1 00:02:33,531 --> 00:02:35,531 あ~ もう我慢できない! 2 00:04:53,521 --> 00:04:56,374 なんで呼ばれたか わかるか? 3 00:04:56,374 --> 00:04:59,210 いや ちょっと わからないですね。 4 00:04:59,210 --> 00:05:02,510 有村忠雄先生のことなんだけど。 5 00:05:10,538 --> 00:05:12,957 これは…。 6 00:05:12,957 --> 00:05:16,594 うちの25周年に 有村先生が書いてくれた短編。 7 00:05:16,594 --> 00:05:18,546 あれ すごくよかったよな。 8 00:05:18,546 --> 00:05:21,199 あの小説をとれたのは➡ 9 00:05:21,199 --> 00:05:24,586 佐々木の努力の たまものだったわけだ。 10 00:05:24,586 --> 00:05:27,355 で そのときに 次の新作は うちに書いてくれるって➡ 11 00:05:27,355 --> 00:05:29,357 約束したんだよな? はい。 12 00:05:29,357 --> 00:05:33,211 ところが 小林が担当になったとたん➡ 13 00:05:33,211 --> 00:05:35,864 なんで 他社に持ってかれるわけ? 14 00:05:35,864 --> 00:05:37,866 おかしいですね。 15 00:05:37,866 --> 00:05:39,868 先生 何も 言ってませんでしたけど。 16 00:05:39,868 --> 00:05:43,705 あっ 僕 先生と SNSで 結構やり取りしてて➡ 17 00:05:43,705 --> 00:05:47,192 友達申請してくれたのも 先生からだし。 18 00:05:47,192 --> 00:05:49,694 先生のこと 友達扱いかよ。 19 00:05:49,694 --> 00:05:52,297 昨日も 写真 いいねしてくれたし➡ 20 00:05:52,297 --> 00:05:54,916 僕もしましたし ほら。 21 00:05:54,916 --> 00:05:56,968 SNS! 22 00:05:56,968 --> 00:06:00,555 あ~ でも 先生 毎日 飲み歩きの写真 投稿していて➡ 23 00:06:00,555 --> 00:06:02,690 とても 小説を書いてるようには 見えませんでした。 24 00:06:02,690 --> 00:06:04,692 ちゃんと 会って話さないと➡ 25 00:06:04,692 --> 00:06:07,045 コミュニケーション取れてるってことには ならないだろう。 26 00:06:07,045 --> 00:06:09,197 その考え方 古いですよ。 27 00:06:09,197 --> 00:06:12,700 今 ITなどのユニコーン企業では 会議を廃止して➡ 28 00:06:12,700 --> 00:06:14,852 スラックやチャットワークで やり取りしようって流れに➡ 29 00:06:14,852 --> 00:06:16,854 なってるんですよ。 スラ… スラ? 30 00:06:16,854 --> 00:06:19,540 だから わざわざ アポ取って 対面するのって➡ 31 00:06:19,540 --> 00:06:21,542 非合理的じゃないですか? 32 00:06:21,542 --> 00:06:24,195 非… えっ そういう… そういう考え? はい。 33 00:06:24,195 --> 00:06:26,547 そういうもの? 34 00:06:26,547 --> 00:06:29,918 久しぶりに出た 小林のへ理屈。 35 00:06:29,918 --> 00:06:32,203 何 言ってるか 全然わからないんだけど。 36 00:06:32,203 --> 00:06:34,205 わ 私もです。 落ち着け。 37 00:06:34,205 --> 00:06:36,524 上り調子の企業は ネット上で会議できるシステムを➡ 38 00:06:36,524 --> 00:06:38,526 使ってるって言ってるだけだ。 39 00:06:38,526 --> 00:06:42,697 あっ でも これ 先生が 次に書きたいって言ってた話だ。 40 00:06:42,697 --> 00:06:45,199 それって 横取りされたってことだろう。 41 00:06:45,199 --> 00:06:47,869 あっ その 「スピカ」の担当編集者➡ 42 00:06:47,869 --> 00:06:50,204 佐々木レベルの 切れ者かもしれないよ。 43 00:06:50,204 --> 00:06:54,042 どうしよう 先生 その 編集者のこと気に入っちゃって➡ 44 00:06:54,042 --> 00:06:56,027 うちに 二度と書いてくれなく なったら どうしよう。 45 00:06:56,027 --> 00:06:58,546 あっ どうしよう… あ~あ! 46 00:06:58,546 --> 00:07:01,699 佐々木を 有村先生の担当のままに しとくんだった! 47 00:07:01,699 --> 00:07:03,868 担当替えしたのは 編集長のほうです。 48 00:07:03,868 --> 00:07:05,870 はぁ? 編集長。 49 00:07:05,870 --> 00:07:08,289 小林さんの教育係は 私です。 50 00:07:08,289 --> 00:07:10,191 なんとしてでも 有村先生の原稿を➡ 51 00:07:10,191 --> 00:07:12,193 いただく約束を してまいりますので➡ 52 00:07:12,193 --> 00:07:14,193 今日のところは お許しくださいませ。 53 00:07:16,547 --> 00:07:18,847 行きますよ 小林さん。 えっ? 54 00:08:21,529 --> 00:08:24,549 あの 佐々木さん。 55 00:08:24,549 --> 00:08:27,535 先生 家に いらっしゃらないみたいです。 56 00:08:27,535 --> 00:08:29,587 なぜ わかるんですか? 57 00:08:29,587 --> 00:08:32,040 今から 家に行きますって DM送ったら➡ 58 00:08:32,040 --> 00:08:36,194 出かけてるって返事がきて ほら。 59 00:08:36,194 --> 00:08:38,696 どこにいらっしゃるんでしょう。 60 00:08:38,696 --> 00:08:42,096 それも聞いたんですけど 教えてくれませんでした。 61 00:08:50,208 --> 00:08:52,176 小林さん この辺りで➡ 62 00:08:52,176 --> 00:08:54,362 落ち着ける場所は ありますでしょうか。 63 00:08:54,362 --> 00:08:58,533 (ため息) 64 00:08:58,533 --> 00:09:03,688 「チェーホフ」の話 先生と 何度も リプライし合ったんですよ。 65 00:09:03,688 --> 00:09:07,141 あっ 僕 大学時代に ロシア文学かじってたんで。 66 00:09:07,141 --> 00:09:10,862 結構 盛り上がったんだけどな。 67 00:09:10,862 --> 00:09:14,532 だから原稿 うちにくれるもんだと ばっかり思ってました。 68 00:09:14,532 --> 00:09:17,532 なのに なんで よそで書いたりしたんだろう。 69 00:09:21,022 --> 00:09:25,526 わかりました 先生は バーに現れます。 70 00:09:25,526 --> 00:09:28,696 なんで わかるんですか? 71 00:09:28,696 --> 00:09:31,716 先生が SNSにあげられた 写真のお店と➡ 72 00:09:31,716 --> 00:09:36,521 日付と時間を すべて書き出し 統計を取った結果➡ 73 00:09:36,521 --> 00:09:38,539 今から 4時間以内に➡ 74 00:09:38,539 --> 00:09:41,576 ノクターンという バーに現れるという 結果が出ました。 75 00:09:41,576 --> 00:09:43,576 本当ですか? 76 00:09:47,031 --> 00:09:49,033 どうしたんですか? それ。 77 00:09:49,033 --> 00:09:52,520 あぁ 会社の近くで 長崎物産展やってたんで➡ 78 00:09:52,520 --> 00:09:54,555 買ったんですけど➡ 79 00:09:54,555 --> 00:09:59,710 いろいろ考えすぎて 頭が糖分欲してるみたいで。 80 00:09:59,710 --> 00:10:02,280 佐々木さんも食べますか? 81 00:10:02,280 --> 00:10:05,032 《長崎カステラ…。 82 00:10:05,032 --> 00:10:10,032 長崎は九州 宮崎も九州》 83 00:10:14,242 --> 00:10:19,547 《俊吾さん どうして また いなくなったの? 84 00:10:19,547 --> 00:10:24,947 あれから どこへ行ったの?》 85 00:10:38,866 --> 00:10:42,687 ⦅済んだか? あぁ。 86 00:10:42,687 --> 00:10:47,708 正体を知られたら ソイツは消す それが 俺たちスパイの鉄則だ。 87 00:10:47,708 --> 00:10:51,808 わかってるさ 彼女は何も気づいていない。 88 00:10:58,553 --> 00:11:01,639 (警報) 89 00:11:01,639 --> 00:11:04,358 行こう MI6がお前を追っている。 90 00:11:04,358 --> 00:11:07,458 このまま ロシアまで逃げるぞ すぐ近くまで ヘリが来てる。 91 00:11:12,216 --> 00:11:15,516 幸子さん…⦆ 92 00:11:21,025 --> 00:11:25,213 俊吾さん ロシアは寒いですよ。 93 00:11:25,213 --> 00:11:28,699 えっ? 94 00:11:28,699 --> 00:11:31,786 いえ 何でもありません。 95 00:11:31,786 --> 00:11:33,688 《スパイって…。 96 00:11:33,688 --> 00:11:36,190 再び 俊吾さんに 逃げられたショックで➡ 97 00:11:36,190 --> 00:11:39,043 前より ひどくなっている気がする。 98 00:11:39,043 --> 00:11:42,443 こんなのだめ… 忘れなきゃ》 99 00:11:44,715 --> 00:11:47,515 一切れ いただきます。 はい。 100 00:11:59,864 --> 00:12:01,849 《フワフワ…。 101 00:12:01,849 --> 00:12:06,203 どうして 人は フワフワなものに 心躍ってしまうのかしら。 102 00:12:06,203 --> 00:12:11,192 あぁ でも このカステラ フワフワなだけじゃないわ。 103 00:12:11,192 --> 00:12:14,545 しっとりも同じくらい感じる。 104 00:12:14,545 --> 00:12:16,931 底についている ザラメの甘さが➡ 105 00:12:16,931 --> 00:12:19,884 ほんのりと 口の中に 広がっていくのも うれしい。 106 00:12:19,884 --> 00:12:25,356 優しくて 懐かしくて さすが 本場 長崎の味。 107 00:12:25,356 --> 00:12:29,210 16世紀の日本に はるばる ポルトガルからやってきてくれて➡ 108 00:12:29,210 --> 00:12:31,862 ありがとう》 109 00:12:31,862 --> 00:12:35,249 すみません もう一切れいただけますか? 110 00:12:35,249 --> 00:12:37,249 どうぞ。 111 00:12:42,540 --> 00:12:47,862 《あぁ 口の中でカステラが溶ける。 112 00:12:47,862 --> 00:12:50,031 甘いけど 甘すぎない。 113 00:12:50,031 --> 00:12:55,431 フワフワ しっとり 最高のほっこりおやつね》 114 00:13:10,885 --> 00:13:12,885 本当にいた。 115 00:13:15,039 --> 00:13:18,542 先生 おくつろぎ中のところ 失礼いたします。 116 00:13:18,542 --> 00:13:23,214 あれ? 佐々木さんと小林くん。 117 00:13:23,214 --> 00:13:27,514 偶然だね こっちおいで。 118 00:13:33,524 --> 00:13:36,861 何する? 水割りでいい? 119 00:13:36,861 --> 00:13:40,461 あっ いえ 私が。 あぁ そう。 120 00:13:43,534 --> 00:13:48,622 う~ん… 佐々木さん。 121 00:13:48,622 --> 00:13:53,527 この前 会ったときより ぐっといい女になったね。 122 00:13:53,527 --> 00:13:55,880 もしかして 有村先生って➡ 123 00:13:55,880 --> 00:13:59,867 お酒を飲むと 誰彼構わず 女の人を口説くタイプですか? 124 00:13:59,867 --> 00:14:02,203 小林さん 聞こえますよ。 125 00:14:02,203 --> 00:14:04,805 なんで 今まで 気がつかなかったんだろう。 126 00:14:04,805 --> 00:14:08,192 君 きれいな目をしてる。 127 00:14:08,192 --> 00:14:10,695 ありがとうございます。 128 00:14:10,695 --> 00:14:14,532 佐々木くん こっちへ座りなさい こっちへ ねっ。 129 00:14:14,532 --> 00:14:16,534 何? 130 00:14:16,534 --> 00:14:18,536 僕の目も きれいです。 131 00:14:18,536 --> 00:14:21,038 有村先生 お話があります。 132 00:14:21,038 --> 00:14:23,190 あっ そうだ 君にね➡ 133 00:14:23,190 --> 00:14:25,192 謝らなきゃいけないことが あったんだ。 134 00:14:25,192 --> 00:14:30,398 あの 君に頼まれてた小説ね あれさ 他の雑誌に…。 135 00:14:30,398 --> 00:14:32,398 ≪先生! 136 00:16:50,538 --> 00:16:53,207 ≪先生! 137 00:16:53,207 --> 00:16:55,876 1日ぶりかしら 会いたかった。 138 00:16:55,876 --> 00:16:58,863 尾野くん 僕も会いたかったよ。 139 00:16:58,863 --> 00:17:00,863 うれしい! 140 00:17:03,534 --> 00:17:05,536 誰ですか? この人。 141 00:17:05,536 --> 00:17:10,207 こちらね 北斗文芸社 『月刊スピカ』の尾野くん。 142 00:17:10,207 --> 00:17:12,776 僕のね 小説を 担当してもらったんだ ねっ。 143 00:17:12,776 --> 00:17:15,379 この人が? 144 00:17:15,379 --> 00:17:19,183 私 中学館文芸編集部 『月刊さらら』の➡ 145 00:17:19,183 --> 00:17:21,185 佐々木幸子と申します。 146 00:17:21,185 --> 00:17:23,537 どうぞ よろしくお願いいたします。 147 00:17:23,537 --> 00:17:26,023 あなたが 佐々木幸子? 148 00:17:26,023 --> 00:17:29,693 《紫綬褒章作家 松岡淳二先生が➡ 149 00:17:29,693 --> 00:17:32,863 自分の担当に 佐々木幸子を 指名したという あのうわさ➡ 150 00:17:32,863 --> 00:17:34,865 本当なのかしら? 151 00:17:34,865 --> 00:17:38,035 松岡先生 私には 会ってもくれないというのに…。 152 00:17:38,035 --> 00:17:41,855 この女 有村先生の担当なの?》 153 00:17:41,855 --> 00:17:43,874 僕は 中学館で➡ 154 00:17:43,874 --> 00:17:46,710 有村先生の担当をしています 小林です。 155 00:17:46,710 --> 00:17:51,382 あっ そう。 担当は あなたなの。 156 00:17:51,382 --> 00:17:54,752 先生 うちで 書いていただいた新作➡ 157 00:17:54,752 --> 00:17:57,021 すごく評判よかったです。 あららら。 158 00:17:57,021 --> 00:18:00,040 このまま 連載にしていただきたいわ。 159 00:18:00,040 --> 00:18:03,060 本当? どうしようかな~。 160 00:18:03,060 --> 00:18:07,531 じらさないで 先生ったら いけず。 161 00:18:07,531 --> 00:18:12,831 このまま 続きを書きましょうよ うちの雑誌で。 162 00:18:16,857 --> 00:18:20,527 私は 今回の作品 少々物足りなく感じました。 163 00:18:20,527 --> 00:18:24,048 はっ? あなた 先生に なんてこと言うの。 164 00:18:24,048 --> 00:18:26,200 担当でもないくせに。 165 00:18:26,200 --> 00:18:29,370 はい 確かに 私は担当ではありませんが➡ 166 00:18:29,370 --> 00:18:33,307 有村先生の作品を愛しております。 167 00:18:33,307 --> 00:18:35,709 特に 先生が別のペンネームで➡ 168 00:18:35,709 --> 00:18:39,380 同人誌 『落葉樹』に書かれた 『腹』という短編。 169 00:18:39,380 --> 00:18:41,749 私は あの作品が 大好きでございます。 170 00:18:41,749 --> 00:18:44,535 独自の文体とリアルな表現で➡ 171 00:18:44,535 --> 00:18:48,022 リズムよく物語が進んでいく あの世界観。 172 00:18:48,022 --> 00:18:51,208 あの世界観こそが 有村先生の真骨頂だと➡ 173 00:18:51,208 --> 00:18:53,210 私は思っております。 174 00:18:53,210 --> 00:18:56,196 そんな… 昔の作品の話されても。 175 00:18:56,196 --> 00:19:01,218 今回 「スピカ」に掲載された小説 『チェーホフと私』は➡ 176 00:19:01,218 --> 00:19:03,871 1900年代のロシアが舞台ですが➡ 177 00:19:03,871 --> 00:19:06,023 むしろ 現代に 物語を置いたほうが➡ 178 00:19:06,023 --> 00:19:10,477 先生特有のリアルな表現や世界観が いきたのではないでしょうか。 179 00:19:10,477 --> 00:19:13,697 主人公のロシア人娘 ニーナも➡ 180 00:19:13,697 --> 00:19:17,368 現代女性の悩みや葛藤を もっと 具体的に足してあげることで➡ 181 00:19:17,368 --> 00:19:20,537 もっと愛される人物像が できたのではないかと➡ 182 00:19:20,537 --> 00:19:23,023 私は思っております。 ちょっと 佐々木さん➡ 183 00:19:23,023 --> 00:19:25,359 言いすぎですよ 先生 怒ってます。 184 00:19:25,359 --> 00:19:27,378 あなたね そこまで言うなんて➡ 185 00:19:27,378 --> 00:19:30,547 本当は 有村先生の ファンじゃないんじゃないの? 186 00:19:30,547 --> 00:19:33,200 私は ファンである以前に➡ 187 00:19:33,200 --> 00:19:35,219 編集者でありたいと 思っております。 188 00:19:35,219 --> 00:19:38,205 作家の可能性を 最大限に引き出すことが➡ 189 00:19:38,205 --> 00:19:40,524 編集の仕事です。 190 00:19:40,524 --> 00:19:43,444 今回の作品においては➡ 191 00:19:43,444 --> 00:19:46,580 書き直しを お願いしたほうが よかったのではないかと➡ 192 00:19:46,580 --> 00:19:48,532 私は思っております。 193 00:19:48,532 --> 00:19:50,868 有村先生に書き直しを? 194 00:19:50,868 --> 00:19:52,868 あなたね! 195 00:19:54,938 --> 00:19:56,938 佐々木さん。 196 00:20:02,529 --> 00:20:09,703 実は 私も 『チェーホフと私』 あれで よかったのかなって➡ 197 00:20:09,703 --> 00:20:12,740 迷ってたんですよ。 198 00:20:12,740 --> 00:20:15,709 最近は 年のせいか➡ 199 00:20:15,709 --> 00:20:19,196 みんなが 私を褒めてくれるだけで➡ 200 00:20:19,196 --> 00:20:21,532 誰も 意見を 言ってくれようとはしません。 201 00:20:21,532 --> 00:20:25,052 それから 同人誌時代の 『腹』。 202 00:20:25,052 --> 00:20:31,375 あれは いまだに 私も大好きな作品なんです。 203 00:20:31,375 --> 00:20:37,464 他の作品については どうですか? もっと話を聞きたいな。 204 00:20:37,464 --> 00:20:41,118 はい 私でよければ。 205 00:20:41,118 --> 00:20:46,039 それから 小林も 大学でロシア文学を 専攻しておりましたので➡ 206 00:20:46,039 --> 00:20:49,526 「チェーホフ」に関しては 彼も 少しは役に立つかと思います。 207 00:20:49,526 --> 00:20:52,362 あっ そうだね だったら君も➡ 208 00:20:52,362 --> 00:20:54,548 僕の作品について 何か意見があるかい? 209 00:20:54,548 --> 00:20:56,550 あっ そうだ。 210 00:20:56,550 --> 00:20:58,552 ちょっと トイレ行ってくるから➡ 211 00:20:58,552 --> 00:21:01,572 帰ってきたら 君の意見を 聞かせてくれたまえ。 212 00:21:01,572 --> 00:21:03,572 はい。 213 00:21:08,028 --> 00:21:12,866 《ヤバい このままでは 先生の新作が あの女のものに》 214 00:21:12,866 --> 00:21:15,018 すごいですね 佐々木さん。 215 00:21:15,018 --> 00:21:17,704 私は いち編集者として➡ 216 00:21:17,704 --> 00:21:19,857 先生の作品に向き合っただけです。 217 00:21:19,857 --> 00:21:23,026 (バイブ音) 218 00:21:23,026 --> 00:21:25,045 編集長からだ。 (バイブ音) 219 00:21:25,045 --> 00:21:27,047 ちょっと すみません。 (バイブ音) 220 00:21:27,047 --> 00:21:29,867 電話してきます すみません。 (バイブ音) 221 00:21:29,867 --> 00:21:35,873 《何か この女にヘマをさせて 先生を失望させなくては。 222 00:21:35,873 --> 00:21:42,646 そうだ 辛み調節のために いつも持ち歩いている あれを》 223 00:21:42,646 --> 00:21:46,533 佐々木さん 先生のグラスが 空になりそうよ。 224 00:21:46,533 --> 00:21:49,533 ご指摘ありがとうございます。 225 00:21:53,540 --> 00:21:56,710 それから 先生は チーズがお好きだから➡ 226 00:21:56,710 --> 00:21:58,695 頼んでくださる? 227 00:21:58,695 --> 00:22:01,495 はい。 はい。 228 00:22:03,717 --> 00:22:06,517 ありがとうございます。 229 00:22:27,908 --> 00:22:31,508 《あとは これを先生が飲めば あの女は…》 230 00:25:04,531 --> 00:25:10,053 いや 今日は楽しいね。 231 00:25:10,053 --> 00:25:14,453 今ね トイレで 新しい話を思いついちゃった。 232 00:25:16,743 --> 00:25:19,046 チーズ頼んでくれたの? はい。 233 00:25:19,046 --> 00:25:24,184 じゃあ 僕は ワイン飲んじゃおうかな。 234 00:25:24,184 --> 00:25:27,204 こちら ワインメニューです。 おっ サンキュー。 235 00:25:27,204 --> 00:25:30,457 どれにしようかな。 236 00:25:30,457 --> 00:25:32,526 あっ 水割り もったいないから➡ 237 00:25:32,526 --> 00:25:35,362 尾野さん 飲んで。 えっ…。 238 00:25:35,362 --> 00:25:38,231 あっ いえ あっ じゃあ 佐々木さんに。 239 00:25:38,231 --> 00:25:40,367 いやいや 遠慮なく 尾野さんどうぞ。 240 00:25:40,367 --> 00:25:43,019 いえいえ そんな 先生のお酒なので いえいえ。 241 00:25:43,019 --> 00:25:46,206 グッと グッといっちゃってください。 242 00:25:46,206 --> 00:25:49,606 じゃあ… いただきま~す。 243 00:25:59,703 --> 00:26:01,705 (せき込む声) 244 00:26:01,705 --> 00:26:03,705 すみません…。 245 00:26:07,861 --> 00:26:12,861 ぼ 僕の お気に入りのジャケットが…。 246 00:26:15,869 --> 00:26:18,869 先生 おしぼりを。 いらん! 247 00:26:20,857 --> 00:26:24,227 僕 帰る。 248 00:26:24,227 --> 00:26:26,227 先生…。 249 00:26:29,032 --> 00:26:32,632 お待ちください まだ 先生にお話が。 250 00:26:39,726 --> 00:26:49,586 君の雑誌では 最高傑作を書く。 251 00:26:49,586 --> 00:26:51,586 以上。 252 00:26:53,523 --> 00:26:55,523 ありがとうございます! 253 00:27:09,539 --> 00:27:13,577 お疲れさまでした では 編集部に戻りましょう。 254 00:27:13,577 --> 00:27:17,731 あの 佐々木さん。 はい。 255 00:27:17,731 --> 00:27:21,368 あっ いや…。 256 00:27:21,368 --> 00:27:23,468 お腹すきませんか? 257 00:27:30,877 --> 00:27:32,877 ここです。 258 00:27:40,687 --> 00:27:43,373 《ロシア料理なんて 初めて。 259 00:27:43,373 --> 00:27:46,843 小林さんが こんな お店を知っているなんて➡ 260 00:27:46,843 --> 00:27:49,696 意外》 261 00:27:49,696 --> 00:27:53,096 注文は 任せてもらって いいですか? はい。 262 00:27:58,872 --> 00:28:01,708 《フランス風 ロシア料理? 263 00:28:01,708 --> 00:28:04,194 それって どういうものなのかしら。 264 00:28:04,194 --> 00:28:08,548 どんな お料理が出てくるのか 想像もできないわ》 265 00:28:08,548 --> 00:28:11,548 苦手なものとかないですか? はい。 266 00:28:18,208 --> 00:28:22,379 《ピロシキ これは 聞いたことがある。 267 00:28:22,379 --> 00:28:24,479 食べてみたい》 268 00:28:28,201 --> 00:28:31,705 ピロシキは 絶対に頼みますね。 269 00:28:31,705 --> 00:28:35,875 なんで わかったんですか? 私が考えていること。 270 00:28:35,875 --> 00:28:40,046 それくらい ちょっと考えれば 誰でもわかります。 271 00:28:40,046 --> 00:28:43,867 みんな そうなんでしょうか。 えっ? 272 00:28:43,867 --> 00:28:48,038 私は今まで 相手が 何を食べたいかなんて➡ 273 00:28:48,038 --> 00:28:50,206 考えたこともなかったです。 274 00:28:50,206 --> 00:28:52,876 僕だって ふだんはそうですよ。 275 00:28:52,876 --> 00:28:54,878 すみません。 276 00:28:54,878 --> 00:28:59,366 《自分じゃなくて 誰かの食べたいもの。 277 00:28:59,366 --> 00:29:02,369 例えば 俊吾さんの。 278 00:29:02,369 --> 00:29:06,356 私 俊吾さんの欲しいものや したいこと➡ 279 00:29:06,356 --> 00:29:09,209 考えたことなかったかもしれない。 280 00:29:09,209 --> 00:29:14,509 いつも 何でも 私が決めてしまっていた》 281 00:29:20,537 --> 00:29:23,523 ⦅俊吾さん 締め切りが過ぎてますよ。 282 00:29:23,523 --> 00:29:26,960 あっ 幸子さん 一緒に ひなたぼっこしよ。 283 00:29:26,960 --> 00:29:28,979 本日の14時までに➡ 284 00:29:28,979 --> 00:29:30,981 結婚式の席次表を 出してくださるよう➡ 285 00:29:30,981 --> 00:29:33,033 お願いしましたよね。 286 00:29:33,033 --> 00:29:35,085 出さないのなら 私が全部決めますよ。 287 00:29:35,085 --> 00:29:38,738 あ~ うん…。 288 00:29:38,738 --> 00:29:42,208 それから お出しする料理と 引き出物についてですが➡ 289 00:29:42,208 --> 00:29:44,210 そちらも 私が決めてしまって いいですか? 290 00:29:44,210 --> 00:29:48,131 うん そうだね。 291 00:29:48,131 --> 00:29:50,050 幸子さんが決めて。 292 00:29:50,050 --> 00:29:53,036 お色直しは 1回で 洋装から和装でいいですか? 293 00:29:53,036 --> 00:29:56,556 うん。 それから 婚姻届の提出日ですが➡ 294 00:29:56,556 --> 00:30:00,377 式の翌日が 一粒万倍日ですので その日にしようかと思います。 295 00:30:00,377 --> 00:30:02,529 それ 何? 296 00:30:02,529 --> 00:30:05,548 一つの いいことが 数万倍になるくらい➡ 297 00:30:05,548 --> 00:30:07,517 幸運な日とされています。 298 00:30:07,517 --> 00:30:09,869 入籍には たいへん適した日取りです。 299 00:30:09,869 --> 00:30:13,239 式より後に籍を入れるの? 300 00:30:13,239 --> 00:30:15,191 そうです だめですか? 301 00:30:15,191 --> 00:30:21,231 だめじゃないけど その 一粒万倍日の日に➡ 302 00:30:21,231 --> 00:30:23,883 悪いことしたら どうなるの? 303 00:30:23,883 --> 00:30:26,483 もちろん 数万倍になります。 304 00:30:30,357 --> 00:30:33,226 ねぇ あのさ 幸子さん。 305 00:30:33,226 --> 00:30:35,328 すみません 後でいいですか? 306 00:30:35,328 --> 00:30:38,128 今日中に 席次表を あげてしまいたいので。 307 00:30:40,200 --> 00:30:42,500 うん⦆ 308 00:30:44,871 --> 00:30:50,877 《あのとき 俊吾さんは 何を言いたかったんだろう。 309 00:30:50,877 --> 00:30:56,066 私は 俊吾さんの気持ち 全然わかろうとしていなかった。 310 00:30:56,066 --> 00:31:01,871 だから だから俊吾さんは…》 311 00:31:01,871 --> 00:31:05,208 佐々木さん? はい。 312 00:31:05,208 --> 00:31:07,508 来ましたよ 料理。 313 00:33:56,529 --> 00:33:59,829 来ましたよ 料理。 あっ はい。 314 00:34:02,702 --> 00:34:06,856 これ 僕が この店で いちばん好きな料理➡ 315 00:34:06,856 --> 00:34:08,858 ペリメニです。 316 00:34:08,858 --> 00:34:13,012 小麦粉の皮で ひき肉を包んでゆでた➡ 317 00:34:13,012 --> 00:34:16,349 言ってみれば ロシアの水餃子です。 318 00:34:16,349 --> 00:34:19,352 《ロシアにも餃子が? 319 00:34:19,352 --> 00:34:22,355 中国の食べ物だと 思っていたけれど➡ 320 00:34:22,355 --> 00:34:26,455 更に その向こうにも 餃子文化があったなんて》 321 00:34:28,578 --> 00:34:30,578 いただきます。 322 00:34:40,189 --> 00:34:46,212 《モチモチの皮の中から ひき肉と タマネギが。 323 00:34:46,212 --> 00:34:50,016 これは まさに水餃子の食感。 324 00:34:50,016 --> 00:34:53,202 でも このソースは 初めて食べる。 325 00:34:53,202 --> 00:34:58,524 何だろう 酸っぱくて あまりなじみのない味》 326 00:34:58,524 --> 00:35:01,511 このソースは サワークリームです。 327 00:35:01,511 --> 00:35:04,864 ロシア料理では サワークリームを よく使うんです。 328 00:35:04,864 --> 00:35:08,685 あっ この店 ちょっと 他とは違って➡ 329 00:35:08,685 --> 00:35:12,588 フランス風にアレンジされた ロシア料理なんです。 330 00:35:12,588 --> 00:35:17,043 だから 周りに フランス料理の ラタトゥイユが添えてあって。 331 00:35:17,043 --> 00:35:20,043 他では食べられない ペリメニなんです。 332 00:35:28,254 --> 00:35:30,523 《おいしい。 333 00:35:30,523 --> 00:35:34,694 サワークリームが餃子に合うなんて 驚きの新発見。 334 00:35:34,694 --> 00:35:37,196 餃子のおいしさは 世界共通なのね。 335 00:35:37,196 --> 00:35:40,533 フランスとの奇跡の融合も お見事。 336 00:35:40,533 --> 00:35:46,022 ロシア料理との初対面が餃子なんて うれしいサプライズだわ》 337 00:35:46,022 --> 00:35:50,360 佐々木さんて 食べてるとき いい顔しますよね。 338 00:35:50,360 --> 00:35:53,160 ありがとうございます。 339 00:35:58,184 --> 00:36:00,703 えっと こっちがボルシチで➡ 340 00:36:00,703 --> 00:36:04,207 こっちが ガルショーク キノコスープのパイ包みです。 341 00:36:04,207 --> 00:36:07,193 どっちにしますか? 342 00:36:07,193 --> 00:36:09,846 《どちらも たいへん 興味深いけれど➡ 343 00:36:09,846 --> 00:36:13,866 まずは 定番を》 344 00:36:13,866 --> 00:36:16,686 では ボルシチをいただいても よろしいでしょうか。 345 00:36:16,686 --> 00:36:18,786 もちろんです。 346 00:36:23,226 --> 00:36:25,294 そして これが➡ 347 00:36:25,294 --> 00:36:27,697 お待ちかねの ピロシキです。 348 00:36:27,697 --> 00:36:30,366 《これが…。 349 00:36:30,366 --> 00:36:33,736 どうしよう ワクワクする》 350 00:36:33,736 --> 00:36:37,023 ピロシキって 家庭や地方によって➡ 351 00:36:37,023 --> 00:36:40,423 生地の食感や中身が 全然違うんです。 352 00:36:42,862 --> 00:36:48,785 定番の具は ひき肉 ゆで卵 チーズ ジャガイモ お米。 353 00:36:48,785 --> 00:36:50,870 まぁ 何でもありなんですよ。 354 00:36:50,870 --> 00:36:54,023 そのまま 手で持って食べてください。 355 00:36:54,023 --> 00:36:57,023 揚げたてですから 気をつけてどうぞ。 356 00:37:11,858 --> 00:37:14,026 《モッチモチ…。 357 00:37:14,026 --> 00:37:16,429 見た目は 細長い カレーパンみたいだけれど➡ 358 00:37:16,429 --> 00:37:20,349 油で揚げているとは思えないほど あっさり フワフワ。 359 00:37:20,349 --> 00:37:22,702 具も ぎっしり。 360 00:37:22,702 --> 00:37:26,672 ひき肉とタマネギが ほんのりトマト味の 優しい味付け。 361 00:37:26,672 --> 00:37:28,691 いくらでも食べられちゃいそう。 362 00:37:28,691 --> 00:37:32,178 あぁ とにかく このパン生地がおいしすぎる。 363 00:37:32,178 --> 00:37:34,347 ずっと食べていたい》 364 00:37:34,347 --> 00:37:36,447 ボルシチも あったかいうちに どうぞ。 365 00:37:44,190 --> 00:37:47,527 《赤いスープに 白いクリームが映える。 366 00:37:47,527 --> 00:37:51,827 きれい… なんて かわいらしい お料理なのかしら》 367 00:37:57,854 --> 00:38:00,807 《見た目と違って あっさりしているのね。 368 00:38:00,807 --> 00:38:03,392 お野菜がいっぱい。 369 00:38:03,392 --> 00:38:06,179 少し甘くて 少し酸っぱい トマトソースの中に➡ 370 00:38:06,179 --> 00:38:10,032 大きなお肉と ジャガイモが。 371 00:38:10,032 --> 00:38:13,936 この スープに浮かんでいるのも きっと サワークリームね。 372 00:38:13,936 --> 00:38:18,191 これを 溶かして飲むと また更に酸味が広がる。 373 00:38:18,191 --> 00:38:22,512 優しくて ほっこりする味。 374 00:38:22,512 --> 00:38:25,531 あちらも食べてみたいけれど➡ 375 00:38:25,531 --> 00:38:29,085 次 来るときの お楽しみにしましょう》 376 00:38:29,085 --> 00:38:32,855 お待たせしました ビーフストロガノフでございます。 377 00:38:32,855 --> 00:38:35,708 《なんて おいしそうな匂い。 378 00:38:35,708 --> 00:38:40,508 お肉も大きくて… あ~ もう 我慢できない!》 379 00:38:43,032 --> 00:38:45,017 お先に いただきます! 380 00:38:45,017 --> 00:38:47,937 あっ 取り分けますよ。 結構です。 えっ? 381 00:38:47,937 --> 00:38:52,237 小林さんは ご自分のお食事を お楽しみください。 382 00:39:03,836 --> 00:39:06,022 《おいしい! 383 00:39:06,022 --> 00:39:09,926 やわらかい お肉に 甘めの濃いソースが合う。 384 00:39:09,926 --> 00:39:13,563 あぁ これにも サワークリームが入っているのね。 385 00:39:13,563 --> 00:39:16,349 濃い味付けを 爽やかに包んでくれる。 386 00:39:16,349 --> 00:39:18,834 どんな料理にも寄り添える サワークリーム。 387 00:39:18,834 --> 00:39:20,853 なんて万能なの。 388 00:39:20,853 --> 00:39:23,839 あぁ 体が温まる。 389 00:39:23,839 --> 00:39:27,526 ロシア料理って もっと勇ましい 感じのものかと思ってた。 390 00:39:27,526 --> 00:39:30,696 でも 本当は とっても優しいのね。 391 00:39:30,696 --> 00:39:34,867 ロシアの厳しい冬でも 体を 優しく温めてくれる料理たち。 392 00:39:34,867 --> 00:39:38,788 一口 食べるたびに 新しい発見が次々出てくる。 393 00:39:38,788 --> 00:39:41,190 まるで 味のマトリョーシカ。 394 00:39:41,190 --> 00:39:43,509 胃が コサックダンスを踊りだしそう。 395 00:39:43,509 --> 00:39:48,698 スパシーバロシア! ハラショー バリショエスパシーバ!》 396 00:39:48,698 --> 00:39:55,688 ♬~ 397 00:39:55,688 --> 00:39:58,708 お待たせしました。 ありがとう。 398 00:39:58,708 --> 00:40:04,263 佐々木幸子… 見てらっしゃい。 399 00:40:04,263 --> 00:40:09,263 次 会ったら 絶対 復しゅうしてやる! 400 00:40:15,024 --> 00:40:18,694 や~ 結構 いい時間に なりましたね。 401 00:40:18,694 --> 00:40:21,197 終電 間に合うかな。 402 00:40:21,197 --> 00:40:23,849 駅まで急ぎましょう。 403 00:40:23,849 --> 00:40:26,535 あの…。 404 00:40:26,535 --> 00:40:30,957 本当は ちょっと 落ち込んでたんです。 405 00:40:30,957 --> 00:40:35,127 有村先生の原稿 とれなかったこと。 406 00:40:35,127 --> 00:40:37,227 ありがとうございました。 407 00:40:39,515 --> 00:40:43,519 私は ただ➡ 408 00:40:43,519 --> 00:40:47,819 有村先生に すばらしい小説を 書いていただきたいだけです。 409 00:40:51,360 --> 00:40:56,382 小林さんが 有村先生の最高傑作を 持ってきてくださるのを➡ 410 00:40:56,382 --> 00:40:59,685 楽しみに待っています。 411 00:40:59,685 --> 00:41:02,705 はい。 412 00:41:02,705 --> 00:41:08,505 早く 佐々木さんを 安心させられるよう 頑張ります。