1 00:00:02,292 --> 00:00:06,992 あっ さっきまで一緒やったんですけども ホテルに戻らはりまして。 2 00:00:08,932 --> 00:00:12,135 それが もう 今朝 チェックアウトしたそうです。 3 00:00:12,135 --> 00:00:14,070 は? チェックアウト? 4 00:00:14,070 --> 00:00:16,806 僕が来ると分かってたんだ…。 5 00:00:16,806 --> 00:00:18,741 え? 6 00:00:18,741 --> 00:00:22,941 <何やら事情がありそうな 田村親子でした> 7 00:00:25,815 --> 00:00:28,815 違うって。 いや だから 何で そんな勝手なこと…。 8 00:00:59,482 --> 00:01:02,385 [ 回想 ] (和彦)たとえ 結婚に反対されたままでも➡ 9 00:01:02,385 --> 00:01:08,658 母さんは 僕を産んでくれた この世で たった一人の大切な人。 10 00:01:08,658 --> 00:01:13,458 これからは 決して 母さんを 一人にはしない。 11 00:01:17,367 --> 00:01:20,067 (ノック) 12 00:01:22,972 --> 00:01:25,675 (波子)奥様 本日は これで。 13 00:01:25,675 --> 00:01:27,977 (重子)ご苦労さま。 14 00:01:27,977 --> 00:01:31,477 あの… それは? 15 00:01:33,783 --> 00:01:36,583 嫌になっちゃった。 16 00:01:49,332 --> 00:01:52,802 (カセットデッキ・歌子)「あ~ あっ…」。 (歌子のせきばらい) 17 00:01:52,802 --> 00:01:58,474 (カセットデッキ・歌子)「あっ 初めまして 比嘉歌子と申します。➡ 18 00:01:58,474 --> 00:02:03,346 沖縄の 比嘉暢子の妹です。➡ 19 00:02:03,346 --> 00:02:07,951 えっと… 結婚させてください。➡ 20 00:02:07,951 --> 00:02:15,491 あっ うちではなくて 和彦君と 暢ネーネー… じゃなくて 暢子です。➡ 21 00:02:15,491 --> 00:02:22,165 うちは… じゃなくて 私 歌います」。 22 00:02:22,165 --> 00:02:27,337 (カセットデッキ・歌子)♬「名も知ら」 23 00:02:27,337 --> 00:02:30,974 (カセットデッキ・歌子)「あっ すいません もう一回 やり直します」。 24 00:02:30,974 --> 00:02:33,443 ♬~(カセットデッキ・三線) 25 00:02:33,443 --> 00:02:35,378 (カセットデッキ・優子)「歌子 ごはんだよ」。 26 00:02:35,378 --> 00:02:37,313 (カセットデッキ・歌子) 「あっ ちょっ ちょっと待って」。 27 00:02:37,313 --> 00:02:39,315 (カセットデッキ・優子)「何かしてるわけ?」。 28 00:02:39,315 --> 00:02:41,317 (カセットデッキ・歌子) 「ああ… 何にもしてないよ」。 29 00:02:41,317 --> 00:02:45,317 ♬~(カセットデッキ・三線) 30 00:02:49,459 --> 00:02:54,130 暢子さんのご家族は 愉快な方ばかりですね。 31 00:02:54,130 --> 00:02:59,130 急に 同居したいだなんて言いだして。 32 00:03:06,709 --> 00:03:11,709 (ドアベル) 33 00:03:13,483 --> 00:03:17,483 (房子)いらっしゃいませ。 (暢子)いらっしゃいませ。 34 00:03:23,493 --> 00:03:27,330 ♬~ 35 00:03:27,330 --> 00:03:33,102 ♬「陽の光 纏う朝」 36 00:03:33,102 --> 00:03:39,275 ♬「開く窓 願う姿」 37 00:03:39,275 --> 00:03:49,619 ♬「忘れない 机の前 あなたの場所」 38 00:03:49,619 --> 00:03:56,292 ♬「また会えたら話をしよう」 39 00:03:56,292 --> 00:04:01,130 ♬「あの日の続きを聴かせてよ」 40 00:04:01,130 --> 00:04:08,471 ♬「届いて この歌 あなたへ」 41 00:04:08,471 --> 00:04:14,143 ♬「降り注ぐ 順光線」 42 00:04:14,143 --> 00:04:21,484 ♬「照らす背には 永久の願い」 43 00:04:21,484 --> 00:04:31,484 ♬「『大丈夫 ほら 見ていて』」 44 00:04:38,968 --> 00:04:43,106 (房子)この時間は 貸し切りにさせていただきました。 45 00:04:43,106 --> 00:04:46,806 一体 何をたくらんでらっしゃるの? 46 00:04:52,782 --> 00:04:55,118 お待たせいたしました。 47 00:04:55,118 --> 00:04:57,787 本日は 特製メニューです。 48 00:04:57,787 --> 00:05:01,787 前菜のソップレッサータでございます。 49 00:05:08,297 --> 00:05:11,497 (房子)ごゆっくり お召し上がりください。 50 00:05:15,938 --> 00:05:19,809 頂きます。 頂きます。 51 00:05:19,809 --> 00:05:32,755 ♬~ 52 00:05:32,755 --> 00:05:36,259 普通に おいしいけど? 53 00:05:36,259 --> 00:05:39,295 いつもとは味が違うような…。 54 00:05:39,295 --> 00:05:49,772 ♬~ 55 00:05:49,772 --> 00:05:53,109 秋のミネストローネです。 56 00:05:53,109 --> 00:06:07,109 ♬~ 57 00:06:20,937 --> 00:06:24,137 エビの頭? 58 00:06:25,775 --> 00:06:28,475 何か ねらいがあるのかな。 59 00:06:36,419 --> 00:06:40,089 コトレッタ・アッラ・ミラネーゼです。 60 00:06:40,089 --> 00:06:59,108 ♬~ 61 00:06:59,108 --> 00:07:01,408 クジラ? 62 00:07:03,980 --> 00:07:06,983 まさか…。 63 00:07:06,983 --> 00:07:27,803 ♬~ 64 00:07:27,803 --> 00:07:30,306 特製のお寿司です。 65 00:07:30,306 --> 00:07:33,106 (和彦)えっ お寿司? 66 00:07:39,882 --> 00:07:42,682 (和彦)フォンターナでお寿司? 67 00:07:55,364 --> 00:07:58,100 おから? 68 00:07:58,100 --> 00:08:00,800 やっぱり これ…。 69 00:08:03,773 --> 00:08:07,073 懐かしい。 70 00:08:10,546 --> 00:08:15,785 毎日 おなかをすかせてた 終戦直後の…。 71 00:08:15,785 --> 00:08:21,085 お父さんと よく行った… 闇市の味。 72 00:08:22,925 --> 00:08:26,462 オーナーも よくご存じですよね。 73 00:08:26,462 --> 00:08:28,497 あまりにも材料がなくて➡ 74 00:08:28,497 --> 00:08:33,069 今では 考えられないような料理が ありました。 75 00:08:33,069 --> 00:08:35,738 本日の特製メニューは➡ 76 00:08:35,738 --> 00:08:40,876 終戦直後に 主に 闇市で出されていた料理です。 77 00:08:40,876 --> 00:08:44,580 ご承知のとおり 材料が不足していたことから➡ 78 00:08:44,580 --> 00:08:48,417 苦肉の策で生まれたものです。 79 00:08:48,417 --> 00:08:53,289 前菜のゼリー寄せは 豚の代わりに魚肉ソーセージを。 80 00:08:53,289 --> 00:08:56,158 スープは 当時 進駐軍スープなど➡ 81 00:08:56,158 --> 00:08:59,128 さまざまな呼び名があったものを イメージして➡ 82 00:08:59,128 --> 00:09:03,899 本来は 一緒に使わない素材を 組み合わせました。 83 00:09:03,899 --> 00:09:06,435 カツレツは 牛肉の代わりに➡ 84 00:09:06,435 --> 00:09:11,273 当時 多かった クジラ肉とネギを使いました。 85 00:09:11,273 --> 00:09:16,112 そして お米も生魚も ままならなかった時代の➡ 86 00:09:16,112 --> 00:09:18,447 おからのお寿司。 87 00:09:18,447 --> 00:09:22,747 ネタは 野菜や こんにゃくで 工夫してあります。 88 00:09:27,623 --> 00:09:31,861 お父さんが 戦争から生きて帰ってきてくれた時➡ 89 00:09:31,861 --> 00:09:37,661 母さんは 本当にうれしかった。 90 00:09:39,602 --> 00:09:42,405 (重子)自分でも 驚いたわ。 91 00:09:42,405 --> 00:09:48,878 親同士が決めた結婚で 好きでもない相手と思っていたのに。➡ 92 00:09:48,878 --> 00:09:53,249 あのころは 食べ物が足りなかった。 93 00:09:53,249 --> 00:09:58,888 闇市には 何でもあったけれど 値段が どんどん上がって。 94 00:09:58,888 --> 00:10:03,726 私の実家も あのころは お金がなくて。 95 00:10:03,726 --> 00:10:08,726 そんな時 あなたが生まれた。 96 00:10:11,100 --> 00:10:16,772 (重子)何年かして 闇市は 「マーケット」と名前を変えて。➡ 97 00:10:16,772 --> 00:10:20,609 あなたを連れて 3人で出かけては➡ 98 00:10:20,609 --> 00:10:25,448 まだ こういう料理を食べていたわ。 99 00:10:25,448 --> 00:10:30,319 おいしくなかったのよ。 今 考えるとね。 100 00:10:30,319 --> 00:10:40,629 ♬~ 101 00:10:40,629 --> 00:10:46,429 でも あのころ それが おいしかったの。 102 00:10:48,804 --> 00:10:55,478 不思議ね 生活が豊かになるにつれて➡ 103 00:10:55,478 --> 00:10:58,478 言い争うようになった。 104 00:11:00,649 --> 00:11:03,953 (重子)戦争中の世の中も➡ 105 00:11:03,953 --> 00:11:07,823 戦後の物のない暮らしも 私は 大っ嫌い! 106 00:11:07,823 --> 00:11:12,661 子供には 絶対に味わわせたくない。 107 00:11:12,661 --> 00:11:17,833 でも ひょっとしたら➡ 108 00:11:17,833 --> 00:11:25,508 あのころが 私の人生で 一番 幸せだったのかも。 109 00:11:25,508 --> 00:12:12,822 ♬~ 110 00:12:12,822 --> 00:12:16,022 ごちそうさまでした。 111 00:12:23,833 --> 00:12:31,640 私は 一度 自分を信じられなくなりました。 112 00:12:31,640 --> 00:12:37,940 和彦君を 不幸にしてしまうかもしれない。 そう 思い始めていました。 113 00:12:40,916 --> 00:12:45,454 思いとどまらせてくれたのは 姉です。 114 00:12:45,454 --> 00:12:49,954 私は 和彦君に ふさわしくないかもしれません。 115 00:12:51,627 --> 00:12:59,301 でも 私を信じてくれている家族は すばらしい家族です。 116 00:12:59,301 --> 00:13:06,801 家族との思い出は 私が 世界中に自慢できる宝物です。 117 00:13:09,311 --> 00:13:14,950 私を 信じてくれてる フォンターナの皆さんもです。 118 00:13:14,950 --> 00:13:22,450 ここで過ごした歳月は 胸を張って誇れる宝物です。 119 00:13:25,694 --> 00:13:32,368 重子さんにも 大切な思い出 宝物があって➡ 120 00:13:32,368 --> 00:13:36,105 うちとは 全然 違うものだと思います。 121 00:13:36,105 --> 00:13:42,805 でも きっと どちらも大切な宝物なはずです。 122 00:13:45,447 --> 00:13:53,122 それを教えてくれたのは 和彦君のお父さんでした。 123 00:13:53,122 --> 00:13:57,459 [ 回想 ] (史彦)そして 思い出は 必ず それぞれに違います。➡ 124 00:13:57,459 --> 00:14:03,332 その違いを知って 考えて 互いを尊重してください。 125 00:14:03,332 --> 00:14:10,332 その先にだけ 幸せな未来が待ってると 私は そう思っています。 126 00:14:14,643 --> 00:14:22,443 重子さんの 大切な思い出の味を 作れたらと思いました。 127 00:14:29,658 --> 00:14:32,628 披露宴は イタリア料理でお願いしますね。 128 00:14:32,628 --> 00:14:37,266 あと 沖縄料理も 食べさせてもらいたいわ。 129 00:14:37,266 --> 00:14:40,102 えっ…。 母さん…。 130 00:14:40,102 --> 00:14:45,102 来年の春でしたよね? 楽しみにしています。 131 00:14:47,776 --> 00:14:49,712 お義母さん…。 132 00:14:49,712 --> 00:14:52,114 「しーちゃん」➡ 133 00:14:52,114 --> 00:14:55,784 …と 呼んでくださる? えっ? 134 00:14:55,784 --> 00:15:01,084 私 孫ができても 「おばあちゃん」とは呼ばれたくないの。 135 00:15:06,795 --> 00:15:10,666 しーちゃん 駄目? 136 00:15:10,666 --> 00:15:14,366 いえ そんなことは…。 137 00:15:16,138 --> 00:15:18,474 (重子)駄目? しーちゃん。 138 00:15:18,474 --> 00:15:22,774 (笑い声) 139 00:15:33,722 --> 00:15:36,722 「グレートトラバース3」! 140 00:15:38,660 --> 00:15:42,798 日本を代表する三百の頂。 141 00:15:42,798 --> 00:15:46,668 その全てを自らの足だけで踏破する➡ 142 00:15:46,668 --> 00:15:50,672 前代未聞の挑戦だ。 143 00:15:50,672 --> 00:15:53,672 挑むのは… 144 00:15:56,145 --> 00:15:59,815 始まるぞ~! 145 00:15:59,815 --> 00:16:05,115 今回の舞台は 新潟の三百名山…