1 00:00:27,227 --> 00:00:29,062 食べ物で― 2 00:00:29,729 --> 00:00:33,099 私たちは感情を 分かち合えます 3 00:00:49,315 --> 00:00:55,288 私たちが口にしているのは 分かち合うという発想です 4 00:01:05,432 --> 00:01:09,502 料理を作るということと― 5 00:01:13,206 --> 00:01:18,111 仏の道を究めることに 違いはありません 6 00:01:20,113 --> 00:01:26,219 私が仏教の世界に入って 半世紀近くが経ちました 7 00:01:28,121 --> 00:01:31,124 この世界に入ったのは― 8 00:01:31,224 --> 00:01:36,396 悟りを開くことを 追い求めていたからです 9 00:01:40,533 --> 00:01:44,437 私は料理人ではなく 尼僧です 10 00:01:53,346 --> 00:01:58,118 NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 11 00:02:41,261 --> 00:02:44,430 シェフのテーブル 12 00:02:55,441 --> 00:02:58,511 ある日 僕宛てに メールが届いた 13 00:02:58,611 --> 00:03:00,246 〝チョン・クワンが NYで料理を作る〞 14 00:03:00,246 --> 00:03:02,615 〝チョン・クワンが NYで料理を作る〞 ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ 15 00:03:02,615 --> 00:03:02,749 ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ 16 00:03:02,749 --> 00:03:03,917 ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ 僕はどんぶりのご飯と ゆですぎの― 17 00:03:03,917 --> 00:03:06,519 僕はどんぶりのご飯と ゆですぎの― 18 00:03:06,619 --> 00:03:08,721 イモが出ると思った 19 00:03:08,821 --> 00:03:09,689 それで欠席すると 返事をしたんだ 20 00:03:09,689 --> 00:03:13,359 それで欠席すると 返事をしたんだ NYタイムズ ライター ジェフ・ゴーディニアー 21 00:03:13,359 --> 00:03:13,459 NYタイムズ ライター ジェフ・ゴーディニアー 22 00:03:13,459 --> 00:03:14,627 NYタイムズ ライター ジェフ・ゴーディニアー すると電話があった 23 00:03:14,627 --> 00:03:14,827 すると電話があった 24 00:03:14,928 --> 00:03:17,497 シェフの E(エリック)・リペールからだ 25 00:03:17,630 --> 00:03:21,668 “欠席の返事をした気持ちは 分かる”と言われた 26 00:03:21,901 --> 00:03:25,905 “忙しいから行けないんだ” と答えた 27 00:03:26,372 --> 00:03:29,642 すると彼は “それでも来るべきだ” 28 00:03:29,776 --> 00:03:33,246 “これは特別なランチなんだ” 29 00:03:33,479 --> 00:03:35,248 “絶対に来い” 30 00:03:35,515 --> 00:03:38,885 “なら行くよ ウィ シェフ”と答えたよ 31 00:03:38,985 --> 00:03:44,257 エリック・リペールが そこまで言うんだからね 32 00:03:44,891 --> 00:03:49,529 そして そのランチで 僕の人生が変わった 33 00:04:01,341 --> 00:04:02,609 韓国の文化に惹かれ それで韓国を訪れた 34 00:04:02,609 --> 00:04:06,512 韓国の文化に惹かれ それで韓国を訪れた 〝ル・ベルナルディン〞 シェフ/共同オーナー エリック・リペール 35 00:04:06,613 --> 00:04:11,818 私は仏教徒で 韓国の寺で 作る料理のことを知ってた 36 00:04:11,918 --> 00:04:17,690 その料理を学び 味わって 僧侶たちと交流したかった 37 00:04:17,790 --> 00:04:20,560 それほど興味があったんだ 38 00:04:25,898 --> 00:04:30,570 尼僧のチョン・クワンは とても思いやりがある 39 00:04:31,304 --> 00:04:36,309 仏教を究めた尼僧が偶然 素晴らしい料理人だった 40 00:04:39,312 --> 00:04:42,982 彼女は自分の店を 持っていない 41 00:04:43,316 --> 00:04:48,521 僧院で暮らす僧侶や訪問者に 料理を作っている 42 00:04:50,323 --> 00:04:52,759 彼女は自発的に料理をし― 43 00:04:52,859 --> 00:04:57,730 伝統を重んじつつも 型破りな料理を作る 44 00:04:57,864 --> 00:05:01,000 料理人としては別格の存在だ 45 00:05:09,008 --> 00:05:13,613 エリックがチョン・クワンを NYに呼び寄せた 46 00:05:14,547 --> 00:05:16,516 僕は記者たちと座った 47 00:05:16,616 --> 00:05:20,453 美しくて卓越した料理が 出てくるとは― 48 00:05:20,553 --> 00:05:23,723 まったく想像してなかった 49 00:05:28,361 --> 00:05:34,467 彼女の料理は世界的な 有名店の“ノーマ”や― 50 00:05:34,901 --> 00:05:38,538 “ベヌ”で出されても 不思議じゃなかった 51 00:05:39,505 --> 00:05:43,076 そういう店で 出されたとしても― 52 00:05:43,710 --> 00:05:46,546 その美しさとおいしさに 驚くよ 53 00:05:50,383 --> 00:05:54,887 僕は同席したみんなと 顔を見合わせた 54 00:05:55,655 --> 00:06:00,426 世界の どのシェフの料理にも 引けをとらない 55 00:06:06,799 --> 00:06:10,069 食事を終えた僕は興奮し― 56 00:06:10,770 --> 00:06:12,839 エリックにこう伝えた 57 00:06:12,939 --> 00:06:14,607 “韓国に行って―” 58 00:06:14,707 --> 00:06:18,644 “この料理や彼女のことを もっと知りたい” 59 00:06:50,009 --> 00:06:55,982 白羊寺(ペギャンサ) 天眞庵(チョンジナム) 60 00:09:03,743 --> 00:09:08,814 ここで作っている料理は “精進料理”と呼ばれます 61 00:09:11,250 --> 00:09:13,019 韓国の人々も― 62 00:09:15,855 --> 00:09:17,924 僧侶たちも そう呼びます 63 00:09:30,703 --> 00:09:35,274 世俗の料理は 活力を与えることが目的です 64 00:09:37,677 --> 00:09:40,279 ですが精進料理は違います 65 00:09:40,613 --> 00:09:45,751 人の心を穏やかにし 落ち着かせることが目的です 66 00:09:57,029 --> 00:10:02,702 精進料理には決して 使わない食材が5つあります 67 00:10:02,902 --> 00:10:07,640 ニンニク タマネギ ネギ ラッキョウ ニラ 68 00:10:07,773 --> 00:10:10,910 “五辛(ごしん)”という 辛味のある野菜です 69 00:10:13,646 --> 00:10:18,651 これらの野菜は 精神的な活力になります 70 00:10:20,119 --> 00:10:23,255 ですが活力が多すぎると― 71 00:10:23,889 --> 00:10:27,259 僧侶の精神活動の 妨げになります 72 00:10:27,360 --> 00:10:30,663 心の平静が 保てなくなるのです 73 00:10:33,666 --> 00:10:36,068 そうなってしまうと― 74 00:10:36,202 --> 00:10:40,072 瞑想に集中することが できません 75 00:10:46,979 --> 00:10:53,185 寺に住んでいる僧侶が 食べる精進料理は― 76 00:10:53,285 --> 00:10:56,355 自然が味をつけてくれます 77 00:11:00,760 --> 00:11:05,097 ご存知のように 精進料理は― 78 00:11:05,231 --> 00:11:08,200 非常にシンプルです 79 00:11:08,300 --> 00:11:13,706 ですが とても多くの薬味を 使っています 80 00:11:18,711 --> 00:11:21,213 例えばウコン 花椒 81 00:11:21,447 --> 00:11:24,116 コショウ シソなどです 82 00:11:26,318 --> 00:11:29,121 人工的な調味料は使いません 83 00:11:29,355 --> 00:11:32,024 味付けの基本は塩 84 00:11:32,124 --> 00:11:34,994 味噌 カンジャン コチュジャンです 85 00:11:46,405 --> 00:11:50,476 こうした食材は 心を目覚めさせてくれます 86 00:11:52,411 --> 00:11:57,249 精進料理は精神的な活力と とても深く― 87 00:11:57,883 --> 00:12:01,253 結びついているのです 88 00:12:03,923 --> 00:12:09,762 レンコンの酢漬け 89 00:12:34,487 --> 00:12:39,291 私は慶尚北道という 行政区にある― 90 00:12:39,391 --> 00:12:42,795 栄州市という町で 生まれました 91 00:12:45,531 --> 00:12:50,336 きょうだいは7人いて 私は上から5番目 92 00:12:50,469 --> 00:12:53,472 そして3番目の娘でした 93 00:12:56,375 --> 00:12:57,943 終わった? 94 00:12:59,078 --> 00:13:04,083 小さな農場を営む 幸せな家庭で育ちました 95 00:13:09,522 --> 00:13:12,825 私は6歳か7歳の頃から― 96 00:13:14,026 --> 00:13:16,395 料理が大好きでした 97 00:13:20,499 --> 00:13:25,437 母が麺を作る姿を ずっと眺めていました 98 00:13:28,307 --> 00:13:32,077 ある日 私は 農場で働く両親のために― 99 00:13:32,178 --> 00:13:35,481 麺料理を作ろうと 思ったんです 100 00:13:36,115 --> 00:13:38,817 ちょうど作り終えた時― 101 00:13:39,818 --> 00:13:44,123 両親が仕事から 帰ってきました 102 00:13:45,524 --> 00:13:47,293 母は言いました 103 00:13:48,060 --> 00:13:51,363 “どこで作り方を 教わったの?” 104 00:13:51,463 --> 00:13:53,532 私は答えました 105 00:13:53,866 --> 00:13:57,303 “お母さんに 喜んでほしくて―” 106 00:13:57,836 --> 00:13:59,205 “見て覚えたの” 107 00:14:03,609 --> 00:14:07,846 母は私の肩に手を置いて 言いました 108 00:14:07,947 --> 00:14:10,983 “お前は心豊かに育つよ” 109 00:14:21,594 --> 00:14:25,397 母の愛を実感した私は― 110 00:14:25,497 --> 00:14:29,335 母のようになりたいと 思いました 111 00:14:30,603 --> 00:14:32,905 おかゆができました 112 00:14:34,440 --> 00:14:38,577 “母親”というものを 自分の母から学びました 113 00:14:41,413 --> 00:14:43,048 どうぞ 取って 114 00:14:48,287 --> 00:14:53,259 母親はたくさん料理を作って 皆と分かち合います 115 00:14:57,263 --> 00:15:00,599 尼僧として それを実践しています 116 00:15:10,910 --> 00:15:14,413 尼僧は人々の母親なのです 117 00:15:18,517 --> 00:15:22,621 家族の中だけではなく― 118 00:15:22,955 --> 00:15:27,493 社会全体にとっての 母親なのです 119 00:15:28,294 --> 00:15:30,462 いただきましょう 120 00:15:33,365 --> 00:15:34,266 おいしそう 121 00:16:11,337 --> 00:16:16,275 チョン・クワンの料理を 1ヵ月 毎日食べると― 122 00:16:16,375 --> 00:16:17,977 どうなるか 123 00:16:19,378 --> 00:16:22,247 気分がとてもよくなると思う 124 00:16:24,984 --> 00:16:29,321 彼女の料理を食べると 変身したように感じる 125 00:16:30,289 --> 00:16:35,160 彼女は若々しく活力があり 料理の効果を体現してる 126 00:16:36,028 --> 00:16:38,197 彼女は天候や― 127 00:16:38,597 --> 00:16:42,001 相手の気持ちを 感じ取っている 128 00:16:42,101 --> 00:16:46,038 仏教の教えの大部分は 思いやりや気配りだ 129 00:16:46,138 --> 00:16:49,008 彼女の料理には― 130 00:16:49,108 --> 00:16:52,611 驚くほど細かな気配りがある 131 00:16:52,745 --> 00:16:56,648 有名店で見られる気配りとは また違う 132 00:16:57,583 --> 00:17:01,453 そのいい例が “ハスの花茶”だ 133 00:17:01,787 --> 00:17:07,059 悟りがいかに繊細かを 象徴しているんだ 134 00:17:11,563 --> 00:17:14,066 そのお茶は繊細で― 135 00:17:14,466 --> 00:17:20,139 悟りの感覚を 液体で表現したものでもある 136 00:17:24,076 --> 00:17:25,344 単なるお茶じゃない 137 00:17:49,134 --> 00:17:53,372 そのお茶は繊細ゆえに ただの水と― 138 00:17:53,605 --> 00:17:55,674 同じように思える 139 00:17:56,542 --> 00:18:01,313 だがハスの花のエキスが 浸出しているんだ 140 00:18:01,413 --> 00:18:03,415 僕は飲み足りなかった 141 00:18:03,782 --> 00:18:08,454 悟りのお茶を ガブガブ飲みたかった 142 00:19:15,787 --> 00:19:19,391 私が幼かった頃 よく父に― 143 00:19:19,591 --> 00:19:21,560 こう言われました 144 00:19:24,329 --> 00:19:28,400 “女はワラで7種の料理を 作れないとダメだ” 145 00:19:28,500 --> 00:19:31,637 “それができて いい相手と結婚できる” 146 00:19:44,283 --> 00:19:45,584 私は腹が立ちました 147 00:19:54,760 --> 00:19:57,829 私は父に言い返しました 148 00:19:58,230 --> 00:20:02,834 “私は いい夫を 見つけたいわけじゃない” 149 00:20:02,935 --> 00:20:05,904 “私は山の上の 自然に囲まれた―” 150 00:20:06,238 --> 00:20:09,208 “小さな小屋に住む” 151 00:20:09,308 --> 00:20:12,911 “結婚せず独りで生きていく” 152 00:20:20,252 --> 00:20:25,691 “それなら山奥に住むがいい だが私は悲しい” 153 00:20:26,258 --> 00:20:27,826 父はそう言いました 154 00:20:38,470 --> 00:20:40,672 そして父は― 155 00:20:41,640 --> 00:20:43,842 泣き始めたんです 156 00:20:44,977 --> 00:20:49,414 なぜ泣くのかと 父に尋ねました 157 00:20:50,849 --> 00:20:56,555 “若い娘が そんなことを考えるなんて” 158 00:21:05,530 --> 00:21:09,668 自由になるには 独りにならないといけない 159 00:21:36,561 --> 00:21:41,433 チョン・クワンの料理は 時間が鍵になっている 160 00:21:42,601 --> 00:21:48,340 彼女はニンニクもタマネギも 肉も乳製品も使わずに― 161 00:21:48,440 --> 00:21:51,576 料理にインパクトを与えてる 162 00:21:51,677 --> 00:21:54,346 それは時間を かけているからだ 163 00:21:54,713 --> 00:21:58,684 彼女は何世紀も前からの 伝統を― 164 00:21:59,017 --> 00:22:00,619 利用してるんだ 165 00:22:11,763 --> 00:22:18,570 彼女は食材を発酵させて じっくりと風味をつけていく 166 00:22:20,672 --> 00:22:23,642 キムチが そのいい例だ 167 00:22:27,379 --> 00:22:30,082 発酵には魔法のような 力がある 168 00:22:30,382 --> 00:22:33,885 基本的には食材に塩と― 169 00:22:33,985 --> 00:22:36,788 空気中の微生物と 時間を加える 170 00:22:36,922 --> 00:22:38,924 たったそれだけだ 171 00:22:47,933 --> 00:22:51,703 白菜のキムチは保存食になる 172 00:22:54,773 --> 00:22:58,076 食材は発酵すると 質が変化する 173 00:22:58,410 --> 00:23:01,980 発酵を通して 別の食べ物を生み出すんだ 174 00:23:02,848 --> 00:23:08,553 白菜のキムチ 175 00:23:20,565 --> 00:23:25,470 植物は1年を通して 自然や宇宙 地球から― 176 00:23:25,570 --> 00:23:31,843 エネルギーをもらい 人間の労力を糧に育ちます 177 00:23:41,586 --> 00:23:45,857 植物を早く 大きく 立派に育てたい 178 00:23:45,991 --> 00:23:49,594 それは人間の欲に過ぎません 179 00:23:49,728 --> 00:23:53,765 だから化学肥料に 頼ってしまうんです 180 00:23:53,999 --> 00:23:58,103 私は野菜には 好きなように育ってほしい 181 00:24:03,742 --> 00:24:05,443 初めて見る菜園だった 182 00:24:05,544 --> 00:24:10,615 “ブルーヒル・アット・ ストーン・バーンズ”の場合 183 00:24:10,749 --> 00:24:15,620 ファッションデザイナーが デザインしたような菜園だ 184 00:24:16,755 --> 00:24:22,627 チョン・クワンの菜園は ゴチャゴチャしてて― 185 00:24:22,727 --> 00:24:24,563 柵やフェンスもない 186 00:24:24,663 --> 00:24:27,866 ブタが来て 畑を荒らしても― 187 00:24:27,966 --> 00:24:31,236 自然のことだから 構わないそうだ 188 00:24:31,536 --> 00:24:37,042 虫に食われるのも 自然だから彼女は気にしない 189 00:24:37,509 --> 00:24:38,176 驚いたよ 190 00:24:39,010 --> 00:24:41,046 有機栽培も敵(かな)わない 191 00:24:50,021 --> 00:24:53,525 精進料理の 食材の栽培は重要だ 192 00:24:53,658 --> 00:24:55,794 作物に成長する種に― 193 00:24:55,927 --> 00:25:01,800 思いやりや愛情 活力を 与えてやらないといけない 194 00:25:01,933 --> 00:25:06,805 彼女は野菜の見た目なんて 気にしない 195 00:25:07,739 --> 00:25:12,010 葉が虫に食われていようが 構わないんだ 196 00:25:14,212 --> 00:25:18,149 重要なのは 自然と共存することだ 197 00:25:18,250 --> 00:25:20,952 その結果 菜園は美しく見える 198 00:25:21,052 --> 00:25:24,189 様々な作物が 一緒に育つのは― 199 00:25:24,289 --> 00:25:26,625 とても素敵だと思う 200 00:25:30,061 --> 00:25:34,266 間引きをしたら あとはほったらかしだ 201 00:25:35,600 --> 00:25:39,838 彼女は空気や水 日光が おいしい食べ物を― 202 00:25:39,938 --> 00:25:41,139 作ると信じてる 203 00:25:47,846 --> 00:25:50,081 種をまいたら― 204 00:25:51,016 --> 00:25:52,817 あとは待つだけ 205 00:25:55,053 --> 00:25:59,291 雪や雨が降って 風が吹いても育ちます 206 00:25:59,591 --> 00:26:03,061 暑い時も寒い時も 育つんです 207 00:26:04,262 --> 00:26:08,700 私は満ち足りた気持ちで 野菜を料理し― 208 00:26:08,800 --> 00:26:11,970 喜びとともに いただきます 209 00:26:15,040 --> 00:26:20,178 大韓民国 ソウル 210 00:28:00,879 --> 00:28:05,116 私は定期的に寺を出て 街へ出かけます 211 00:28:17,862 --> 00:28:22,267 食べ物を通して 人と触れ合いたいからです 212 00:28:27,372 --> 00:28:32,710 そのために私は全州大学校で 講師をしています 213 00:28:35,880 --> 00:28:42,287 野菜中心の料理について 講義を始めてから― 214 00:28:42,420 --> 00:28:44,823 5年が経ちました 215 00:28:46,758 --> 00:28:49,160 砂糖は保存料になります 216 00:28:49,294 --> 00:28:53,031 保存料としての 作用があるから― 217 00:28:53,898 --> 00:28:58,103 私たちは 砂糖をほとんど使いません 218 00:28:58,203 --> 00:29:01,206 だから精進料理は 健康的なんです 219 00:29:04,042 --> 00:29:08,012 現代の若い人たちは 私たちとは― 220 00:29:08,313 --> 00:29:10,915 食習慣が違います 221 00:29:11,483 --> 00:29:14,753 西洋化してるんです 222 00:29:15,920 --> 00:29:19,324 ファストフードが 普及したことで― 223 00:29:19,858 --> 00:29:24,829 彼らの食文化に 大きな変化が訪れました 224 00:29:26,397 --> 00:29:31,436 私は健康的で心が満たされる 食べ物を通して― 225 00:29:31,770 --> 00:29:35,206 世界が結びつき 繁栄することを願います 226 00:29:35,807 --> 00:29:38,109 だから講義をするんです 227 00:29:43,414 --> 00:29:48,486 小麦粉や食材が 残ってしまうことがあります 228 00:29:48,820 --> 00:29:51,823 それを捨ててはいけません 229 00:29:52,090 --> 00:29:56,294 余った食材も 大切にしなくてはならない 230 00:29:57,328 --> 00:30:00,498 私は 教えているのではなく― 231 00:30:00,932 --> 00:30:04,302 コミュニケーションを 図っているんです 232 00:30:07,338 --> 00:30:08,940 私は伝えます 233 00:30:09,140 --> 00:30:13,878 精進料理とは どういうものなのか 234 00:30:13,978 --> 00:30:17,916 僧侶はなぜ精進料理を 食べるのか 235 00:30:18,016 --> 00:30:22,887 たとえ僧侶でなくても 精進料理で― 236 00:30:22,987 --> 00:30:26,357 どのように自分を 変えられるのか 237 00:30:27,926 --> 00:30:31,429 味見して すぐに 足りない物を判断する 238 00:30:32,130 --> 00:30:35,300 舌だけでなく 五蘊(ごうん)を使うんです 239 00:30:35,400 --> 00:30:38,002 色(しき) 受(じゅ) 想(そう) 行(ぎょう) 識(しき)です 240 00:30:38,870 --> 00:30:41,139 それを料理に 取り入れるんです 241 00:30:41,840 --> 00:30:44,042 目標を目指して― 242 00:30:45,276 --> 00:30:51,416 これ以上ない強い情熱と エネルギーを持ちながら― 243 00:30:51,549 --> 00:30:55,954 前へ前へ 進んでいくという行為 244 00:30:56,154 --> 00:30:58,590 それこそが悟りの一つです 245 00:31:22,247 --> 00:31:25,116 私が17歳の時でした 246 00:31:25,350 --> 00:31:28,453 母が突然 他界しました 247 00:31:32,924 --> 00:31:37,896 母の早すぎる死に 私は悲しみに沈みました 248 00:31:41,399 --> 00:31:44,202 私もいつか自分の子供を― 249 00:31:44,402 --> 00:31:49,207 同じ目に遭わせるのではと 不安になりました 250 00:31:53,578 --> 00:31:57,482 その痛みを次世代に 伝えないと決めました 251 00:32:04,055 --> 00:32:07,191 ある日 私は姿を消しました 252 00:32:11,963 --> 00:32:13,364 誰にも言わず 253 00:32:15,166 --> 00:32:17,368 何も持たず 254 00:32:19,003 --> 00:32:21,072 尼僧になると決めました 255 00:32:22,440 --> 00:32:28,646 1974年に私はたった独りで 静かに家を出て― 256 00:32:30,315 --> 00:32:33,284 この寺にやってきました 257 00:32:35,119 --> 00:32:38,556 冬の太陽が 暮れかけた頃に― 258 00:32:38,723 --> 00:32:40,391 バスを降りました 259 00:32:40,525 --> 00:32:43,528 手には何もありません 260 00:32:48,032 --> 00:32:52,303 お金も荷物も 何も持っていませんでした 261 00:32:55,273 --> 00:32:57,275 小柄な少女が― 262 00:32:58,042 --> 00:32:59,978 一歩ずつ― 263 00:33:00,611 --> 00:33:03,581 山を登っていきました 264 00:33:07,518 --> 00:33:11,055 見上げると 年配の尼僧がいて― 265 00:33:11,289 --> 00:33:15,259 ここに住むつもりかと 聞かれました 266 00:33:15,660 --> 00:33:19,030 “なぜ知ってるの?”と― 267 00:33:19,664 --> 00:33:21,432 驚きました 268 00:33:26,037 --> 00:33:31,342 母がこの寺に入る機会を 与えてくれたと思ってます 269 00:33:31,509 --> 00:33:36,214 今でも母への感謝の念は 尽きません 270 00:33:36,314 --> 00:33:39,183 母は情け深く 思いやりがあり― 271 00:33:39,317 --> 00:33:43,321 私が自由を求めることを― 272 00:33:44,088 --> 00:33:45,723 許してくれました 273 00:34:26,831 --> 00:34:29,767 韓国のしょう油 “カンジャン” 274 00:34:30,101 --> 00:34:35,606 カンジャンのことを考えると 胸がワクワクします 275 00:34:36,307 --> 00:34:41,779 どの食べ物もカンジャンを 使えば生まれ変わります 276 00:34:48,386 --> 00:34:52,557 原料の大豆と塩 そして水が― 277 00:34:52,657 --> 00:34:55,393 時間をかけて熟成します 278 00:34:58,629 --> 00:34:59,664 カンジャンは― 279 00:35:00,832 --> 00:35:04,635 味付けの土台となるのです 280 00:35:05,236 --> 00:35:08,473 熟成は5年ものや 10年ものがあります 281 00:35:10,475 --> 00:35:12,710 100年ものもあります 282 00:35:12,810 --> 00:35:15,780 代々 受け継がれていく― 283 00:35:16,280 --> 00:35:18,749 いわば家宝なのです 284 00:35:25,523 --> 00:35:30,728 自分を見つめると 過去 現在 未来が見えます 285 00:35:30,828 --> 00:35:35,233 時が永遠に巡っているのが 分かります 286 00:35:36,834 --> 00:35:40,505 現在から過去を 見ることができます 287 00:35:41,339 --> 00:35:44,242 私は自分を見ると 祖母や― 288 00:35:44,609 --> 00:35:46,144 母が見えます 289 00:35:46,844 --> 00:35:50,815 寺の年長者たち そして私も見えます 290 00:35:54,585 --> 00:36:00,424 私は自らの手で カンジャンを作っています 291 00:36:01,192 --> 00:36:03,728 そうすることで― 292 00:36:03,828 --> 00:36:08,833 祖先の知恵を よみがえらせているんです 293 00:36:10,401 --> 00:36:12,336 追体験しているんです 294 00:36:13,171 --> 00:36:16,941 誰の いつの知恵かは 関係ありません 295 00:36:18,476 --> 00:36:20,611 現在 同じ行動を― 296 00:36:20,745 --> 00:36:23,681 取っていることが 重要なのです 297 00:36:24,282 --> 00:36:27,685 私はカンジャンを 料理に使うことで― 298 00:36:27,785 --> 00:36:31,489 その重要性に感謝しています 299 00:36:32,323 --> 00:36:36,394 行動しているのは 単純に私ではなく― 300 00:36:36,961 --> 00:36:40,765 過去の私であり 現在の私であり― 301 00:36:41,232 --> 00:36:43,301 未来の私なのです 302 00:36:44,769 --> 00:36:48,673 カンジャンは永遠に 生きています 303 00:36:51,242 --> 00:36:58,516 正式な寺の食事 鉢盂供養(バルコンヤン) 304 00:37:50,434 --> 00:37:52,303 尼僧になることは― 305 00:37:52,403 --> 00:37:55,973 仏教を深く 知ることではありません 306 00:37:57,708 --> 00:38:00,544 仏教と共に 生きることなのです 307 00:38:02,713 --> 00:38:04,749 仏教と暮らし 308 00:38:06,350 --> 00:38:07,952 仏教と食事をし 309 00:38:09,420 --> 00:38:10,721 祈り 310 00:38:12,356 --> 00:38:13,591 働き 311 00:38:15,559 --> 00:38:17,328 薪を割り 312 00:38:19,630 --> 00:38:21,599 雑草を抜きます 313 00:38:23,467 --> 00:38:27,338 そういったことが 修行になるんです 314 00:38:28,739 --> 00:38:31,876 それが仏教というもの なのでしょう 315 00:38:39,684 --> 00:38:45,656 私は17歳で仏教の世界に入り 尼僧になりました 316 00:38:46,490 --> 00:38:50,328 まだ若かった私には 大変でした 317 00:38:54,832 --> 00:38:57,068 毎朝3時に起床し― 318 00:38:57,635 --> 00:39:02,340 もうろうとした頭のまま 朝のお勤めに行きます 319 00:39:03,040 --> 00:39:07,044 それから台所で 朝食を作ります 320 00:39:07,511 --> 00:39:12,016 6時に朝食を食べ それから またお勤めです 321 00:39:12,116 --> 00:39:14,719 9時に始まり― 322 00:39:14,819 --> 00:39:17,955 12時になると昼食を食べます 323 00:39:18,055 --> 00:39:22,426 それを休むことなく 毎日 繰り返しました 324 00:39:26,764 --> 00:39:30,501 睡眠が必要な年頃だったので― 325 00:39:30,634 --> 00:39:33,604 非常にこたえました 326 00:39:33,704 --> 00:39:36,640 寝不足はツラかったです 327 00:39:39,510 --> 00:39:44,415 私はこっそり寺を抜け出して 寝ていました 328 00:39:45,082 --> 00:39:47,952 あれは ある春の日で― 329 00:39:48,085 --> 00:39:51,055 薪割りの後でした 330 00:39:51,155 --> 00:39:56,560 木に登った私は そこで寝てしまいました 331 00:39:58,462 --> 00:40:01,966 何かが私の上を 這(は)う感じがして― 332 00:40:02,099 --> 00:40:03,934 目を開けました 333 00:40:04,034 --> 00:40:06,570 すると大きなヘビが― 334 00:40:06,670 --> 00:40:10,708 木の上から 下りてきていました 335 00:40:10,808 --> 00:40:14,678 そして私の首元を― 336 00:40:14,779 --> 00:40:18,916 スーッと這っていったんです 337 00:40:20,951 --> 00:40:24,588 でも私は気にしませんでした 338 00:40:24,722 --> 00:40:27,458 また眠ったんです 339 00:40:36,200 --> 00:40:37,868 父に手紙を書きました 340 00:40:45,009 --> 00:40:48,746 “お寺の生活はもう限界です” 341 00:40:48,879 --> 00:40:50,614 “迎えに来て” 342 00:40:53,217 --> 00:40:56,487 数日後 父が来て言いました 343 00:40:58,789 --> 00:41:02,860 “娘がツラいと言うので 連れて帰ります” 344 00:41:05,563 --> 00:41:07,898 年長の僧侶が答えました 345 00:41:09,033 --> 00:41:11,602 “朝は遅くまで寝ていい” 346 00:41:12,169 --> 00:41:14,905 “朝のお勤めも出なくていい” 347 00:41:18,175 --> 00:41:21,011 それを聞いて みんな泣きました 348 00:41:21,111 --> 00:41:27,184 私の父も きょうだいも みんなが泣いたんです 349 00:41:29,854 --> 00:41:34,658 私が父に 手紙を書いた理由は― 350 00:41:35,092 --> 00:41:39,930 家に帰りたかったからでは ありません 351 00:41:42,533 --> 00:41:45,936 家族にもう一度 会いたかったのです 352 00:42:01,085 --> 00:42:03,287 乾燥したカボチャね 353 00:42:06,223 --> 00:42:09,727 信者さんが 持ってきてくれた 354 00:42:16,700 --> 00:42:18,736 水に漬けて戻しましょう 355 00:42:21,705 --> 00:42:26,243 今や どの店もSNSの アカウントを持ってる 356 00:42:26,577 --> 00:42:31,115 シェフは本やテレビで 自分を宣伝してる 357 00:42:32,316 --> 00:42:36,153 そういうシェフを 称賛する時代だが― 358 00:42:36,253 --> 00:42:40,124 チョン・クワンの世界は 逆を行ってる 359 00:42:41,992 --> 00:42:47,598 チョン・クワンを料理界の 新星と考えるのは間違いだ 360 00:42:51,835 --> 00:42:53,003 彼女は別次元だ 361 00:43:01,679 --> 00:43:05,316 どの店も虚栄心を持って 料理を作る 362 00:43:05,616 --> 00:43:10,287 格付けや料理賞の獲得を 気にして― 363 00:43:10,621 --> 00:43:13,157 そればかりを考えている 364 00:43:16,760 --> 00:43:21,231 寺同士で精進料理の味を 競い合うことはない 365 00:43:22,900 --> 00:43:27,838 各寺の僧侶がそれぞれに スープを作り― 366 00:43:27,938 --> 00:43:33,310 どれが一番おいしいかを 決めるなんてことはない 367 00:43:33,844 --> 00:43:35,646 絶対にね 368 00:43:37,915 --> 00:43:40,050 チョン・クワンに 虚栄心はない 369 00:43:49,727 --> 00:43:54,898 創造性と虚栄心は 共存することができません 370 00:43:57,635 --> 00:44:01,672 競争心や嫉妬から 解放されれば― 371 00:44:01,772 --> 00:44:05,175 創造性は 果てしなく広がります 372 00:44:05,275 --> 00:44:08,712 泉から水が 湧き出るように― 373 00:44:08,946 --> 00:44:10,881 あふれてきます 374 00:44:14,652 --> 00:44:16,020 自分の首を絞め― 375 00:44:17,655 --> 00:44:21,425 置かれた環境に 左右されてはいけません 376 00:44:24,395 --> 00:44:27,931 周りの素晴らしい世界を 手にするんです 377 00:44:28,065 --> 00:44:33,203 自分の心から 思いのままに出たり― 378 00:44:33,370 --> 00:44:35,406 入ったりするんです 379 00:44:35,706 --> 00:44:38,008 それが自由ということです 380 00:44:45,883 --> 00:44:49,086 創造性はいつでも 発揮できます 381 00:44:49,386 --> 00:44:52,122 虚栄心で言ってはいません 382 00:44:53,023 --> 00:44:55,092 私の信念です 383 00:45:23,287 --> 00:45:28,258 仏紀2560年 釈迦生誕日の 法要を終わります 384 00:45:29,493 --> 00:45:34,364 お寺の精進料理を どうぞ召し上がってください 385 00:45:35,265 --> 00:45:38,202 お釈迦様の料理で― 386 00:45:38,302 --> 00:45:41,905 健康になってください 387 00:45:43,373 --> 00:45:46,310 私の父は70歳になった時― 388 00:45:46,443 --> 00:45:49,446 暮らしを見直しました 389 00:45:49,780 --> 00:45:54,017 父は私を気の毒に 思っていました 390 00:45:54,151 --> 00:46:00,357 私が尼僧になり 一度も 結婚をしなかったからです 391 00:46:02,426 --> 00:46:07,064 父は私と一緒に暮らすため 寺に来ました 392 00:46:10,968 --> 00:46:14,972 父は僧侶の生活を知り― 393 00:46:15,272 --> 00:46:18,308 体験してみたかったんです 394 00:46:26,917 --> 00:46:29,253 父は不平ばかり言いました 395 00:46:30,787 --> 00:46:34,958 ある日 夕食の席で 怒りをぶちまけました 396 00:46:35,058 --> 00:46:40,063 “こんな野菜ばかりの料理で 生きていけない” 397 00:46:40,164 --> 00:46:43,867 “肉も食べずに どうやって生きる?” 398 00:46:50,140 --> 00:46:53,076 “どの料理も気に入ってる” 399 00:46:53,177 --> 00:46:56,880 “きれいで美しいが 力が出ない” 400 00:46:56,980 --> 00:47:01,852 父は肉や魚だけが 活力になると思っていました 401 00:47:07,958 --> 00:47:13,096 精進料理で一番 おいしい物を聞かれました 402 00:47:14,598 --> 00:47:17,534 それでシイタケの料理を 作りました 403 00:47:31,215 --> 00:47:34,885 私はフライパンに ごま油を敷き― 404 00:47:35,018 --> 00:47:38,922 シイタケをカンジャンで 炒めました 405 00:47:41,625 --> 00:47:46,463 それを父に渡して 山の中で食べてもらいました 406 00:47:55,172 --> 00:47:56,974 “肉よりうまい” 407 00:47:57,074 --> 00:48:00,377 “肉なんて要らない”と 父は言いました 408 00:48:06,049 --> 00:48:11,188 寺での生活は 平和で穏やかなものだと― 409 00:48:11,321 --> 00:48:14,091 父は理解しました 410 00:48:28,005 --> 00:48:32,376 1ヵ月経った頃 父が私を昔の名で呼びました 411 00:48:32,609 --> 00:48:36,546 “チュンジョン 心配はなくなった” 412 00:48:37,080 --> 00:48:40,083 “元気で暮らすんだぞ” 413 00:48:46,490 --> 00:48:51,628 “王は僧侶に3回おじぎする という話を聞いた” 414 00:48:51,962 --> 00:48:56,133 “私もお前に おじぎしよう” 415 00:48:57,367 --> 00:49:02,172 70歳になる父が 私に向かって― 416 00:49:02,272 --> 00:49:07,144 3回おじぎしました そして去りました 417 00:49:07,611 --> 00:49:09,680 その1週間後― 418 00:49:10,047 --> 00:49:12,649 父は穏やかに亡くなりました 419 00:49:15,185 --> 00:49:16,620 それが父の最期でした 420 00:49:24,127 --> 00:49:29,533 シイタケのカンジャン煮 421 00:49:35,472 --> 00:49:40,410 味をつけた ギョウジャニンニク 422 00:49:42,412 --> 00:49:46,583 両親のお陰で 私は尼僧になれました 423 00:49:46,683 --> 00:49:50,520 白キムチ 424 00:49:50,620 --> 00:49:53,590 私は父と母のため― 425 00:49:53,690 --> 00:49:57,561 来世での幸せを祈りました 426 00:50:02,265 --> 00:50:06,436 ハスの花茶 427 00:50:06,536 --> 00:50:12,709 今でも美しい物を見たり 美しい料理を作った時は― 428 00:50:13,110 --> 00:50:18,715 私は両親の持っていた活力と 美徳に感謝します 429 00:50:19,015 --> 00:50:23,053 父と母が いてくれたからこそ― 430 00:50:23,153 --> 00:50:27,090 今の私の存在があるのです 431 00:50:30,460 --> 00:50:35,065 蒸しナス 赤インゲン豆と 唐辛子添え 432 00:50:38,034 --> 00:50:41,738 タケノコに入れた 野菜の酢漬け 433 00:50:45,342 --> 00:50:51,181 朝鮮人参とナツメの巻物 キュウリ 栗 ショウガ添え 434 00:51:27,451 --> 00:51:30,787 チョン・クワンとの出会いは 特別だった 435 00:51:36,159 --> 00:51:39,162 知らなかった料理法や― 436 00:51:41,231 --> 00:51:46,403 味わったことのない味付け 見たことのない食材を学んだ 437 00:51:46,636 --> 00:51:51,541 だが最も影響を受けたのは 彼女の信条だ 438 00:51:53,777 --> 00:51:56,413 それは仏教の教えだ 439 00:51:56,780 --> 00:51:59,249 今を生きること 440 00:52:00,383 --> 00:52:03,453 食材に敬意を払うこと 441 00:52:05,322 --> 00:52:06,289 地球が― 442 00:52:07,757 --> 00:52:09,459 人々を幸せにすること 443 00:52:13,430 --> 00:52:16,132 その過程で どう幸せになるか 444 00:52:20,570 --> 00:52:23,673 食べ物にどうやって いい力を注ぐか 445 00:52:30,647 --> 00:52:34,751 そのすべてが 私の人生を変えた 446 00:52:35,185 --> 00:52:37,587 チョン・クワンのお陰だ 447 00:52:44,794 --> 00:52:47,831 散歩の最中 彼女が僕の手を引き― 448 00:52:50,233 --> 00:52:54,237 何も言わずに 小川に連れていってくれた 449 00:52:59,209 --> 00:53:02,846 小川にかかる小さな橋まで 歩いた 450 00:53:04,814 --> 00:53:06,583 水が流れてた 451 00:53:17,227 --> 00:53:18,361 彼女がこうやった 452 00:53:19,462 --> 00:53:22,766 “音を聞け”ということだった 453 00:53:30,774 --> 00:53:35,545 水の流れる音を聞く機会は 現代ではあまりない 454 00:53:41,751 --> 00:53:45,355 1分か2分の間 水の音を聞いていた 455 00:53:47,924 --> 00:53:52,429 突然 彼女が言った “オーケストラ”と 456 00:54:00,437 --> 00:54:02,505 彼女の料理と― 457 00:54:03,940 --> 00:54:06,276 暮らしを物語ってた 458 00:54:15,819 --> 00:54:18,288 彼女の世界観もだ 459 00:54:22,859 --> 00:54:24,661 世界も自然も― 460 00:54:24,761 --> 00:54:29,766 バラバラのものが1つに 合わさったオーケストラだ 461 00:54:29,966 --> 00:54:33,269 それが僕たちや 僕たちの食べる物 462 00:54:33,436 --> 00:54:35,905 彼女の料理を生み出している 463 00:54:36,006 --> 00:54:37,707 衝撃だった 464 00:54:39,976 --> 00:54:45,548 そういうことだったんだと その場に座って納得した 465 00:54:53,990 --> 00:54:59,696 私は瞑想の一環として 寺の料理を作っています 466 00:55:11,341 --> 00:55:17,614 私はこの上なく幸せな気分で 自由を感じながら― 467 00:55:18,882 --> 00:55:20,583 尼僧として生きてます 468 00:55:26,356 --> 00:55:29,092 私は皆さんが― 469 00:55:29,759 --> 00:55:34,531 健康で幸せな人生を 送れるよう祈っています 470 00:55:35,565 --> 00:55:36,700 以上です 471 00:55:38,468 --> 00:55:40,503 どうもありがとう