1 00:00:33,601 --> 00:00:43,601 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:52,670 --> 00:01:01,670 ♬~ 3 00:01:41,669 --> 00:01:44,672 (草若)はい。 はい。 4 00:01:44,672 --> 00:01:47,972 明日から 落語の稽古や。 5 00:01:49,610 --> 00:01:52,597 <入門から 1か月近くたって➡ 6 00:01:52,597 --> 00:01:57,602 やっと 落語の稽古を つけてもらえる事になりました> 7 00:01:57,602 --> 00:02:04,609 ♬~ 8 00:02:04,609 --> 00:02:07,111 (喜代美) よろしくお願いいたします! 9 00:02:07,111 --> 00:02:10,164 お~! なかなか かわいらしい。 10 00:02:10,164 --> 00:02:12,100 ありがとうございます! 11 00:02:12,100 --> 00:02:15,103 ほな そこ座って。 はい! 12 00:02:15,103 --> 00:02:20,108 ♬~ 13 00:02:20,108 --> 00:02:26,097 あんたの前に あんのが 見台 膝隠し 小拍子。➡ 14 00:02:26,097 --> 00:02:30,168 この3点セットは 上方落語特有のもんで➡ 15 00:02:30,168 --> 00:02:36,174 例えば うどん屋の噺とか お膳が出てくる噺とか➡ 16 00:02:36,174 --> 00:02:40,111 偉い先生が 改まって もの言う噺な…。 (小拍子の音) 17 00:02:40,111 --> 00:02:44,115 すっご~い! 落語家っぽい…。 18 00:02:44,115 --> 00:02:47,168 人が話してる時は聞きなさい。 19 00:02:47,168 --> 00:02:50,171 すいません! ごめんなさい。 20 00:02:50,171 --> 00:02:55,109 と まあまあ あんた もう そこそこ知ってると思うけども➡ 21 00:02:55,109 --> 00:03:01,666 落語の小道具は この2つ。 扇子と手拭い。 22 00:03:01,666 --> 00:03:05,286 この たった2つが いろんなもんに変わる。 23 00:03:05,286 --> 00:03:08,439 例えば…。 24 00:03:08,439 --> 00:03:14,112 ふ~っ ふ~っ ふっふっ…。 (うどんをすする音) 25 00:03:14,112 --> 00:03:17,098 …と うどんをすすったり。 26 00:03:17,098 --> 00:03:20,598 す~っ す~っ! 27 00:03:22,703 --> 00:03:25,123 手紙を書いたり。 28 00:03:25,123 --> 00:03:27,108 ははっ…。 29 00:03:27,108 --> 00:03:30,661 (床をたたく音) 「こんにちは。 いてはりまっか?」。 30 00:03:30,661 --> 00:03:34,165 (床をたたく音) 「開けとくなはれ」。 31 00:03:34,165 --> 00:03:37,668 と こういう具合に やる訳やけども➡ 32 00:03:37,668 --> 00:03:41,672 仕草は 稽古しもって おいおい。 (床をたたく音) 33 00:03:41,672 --> 00:03:45,660 いやいやいや! いや… 今は やらんでもええ。 34 00:03:45,660 --> 00:03:48,663 「こんにちは」。 (床をたたく音) 35 00:03:48,663 --> 00:03:50,665 「開けとくなはれ」。 36 00:03:50,665 --> 00:03:53,601 好きにやってなはれ もう…。 37 00:03:53,601 --> 00:03:57,171 「こんにちは」。 (床をたたく音) 38 00:03:57,171 --> 00:03:59,671 「開けとくなはれ」。 39 00:04:02,610 --> 00:04:04,662 「こんにちは」。 40 00:04:04,662 --> 00:04:07,665 (草原)喜代美ちゃんの 不器用なんも 筋金入りやな。 41 00:04:07,665 --> 00:04:10,268 (四草)右手と左手で いっぺんに 別の動きが でけへんのでしょ。 42 00:04:10,268 --> 00:04:12,336 (草々)よう 三味線 弾けたな…。 43 00:04:12,336 --> 00:04:14,272 (小草若)頑張り屋さんちゅう こっちゃがな~。 44 00:04:14,272 --> 00:04:16,657 ふ~ん。 で 頑張り屋って 何 売ってんねん? 45 00:04:16,657 --> 00:04:19,110 ちゃかしなはんなて! (草原 小草若)ハハハハ! 46 00:04:19,110 --> 00:04:23,664 何にするつもりでしょうね? 47 00:04:23,664 --> 00:04:27,168 最初のネタ。 ああ…。 48 00:04:27,168 --> 00:04:32,607 「寿限無」やったら ええのにな。 それやったら 俺も…。 49 00:04:32,607 --> 00:04:34,942 寿限無寿限無 五劫の摺り切れ 海砂利水魚の➡ 50 00:04:34,942 --> 00:04:37,995 水行末 雲来末 風来末 食う寝る所に住む所➡ 51 00:04:37,995 --> 00:04:41,666 藪ら柑子 ぶら柑子 パイポパイポ パイポの シューリンガン シューリンガンのグーリンダイ➡ 52 00:04:41,666 --> 00:04:44,966 グーリンダイの ポンポコピーの ポンポンナの 長久命の長助。 53 00:04:47,288 --> 00:04:50,324 ほらほら 何を うっとりしとるんや? 54 00:04:50,324 --> 00:04:54,295 よどみなく しゃべる お姿が あんまり すてきで つい…。 55 00:04:54,295 --> 00:04:56,597 ついといで。 はい! 56 00:04:56,597 --> 00:05:01,669 藪ら柑子 ぶら柑子。 藪ら柑子 ぶら柑子。 57 00:05:01,669 --> 00:05:03,969 パイポパイポ パイポ…。 58 00:05:05,623 --> 00:05:07,658 何で寄り添い合うてんねん! 59 00:05:07,658 --> 00:05:10,661 ウヘヘヘヘヘヘッ! 60 00:05:10,661 --> 00:05:13,998 夕日に溶けて なくなってしまえばええのに…。 61 00:05:13,998 --> 00:05:17,001 にいさんは 何やと思います? う~ん そりゃ やっぱり➡ 62 00:05:17,001 --> 00:05:21,506 「東の旅発端」と違うんか? 俺も最初は そうやった。 63 00:05:21,506 --> 00:05:24,008 上方落語は 大道芸から 始まってるさかい➡ 64 00:05:24,008 --> 00:05:25,943 こう にぎやかにやって 客寄せをすんのが➡ 65 00:05:25,943 --> 00:05:27,995 前座の役割やった。 66 00:05:27,995 --> 00:05:31,666 この「東の旅発端」は もってこいや。 67 00:05:31,666 --> 00:05:33,768 大阪離れて はや 玉造。 68 00:05:33,768 --> 00:05:36,337 ここに 枡屋芳兵衛 鶴屋秀次郎という➡ 69 00:05:36,337 --> 00:05:39,006 二軒の茶店がございまして この辺を二軒茶屋と申します…。 70 00:05:39,006 --> 00:05:41,342 「時うどん」かもしれへんな? おお! 71 00:05:41,342 --> 00:05:43,661 聴けや! けど うどん食べたり➡ 72 00:05:43,661 --> 00:05:46,113 小拍子たたいたりするネタは もってけえへんのと違いますか? 73 00:05:46,113 --> 00:05:48,266 (草原 草々)ああ。 74 00:05:48,266 --> 00:05:50,935 底抜けに 不器用やさかいなあ…。 75 00:05:50,935 --> 00:05:54,672 とらんといて下さいて! ほな 何やろ? 76 00:05:54,672 --> 00:05:56,941 やっぱ 「寿限無」! 「つる」か? 77 00:05:56,941 --> 00:05:59,010 おお ええセンかもしれへん。 78 00:05:59,010 --> 00:06:02,113 賭けますか? (3人)え? 79 00:06:02,113 --> 00:06:04,265 喜代美の最初のネタが何か。 80 00:06:04,265 --> 00:06:06,684 おい 何ちゅう不謹慎な事を 言うねん。 81 00:06:06,684 --> 00:06:08,686 いいでしょ。 きつねうどんの1杯ぐらい。 82 00:06:08,686 --> 00:06:11,706 まあまあ それぐらいやったらな。 ええ!? 83 00:06:11,706 --> 00:06:16,277 ええんですか? 何や知らん おもろいやないか。 84 00:06:16,277 --> 00:06:19,664 にいさん だんだん 師匠に似てきましたね。 85 00:06:19,664 --> 00:06:22,283 あ~ 俺 「寿限無」な。 はいはい。 86 00:06:22,283 --> 00:06:25,603 俺は 「東の旅」。 「つる」。 87 00:06:25,603 --> 00:06:29,607 「東の旅」と「つる」ね。 お前は? 88 00:06:29,607 --> 00:06:32,944 僕は胴元ですから それ以外 やったら 僕の総取りいう事で。 89 00:06:32,944 --> 00:06:36,998 お前 汚いぞ! おい! 底抜けに締めたる! 90 00:06:36,998 --> 00:06:39,333 「それ以外」て どんだけあんねん! 91 00:06:39,333 --> 00:06:42,670 「こんにちは」。 (畳をたたく音) 92 00:06:42,670 --> 00:06:46,007 「開けとくなはれ」。 (畳をたたく音) 93 00:06:46,007 --> 00:06:51,596 ≪「こんにちは。 開けとくなはれ」。 94 00:06:51,596 --> 00:06:54,031 おい 喜ィ公。 ≪「いてはりまっか?」。 95 00:06:54,031 --> 00:06:56,033 「こんにちは」。 ≪おい! 96 00:06:56,033 --> 00:06:59,033 あ… はい? 97 00:07:01,606 --> 00:07:04,906 そんな いっぺんに うまならへん。 あんまり 根 詰めるな。 98 00:07:06,961 --> 00:07:09,997 はい。 99 00:07:09,997 --> 00:07:11,997 喜ィ公。 100 00:07:14,952 --> 00:07:18,606 この間は すまんかったな。 え? 101 00:07:18,606 --> 00:07:23,327 きつい事 言うてしもて…。 102 00:07:23,327 --> 00:07:30,001 お前は ほんまに 自分の事しか 見えてへんな! 103 00:07:30,001 --> 00:07:32,001 落語家に向いてへん! 104 00:07:35,339 --> 00:07:38,339 あのあと 師匠に怒られた。 105 00:07:40,661 --> 00:07:46,661 自分の事しか見えてへんのは 俺の方やった。 すまん。 106 00:07:48,269 --> 00:07:52,173 <けど…➡ 107 00:07:52,173 --> 00:07:56,610 そんなふうに 草々さんを ムキにさせたのは エーコや。➡ 108 00:07:56,610 --> 00:07:58,610 と思たら…> 109 00:08:02,266 --> 00:08:08,622 (畳をたたく音) 「こんにちは いてはりまっか」。 110 00:08:08,622 --> 00:08:10,675 何や? 111 00:08:10,675 --> 00:08:13,110 「開けとくなはれ」。 (畳をたたく音) 112 00:08:13,110 --> 00:08:15,262 「こんにちは」。 ≪おい。➡ 113 00:08:15,262 --> 00:08:18,999 「あんまり 根 詰めるな」言うのに。 「いてはりまっか」。 114 00:08:18,999 --> 00:08:21,669 ≪おい! 「開けとくなはれ」。 115 00:08:21,669 --> 00:08:25,940 (小次郎) 喜代美 どないしとるやろのう? 116 00:08:25,940 --> 00:08:29,326 もう落語の稽古しとるんやろか? 117 00:08:29,326 --> 00:08:33,164 (糸子)どやろねえ? どんな事するんやろのう? 118 00:08:33,164 --> 00:08:36,434 (正典)ヘヘヘッ お前も 弟子入りしてきたらどや? 119 00:08:36,434 --> 00:08:38,502 何でど? 120 00:08:38,502 --> 00:08:42,006 内弟子の3年間は 飯も部屋も タダらしいさけ➡ 121 00:08:42,006 --> 00:08:45,993 食いぶちが1人減る。 兄ちゃん…。 122 00:08:45,993 --> 00:08:48,996 (正平)お父ちゃん! そりゃええのう! 123 00:08:48,996 --> 00:08:52,266 おっちゃん! わしの隠れた才能は➡ 124 00:08:52,266 --> 00:08:54,935 落語かもしれんのう? 隠れすぎやな。 125 00:08:54,935 --> 00:08:57,938 今からでも遅ないんと違うこ。 遅いちゅうねん! 126 00:08:57,938 --> 00:09:00,324 いや~! ちょっと小次郎さん! 127 00:09:00,324 --> 00:09:04,662 もう お父ちゃんが 要らん事 言うで 本気にしてしもたやな。 128 00:09:04,662 --> 00:09:08,332 (小次郎)タダか? (湯のみを置く音) 129 00:09:08,332 --> 00:09:13,632 (小梅)みんなに… 話があります。 130 00:09:16,941 --> 00:09:19,326 (正典)ええ!? ああ~! 131 00:09:19,326 --> 00:09:22,663 <家族を ひっくり返した おばあちゃんの爆弾発言が➡ 132 00:09:22,663 --> 00:09:26,000 何やったのかは 置いときまして…➡ 133 00:09:26,000 --> 00:09:29,700 いよいよ 私の初稽古ネタが 発表されます> 134 00:09:32,339 --> 00:09:38,279 今日から 噺の稽古 始めようか。 はい! 135 00:09:38,279 --> 00:09:41,579 あんたが 最初にやる落語は…。 136 00:09:44,668 --> 00:09:47,368 「ちりとてちん」や。 137 00:09:49,006 --> 00:09:52,009 「ちりとてちん」? そうや。 138 00:09:52,009 --> 00:09:55,112 …いう落語があるんですか? そうや。 139 00:09:55,112 --> 00:09:58,332 「ちりとてちん」て…。 きつねうどん おごって下さいよ。 140 00:09:58,332 --> 00:10:00,351 師匠 何 考えてはんのや? 141 00:10:00,351 --> 00:10:02,651 きつねうどん。 やっかましいのう! 142 00:10:05,005 --> 00:10:08,108 <それが どんな落語か 知らんかった 私は➡ 143 00:10:08,108 --> 00:10:11,278 にいさんらのように 驚く事もありませんで…> 144 00:10:11,278 --> 00:10:13,497 草原。 はい! 145 00:10:13,497 --> 00:10:15,666 そんな所で見てんねやったら➡ 146 00:10:15,666 --> 00:10:17,668 やって見せたって。 はい。 147 00:10:17,668 --> 00:10:20,168 はい みんな 用意した! (一同)はい! 148 00:10:24,008 --> 00:10:27,278 「旦さん お邪魔いたしますです」。 「おお 喜ぃさんか➡ 149 00:10:27,278 --> 00:10:29,997 よう来てくれた こっち通っておくれ。➡ 150 00:10:29,997 --> 00:10:32,500 いや 今日は わしの誕生日でな➡ 151 00:10:32,500 --> 00:10:34,768 まあ 祝うほどの年でも ないのやけど➡ 152 00:10:34,768 --> 00:10:38,339 昼間から 酒が飲めるがな…」。 153 00:10:38,339 --> 00:10:42,326 <「ちりとてちん」という落語は 旦さんの お誕生日の席に➡ 154 00:10:42,326 --> 00:10:45,596 喜ぃさんが お呼ばれする ところから始まります> 155 00:10:45,596 --> 00:10:50,000 (旦さん)「今 鰻が届くさかい よかったら 食べていき」。 156 00:10:50,000 --> 00:10:53,003 (喜ぃさん) 「鰻! 初めてでございます」。 157 00:10:53,003 --> 00:10:57,875 「酒のあてにしてもええし 白いご飯の上にのせてもええ」。 158 00:10:57,875 --> 00:11:00,494 「ご飯! 初めてでございます」。 159 00:11:00,494 --> 00:11:03,664 「ご飯が初めてちゅう事 あるかいな。➡ 160 00:11:03,664 --> 00:11:06,617 けど あんた 何 出しても そないして➡ 161 00:11:06,617 --> 00:11:10,004 喜んでくれるさかい うれしいなあ。➡ 162 00:11:10,004 --> 00:11:14,658 それに比べて 裏に住んどる 竹。➡ 163 00:11:14,658 --> 00:11:20,598 知ったかぶりばっかりして 憎たらしい男やで。➡ 164 00:11:20,598 --> 00:11:24,001 いっぺん 『ぎゃふん』と 言わしてやりたいんやがな」。 165 00:11:24,001 --> 00:11:26,670 <言うてますところへ> (丁稚)「旦那さん えらい事です」。 166 00:11:26,670 --> 00:11:29,290 <奥で 豆腐が 腐ってしもたと騒いでる> 167 00:11:29,290 --> 00:11:31,275 「豆腐が… 豆腐が!」。 168 00:11:31,275 --> 00:11:40,601 「ほう。 うまい事 言うて その豆腐 竹に食べさしたろ」。 169 00:11:40,601 --> 00:11:44,004 <旦さん 腐った豆腐に細工をし➡ 170 00:11:44,004 --> 00:11:48,275 「長崎名産ちりとてちん」と 命名いたしました> 171 00:11:48,275 --> 00:11:52,596 「『長崎名産ちりとてちん』いう 食べもん 知ってるか?」。 172 00:11:52,596 --> 00:11:56,600 (竹)「あ~ 知っとる知っとる。 わたい 長崎にいる時➡ 173 00:11:56,600 --> 00:11:59,603 朝 昼 晩と 食べてましたがな。 アハハハ!」。 174 00:11:59,603 --> 00:12:04,174 「どないして食べるもんか いっぺん 見してくれるか?」。 175 00:12:04,174 --> 00:12:08,674 「ああ あ~ あ~ あ~ ヘヘッ え~」。 176 00:12:11,932 --> 00:12:14,501 「く… くっさあ~!」。 177 00:12:14,501 --> 00:12:19,456 <竹やん 後へは引けんで ようよう 一口…> 178 00:12:19,456 --> 00:12:27,598 ♬~ 179 00:12:27,598 --> 00:12:31,101 「あ~ ハハハ フフフ… うまい!」。 180 00:12:31,101 --> 00:12:34,004 「ほんまかいな 涙 出てるで」。 181 00:12:34,004 --> 00:12:37,274 「涙出るほど おいしいですわ」。 「あっ そうか わしら➡ 182 00:12:37,274 --> 00:12:40,277 食うた事ないけど ちりとてちんて 一体 どんな味や?」。 183 00:12:40,277 --> 00:12:43,664 「ちょうど 豆腐の 腐ったような味ですわ…」。 184 00:12:43,664 --> 00:12:48,602 アハハハハハ! ハハハハハ! (拍手) 185 00:12:48,602 --> 00:12:53,340 どっかで聴いたような噺やな…。 おい! 186 00:12:53,340 --> 00:12:55,943 お前 笑てる場合か…。 え? 187 00:12:55,943 --> 00:12:58,329 初心者には ちょっと 難しい ネタなんや。 188 00:12:58,329 --> 00:13:02,666 えっ そうなんですか!? 師匠 どういう事ですか? 189 00:13:02,666 --> 00:13:05,002 まあ ええやないか。 190 00:13:05,002 --> 00:13:07,771 俺が 喜六の「ちりとてちん」 聴きたいんや。 191 00:13:07,771 --> 00:13:10,274 「聴きたい」て そんな…! 192 00:13:10,274 --> 00:13:12,276 やってみい。 193 00:13:12,276 --> 00:13:14,278 えっ? 194 00:13:14,278 --> 00:13:16,263 「ちりとてちん」やってみい。 195 00:13:16,263 --> 00:13:21,602 えっ 「やってみい」て そんな いきなり…? 196 00:13:21,602 --> 00:13:28,102 ほら 小拍子 一つ 鳴らして。 197 00:13:40,104 --> 00:13:44,274 喜ぃさんが やって来て 「旦さん お邪魔いたしますです」。 198 00:13:44,274 --> 00:13:46,610 「旦さん お邪魔いたしますです」。 199 00:13:46,610 --> 00:13:48,595 反対や。 え? 200 00:13:48,595 --> 00:13:52,499 落語の顔の向きは ちゃんとした 決まりが あんねん。 201 00:13:52,499 --> 00:13:54,501 決まり? 202 00:13:54,501 --> 00:14:00,107 顔を 左右に振る事は 「上下を切る」言うてな…。 203 00:14:00,107 --> 00:14:02,159 かみしもをきる…? 204 00:14:02,159 --> 00:14:07,281 うん。 客席から見て 舞台の右手が上手。 205 00:14:07,281 --> 00:14:12,669 左手が下手。 家を たんねてくる場面では➡ 206 00:14:12,669 --> 00:14:17,274 上手に 部屋があると思てやる。 だから やって来た 喜ぃさんは➡ 207 00:14:17,274 --> 00:14:20,574 上手を向いて しゃべる。 208 00:14:22,329 --> 00:14:27,129 は~ 全然 気ぃつかんと見とった。 はい。 209 00:14:30,504 --> 00:14:33,490 「旦さん お邪魔を いたしますです」。 210 00:14:33,490 --> 00:14:36,944 そんで 下手に振って 「おお 喜ぃさんか➡ 211 00:14:36,944 --> 00:14:40,197 よう 来とくんなはった。 ああ こっち通って こっち通って」。 212 00:14:40,197 --> 00:14:42,599 「おお 喜ぃさんか よう 来とくんなはった➡ 213 00:14:42,599 --> 00:14:47,104 こっち通って こっち通って」。 「今日はな わしの誕生日でな➡ 214 00:14:47,104 --> 00:14:50,941 いやいやいや 祝うほどの年でもないが➡ 215 00:14:50,941 --> 00:14:54,344 昼間から 一杯飲めるがな」。 216 00:14:54,344 --> 00:14:57,164 「今日はな わしの誕生日でな」。 217 00:14:57,164 --> 00:15:00,000 そっち向いて しゃべんのは 喜ぃさんや。 218 00:15:00,000 --> 00:15:01,935 あれ…? あ…。 219 00:15:01,935 --> 00:15:04,605 草原 教えたれ! 220 00:15:04,605 --> 00:15:06,905 はい。 はっ。 221 00:15:08,659 --> 00:15:12,262 ほな 今んとこ 下手向いて。 はいっ。 222 00:15:12,262 --> 00:15:14,264 下手は こっちや! は! 223 00:15:14,264 --> 00:15:18,502 はっ! あっ うお~! 224 00:15:18,502 --> 00:15:24,702 ♬~ 225 00:15:33,484 --> 00:15:37,221 (姐さん)師匠。 (正蔵)おう。 お一人? 226 00:15:37,221 --> 00:15:42,559 紅ショウガ天や。 (正蔵)紅ショウガ天。 そうか そうか。 227 00:15:42,559 --> 00:15:46,430 ♬~ 228 00:15:46,430 --> 00:15:49,730 (女将) 芸妓に戻るて? 229 00:15:52,569 --> 00:15:57,869 まあ あんたやったら うまい事やるやろけど? 230 00:16:00,444 --> 00:16:04,144 本気なんか?