1 00:00:07,407 --> 00:00:11,745 2012年5月20日 2 00:00:11,745 --> 00:00:12,712 2012年5月20日 今朝4時頃 地震が発生しました 3 00:00:12,712 --> 00:00:15,181 今朝4時頃 地震が発生しました 4 00:00:15,315 --> 00:00:18,551 震源地のモデナ周辺では 5 00:00:18,651 --> 00:00:22,055 大きな被害が 生じた模様です 6 00:00:22,188 --> 00:00:26,192 郊外にある工場や 歴史的建造物が― 7 00:00:26,292 --> 00:00:30,563 倒壊したとの情報が入ってます 8 00:00:34,267 --> 00:00:36,736 その日のランチの時間― 9 00:00:37,037 --> 00:00:39,739 また強い揺れがあった 10 00:00:40,340 --> 00:00:44,711 みんなで外に逃げると 道路が波打っていた 11 00:00:46,479 --> 00:00:48,581 すごい光景だった 12 00:00:50,150 --> 00:00:55,488 その後 パルミジャーノ・ レッジャーノの組合から連絡が 13 00:00:56,723 --> 00:00:59,192 最悪の事態だった 14 00:01:00,693 --> 00:01:06,066 36万個のパルミジャーノ・ レッジャーノが棚から落下した 15 00:01:06,766 --> 00:01:12,605 生産されたチーズの半分が ダメになるかもしれなかった 16 00:01:14,474 --> 00:01:16,743 急いで手を打たないと― 17 00:01:17,410 --> 00:01:21,815 みんなが職を失い 大変なことになる 18 00:01:23,116 --> 00:01:26,753 僕は組合に提案をした 19 00:01:27,086 --> 00:01:30,523 “リゾット・カチョエペペを 作ろう”と 20 00:01:31,257 --> 00:01:35,128 パルミジャーノ・ レッジャーノを使って― 21 00:01:35,228 --> 00:01:37,664 リゾットを作るんだ 22 00:01:38,231 --> 00:01:42,402 組合の人は不安そうだった 23 00:01:42,669 --> 00:01:44,804 僕は“大丈夫だ”と言ったよ 24 00:01:45,805 --> 00:01:51,778 世界中がそのレシピを 作れるようにしようと思った 25 00:01:51,878 --> 00:01:55,648 モデナの災難を みんなに知ってもらい― 26 00:01:55,815 --> 00:01:59,586 チーズをすべて 買ってもらう作戦だ 27 00:02:01,754 --> 00:02:05,625 日本 ロンドン ニューヨーク 世界中に― 28 00:02:06,693 --> 00:02:09,429 そのレシピが広まった 29 00:02:09,696 --> 00:02:13,600 4万人もの人が リゾットを作ったんだ 30 00:02:15,902 --> 00:02:20,840 36万個のチーズの塊が すべて売れた 31 00:02:21,574 --> 00:02:27,280 失業した人も 廃業した生産者もいなかった 32 00:02:27,881 --> 00:02:31,518 レシピが社会を変えたんだ 33 00:02:40,326 --> 00:02:44,764 NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 34 00:03:27,974 --> 00:03:31,344 シェフのテーブル 35 00:03:35,415 --> 00:03:41,721 イタリア モデナ 36 00:03:41,721 --> 00:03:42,689 イタリア モデナ 37 00:03:41,721 --> 00:03:42,689 〈マッシモだ〉 38 00:03:42,689 --> 00:03:42,789 イタリア モデナ 39 00:03:42,789 --> 00:03:43,656 イタリア モデナ 40 00:03:42,789 --> 00:03:43,656 〈こんにちは〉 41 00:03:53,700 --> 00:03:54,701 〈待って〉 42 00:03:56,869 --> 00:04:01,441 〈いいアンズタケは 入ってる?〉 43 00:04:01,541 --> 00:04:03,009 〈入ってる〉 44 00:04:03,843 --> 00:04:07,914 〈ポルチーニはいいのがないわ 朝に来ないと〉 45 00:04:08,014 --> 00:04:09,949 〈これは何?〉 46 00:04:10,283 --> 00:04:11,951 〈セイヨウタマゴタケ〉 47 00:04:12,952 --> 00:04:14,287 〈イマイチかな〉 48 00:04:14,420 --> 00:04:16,956 〈いいのもあるわよ〉 49 00:04:18,925 --> 00:04:20,727 〈朝 来るのがいいわ〉 50 00:04:20,827 --> 00:04:21,894 〈明朝 来る〉 51 00:04:21,995 --> 00:04:25,031 〈今買ってもいいけど 少し遅い〉 52 00:04:25,331 --> 00:04:26,833 〈9時半か10時に来る〉 53 00:04:26,966 --> 00:04:29,969 〈いい物を用意しとく〉 54 00:04:30,403 --> 00:04:31,738 〈今日はいいの?〉 55 00:04:31,838 --> 00:04:32,772 〈またな〉 56 00:04:32,872 --> 00:04:34,741 〈いい1日を〉 57 00:04:35,441 --> 00:04:36,542 〈こんにちは〉 58 00:04:38,711 --> 00:04:39,679 〈マエストロ〉 59 00:04:39,779 --> 00:04:42,849 〈1ついただきたいんだ〉 60 00:04:42,982 --> 00:04:44,617 〈これ〉 61 00:04:46,319 --> 00:04:48,988 〈これは作り立てだよ〉 62 00:04:49,289 --> 00:04:51,791 〈じゃあ いただこう〉 63 00:04:52,458 --> 00:04:53,626 〈半分食う?〉 64 00:04:53,726 --> 00:04:55,561 〈ああ 喜んで〉 65 00:05:00,500 --> 00:05:01,934 〈驚いた うまい〉 66 00:05:04,971 --> 00:05:09,409 〈これをうちの店に 送ってほしい〉 67 00:05:09,676 --> 00:05:12,779 〈これを半分と これを半分〉 68 00:05:12,912 --> 00:05:14,347 〈うまそうだ〉 69 00:05:14,480 --> 00:05:16,749 〈あと これは?〉 70 00:05:30,363 --> 00:05:33,733 “オステリア・ フランチェスカーナ” 71 00:05:34,734 --> 00:05:38,805 サンペレグリノ 世界のベスト・レストラン50 72 00:05:38,938 --> 00:05:41,741 2014年 第3位 73 00:05:41,908 --> 00:05:45,044 マッシモは料理以外のものも 提供する 74 00:05:45,378 --> 00:05:48,915 それが彼の店の目標でもある 75 00:05:52,418 --> 00:05:53,653 三つ星レストランの あるべき姿を― 76 00:05:53,653 --> 00:05:56,422 三つ星レストランの あるべき姿を― 「フード&ワイン」 フードライター フェイス・ウィリンガー 77 00:05:56,422 --> 00:05:56,522 「フード&ワイン」 フードライター フェイス・ウィリンガー 78 00:05:56,522 --> 00:05:56,889 「フード&ワイン」 フードライター フェイス・ウィリンガー 自分の中に持ってる 79 00:05:56,889 --> 00:05:59,058 自分の中に持ってる 80 00:06:03,963 --> 00:06:10,503 彼はアートにも音楽にも 場所にも食材にもこだわる 81 00:06:10,670 --> 00:06:15,808 料理以外のものが彼の料理を よりおもしろくしてる 82 00:06:20,113 --> 00:06:23,983 彼の店に行くと いつも仰天するわ 83 00:06:24,917 --> 00:06:29,756 すべて伝統的なモデナの食材を 使ってるけど― 84 00:06:30,022 --> 00:06:33,960 他のトラットリアでは あり得ない使い方をしてる 85 00:06:34,961 --> 00:06:38,664 彼にとって重要な食材は “記憶”よ 86 00:06:39,098 --> 00:06:43,636 昔に食べた味の記憶や 作り方の記憶 87 00:06:43,736 --> 00:06:47,473 古い記憶を 新たな視点でたどり― 88 00:06:47,573 --> 00:06:49,575 時代に合う料理にする 89 00:06:51,844 --> 00:06:54,614 〈彼はイタリアを代表する シェフだ〉 国際ガストロノミー学会 名誉会長 ラファエル・アンソン 90 00:06:54,614 --> 00:06:54,714 国際ガストロノミー学会 名誉会長 ラファエル・アンソン 91 00:06:54,714 --> 00:06:56,048 国際ガストロノミー学会 名誉会長 ラファエル・アンソン 〈店は三つ星を獲得し―〉 92 00:06:56,048 --> 00:06:57,984 〈店は三つ星を獲得し―〉 93 00:06:58,117 --> 00:07:01,154 〈世界のベスト・ レストラン50では―〉 94 00:07:01,521 --> 00:07:04,090 〈3位に選ばれた〉 95 00:07:04,657 --> 00:07:06,726 〈いつか1位になってほしい〉 96 00:07:06,826 --> 00:07:09,796 〈タルト クリームソース・スパゲティ〉 97 00:07:09,896 --> 00:07:12,498 〈ロブスターのビスク 急げ!〉 98 00:07:12,732 --> 00:07:15,568 彼はまるでロックンローラーよ 99 00:07:15,668 --> 00:07:20,206 24時間 働けそうなぐらい エネルギーにあふれてる 100 00:07:20,573 --> 00:07:23,976 食やワインへの 興味を失わず― 101 00:07:24,143 --> 00:07:27,580 イタリアの良さを料理で 表現してる 102 00:07:32,485 --> 00:07:37,890 芸術的センスを駆使し 今までにない料理を作るわ 103 00:07:41,494 --> 00:07:43,896 彼のようなシェフはいない 104 00:07:45,598 --> 00:07:48,601 〈今やイタリアの象徴だが〉 105 00:07:50,470 --> 00:07:53,239 〈当初は 認められていなかった〉 106 00:07:53,539 --> 00:07:58,110 〈彼がイタリアを裏切ったと 思われていた〉 107 00:08:10,756 --> 00:08:16,796 モデナは小さな町で 伝統的な食文化が根付いてる 108 00:08:16,996 --> 00:08:19,799 食にうるさい町よ 109 00:08:19,932 --> 00:08:23,603 イタリアが統一されたのは 約150年前 110 00:08:23,769 --> 00:08:27,640 だけど土地の伝統は 2600年前から続いていて 111 00:08:27,740 --> 00:08:29,942 深く根ざしてるの 112 00:08:31,577 --> 00:08:35,815 イタリア人に “最高のシェフは?”と聞くと 113 00:08:35,948 --> 00:08:37,917 多くが“ママ”と答える 114 00:08:39,685 --> 00:08:43,089 マッシモは ママが作るような家庭料理を 115 00:08:43,222 --> 00:08:47,927 見たことのない料理に 変身させるの 116 00:08:48,594 --> 00:08:54,567 オープンして数年間 店にはモデナの人は来なかった 117 00:08:54,700 --> 00:08:58,104 ママの料理とは違うから 受け入れなかった 118 00:08:59,105 --> 00:09:05,077 彼はママの料理を最高の料理に 変身させようとしていた 119 00:09:07,313 --> 00:09:09,815 僕は大家族で育った 120 00:09:09,982 --> 00:09:13,152 兄が3人 妹が1人いて― 121 00:09:13,319 --> 00:09:17,723 おばたちや 祖母も一緒に住んでた 122 00:09:18,024 --> 00:09:23,963 僕は子供の頃 とても元気で 大騒ぎして走り回ってた 123 00:09:24,063 --> 00:09:28,601 兄は僕を止めようと いつも追いかけてたよ 124 00:09:29,135 --> 00:09:35,074 僕は祖母がパスタを打ってる テーブルの下に よく逃げた 125 00:09:37,977 --> 00:09:43,883 祖母はマッテレッロという めん棒で僕を守ってくれた 126 00:09:44,016 --> 00:09:49,722 “あっちに行きなさい! 弟をいじめないの!”ってね 127 00:09:50,122 --> 00:09:53,192 僕はテーブルの下から― 128 00:09:53,292 --> 00:09:57,363 世界を違う視点で見てたんだ 129 00:09:58,164 --> 00:10:03,302 テーブルから 小麦粉が落ちるのが見えた 130 00:10:03,669 --> 00:10:05,605 僕はひざ立ちになり― 131 00:10:05,705 --> 00:10:10,343 よくテーブルの上の トルテリーニを盗んで食べた 132 00:10:11,077 --> 00:10:15,381 だから“思い出の料理は?”と 聞かれると― 133 00:10:15,715 --> 00:10:18,684 生のトルテリーニと答える 134 00:10:18,918 --> 00:10:24,123 祖母が作ったばかりの トルテリーニを盗んだことが 135 00:10:24,290 --> 00:10:30,096 僕にとって 大事な経験となってるからだ 136 00:10:32,665 --> 00:10:36,068 だから僕にとって 食は大事なんだ 137 00:10:36,168 --> 00:10:39,205 僕は様々な料理を作る 138 00:10:39,305 --> 00:10:45,077 それを食べた人が 子供の頃に戻れるような― 139 00:10:45,177 --> 00:10:47,213 料理を目指してる 140 00:10:52,084 --> 00:10:57,323 〝カンティーナ・ デッラ・ボルタ ランブルスコ ブドウ園〞 141 00:11:08,768 --> 00:11:12,338 〈僕もトラクターを 運転したいんだが〉 142 00:11:12,438 --> 00:11:14,707 彼が運転して大丈夫? 143 00:11:14,840 --> 00:11:17,710 〈運転できたら面白い〉 144 00:11:18,244 --> 00:11:22,982 〈彼は本気みたい 乗っても大丈夫?〉 145 00:11:23,115 --> 00:11:25,351 〈迷惑ならやめるよ〉 146 00:11:25,451 --> 00:11:27,019 〈免許は必要?〉 147 00:11:27,119 --> 00:11:28,921 〈必要ないよ〉 148 00:11:29,021 --> 00:11:30,723 〈そう〉 149 00:11:37,863 --> 00:11:40,066 いつも夫を追いかけてる 150 00:11:40,933 --> 00:11:46,272 常に私の10歩先を歩いてて 私は彼の影にいる 151 00:11:47,139 --> 00:11:51,143 彼は思いついたことを すぐに表現するわ マッシモの妻 ララ・ギルモア 152 00:11:51,143 --> 00:11:51,243 マッシモの妻 ララ・ギルモア 153 00:11:51,243 --> 00:11:53,145 マッシモの妻 ララ・ギルモア 慎重に考えずに 行動するタイプで 154 00:11:53,145 --> 00:11:55,114 慎重に考えずに 行動するタイプで 155 00:11:55,214 --> 00:11:57,450 火山みたいな人なの 156 00:11:57,750 --> 00:12:03,823 私の仕事は彼を追いかけて 何をしてるか見ることよ 157 00:12:04,190 --> 00:12:05,958 楽しんでるわ 158 00:12:06,959 --> 00:12:09,395 彼の作った料理をメモしたり 159 00:12:09,762 --> 00:12:11,997 暗号のようなレシピを 解読する 160 00:12:12,098 --> 00:12:17,937 私がやらなかったら その料理が表に出ることはない 161 00:12:19,405 --> 00:12:25,811 彼は食材が目の前にない時も 料理を創作してるわ 162 00:12:26,512 --> 00:12:32,184 2人で映画を観た後に “どうだった?”と聞いた時 163 00:12:32,785 --> 00:12:36,222 “集中してなかった”と 言われたことがある 164 00:12:36,889 --> 00:12:41,260 “モッツァレラを見えなくする 方法を考えてた”と 165 00:12:41,360 --> 00:12:47,032 トマトとモッツァレラの 飲み物を作りたかったそうよ 166 00:12:47,800 --> 00:12:50,402 まったく映画を観てなかった 167 00:12:52,304 --> 00:12:55,541 ララはなくてはならない存在だ 168 00:12:56,075 --> 00:13:01,514 物事を遠くから見ているから いろいろと気付くんだ 169 00:13:02,481 --> 00:13:06,218 人と関係を持つと 同じ言葉を話すようになり― 170 00:13:06,352 --> 00:13:09,488 同じ言葉を話すと 会話が生まれる 171 00:13:10,156 --> 00:13:15,528 僕らは創作の言葉や 夢の言葉を共有してる 172 00:13:23,969 --> 00:13:28,541 イタリア モデナ 〝オンブル牧場〞 173 00:14:11,050 --> 00:14:12,518 1998年 彼の父親の ウンベルトが― 174 00:14:12,518 --> 00:14:15,988 1998年 彼の父親の ウンベルトが― 〝オンブル牧場〞 オーナー マッテオ・パニーニ 175 00:14:15,988 --> 00:14:16,088 〝オンブル牧場〞 オーナー マッテオ・パニーニ 176 00:14:16,088 --> 00:14:17,556 〝オンブル牧場〞 オーナー マッテオ・パニーニ うちの店で食事をして こう言った 177 00:14:17,556 --> 00:14:20,359 うちの店で食事をして こう言った 178 00:14:21,460 --> 00:14:24,163 “料理はうまかった” 179 00:14:24,563 --> 00:14:29,869 “だが食材の熟成度を考えて 料理したほうがいい” 180 00:14:30,169 --> 00:14:35,507 “モデナは食材を ゆっくり熟成させる町なんだ” 181 00:14:45,517 --> 00:14:48,587 チーズ作りに近道はない 182 00:14:48,921 --> 00:14:52,291 僕らは味見はせず チーズの音を聞く 183 00:14:52,591 --> 00:14:58,464 音を聞けばレントゲンのように 中の様子が分かる 184 00:15:15,147 --> 00:15:16,382 良くない 185 00:15:16,482 --> 00:15:17,917 〈完璧だ〉 186 00:15:18,017 --> 00:15:19,285 冗談 完璧だ 187 00:15:21,353 --> 00:15:22,922 〈さあ 切ろう〉 188 00:15:36,435 --> 00:15:40,372 香りが最高だ 素晴らしい 189 00:15:43,676 --> 00:15:47,246 チーズの塊に ナイフを入れる時は― 190 00:15:47,346 --> 00:15:49,648 必ず心が動く 191 00:15:50,249 --> 00:15:51,283 最高だ 192 00:15:51,383 --> 00:15:56,121 僕の血は バルサミコ酢でできていて― 193 00:15:56,221 --> 00:16:01,293 筋肉はパルミジャーノ・ レッジャーノでできてる 194 00:16:02,094 --> 00:16:04,063 本当のことさ 195 00:16:13,138 --> 00:16:14,506 〈味見する?〉 196 00:16:25,551 --> 00:16:26,685 〈うまい〉 197 00:16:33,492 --> 00:16:35,194 〈トム 食べて〉 198 00:16:35,694 --> 00:16:42,001 パルミジャーノ・ レッジャーノのうま味は完璧だ 199 00:16:42,101 --> 00:16:46,438 甘味 風味 酸味 苦味の バランスがいい 200 00:16:46,538 --> 00:16:50,442 どの味も主張はしないが すべての味を感じる 201 00:16:50,542 --> 00:16:52,745 やめられなくなるよ 202 00:17:03,222 --> 00:17:09,261 最高の食材があるなら それを生かさなければいけない 203 00:17:09,762 --> 00:17:13,465 彼はパルミジャーノ・ レッジャーノに詳しい 204 00:17:13,599 --> 00:17:17,803 普通は食べない外皮の部分も 大事にしてる 205 00:17:18,537 --> 00:17:20,205 マッシモらしいわ 206 00:17:20,305 --> 00:17:25,077 食材をまるごと 最大限に生かすのが得意なの 207 00:17:25,344 --> 00:17:29,615 彼の店に“熟成度が違う 5つのパルミジャーノ”という 208 00:17:29,748 --> 00:17:31,817 料理があるの 209 00:17:32,117 --> 00:17:38,457 この地域の食材に 最大限の敬意を示した一品よ 210 00:17:39,058 --> 00:17:43,595 同じチーズだけど 5つとも熟成度が異なる 211 00:17:44,129 --> 00:17:49,234 同じお皿に乗ってるけど それぞれまったく違うチーズよ 212 00:17:49,401 --> 00:17:54,540 熟成度によって 食材が変わることを伝えてる 213 00:17:59,144 --> 00:18:03,215 マッシモのことも 食材のことも分かる料理ね 214 00:18:03,215 --> 00:18:04,283 マッシモのことも 食材のことも分かる料理ね 熟成度が違う 5つのパルミジャーノ 215 00:18:04,283 --> 00:18:11,557 熟成度が違う 5つのパルミジャーノ 216 00:18:17,763 --> 00:18:22,601 リディア・ クリストーニの家 パスタ打ちのレッスン 217 00:18:27,773 --> 00:18:29,541 〈生地は?〉 218 00:18:29,675 --> 00:18:30,742 〈見てくれ〉 219 00:18:30,876 --> 00:18:31,610 〈ええ〉 220 00:18:31,743 --> 00:18:33,278 〈もう十分?〉 221 00:18:33,745 --> 00:18:35,414 〈少し厚い〉 222 00:18:35,547 --> 00:18:37,416 〈あと少し〉 223 00:18:38,884 --> 00:18:40,819 〈リディア どうですか?〉 224 00:18:42,387 --> 00:18:43,222 〈まだだ〉 225 00:18:44,223 --> 00:18:48,827 〈そうね まだ少し 伸ばさないとダメね〉 226 00:18:52,431 --> 00:18:55,367 〈生地の様子を見て〉 227 00:18:57,769 --> 00:18:58,804 〈これはどこに?〉 228 00:18:58,804 --> 00:18:59,238 〈これはどこに?〉 229 00:18:58,804 --> 00:18:59,238 パスタ・シェフ リディア・ クリストーニ 230 00:18:59,238 --> 00:18:59,371 パスタ・シェフ リディア・ クリストーニ 231 00:18:59,371 --> 00:19:01,373 パスタ・シェフ リディア・ クリストーニ 〈そこでいいわ〉 232 00:19:01,373 --> 00:19:02,274 パスタ・シェフ リディア・ クリストーニ 233 00:19:02,274 --> 00:19:02,574 パスタ・シェフ リディア・ クリストーニ 〈もう少し伸ばして〉 234 00:19:02,574 --> 00:19:04,376 〈もう少し伸ばして〉 235 00:19:09,848 --> 00:19:11,783 〈厚さを均一に〉 236 00:19:12,384 --> 00:19:15,354 〈そろえないとダメなんだ〉 237 00:19:15,554 --> 00:19:18,557 〈丸くするのは簡単よ〉 238 00:19:18,657 --> 00:19:21,627 〈こうやるとうまくいかない〉 239 00:19:37,409 --> 00:19:40,579 若い頃 大学を出てすぐ― 240 00:19:40,746 --> 00:19:44,783 “カンパッツォ”という 店を始めた 241 00:19:45,217 --> 00:19:46,852 早すぎたね 242 00:19:47,619 --> 00:19:52,925 あまりのストレスで 数ヵ月のうちに激やせした 243 00:19:54,493 --> 00:19:58,797 するとある日 女性が店のドアを叩いた 244 00:19:58,897 --> 00:20:01,366 〈“すみません”〉 245 00:20:01,767 --> 00:20:02,901 それがリディア 246 00:20:03,602 --> 00:20:09,308 彼女はまるで 空から舞い降りた天使だった 247 00:20:10,509 --> 00:20:16,281 “人手が要るなら 向かいに住んでるから働くわ” 248 00:20:16,381 --> 00:20:18,650 “経験もたくさんある” 249 00:20:18,750 --> 00:20:22,588 “だけど 目がよく見えないから―” 250 00:20:22,688 --> 00:20:25,257 “今は家にいる”と言った 251 00:20:26,391 --> 00:20:31,863 モデナの女性はおしゃべりで 彼女もひたすら話した 252 00:20:32,264 --> 00:20:35,334 だから僕は話をさえぎって― 253 00:20:35,601 --> 00:20:39,972 “仕事が欲しいなら なぜ話し続ける?” 254 00:20:40,405 --> 00:20:46,278 “エプロンを着けて 腕前を見せてくれ”と言った 255 00:20:53,485 --> 00:20:57,556 それから彼女に 伝統料理を教わった 256 00:20:59,424 --> 00:21:03,262 パスタの打ち方も 彼女から学んだ 257 00:21:04,630 --> 00:21:09,534 彼女に教わった中で 一番重要なことは― 258 00:21:09,701 --> 00:21:15,440 開店の30分前 店のみんなで 座って食事をすること 259 00:21:16,708 --> 00:21:22,514 “店が家族のようになった”と みんなが感じた 260 00:21:22,881 --> 00:21:25,450 一番重要なことだ 261 00:21:27,586 --> 00:21:28,854 〈誰が歌う?〉 262 00:21:29,721 --> 00:21:30,355 〈誰?〉 263 00:21:30,455 --> 00:21:31,890 〈伝統だ〉 264 00:21:31,990 --> 00:21:36,061 〈初めてトルテリーニを 作る時は歌う〉 265 00:21:36,428 --> 00:21:38,497 〈そうだよね リディア〉 266 00:21:38,597 --> 00:21:40,365 〈私が歌う〉 267 00:21:40,565 --> 00:21:48,607 山で採れた   小さな花のブーケ 268 00:21:48,874 --> 00:21:56,948 今夜やって来る恋人に        あげたいの 269 00:21:58,850 --> 00:22:00,719 〈ブラボー リディア〉 270 00:22:03,555 --> 00:22:06,425 数年後“カンパッツォ”は 人気店に 271 00:22:06,525 --> 00:22:07,426 僕はリディアに ニューヨークに行くと伝え 272 00:22:07,426 --> 00:22:12,064 僕はリディアに ニューヨークに行くと伝え 273 00:22:07,426 --> 00:22:12,064 〝トラットリア・ デル・カンパッツォ〞 274 00:22:12,531 --> 00:22:13,532 店を去った 275 00:22:15,634 --> 00:22:20,672 渡米後 ソーホーで コーヒーを飲もうと思った 276 00:22:20,839 --> 00:22:21,640 エスプレッソを飲むため ある店に入ると― 277 00:22:21,640 --> 00:22:24,976 エスプレッソを飲むため ある店に入ると― 278 00:22:21,640 --> 00:22:24,976 〝カフェ・ディ・ノンナ〞 279 00:22:25,544 --> 00:22:29,381 出てくるまでに 20分かかったんだ 280 00:22:29,514 --> 00:22:32,050 “困ってるのかな?”と思い 281 00:22:32,884 --> 00:22:37,022 人手が必要なら働くと オーナーに伝えた 282 00:22:38,990 --> 00:22:42,694 家に帰ると留守電が入ってた 283 00:22:42,861 --> 00:22:46,665 “マッシモ 明日シフトに入れるか?” 284 00:22:46,898 --> 00:22:52,070 “2時から閉店まで いてくれると助かる”ってね 285 00:22:53,972 --> 00:22:56,508 私はニューヨークに住んでた 286 00:22:56,608 --> 00:23:01,079 ある日“カフェ・ディ・ノンナ” の面接を受けたの 287 00:23:01,379 --> 00:23:07,085 イタリア語を話せて カプチーノが作れると伝えた 288 00:23:07,419 --> 00:23:09,888 帰ったら留守電が入ってた 289 00:23:09,988 --> 00:23:14,693 “試しに明日から 来てくれないか?”って 290 00:23:18,096 --> 00:23:23,101 初日に僕と彼女は 同じシフトに入ったんだ 291 00:23:23,602 --> 00:23:25,804 2時から閉店までね 292 00:23:25,904 --> 00:23:29,975 同じタイミングで ドアの前に立ったの 293 00:23:30,075 --> 00:23:33,979 私が“新人のララよ”と 自己紹介すると― 294 00:23:34,079 --> 00:23:37,816 彼は“イタリア人シェフの マッシモだ”って 295 00:23:39,684 --> 00:23:40,152 本当? 296 00:23:40,452 --> 00:23:43,588 “イタリア人シェフ”って 言ったのよ 297 00:23:47,559 --> 00:23:49,995 その店は仕切りがなく― 298 00:23:50,095 --> 00:23:54,800 長くて美しい クルミ材のカウンターがあった 299 00:23:54,900 --> 00:23:59,638 そこでカプチーノや ワインなど飲み物を担当した 300 00:23:59,805 --> 00:24:03,608 彼は斜め向かいの オープンキッチンにいて― 301 00:24:03,708 --> 00:24:06,111 私はよく見ていた 302 00:24:06,478 --> 00:24:08,914 当時は髪の毛が多くて― 303 00:24:10,448 --> 00:24:15,854 1890年代っぽいファッションを よくしていたわ 304 00:24:16,154 --> 00:24:21,726 ベストやジャケットやジーンズ バイクブーツなどを好んだ 305 00:24:21,827 --> 00:24:23,795 ステキだったわ 306 00:24:23,995 --> 00:24:26,865 彼みたいな人は初めてだった 307 00:24:26,998 --> 00:24:30,702 オシャレな イタリア人だと思った 308 00:24:32,504 --> 00:24:35,774 シェフの知り合いも 初めてだった 309 00:24:35,907 --> 00:24:39,711 “シェフって こんなにおもしろいんだ”って― 310 00:24:40,645 --> 00:24:43,114 新鮮に感じたわ 311 00:24:47,652 --> 00:24:52,057 初めて食べたマッシモの料理は 312 00:24:52,657 --> 00:24:55,493 なめらかな アーティチョーク・スープ 313 00:24:55,794 --> 00:24:57,195 とっても― 314 00:24:59,197 --> 00:25:00,165 シンプルだった 315 00:25:00,265 --> 00:25:04,703 味がしっかりしていて 心に染みたの 316 00:25:05,070 --> 00:25:07,739 彼に惹かれてしまったわ 317 00:25:10,909 --> 00:25:12,878 そんな時 突然… 318 00:25:12,978 --> 00:25:15,714 本当に突然だった 319 00:25:15,914 --> 00:25:17,682 電話がきたんだ 320 00:25:18,016 --> 00:25:20,619 現実に戻されたよ 321 00:25:20,819 --> 00:25:26,725 モデナに戻ることになった 店を残したままだったからね 322 00:25:29,194 --> 00:25:33,298 モデナに着いてすぐ ララと話したいと思った 323 00:25:35,066 --> 00:25:37,702 会いたくて仕方なかった 324 00:25:38,003 --> 00:25:42,173 当時は携帯電話がないから ファックスを送って― 325 00:25:42,274 --> 00:25:45,043 近況を報告したわ 326 00:25:45,143 --> 00:25:48,914 マッシモはたまに 電話をかけてくれた 327 00:25:49,080 --> 00:25:52,651 “いつモデナに来る?”と ある日 聞かれた 328 00:25:52,817 --> 00:25:56,588 行ったほうがいいかもって 思ったわ 329 00:25:59,824 --> 00:26:03,128 深く考えずに行ってしまった 330 00:26:03,728 --> 00:26:06,731 彼のことを愛してたからね 331 00:26:10,735 --> 00:26:13,738 モデナに着いて約1週間後― 332 00:26:14,005 --> 00:26:17,342 彼にアラン・デュカスから 電話がきた 333 00:26:18,009 --> 00:26:22,280 “デュカスから電話だ!”と マッシモは興奮してた 334 00:26:22,580 --> 00:26:26,751 1993年当時 誰もが話題にしてたシェフよ 335 00:26:26,952 --> 00:26:29,854 デュカスは彼にこう言った 336 00:26:29,955 --> 00:26:34,159 “オテル・ド・パリに来て うちのスタッフに―” 337 00:26:34,626 --> 00:26:37,729 “パスタの打ち方を 教えてくれないか?” 338 00:26:39,064 --> 00:26:43,735 最高のチャンスがきたと 思ったよ 339 00:26:44,035 --> 00:26:45,971 彼は大喜びしたわ 340 00:26:46,104 --> 00:26:51,176 その前に“カンパッツォ”を 売らなければならなかった 341 00:26:53,244 --> 00:26:57,649 私はモデナに来て まだ数日だったのに― 342 00:26:57,749 --> 00:27:02,620 彼は最高の仕事を手に入れ 町を去ろうとしてた 343 00:27:03,922 --> 00:27:08,026 2人で暗い話を長々としたわ 344 00:27:08,126 --> 00:27:12,797 “私も行くべき?”と聞いたら こう言われた 345 00:27:13,031 --> 00:27:17,335 “前の彼女とは 長く付き合ってたが” 346 00:27:17,635 --> 00:27:20,238 “こういう決断は 僕にできない” 347 00:27:22,173 --> 00:27:24,275 “最悪”って思ったわ 348 00:27:25,076 --> 00:27:28,713 彼は店を売って 去ってしまった 349 00:27:29,781 --> 00:27:33,818 私も前に進まなきゃと思って 350 00:27:34,352 --> 00:27:36,821 ニューヨークに帰った 351 00:28:05,417 --> 00:28:07,886 ある日 シェフのタカと― 352 00:28:07,986 --> 00:28:12,023 最後の2切れの レモンタルトを盛り付けてた 353 00:28:12,290 --> 00:28:16,761 タカは突然 1切れ落としてしまったんだ 354 00:28:17,028 --> 00:28:18,396 お客さんが待ってる 355 00:28:20,799 --> 00:28:22,133 〈厨房から逃げようかと 思ったよ> 356 00:28:22,133 --> 00:28:25,270 〈厨房から逃げようかと 思ったよ> 〝フランチェスカーナ〞 スーシェフ タカヒコ・コンドウ 357 00:28:25,270 --> 00:28:25,837 〝フランチェスカーナ〞 スーシェフ タカヒコ・コンドウ 358 00:28:27,439 --> 00:28:31,943 タルトの半分は カウンターの上で― 359 00:28:32,043 --> 00:28:35,280 半分は皿に乗ってる状態だった 360 00:28:36,414 --> 00:28:40,852 タカは こんな風に 唖然(あぜん)としていた 361 00:28:41,186 --> 00:28:44,989 顔は驚くほど白くて― 362 00:28:45,090 --> 00:28:47,058 自殺しそうだった 363 00:28:49,728 --> 00:28:52,797 〈腹切りする覚悟だった〉 364 00:28:54,165 --> 00:28:56,434 タカに“待て”と言った 365 00:28:56,968 --> 00:29:00,238 “僕の指の間を見ろ” 366 00:29:01,005 --> 00:29:02,741 “美しいだろ?” 367 00:29:03,441 --> 00:29:07,445 “壊れたタルトを 再構築しよう”ってね 368 00:29:10,081 --> 00:29:15,253 彼は最初は不審そうだったが 僕を信用してくれた 369 00:29:15,420 --> 00:29:20,158 まずはレモン・サバイヨンを 皿にぶちまけた 370 00:29:20,458 --> 00:29:22,327 こんな感じでね 371 00:29:23,261 --> 00:29:28,800 そして落とした破片を 元のタルトの形に組み立てた 372 00:29:29,000 --> 00:29:32,170 わざとそうしたように 見えるようにね 373 00:29:34,506 --> 00:29:40,779 “おっと! レモンタルトを 落とした”が誕生した瞬間だ 374 00:29:44,415 --> 00:29:49,521 〈その日の経験で 大事なことを学んだ〉 375 00:29:50,088 --> 00:29:56,027 〈前に進むには 失敗から学ぶ必要がある〉 376 00:29:56,127 --> 00:29:59,230 〈何かに失敗しても―〉 377 00:29:59,430 --> 00:30:02,367 〈そこから学べばいいと 分かった〉 378 00:30:11,075 --> 00:30:15,980 その頃 ララと別れたことを 後悔していた 379 00:30:16,281 --> 00:30:18,983 彼女に会う必要があった 380 00:30:21,386 --> 00:30:23,321 彼はデュカスに言った 381 00:30:23,421 --> 00:30:28,927 “いい経験でしたが やるべきことがあるんです” 382 00:30:29,027 --> 00:30:30,195 “行かないと”って 383 00:30:38,570 --> 00:30:42,574 マッシモはニューヨークに来て 突然― 384 00:30:44,242 --> 00:30:45,577 私の前に現れた 385 00:30:47,278 --> 00:30:50,548 “降参だ もう決めたよ”と 言われたわ 386 00:30:51,482 --> 00:30:53,351 “一緒にいよう” 387 00:30:53,518 --> 00:30:57,255 “ニューヨークに残る? モデナに行く?” 388 00:30:57,555 --> 00:30:59,123 “店をやる?” 389 00:30:59,557 --> 00:31:02,894 “僕と一生を過ごす?”と 聞かれた 390 00:31:03,928 --> 00:31:06,364 私はすぐに受け入れたわ 391 00:31:06,998 --> 00:31:11,636 2人でモデナに行き 店をやることにした 392 00:31:13,972 --> 00:31:16,641 売りに出されてる店があった 393 00:31:17,008 --> 00:31:21,913 いろんな物を売って金を作って その店を買った 394 00:31:22,080 --> 00:31:25,316 すべてを店につぎ込んだよ 395 00:31:28,586 --> 00:31:33,458 デュカスの下で働いた後 違うことをしたかった 396 00:31:35,326 --> 00:31:39,163 マッシモは“カンパッツォ”で 成功していた 397 00:31:39,264 --> 00:31:42,066 普通の料理には自信がある 398 00:31:42,233 --> 00:31:45,403 もっと挑戦したいと思っていた 399 00:31:46,137 --> 00:31:51,309 僕にとって大事なのは 学んで進化することだ 400 00:31:51,509 --> 00:31:55,513 モデナの伝統料理を使って― 401 00:31:55,680 --> 00:31:59,384 新しい料理を 作り出そうと思った 402 00:31:59,617 --> 00:32:03,321 イタリア人はイタリア料理に 変化を求めない 403 00:32:03,421 --> 00:32:06,991 おいしいし ほっとするからよ 404 00:32:07,091 --> 00:32:12,297 なのに彼は斬新な イタリア料理を作ることにした 405 00:32:13,665 --> 00:32:16,000 “オステリア・ フランチェスカーナ”は― 406 00:32:16,100 --> 00:32:19,103 1995年3月19日に オープンした 407 00:32:19,337 --> 00:32:24,709 同じ頃 父親が入院したため ララはアメリカに帰国した 408 00:32:27,011 --> 00:32:30,415 オープンする時も 彼女が恋しかった 409 00:32:34,152 --> 00:32:36,454 彼女に電話した 410 00:32:37,388 --> 00:32:40,158 朝8時に電話があった 411 00:32:40,258 --> 00:32:45,363 当時の私には早い時間で コーヒーも飲んでなかった 412 00:32:45,463 --> 00:32:48,533 すると彼はこう言ったの 413 00:32:49,067 --> 00:32:52,537 “今日の午後 店をオープンする” 414 00:32:52,637 --> 00:32:54,072 “その前に―” 415 00:32:55,406 --> 00:32:58,343 “はっきりさせたいんだが” 416 00:32:58,676 --> 00:33:00,345 “結婚するよね?” 417 00:33:02,213 --> 00:33:04,349 “何なの?”と思ったわ 418 00:33:04,449 --> 00:33:08,753 電話でプロポーズするなんて あり得ない 419 00:33:09,120 --> 00:33:11,422 彼女はしばらく無言で― 420 00:33:12,724 --> 00:33:18,162 “コーヒーを飲んだら 電話する”と言って切った 421 00:33:20,531 --> 00:33:24,068 とんでもない話だよな 422 00:33:24,669 --> 00:33:27,005 だがそれが現実だった 423 00:33:27,238 --> 00:33:31,142 その後 彼女が電話で “オッケー”と言った 424 00:33:44,322 --> 00:33:47,158 ララが店の一員になって マネージャー/ ソムリエ ジュゼッペ・パルミエリ 425 00:33:47,158 --> 00:33:48,126 マネージャー/ ソムリエ ジュゼッペ・パルミエリ 426 00:33:48,292 --> 00:33:49,727 何かが変わった 427 00:33:50,028 --> 00:33:54,032 マッシモは 心を開けるようになった 428 00:33:54,132 --> 00:33:57,368 マッシモにとって ララの存在は大きい 429 00:33:57,468 --> 00:34:02,306 彼女はマッシモに モデナ以外の世界を見せた 430 00:34:02,473 --> 00:34:03,741 芸術など― 431 00:34:04,075 --> 00:34:08,746 モデナにいては知ることのない 世界を見せてくれた 432 00:34:10,348 --> 00:34:15,620 この店が成功したのは ララのおかげとも言える 433 00:34:18,589 --> 00:34:21,692 マッシモと まだ友達だった頃 434 00:34:21,793 --> 00:34:26,197 土曜日に 彼をギャラリーに誘ったの 435 00:34:26,297 --> 00:34:29,834 “ギャラリーで 何をするんだ?”と言われたわ 436 00:34:31,069 --> 00:34:34,505 2人でリヒターの絵を 見に行っても― 437 00:34:34,605 --> 00:34:40,111 絵の良さを まったく理解していなかった 438 00:34:40,311 --> 00:34:44,449 よく帰り際に “僕にも描ける”と言ってたわ 439 00:34:44,782 --> 00:34:48,319 私は彼に 芸術を理解してほしかった 440 00:34:48,486 --> 00:34:53,458 彼が興味を持てる作品に いつか出会えると思った 441 00:34:56,661 --> 00:35:00,164 1997年にヴェネチア・ ビエンナーレに行った 442 00:35:00,264 --> 00:35:02,700 イタリアのパビリオンには― 443 00:35:02,800 --> 00:35:07,305 古い時代の芸術家の作品が 並んでた 444 00:35:08,272 --> 00:35:12,643 屋根のハリには ハトの剥製(はくせい)が置いてあって 445 00:35:12,877 --> 00:35:15,613 マッシモは不思議がっていた 446 00:35:16,414 --> 00:35:18,382 よく見ると それが― 447 00:35:18,850 --> 00:35:23,521 インスタレーション作品だと 分かった 448 00:35:23,821 --> 00:35:25,356 さらによく見ると― 449 00:35:25,456 --> 00:35:29,293 ハトのフンまで 描かれてあったの 450 00:35:29,494 --> 00:35:34,565 壁だけでなく他の作品にまで フンが描かれてた 451 00:35:35,566 --> 00:35:39,837 マッシモは“素晴らしい!”と 感動してた 452 00:35:40,138 --> 00:35:42,306 “作った人は天才だ!”って 453 00:35:46,644 --> 00:35:48,880 “あのハトは僕だ” 454 00:35:49,180 --> 00:35:53,284 “僕はイタリアの食を 変えようとしている” 455 00:35:53,384 --> 00:35:56,521 “そのためにハリから 下を見下ろし―” 456 00:35:56,621 --> 00:36:00,658 “過去の偉大なシェフたちに フンをするんだ”と 457 00:36:13,671 --> 00:36:18,276 “そういう挑発的な態度で いなくては―” 458 00:36:18,442 --> 00:36:20,878 “僕の声は届かない” 459 00:36:21,179 --> 00:36:24,482 “イタリアに新たな食を もたらせない”とね 460 00:36:24,615 --> 00:36:27,418 剥製のハトに すごく共感してた 461 00:36:27,518 --> 00:36:33,524 新たな料理に挑戦したいという 反骨精神が強くなったの 462 00:36:41,299 --> 00:36:45,269 “僕はあのハトに なってみせる” 463 00:36:45,436 --> 00:36:48,539 “伝統に逆らい ポー川を逆流し―” 464 00:36:48,639 --> 00:36:50,374 “流れに立ち向かう” 465 00:36:50,474 --> 00:36:53,477 彼の中で芸術が 意味を持つようになった 466 00:36:54,779 --> 00:36:58,849 彼が見てきた芸術作品は いつしか仕事に― 467 00:36:59,217 --> 00:37:00,918 影響するようになった 468 00:37:01,385 --> 00:37:06,490 開発するメニューにも 影響が見えるようになった 469 00:37:12,763 --> 00:37:18,302 オープン当初はトルテリーニを スープに入れて出してた 470 00:37:18,536 --> 00:37:22,273 お客さんは 淡々と食べるだけだった 471 00:37:22,406 --> 00:37:26,410 “トルテリーニなんて どこのトラットリアでも” 472 00:37:26,544 --> 00:37:29,380 “同じだ”と言わんばかりにね 473 00:37:29,480 --> 00:37:34,585 だからもっと挑発的な 料理にしたいと思った 474 00:37:42,360 --> 00:37:46,530 トルテリーニを6個だけ 一直線に並べ― 475 00:37:46,664 --> 00:37:50,501 スープの中に 歩いて行くように見せた 476 00:37:58,843 --> 00:38:02,346 地元の人たちの反応は最悪 477 00:38:02,446 --> 00:38:05,750 きっと僕を殺したいと思ってた 478 00:38:06,317 --> 00:38:10,888 “おばあちゃんの味を 台無しにするな!”ってね 479 00:38:12,490 --> 00:38:16,560 普通ではトルテリーニが 6個なんてあり得ない 480 00:38:16,727 --> 00:38:19,597 あまりに少なすぎる 481 00:38:21,332 --> 00:38:23,567 でもマッシモの言い分はこう 482 00:38:23,834 --> 00:38:26,037 “1つ1つのトルテリーニに 敬意を払うべきだ” 483 00:38:26,037 --> 00:38:28,339 “1つ1つのトルテリーニに 敬意を払うべきだ” 484 00:38:26,037 --> 00:38:28,339 スープに歩いて行く トルテリーニ 485 00:38:28,339 --> 00:38:29,507 スープに歩いて行く トルテリーニ 486 00:38:29,507 --> 00:38:31,842 スープに歩いて行く トルテリーニ 487 00:38:29,507 --> 00:38:31,842 理解されなかったよ 488 00:38:31,842 --> 00:38:31,942 スープに歩いて行く トルテリーニ 489 00:38:31,942 --> 00:38:35,546 スープに歩いて行く トルテリーニ 490 00:38:31,942 --> 00:38:35,546 伝統的なトルテリーニだと 誰もが食べることに集中して 491 00:38:35,546 --> 00:38:37,748 伝統的なトルテリーニだと 誰もが食べることに集中して 492 00:38:38,049 --> 00:38:40,084 食材は軽視される 493 00:38:40,384 --> 00:38:44,522 もっと食材に注目しようと 伝えたかった 494 00:38:49,026 --> 00:38:54,832 “6個のトルテリーニ”の噂は モデナ中に広まった 495 00:38:54,999 --> 00:38:59,070 そして地元で一番有名な 評論家が― 496 00:39:00,371 --> 00:39:01,739 店に来たんだ 497 00:39:01,906 --> 00:39:05,710 彼はその料理を頼んだ 498 00:39:06,644 --> 00:39:10,915 後日 店の記事が 地元の新聞に載った 499 00:39:11,515 --> 00:39:15,920 僕と料理の写真も載っていて 酷評されてたよ 500 00:39:16,053 --> 00:39:21,092 “6個のトルテリーニと ゼラチンの料理なんて―” 501 00:39:21,392 --> 00:39:22,927 “バカげてる!”と 502 00:39:23,060 --> 00:39:27,431 記事には最悪の表現が ずらりと並んでいた 503 00:39:28,899 --> 00:39:33,804 僕の挑発に うまく乗ったと思ったよ 504 00:39:33,904 --> 00:39:37,141 “もっと挑発してやる!”と 思った 505 00:40:01,031 --> 00:40:06,637 次はラザニアを再構築しようと 思いついた 506 00:40:10,708 --> 00:40:14,879 パスタを使わず ラザニアを作るんだ 507 00:40:16,080 --> 00:40:19,950 ラザニアの 一番おいしい部分は表面だ 508 00:40:20,050 --> 00:40:25,589 カリカリしていて 味が良く 香ばしい 509 00:40:26,490 --> 00:40:29,960 それが感じられる料理を 作ることにした 510 00:40:30,060 --> 00:40:34,799 食べた人と思い出を 共有したいと思ったんだ 511 00:40:34,899 --> 00:40:37,101 僕や兄や― 512 00:40:37,201 --> 00:40:41,872 ラザニアの表面が大好きだった 子供たちの思い出だ 513 00:40:42,440 --> 00:40:45,042 ラザニアの一番おいしい部分だ 514 00:40:45,476 --> 00:40:46,744 ラザニアの カリカリした部分 515 00:40:46,744 --> 00:40:49,480 ラザニアの カリカリした部分 批判の声で 僕の店は― 516 00:40:49,480 --> 00:40:50,614 批判の声で 僕の店は― 517 00:40:50,915 --> 00:40:52,850 潰されそうだった 518 00:40:53,017 --> 00:40:58,522 きっと僕が人々の考えを 毒してると思われたんだ 519 00:40:58,823 --> 00:41:05,830 次の世代や おばあちゃんの レシピまでも毒してるとね 520 00:41:08,532 --> 00:41:12,636 彼は伝統に 疑問を呈したかったの 521 00:41:12,736 --> 00:41:14,905 抵抗されても仕方ない 522 00:41:15,172 --> 00:41:18,075 5~6年はとても厳しかった 523 00:41:18,175 --> 00:41:23,614 “カンパッツォ”のお客さんも 来てくれたけど― 524 00:41:23,948 --> 00:41:28,919 本当は この店の料理を 求めていないようだった 525 00:41:31,188 --> 00:41:35,693 マッシモの料理は モデナの人々には早すぎて― 526 00:41:35,926 --> 00:41:38,028 求められなかった 527 00:41:38,996 --> 00:41:43,200 衝突することや 文句を言われることが多かった 528 00:41:43,534 --> 00:41:48,072 彼をバカにして 笑いながら店を出る人もいたわ 529 00:41:48,205 --> 00:41:54,278 だけどそれが彼を 奮い立たせる燃料となっていた 530 00:41:55,613 --> 00:41:57,815 モデナの人々は― 531 00:41:57,948 --> 00:42:01,886 古くから伝わるレシピを 大事にしてる 532 00:42:02,553 --> 00:42:08,559 ずっと食べてきた料理が 変わることを恐れていた 533 00:42:11,662 --> 00:42:14,131 厳しい状況だった 534 00:42:14,598 --> 00:42:19,103 お客さんは来ないし 店をたたもうと思ってた 535 00:42:20,838 --> 00:42:25,543 有名なグルメ雑誌の 「ガンベロ・ロッソ」でも 536 00:42:25,876 --> 00:42:28,012 酷評されてしまった 537 00:42:28,178 --> 00:42:31,549 店を厳しく批判する 記事だったわ 538 00:42:32,249 --> 00:42:37,922 “飾ってある 赤いフェラーリの絵がひどい” 539 00:42:38,022 --> 00:42:40,624 “それ以外の内装はまともだ” 540 00:42:41,091 --> 00:42:44,595 “だが料理については…”と 書いてあった 541 00:42:44,728 --> 00:42:49,199 あと“変わったことをやろうと 必死すぎる”とか 542 00:42:49,300 --> 00:42:53,203 “イタリアの魂が 感じられない”とか 543 00:43:01,245 --> 00:43:05,015 マッシモは頭を抱えていたわ 544 00:43:05,583 --> 00:43:09,286 “誰も僕の料理に 興味を持っていない” 545 00:43:09,720 --> 00:43:12,156 “続けるべきかな?”と言った 546 00:43:16,694 --> 00:43:22,933 イタリアに新たな食を もたらしたいという彼の情熱は 547 00:43:23,167 --> 00:43:26,270 店をたたんでも消えない 548 00:43:26,370 --> 00:43:31,775 だけど店をやめたら 降参したことになる 549 00:43:31,909 --> 00:43:37,615 降参した後悔は 彼の中で長い間 続くと思った 550 00:43:44,321 --> 00:43:47,925 ララが“続けて”と 言ってくれた 551 00:43:48,192 --> 00:43:52,096 “もう1年続けたら やめていい”って 552 00:43:52,229 --> 00:43:56,800 彼女は僕の考えを 誰よりも理解してくれていた 553 00:43:59,670 --> 00:44:04,975 “今辞めたら一生後悔する”と 彼女に言われたよ 554 00:44:33,704 --> 00:44:40,344 2001年4月のある晩 イタリアで一番有名な評論家が 555 00:44:40,911 --> 00:44:44,281 ミラノからフィレンツェまで 運転してた 556 00:44:44,682 --> 00:44:49,086 ボローニャで事故があって ひどい渋滞で― 557 00:44:49,219 --> 00:44:51,188 モデナに寄ることになった 558 00:44:51,789 --> 00:44:55,426 そしてうちの店で 食事をしたんだ 559 00:44:56,093 --> 00:45:00,731 2日後 有名なグルメ雑誌 「エスプレッソ」に― 560 00:45:00,831 --> 00:45:02,166 記事が載った 561 00:45:03,100 --> 00:45:06,036 “ポストモダンな タリアテッレ” 562 00:45:09,073 --> 00:45:13,710 “なぜもっと早く この店に来なかったのか?”と 563 00:45:13,877 --> 00:45:16,280 記事に書いてあった 564 00:45:16,814 --> 00:45:21,251 “この店をモデナの人が 理解しないのは残念だ”と 565 00:45:24,455 --> 00:45:31,161 その記事で 店はあちこちの グルメ評論家の注目を集めた 566 00:45:37,267 --> 00:45:38,869 噂は広まった 567 00:45:39,169 --> 00:45:42,106 密かにおもしろいことを している店だと― 568 00:45:42,272 --> 00:45:47,444 イタリア中のジャーナリストが 店にやって来た 569 00:45:50,781 --> 00:45:55,319 マッシモのような リスクを恐れないシェフは― 570 00:45:55,419 --> 00:45:58,789 イタリアでは久しぶりだった 571 00:46:06,930 --> 00:46:11,869 マッシモのやってることが ようやく認められた 572 00:46:12,903 --> 00:46:16,039 イタリア全土が 知ることとなった 573 00:46:16,273 --> 00:46:21,145 モデナ パルマ ボローニャ ミラノ 574 00:46:21,245 --> 00:46:25,883 モデナで大きな変化が 起きてるということをね 575 00:46:31,822 --> 00:46:37,327 11月に「エスプレッソ」から ベストパフォーマンス賞が 576 00:46:37,427 --> 00:46:39,163 贈られた 577 00:46:39,463 --> 00:46:42,833 若き最高のシェフに 贈られる賞と― 578 00:46:43,233 --> 00:46:44,801 1つ星も獲得した 579 00:47:01,018 --> 00:47:05,222 彼の活動の重大さに グルメ業界が気付いた 580 00:47:07,124 --> 00:47:11,295 世界のベスト・レストラン50の 上位にも入った 581 00:47:12,162 --> 00:47:14,598 店はいつも満席 582 00:47:16,867 --> 00:47:21,438 彼を認めたモデナの人も 入れないような状況よ 583 00:47:30,013 --> 00:47:34,218 森の中のカキ 584 00:47:34,384 --> 00:47:38,455 トリュフになりたい ジャガイモ 585 00:47:41,225 --> 00:47:45,195 熱くて冷たい ズッパ・イングレーゼ 586 00:47:45,362 --> 00:47:49,466 ポー川を逆流するウナギ 587 00:47:51,568 --> 00:47:54,404 カムフラージュ 森の中のウサギ 588 00:47:56,640 --> 00:48:03,046 エミリアのシーザーサラダ 589 00:48:06,416 --> 00:48:10,254 オー・ディア! 590 00:48:15,092 --> 00:48:20,030 パンは金なり 591 00:48:20,197 --> 00:48:22,532 ラザニアの カリカリした部分 592 00:48:22,899 --> 00:48:26,970 おっと! レモンタルトを落とした 593 00:48:32,576 --> 00:48:37,214 熟成度が違う 5つのパルミジャーノ 594 00:48:41,485 --> 00:48:45,088 フォアグラの クロッカンティーノ 595 00:48:52,362 --> 00:48:53,530 覚えてる? 596 00:48:53,930 --> 00:48:56,099 ああ 信じられない 597 00:48:56,433 --> 00:48:58,101 この写真を見ろ 598 00:48:59,536 --> 00:49:00,604 いいね 599 00:49:02,039 --> 00:49:02,939 僕は老けた 600 00:49:03,040 --> 00:49:03,640 私が撮った 601 00:49:04,975 --> 00:49:06,109 あなたよ 602 00:49:06,243 --> 00:49:07,177 そうだ 603 00:49:07,678 --> 00:49:09,146 バカみたいだ 604 00:49:09,246 --> 00:49:11,648 いつもカッコ良かったわね 605 00:49:12,482 --> 00:49:13,583 やめろ 606 00:49:15,152 --> 00:49:16,553 ウソだろ? 607 00:49:17,154 --> 00:49:19,656 ララは僕をよく理解してる 608 00:49:20,190 --> 00:49:23,994 僕の物の見方を変えられる人は 609 00:49:24,161 --> 00:49:28,265 世界で彼女1人かもしれない 610 00:49:28,699 --> 00:49:33,704 彼女といると より奥が深い人間になれる 611 00:49:34,004 --> 00:49:36,740 新たな世界を見せてくれる 612 00:49:39,209 --> 00:49:44,014 彼が店をオープンする日に プロポーズしたのは きっと 613 00:49:44,281 --> 00:49:49,019 “レストランと結婚する覚悟は ある?”という意味だった 614 00:49:50,187 --> 00:49:55,058 シェフと夫と家族と 生活することになった 615 00:49:55,158 --> 00:49:57,294 店と結婚したと思ってる 616 00:49:58,762 --> 00:50:04,134 店が私から夫を奪ったとは 思っていない 617 00:50:04,234 --> 00:50:07,304 店も家族だと思ってる 618 00:50:07,404 --> 00:50:09,706 巨大な家族よ 619 00:50:10,173 --> 00:50:14,711 子供たちは 毎年 店で誕生日を祝う 620 00:50:18,582 --> 00:50:23,787 1995年にオープンして 1年半後にアレクサが生まれた 621 00:50:24,087 --> 00:50:28,658 彼女は店のテーブルの下に 隠れながら育った 622 00:50:28,759 --> 00:50:32,262 マッシモと同じようにね 623 00:50:32,462 --> 00:50:38,535 娘は小さい頃から店にいて 厨房に走って行っては― 624 00:50:38,635 --> 00:50:42,439 “新しいメニューは?”と 聞いていた 625 00:50:43,073 --> 00:50:47,344 息子のチャーリーも 店を愛してるわ 626 00:50:47,611 --> 00:50:53,216 彼を大事にしてくれる人が たくさんいる場所だからよ 627 00:50:53,417 --> 00:50:57,521 最高よ 店が私たちの家なの 628 00:50:57,721 --> 00:51:01,491 近所に住んでいたから― 629 00:51:01,591 --> 00:51:07,164 閉店時間や休憩になると 家族で行ってた 630 00:51:07,264 --> 00:51:10,767 私は絵の位置を直したり 花を飾ったり― 631 00:51:11,101 --> 00:51:13,336 店の手入れをよくした 632 00:51:14,137 --> 00:51:15,472 我が子だと思ってる 633 00:51:20,644 --> 00:51:23,847 人が何かで成功した時や― 634 00:51:24,147 --> 00:51:27,350 ものすごい幸せを感じた時 635 00:51:27,551 --> 00:51:29,786 他の人たちと共有すると― 636 00:51:30,120 --> 00:51:34,591 喜びは何倍も深く 何倍も大きくなるんだ 637 00:51:35,525 --> 00:51:39,696 他の人と一緒に成功を つかんだ時― 638 00:51:39,796 --> 00:51:44,267 喜びはさらに倍増して爆発する 639 00:51:45,535 --> 00:51:47,771 今が最高に幸せだ