 --> 00:10:29,631 あれで 案外 お徳と気が合うのかもしれねえ。 125 00:10:29,631 --> 00:10:34,103 そうかもしれませんね。 お二人とも 優しいお人ですし。 126 00:10:34,103 --> 00:10:39,975 いや 何と言っても 叔父上の 大切なご友人ですから はい。 127 00:10:39,975 --> 00:10:44,113 お前は 時々 返事に 困るような事を言いだすな。 128 00:10:44,113 --> 00:10:47,983 大人同士のご友人ってのは これで なかなか難しいんだよ。 129 00:10:47,983 --> 00:10:49,985 そうなのですか? 130 00:10:49,985 --> 00:10:55,124 でも 叔父上のご友人は みんな 気持ちのいい方ばかりですが。 131 00:10:55,124 --> 00:10:58,460 いや それはだな だから…。 132 00:10:58,460 --> 00:11:03,799 まあ いいや。 とにかく お前も 叔母上には黙っててくれ。 133 00:11:03,799 --> 00:11:07,469 男と男の約束だ。 いいな? はい! 134 00:11:07,469 --> 00:11:10,139 先生 さようなら。 さようなら。 135 00:11:10,139 --> 00:11:13,809 先生 さようなら。 はい さようなら。 136 00:11:13,809 --> 00:11:17,479 はい さようなら 気を付けて帰るのですよ! 137 00:11:17,479 --> 00:11:19,415 はい さようなら。 先生 さようなら。 138 00:11:19,415 --> 00:11:24,153 はい さようなら。 はい さようなら。 さようなら。 139 00:11:24,153 --> 00:11:26,088 あっ! ごめんなさい。 140 00:11:26,088 --> 00:11:29,024 とんだ粗相を。 (子ども)あっ あめだ! 141 00:11:29,024 --> 00:11:32,428 いえいえ こちらこそ。 ごめんなすって。 142 00:11:32,428 --> 00:11:36,428 おお あめ要るかい? おいしそう。 見せて 見せて。 143 00:11:40,102 --> 00:11:43,972 まるで 手妻でも見たようでしたわ。 144 00:11:43,972 --> 00:11:49,272 いつの間にか 風呂敷包みの中に 書状が入っておりました。 145 00:11:51,113 --> 00:11:54,783 黒豆は 本当に手妻を使うのさ。 146 00:11:54,783 --> 00:11:57,083 黒豆? 147 00:11:59,121 --> 00:12:03,992 確か あなたと仲良しだった 辻井様の事ですね。 148 00:12:03,992 --> 00:12:08,130 本当だ かわいい。 お母さんに似てる。 149 00:12:08,130 --> 00:12:11,800 いや~ しかし 何だな あいつ。 150 00:12:11,800 --> 00:12:16,138 字だけは 子どもの頃から 下手くそなまんまだな。 151 00:12:16,138 --> 00:12:21,009 イテテテテ…。 大丈夫ですか? 152 00:12:21,009 --> 00:12:25,814 それでは 私は 幸庵先生の所に お薬を頂きに参ります。 153 00:12:25,814 --> 00:12:29,151 ああ~ 帰りに 大福でも買ってきてくれ。 154 00:12:29,151 --> 00:12:32,054 大福 買ってきてくれ。 はいはい。 155 00:12:32,054 --> 00:12:34,423 もう 本当に 子どもみたい。 156 00:12:34,423 --> 00:12:37,326 行ってらっしゃいませ。 はい。 157 00:12:37,326 --> 00:12:42,764 ああ 黒豆っていうのは 南町奉行所の隠密廻り同心でな➡ 158 00:12:42,764 --> 00:12:47,436 俺など 足元にも及ばんくらい 切れる男なんだ。 159 00:12:47,436 --> 00:12:49,371 隠密廻り。 160 00:12:49,371 --> 00:13:00,015 ♬~ 161 00:13:00,015 --> 00:13:04,453 佐吉はいるかい? (長助)うわ…。 162 00:13:04,453 --> 00:13:07,122 どちらさんですか? 163 00:13:07,122 --> 00:13:10,025 佐賀町の仁平ってもんだ。 164 00:13:10,025 --> 00:13:14,463 こいつがな ちょいと 聞きてえ事があるんだよ。 165 00:13:14,463 --> 00:13:16,398 この長屋 おかしな事になってるって➡ 166 00:13:16,398 --> 00:13:18,333 専らの評判だぜ。 167 00:13:18,333 --> 00:13:21,136 なあ 差配人の佐吉さんよ➡ 168 00:13:21,136 --> 00:13:24,473 どういう訳で 次々に 店子を しくじってるんだろうねぇ。 169 00:13:24,473 --> 00:13:26,808 それは…。 それとも 何かい? 170 00:13:26,808 --> 00:13:29,144 お前が 何か 仕組んでるんじゃねえのか? 171 00:13:29,144 --> 00:13:31,844 湊屋に頼まれてよ! 172 00:13:33,749 --> 00:13:36,084 何の話ですか? あっしは 何も…。 173 00:13:36,084 --> 00:13:38,754 すっとぼけるのも 大概にしろい。 174 00:13:38,754 --> 00:13:42,424 湊屋は 何をたくらんでる? 店子を追い出してよ➡ 175 00:13:42,424 --> 00:13:46,762 何をしようとしてやがるんだよ! 知りませんよ。 176 00:13:46,762 --> 00:13:49,097 あっしは ただ 久兵衛さんの 代わりが見つかるまで➡ 177 00:13:49,097 --> 00:13:51,033 つなぎで 差配人をやれって 言われてるだけなんで。 178 00:13:51,033 --> 00:13:54,770 へえ そうかい。 何も知らねえかい ヘヘッ。 179 00:13:54,770 --> 00:13:58,106 まあ それもいいやな。 いずれ 尻尾をつかんでやるさ。 180 00:13:58,106 --> 00:14:01,443 そん時ゃな お前だけじゃねえ。 181 00:14:01,443 --> 00:14:03,378 このガキも一緒に しょっ引いてやる! 182 00:14:03,378 --> 00:14:06,114 この子は 関わりない! 知るか バカ野郎。 183 00:14:06,114 --> 00:14:09,985 手前や湊屋と関わったやつらは 一人残らず ただじゃおかねえ! 184 00:14:09,985 --> 00:14:15,791 まあ とりあえず あの井筒って ぼんくら同心にも聞いてみるさ。 185 00:14:15,791 --> 00:14:19,461 楽しみに待ってるんだな。 うっ…。 186 00:14:19,461 --> 00:14:24,461 (笑い声) 187 00:14:31,406 --> 00:14:37,079 「佐吉の母親の名は 葵といいます。➡ 188 00:14:37,079 --> 00:14:40,749 葵は 湊屋総右衛門の姪で➡ 189 00:14:40,749 --> 00:14:47,623 20年前に 幼い佐吉を連れて 湊屋に転がり込んできました」。 190 00:14:47,623 --> 00:14:49,758 (英之介) 「乱暴者の亭主から➡ 191 00:14:49,758 --> 00:14:52,094 逃げ出してきた 葵親子に➡ 192 00:14:52,094 --> 00:14:57,766 総右衛門は いたく同情し 家族同然に扱ったそうです」。 193 00:14:57,766 --> 00:15:00,766 大変だったね。 194 00:15:04,106 --> 00:15:07,976 「そのころ 総右衛門と 妻の おふじの間には➡ 195 00:15:07,976 --> 00:15:13,115 長男と次男がおりましたが➡ 196 00:15:13,115 --> 00:15:16,785 総右衛門は 実の子よりも佐吉をかわいがり➡ 197 00:15:16,785 --> 00:15:23,125 そのせいもあってか おふじと葵は 犬猿の仲だったといいます」。 198 00:15:23,125 --> 00:15:27,462 こりゃあ確かに おふじは面白くねえやな。 199 00:15:27,462 --> 00:15:31,733 そもそもが 格式ばった料理屋の箱入り娘だ。 200 00:15:31,733 --> 00:15:38,407 実家のご威光と 女房としての 誇りってもんがあらあ。 201 00:15:38,407 --> 00:15:43,745 総右衛門に取り入って ぬくぬくと暮らす葵と➡ 202 00:15:43,745 --> 00:15:48,083 実の子をさておいて かわいがられる佐吉。 203 00:15:48,083 --> 00:15:54,083 おふじにしてみりゃ どうしても 許せなかったって訳だなぁ。 204 00:15:58,093 --> 00:16:00,429 あ… ただいま戻りました。 205 00:16:00,429 --> 00:16:02,764 ああ~ ご苦労だったな。 どうだった? 206 00:16:02,764 --> 00:16:07,102 はい 中村様は くれぐれも大事にするようにと。 207 00:16:07,102 --> 00:16:12,441 しばらくは 奉行所に 出仕せずともよいとの事です。 208 00:16:12,441 --> 00:16:15,777 まあ いてもいなくても 同じだからな。 209 00:16:15,777 --> 00:16:20,115 あっ 悪いがな 足を洗ったら 腰 さすってくんねえか? 210 00:16:20,115 --> 00:16:22,451 ブブッ… はい すぐに参ります。 211 00:16:22,451 --> 00:16:24,786 今 笑ってないか? おい 小平次 おい この野郎。 212 00:16:24,786 --> 00:16:27,689 (舌打ち) 213 00:16:27,689 --> 00:16:30,659 え~っと 「それから3年後。➡ 214 00:16:30,659 --> 00:16:39,735 葵は 幼い佐吉を1人残して 湊屋から 忽然と姿を消した」。 215 00:16:39,735 --> 00:16:45,407 「葵が消えた事情ですが おふじに いびり出されたという話と➡ 216 00:16:45,407 --> 00:16:50,078 男と駆け落ちしたという話が 残っています。➡ 217 00:16:50,078 --> 00:16:55,751 湊屋の中では 駆け落ち話を 信じる者が多いようですが➡ 218 00:16:55,751 --> 00:17:00,422 本当のところは 誰ひとり知らぬようです。➡ 219 00:17:00,422 --> 00:17:06,762 その後 佐吉は おふじの指図で 植木屋へ奉公に出されました。➡ 220 00:17:06,762 --> 00:17:12,434 総右衛門も 従うしかなかったようです」。 221 00:17:12,434 --> 00:17:15,103 佐吉は 子どもの頃から➡ 222 00:17:15,103 --> 00:17:18,803 こういう苦労をしてきたんだな。 223 00:17:20,442 --> 00:17:24,312 「以来 佐吉は湊屋と関わる事なく➡ 224 00:17:24,312 --> 00:17:31,386 その2年後に 湊屋夫婦の間に 末娘 みすずが生まれた」か。 225 00:17:31,386 --> 00:17:36,057 大層な べっぴんですよ。 まるで おひな様のようで。 226 00:17:36,057 --> 00:17:38,393 見た事あんのか? へいへい ちょいと前に。 227 00:17:38,393 --> 00:17:43,064 母親のおふじの娘時分より 器量よしだって評判です。 228 00:17:43,064 --> 00:17:45,000 ふ~ん…。 229 00:17:45,000 --> 00:17:49,938 まあ 聞いた話だが 総右衛門は 成り上がり者には珍しく➡ 230 00:17:49,938 --> 00:17:55,410 自分より身分の低い女を 拾い上げて遊ぶ癖があるらしい。 231 00:17:55,410 --> 00:17:59,748 何でも 別れる時には さきざきの 暮らしが成り立つように➡ 232 00:17:59,748 --> 00:18:01,683 それ相応の金をやり➡ 233 00:18:01,683 --> 00:18:04,085 後腐れのないように 計らうそうです。 234 00:18:04,085 --> 00:18:07,422 とにかく 湊屋の子どもたちにゃあ➡ 235 00:18:07,422 --> 00:18:11,122 顔も知らねえ 異母兄弟姉妹が ごろごろいるって事だ。 236 00:18:13,094 --> 00:18:16,765 という事は 江戸中に 湊屋さんのお子さんが? 237 00:18:16,765 --> 00:18:20,765 そのうちの一人は 黒豆が見つけたみたいだがな。 238 00:18:24,439 --> 00:18:26,775 「王子の七滝近くの」…。 239 00:18:26,775 --> 00:18:31,379 (英之介)「茶店の小女で おみつという娘がいます。➡ 240 00:18:31,379 --> 00:18:34,282 この娘も 湊屋の落としだねで➡ 241 00:18:34,282 --> 00:18:38,982 ふたつきほど前に 偶然 みすずと 出会ったらしいのですが」…。 242 00:18:43,959 --> 00:18:45,927 姉さんですよね? 243 00:18:45,927 --> 00:18:48,930 おお~ 怖ぇ~。 244 00:18:48,930 --> 00:18:53,068 気の強ぇ娘だぜ~。 母親譲りかね? 245 00:18:53,068 --> 00:18:56,768 叔父上 これは…。 うん? 246 00:18:58,406 --> 00:19:00,342 何? 247 00:19:00,342 --> 00:19:06,748 「念のため 一度 そのおみつの顔を 見に出かけてみました。➡ 248 00:19:06,748 --> 00:19:08,683 すると…」。 249 00:19:08,683 --> 00:19:10,619 (烏の鳴き声) 250 00:19:10,619 --> 00:19:13,421 官九郎! (烏の鳴き声) 251 00:19:13,421 --> 00:19:17,759 どうしたの? 官九郎。 (鳴き声) 252 00:19:17,759 --> 00:19:20,428 ちょっと待っててね。 253 00:19:20,428 --> 00:19:24,099 おいおい 何だって ここで 官九郎が出てくる? 254 00:19:24,099 --> 00:19:27,769 俺は 黒豆に烏の事なんぞ ひと言も言ってないぞ。 255 00:19:27,769 --> 00:19:30,672 だとすると もしかして➡ 256 00:19:30,672 --> 00:19:33,575 佐吉さんと おみつさんは 官九郎を通じて➡ 257 00:19:33,575 --> 00:19:35,577 手紙の やり取りをしているのでは? 258 00:19:35,577 --> 00:19:38,713 手紙って お前…。 259 00:19:38,713 --> 00:19:40,649 軍記物で読んだ事がある。 260 00:19:40,649 --> 00:19:45,387 鳩の足に 文を結わえつけて飛ばすと➡ 261 00:19:45,387 --> 00:19:51,059 相手に ちゃ~んと届くらしい。 262 00:19:51,059 --> 00:19:57,399 それよりも 気に入らねえ事が書いてある。 263 00:19:57,399 --> 00:20:03,738 やっぱり 例の八助の 壺信心の火元は湊屋らしい。 264 00:20:03,738 --> 00:20:06,408 2年ほど前に 上方から伝わって➡ 265 00:20:06,408 --> 00:20:13,748 湊屋以外の俵物問屋でも 一時 かぶれる者が出て往生したらしい。 266 00:20:13,748 --> 00:20:17,619 それは おかしいですよね。 ああ~…。 267 00:20:17,619 --> 00:20:22,090 総右衛門のやつ はなから 壺信心の事を知ってたくせに➡ 268 00:20:22,090 --> 00:20:24,993 佐吉には「店子の作り話だから➡ 269 00:20:24,993 --> 00:20:28,763 気にするな」なんて事を 言ってやがる。 270 00:20:28,763 --> 00:20:33,101 一体 湊屋さんは 何を考えてるんでしょう? 271 00:20:33,101 --> 00:20:36,438 さてねえ。 272 00:20:36,438 --> 00:20:40,775 まあ 黒豆が 八助の行方を追ってるからな。 273 00:20:40,775 --> 00:20:44,112 やつが見つかりゃ 何か分かるかもしれねえ。 274 00:20:44,112 --> 00:20:46,047 おいおい…。 275 00:20:46,047 --> 00:20:48,984 え~… 何だと? 276 00:20:48,984 --> 00:20:52,454 (腰が鳴る音) イデ… 腰 また来た 腰。 277 00:20:52,454 --> 00:20:54,754 これ ちょっと読んで。 278 00:20:57,325 --> 00:21:02,025 久兵衛さんが… 鉄瓶長屋の近くに!? 279 00:21:04,065 --> 00:21:07,002 「それを見かけた隣町の差配人は➡ 280 00:21:07,002 --> 00:21:10,472 本当に久兵衛かどうか 確信が持てず➡ 281 00:21:10,472 --> 00:21:17,145 いたずらに騒ぎになるのを恐れて 黙っていたそうです」。 282 00:21:17,145 --> 00:21:22,017 こりゃあ おくめが見たってのも 久兵衛本人に間違いなさそうだな。 283 00:21:22,017 --> 00:21:25,487 はい。 もしかしたら 久兵衛さんこそが➡ 284 00:21:25,487 --> 00:21:28,823 全ての謎を解く 鍵なのかもしれません。 285 00:21:28,823 --> 00:21:32,427 謎ねえ…。 286 00:21:32,427 --> 00:21:34,763 面倒くせえな。 287 00:21:34,763 --> 00:21:38,433 頭が こんがらがっちまう。 (烏の鳴き声) 288 00:21:38,433 --> 00:21:41,102 イテテテテ…。 289 00:21:41,102 --> 00:21:44,005 (烏の鳴き声) うわ…。 290 00:21:44,005 --> 00:21:46,775 (鳴き声) 291 00:21:46,775 --> 00:21:49,110 お前 官九郎か? 292 00:21:49,110 --> 00:21:52,013 えっ…。 えっ? 293 00:21:52,013 --> 00:21:56,451 (鳴き声) 叔父上 あれを。 294 00:21:56,451 --> 00:21:58,751 ほら…。 295 00:22:01,122 --> 00:22:03,122 (弓之助)え…。 本当かよ。 296 00:22:07,462 --> 00:22:10,462 (飛び去っていく音) 297 00:22:12,801 --> 00:22:18,139 「岡っ引き 仁平親分 急ぎ参る」。 298 00:22:18,139 --> 00:22:21,139 仁平? 299 00:22:31,419 --> 00:22:33,719 ああ~! おっ…。 300 00:22:36,091 --> 00:22:38,993 旦那 おとぼけはなしにしましょうや。 301 00:22:38,993 --> 00:22:40,962 例の鉄瓶長屋の一件➡ 302 00:22:40,962 --> 00:22:42,964 もう目串は ついてなさるんでしょう? 303 00:22:42,964 --> 00:22:46,101 目串も竹串も あれは お前➡ 304 00:22:46,101 --> 00:22:49,437 店子が出てっただけの事だろう。 305 00:22:49,437 --> 00:22:52,774 ≪お上が 出張るような事じゃねえや。 306 00:22:52,774 --> 00:22:54,709 あっしは そうは思わねえ。 307 00:22:54,709 --> 00:22:57,645 こいつは 裏で 湊屋が 糸を引いたに違いありませんや。 308 00:22:57,645 --> 00:23:00,645 湊屋が? 309 00:23:05,120 --> 00:23:08,790 そうです。 あの総右衛門ってのは とんだ食わせ者だ。 310 00:23:08,790 --> 00:23:10,725 野郎が 何かたくらんで➡ 311 00:23:10,725 --> 00:23:14,662 店子を追い出そうと してやがるんですよ。 312 00:23:14,662 --> 00:23:19,134 そりゃ いくら何でも とっぴすぎやしねえか? 313 00:23:19,134 --> 00:23:21,469 考えてみておくんなさい。 314 00:23:21,469 --> 00:23:26,141 次々に 店子が出ていくのは あの佐吉って若造が来てからです。 315 00:23:26,141 --> 00:23:28,810 野郎が 湊屋に 因果を含められて➡ 316 00:23:28,810 --> 00:23:32,080 陰で あれこれ 仕組んでるに違いねえ。 317 00:23:32,080 --> 00:23:34,983 佐吉は 一生懸命やってるぜ。 318 00:23:34,983 --> 00:23:39,754 ハハハハッ 旦那は 本当に人がいいや。 319 00:23:39,754 --> 00:23:42,657 植木屋の下職が いきなり差配人ですぜ? 320 00:23:42,657 --> 00:23:44,626 いくら湊屋の遠縁だって 触れ込みでも➡ 321 00:23:44,626 --> 00:23:46,628 おかしいじゃありませんか。 322 00:23:46,628 --> 00:23:49,430 そもそもが 駆け落ちした母親に捨てられた➡ 323 00:23:49,430 --> 00:23:51,366 野良犬みてえな野郎だ。 324 00:23:51,366 --> 00:23:54,769 金さえ積まれりゃ 何でもやりまさあ。 325 00:23:54,769 --> 00:23:58,439 …で? 俺に どうしろって言うんだい? 326 00:23:58,439 --> 00:24:03,311 ヘッヘッヘッ 旦那に手柄を挙げて 頂きたいと思いましてね。 327 00:24:03,311 --> 00:24:05,313 どうでしょう? この一件➡ 328 00:24:05,313 --> 00:24:08,116 あっしに 預からせて頂けませんかね? 329 00:24:08,116 --> 00:24:10,451 待ちなよ。 330 00:24:10,451 --> 00:24:13,788 自分から店子を追い出す 地主がいるかね? 331 00:24:13,788 --> 00:24:17,659 ですからね そこに 何か裏があるんですよ。 332 00:24:17,659 --> 00:24:20,662 考え過ぎじゃねえか? 333 00:24:20,662 --> 00:24:22,797 それに 出ていくだけじゃなくて➡ 334 00:24:22,797 --> 00:24:25,466 家移りしてくる者もいるだろう? おくめみてえに。 335 00:24:25,466 --> 00:24:29,137 ケッ あんなもん 人間の数には入りませんや。 336 00:24:29,137 --> 00:24:32,740 旦那は 総右衛門が どれだけ あこぎな野郎か ご存じないんだ。 337 00:24:32,740 --> 00:24:37,078 あの善人面の下に 性悪な鬼が隠れてるんでさあ。 338 00:24:37,078 --> 00:24:40,778 おかしな勘ぐりはやめときな。 339 00:24:47,088 --> 00:24:49,991 それに 俺は 腰が痛えんだよ。 340 00:24:49,991 --> 00:24:53,428 イテテテテ…。 341 00:24:53,428 --> 00:24:58,099 じゃあ 旦那は 本当に 何もご存じないんですね? 342 00:24:58,099 --> 00:25:01,002 ご存じないね。 343 00:25:01,002 --> 00:25:03,972 けれど あっしは そうはいかねえ。 344 00:25:03,972 --> 00:25:10,678 必ず 事の次第を突き止めて 湊屋の化けの皮を剥がしてやる。 345 00:25:10,678 --> 00:25:14,978 お前 そんなに 湊屋が嫌いなのかい? 346 00:25:17,118 --> 00:25:20,021 …いや そんな事は。 347 00:25:20,021 --> 00:25:26,721 それとも 何か? よっぽど 恨みでもあるのか? 348 00:25:28,730 --> 00:25:31,132 とんでもねえ。 349 00:25:31,132 --> 00:25:33,832 ごめんなすって。 350 00:25:35,737 --> 00:25:40,608 何だか 毒気に当てられちまったな。 351 00:25:40,608 --> 00:25:46,748 それにしても おかしな雲行きに なってきやがったな。 352 00:25:46,748 --> 00:25:48,683 いや しかし 叔父上➡ 353 00:25:48,683 --> 00:25:53,087 壺信心の出どころが 湊屋さんなら➡ 354 00:25:53,087 --> 00:25:57,425 今の話も まんざら 的外れとは思えません。 355 00:25:57,425 --> 00:26:04,098 う~ん… 八助たちは 湊屋に 壺信心に はまったふりして➡ 356 00:26:04,098 --> 00:26:07,769 長屋を 立ち退くよう 因果を含められた。 357 00:26:07,769 --> 00:26:12,440 立ち退き先も 湊屋が世話してやりゃあ➡ 358 00:26:12,440 --> 00:26:16,311 嫌とは言うまい。 359 00:26:16,311 --> 00:26:18,313 それだけじゃねえ。 360 00:26:18,313 --> 00:26:21,115 権吉を博打に引き込んだのも➡ 361 00:26:21,115 --> 00:26:23,451 長助に 実の父親の善治郎が➡ 362 00:26:23,451 --> 00:26:25,787 鉄瓶長屋にいると 吹き込んだのも➡ 363 00:26:25,787 --> 00:26:31,592 湊屋の手の者だったとしたら…。 364 00:26:31,592 --> 00:26:35,063 湊屋が 何かをたくらんで➡ 365 00:26:35,063 --> 00:26:41,936 店子を こっそり 長屋から 追い出そうとしている… か。 366 00:26:41,936 --> 00:26:46,674 だとしても それを裏付ける 証拠がありません。 367 00:26:46,674 --> 00:26:51,612 仁平親分には 何か 心当たりがあるんでしょうか? 368 00:26:51,612 --> 00:26:55,083 どうだかな~? 369 00:26:55,083 --> 00:26:59,954 アイタッ 何だか 腰ばかりか 頭まで痛くなってきやがった。 370 00:26:59,954 --> 00:27:01,956 ああ~…。 371 00:27:01,956 --> 00:27:04,092 (友兵衛)それはね ショウガの味だな。 372 00:27:04,092 --> 00:27:06,761 <それから 3日後。➡ 373 00:27:06,761 --> 00:27:10,098 なんとか歩けるようになった 平四郎は➡ 374 00:27:10,098 --> 00:27:13,768 鉄瓶長屋を訪れた> 375 00:27:13,768 --> 00:27:18,106 旦那 もう腰は よろしいんで? 376 00:27:18,106 --> 00:27:21,776 商売繁盛で何よりだな。 うん? 377 00:27:21,776 --> 00:27:27,648 こりゃあ おしまばあさんの家移り 原因は お前じゃねえのか? 378 00:27:27,648 --> 00:27:29,650 こうやって 商売敵になるもんだからよう。 379 00:27:29,650 --> 00:27:31,586 とととと… とんでもねえ。 あっしは そんな…。 380 00:27:31,586 --> 00:27:34,355 冗談だよ。 駄菓子屋が潰れちゃあ➡ 381 00:27:34,355 --> 00:27:41,055 近所の子どもらが かわいそうだ。 せいぜい稼ぎな。 へ… へい。 382 00:27:42,730 --> 00:27:46,401 うん? 何だ? 383 00:27:46,401 --> 00:27:51,072 ああ~ うん。 384 00:27:51,072 --> 00:27:54,942 すいません 官九郎に あんな文を持たせたりして。 385 00:27:54,942 --> 00:27:59,414 ここに来る前に 湊屋の旦那からも 言われてたんです。 386 00:27:59,414 --> 00:28:02,316 仁平という岡っ引きには 用心しろと。 387 00:28:02,316 --> 00:28:06,287 それに 悪いうわさも聞いてましたし。 388 00:28:06,287 --> 00:28:09,424 悪いうわさねえ。 389 00:28:09,424 --> 00:28:11,759 まあ 察しはつくよ。 390 00:28:11,759 --> 00:28:14,662 世の中の人間を 丸ごと ひっくくって➡ 391 00:28:14,662 --> 00:28:17,632 伝馬町にぶち込まねえと 気が済まねえってな➡ 392 00:28:17,632 --> 00:28:20,101 目つきだからな。 393 00:28:20,101 --> 00:28:25,440 重箱の隅つついて 罪人を出すって 専らの うわさです。 394 00:28:25,440 --> 00:28:31,112 …で? その仁平が お前には 何を言いに来た? 395 00:28:31,112 --> 00:28:34,015 俺が続けて 店子を しくじってるのは➡ 396 00:28:34,015 --> 00:28:36,918 どういう訳かと。 397 00:28:36,918 --> 00:28:42,218 「湊屋に頼まれて わざとやってる」 とでも言ったか? 398 00:28:45,626 --> 00:28:49,597 俺には はっきり そう言いやがったぜ。 399 00:28:49,597 --> 00:28:53,734 湊屋には 店子を追い出したい訳が➡ 400 00:28:53,734 --> 00:28:58,072 何かあるんだとさ。 401 00:28:58,072 --> 00:29:02,072 まあ あまり気にすんな。 402 00:29:04,745 --> 00:29:08,082 よいしょ。 あら 旦那。 403 00:29:08,082 --> 00:29:10,985 おお。 お見舞いに来てくれたのかい? 404 00:29:10,985 --> 00:29:12,954 なに 見回りついでにな。 405 00:29:12,954 --> 00:29:15,423 どうだい? お徳の具合は。 406 00:29:15,423 --> 00:29:17,758 おあいにくさま。 今は寝てるんだよ。 407 00:29:17,758 --> 00:29:20,094 何なら 起こしてこようか? ああ いいよ いいよ。 408 00:29:20,094 --> 00:29:22,997 寝かせといてやれ。 洗濯かい? 409 00:29:22,997 --> 00:29:25,967 お徳さん ひどく寝汗かくんだよ。 410 00:29:25,967 --> 00:29:28,436 そりゃ あんまり いい事じゃねえな。 411 00:29:28,436 --> 00:29:30,771 でも ごはん 食べるようになったからね。 412 00:29:30,771 --> 00:29:33,674 一安心さ。 ああ ああ。 413 00:29:33,674 --> 00:29:37,578 あっ 旦那 腰は どう? ああ もう大丈夫だ。 414 00:29:37,578 --> 00:29:40,047 アハッ よかったねえ。 415 00:29:40,047 --> 00:29:44,719 腰がいかれちゃあ 男はね 立つもんも立たないよ。 416 00:29:44,719 --> 00:29:47,388 お前は そういう事 言うから お徳に嫌われんだ。 417 00:29:47,388 --> 00:29:50,057 ≪(おくめ)そうかもしれないね。 アハハハッ。➡ 418 00:29:50,057 --> 00:29:54,729 私ったら まあ…。 419 00:29:54,729 --> 00:30:00,067 ≪それじゃあ また来るよ。 お徳の事 よろしく頼むぜ。 420 00:30:00,067 --> 00:30:04,367 ≪(おくめ)ああ 旦那。 ちょいと待っとくれ。 421 00:30:07,942 --> 00:30:09,942 (戸が開く音) 422 00:30:13,614 --> 00:30:16,417 (物音) (戸が閉じる音) 423 00:30:16,417 --> 00:30:19,754 その杖 短いだろう? こっちの方がいいんじゃない? 424 00:30:19,754 --> 00:30:23,624 ああ こいつはいいや。 どっかで見たような棒だな。 425 00:30:23,624 --> 00:30:26,093 お徳さんちの しんばり棒。 ああ…。 426 00:30:26,093 --> 00:30:28,029 持ってきちゃ駄目だろう。 427 00:30:28,029 --> 00:30:33,968 あっ そういえば旦那 例の嫌らしい岡っ引きさあ。 428 00:30:33,968 --> 00:30:36,737 仁平かい。 また 何か言ってきたのかい。 429 00:30:36,737 --> 00:30:40,441 あいつ また この辺 うろついてるんだよ。 430 00:30:40,441 --> 00:30:44,779 この前は 湊屋の旦那のあと つけてたんだ。 431 00:30:44,779 --> 00:30:47,114 湊屋…。 432 00:30:47,114 --> 00:30:52,114 結局 そこへ 行き着くか。 433 00:30:54,989 --> 00:31:00,127 ああっ! 何だ やっぱり 起きてたんじゃないのか。 434 00:31:00,127 --> 00:31:02,797 何の話だい? 私ゃ 今 起きたとこだ。 435 00:31:02,797 --> 00:31:07,134 フンッ。 せっかく 井筒の旦那が お見舞いに来たってのにさ。 436 00:31:07,134 --> 00:31:09,470 顔ぐらい見せてやりゃ いいじゃないのさ。 437 00:31:09,470 --> 00:31:11,806 うるさいね。 あっ? 438 00:31:11,806 --> 00:31:17,478 ひょっとして 恥ずかしかったのかい? フンッ。 439 00:31:17,478 --> 00:31:23,178 たまにゃ 素直になったって 罰は当たらないだろうにさ。 440 00:31:38,766 --> 00:31:41,669 [ 回想 ] (英之介)湊屋は 大商人です。➡ 441 00:31:41,669 --> 00:31:44,438 よほど 大金の絡んだ事でもない限り➡ 442 00:31:44,438 --> 00:31:47,341 悪だくみはできませんよ? 443 00:31:47,341 --> 00:31:53,641 湊屋という看板より むしろ 家の事情なのではないかと。 444 00:31:56,050 --> 00:32:04,458 店子を追い出して 湊屋に どんな得があるってんだ? 445 00:32:04,458 --> 00:32:10,798 何が目的で あんな おおぎょうな事を…。 446 00:32:10,798 --> 00:32:13,467 叔父上 そんなに気になるのでしたら➡ 447 00:32:13,467 --> 00:32:18,139 ひとつ 昔の事を調べてみては いかがでしょう? 448 00:32:18,139 --> 00:32:22,839 調べるったって どうやって…。 449 00:32:31,152 --> 00:32:35,022 何やってんの? (弓之助)いや あれです あれです。 450 00:32:35,022 --> 00:32:38,722 あっ! あの おでこさんか。 451 00:32:41,762 --> 00:32:45,433 あっ いや それは駄目だ。 452 00:32:45,433 --> 00:32:48,335 この前は 行きがかり上 助けてもらったが➡ 453 00:32:48,335 --> 00:32:51,305 政五郎に 改めて頼む訳にゃあ…。 454 00:32:51,305 --> 00:32:54,775 それなら 私一人で行ってまいります。 455 00:32:54,775 --> 00:32:57,445 あっ でも 子どもだけでは➡ 456 00:32:57,445 --> 00:33:00,347 相手にしてもらえないかも しれません。 457 00:33:00,347 --> 00:33:02,783 小平次は無理だぞ。 458 00:33:02,783 --> 00:33:05,119 うちは 親父の代から 岡っ引きを使わねえ。 459 00:33:05,119 --> 00:33:07,788 承知するはずがねえや。 460 00:33:07,788 --> 00:33:11,125 でしたら 叔母上が 手習いから お帰りになったら➡ 461 00:33:11,125 --> 00:33:13,060 お願いしましょう。 462 00:33:13,060 --> 00:33:17,798 あっ でも 何と説明したらいいかな~? 463 00:33:17,798 --> 00:33:21,669 あれこれ聞かれたら つい 口が滑って➡ 464 00:33:21,669 --> 00:33:24,138 叔父上の ぎっくり腰の真相も➡ 465 00:33:24,138 --> 00:33:27,475 うっかり しゃべってしまうかも しれないなあ。 466 00:33:27,475 --> 00:33:31,145 いや~ 困ったな~ どうしようかな~。 467 00:33:31,145 --> 00:33:35,416 いや おお 待て待て 待て待て。 何 言いだすんだ お前。 468 00:33:35,416 --> 00:33:39,754 じゃあ ご一緒に…。 469 00:33:39,754 --> 00:33:41,689 え~? 470 00:33:41,689 --> 00:33:46,627 <ここは 岡っ引きの政五郎の住まいで➡ 471 00:33:46,627 --> 00:33:53,100 1階は 女房のお紺が切り盛りする そば屋となっている。➡ 472 00:33:53,100 --> 00:33:57,772 江戸の岡っ引きは 大概 お上の御用以外に➡ 473 00:33:57,772 --> 00:34:00,674 なりわいを持っているのが 常だった> 474 00:34:00,674 --> 00:34:02,643 いらっしゃいまし。 ああ…。 475 00:34:02,643 --> 00:34:05,112 うちの亭主が いつもお世話になっております。 476 00:34:05,112 --> 00:34:09,784 あ… ちょいと お前さん。 477 00:34:09,784 --> 00:34:12,453 旦那は 確か 今日で9回目。 478 00:34:12,453 --> 00:34:16,123 先月10日の昼過ぎに 若い女の方と…。 (せきばらい) 479 00:34:16,123 --> 00:34:18,459 (おでこ)2人連れで おいで頂いて以来のご来店。 480 00:34:18,459 --> 00:34:22,129 (政五郎)おい どうしたい? お前さん。 481 00:34:22,129 --> 00:34:27,468 ああ これは これは 井筒の旦那。 弓之助坊ちゃんも。 482 00:34:27,468 --> 00:34:31,138 ああ いやいや… ちょいとな 近くを通りかかったんだが…。 483 00:34:31,138 --> 00:34:35,409 弓之助のやつが どうしてもって言うんでな。 484 00:34:35,409 --> 00:34:39,747 あっ そうだ 叔父上 ものはついでと言いますから➡ 485 00:34:39,747 --> 00:34:44,084 政五郎親分に あの事を 相談してみてはいかがでしょう? 486 00:34:44,084 --> 00:34:47,421 お前 何を言ってる…。 何か お困り事でも? 487 00:34:47,421 --> 00:34:50,090 ああ いやいや あの いや その…。 488 00:34:50,090 --> 00:34:52,090 アハハ…。 489 00:34:56,430 --> 00:35:00,100 いらっしゃいませ。 うん。 490 00:35:00,100 --> 00:35:03,437 おでこ。 旦那が お尋ねだ。 491 00:35:03,437 --> 00:35:07,107 佐賀町の仁平と 築地の湊屋の 旦那の因縁について➡ 492 00:35:07,107 --> 00:35:10,807 何か話を聞いてるかい? 493 00:35:13,981 --> 00:35:20,120 あい。 たんとあります。 そりゃもう 因縁のてんこ盛り。 494 00:35:20,120 --> 00:35:24,992 30年前 萬屋という紙問屋に 奉公した湊屋総右衛門は➡ 495 00:35:24,992 --> 00:35:29,797 新たに茶問屋を任されて 大繁盛へと導きました。➡ 496 00:35:29,797 --> 00:35:34,068 これが面白くないのが 元からの紙屋の奉公人。➡ 497 00:35:34,068 --> 00:35:36,403 やがて お店は2つに割れ➡ 498 00:35:36,403 --> 00:35:39,073 茶問屋側の頭は 総右衛門。➡ 499 00:35:39,073 --> 00:35:42,409 対する 紙問屋側の頭こそ➡ 500 00:35:42,409 --> 00:35:45,746 生え抜きの手代の 仁平でござんした。 501 00:35:45,746 --> 00:35:48,082 仁平が。 (おでこ)あい。 502 00:35:48,082 --> 00:35:50,751 この仁平 とにかく 底意地が悪い。 503 00:35:50,751 --> 00:35:52,686 目上には こびへつらい➡ 504 00:35:52,686 --> 00:35:55,623 目下の者は いじめる 責める おとしめる。 505 00:35:55,623 --> 00:35:59,760 はあ~ いるんだよな そういうやつは どこにでも。 506 00:35:59,760 --> 00:36:02,429 (おでこ)ついには 紙問屋側の奉公人たちも➡ 507 00:36:02,429 --> 00:36:06,100 仁平を見限って総右衛門につき…。 508 00:36:06,100 --> 00:36:10,971 仁平だけが 爪はじきにされてしまった。 509 00:36:10,971 --> 00:36:13,440 意地になった仁平は 前にも増して➡ 510 00:36:13,440 --> 00:36:17,311 因業なまねを繰り返し ますます嫌われていきました。➡ 511 00:36:17,311 --> 00:36:22,116 そして とうとう 総右衛門は 4人の奉公人と謀って➡ 512 00:36:22,116 --> 00:36:25,786 仁平を 罠にはめたんでござんす。➡ 513 00:36:25,786 --> 00:36:31,125 大番頭専用の秘密の大福帳を こっそり手に入れた総右衛門が➡ 514 00:36:31,125 --> 00:36:35,396 悪事をたくらんでいるという うわさを わざと流し➡ 515 00:36:35,396 --> 00:36:40,267 それを知った仁平が 勇んで 主人に ご注進に及んだところが➡ 516 00:36:40,267 --> 00:36:42,269 肝心要の大福帳は➡ 517 00:36:42,269 --> 00:36:46,040 総右衛門が あらかじめ用意した 真っ赤な偽物。➡ 518 00:36:46,040 --> 00:36:48,742 哀れ仁平は 面目丸潰れ。 519 00:36:48,742 --> 00:36:51,412 これは 何かの間違いです! だますつもりか! 520 00:36:51,412 --> 00:36:53,347 (おでこ) さすがに いづらくなった仁平は➡ 521 00:36:53,347 --> 00:36:58,085 程なく お店を飛び出し 姿を くらましたそうです。 522 00:36:58,085 --> 00:37:00,988 なるほどな~。 523 00:37:00,988 --> 00:37:05,426 しかし そんな昔の話を いまだに 根に持ってるとは➡ 524 00:37:05,426 --> 00:37:09,096 執念深いやつだぜ。 525 00:37:09,096 --> 00:37:11,765 恐れ入ったね。 526 00:37:11,765 --> 00:37:15,636 その後の仁平は 暮らしも荒れて しくじり続きで➡ 527 00:37:15,636 --> 00:37:20,107 しまいには とうとう お縄を受けるはめに。 528 00:37:20,107 --> 00:37:22,776 つまり 仁平が岡っ引きになったのは➡ 529 00:37:22,776 --> 00:37:29,650 一度 自分も罪人に身を落として… という よくある あれか。 530 00:37:29,650 --> 00:37:33,053 叔父上 どういう事ですか? 531 00:37:33,053 --> 00:37:36,390 坊ちゃん お恥ずかしい話ですが➡ 532 00:37:36,390 --> 00:37:40,260 大概の岡っ引きは 一度 罪人となったあげく➡ 533 00:37:40,260 --> 00:37:44,264 回り回って 今度は 悪党を捕まえる側になる。 534 00:37:44,264 --> 00:37:49,937 「蛇の道は蛇」 「毒を以て毒を制する」ってやつで。 535 00:37:49,937 --> 00:37:52,406 それでは 行ってらっしゃいまし。 536 00:37:52,406 --> 00:37:57,077 ≪(政五郎)仁平のやつは 罪人を見つけて引っ立てる事が➡ 537 00:37:57,077 --> 00:38:01,415 人を罪に落とす事が 楽しくてしかたねえ。➡ 538 00:38:01,415 --> 00:38:05,085 そういうやつなんです。 539 00:38:05,085 --> 00:38:08,756 気を付けてな。 ありがとう! 540 00:38:08,756 --> 00:38:12,626 湊屋には 店子を追い出したい 事情があるんだ。 541 00:38:12,626 --> 00:38:15,926 それが何なのか 必ず突き止めてやる。 542 00:38:17,765 --> 00:38:24,438 悲しいもんだな 人間てのは。 それで? 543 00:38:24,438 --> 00:38:30,310 仁平は 自分を罠にはめた連中の 一人一人の そのあとをたどって➡ 544 00:38:30,310 --> 00:38:34,048 昔の恨みを晴らしました。 545 00:38:34,048 --> 00:38:38,385 意趣返し… ですか。 546 00:38:38,385 --> 00:38:42,723 総右衛門と共に 仁平をだました4人の奉公人は➡ 547 00:38:42,723 --> 00:38:45,392 誰ひとり まともに 暮らしちゃおりやせん。➡ 548 00:38:45,392 --> 00:38:49,730 身代を無くして 貧乏のどん底に 突き落とされたり➡ 549 00:38:49,730 --> 00:38:52,633 罪に落とされ獄死したり➡ 550 00:38:52,633 --> 00:38:58,405 子どもを亡くした者や 女房に逃げられた者もおります。 551 00:38:58,405 --> 00:39:01,405 ほら 死んだんだよ。 552 00:39:06,280 --> 00:39:08,580 ハッハッハッハッハッ! 553 00:39:10,417 --> 00:39:15,089 それが みんな 仁平の仕業だってのかい。 554 00:39:15,089 --> 00:39:20,961 いえ 仁平の手柄でございますよ。 555 00:39:20,961 --> 00:39:25,432 という事は 仁平親分にとって➡ 556 00:39:25,432 --> 00:39:29,770 残るは本丸 湊屋総右衛門 ただ一人。 557 00:39:29,770 --> 00:39:33,040 …という事ですね。 558 00:39:33,040 --> 00:39:37,377 黒豆の言ったとおりだな。 559 00:39:37,377 --> 00:39:46,386 この一件の鍵は 湊屋の家の事情の中にあり… か。 560 00:39:46,386 --> 00:39:53,260 それが 鉄瓶長屋の一件に どう関わってくるのか…。 561 00:39:53,260 --> 00:39:57,731 旦那 差し出がましいようですが➡ 562 00:39:57,731 --> 00:40:00,400 もし お手伝いできる事が ありましたら➡ 563 00:40:00,400 --> 00:40:03,737 いつでも言っておくんなさい。 ありがたいが➡ 564 00:40:03,737 --> 00:40:09,076 早々 お前さんの手を 煩わす訳にもいかねえや。 565 00:40:09,076 --> 00:40:11,979 まあ いよいよの時には 頼むかもしれねえがな。 566 00:40:11,979 --> 00:40:15,415 ええ。 おでこも ありがとよ。 567 00:40:15,415 --> 00:40:20,415 また 何かの時には 頼むぜ。 あい! 568 00:40:27,995 --> 00:40:30,964 恐ろしいもんだな。 569 00:40:30,964 --> 00:40:34,264 人の執念てのはよ。 570 00:40:36,103 --> 00:40:39,973 お前は どうだい? 571 00:40:39,973 --> 00:40:43,443 怖くはねえか? 572 00:40:43,443 --> 00:40:45,779 怖いです。 573 00:40:45,779 --> 00:40:51,118 でも それ以上に 真実を知りたいのです。 574 00:40:51,118 --> 00:40:54,988 真実か。 575 00:40:54,988 --> 00:40:58,988 真実ねえ…。 576 00:41:00,794 --> 00:41:02,729 グリグリ グリグリ…。 あっ ちょっと…。 577 00:41:02,729 --> 00:41:08,468 <湊屋総右衛門と妻 そして 佐吉親子との過去の因縁。➡ 578 00:41:08,468 --> 00:41:12,339 更に 仁平の黒い執念が絡み合い➡ 579 00:41:12,339 --> 00:41:18,145 もつれた糸の先には 一体 何があるのだろうか。➡ 580 00:41:18,145 --> 00:41:20,814 のんきな平四郎も さすがに➡ 581 00:41:20,814 --> 00:41:25,114 一抹の不安に 駆られるのであった> 582 00:41:27,154 --> 00:41:29,489 どうした? (一同)し~っ。 583 00:41:29,489 --> 00:41:31,758 あんた ここに 本当は 何をしに来た? 584 00:41:31,758 --> 00:41:34,094 私を お嫁にしてもらおうと思って。 585 00:41:34,094 --> 00:41:38,432 女心が分からないよ 本当。 この人は 私の弟子だからね! 586 00:41:38,432 --> 00:41:40,367 また 家移りかい。 587 00:41:40,367 --> 00:41:44,104 ちょいと お前の事を調べさせてもらった。 588 00:41:44,104 --> 00:41:47,441 俺のおふくろは お店の金を盗んでます。 589 00:41:47,441 --> 00:41:50,110 お前 その話 誰に吹き込まれた? 590 00:41:50,110 --> 00:41:52,045 妙な おっしゃりようですね。 591 00:41:52,045 --> 00:41:56,450 人に鼻っ面を振り回されるほど やな人生はねえ。 592 00:41:56,450 --> 00:43:25,750 ♬~