1 00:00:19,052 --> 00:00:25,325 標高210メートル アマゾニア タンボパタのジャングル 2 00:01:00,693 --> 00:01:05,465 ペルーには常に 未知の感覚がある 3 00:01:07,233 --> 00:01:09,135 未知の領域 4 00:01:10,070 --> 00:01:12,238 未知のアマゾニア 5 00:01:13,306 --> 00:01:17,644 そこでは多くの物が 僕たちを待っている 6 00:01:23,516 --> 00:01:29,122 誰も見たことのない 新しい物を探すことに― 7 00:01:29,522 --> 00:01:31,391 僕はこだわってる 8 00:01:33,226 --> 00:01:34,527 〈死ぬかな?〉 9 00:01:35,829 --> 00:01:38,531 〈一生分の腸の掃除よ〉 10 00:01:40,366 --> 00:01:41,734 〈食べられる〉 11 00:01:41,835 --> 00:01:46,406 〈少しだけでも お腹を壊すわ〉 12 00:01:49,542 --> 00:01:51,377 〈聞かないのね〉 13 00:02:00,186 --> 00:02:04,824 NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 14 00:02:48,167 --> 00:02:51,337 シェフのテーブル 15 00:03:14,961 --> 00:03:20,199 数年前 リマにある ビルヒリオの店を訪れた 16 00:03:20,900 --> 00:03:25,772 非常に古風なペルー人の 友人と一緒だったが― 17 00:03:26,906 --> 00:03:29,742 彼は料理に 手をつけなかった 18 00:03:29,842 --> 00:03:32,779 伝統的なペルー料理じゃ なかったからだ 19 00:03:32,912 --> 00:03:33,880 子豚やヤギのローストを 期待してたのに― 20 00:03:33,880 --> 00:03:37,650 子豚やヤギのローストを 期待してたのに― 〝アストリッド& ガストン〞シェフ ガストン・アクリオ 21 00:03:37,650 --> 00:03:37,784 〝アストリッド& ガストン〞シェフ ガストン・アクリオ 22 00:03:37,784 --> 00:03:39,619 〝アストリッド& ガストン〞シェフ ガストン・アクリオ そういう料理はなかった 23 00:03:44,891 --> 00:03:47,927 友人は“ひどい店だ”と 言った 24 00:03:48,394 --> 00:03:50,396 だが悪いのは私だ 25 00:03:50,530 --> 00:03:54,534 前もって彼に 説明しておくべきだった 26 00:03:55,501 --> 00:03:58,638 新しい体験ができる店だとね 27 00:04:02,809 --> 00:04:05,378 ビルヒリオの料理を どう呼ぶべきだろう 28 00:04:05,378 --> 00:04:07,280 ビルヒリオの料理を どう呼ぶべきだろう グルメ&旅サイト 共同創設者 ニコラス・ギル 29 00:04:07,280 --> 00:04:07,914 グルメ&旅サイト 共同創設者 ニコラス・ギル 30 00:04:07,914 --> 00:04:11,484 グルメ&旅サイト 共同創設者 ニコラス・ギル 〝前衛的だ〞などと 簡単に― 31 00:04:11,484 --> 00:04:12,285 〝前衛的だ〞などと 簡単に― 32 00:04:12,585 --> 00:04:14,954 枠に はめられない 33 00:04:18,691 --> 00:04:22,795 彼の料理を理解する 一番の方法は― 34 00:04:22,895 --> 00:04:25,832 ペルーを理解することだ 35 00:04:28,268 --> 00:04:31,304 ペルーは多種多様な 生物の宝庫だ 36 00:04:36,542 --> 00:04:40,847 世界有数の漁場である 太平洋に面し― 37 00:04:41,781 --> 00:04:44,417 沿岸地帯には砂漠が広がる 38 00:04:46,286 --> 00:04:50,857 アンデス山脈の山々は ヒマラヤに次ぐ高さを誇る 39 00:04:52,625 --> 00:04:54,594 そしてアマゾンがある 40 00:04:55,595 --> 00:04:58,464 ペルーの地形は様々だ 41 00:04:59,799 --> 00:05:04,937 ビルヒリオは自ら遠方の こうした場所を訪れる 42 00:05:06,973 --> 00:05:11,344 そして現地の生態系から 食材を見つけ― 43 00:05:11,844 --> 00:05:15,581 いかに調理すべきか考える 44 00:05:16,983 --> 00:05:20,420 彼は料理で風景を表すんだ 45 00:05:21,754 --> 00:05:26,759 料理を通してペルーの 各地にいる感覚を味わえる 46 00:05:28,995 --> 00:05:30,697 ビルヒリオの夢は― 47 00:05:30,797 --> 00:05:35,101 ペルー料理の可能性を 最大限に引き出すことだ 48 00:05:57,890 --> 00:06:01,494 〝セントラル〞 ペルー リマ 49 00:06:01,594 --> 00:06:06,799 世界のベスト・ レストラン50 2016年 第4位 50 00:06:15,641 --> 00:06:18,678 〈おはよう  みんな調子は?〉 51 00:06:18,778 --> 00:06:19,679 〈いいです〉 52 00:06:22,982 --> 00:06:23,916 〈やあ ピア〉 53 00:06:24,016 --> 00:06:25,551 〈順調かい?〉 54 00:06:25,651 --> 00:06:27,053 〈ええ 問題ない〉 55 00:06:44,537 --> 00:06:48,708 深い海の底から 高い山の頂上まで― 56 00:06:49,075 --> 00:06:55,181 ペルーの地形は標高ごとに まったく違う表情がある 57 00:06:57,917 --> 00:07:02,121 “セントラル”では ペルーを標高別に― 58 00:07:02,555 --> 00:07:03,890 表現してる 59 00:07:07,960 --> 00:07:12,598 僕の店では 標高4000メートルの― 60 00:07:12,698 --> 00:07:16,002 食材を使った料理を 食べられる 61 00:07:16,102 --> 00:07:18,871 アンデスにいる気分になるよ 62 00:07:21,441 --> 00:07:24,477 それから海へ向かい… 63 00:07:27,113 --> 00:07:28,848 谷を下り… 64 00:07:31,717 --> 00:07:34,220 アマゾニアへ向かう 65 00:07:35,721 --> 00:07:40,193 17の生態系を一度に 体験することになるんだ 66 00:07:43,830 --> 00:07:46,866 途中で目が回るかもね 67 00:07:47,200 --> 00:07:49,135 だが それが大事で― 68 00:07:49,235 --> 00:07:52,638 食材や風景を楽しむだけじゃ ダメなんだ 69 00:07:53,673 --> 00:07:55,908 ペルー全体を見てもらいたい 70 00:07:57,510 --> 00:07:59,779 ペルーを理解するために― 71 00:08:00,613 --> 00:08:02,215 すべてを見てほしい 72 00:08:12,158 --> 00:08:13,659 〈コーヒー豆は?〉 73 00:08:14,093 --> 00:08:14,927 〈要る〉 74 00:08:17,663 --> 00:08:18,798 〈ベリーは?〉 75 00:08:19,031 --> 00:08:20,500 〈ああ 全部だ〉 76 00:08:21,801 --> 00:08:22,902 〈どうぞ〉 77 00:08:24,170 --> 00:08:25,104 〈ありがとう〉 78 00:08:31,911 --> 00:08:33,746 〈中身を出した?〉 79 00:08:34,080 --> 00:08:35,548 〈まだだよ〉 80 00:08:36,816 --> 00:08:38,184 〈かわいそうだわ〉 81 00:08:41,254 --> 00:08:42,622 〈隠れてる〉 82 00:08:44,557 --> 00:08:46,926 〈無理に出さないで〉 83 00:08:47,660 --> 00:08:51,964 兄は昔から 何にでも好奇心を持ってた 84 00:08:52,732 --> 00:08:54,934 私と兄は1つしか 年が違わないので― 85 00:08:54,934 --> 00:08:57,537 私と兄は1つしか 年が違わないので― 〝セントラル〞 リサーチ部門責任者 マレーナ・マルティネス 86 00:08:57,537 --> 00:08:57,637 〝セントラル〞 リサーチ部門責任者 マレーナ・マルティネス 87 00:08:57,637 --> 00:08:59,739 〝セントラル〞 リサーチ部門責任者 マレーナ・マルティネス とても仲がいいわ 88 00:09:01,207 --> 00:09:04,243 兄はとてもヤンチャで― 89 00:09:04,644 --> 00:09:10,716 規則に縛られたり 型に はめられるのが苦手だった 90 00:09:11,017 --> 00:09:13,586 そういうことを嫌ってた 91 00:09:15,688 --> 00:09:18,624 ビルヒリオが1日中 教室で― 92 00:09:18,724 --> 00:09:22,261 じっと座ってるなんて 考えられない 93 00:09:24,163 --> 00:09:28,601 彼は冒険好きで どこにでも探検しに行く 94 00:09:29,168 --> 00:09:33,673 だが幼かった頃の彼は そうはできなかった 95 00:09:35,341 --> 00:09:38,077 当時のペルーは 危険だったんだ 96 00:09:40,580 --> 00:09:42,148 戦争が起き― 97 00:09:43,082 --> 00:09:44,884 不安定な状態だった 98 00:09:45,217 --> 00:09:50,022 ペルーでは長い間 地域間の交流が― 99 00:09:50,122 --> 00:09:52,124 断絶してた 100 00:09:52,258 --> 00:09:54,260 バラバラだったんだ 101 00:09:57,597 --> 00:10:02,034 子供の頃のペルーは 小さな地域の集合体だった 102 00:10:02,268 --> 00:10:04,971 僕はリマに住み― 103 00:10:05,237 --> 00:10:09,041 アンデスやアマゾニアなんて 知らなかった 104 00:10:10,276 --> 00:10:12,845 当時はテロや― 105 00:10:13,079 --> 00:10:17,850 経済的な事情があって 地元から出られなかった 106 00:10:18,150 --> 00:10:20,152 どうしようもなかった 107 00:10:20,953 --> 00:10:23,923 僕は捕らわれた気分だった 108 00:10:25,825 --> 00:10:29,795 だからいつも 別の場所に行きたかった 109 00:10:30,630 --> 00:10:32,298 ヨーロッパや― 110 00:10:33,332 --> 00:10:36,302 アメリカやアジアにね 111 00:10:37,870 --> 00:10:42,675 世界各地を回るのが 僕の夢だったんだ 112 00:10:51,183 --> 00:10:56,355 標高0メートル ペルー南部 太平洋沿岸 113 00:11:07,667 --> 00:11:13,105 数年前 ペルー南部の マルコナへ泳ぎに行った 114 00:11:13,739 --> 00:11:16,375 とても美しい場所だった 115 00:11:18,811 --> 00:11:20,980 海岸の岩の上では― 116 00:11:21,080 --> 00:11:25,918 小さなカニが たくさん歩いていた 117 00:11:27,319 --> 00:11:30,122 岩の生態系を 目の当たりにした 118 00:11:32,058 --> 00:11:37,463 食材の生息していた場所を 厨房の中で再現すれば― 119 00:11:38,097 --> 00:11:41,801 うまくいくんじゃないか 120 00:11:42,168 --> 00:11:43,302 そう思った 121 00:11:50,376 --> 00:11:54,280 ビルヒリオの最初の料理は “岩の上のクモ”だ 122 00:11:57,383 --> 00:11:59,885 岩を取り巻く生態系を― 123 00:12:00,252 --> 00:12:02,788 表現した料理なんだ 124 00:12:04,123 --> 00:12:07,993 カニ カサガイ 藻は― 125 00:12:08,761 --> 00:12:12,832 同じ岩の上に生息している 126 00:12:13,032 --> 00:12:16,902 遺伝子的に 共通点があるのか― 127 00:12:17,002 --> 00:12:20,039 これらは味の相性がいいんだ 128 00:12:25,311 --> 00:12:30,449 “セントラル”の料理は それぞれが1つの生態系だ 129 00:12:31,517 --> 00:12:36,422 料理を食べることで 現地にいる気分になれる 130 00:12:37,256 --> 00:12:42,094 標高0メートル 岩の上のクモ 131 00:13:00,045 --> 00:13:05,084 18歳になり友人たちは 弁護士や建築家を目指し― 132 00:13:05,184 --> 00:13:09,321 リマの大学に 進学しようとしてた 133 00:13:10,055 --> 00:13:12,825 だが僕は違っていた 134 00:13:14,860 --> 00:13:18,964 ペルーから得る物はないと 思っていた 135 00:13:21,200 --> 00:13:25,437 旅をしたいと 友人に話したら― 136 00:13:25,538 --> 00:13:26,505 こう言われた 137 00:13:26,805 --> 00:13:30,476 “厨房で働きながら 旅をすればいい”と 138 00:13:30,943 --> 00:13:36,248 言葉が話せなくても 厨房でイモの皮むきはできる 139 00:13:37,283 --> 00:13:39,485 そして僕はペルーを出た 140 00:13:48,360 --> 00:13:51,497 初めて厨房に入った時は― 141 00:13:51,964 --> 00:13:53,933 本当に驚いた 142 00:13:57,570 --> 00:14:00,472 そこにはエネルギーが― 143 00:14:00,606 --> 00:14:02,274 あふれていた 144 00:14:06,111 --> 00:14:07,379 調理の音 145 00:14:12,851 --> 00:14:14,019 料理人たち 146 00:14:17,189 --> 00:14:19,625 自分の手と心を使う仕事 147 00:14:22,228 --> 00:14:25,865 そこのすべてが 僕にとって新鮮だった 148 00:14:29,935 --> 00:14:36,642 そこが僕のいるべき場所で 料理人になりたいと思った 149 00:14:42,548 --> 00:14:46,218 最初は旅行が目的で― 150 00:14:46,886 --> 00:14:51,023 旅行の口実として 厨房で働いていた 151 00:14:51,223 --> 00:14:55,060 だがその口実が 情熱に変わった 152 00:15:12,611 --> 00:15:21,086 標高3400メートル アンデス山脈 ポマカンチ湖 153 00:15:25,557 --> 00:15:30,963 〈アンドレ 見てくれ こういうのはダメだ〉 154 00:15:31,196 --> 00:15:35,501 〈くっついてるから 料理には使えない〉 155 00:15:35,601 --> 00:15:37,169 〈捨てていいよ〉 156 00:15:37,336 --> 00:15:40,639 〈でも こっちのは完璧だ〉 157 00:15:41,073 --> 00:15:46,011 〈緑で透明感があって きれいな球形をしてる〉 158 00:16:01,126 --> 00:16:03,128 〈いくつある?〉 159 00:16:04,263 --> 00:16:05,364 〈少しだけ〉 160 00:16:30,255 --> 00:16:35,427 アンデス山脈の湖には 小さな緑色の玉が― 161 00:16:35,527 --> 00:16:37,563 湖面に浮いてるんだ 162 00:16:38,697 --> 00:16:41,567 小さな緑色の藻の玉で― 163 00:16:42,368 --> 00:16:45,437 キャビアみたいだが バクテリアだ 164 00:16:46,572 --> 00:16:49,441 高級料理店では 誰も使わない 165 00:16:49,775 --> 00:16:51,477 でもビルヒリオは違う 166 00:16:57,383 --> 00:16:58,250 〈この木?〉 167 00:16:58,350 --> 00:17:00,719 〈ああ 樹脂が薬になる〉 168 00:17:01,587 --> 00:17:02,588 〈食べられる?〉 169 00:17:02,688 --> 00:17:04,289 〈墓場行きだよ〉 170 00:17:06,125 --> 00:17:10,195 ビルヒリオは樹脂を含んだ 木の皮を探す 171 00:17:10,562 --> 00:17:12,064 普通は食べないよ 172 00:17:13,565 --> 00:17:18,604 村によっては 頭痛や腎臓のために― 173 00:17:18,704 --> 00:17:22,074 薬として使うかもしれない 174 00:17:23,308 --> 00:17:28,347 彼が料理に使うなんて 現地の人には理解できない 175 00:17:28,614 --> 00:17:30,249 〈根っこは食べる?〉 176 00:17:30,582 --> 00:17:31,483 〈食べない〉 177 00:17:31,683 --> 00:17:33,619 〈“タンボ”に使うよ〉 178 00:17:33,719 --> 00:17:36,355 〈つまり家のことだ〉 179 00:17:40,726 --> 00:17:45,097 ビルヒリオは おいしさだけを追求してない 180 00:17:45,197 --> 00:17:48,734 不快に感じる料理も 時にはある 181 00:17:50,369 --> 00:17:55,507 あらゆる食材を味わってこそ ペルー料理が理解できる 182 00:17:55,741 --> 00:17:58,377 彼はそう考えてる 183 00:18:20,766 --> 00:18:24,269 〈トゲのある植物が こっちにある〉 184 00:18:24,403 --> 00:18:28,407 〈アンカシュのものと 同じか確認しないと〉 185 00:18:32,678 --> 00:18:34,546 〈持って帰る〉 186 00:18:35,180 --> 00:18:36,782 〈何を見つけた?〉 187 00:18:37,516 --> 00:18:39,351 〈白いのを探して〉 188 00:18:40,152 --> 00:18:41,820 〈使ったことがないんだ〉 189 00:18:42,387 --> 00:18:46,625 “セントラル”の メニューは非常に独特だ 190 00:18:46,792 --> 00:18:50,662 180種類もの食材を 使ってるけど― 191 00:18:50,762 --> 00:18:53,132 半分は未知のものだ 192 00:18:54,733 --> 00:19:01,173 常識を打ち破る何かを 達成するにはチームが必要だ 193 00:19:01,640 --> 00:19:03,575 〈彼らは“チリカ”と〉 194 00:19:03,675 --> 00:19:09,848 〈まったく違う植物も チリカと呼んでたの〉 195 00:19:10,149 --> 00:19:12,451 〈特定するのが難しい〉 196 00:19:13,352 --> 00:19:16,588 〈ケチュア語は 発音通りに書いてね〉 197 00:19:16,722 --> 00:19:18,290 〈聞こえた通り?〉 198 00:19:18,390 --> 00:19:22,561 〈そうよ 登録しないと いけないから〉 199 00:19:24,696 --> 00:19:26,632 マレーナは科学に強い 200 00:19:28,767 --> 00:19:32,437 ペルーのどの厨房でも 扱わない食材に― 201 00:19:32,538 --> 00:19:35,641 科学的な方法で アプローチする 202 00:19:36,708 --> 00:19:41,647 私たちはペルーの各地から 食材を持ち帰って― 203 00:19:42,514 --> 00:19:46,218 その種類を特定しているの 204 00:19:46,919 --> 00:19:49,221 店のリサーチ部門よ 205 00:19:52,357 --> 00:19:54,226 〈これは“アニス”?〉 206 00:19:54,326 --> 00:19:58,463 〈ええ でも別の所にも 生息してた〉 207 00:19:58,564 --> 00:19:59,565 〈標高が違う?〉 208 00:19:59,665 --> 00:20:01,233 〈そうなの〉 209 00:20:01,967 --> 00:20:05,504 〈比べてみると 分かるけど―〉 210 00:20:05,604 --> 00:20:09,441 〈標高が変わると 全然 違うの〉 211 00:20:09,708 --> 00:20:10,909 〈同じ植物?〉 212 00:20:11,376 --> 00:20:14,246 〈同じだけど生息地が違う〉 213 00:20:15,614 --> 00:20:17,783 ここが最初のフィルターよ 214 00:20:18,217 --> 00:20:23,822 可能性のある物を見つけて 店で実際に使ってみる 215 00:20:24,523 --> 00:20:26,491 〈店に持っていこう〉 216 00:20:26,625 --> 00:20:28,360 〈すぐに使える〉 217 00:20:28,460 --> 00:20:31,763 〈残りは調査を続けて〉 218 00:20:38,270 --> 00:20:40,272 〈ピア やってみよう〉 219 00:20:40,405 --> 00:20:41,907 〈サングレ・デ・グラードだ〉 220 00:20:42,007 --> 00:20:43,809 いい赤だ 221 00:20:48,447 --> 00:20:50,549 〈木の皮から抽出した〉 222 00:20:50,649 --> 00:20:52,651 〈すごくいい色が出てる〉 223 00:20:53,385 --> 00:20:55,420 食材が店に到着すると― 224 00:20:55,520 --> 00:20:59,524 チーム全員で あらゆる実験を行うの 225 00:20:59,958 --> 00:21:00,392 何度も試し ビルヒリオも参加して 226 00:21:00,392 --> 00:21:03,895 何度も試し ビルヒリオも参加して 〝セントラル〞シェフ・ ド・キュイジーヌ ピア・レオン 227 00:21:03,895 --> 00:21:04,263 〝セントラル〞シェフ・ ド・キュイジーヌ ピア・レオン 228 00:21:04,263 --> 00:21:05,597 〝セントラル〞シェフ・ ド・キュイジーヌ ピア・レオン 最後の最後で やっと決まる 229 00:21:05,597 --> 00:21:06,965 最後の最後で やっと決まる 230 00:21:08,033 --> 00:21:10,669 新しい料理が誕生するの 231 00:21:11,737 --> 00:21:15,307 〈もう一度 言うわ チキン2 マウンテン2〉 232 00:21:15,440 --> 00:21:18,777 〈小ダコ1 カボチャ1よ〉 233 00:21:19,311 --> 00:21:20,579 〈7番テーブルは?〉 234 00:21:20,679 --> 00:21:22,047 〈まだです〉 235 00:21:23,982 --> 00:21:26,318 〈タコを4匹お願い〉 236 00:21:26,852 --> 00:21:27,919 〈聞こえない〉 237 00:21:28,020 --> 00:21:29,021 〈了解!〉 238 00:21:29,321 --> 00:21:30,289 〈よろしく〉 239 00:21:30,589 --> 00:21:32,724 ピアはビルヒリオの妻だ 240 00:21:32,824 --> 00:21:37,996 彼女が厨房を仕切って みんなを動かしてる 241 00:21:38,563 --> 00:21:39,431 〈ピア〉 242 00:21:39,531 --> 00:21:40,732 〈何かしら?〉 243 00:21:42,301 --> 00:21:42,934 〈足りない?〉 244 00:21:43,035 --> 00:21:43,902 〈薄いわ〉 245 00:21:49,308 --> 00:21:53,612 “セントラル”は多くの人の 協力で成り立ってる 246 00:21:54,713 --> 00:21:58,750 彼には仕事を 補う仲間が必要だ 247 00:22:01,720 --> 00:22:05,757 マレーナとピアが 店を支えているので― 248 00:22:05,857 --> 00:22:08,493 彼は夢を見て冒険ができる 249 00:22:11,963 --> 00:22:14,366 ピアは僕と一緒に厨房に立つ 250 00:22:14,466 --> 00:22:18,503 マレーナは僕とアマゾニアや アンデスに出かける 251 00:22:19,338 --> 00:22:23,608 家族として いい関係だし 僕を理解してくれてる 252 00:22:25,577 --> 00:22:28,780 彼女たちなしでは “セントラル”は― 253 00:22:28,880 --> 00:22:30,649 存在しない 254 00:22:32,617 --> 00:22:33,652 〈どうかな〉 255 00:22:33,785 --> 00:22:36,455 〈見た目はいいけど―〉 256 00:22:37,089 --> 00:22:40,358 〈風味がイマイチだわ〉 257 00:22:52,738 --> 00:22:58,810 外国を回っていた頃は 料理人になりたいなら― 258 00:22:58,910 --> 00:23:03,415 伝統的な料理を出す 有名店で働けと言われた 259 00:23:03,515 --> 00:23:06,685 フレンチに イタリアンに和食 260 00:23:06,885 --> 00:23:09,688 6年間は 言われた通りに働いた 261 00:23:12,657 --> 00:23:16,828 ある時 家族に会いに ペルーに戻った 262 00:23:18,396 --> 00:23:22,968 その時にペルーの食材の 素晴らしさに気付いた 263 00:23:23,735 --> 00:23:27,105 キヌアや ペルーのジャガイモ 264 00:23:27,672 --> 00:23:32,611 マカの球根やパカイなど あらゆる食材だ 265 00:23:34,045 --> 00:23:35,981 こう思った 266 00:23:36,515 --> 00:23:40,585 “いつもの仕事に戻り イモや果物の皮をむく” 267 00:23:40,685 --> 00:23:44,589 “同じ作業の繰り返しなんて したくない” 268 00:23:45,857 --> 00:23:49,127 僕の働いていた厨房では― 269 00:23:49,427 --> 00:23:53,098 そういう見慣れない食材は 使わなかった 270 00:23:53,198 --> 00:23:54,599 僕は使いたかった 271 00:23:57,002 --> 00:24:02,140 僕は6年間 外国人として 外国料理を― 272 00:24:02,474 --> 00:24:03,809 作っていた 273 00:24:03,975 --> 00:24:06,878 ペルー料理を まったく知らなかった 274 00:24:07,445 --> 00:24:11,149 その時 僕はやっと 目が覚めた 275 00:24:22,460 --> 00:24:23,895 〈やってもいい?〉 276 00:24:24,029 --> 00:24:25,964 〈もちろんだ どうぞ〉 277 00:24:27,165 --> 00:24:28,500 〈歌いながら〉 278 00:24:28,600 --> 00:24:29,734 〈借りるよ〉 279 00:24:31,503 --> 00:24:32,537 〈あっちだ〉 280 00:24:45,617 --> 00:24:47,552 〈手本を見せよう〉 281 00:24:48,620 --> 00:24:49,788 〈見てろよ〉 282 00:24:53,491 --> 00:24:54,559 〈こうだ〉 283 00:24:57,162 --> 00:24:59,865 〈そうだ その調子だ〉 284 00:25:00,665 --> 00:25:01,700 〈いいぞ〉 285 00:25:06,004 --> 00:25:08,073 〈俺たちの仲間入りだ〉 286 00:25:16,648 --> 00:25:18,216 〈きれいな実だ〉 287 00:25:19,117 --> 00:25:20,986 〈ピスコロントだ〉 288 00:25:21,086 --> 00:25:22,153 〈ピスコロント?〉 289 00:25:22,687 --> 00:25:23,989 〈これはクーリエ〉 290 00:25:24,089 --> 00:25:24,956 〈クーリエ?〉 291 00:25:29,227 --> 00:25:31,696 〈分かった 記録しといて〉 292 00:25:37,936 --> 00:25:41,740 ペルーは地域ごとに 様々な表情を見せる 293 00:25:41,840 --> 00:25:46,044 これほど多様な生物が 生息してるのは― 294 00:25:46,144 --> 00:25:48,980 人々と文化のお陰よ 295 00:25:50,081 --> 00:25:53,919 地域それぞれに コミュニティがあり― 296 00:25:54,019 --> 00:25:58,123 私たちが知らない知識を 持っている 297 00:25:58,957 --> 00:26:03,695 ペルーの食材を探す旅を 始めてから― 298 00:26:03,695 --> 00:26:04,696 ペルーの食材を探す旅を 始めてから― 299 00:26:03,695 --> 00:26:04,696 標高3900メートル アンデス山脈 チャワイ 300 00:26:04,696 --> 00:26:04,796 標高3900メートル アンデス山脈 チャワイ 301 00:26:04,796 --> 00:26:08,600 標高3900メートル アンデス山脈 チャワイ 302 00:26:04,796 --> 00:26:08,600 現地の人々を もっと知りたくなった 303 00:26:08,600 --> 00:26:11,269 標高3900メートル アンデス山脈 チャワイ 304 00:26:12,237 --> 00:26:14,739 現地の人々と交流し― 305 00:26:14,839 --> 00:26:18,243 農産物には 深い背景があると分かった 306 00:26:19,644 --> 00:26:24,716 例えばアンデス全域の ジャガイモの種類は― 307 00:26:24,816 --> 00:26:26,885 1000種類以上 存在する 308 00:26:27,152 --> 00:26:31,656 リマにはせいぜい 5種類ほどしかないわ 309 00:26:33,858 --> 00:26:38,830 コミュニティと関わることで 多くを知るの 310 00:26:40,131 --> 00:26:42,334 〈これはお気に入りだ〉 311 00:26:42,634 --> 00:26:45,904 〈奥さんが調理法を 教えてくれた〉 312 00:26:46,805 --> 00:26:48,907 〈奥さんの 味を目指して―〉 313 00:26:49,307 --> 00:26:51,142 〈頑張ってみる〉 314 00:26:54,746 --> 00:26:57,816 農産物を育てている 人々との― 315 00:26:57,916 --> 00:27:00,652 関係を築き上げてる 316 00:27:01,720 --> 00:27:05,023 だから必要な知識を得られる 317 00:27:05,123 --> 00:27:07,926 僕たちが理解したことを― 318 00:27:09,160 --> 00:27:12,197 次はお客様に 知ってもらいたい 319 00:27:12,297 --> 00:27:16,935 アンデスやアマゾニアの 現状を知ってもらいたい 320 00:27:17,335 --> 00:27:21,106 食材や文化の共有には 料理が一番いい 321 00:27:22,640 --> 00:27:29,047 標高3900メートル 究極の茎 322 00:27:38,923 --> 00:27:44,229 このサボテンは赤い実と 種をつけるんです 323 00:27:44,729 --> 00:27:47,098 染色に使われます 324 00:27:47,732 --> 00:27:52,103 アンデスではこの種で 布を染めてるんです 325 00:27:52,804 --> 00:27:56,908 赤い種を使うのは 伝統的な染色法です 326 00:27:57,042 --> 00:27:59,844 うちでは種で魚を覆い― 327 00:28:00,211 --> 00:28:01,880 30分漬け込みます 328 00:28:02,080 --> 00:28:06,985 ウェイターに聞いたら 分からないと言われて 329 00:28:07,085 --> 00:28:11,122 うちのメニューは1日で 変わってしまう 330 00:28:11,222 --> 00:28:15,727 ウェイターが分からないなら 僕がお答えする 331 00:28:16,961 --> 00:28:18,797 どうもありがとう 332 00:28:18,930 --> 00:28:20,965 お話しできてよかった 333 00:28:23,768 --> 00:28:25,470 〈料理はいかがです?〉 334 00:28:26,337 --> 00:28:32,010 ロンドンで働いていた頃に ガストン・アクリオを知った 335 00:28:32,877 --> 00:28:36,714 彼は世界に名の知れた 革命的なシェフだ 336 00:28:40,218 --> 00:28:43,121 彼の作るペルー料理は最高だ 337 00:28:44,389 --> 00:28:48,159 僕は彼から 大きな影響を受けた 338 00:28:50,195 --> 00:28:53,164 彼のもとで学びたくて― 339 00:28:54,499 --> 00:28:58,903 働かせてもらうよう 直接 頼みに行った 340 00:28:59,504 --> 00:29:03,308 僕は採用され すぐに働き始めた 341 00:29:04,876 --> 00:29:08,913 ビルヒリオがボゴタの 私の店で働いていた時― 342 00:29:09,013 --> 00:29:13,017 彼は若かったのに 腕がとてもよかった 343 00:29:13,118 --> 00:29:16,454 いずれリーダーになると 思ったよ 344 00:29:19,758 --> 00:29:21,292 それから2年後― 345 00:29:21,793 --> 00:29:25,296 マドリードに店を 出すことになった 346 00:29:26,164 --> 00:29:30,201 “シェフになるチャンスだ マドリードに行け” 347 00:29:30,301 --> 00:29:32,337 そう彼に言った 348 00:29:32,804 --> 00:29:35,340 彼は“もちろん”と 即答したよ 349 00:29:37,075 --> 00:29:39,778 ペルー料理を作れて うれしかった 350 00:29:40,145 --> 00:29:44,816 ガストンの厨房で働けて 本当によかった 351 00:29:45,550 --> 00:29:49,320 彼が僕を ペルー料理の世界へ導き― 352 00:29:50,088 --> 00:29:54,092 伝統的なペルー料理の すべてを教えてくれた 353 00:30:02,333 --> 00:30:04,235 〈中は… ぺルーチェ?〉 354 00:30:10,074 --> 00:30:14,846 ガストンのもとで働いて 4年が経った頃― 355 00:30:15,213 --> 00:30:19,050 僕は何か新しい料理に 挑戦したくなった 356 00:30:21,486 --> 00:30:24,856 ビルヒリオは マドリードで成功し― 357 00:30:24,956 --> 00:30:27,525 すぐに人気になった 358 00:30:28,827 --> 00:30:33,131 私よりも創造的だと 言われるようになったよ 359 00:30:36,367 --> 00:30:40,138 それでマドリードの 店に様子を見に行った 360 00:30:42,073 --> 00:30:45,410 ペルーの伝統料理を 頼んでみると― 361 00:30:46,044 --> 00:30:47,512 別物になっていた 362 00:30:51,449 --> 00:30:54,485 私は彼に 料理を突き返して― 363 00:30:55,253 --> 00:30:58,122 あれこれ指示して店を出た 364 00:31:01,326 --> 00:31:05,630 僕の夢は新しいペルー料理を 作ることだったが― 365 00:31:06,264 --> 00:31:09,868 彼の店で それは かなわなかった 366 00:31:11,135 --> 00:31:15,273 勝負に出るべき時だと 感じたよ 367 00:31:15,874 --> 00:31:18,042 彼自身の勝負だ 368 00:31:18,276 --> 00:31:23,314 間違いなくビルヒリオには 勝負に出る時がきていた 369 00:31:24,549 --> 00:31:28,119 いろいろなシェフの もとで― 370 00:31:28,486 --> 00:31:30,154 10年間 働いた 371 00:31:30,255 --> 00:31:33,391 だから そろそろ自分の― 372 00:31:33,892 --> 00:31:37,595 思い通りに 料理を作りたかった 373 00:31:38,630 --> 00:31:43,334 僕の考えるペルー料理を 出すことのできる店を― 374 00:31:43,668 --> 00:31:47,238 ペルーに構えようと思った 375 00:32:02,553 --> 00:32:08,393 標高4000メートル アンデス山脈 南部高地 376 00:32:12,997 --> 00:32:13,965 〈薄いのを〉 377 00:32:16,634 --> 00:32:19,103 〈こんなふうにやるの〉 378 00:32:20,104 --> 00:32:21,239 〈こうよ〉 379 00:32:21,406 --> 00:32:23,975 〈横にしてちょうだい〉 380 00:32:25,443 --> 00:32:27,412 〈それじゃダメよ〉 381 00:32:27,645 --> 00:32:29,480 〈こう置かないと〉 382 00:32:31,215 --> 00:32:32,417 〈これはダメ〉 383 00:32:33,051 --> 00:32:37,288 〈すみません 妹が台無しにした〉 384 00:33:03,648 --> 00:33:08,019 数年前 アンデスで ワティア作りを体験した 385 00:33:09,387 --> 00:33:12,724 標高4000メートルの 山の上でね 386 00:33:23,668 --> 00:33:27,772 ワティアはアンデスでは 宗教的な意味を持つ 387 00:33:31,642 --> 00:33:34,312 人々は土を神と崇めてる 388 00:33:35,480 --> 00:33:36,714 この習慣は― 389 00:33:37,415 --> 00:33:43,621 豊作を願い母なる大地に 感謝を表すものなんだ 390 00:33:46,290 --> 00:33:52,330 ワティアは岩に泥や土を加え 熱したかまどのことだ 391 00:33:53,164 --> 00:33:57,368 ワティアを十分に熱したら 崩してしまう 392 00:34:02,306 --> 00:34:08,479 崩したワティアの中で ジャガイモに火を通していく 393 00:34:11,516 --> 00:34:15,086 ワティアを使った 調理法は― 394 00:34:15,186 --> 00:34:20,758 非常に重要だから 僕の店にも取り入れるんだ 395 00:34:22,193 --> 00:34:25,463 あの標高で 見つけた食材は― 396 00:34:25,563 --> 00:34:29,300 ワティアで調理するのが 最適だからね 397 00:34:30,068 --> 00:34:32,136 いつも考えてた 398 00:34:32,236 --> 00:34:36,174 “どうやったら 店で再現できるだろうか” 399 00:34:39,410 --> 00:34:42,814 店の真ん中に 穴は開けられない 400 00:34:45,183 --> 00:34:48,786 だが小さなかまどだったら 作れる 401 00:34:54,625 --> 00:34:58,362 アンデスのジャガイモや ハーブはある 402 00:34:58,629 --> 00:35:02,400 アンデスの土や 岩だってある 403 00:35:04,302 --> 00:35:09,140 彼は収穫期の山を 店に持ってきたんだ 404 00:35:13,611 --> 00:35:17,515 ワティアはジャガイモに 独特の風味を加える 405 00:35:17,615 --> 00:35:19,584 大地のエッセンスだ 406 00:35:21,185 --> 00:35:23,721 大地を感じることができる 407 00:35:25,556 --> 00:35:28,526 その料理を食べるだけでね 408 00:35:28,626 --> 00:35:30,294 美しい料理だよ 409 00:35:31,395 --> 00:35:37,869 標高4000メートル ワティアとアンデスのハーブ 410 00:35:54,785 --> 00:35:56,687 〈どうぞ召し上がれ〉 411 00:36:10,935 --> 00:36:13,738 リマに“セントラル”を 開いた時― 412 00:36:13,838 --> 00:36:17,742 ペルー料理を次の段階へ 引き上げたかった 413 00:36:19,177 --> 00:36:24,382 誰も見たことのない方法で ペルーを表現したかった 414 00:36:30,855 --> 00:36:34,892 店を訪れた多くのお客様は こう言った 415 00:36:35,193 --> 00:36:40,798 “素晴らしい料理だ NYやロンドンにいるようだ” 416 00:36:41,199 --> 00:36:42,900 僕には違和感があった 417 00:36:46,470 --> 00:36:50,241 そうじゃなく こう言ってほしかった 418 00:36:50,341 --> 00:36:52,510 “ペルーを食べてるようだ” 419 00:36:58,449 --> 00:36:59,617 そして気付いた 420 00:36:59,951 --> 00:37:04,589 僕の抱えてる一番の問題は 僕自身だったんだ 421 00:37:04,689 --> 00:37:09,660 どういう料理を作ればいいか 分からなくなってた 422 00:37:12,630 --> 00:37:17,401 僕は10年間 外国の影響を受けていた 423 00:37:17,735 --> 00:37:22,673 だから僕の料理はペルー風の ヨーロッパ料理だった 424 00:37:26,377 --> 00:37:30,281 僕の料理には アイデンティティが欠けてた 425 00:37:31,415 --> 00:37:34,452 修正する必要があった 426 00:37:59,477 --> 00:38:03,781 ペルーを知るために 1年間 旅に出た 427 00:38:04,448 --> 00:38:06,851 インスピレーションを 得るためだ 428 00:38:28,639 --> 00:38:33,744 アマゾニアやアンデスには 美しい景色が広がってた 429 00:38:40,318 --> 00:38:45,756 ペルーは リマだけじゃないと気付いた 430 00:38:54,532 --> 00:38:58,369 家族とアンデスで 1週間 過ごした 431 00:38:58,803 --> 00:39:00,604 モライ遺跡のそばだった 432 00:39:03,708 --> 00:39:07,411 初めて遺跡を見た時は 本当に驚いた 433 00:39:08,746 --> 00:39:10,348 モライ遺跡は― 434 00:39:10,448 --> 00:39:14,785 すり鉢状になった 円形の段々畑だ 435 00:39:15,753 --> 00:39:20,458 何百年も前に 農業試験場として使われてた 436 00:39:21,025 --> 00:39:23,461 インカ族はそこで― 437 00:39:23,728 --> 00:39:28,032 段ごとに 作物の生育の違いを調べた 438 00:39:31,435 --> 00:39:33,571 僕は段々畑に― 439 00:39:33,671 --> 00:39:35,039 引き込まれた 440 00:39:42,613 --> 00:39:47,885 アンデスの人々と話をして 彼らの人生観を学んだ 441 00:39:47,985 --> 00:39:52,556 僕たちの多くと アンデスの人々では― 442 00:39:53,524 --> 00:39:56,660 世界の見方が違っていた 443 00:39:58,729 --> 00:40:03,701 彼らは標高ごとに 世界が異なると考える 444 00:40:04,135 --> 00:40:07,104 彼らにとっての世界は 縦方向で― 445 00:40:07,405 --> 00:40:10,441 平らな横方向ではない 446 00:40:14,478 --> 00:40:15,746 これだと思った 447 00:40:17,415 --> 00:40:20,718 ペルーに対する考え方が 変わった 448 00:40:24,422 --> 00:40:27,124 “セントラル”に戻り― 449 00:40:28,526 --> 00:40:30,661 ピアに こう言った 450 00:40:31,162 --> 00:40:32,696 “ひらめいた” 451 00:40:34,165 --> 00:40:40,070 “標高ごとの生態系を 概念化しメニューに加える” 452 00:40:41,205 --> 00:40:43,974 “標高ごとに違う料理を―” 453 00:40:44,775 --> 00:40:46,877 “作るんだ” 454 00:40:47,111 --> 00:40:51,749 “ただ現地の風景を 表現するだけじゃない” 455 00:40:51,882 --> 00:40:55,653 “お客様にペルー各地を 感じてほしい” 456 00:40:56,554 --> 00:41:00,891 このコンセプトのために マレーナには― 457 00:41:00,991 --> 00:41:03,694 科学的に協力してもらった 458 00:41:06,464 --> 00:41:09,467 標高ごとの メニューのために― 459 00:41:10,100 --> 00:41:11,735 多くを変えた 460 00:41:12,536 --> 00:41:17,141 お客様を失うと予想されたし 実際に失った 461 00:41:18,843 --> 00:41:23,247 だがどうしても そのメニューを実現したくて 462 00:41:23,547 --> 00:41:25,483 心のままに行動した 463 00:41:29,954 --> 00:41:34,191 2012年 彼らは “標高メニュー”を考案した 464 00:41:36,594 --> 00:41:41,532 メニューには標高ごとに 20の料理が並んでる 465 00:41:42,700 --> 00:41:46,904 そうやってペルーを 並べた人はいない 466 00:41:50,674 --> 00:41:54,011 彼の表現方法は 大きな衝撃を与え― 467 00:41:54,111 --> 00:41:57,214 注目を集めるようになった 468 00:42:03,521 --> 00:42:07,691 2013年には世界のベスト・ レストラン50に選出 469 00:42:08,192 --> 00:42:10,528 彼の料理を通して― 470 00:42:10,628 --> 00:42:14,231 ペルーを感じようと 世界中から人々が訪れた 471 00:42:16,534 --> 00:42:20,571 2015年には 世界第4位になった 472 00:42:22,973 --> 00:42:27,244 ガストンを超えたんだ 誰も予想してなかったよ 473 00:42:32,583 --> 00:42:35,586 “セントラル”は ただのレストランではなく 474 00:42:35,819 --> 00:42:37,254 ペルーの象徴になった 475 00:42:45,229 --> 00:42:48,599 ビルヒリオのメニューは 感情と― 476 00:42:49,333 --> 00:42:51,135 思考に訴える 477 00:42:51,569 --> 00:42:54,872 知らないことはないと 思っていても― 478 00:42:55,005 --> 00:42:57,007 新たな発見がある 479 00:43:00,778 --> 00:43:06,150 料理人として なぜ 気付かなかったのかと思うよ 480 00:43:07,117 --> 00:43:10,721 彼のやり方は 本当に素晴らしい 481 00:43:31,842 --> 00:43:36,747 標高210メートル タンボパタのジャングル 482 00:43:54,632 --> 00:43:59,670 標高0メートル 収穫と収集 483 00:44:11,382 --> 00:44:16,253 標高250メートル パチャカマックの収穫 484 00:44:25,796 --> 00:44:29,967 標高1050メートル 緑の丘 485 00:44:37,307 --> 00:44:41,211 標高180メートル 川の薄片 486 00:44:46,083 --> 00:44:50,187 標高-10メートル 近海の釣り 487 00:44:58,429 --> 00:45:02,900 標高2800メートル トウモロコシの多様性 488 00:45:06,437 --> 00:45:10,107 標高860メートル 高地のジャングル 489 00:45:21,852 --> 00:45:25,989 標高2190メートル 太陽のゼリー 490 00:45:29,993 --> 00:45:34,898 標高400メートル アマゾニアの色彩 491 00:45:41,872 --> 00:45:47,010 標高4100メートル アイハ高山 492 00:46:06,763 --> 00:46:08,198 〈おすわりしてる〉 493 00:46:13,303 --> 00:46:14,438 〈クリストバル〉 494 00:46:14,538 --> 00:46:16,039 〈クリストバル〉 495 00:46:17,107 --> 00:46:20,344 クリストバルの将来を 考えると― 496 00:46:21,011 --> 00:46:24,081 楽しい気分になる 497 00:46:25,549 --> 00:46:28,218 シェフになるのを 想像したりね 498 00:46:31,288 --> 00:46:34,091 だが息子は まだ5ヵ月だ 499 00:46:34,191 --> 00:46:38,862 だから今の成長を 大事にしようと思う 500 00:46:44,334 --> 00:46:46,103 知ってるぞ! 501 00:46:46,303 --> 00:46:49,506 ビルヒリオには いろんな計画がある 502 00:46:50,274 --> 00:46:54,444 家族とは できるだけそばにいて― 503 00:46:54,912 --> 00:46:57,247 もっと家庭的になるとかね 504 00:47:01,351 --> 00:47:02,986 それと同時に彼は― 505 00:47:03,086 --> 00:47:07,090 料理の道を 掘り下げたいとも考えてる 506 00:47:09,259 --> 00:47:12,396 いろんな所に出かけて― 507 00:47:12,496 --> 00:47:15,265 様々な食材を見つけたいの 508 00:47:15,532 --> 00:47:17,301 ペルーのあちこちでね 509 00:47:20,037 --> 00:47:23,140 “標高メニュー”を 思いついてから― 510 00:47:23,974 --> 00:47:26,410 新しい物を探し続けてる 511 00:47:26,577 --> 00:47:29,179 メニューの考案から 4年 経ち― 512 00:47:29,947 --> 00:47:31,215 こう思う 513 00:47:32,349 --> 00:47:37,187 僕たちは何も知らない 分かったのは少しだけ 514 00:47:37,854 --> 00:47:40,023 学ぶことはまだある 515 00:47:41,124 --> 00:47:45,162 これは進歩するための 始まりに過ぎない