1 00:00:01,851 --> 00:00:05,622 新たな町の門出を祝いました。 2 00:00:34,717 --> 00:00:37,687 (十郎左衛門)何もかも無になった。 3 00:00:37,687 --> 00:00:41,491 <元禄14年3月14日。➡ 4 00:00:41,491 --> 00:00:45,161 浅野内匠頭は 江戸城松の廊下で➡ 5 00:00:45,161 --> 00:00:48,498 吉良上野介に斬りかかった。➡ 6 00:00:48,498 --> 00:00:52,168 浅野家は お家断絶。➡ 7 00:00:52,168 --> 00:00:57,840 浅野内匠頭は 即日 切腹を申し渡される> 8 00:00:57,840 --> 00:01:17,860 ♬~ 9 00:01:17,860 --> 00:01:26,860 (きよ)十郎左様… お願いです。 死なないで下さい。 10 00:01:34,143 --> 00:01:42,443 死んでは… なりませぬ。 11 00:01:45,755 --> 00:01:47,755 (阿久利)貸せ。 12 00:01:49,492 --> 00:01:52,528 よいから 貸すのじゃ! 13 00:01:52,528 --> 00:02:02,505 ♬~ 14 00:02:02,505 --> 00:02:06,676 (つま)おきよ殿!➡ 15 00:02:06,676 --> 00:02:12,476 滝岡様より お達しがあるそうでございます。 16 00:02:14,417 --> 00:02:24,717 ♬~ 17 00:02:27,864 --> 00:02:33,136 (滝岡)本日夕刻 田村右京大夫様お屋敷にて➡ 18 00:02:33,136 --> 00:02:37,006 お殿様ご切腹と なられましたにより➡ 19 00:02:37,006 --> 00:02:44,147 奥方様は ご落飾あそばされました。➡ 20 00:02:44,147 --> 00:02:47,050 奥方様は 今宵のうちに➡ 21 00:02:47,050 --> 00:02:53,156 お里方 赤坂今井のお屋敷に お移りとなります。 22 00:02:53,156 --> 00:03:00,029 奥方様が お屋敷を出られた後は 皆々 勝手次第。 23 00:03:00,029 --> 00:03:04,729 おのおの 荷物をまとめて おいとまするように。 24 00:03:06,703 --> 00:03:13,403 ほんに 長きにわたり お勤め ご苦労であった。 25 00:03:16,379 --> 00:03:19,682 (さわ) 滝岡様。 私どもは 何時までに➡ 26 00:03:19,682 --> 00:03:21,617 お屋敷を出ればよいので ございましょうか。 27 00:03:21,617 --> 00:03:23,853 (しま)滝岡様。 奥方様は? 28 00:03:23,853 --> 00:03:26,522 (すめ)せめて 一目 奥方様に…。 (せつ)滝岡様…。 29 00:03:26,522 --> 00:03:30,393 奥方様は お居間におられる。 30 00:03:30,393 --> 00:03:38,134 おのおの 支度を済ませた後 おいとま乞いを申し上げるがよい。 31 00:03:38,134 --> 00:03:40,470 おきよ殿。 32 00:03:40,470 --> 00:03:44,340 (滝岡)きよと つまは こちらへ。 33 00:03:44,340 --> 00:03:48,040 奥方様がお呼びじゃ。 34 00:03:56,819 --> 00:04:00,323 ≪(滝岡)失礼つかまつります。 35 00:04:00,323 --> 00:04:03,659 きよと つまを 連れてまいりました。 36 00:04:03,659 --> 00:04:05,959 (阿久利)入れ。 37 00:04:20,109 --> 00:04:22,809 面を上げよ。 38 00:04:29,185 --> 00:04:31,185 滝岡。 39 00:04:35,992 --> 00:04:39,462 既に聞き及びと思うが➡ 40 00:04:39,462 --> 00:04:46,803 お殿様のお亡骸は 泉岳寺へ移され ご埋葬の儀となった。 41 00:04:46,803 --> 00:04:52,141 奥方様のお参りは はばかられるゆえ➡ 42 00:04:52,141 --> 00:04:55,044 成瀬が代参致す。 43 00:04:55,044 --> 00:05:02,544 ついては きよ そなたに 成瀬の供をしてもらいたい。 44 00:05:06,155 --> 00:05:10,026 かしこまりました。 45 00:05:10,026 --> 00:05:17,726 奥方様に成り代わり 心して ご供養致しまする。 46 00:05:21,704 --> 00:05:29,004 いまひとつ そなたらに頼みがある。 47 00:05:32,782 --> 00:05:42,082 つまには この先も わらわのそばに いてもらいたい。 48 00:05:44,794 --> 00:05:47,094 はっ。 49 00:05:48,664 --> 00:05:55,805 そして きよには…➡ 50 00:05:55,805 --> 00:06:03,679 きよには わらわの耳になってもらいたい。 51 00:06:03,679 --> 00:06:05,679 耳…? 52 00:06:10,353 --> 00:06:17,653 このままでは… 終わらせぬ。 53 00:06:19,829 --> 00:06:23,699 <奥方様の胸の中に➡ 54 00:06:23,699 --> 00:06:27,503 何かが 燃えたぎっているようでした> 55 00:06:27,503 --> 00:06:31,774 かしこまりました。 56 00:06:31,774 --> 00:06:39,774 ありがたきお言葉 謹んで お受け致しまする。 57 00:06:41,784 --> 00:06:46,455 <その日の深夜 落飾した阿久利は➡ 58 00:06:46,455 --> 00:06:51,327 ひっそりと人目を忍ぶように 浅野家上屋敷を出➡ 59 00:06:51,327 --> 00:06:57,099 実家である 赤坂今井の 三次浅野家へ帰った。➡ 60 00:06:57,099 --> 00:07:03,472 その後 俗名を捨て 瑶泉院と改めたのである> 61 00:07:03,472 --> 00:07:15,818 ♬~ 62 00:07:15,818 --> 00:07:23,492 (成瀬)たった一日のうちに 何もかもが変わってしまった。 63 00:07:23,492 --> 00:07:28,792 まるで 遠い日の出来事のようじゃ。 64 00:07:39,442 --> 00:07:42,442 [ 心の声 ] 十郎左様? 65 00:07:49,452 --> 00:07:51,787 仙桂尼様。 66 00:07:51,787 --> 00:07:56,125 きよ。 67 00:07:56,125 --> 00:07:58,794 仙桂尼様…。 68 00:07:58,794 --> 00:08:06,469 児小姓が 明け方 門外で 追い腹を切ったのじゃ。 69 00:08:06,469 --> 00:08:11,807 まだ 年端も行かぬ 子どもだというのに➡ 70 00:08:11,807 --> 00:08:15,107 痛ましいこと。 71 00:08:21,484 --> 00:08:26,322 (仙桂尼)浅野のご家臣は ご墓前においでじゃ。 72 00:08:26,322 --> 00:08:32,094 既に お殿様のご葬儀は 済まされた。 73 00:08:32,094 --> 00:08:34,030 え? 74 00:08:34,030 --> 00:08:38,230 さ 早う そなたらも。 75 00:08:59,789 --> 00:09:19,809 ♬~ 76 00:09:19,809 --> 00:09:27,483 昨夜半 ここに着くと➡ 77 00:09:27,483 --> 00:09:33,289 ご近習が 追い腹を切ろうとされていた。 78 00:09:33,289 --> 00:09:35,291 (成瀬)追い腹を…。 79 00:09:35,291 --> 00:09:37,760 (仙桂尼)殉死は ご法度。 80 00:09:37,760 --> 00:09:47,436 お殿様の汚名の上塗りをする おつもりかと 申し上げた。 81 00:09:47,436 --> 00:09:51,774 ようやく思いとどまり➡ 82 00:09:51,774 --> 00:09:59,115 されど 殿に殉ずる意を込め➡ 83 00:09:59,115 --> 00:10:03,815 あのように 髻を…。 84 00:10:06,455 --> 00:10:10,326 (足音) 85 00:10:10,326 --> 00:10:12,795 おじ様。 86 00:10:12,795 --> 00:10:15,464 きよ。 87 00:10:15,464 --> 00:10:29,812 ♬~ 88 00:10:29,812 --> 00:10:33,682 <お殿様は 冷光院となられ➡ 89 00:10:33,682 --> 00:10:37,486 この土の下に…。➡ 90 00:10:37,486 --> 00:10:44,286 そして 奥方様は その墓参さえ許されず…> 91 00:10:52,835 --> 00:10:56,172 (不破)殿~!➡ 92 00:10:56,172 --> 00:11:00,676 殿~! (堀内)不破 お前は 一体 どこに! 93 00:11:00,676 --> 00:11:02,611 殿~! 94 00:11:02,611 --> 00:11:05,514 (田中)不破! 今更 何を。 95 00:11:05,514 --> 00:11:08,417 (中村)浅野家を出て 浪人となったお前が 近づくな!➡ 96 00:11:08,417 --> 00:11:10,386 殿のお墓の前であるぞ! 97 00:11:10,386 --> 00:11:13,856 (條右衛門)不破殿! やめろ 善左衛門! 98 00:11:13,856 --> 00:11:16,656 やめぬか 数右衛門! 99 00:11:18,360 --> 00:11:21,397 今更 家臣も何もあるか! 100 00:11:21,397 --> 00:11:25,134 殿は亡くなられ お家はお取り潰し。 101 00:11:25,134 --> 00:11:29,538 お前たちは皆 俺と同じ 浪々の身。 102 00:11:29,538 --> 00:11:33,538 浅野のお家は もう ないのだ! 103 00:11:37,813 --> 00:11:42,685 拙者とて 殿に仕えた身は同じ。 104 00:11:42,685 --> 00:11:46,485 墓参りぐらい 許せ。 105 00:11:48,824 --> 00:11:51,160 殿~! 106 00:11:51,160 --> 00:12:03,160 (泣き声) 107 00:12:10,846 --> 00:12:14,183 ご一同様 本堂へ。 108 00:12:14,183 --> 00:12:17,853 昨夜から 寝もやらず ご遺骸と過ごし➡ 109 00:12:17,853 --> 00:12:21,724 さぞ お疲れの事で ございましょう。➡ 110 00:12:21,724 --> 00:12:26,528 少し お休み下さいませ。➡ 111 00:12:26,528 --> 00:12:29,828 食事も用意致しましたゆえ。 112 00:12:34,803 --> 00:12:39,675 (堀内)不破。 行くぞ。 113 00:12:39,675 --> 00:12:42,144 ここは お任せあれ。 114 00:12:42,144 --> 00:12:45,144 ここは お任せあれ! 115 00:12:58,494 --> 00:13:00,494 数右衛門。 116 00:13:02,364 --> 00:13:08,664 何故… 何故 殿だけが このような目に…。 117 00:13:10,506 --> 00:13:13,175 吉良は どうなっておるのだ。 118 00:13:13,175 --> 00:13:17,513 いまだ 切腹のうわささえ聞かぬ。 119 00:13:17,513 --> 00:13:21,183 殿だけが このようなお沙汰を受け 吉良は おとがめなしか。 120 00:13:21,183 --> 00:13:23,483 おかしいではないか! 121 00:13:26,522 --> 00:13:30,392 吉良は 生きているのではないのか。 122 00:13:30,392 --> 00:13:35,130 吉良様の生死は いまだ 誰にも分からぬ。 123 00:13:35,130 --> 00:13:40,002 ご公儀が 騒ぎを恐れ 事を伏せてるかのようだ。 124 00:13:40,002 --> 00:13:43,005 ご公儀が。 125 00:13:43,005 --> 00:13:47,476 おとがめなしとは 理不尽至極。 126 00:13:47,476 --> 00:13:50,145 けんか両成敗のおきてに背く。 127 00:13:50,145 --> 00:13:54,016 その事は お前に言われずとも 承知しておる! 128 00:13:54,016 --> 00:13:56,716 数右衛門。 129 00:14:00,489 --> 00:14:02,825 我らは 赤穂へ行く。 130 00:14:02,825 --> 00:14:04,760 (不破)え? 131 00:14:04,760 --> 00:14:08,163 数日すれば 早駕籠も 赤穂へ着くはず。 132 00:14:08,163 --> 00:14:12,835 その時 赤穂は どう出るか。 133 00:14:12,835 --> 00:14:18,173 我らは ご家老 大石内蔵助様に 無念をぶちまけ➡ 134 00:14:18,173 --> 00:14:20,843 方策を練るつもりだ。 135 00:14:20,843 --> 00:14:23,178 方策? 136 00:14:23,178 --> 00:14:28,851 吉良様が生きているならば➡ 137 00:14:28,851 --> 00:14:31,754 仇討ちも辞さぬ。 138 00:14:31,754 --> 00:14:36,125 仇討ち…。 139 00:14:36,125 --> 00:14:42,998 今は ただ… 殿の汚名をすすぐ事。 140 00:14:42,998 --> 00:14:46,468 それだけが 我らにできる事。 141 00:14:46,468 --> 00:14:52,141 故に 髻を切り 殿のご墓前で誓ったのだ。 142 00:14:52,141 --> 00:14:57,841 必ず 殿のご無念 晴らすと。 143 00:15:01,483 --> 00:15:04,183 十郎左。 144 00:15:05,821 --> 00:15:12,521 それは… まことでございますか? 145 00:15:14,163 --> 00:15:16,463 (條右衛門)きよ殿。 146 00:15:20,502 --> 00:15:26,375 私も お力になりとうございます。 147 00:15:26,375 --> 00:15:28,844 きよ! (善左衛門)お前 何を。 148 00:15:28,844 --> 00:15:34,144 私は 奥方様の耳となります。 149 00:15:36,585 --> 00:15:38,585 耳? 150 00:15:40,456 --> 00:15:44,626 謹慎の身となられた奥方様に➡ 151 00:15:44,626 --> 00:15:48,797 皆様のご様子を お知らせするお役目に。 152 00:15:48,797 --> 00:15:53,635 ですから 礒貝様方のお力に。 153 00:15:53,635 --> 00:15:59,808 きよ殿 それはならぬ。 154 00:15:59,808 --> 00:16:05,147 そなたが 奥方様を思う心は 分からぬではない。 155 00:16:05,147 --> 00:16:09,017 だが 我らには関わるな。 156 00:16:09,017 --> 00:16:15,517 私は もはや この命 ないものと思うておる。 157 00:16:19,695 --> 00:16:23,832 きよ殿が関わるような事ではない。 158 00:16:23,832 --> 00:16:26,869 されど 十郎左様…。 159 00:16:26,869 --> 00:16:31,640 今の話 聞かぬ事にする。 160 00:16:31,640 --> 00:16:35,140 よいから去れ! 161 00:16:43,118 --> 00:16:46,989 (仙桂尼)きよ。 162 00:16:46,989 --> 00:16:49,989 何をしているのじゃ。 163 00:16:51,793 --> 00:16:54,793 仙桂尼様。 164 00:17:00,135 --> 00:17:03,038 <その日➡ 165 00:17:03,038 --> 00:17:09,144 内匠頭の弟であり 養嫡子でもある浅野大学長広へ➡ 166 00:17:09,144 --> 00:17:11,813 閉門の処分が下った。➡ 167 00:17:11,813 --> 00:17:18,113 大学は 木挽町の屋敷で 謹慎の身となった> 168 00:17:20,822 --> 00:17:26,695 <夜になり にわかに 泉岳寺に慌ただしさが増した。➡ 169 00:17:26,695 --> 00:17:31,166 浅野家上屋敷の 後始末を済ませた家臣たちが➡ 170 00:17:31,166 --> 00:17:35,166 次々と 墓参に押しかけたのだ> 171 00:17:36,972 --> 00:17:41,777 ど… どういう事じゃ。 172 00:17:41,777 --> 00:17:47,115 わしは 殿が幼少のみぎりより お仕えしてきた身。 173 00:17:47,115 --> 00:17:49,785 いや 殿ばかりではない。 174 00:17:49,785 --> 00:17:54,456 先代 先々代と 浅野家3代にわたり➡ 175 00:17:54,456 --> 00:17:56,391 お仕えしてきたのじゃ。 176 00:17:56,391 --> 00:17:58,327 それを…。 177 00:17:58,327 --> 00:18:07,027 殿に 一目お会いする事もかなわず ご埋葬など…。 178 00:18:12,007 --> 00:18:18,647 片岡殿! そなたらだけが 格別と考えるのであれば➡ 179 00:18:18,647 --> 00:18:23,819 それは 傲慢にすぎるぞ! (安兵衛)義父上 おやめ下され。 180 00:18:23,819 --> 00:18:26,722 お前は 黙っておれ。 (前原)そうだ 勝手がすぎますぞ! 181 00:18:26,722 --> 00:18:29,691 (家臣たち)そうだ そうだ! (片岡)お言葉ながら➡ 182 00:18:29,691 --> 00:18:33,629 拙者は 勝手をしたとは 思っておりませぬ。 183 00:18:33,629 --> 00:18:36,098 何を~! ご隠居様! 184 00:18:36,098 --> 00:18:41,436 ご隠居様は 昨夜の殿のお姿を ご存じないから➡ 185 00:18:41,436 --> 00:18:43,772 そのような事が言えるのだ。 186 00:18:43,772 --> 00:18:49,444 だからといって 勝手に ご埋葬などしてよいというのか! 187 00:18:49,444 --> 00:18:55,317 そなたらだけ 髻を切って 殿に忠義を尽くしたつもりか! 188 00:18:55,317 --> 00:18:58,120 (田中)お言葉がすぎますぞ! いいがかりでござる。 189 00:18:58,120 --> 00:19:05,794 ご隠居殿 これは 和尚殿のご配慮でもあったのです。 190 00:19:05,794 --> 00:19:10,494 どうか お分かり下さいませ。 191 00:19:18,140 --> 00:19:23,812 は… 半日も待てぬのか。 192 00:19:23,812 --> 00:19:29,685 わしらが どのような思いで 屋敷の後始末をしてきたか➡ 193 00:19:29,685 --> 00:19:34,756 お主らには 分からぬのか! 194 00:19:34,756 --> 00:19:43,098 殿の… 殿のご葬儀であるぞ。 195 00:19:43,098 --> 00:19:52,107 仮にも 赤穂5万石の大名であるぞ。 196 00:19:52,107 --> 00:19:54,776 (前原)俺も納得がいかぬ。 197 00:19:54,776 --> 00:19:59,476 何もかも 納得がいかぬ! 198 00:20:09,791 --> 00:20:16,665 堀部殿 どこへ行くのだ。 安兵衛。 199 00:20:16,665 --> 00:20:19,965 いま一度 殿にお別れを。 200 00:20:24,806 --> 00:20:30,145 義父上。 今 ここで 我らが いさかいを起こして➡ 201 00:20:30,145 --> 00:20:32,814 何になります。 202 00:20:32,814 --> 00:20:38,487 殿を… 浅野家を思う気持ちは 同じはず。➡ 203 00:20:38,487 --> 00:20:41,390 無念とて 皆…。 204 00:20:41,390 --> 00:20:49,131 ふん! 新参者が 分かったような口を。 205 00:20:49,131 --> 00:20:52,431 誰だ 今 声を上げたのは。 206 00:20:54,836 --> 00:20:57,336 誰だ! 207 00:21:04,179 --> 00:21:34,810 ♬~ 208 00:21:34,810 --> 00:21:37,810 條右衛門。 209 00:21:42,150 --> 00:21:46,021 言いたい者には 言わせておけばいい。 210 00:21:46,021 --> 00:21:48,824 全ては やっかみだ。 211 00:21:48,824 --> 00:21:54,624 堀部家へ婿に入り 殿に重用された そなたへの。 212 00:21:56,331 --> 00:21:59,131 分かっておる。 213 00:22:01,169 --> 00:22:08,469 條右衛門…。 浅野家は 私の初めての仕官先だ。 214 00:22:10,846 --> 00:22:14,683 新発田から そなたを頼り 江戸に出➡ 215 00:22:14,683 --> 00:22:18,520 長きにわたり 浪人を続けてきた私を➡ 216 00:22:18,520 --> 00:22:24,192 初めて迎え入れてくれたのが 殿。 217 00:22:24,192 --> 00:22:32,801 いや 殿のためなら 骨をうずめてもよいと思ったのだ。 218 00:22:32,801 --> 00:22:36,137 それゆえ 浅野家家臣となった。 219 00:22:36,137 --> 00:22:39,040 ああ。 220 00:22:39,040 --> 00:22:43,478 殿への思いは 誰にも負けぬ。 221 00:22:43,478 --> 00:22:46,147 ああ そうだ。 222 00:22:46,147 --> 00:22:50,018 浅野家3代につかえてきた 義父上にも 報いねばならぬ。 223 00:22:50,018 --> 00:22:53,718 そうだ。 そのとおりだ。 224 00:22:55,490 --> 00:22:59,828 條右衛門。 225 00:22:59,828 --> 00:23:06,528 俺は 必ず 殿のご無念を晴らす。 226 00:23:10,338 --> 00:23:15,844 殿の… 無念を。 227 00:23:15,844 --> 00:23:20,181 晴らせ その思い。 228 00:23:20,181 --> 00:23:26,481 俺には 晴らしたくても つかえる殿がおらぬ。 229 00:23:37,465 --> 00:23:42,137 <その夜 堀部様は 夜を徹し➡ 230 00:23:42,137 --> 00:23:48,009 おじ様と共に 墓守をしたのです。➡ 231 00:23:48,009 --> 00:23:56,484 そして 私は 仙桂尼様と共に 宿坊へ泊まる事となりました> 232 00:23:56,484 --> 00:24:01,156 耳となれ。 233 00:24:01,156 --> 00:24:06,494 そう おっしゃったのか 奥方様は。 234 00:24:06,494 --> 00:24:09,397 はい。 235 00:24:09,397 --> 00:24:19,197 そなたは この後も 奥方様に おつかえするつもりなのじゃな。 236 00:24:23,511 --> 00:24:26,811 そう思うております。 237 00:24:31,186 --> 00:24:38,793 阿久利様は 武家に生まれ 武家に育ったお方。 238 00:24:38,793 --> 00:24:47,802 その奥方様が お殿様の恥辱を➡ 239 00:24:47,802 --> 00:24:53,475 このまま済ますとは思えませぬ。 240 00:24:53,475 --> 00:25:00,248 4歳から過ごしたお屋敷を 一夜にして奪われ➡ 241 00:25:00,248 --> 00:25:07,448 最愛の殿は 理不尽にも ご切腹。 242 00:25:09,491 --> 00:25:15,830 奥方様のお気持ちを思うと➡ 243 00:25:15,830 --> 00:25:23,530 胸が 締めつけられる。 244 00:25:30,378 --> 00:25:33,114 きよ。 245 00:25:33,114 --> 00:25:35,784 はい。 246 00:25:35,784 --> 00:25:44,793 奥方様が望まれ そなたも そうありたいと願うのであれば➡ 247 00:25:44,793 --> 00:25:52,667 これより 奥方様の耳となるがよい。 248 00:25:52,667 --> 00:25:55,804 仙桂尼様。 249 00:25:55,804 --> 00:26:03,144 だが きよ。 そなたが 踏み入ろうとしている世界は➡ 250 00:26:03,144 --> 00:26:08,016 これまでとは全く違う所。 251 00:26:08,016 --> 00:26:11,820 耳となるという事は➡ 252 00:26:11,820 --> 00:26:20,820 奥方様に 一生をかけて 忠義を尽くすという事。 253 00:26:22,464 --> 00:26:26,764 なまはんかな事ではありませぬぞ。 254 00:26:34,075 --> 00:26:37,375 承知しております。 255 00:26:43,752 --> 00:26:52,794 きよ。 男たちは皆 事の大きさに我を失い➡ 256 00:26:52,794 --> 00:26:57,665 怒りに任せて 何をしでかすか分からぬ。 257 00:26:57,665 --> 00:27:05,140 されど 一時の情に流され 命を落とす事ほど➡ 258 00:27:05,140 --> 00:27:08,840 愚かな事はない。 259 00:27:11,012 --> 00:27:19,712 一番の大事は 浅野家を守り抜く事。 260 00:27:23,491 --> 00:27:29,831 我ら女にも 必ず できる事はあるはず。 261 00:27:29,831 --> 00:27:33,531 その事だけは 忘れるでない。 262 00:27:36,638 --> 00:27:43,938 しかと 承りました。 263 00:27:52,086 --> 00:27:55,456 月が…。 264 00:27:55,456 --> 00:28:10,004 ♬~ 265 00:28:10,004 --> 00:28:17,478 この世の戯れ事とは無縁の…➡ 266 00:28:17,478 --> 00:28:21,178 美しい光じゃ。 267 00:28:24,819 --> 00:28:35,263 お殿様は もう あちらの世界に いってしまわれたのか。 268 00:28:35,263 --> 00:28:51,263 ♬~ 269 00:28:54,649 --> 00:28:59,120 <私は 明け渡しとなった 浅野家上屋敷を出て➡ 270 00:28:59,120 --> 00:29:04,420 父の住む浅草の林昌軒へ 戻りました> 271 00:29:53,107 --> 00:30:02,450 [ 心の声 ] 母様。 きよは 父様のもとに戻りました。➡ 272 00:30:02,450 --> 00:30:08,790 けれど もう 以前のきよではありませぬ。➡ 273 00:30:08,790 --> 00:30:14,662 どうか きよを… 浅野家の皆々様を➡ 274 00:30:14,662 --> 00:30:21,369 奥方様を 仙桂尼様を➡ 275 00:30:21,369 --> 00:30:27,569 十郎左様を お守り下さい。 276 00:30:32,480 --> 00:30:34,816 兄様。 277 00:30:34,816 --> 00:30:38,486 きよ。 278 00:30:38,486 --> 00:30:42,824 十郎左が 赤穂へ出立するそうだ。 279 00:30:42,824 --> 00:30:44,759 え? 280 00:30:44,759 --> 00:30:49,497 片岡様たちと 大石様に じか談判すると。 281 00:30:49,497 --> 00:31:33,808 ♬~ 282 00:31:33,808 --> 00:31:36,508 十郎左様。 283 00:31:40,148 --> 00:31:42,848 きよ殿。 284 00:31:49,157 --> 00:31:55,029 赤穂へ たたれると 兄から。 285 00:31:55,029 --> 00:31:57,498 ああ。 286 00:31:57,498 --> 00:32:08,142 十郎左様。 私は これより先も 奥方様にお仕え致します。 287 00:32:08,142 --> 00:32:10,078 きよ殿。 288 00:32:10,078 --> 00:32:16,184 十郎左様をお慕いする心も 変わりませぬ。 289 00:32:16,184 --> 00:32:21,884 その事を お伝えしとうございました。 290 00:32:25,526 --> 00:32:33,134 必ず 帰ってきて下さい。 291 00:32:33,134 --> 00:32:35,834 必ず。 292 00:32:39,807 --> 00:32:43,107 そればかりは分からぬ。 293 00:32:45,146 --> 00:32:54,846 ただ きよ殿が この江戸にいる事 その事は胸に。 294 00:33:03,831 --> 00:33:16,844 ♬~ 295 00:33:16,844 --> 00:33:19,844 十郎左様。 296 00:33:22,717 --> 00:33:30,391 <この先 私たちの行く末が どうなるのか。➡ 297 00:33:30,391 --> 00:33:34,391 誰も何も分からぬまま> 298 00:33:36,330 --> 00:33:44,005 <けれど 私は この時 心に誓ったのです。➡ 299 00:33:44,005 --> 00:33:55,005 何があろうとも 十郎左様と 運命を共にする事を>