1 00:00:34,895 --> 00:00:39,867 <鉄瓶長屋での一連の出来事を 陰で操る➡ 2 00:00:39,867 --> 00:00:43,604 湊屋総右衛門の女房 おふじが➡ 3 00:00:43,604 --> 00:00:49,343 一時 信心に凝っていた事を 探り出した平四郎。➡ 4 00:00:49,343 --> 00:00:52,680 盗みのとがで 裁きを待つ➡ 5 00:00:52,680 --> 00:00:56,016 ふぶきという 巫女の話を聞き出すべく➡ 6 00:00:56,016 --> 00:01:01,889 牢屋敷に目を光らせている 岡っ引きの仁平の目をかすめて➡ 7 00:01:01,889 --> 00:01:09,029 烏の官九郎を使っての連絡方法を 思いついた。➡ 8 00:01:09,029 --> 00:01:11,932 だが ちょうど そのころ➡ 9 00:01:11,932 --> 00:01:19,232 太助殺しの正次郎が 死体となって発見されたのである> 10 00:01:21,608 --> 00:01:23,577 (烏の鳴き声) 11 00:01:23,577 --> 00:01:25,579 (平四郎)ああ~! 12 00:01:25,579 --> 00:01:33,879 (鳴き声) 13 00:01:49,670 --> 00:01:53,670 ん… うう~。 14 00:02:04,218 --> 00:02:08,021 (志乃)朝の すがすがしい時節と なりましたこと。 15 00:02:08,021 --> 00:02:12,359 もう 秋でございますね。 16 00:02:12,359 --> 00:02:15,262 うう~ つら…。 17 00:02:15,262 --> 00:02:18,562 ご酒が過ぎたようでございますね。 18 00:02:23,971 --> 00:02:27,708 もともと お強くないのですから。 19 00:02:27,708 --> 00:02:30,377 何かあったのでございますか? 20 00:02:30,377 --> 00:02:32,980 驚いたぜ 弓之助には。 21 00:02:32,980 --> 00:02:34,915 えっ? 22 00:02:34,915 --> 00:02:37,317 土左衛門が揚がってな。 23 00:02:37,317 --> 00:02:41,188 殺されたのは 正次郎というんだが➡ 24 00:02:41,188 --> 00:02:44,658 水に つかったせいも あるんだろうが➡ 25 00:02:44,658 --> 00:02:47,561 冬瓜のように いびつに膨れて➡ 26 00:02:47,561 --> 00:02:51,331 目鼻立ちさえ はっきりしないありさまでな。 27 00:02:51,331 --> 00:02:55,202 あげくに 爪が剥がされてたり。 28 00:02:55,202 --> 00:02:58,672 つまりは さんざん なぶられたあとに➡ 29 00:02:58,672 --> 00:03:02,009 生きて 簀巻きにされたらしい。 30 00:03:02,009 --> 00:03:04,678 うへぇ~…。 31 00:03:04,678 --> 00:03:07,347 するとだ 弓之助のやつが➡ 32 00:03:07,347 --> 00:03:11,218 どうも その 正次郎の口の中が 気になると言いだした。 33 00:03:11,218 --> 00:03:15,022 口の中でございますか? 34 00:03:15,022 --> 00:03:20,694 溺れて死ぬと 汚れた川の水を さんざん飲むから➡ 35 00:03:20,694 --> 00:03:24,031 口の中が汚れるのは 当たり前なんだが➡ 36 00:03:24,031 --> 00:03:29,369 そうじゃなくて 血の汚れじゃねえかとな。 37 00:03:29,369 --> 00:03:33,240 (弓之助)叔父上 うどん粉ありますか? うん? 38 00:03:33,240 --> 00:03:35,940 うどん粉? 39 00:03:44,651 --> 00:03:47,554 弓之助は 死体の口の中に うどん粉を突っ込んで➡ 40 00:03:47,554 --> 00:03:51,525 こうやって こうやって 歯型を取ったんだ。 41 00:03:51,525 --> 00:03:55,225 歯型。 うへぇ~…。 42 00:03:57,998 --> 00:04:00,901 叔父上 叔母上 おはようございます。 43 00:04:00,901 --> 00:04:05,873 弓之助。 今 旦那様が あなたの事を褒めておいででした。 44 00:04:05,873 --> 00:04:08,642 あなたも 旦那様の お役に立てているようで➡ 45 00:04:08,642 --> 00:04:11,345 私も うれしく思います。 46 00:04:11,345 --> 00:04:13,680 何のお話でしょうか? え? 47 00:04:13,680 --> 00:04:18,552 ああ 歯型の事だ。 ああ これですか? 48 00:04:18,552 --> 00:04:24,324 いや~ お役に立てるかどうか 分かりませんが。 49 00:04:24,324 --> 00:04:27,227 う~ いい いい…。 50 00:04:27,227 --> 00:04:29,229 二日酔いですか? ああ。 51 00:04:29,229 --> 00:04:33,634 あのあと 政五郎と飲んで これからの事を いろいろとな。 52 00:04:33,634 --> 00:04:36,303 随分 昔に済んじまった事と➡ 53 00:04:36,303 --> 00:04:40,641 新しい死人が出るのとでは 訳が違う。 54 00:04:40,641 --> 00:04:46,980 今度の一件は そろそろ幕引きと いきたいところだからな。 55 00:04:46,980 --> 00:04:50,651 正次郎さんは さんざん 痛めつけられていました。 56 00:04:50,651 --> 00:04:52,586 相手は 拷問してでも➡ 57 00:04:52,586 --> 00:04:54,988 吐かせたい事があったと 思われます。 58 00:04:54,988 --> 00:05:00,327 (烏の鳴き声) ああ 旦那。 旦那 旦那 旦那。 59 00:05:00,327 --> 00:05:03,627 (3人)ああ~! 60 00:05:07,200 --> 00:05:11,338 巫女がいる 牢屋敷からの返事ですね。 61 00:05:11,338 --> 00:05:15,338 ご苦労だったな 伝書烏の官九郎。 62 00:05:18,011 --> 00:05:20,711 ごちそうさん。 ≪ありがとうございました! 63 00:05:22,883 --> 00:05:28,355 お~ 旦那 お待たせしました。 64 00:05:28,355 --> 00:05:33,961 このまま ず~っと 待ちぼうけの方が 楽なんだがな。 65 00:05:33,961 --> 00:05:37,297 えっ? 66 00:05:37,297 --> 00:05:42,636 どうやら 17年の間 鉄瓶長屋の地べたの下で➡ 67 00:05:42,636 --> 00:05:47,975 ぐっすり眠ってる女を 掘り起こさなきゃならねえらしい。 68 00:05:47,975 --> 00:05:51,845 やはり そういう事でしたか。 69 00:05:51,845 --> 00:05:55,145 牢屋敷からの返事です。 70 00:05:56,984 --> 00:06:00,320 「くさればばあ」だとよ。 71 00:06:00,320 --> 00:06:04,992 例の ふぶきが おふじを 「くさればばあ」と言ったそうだ。 72 00:06:04,992 --> 00:06:06,927 (ふぶき)あの くさればばあ!➡ 73 00:06:06,927 --> 00:06:09,927 あの女の事を思い出すと 腹が立つ。 74 00:06:11,865 --> 00:06:15,002 あれは 2年と半年ほど前の事。➡ 75 00:06:15,002 --> 00:06:19,873 私が日本橋の大店で 迷える霊を 鎮めた うわさを聞きつけて➡ 76 00:06:19,873 --> 00:06:21,875 湊屋に呼びつけた あの女は➡ 77 00:06:21,875 --> 00:06:24,678 初めて会った時 こう言いおった。➡ 78 00:06:24,678 --> 00:06:26,613 「この家について 仇をなしている➡ 79 00:06:26,613 --> 00:06:30,550 悪い女の霊を祓ってほしい」 とな。 80 00:06:30,550 --> 00:06:33,850 だが そんな気配は どこにもなかった。 81 00:06:36,289 --> 00:06:39,960 おかみさん その女とは どういう…。 82 00:06:39,960 --> 00:06:41,895 (おふじ) そんな事は どうでもいい。 83 00:06:41,895 --> 00:06:45,632 お前は この家に取りついてる霊を 祓い清めれば それでいいんだ。 84 00:06:45,632 --> 00:06:48,301 しかし 迷える御霊に呼びかけるには➡ 85 00:06:48,301 --> 00:06:50,237 いろいろと 段取りというものが…。 86 00:06:50,237 --> 00:06:52,639 ぐずぐず言うのなら 帰るといい! 87 00:06:52,639 --> 00:06:54,975 できないなら できないと言わないか。 88 00:06:54,975 --> 00:06:57,878 できるのか? できないのか!? 89 00:06:57,878 --> 00:07:00,313 あの くさればばあ➡ 90 00:07:00,313 --> 00:07:02,983 最初のうちは 話にも何もなりゃせん。 91 00:07:02,983 --> 00:07:06,653 だが こちらも商売。 92 00:07:06,653 --> 00:07:10,524 いろいろと尋ねるうちに 悪い女というのは➡ 93 00:07:10,524 --> 00:07:14,995 あるじ 総右衛門の 隠し女であるらしい事。 94 00:07:14,995 --> 00:07:19,666 その女が 不幸な死に方を したらしい事が分かった。 95 00:07:19,666 --> 00:07:23,336 だが お店に 何か 事が起こる訳でもなく➡ 96 00:07:23,336 --> 00:07:28,008 仇なすとまで言われる 訳が分からない。➡ 97 00:07:28,008 --> 00:07:31,344 しかし ある時 その謎が解けた。 98 00:07:31,344 --> 00:07:37,617 (唱える声) 99 00:07:37,617 --> 00:07:39,617 (障子が開く音) 100 00:07:43,490 --> 00:07:46,626 何をしている? 101 00:07:46,626 --> 00:07:48,562 巫女さんがいるって聞いたから。 102 00:07:48,562 --> 00:07:51,965 何で? 何で お前が ここに顔を出す?➡ 103 00:07:51,965 --> 00:07:54,634 私に近寄るんじゃないと 何度 言ったら分かるんだ!➡ 104 00:07:54,634 --> 00:07:57,304 出てけ。 出てけ! 105 00:07:57,304 --> 00:08:00,207 おっ母さん? お前なぞ 娘じゃない! 106 00:08:00,207 --> 00:08:02,175 おっ母さん! 出てけ! 107 00:08:02,175 --> 00:08:06,475 お前たちも 早く出ていけ! 出ていけ~! 108 00:08:08,915 --> 00:08:12,319 あの女が悪い。 死んだくせに➡ 109 00:08:12,319 --> 00:08:15,222 娘について 娘の体を乗っ取って➡ 110 00:08:15,222 --> 00:08:19,659 私に 災いを 振りかけようとしてるんだ。 111 00:08:19,659 --> 00:08:22,562 恐ろしい… 恐ろしい。 112 00:08:22,562 --> 00:08:25,332 みすずの顔が 年々歳々➡ 113 00:08:25,332 --> 00:08:29,202 あの女 そっくりになってくのが 恐ろしい! 114 00:08:29,202 --> 00:08:32,939 落ち着きなされ。 …で あの女とは 一体 誰の事かな? 115 00:08:32,939 --> 00:08:34,875 名は 何という? 116 00:08:34,875 --> 00:08:38,812 それは…。 117 00:08:38,812 --> 00:08:42,282 お前のような女の言う事など もう聞かぬ! 118 00:08:42,282 --> 00:08:45,619 汚らわしい。 二度と この家に踏み込むな! 119 00:08:45,619 --> 00:08:49,919 金なら いくらでもやるから 出てけ! 120 00:08:54,961 --> 00:08:57,631 出ていけ~! 121 00:08:57,631 --> 00:09:01,501 あの くさればばあ。 122 00:09:01,501 --> 00:09:03,970 あいつが きっと 湊屋と懇ろになった その女を➡ 123 00:09:03,970 --> 00:09:05,906 殺めているんだ。 124 00:09:05,906 --> 00:09:08,842 だから 仕返しを怖がっているんだ。 125 00:09:08,842 --> 00:09:11,645 だから その女に顔が似てきた 実の娘を➡ 126 00:09:11,645 --> 00:09:13,980 化け物みたいに扱ってるんだ。➡ 127 00:09:13,980 --> 00:09:16,980 あの くさればばあ! 128 00:09:25,325 --> 00:09:30,197 20年前 湊屋総右衛門のもとを➡ 129 00:09:30,197 --> 00:09:35,602 姪の葵が 佐吉を連れて現れた。 130 00:09:35,602 --> 00:09:40,273 母子は すぐ 総右衛門のお気に入りとなった。 131 00:09:40,273 --> 00:09:44,611 総右衛門は姪を愛し 姪の一人息子を愛した。 132 00:09:44,611 --> 00:09:48,949 まるで 湊屋の跡取りのようにな。 133 00:09:48,949 --> 00:09:52,285 だが 総右衛門にとって 葵は 姪とはいえ➡ 134 00:09:52,285 --> 00:09:55,956 美形で それに ふさわしい 色香を漂わせた➡ 135 00:09:55,956 --> 00:10:00,293 一人前の女として 見えたんでござんすね。 136 00:10:00,293 --> 00:10:03,196 葵にとっても そうだろう。 137 00:10:03,196 --> 00:10:06,967 最初は 親戚の叔父だと思って 頼りにしていったはずだ。 138 00:10:06,967 --> 00:10:11,267 だが そこから先は 「魚心あれば水心」。 139 00:10:13,306 --> 00:10:16,977 葵には おふじが邪魔だった。 140 00:10:16,977 --> 00:10:20,647 おふじには 葵が目障りだった。 141 00:10:20,647 --> 00:10:25,986 女同士のいさかいが どうだったのか。 142 00:10:25,986 --> 00:10:29,856 ただ言えるのは お店の者の大半が➡ 143 00:10:29,856 --> 00:10:33,326 「葵さんは お内儀さんに いびり出された」。 144 00:10:33,326 --> 00:10:36,229 …と うわさしていたって事だ。 145 00:10:36,229 --> 00:10:39,666 おふじは お嬢様育ちだからな。 146 00:10:39,666 --> 00:10:43,336 お店の者の前で 葵をなじったり 手を上げたり。 147 00:10:43,336 --> 00:10:45,272 あからさまに 総右衛門の機嫌を➡ 148 00:10:45,272 --> 00:10:50,210 損ねるようなまねを したんだろうよ。 149 00:10:50,210 --> 00:10:53,680 ひっくり返してみりゃあ 葵は 少なくとも➡ 150 00:10:53,680 --> 00:10:58,018 人目に立つ場所では 常に 受け身でいたって事だ。 151 00:10:58,018 --> 00:11:00,920 総右衛門に好かれている事を 承知で➡ 152 00:11:00,920 --> 00:11:03,690 おふじには逆らわなかった。 153 00:11:03,690 --> 00:11:05,625 となると 陰じゃ話は…➡ 154 00:11:05,625 --> 00:11:08,361 全く違ってたって事で ござんすか? 155 00:11:08,361 --> 00:11:11,031 よくは知らねえが 女ってのは➡ 156 00:11:11,031 --> 00:11:15,702 そういう事に たけている 生き物なんだろう。 157 00:11:15,702 --> 00:11:20,040 目くばせ一つで 「私は あんたが嫌いだ。➡ 158 00:11:20,040 --> 00:11:23,910 旦那様は あんたより 私の方を愛しく思っている」と➡ 159 00:11:23,910 --> 00:11:27,380 ちゃ~んと伝えるものだ。 160 00:11:27,380 --> 00:11:29,716 (政五郎) 旦那は どっちかってえと➡ 161 00:11:29,716 --> 00:11:33,320 おふじを気の毒がって おられるようでござんすね。 162 00:11:33,320 --> 00:11:37,991 う~ん どうかねえ? 163 00:11:37,991 --> 00:11:39,926 命を絶たれた葵も不憫だし➡ 164 00:11:39,926 --> 00:11:45,332 佐吉だって 哀れだ。 けど おふじもよ。 165 00:11:45,332 --> 00:11:50,203 だとしても 17年前 おふじは 葵を手にかけた。 166 00:11:50,203 --> 00:11:53,206 提灯屋の中でな。 提灯屋? 167 00:11:53,206 --> 00:11:58,678 ああ 鉄瓶長屋が建つ前に あの場所にあった お店ですね。 168 00:11:58,678 --> 00:12:03,016 そうだ。 先に話した黒豆がな 調べ上げてきたんだが➡ 169 00:12:03,016 --> 00:12:06,686 その提灯屋の正体は おふじの母方の いとこで➡ 170 00:12:06,686 --> 00:12:09,356 藤太郎というんだそうだ。 171 00:12:09,356 --> 00:12:13,693 いとこ同士の間柄ながら 周りは おふじと藤太郎の2人を➡ 172 00:12:13,693 --> 00:12:16,029 ゆくゆくは 添わせようかというほど➡ 173 00:12:16,029 --> 00:12:18,932 昔から仲が良かったらしい。 174 00:12:18,932 --> 00:12:21,368 なるほど。 175 00:12:21,368 --> 00:12:24,704 10年前に その藤太郎の目が悪くなり➡ 176 00:12:24,704 --> 00:12:26,639 仕事が傾いてからは➡ 177 00:12:26,639 --> 00:12:30,377 女房と共に おふじの実家の 料理屋に住み込み➡ 178 00:12:30,377 --> 00:12:32,645 今は 親戚扱いながらも➡ 179 00:12:32,645 --> 00:12:35,548 奉公人のような 暮らしをしているんだそうだ。 180 00:12:35,548 --> 00:12:40,520 親戚で 幼なじみとなりゃ おふじは当てにはできたって訳だ。 181 00:12:40,520 --> 00:12:43,990 そういう事でござんすか。 182 00:12:43,990 --> 00:12:47,861 そこでだな。 183 00:12:47,861 --> 00:12:50,663 おい お前たち ちょいと 向こう行ってろ。 184 00:12:50,663 --> 00:12:53,963 あ… はい。 185 00:13:03,676 --> 00:13:06,579 そこでだ。 186 00:13:06,579 --> 00:13:10,016 葵の事が どうしても 我慢できなくなった おふじは➡ 187 00:13:10,016 --> 00:13:12,685 直談判する場所に➡ 188 00:13:12,685 --> 00:13:17,557 おふじの味方である その 提灯屋を選んだ。 189 00:13:17,557 --> 00:13:22,695 …で そこで話がこじれた。 190 00:13:22,695 --> 00:13:25,695 うあ~! (葵)キャ~! 191 00:13:29,035 --> 00:13:32,305 やってしまってから 我に返った おふじは➡ 192 00:13:32,305 --> 00:13:34,974 藤太郎に 相談したんでござんしょうね。 193 00:13:34,974 --> 00:13:37,644 死骸ってのは 存外重い。 194 00:13:37,644 --> 00:13:40,313 戸板で運ぶか 荷車で運ぶか。 195 00:13:40,313 --> 00:13:44,184 どちらにしても 木戸番の目を ごまかすのは容易じゃねえ。 196 00:13:44,184 --> 00:13:46,986 提灯屋も おふじも 素っ堅気だ。 197 00:13:46,986 --> 00:13:50,657 後始末に にっちもさっちもいかず とうとう…。 198 00:13:50,657 --> 00:13:53,560 家の中の どこかの畳を上げて➡ 199 00:13:53,560 --> 00:13:56,996 床下の地べたを掘って 埋めちまった。 200 00:13:56,996 --> 00:14:01,668 提灯屋にすりゃ 迷惑な話でござんすね。 201 00:14:01,668 --> 00:14:05,004 おふじは言ったはずだ。 202 00:14:05,004 --> 00:14:11,678 「ここで かばってくれれば 後で悪いようにはしねえ」とな。 203 00:14:11,678 --> 00:14:15,014 とどのつまり 後ろ盾が湊屋だからな。 204 00:14:15,014 --> 00:14:19,352 提灯屋も 損得勘定が働いたって 不思議じゃねえ。 205 00:14:19,352 --> 00:14:22,255 湊屋では 騒ぎになったでござんしょう。 206 00:14:22,255 --> 00:14:26,555 葵が帰ってこないと。 207 00:14:28,361 --> 00:14:31,030 総右衛門は どうしたんだと思う? 208 00:14:31,030 --> 00:14:34,634 その事を 告げられたかどうか。 209 00:14:34,634 --> 00:14:37,303 (政五郎)葵が埋められている 提灯屋の地所は➡ 210 00:14:37,303 --> 00:14:42,175 総右衛門にとって 息の根を 止めかねない場所でござんす。 211 00:14:42,175 --> 00:14:48,314 知っていたら 手ずから 長屋なんぞは建てねえってか? 212 00:14:48,314 --> 00:14:51,651 葵の埋まってる場所だけを 上手に手付かずにして➡ 213 00:14:51,651 --> 00:14:53,987 何か 別のものを建てるとか➡ 214 00:14:53,987 --> 00:14:56,890 いろいろとやりようが あったはずでござんす。 215 00:14:56,890 --> 00:15:00,660 つまりは 総右衛門は 何も知らなかった。 216 00:15:00,660 --> 00:15:04,330 おふじの立ち回りが よほど うまかったんだろうな。 217 00:15:04,330 --> 00:15:08,201 叔父上 佐吉さんが言ってました。 218 00:15:08,201 --> 00:15:14,007 俺の おふくろは 湊屋を飛び出す時に➡ 219 00:15:14,007 --> 00:15:16,910 お店の金を盗んでます。➡ 220 00:15:16,910 --> 00:15:21,881 しかも 湊屋の旦那が 将来を見込んでいた若い手代と➡ 221 00:15:21,881 --> 00:15:25,618 手に手を取って 駆け落ちしたんです。 222 00:15:25,618 --> 00:15:29,556 折よく 金を持って飛び出した 手代がいた事も幸いして➡ 223 00:15:29,556 --> 00:15:33,493 おふじの細工が うまくはまった。 224 00:15:33,493 --> 00:15:36,963 総右衛門も 多少は怪しんだかもしれねえが➡ 225 00:15:36,963 --> 00:15:39,632 そのまま 受け入れた。 226 00:15:39,632 --> 00:15:45,305 7年後 目を悪くした提灯屋は おふじに泣きを入れて➡ 227 00:15:45,305 --> 00:15:47,974 地所を買い取ってもらった。 228 00:15:47,974 --> 00:15:53,846 何にも知らない総右衛門は そこに 長屋を建てた。 229 00:15:53,846 --> 00:15:57,984 長屋の普請は 土台から ひっくり返す訳じゃねえ。 230 00:15:57,984 --> 00:16:01,321 普請のついでに 骨が見つかる事なく➡ 231 00:16:01,321 --> 00:16:07,193 鉄瓶長屋の中で そのまま 秘密は暴かれず 眠り続けた。 232 00:16:07,193 --> 00:16:11,965 だが おふじの中で 綻びが出てきた。 233 00:16:11,965 --> 00:16:14,867 みすずだ。 234 00:16:14,867 --> 00:16:19,339 おっ母さん? お前なぞ 娘ではない。 出ていけ! 235 00:16:19,339 --> 00:16:22,008 (政五郎)葵を その手で殺めた おふじの目には➡ 236 00:16:22,008 --> 00:16:23,943 たたりと映った。 237 00:16:23,943 --> 00:16:28,348 そこで ようやく 総右衛門は 事実を知ったのか➡ 238 00:16:28,348 --> 00:16:31,684 それ以前に おふじから 聞かされていたのかどうか➡ 239 00:16:31,684 --> 00:16:33,953 それは さておき➡ 240 00:16:33,953 --> 00:16:36,289 総右衛門は 秘密を守り通すために➡ 241 00:16:36,289 --> 00:16:39,192 何らかの手を 打たなきゃならなくなった。➡ 242 00:16:39,192 --> 00:16:43,162 仁平にも気付かれず 誰にも悟られず➡ 243 00:16:43,162 --> 00:16:45,298 そいつが 総右衛門にとって➡ 244 00:16:45,298 --> 00:16:49,168 肝心要な事になったんで ござんしょうね。 245 00:16:49,168 --> 00:16:53,172 面倒くせえだろうになあ。 246 00:16:53,172 --> 00:16:55,472 えっ? えっ? 247 00:16:58,645 --> 00:17:01,547 (笑い声) 248 00:17:01,547 --> 00:17:03,983 (せきばらい) 249 00:17:03,983 --> 00:17:06,653 とにもかくにも そういう あれこれがあって➡ 250 00:17:06,653 --> 00:17:09,989 総右衛門は 店子を追い出すはめに陥った。 251 00:17:09,989 --> 00:17:14,689 …で 一連の おかしな出来事になった。 252 00:17:16,329 --> 00:17:20,199 1年半前 総右衛門は 頭をひねって➡ 253 00:17:20,199 --> 00:17:22,669 久兵衛が 正次郎に逆恨みをされて➡ 254 00:17:22,669 --> 00:17:25,571 襲われるという筋書きを でっちあげた。 255 00:17:25,571 --> 00:17:29,542 ところが 八百富の太助の働きで➡ 256 00:17:29,542 --> 00:17:33,279 正次郎はし損じた。 257 00:17:33,279 --> 00:17:38,618 太助は この時の久兵衛の様子が おかしい事に気付いた。 258 00:17:38,618 --> 00:17:43,956 久兵衛も また 太助の様子に 気付かれた事を悟った。 259 00:17:43,956 --> 00:17:47,627 久兵衛は 総右衛門に相談した。 260 00:17:47,627 --> 00:17:49,562 そこで 思い切って➡ 261 00:17:49,562 --> 00:17:53,966 八百富の連中には 打ち明けたんじゃねえか? 262 00:17:53,966 --> 00:18:00,306 (久兵衛)実はね よんどころのない事情があって➡ 263 00:18:00,306 --> 00:18:04,177 店子たちを追い出したいんだよ。 264 00:18:04,177 --> 00:18:06,979 金を積んでの話し合いだ。 265 00:18:06,979 --> 00:18:09,882 だが 俺が知ってる富平なら 受け取らねえ。 266 00:18:09,882 --> 00:18:11,851 ほかならぬ 差配さんの頼みだ。 267 00:18:11,851 --> 00:18:13,853 秘密は守るとな。 268 00:18:13,853 --> 00:18:18,324 しかし…。 269 00:18:18,324 --> 00:18:22,995 これっぽっちで 黙ってろっていうんですかい? 270 00:18:22,995 --> 00:18:28,668 叔父上。 太助さんは 金を受け取りたがった。 271 00:18:28,668 --> 00:18:32,271 富平は寝たきりだ。 八百富の中は➡ 272 00:18:32,271 --> 00:18:36,943 太助の言う事が 幅を利かせるようになっていた。 273 00:18:36,943 --> 00:18:40,279 (荒い息遣い) おでこ! 274 00:18:40,279 --> 00:18:44,279 ちょいと休め。 275 00:18:49,622 --> 00:18:52,322 へい。 276 00:18:57,497 --> 00:19:00,633 旦那。 277 00:19:00,633 --> 00:19:05,505 この春の 久兵衛が消える 引き金になった太助殺しには➡ 278 00:19:05,505 --> 00:19:09,505 2つの ねらいがあったんで ござんしょうね。 279 00:19:11,277 --> 00:19:15,181 (政五郎)一つは 佐吉という 不慣れな若者を送り込み➡ 280 00:19:15,181 --> 00:19:17,183 店子が減っても おかしくないように➡ 281 00:19:17,183 --> 00:19:19,986 お膳立てをする事。➡ 282 00:19:19,986 --> 00:19:23,322 いまひとつは ゆくゆく やっかいのもとになりそうな➡ 283 00:19:23,322 --> 00:19:28,022 八百富の太助を始末してしまう事。 284 00:19:29,996 --> 00:19:35,802 お露は 事情を知っていて 片棒を担いだんだろうな。 285 00:19:35,802 --> 00:19:40,606 太助が 寝たきりの富平を疎んじた事は➡ 286 00:19:40,606 --> 00:19:44,277 実際にあったんでしょう。➡ 287 00:19:44,277 --> 00:19:48,614 お露にしてみりゃ 親父の命を取るか➡ 288 00:19:48,614 --> 00:19:51,951 金に目がくらんだ 兄貴を取るのか。➡ 289 00:19:51,951 --> 00:19:55,621 分かれ目だったのかも しれませんね。 290 00:19:55,621 --> 00:19:58,958 しかも 久兵衛に説得されて。 291 00:19:58,958 --> 00:20:01,294 分かったね。 292 00:20:01,294 --> 00:20:03,229 (戸をたたく音) ≪(お徳)ごめんください。➡ 293 00:20:03,229 --> 00:20:08,968 差配さん? 久兵衛さん! 久兵衛さん!? 294 00:20:08,968 --> 00:20:11,304 お徳さんかい。 295 00:20:11,304 --> 00:20:18,177 (お露)殺し屋が来て 兄さんを殺していったんです。 296 00:20:18,177 --> 00:20:22,915 あの~ 太助さんを殺したのは 誰なんでしょう? 297 00:20:22,915 --> 00:20:26,319 んな事は いつか分かる。 298 00:20:26,319 --> 00:20:30,990 だが お徳は まだ だまされてる。 299 00:20:30,990 --> 00:20:33,659 それは さておき 先にも言ったが➡ 300 00:20:33,659 --> 00:20:37,330 鉄瓶長屋の 地べたの下で ぐっすり眠ってる➡ 301 00:20:37,330 --> 00:20:40,233 葵を掘り起こさなきゃならねえ。 302 00:20:40,233 --> 00:20:44,003 葵さんが眠っているのは 鉄瓶長屋の どの辺りなのか➡ 303 00:20:44,003 --> 00:20:47,673 叔父上には 当てが おありなんでしょうか? 304 00:20:47,673 --> 00:20:50,576 ねえよ。 まるっきり。 305 00:20:50,576 --> 00:20:53,012 坊ちゃんは おありなんで? はい! 306 00:20:53,012 --> 00:20:55,915 佐々木先生の所にあった 切り絵図に…。 307 00:20:55,915 --> 00:20:58,351 いやいやいや あ~ あのな➡ 308 00:20:58,351 --> 00:21:01,020 弓之助の知り合いに 測る事が大好きな先生がいてな➡ 309 00:21:01,020 --> 00:21:04,690 まあ 遊び事だから 大目に見てる。 310 00:21:04,690 --> 00:21:06,626 まあまあ ようござんす。 311 00:21:06,626 --> 00:21:09,362 それで その先生の切り絵図が 何か? 312 00:21:09,362 --> 00:21:12,031 今から15年前に作られた➡ 313 00:21:12,031 --> 00:21:14,367 提灯屋のあった土地一帯の 切り絵図に➡ 314 00:21:14,367 --> 00:21:17,036 提灯屋の建物についての 添え書きがあったのです。➡ 315 00:21:17,036 --> 00:21:19,939 それによると 提灯屋には 離れがあったのです。➡ 316 00:21:19,939 --> 00:21:22,909 その離れは 6畳間と4畳半を つなげたような広さで➡ 317 00:21:22,909 --> 00:21:25,378 今の鉄瓶長屋では ちょうど➡ 318 00:21:25,378 --> 00:21:27,713 八百富さんの家のある 場所になります。 319 00:21:27,713 --> 00:21:31,584 坊ちゃん その切り絵図 借り出す事ができますかい? 320 00:21:31,584 --> 00:21:34,520 政五郎さんが お上の御用で入り用なのだと➡ 321 00:21:34,520 --> 00:21:37,990 おっしゃってくれれば 先生も 承知して下さるかもしれません。 322 00:21:37,990 --> 00:21:39,926 分かりました。 323 00:21:39,926 --> 00:21:42,662 旦那 掘り返す準備は あっしの方でやります。 324 00:21:42,662 --> 00:21:46,332 任しておくんなせい。 ああ…。 325 00:21:46,332 --> 00:21:49,235 叔父上? 326 00:21:49,235 --> 00:21:52,204 掘る時にな 長屋に残ってる連中には➡ 327 00:21:52,204 --> 00:21:55,675 知られたくねえと思ってな。 328 00:21:55,675 --> 00:21:59,975 特に お徳さんには …ですね。 329 00:22:02,014 --> 00:22:06,686 いや こう 地べたを掘ると…。 330 00:22:06,686 --> 00:22:10,356 はあ~… ああっ…。 331 00:22:10,356 --> 00:22:14,026 何やってんだ? 行ってこい ほら もう。 332 00:22:14,026 --> 00:22:16,696 おでこ。 (おでこ)ああ よかった。 333 00:22:16,696 --> 00:22:19,031 あ あたいも…。 えっ? 334 00:22:19,031 --> 00:22:21,701 厠は? 厠は こちらでござんす。 335 00:22:21,701 --> 00:22:23,636 何だよ おい。 336 00:22:23,636 --> 00:22:26,038 (笑い声) 337 00:22:26,038 --> 00:22:29,709 俺はよ 政五郎。 へい。 338 00:22:29,709 --> 00:22:36,315 お徳だけじゃねえ 弓之助にも そんなものは見せたくねえぜ。 339 00:22:36,315 --> 00:22:38,985 ですが これからは のんびりしちゃいられません。 340 00:22:38,985 --> 00:22:41,320 正次郎と同じように➡ 341 00:22:41,320 --> 00:22:43,990 今度の一件の 切れっ端を知ってる人間が➡ 342 00:22:43,990 --> 00:22:47,860 またぞろ 川に放り込まれるかも しれませんから。 343 00:22:47,860 --> 00:22:49,862 ああ そうだな。 344 00:22:49,862 --> 00:22:53,562 鉄瓶長屋から 目が離せねえな。 345 00:22:56,335 --> 00:23:00,006 <だが それから しばらくの間➡ 346 00:23:00,006 --> 00:23:04,006 秋雨が続いた> 347 00:23:06,345 --> 00:23:15,345 <その間に 次々と 店子たちが 長屋を後にした> 348 00:23:27,033 --> 00:23:31,033 みんな 出てくね。 349 00:23:33,839 --> 00:23:38,310 どうすんだい? お徳さん。 350 00:23:38,310 --> 00:23:40,246 何してんだよ? 351 00:23:40,246 --> 00:23:42,648 何か 変だよ。 えっ? 352 00:23:42,648 --> 00:23:47,520 お徳さん 何か 変になっちゃったよ 私。 353 00:23:47,520 --> 00:23:51,220 おくめさん! ちょっ…。 354 00:23:54,660 --> 00:23:58,660 佐吉さん! 佐吉さ~ん! 355 00:24:00,533 --> 00:24:03,669 (佐吉)お徳さん どうしたんです… おくめさん! 356 00:24:03,669 --> 00:24:07,969 ねっ 幸庵先生 早く 早く。 はい! 357 00:24:13,679 --> 00:24:17,550 お前が鉄瓶長屋の絵図を 作っていたとはな。 358 00:24:17,550 --> 00:24:20,553 (弓之助)そのうち 入り用になるかと思いまして。➡ 359 00:24:20,553 --> 00:24:23,355 どうやら 八百富で当たりのようですね。 360 00:24:23,355 --> 00:24:25,291 そうか。 361 00:24:25,291 --> 00:24:27,991 旦那。 362 00:24:44,977 --> 00:24:49,648 政五郎親分は 悪い知らせを 持ってきたのですか? 363 00:24:49,648 --> 00:24:52,985 おくめの病が よくないらしい。 えっ? 364 00:24:52,985 --> 00:24:55,654 ちょいと長屋に行ってくる。 365 00:24:55,654 --> 00:24:58,557 ああ では 私も。 いや 俺一人でいい。 366 00:24:58,557 --> 00:25:01,327 お徳に話さなきゃならねえしな。 367 00:25:01,327 --> 00:25:03,262 お見回りですか? なら お供します。 368 00:25:03,262 --> 00:25:06,665 ああ お前は 別を回ってくれ。 そんな事おっしゃって➡ 369 00:25:06,665 --> 00:25:08,601 また 岡っ引きの所なんじゃ ねえでしょうねえ? 370 00:25:08,601 --> 00:25:10,536 ああ もう じゃあ 途中まで一緒に行こう。 371 00:25:10,536 --> 00:25:13,339 途中? へ~い。 372 00:25:13,339 --> 00:25:15,274 これも下さい。 (友兵衛)へい どうも➡ 373 00:25:15,274 --> 00:25:17,209 毎度 ありがとうございます。 ありがとう! 374 00:25:17,209 --> 00:25:21,013 旦那! また 腰でも 痛めなすったんですかい? 375 00:25:21,013 --> 00:25:23,916 お見回り とんとご無沙汰だった じゃありませんか? 376 00:25:23,916 --> 00:25:25,885 いやいや 雨だったからよ。 377 00:25:25,885 --> 00:25:28,888 面倒な事は先送りしたかったんだ。 ええ? 378 00:25:28,888 --> 00:25:35,528 どうも 俺は 役人向きじゃねえ っつう話よ。 ヘッ。 379 00:25:35,528 --> 00:25:37,828 ええ~? ハハハハッ。 380 00:26:00,319 --> 00:26:03,222 旦那。 よう。 381 00:26:03,222 --> 00:26:08,222 寂しくなっちまったな 長屋も。 382 00:26:10,329 --> 00:26:13,666 湊屋の旦那には 久兵衛さんが あんな形で➡ 383 00:26:13,666 --> 00:26:16,001 出ていっちまった あとなのだから➡ 384 00:26:16,001 --> 00:26:19,872 誰がやったって駄目だったろうと 慰めて頂きましたけど。 385 00:26:19,872 --> 00:26:25,010 うん 俺も そう思う。 お前は よくやった。 386 00:26:25,010 --> 00:26:28,681 この長屋も 壊すおつもりのようです。 387 00:26:28,681 --> 00:26:31,951 じゃあ お前は 元どおり 植木職に戻るか。 388 00:26:31,951 --> 00:26:34,853 その前に お徳さんたちの落ち着き先を➡ 389 00:26:34,853 --> 00:26:36,822 探さなきゃいけません。 390 00:26:36,822 --> 00:26:39,822 俺の事は どうとでもなりますから。 391 00:26:42,595 --> 00:26:45,297 どうぞ 旦那。 392 00:26:45,297 --> 00:26:51,297 ありがとよ。 長坊 お前に 茶を入れてもらえるとはな。 393 00:26:53,973 --> 00:26:57,643 お前 この後 長坊 どうする? 394 00:26:57,643 --> 00:26:59,979 育て続ける気か? 395 00:26:59,979 --> 00:27:03,679 はい。 いけませんか? 396 00:27:06,852 --> 00:27:09,655 長坊 お徳さん所に行ってな➡ 397 00:27:09,655 --> 00:27:11,991 「今日は お手伝いする事は ありませんか?」と➡ 398 00:27:11,991 --> 00:27:14,991 聞いてくるんだ。 あ~い。 399 00:27:16,662 --> 00:27:19,331 おくめさんが寝込んじまって。 400 00:27:19,331 --> 00:27:24,203 実はな 佐吉。 今日 邪魔したのは その おくめの事なんだが。 401 00:27:24,203 --> 00:27:30,342 ちょいと 始末に負えない病だ。 402 00:27:30,342 --> 00:27:34,613 お徳さんの心配が 当たっちまいましたね。 403 00:27:34,613 --> 00:27:38,951 お徳のやつ お前にも打ち明けてたのか? 404 00:27:38,951 --> 00:27:41,620 倒れる ちょっと前に。 405 00:27:41,620 --> 00:27:46,959 そうか… お徳がな。 406 00:27:46,959 --> 00:27:51,297 でな そっちの病に詳しい医者が 千駄ヶ谷にいるんだが…。 407 00:27:51,297 --> 00:27:53,232 俺で お役に立てるなら➡ 408 00:27:53,232 --> 00:27:55,167 千駄ヶ谷でも どこでも行きますよ。 409 00:27:55,167 --> 00:27:57,636 かなり 吹っかけられるかも しれねえんだが…。 410 00:27:57,636 --> 00:28:01,974 俺は貧乏ですが 長屋には金があります。 411 00:28:01,974 --> 00:28:05,844 この半年 蓄えた金は びた一文 使っちゃいませんから。 412 00:28:05,844 --> 00:28:11,650 お前は 堅いなあ。 あんまり堅いと 嫁の来手がいなくなるぜ。 413 00:28:11,650 --> 00:28:17,323 ハッハッハッハッ。 旦那 ご機嫌ですね 今日は。 414 00:28:17,323 --> 00:28:20,659 ご機嫌にならなきゃ やってられねえってな。 415 00:28:20,659 --> 00:28:22,959 ハッハッハッハッ。 えっ? 416 00:28:24,530 --> 00:28:28,534 湊屋総右衛門ってのは どんな男だ? 417 00:28:28,534 --> 00:28:32,604 どんなって…。 418 00:28:32,604 --> 00:28:35,274 立派な商人です。 419 00:28:35,274 --> 00:28:39,574 だが 女好きだ。 420 00:28:45,617 --> 00:28:49,955 まっ いいか。 421 00:28:49,955 --> 00:28:55,255 どれ お徳のとこにでも行くか。 422 00:29:02,968 --> 00:29:05,637 ≪おくめさんの あせもだけど➡ 423 00:29:05,637 --> 00:29:09,975 昨日今日 始まった事じゃ ないらしいんだよ 旦那。 424 00:29:09,975 --> 00:29:13,312 だから 怒ったんだよ。 425 00:29:13,312 --> 00:29:15,981 どうして もっと早く 白状しなかったんだ! 426 00:29:15,981 --> 00:29:20,652 私んとこは 食い物屋だからね。 427 00:29:20,652 --> 00:29:23,555 そしたら あの人ったら➡ 428 00:29:23,555 --> 00:29:27,993 自分でも気にしてなかった。 気付いてなかったって➡ 429 00:29:27,993 --> 00:29:30,662 困ったような顔してさ。 430 00:29:30,662 --> 00:29:35,267 「ごめんなさい」なんて ったく はた迷惑な話だよ。 431 00:29:35,267 --> 00:29:39,938 体売って いいものばっかり食べて ふらふら生きてきたから➡ 432 00:29:39,938 --> 00:29:43,609 罰が当たったんだよ。 自業自得なんだ。 433 00:29:43,609 --> 00:29:46,945 だから あんな事になっちまう! 434 00:29:46,945 --> 00:29:50,616 ああっ…! 435 00:29:50,616 --> 00:29:53,285 旦那~。 436 00:29:53,285 --> 00:29:58,585 私の 何が いけないんだろうねえ…! 437 00:30:04,296 --> 00:30:07,966 私と一緒に暮らすと みんな病にかかって➡ 438 00:30:07,966 --> 00:30:11,637 つらい思いして 死ぬんだよ。 439 00:30:11,637 --> 00:30:16,975 亭主の時だって 舅や姑だって そうだったよ! 440 00:30:16,975 --> 00:30:20,646 みんな 身動きできないで 寝てんのにさ➡ 441 00:30:20,646 --> 00:30:25,517 私は元気で おまんま食べるんだよ 風邪一つ ひかないんだ。 442 00:30:25,517 --> 00:30:27,986 今度だって そうさ。 443 00:30:27,986 --> 00:30:33,659 おくめさんが 訳の分かんない うわごと言ってんのにさ➡ 444 00:30:33,659 --> 00:30:38,530 私は 芋の皮むいてる…。 ああ~! 445 00:30:38,530 --> 00:30:41,533 おかしいだろう~! 446 00:30:41,533 --> 00:30:46,672 ねえ 旦那 おかしいだろう~! 447 00:30:46,672 --> 00:30:55,672 (お徳の泣き声) 448 00:30:58,016 --> 00:31:01,716 おい。 449 00:31:07,693 --> 00:31:11,363 千駄ヶ谷に いい先生がいるんだ。 450 00:31:11,363 --> 00:31:15,234 佐吉と一緒に おくめを連れて 行ってこい。 451 00:31:15,234 --> 00:31:19,037 佐吉が万端やる事になってる。 452 00:31:19,037 --> 00:31:25,037 何日 泊まったっていい。 留守の間は 俺が仕切るからよ。 453 00:31:26,712 --> 00:31:30,048 旦那が差配するってのかい? やめときなよ。 454 00:31:30,048 --> 00:31:33,652 佐吉さんの半分も 務まりゃしないよ。 455 00:31:33,652 --> 00:31:35,988 違えねえ。 456 00:31:35,988 --> 00:31:38,891 だから 深川の大親分 茂七の一の手下➡ 457 00:31:38,891 --> 00:31:41,326 岡っ引きの政五郎に 頼んであるんだ。 458 00:31:41,326 --> 00:31:46,665 へえ~ 旦那が 岡っ引きと つきあう事もあるんだねえ。 459 00:31:46,665 --> 00:31:50,002 お前だって おくめみてえな女と つきあう事があるじゃねえか。 460 00:31:50,002 --> 00:31:53,338 ああ 本当だね。 461 00:31:53,338 --> 00:31:56,241 お互いさまだね。 462 00:31:56,241 --> 00:32:00,679 (笑い声) 463 00:32:00,679 --> 00:32:02,679 (殴る音) 464 00:32:08,353 --> 00:32:14,653 ああ~! (ふぶき)ああ…。 465 00:32:17,029 --> 00:32:22,701 殺すぞ こら きりきり白状しやがれ! 466 00:32:22,701 --> 00:32:25,370 <その翌日。➡ 467 00:32:25,370 --> 00:32:28,273 佐吉とお徳は おくめを連れて➡ 468 00:32:28,273 --> 00:32:33,645 早速 千駄ヶ谷の医者のもとに 向かう事となった> 469 00:32:33,645 --> 00:32:36,345 おお 官九郎。 470 00:32:39,318 --> 00:32:43,188 おとなしくしてるんだぞ。 471 00:32:43,188 --> 00:32:45,190 (鳴き声) 472 00:32:45,190 --> 00:32:48,660 長助。 官九郎を頼んだぞ。 473 00:32:48,660 --> 00:32:52,331 にいさん 早く帰ってきてね。 おう。 474 00:32:52,331 --> 00:32:56,668 親分 ご面倒だとは思いますが よろしくお頼み致します。 475 00:32:56,668 --> 00:32:59,338 いや うちには こいつがいますから。 476 00:32:59,338 --> 00:33:01,273 任せておくんなせい。 477 00:33:01,273 --> 00:33:03,675 任せておくんなせい。 478 00:33:03,675 --> 00:33:05,675 はい。 479 00:33:10,349 --> 00:33:12,284 おくめ。 480 00:33:12,284 --> 00:33:16,584 ああ 旦那。 481 00:33:19,358 --> 00:33:25,697 ちゃんと治して 戻ってくるんだぞ。 482 00:33:25,697 --> 00:33:29,368 いいな? 483 00:33:29,368 --> 00:33:32,368 はい。 484 00:33:35,974 --> 00:33:39,645 佐吉さん。 485 00:33:39,645 --> 00:33:41,580 はい。 486 00:33:41,580 --> 00:33:45,984 ぐずぐずしてると 日が暮れちまうよ。 487 00:33:45,984 --> 00:33:58,330 ♬~ 488 00:33:58,330 --> 00:34:08,340 <こうして 鉄瓶長屋に 店子は 一人としていなくなったのである> 489 00:34:08,340 --> 00:34:33,040 ♬~ 490 00:34:34,966 --> 00:34:36,902 ああ 旦那。➡ 491 00:34:36,902 --> 00:34:38,837 よう 頼むわ。 (2人)へい。 492 00:34:38,837 --> 00:34:41,840 (弓之助)叔父上! 叔父上! 493 00:34:41,840 --> 00:34:44,643 お前…。 494 00:34:44,643 --> 00:34:47,312 叔父上 やはり こちらでしたか。 495 00:34:47,312 --> 00:34:50,982 この方は 牢屋医師の 相馬 登先生です。 496 00:34:50,982 --> 00:34:55,320 ああ 若先生か。 (相馬)初めて お目にかかります。 497 00:34:55,320 --> 00:34:58,223 叔父上 牢屋敷において 巫女の ふぶきが➡ 498 00:34:58,223 --> 00:35:01,993 袋だたきにされて 大けがを 負ったそうなのです。 えっ? 499 00:35:01,993 --> 00:35:06,693 (相馬) 明け方 水桶に沈められてるのが 発見されました。 500 00:35:08,667 --> 00:35:13,538 (相馬)あと少し発見が遅かったら 危なかった。 501 00:35:13,538 --> 00:35:18,009 旦那 急ぎましょう。 ふぶきを痛めつけた者が➡ 502 00:35:18,009 --> 00:35:19,945 何を どこまで つかんだか 分かりませんが➡ 503 00:35:19,945 --> 00:35:22,681 早く かかるに こした事はありません。 504 00:35:22,681 --> 00:35:26,017 始めるか。 へい。 505 00:35:26,017 --> 00:35:28,353 弓之助 あのな…。 506 00:35:28,353 --> 00:35:30,288 叔父上 このような事を➡ 507 00:35:30,288 --> 00:35:33,625 私が見てはいけないと お考えなのは承知しています。 508 00:35:33,625 --> 00:35:36,528 それでも 私は もう 見てしまったも同様なのです。 509 00:35:36,528 --> 00:35:40,499 私にも お手伝いさせて下さい。 510 00:35:40,499 --> 00:36:04,322 ♬~ 511 00:36:04,322 --> 00:36:07,993 <平四郎たちは 掘り続けた。➡ 512 00:36:07,993 --> 00:36:12,330 土間から始めて 畳を上げた床の下を➡ 513 00:36:12,330 --> 00:36:17,030 一寸刻みで 掘り広げた> 514 00:36:19,204 --> 00:36:22,007 <だが…> 515 00:36:22,007 --> 00:36:25,677 どういう事だ? ええ…。 516 00:36:25,677 --> 00:36:28,580 ここじゃないって 事なんですかねえ? 517 00:36:28,580 --> 00:36:31,349 そんなはずありません。 ここしかないのです! 518 00:36:31,349 --> 00:36:34,953 いや だが もう これだけ 掘っても 掘っても 掘っても➡ 519 00:36:34,953 --> 00:36:37,289 何も出てこねえんじゃあよ…。 520 00:36:37,289 --> 00:36:41,626 提灯屋さんは もっと 深く掘ったのかもしれません! 521 00:36:41,626 --> 00:36:46,298 湊屋が ここを建てた時に 葵の骨も掘り出して…。 522 00:36:46,298 --> 00:36:48,633 それなら どうして 今になって➡ 523 00:36:48,633 --> 00:36:50,569 店子を 追い出しにかかるのですか!?➡ 524 00:36:50,569 --> 00:36:52,504 筋が通りません! 525 00:36:52,504 --> 00:36:58,310 葵さんは ここにいるのです! 必ず ここにいるのです! 526 00:36:58,310 --> 00:37:00,645 分かった 分かった 分かった。 そう ムキになるな。 527 00:37:00,645 --> 00:37:02,945 はい 食べるか? 528 00:37:05,517 --> 00:37:07,517 これは…。 529 00:37:13,225 --> 00:37:16,525 顎の骨。 530 00:37:18,196 --> 00:37:21,933 いや ご苦労さんでござんすね ご一党さん。 531 00:37:21,933 --> 00:37:25,670 見つからねえんじゃねえかと 気をもみましたよ。 532 00:37:25,670 --> 00:37:30,342 おや? 若先生 奇遇だねえ。 533 00:37:30,342 --> 00:37:34,212 若先生は 井筒の旦那とお知り合いなんで? 534 00:37:34,212 --> 00:37:37,949 …で そいつは 何ですか? 骨ですかい? 535 00:37:37,949 --> 00:37:40,619 いやいや ひょっとすると その骨は➡ 536 00:37:40,619 --> 00:37:45,290 湊屋総右衛門の姪 17年前に 行き方知れずになったきりの➡ 537 00:37:45,290 --> 00:37:47,225 葵とかいう女の骨だよねえ? 538 00:37:47,225 --> 00:37:50,962 いや 井筒の旦那 お楽しみは これからだ。 539 00:37:50,962 --> 00:37:53,632 総右衛門と おふじの悪行が 暴かれるんだ。 540 00:37:53,632 --> 00:37:55,567 何から何まで すっかりね。 いや しかし…。 541 00:37:55,567 --> 00:37:57,502 黙ってろ 若先生。 542 00:37:57,502 --> 00:38:00,305 井筒の旦那は 先刻 ご承知だ。 543 00:38:00,305 --> 00:38:02,974 ねえ 旦那。 544 00:38:02,974 --> 00:38:04,910 お前は どこまで知ってんだ? 545 00:38:04,910 --> 00:38:07,312 旦那と同じぐらい よ~く知ってますよ。 546 00:38:07,312 --> 00:38:10,215 ですが…。 黙ってろってのが 分かんねえのか! 若先生。 547 00:38:10,215 --> 00:38:13,184 しかし! 何だい? 548 00:38:13,184 --> 00:38:15,987 これは 人の骨じゃない! 549 00:38:15,987 --> 00:38:18,323 何だ だ…。 550 00:38:18,323 --> 00:38:21,660 ご覧なさい これは確かに 下顎の骨だが➡ 551 00:38:21,660 --> 00:38:23,595 ここに 牙がある。 牙!? 552 00:38:23,595 --> 00:38:27,332 先が折れているが 確かに牙です。 牙…。 553 00:38:27,332 --> 00:38:29,267 犬の骨ですよ。 え…? 554 00:38:29,267 --> 00:38:34,606 確かな事は言えませんが 20年は昔のものです。 555 00:38:34,606 --> 00:38:38,944 犬の骨かよ。 こいつは 恐れ入ったぜ。 556 00:38:38,944 --> 00:38:41,613 (笑い声) ごまかすな こら! 557 00:38:41,613 --> 00:38:46,484 人をなめんのも 大概にしろよ こら! この野郎! 558 00:38:46,484 --> 00:38:48,954 あ…。 559 00:38:48,954 --> 00:38:51,856 (仁平)犬の骨? これは 人の骨だろう! 560 00:38:51,856 --> 00:38:56,294 よせよせ 仁平。 その人は 医師だ。 561 00:38:56,294 --> 00:39:00,966 人間の骨と犬の骨を 間違える訳ねえだろう。 何? 562 00:39:00,966 --> 00:39:02,901 何だよ? 563 00:39:02,901 --> 00:39:08,901 何ですか これ! 何の傷痕ですか~! 564 00:39:11,309 --> 00:39:14,212 仁平 よい。 565 00:39:14,212 --> 00:39:17,182 手ひどい拷問を受けて殺された 土左衛門が➡ 566 00:39:17,182 --> 00:39:21,653 先に 一ツ目橋の所に揚がってな。 567 00:39:21,653 --> 00:39:28,326 そいつが 痛めつけた下手人を かみついたんじゃねえかってな➡ 568 00:39:28,326 --> 00:39:31,229 歯型を取ってあるんだよ。 569 00:39:31,229 --> 00:39:33,598 これです。 570 00:39:33,598 --> 00:39:40,598 お前の その傷と ちょいと比べさせてくれねえか? 571 00:39:42,273 --> 00:39:45,944 どうだい? 仁平! 572 00:39:45,944 --> 00:39:49,280 この野郎~! 573 00:39:49,280 --> 00:39:52,183 ハハハハッ 離すなよ! 574 00:39:52,183 --> 00:39:55,153 これで 総右衛門も終わりだぜ! 575 00:39:55,153 --> 00:39:58,289 (かじる音) イテテテテ…。 576 00:39:58,289 --> 00:40:00,625 おい! うりゃ~! 577 00:40:00,625 --> 00:40:03,962 弓之助 大丈夫か? 578 00:40:03,962 --> 00:40:06,631 雑魚! 579 00:40:06,631 --> 00:40:09,300 離せ おら~! 580 00:40:09,300 --> 00:40:11,236 離せ おら~! よしよし よしよし。 581 00:40:11,236 --> 00:40:15,173 叔父上! 怖かった 怖かった~! 582 00:40:15,173 --> 00:40:19,944 怖かったな。 ああ そうか。 おいおい➡ 583 00:40:19,944 --> 00:40:22,313 昼間から お前 夢見て おねしょしちまったな おい。 584 00:40:22,313 --> 00:40:26,013 ああ よしよし。 いや あんま 抱きつくな。 585 00:40:27,986 --> 00:40:31,856 (総右衛門) そうかい。 鉄瓶長屋をね。 586 00:40:31,856 --> 00:40:34,659 どうなさいますか? 587 00:40:34,659 --> 00:40:39,998 そうだねえ どうしたものかねえ。 588 00:40:39,998 --> 00:40:42,901 房吉。 589 00:40:42,901 --> 00:40:44,869 (房吉)へい。 590 00:40:44,869 --> 00:40:49,674 (泣き声) 旦那 じゃあ 行ってきます。 591 00:40:49,674 --> 00:40:52,577 ああ 気を付けてな。 おいおいおい こけんじゃねえぞ。 592 00:40:52,577 --> 00:40:56,548 (弓之助の泣き声) 失礼します! 坊ちゃん うへぇ~。 593 00:40:56,548 --> 00:40:59,684 おら~! あれはよ 犬の骨なんかじゃねえ! 594 00:40:59,684 --> 00:41:02,353 人の骨なんだよ! この ぼんくら同心! 595 00:41:02,353 --> 00:41:05,690 あれはよ 人の骨なんだよ! 葵の骨なんだよ! 596 00:41:05,690 --> 00:41:08,359 人間の骨なんだよ! おいおいおい 静かにしろよ 仁平。 597 00:41:08,359 --> 00:41:11,696 政五郎 手前に言ってんじゃねえ! やかましい! 静かに。 598 00:41:11,696 --> 00:41:18,369 <それにしても 死んだ葵の骨は どこにあるのか。➡ 599 00:41:18,369 --> 00:41:24,709 さて この結末 いかに相成る事やら> 600 00:41:24,709 --> 00:41:27,045 あれは 人間の骨なんだよ! 601 00:41:27,045 --> 00:41:30,915 湊屋さん 葵は どこに埋まってる? 602 00:41:30,915 --> 00:41:35,320 私にとって 葵の命は 何より大切なのです。 603 00:41:35,320 --> 00:41:37,989 死んだ者は 死んだんだ。 604 00:41:37,989 --> 00:41:41,659 世の中 分かんないもんだね。 605 00:41:41,659 --> 00:41:45,330 俺は諦めねえからな! 必ず 湊屋の悪事を ばらしてやる! 606 00:41:45,330 --> 00:41:47,265 あそこに埋まってるんだよ! 607 00:41:47,265 --> 00:41:50,668 本当の事なんて どこにあるんだよ。 608 00:41:50,668 --> 00:41:54,339 薄気味悪い 幽霊みたいな女ですよ。 609 00:41:54,339 --> 00:41:56,674 幽霊ねえ…。 610 00:41:56,674 --> 00:43:26,674 ♬~