1 00:00:01,898 --> 00:00:03,934 ドイツの作家は、 2 00:00:09,773 --> 00:00:13,560 インターネット上で生中継で見る ことができる富士山の映像から、 3 00:00:13,560 --> 00:00:17,330 7枚の異なる画像を取り込み、現 代的な手法で、 4 00:00:17,330 --> 00:00:21,117 自然の美しさを表現しています。 5 00:00:39,786 --> 00:00:45,786 (喜世)<十郎左様… 会いたい> 6 00:00:47,460 --> 00:00:50,160 喜世殿。 7 00:01:07,480 --> 00:01:09,416 (2人)申し訳ござりませぬ。 8 00:01:09,416 --> 00:01:11,818 (江島)いずこで別れてきたのじゃ。 9 00:01:11,818 --> 00:01:15,322 お喜世様が 御用があるゆえ 先に戻れと申され…。 10 00:01:15,322 --> 00:01:19,492 なぜ ついておらぬ。 そなたらの役目であろう。 11 00:01:19,492 --> 00:01:23,192 今すぐ 心当たりを! (2人)はっ。 12 00:01:30,503 --> 00:01:34,774 喜世殿… でござりまするな。 13 00:01:34,774 --> 00:01:37,444 はい。 14 00:01:37,444 --> 00:01:42,315 拙者 綱豊公の小姓 間部[外:9EB0DF93CD013CB3EBA885568F078E6E]房と申します。 15 00:01:42,315 --> 00:01:46,453 間部様…。 16 00:01:46,453 --> 00:01:51,324 殿より 迎えに参るよう 申しつけられ 参じました。 17 00:01:51,324 --> 00:01:54,324 お殿様が…。 18 00:01:57,464 --> 00:02:01,801 何故 ここが? 19 00:02:01,801 --> 00:02:09,501 そなたの 悲願達せられるよう 陰ながら お力添え致しまする。 20 00:02:11,144 --> 00:02:15,482 すぐに 屋敷へ。 駕籠を用意致しております。 21 00:02:15,482 --> 00:02:38,438 ♬~ 22 00:02:38,438 --> 00:02:42,942 (唐澤) では 喜世は おとがめなしと? 23 00:02:42,942 --> 00:02:47,814 お殿様は 不問に付せと 仰せられたそうでございます。 24 00:02:47,814 --> 00:02:53,119 何故 喜世ばかりが かような扱いを。 25 00:02:53,119 --> 00:02:58,992 門限破りなど 本来ならば お屋敷より たたき出されても➡ 26 00:02:58,992 --> 00:03:02,462 おかしくない所業。 それを…。 27 00:03:02,462 --> 00:03:07,133 喜世には 私から きつく申しつけておきまする。 28 00:03:07,133 --> 00:03:09,933 うむ。 29 00:03:11,805 --> 00:03:15,675 されど 唐澤様。 30 00:03:15,675 --> 00:03:20,146 あの喜世という女子は➡ 31 00:03:20,146 --> 00:03:28,846 お殿様をも引きつける何かを 備え持っているのやもしれませぬ。 32 00:03:30,490 --> 00:03:35,790 それが 吉と出るか 凶と出るか。 33 00:03:37,297 --> 00:03:45,597 吉と出るよう この江島 必ず 喜世を仕込んでみせまする。 34 00:03:52,745 --> 00:03:57,117 <間部様という あのお方…> 35 00:03:57,117 --> 00:04:01,454 喜世殿… でござりまするな。 36 00:04:01,454 --> 00:04:08,954 そなたの 悲願達せられるよう 陰ながら お力添え致しまする。 37 00:04:10,797 --> 00:04:18,671 <悲願…。 確かに 悲願と。➡ 38 00:04:18,671 --> 00:04:24,811 あの方は どこまでご存じなのか。➡ 39 00:04:24,811 --> 00:04:30,483 そして お殿様は…。➡ 40 00:04:30,483 --> 00:04:38,291 何か 計り知れない大きな力が 動いている。➡ 41 00:04:38,291 --> 00:04:44,030 けれど 私は ここで生きていくしかないのです> 42 00:04:44,030 --> 00:04:54,030 ♬~ 43 00:04:56,442 --> 00:04:58,778 (綱豊)…にしても[外:9EB0DF93CD013CB3EBA885568F078E6E]房。➡ 44 00:04:58,778 --> 00:05:01,814 いかようにして 喜世の居場所を 突き止めたのじゃ。 45 00:05:01,814 --> 00:05:05,451 いえ…。 46 00:05:05,451 --> 00:05:09,651 喜世は いずこにおった。 47 00:05:11,791 --> 00:05:14,460 泉岳寺にございます。 48 00:05:14,460 --> 00:05:17,363 泉岳寺…。 49 00:05:17,363 --> 00:05:20,663 何故 泉岳寺に…。 50 00:05:25,471 --> 00:05:27,974 さようか。 51 00:05:27,974 --> 00:05:33,746 もとより 喜世殿は 柳沢様よりのお話。 52 00:05:33,746 --> 00:05:39,619 柳沢様は かねてより お殿様に ゆくゆくは ご側室をと➡ 53 00:05:39,619 --> 00:05:44,319 いたくご熱心。 どうも気になりまして。 54 00:05:46,092 --> 00:05:48,027 殿 ごめんつかまつります。 55 00:05:48,027 --> 00:05:51,965 何事じゃ。 はっ。 紀州家奥方 鶴姫様➡ 56 00:05:51,965 --> 00:05:55,768 本日 ご逝去あそばされたる由に ございます。 57 00:05:55,768 --> 00:05:57,704 鶴姫様が! 58 00:05:57,704 --> 00:06:04,110 <宝永元年4月 将軍 綱吉の唯一の子 鶴姫が➡ 59 00:06:04,110 --> 00:06:08,448 病のため この世を去った。➡ 60 00:06:08,448 --> 00:06:15,648 これで いよいよ 世継ぎは綱豊と 誰もが確信したのである> 61 00:06:17,457 --> 00:06:21,294 (きん)では やはり 次の公方様は お殿様に? 62 00:06:21,294 --> 00:06:24,330 (みさ)となれば 我らも江戸城内へ 移るのでしょうか。 63 00:06:24,330 --> 00:06:27,100 (なお)恐らく 西の丸へ。 (みさ)それは いつ? 64 00:06:27,100 --> 00:06:30,803 (なお)お殿様が ご世子と なられたあとでございましょう。 65 00:06:30,803 --> 00:06:34,674 (みさ)奥方様は それはそれは厳しいお方と。 66 00:06:34,674 --> 00:06:37,610 (こう) それより 我らは 西の丸へ➡ 67 00:06:37,610 --> 00:06:39,612 連れていって 頂けるのでしょうか。➡ 68 00:06:39,612 --> 00:06:44,350 あちらにも お女中は 大勢おるのでしょう。 69 00:06:44,350 --> 00:06:48,755 (古牟)案じる事はありませぬ。 70 00:06:48,755 --> 00:06:53,092 何せ 我らは お殿様とは格別のつながり。 71 00:06:53,092 --> 00:06:56,129 共に力を合わせ 西の丸へお連れ頂けるよう➡ 72 00:06:56,129 --> 00:06:58,765 精進致しましょう。 73 00:06:58,765 --> 00:07:00,700 はあ…。 74 00:07:00,700 --> 00:07:05,104 (唐澤)既に 聞き及んでおろうが➡ 75 00:07:05,104 --> 00:07:11,277 鶴姫様亡きあと お殿様は 正式に➡ 76 00:07:11,277 --> 00:07:16,783 お世継ぎを 拝命される事となるであろう。➡ 77 00:07:16,783 --> 00:07:23,456 となれば 早々に 江戸城西の丸に 居をお移しあそばされ➡ 78 00:07:23,456 --> 00:07:28,127 側室を置かれるも明らか。 79 00:07:28,127 --> 00:07:36,402 お古牟 お喜世。 そなたら2人には 必ずや お声がかかるはず。 80 00:07:36,402 --> 00:07:42,075 ありがたきおぼし召し 無上の誉れと存じまする。 81 00:07:42,075 --> 00:07:47,413 お殿様には ご正室である熙子様➡ 82 00:07:47,413 --> 00:07:54,287 更に 熙子様が目をかけておられる お須免様という ご愛妾までも。 83 00:07:54,287 --> 00:07:57,757 奥方様は お公家の出。 84 00:07:57,757 --> 00:08:03,629 身分低き者を側室とする事を 快くは思われていないはず。 85 00:08:03,629 --> 00:08:14,307 だが 側室となった後には 必ず お殿様の子をなさねばならぬ。 86 00:08:14,307 --> 00:08:17,307 分かっておるな。 87 00:08:19,045 --> 00:08:21,045 (2人)はっ。 88 00:08:27,453 --> 00:08:32,725 <けれど ご公儀からの知らせもなく➡ 89 00:08:32,725 --> 00:08:37,425 月日ばかりが流れていきました> 90 00:08:40,400 --> 00:08:45,271 (広沢)いまだ ご公儀からは 何のお達しもないようですな。 91 00:08:45,271 --> 00:08:47,273 (間部)はい。 92 00:08:47,273 --> 00:08:52,745 桂昌院様は 鶴姫様のご逝去で すっかり気落ちされ➡ 93 00:08:52,745 --> 00:08:58,084 それゆえ 公方様は なかなか 事を 決められずにおられると聞くが。 94 00:08:58,084 --> 00:09:00,019 まさに そのようでござりまする。 95 00:09:00,019 --> 00:09:05,758 殿は 本来ならば 24年前に お世継ぎとなられていた身。 96 00:09:05,758 --> 00:09:10,630 それを これだけ待たされた上 更にとは…。 97 00:09:10,630 --> 00:09:15,435 いくら温厚な殿とはいえ 堪忍袋の緒が切れようというもの。 98 00:09:15,435 --> 00:09:19,772 それは 綱豊公に限った話でも ありますまい。 99 00:09:19,772 --> 00:09:26,112 元禄の世になってこのかた 公方様の思いつき一つで➡ 100 00:09:26,112 --> 00:09:30,983 天下の民は どれほど理不尽に 引き回されてきた事か。 101 00:09:30,983 --> 00:09:40,283 お犬様しかり… 赤穂浪士の騒動とて。 102 00:09:42,595 --> 00:09:48,367 間部様。 私は 綱豊公こそ➡ 103 00:09:48,367 --> 00:09:52,271 今のご政道のゆがみを 根本より正せるお方と➡ 104 00:09:52,271 --> 00:09:54,571 思うております。 105 00:09:59,412 --> 00:10:05,284 それにしても… 間部様が このようなお方であったとは。 106 00:10:05,284 --> 00:10:08,087 は? 107 00:10:08,087 --> 00:10:17,587 まさに そなたは 喜世殿の守り神…。 108 00:10:38,951 --> 00:10:40,951 (江島)お喜世。 109 00:10:43,456 --> 00:10:47,126 お殿様がお呼びじゃ。 お支度を。 110 00:10:47,126 --> 00:10:50,463 はい。 111 00:10:50,463 --> 00:10:56,335 いよいよ 明日 ご登城される事となった。 112 00:10:56,335 --> 00:10:58,337 それでは…。 113 00:10:58,337 --> 00:11:04,637 正式に お殿様は 将軍ご世子となられる。 114 00:11:29,835 --> 00:11:32,738 いかがなさいました。 115 00:11:32,738 --> 00:11:36,038 寝つけぬ。 116 00:11:43,382 --> 00:11:50,122 明日の登城を控え 年がいもなく 奮い立っておるのかもしれぬ。 117 00:11:50,122 --> 00:11:56,822 このような巡り合わせで 世継ぎになる日が来るとは…。 118 00:12:01,133 --> 00:12:08,133 されど それが 我がさだめであるならば…。 119 00:12:10,476 --> 00:12:13,813 その時は 征夷大将軍として➡ 120 00:12:13,813 --> 00:12:18,513 成すべき事を 力の限り 成さねばならぬ。 121 00:12:21,153 --> 00:12:26,453 喜世 ここへ。 122 00:12:54,787 --> 00:12:57,487 喜世…。 123 00:13:00,126 --> 00:13:06,426 余が 必ず 政を正す。 124 00:13:08,000 --> 00:13:11,137 お殿様。 125 00:13:11,137 --> 00:13:19,478 世を… 変えてみせる。 126 00:13:19,478 --> 00:13:34,427 ♬~ 127 00:13:34,427 --> 00:13:41,427 <翌朝は 曇り空に雪が舞っていました> 128 00:13:43,436 --> 00:13:47,773 <今頃 お殿様は 江戸城にて➡ 129 00:13:47,773 --> 00:13:53,646 将軍家跡継ぎとなる事を 承っておられるはず。➡ 130 00:13:53,646 --> 00:14:01,646 けれど 私は あの冬の事を 思い出していました> 131 00:14:05,791 --> 00:14:09,295 (十郎左衛門)どうか 息災で。 132 00:14:09,295 --> 00:14:21,807 ♬~ 133 00:14:21,807 --> 00:14:25,478 <あれから もう2年…。➡ 134 00:14:25,478 --> 00:14:32,778 お殿様は 世を変えてみせると おっしゃった…> 135 00:14:42,428 --> 00:14:46,298 <そして 甲府宰相 綱豊は➡ 136 00:14:46,298 --> 00:14:52,772 将軍 綱吉より 正式に 次期将軍継承の儀を申し渡され➡ 137 00:14:52,772 --> 00:14:55,441 家宣の名を拝命> 138 00:14:55,441 --> 00:15:06,452 ♬~ 139 00:15:06,452 --> 00:15:14,326 <ついに 晴れて 江戸城西の丸へと その居を移した。➡ 140 00:15:14,326 --> 00:15:18,326 無論 女たちもである> 141 00:15:37,416 --> 00:15:42,087 <古牟と喜世は 家宣の側室となり➡ 142 00:15:42,087 --> 00:15:52,431 呼び名を それぞれ 右近の方 左京の方と改めた> 143 00:15:52,431 --> 00:15:57,102 (唐澤)右近の方様 左京の方様。 144 00:15:57,102 --> 00:15:59,772 ご両所におかれましては➡ 145 00:15:59,772 --> 00:16:05,277 晴れて 将軍家お世継ぎ様の ご側室とならせたもう事➡ 146 00:16:05,277 --> 00:16:09,114 まことにもって おめでとう存じまする。 147 00:16:09,114 --> 00:16:13,452 おめでとう存じまする。 148 00:16:13,452 --> 00:16:19,325 こちらは 柳沢美濃守様より ご両所へ届きました➡ 149 00:16:19,325 --> 00:16:22,127 お祝いの品でございます。 150 00:16:22,127 --> 00:16:24,927 [ 心の声 ] 柳沢様から? 151 00:16:27,800 --> 00:16:38,410 唐澤様。 奥方様が 右近の方様 左京の方様の目通りを許す➡ 152 00:16:38,410 --> 00:16:40,913 との事でございます。 153 00:16:40,913 --> 00:16:44,413 さようでございますか。 では すぐに。 154 00:16:50,422 --> 00:16:56,762 右近の方様 左京の方様。 155 00:16:56,762 --> 00:17:03,102 くれぐれも 粗相なきよう ご挨拶なされますように。 156 00:17:03,102 --> 00:17:05,604 承知致しました。 157 00:17:05,604 --> 00:17:08,440 はい。 158 00:17:08,440 --> 00:17:27,793 ♬~ 159 00:17:27,793 --> 00:17:33,399 ご挨拶が遅れまして。 右近にございます。 160 00:17:33,399 --> 00:17:37,269 左京にございます。 161 00:17:37,269 --> 00:17:42,908 (熙子)お二人さんとも そう かしこまらんでもよろし。 162 00:17:42,908 --> 00:17:47,108 お顔を見しておくれ。 163 00:17:53,419 --> 00:17:57,756 右近に左京…。 164 00:17:57,756 --> 00:18:03,629 まあまあ これはまた お殿様も お目が高い。 165 00:18:03,629 --> 00:18:08,767 のう 大典侍。 ほんに。 166 00:18:08,767 --> 00:18:21,347 ♬~ 167 00:18:21,347 --> 00:18:26,118 (熙子)京より取り寄せた落雁じゃ。 168 00:18:26,118 --> 00:18:31,918 珍しいものでもないのやが…。 さあさあ。 169 00:18:39,398 --> 00:18:44,398 遠慮せんでもよろし。 さあ。 170 00:18:48,073 --> 00:18:52,773 では。 頂きまする。 171 00:19:15,167 --> 00:19:20,667 おいしゅうございます。 まことに。 172 00:19:23,442 --> 00:19:30,142 その若さなら すぐにでも お子を授かりましょう。 173 00:19:32,117 --> 00:19:38,390 一日でも早う授かるよう つつがのう おつとめなされ。 174 00:19:38,390 --> 00:19:42,190 (2人)かしこまりました。 175 00:19:43,896 --> 00:19:49,701 ≪(猫の鳴き声) 176 00:19:49,701 --> 00:19:52,604 ほう 猫か。 177 00:19:52,604 --> 00:19:57,743 はい。 私の飼い猫で みいと申します。 178 00:19:57,743 --> 00:20:03,415 そうか。 ほんに 猫は 可愛らし事よのう。 179 00:20:03,415 --> 00:20:06,318 (古牟) 桜田御殿の頃より飼い慣らし➡ 180 00:20:06,318 --> 00:20:10,089 今では まるで 我が子のよう。 181 00:20:10,089 --> 00:20:12,758 床に入るのも 一緒でございます。 182 00:20:12,758 --> 00:20:19,458 まあまあ お床に入る時も。 ホホホホ…。 183 00:20:21,100 --> 00:20:26,438 桜田御殿では そないな事を。➡ 184 00:20:26,438 --> 00:20:31,777 私らでは 思いつきませんなあ。 185 00:20:31,777 --> 00:20:35,114 ほほえましい事や。 186 00:20:35,114 --> 00:20:38,814 ええ ほんに。 187 00:20:42,788 --> 00:20:47,659 早う 人のお子も授からねばのう。 188 00:20:47,659 --> 00:20:56,802 ♬~ 189 00:20:56,802 --> 00:20:59,138 (古牟)おお 怖…。 190 00:20:59,138 --> 00:21:03,008 怖いお方でございましたねえ。 191 00:21:03,008 --> 00:21:05,811 ねえ みいや。 192 00:21:05,811 --> 00:21:10,682 蛇に にらまれたようで 生きた心地がしませんでした。 193 00:21:10,682 --> 00:21:12,684 ねえ。 194 00:21:12,684 --> 00:21:15,154 ええ…。 195 00:21:15,154 --> 00:21:19,658 生まれてこのかた 初めて 江島様より怖いお方に➡ 196 00:21:19,658 --> 00:21:22,161 お会いしました。 フフフッ。 197 00:21:22,161 --> 00:21:24,830 ≪(江島)右近の方様は おいででございますか。 198 00:21:24,830 --> 00:21:26,830 (古牟)はい! 199 00:21:34,439 --> 00:21:37,476 ゆゆしき事が起こりました。 200 00:21:37,476 --> 00:21:39,611 何か…。 201 00:21:39,611 --> 00:21:43,115 奥方様は 大の猫嫌いだそうでございます。 202 00:21:43,115 --> 00:21:45,050 されど…。 203 00:21:45,050 --> 00:21:48,620 ほんに 猫は 可愛らし事よのう。 204 00:21:48,620 --> 00:21:51,123 (江島)見るのも触るのも お嫌。 205 00:21:51,123 --> 00:21:55,423 鳴き声を聞いただけで 身の毛のよだつ思いがすると。 206 00:21:59,464 --> 00:22:04,164 この猫 どうにかせねばなりませぬな。 207 00:22:05,804 --> 00:22:11,677 それだけは嫌でございます。 みいと離れるなど…。 208 00:22:11,677 --> 00:22:16,177 江島様 なんとか おとりなしを。 209 00:22:18,383 --> 00:22:20,883 (古牟)おとりなしを。 210 00:22:25,157 --> 00:22:30,028 ともかく この西の丸においては➡ 211 00:22:30,028 --> 00:22:33,966 右近の方様のお部屋から 一歩も出さぬよう➡ 212 00:22:33,966 --> 00:22:36,101 お願い致しまする。 213 00:22:36,101 --> 00:22:38,401 は…。 214 00:22:45,444 --> 00:22:51,116 なぜ お二人とも 菓子に手など伸ばされたのか。 215 00:22:51,116 --> 00:22:54,786 何か 粗相がございましたでしょうか。 216 00:22:54,786 --> 00:23:00,292 奥方様は 京のお公家様の出で ござりまするぞ。 217 00:23:00,292 --> 00:23:07,492 お口に出される言葉は 全て逆さまと お考え下さいませ。 218 00:23:12,471 --> 00:23:15,374 猫…。 219 00:23:15,374 --> 00:23:25,484 岩倉。 野良が お殿様の閨で おいたせぬよう 用心せねばのう。 220 00:23:25,484 --> 00:23:27,519 はっ。 221 00:23:27,519 --> 00:23:30,989 右近より むしろ…➡ 222 00:23:30,989 --> 00:23:35,189 左京を。 223 00:23:39,698 --> 00:23:44,636 <その日から お殿様のお召しを待つ毎日が➡ 224 00:23:44,636 --> 00:23:48,407 始まりました。➡ 225 00:23:48,407 --> 00:23:55,207 我らの役目は お殿様のお子をなす事> 226 00:23:59,785 --> 00:24:05,285 <それだけが 私の役目> 227 00:24:21,473 --> 00:24:26,345 (しな)左京の方様 お客人がお待ちにございます。 228 00:24:26,345 --> 00:24:29,345 [ 心の声 ] 私に お客人? 229 00:24:45,430 --> 00:24:48,230 仙桂尼様! 230 00:24:50,769 --> 00:24:53,438 お懐かしゅうございます。 231 00:24:53,438 --> 00:24:56,108 きよ…。 232 00:24:56,108 --> 00:25:01,980 いいえ 左京の方様。 233 00:25:01,980 --> 00:25:06,980 大層 ご出世なされて。 234 00:25:12,457 --> 00:25:16,128 お元気そうじゃ。 235 00:25:16,128 --> 00:25:22,128 仙桂尼様も お変わりなく。 ええ。 236 00:25:28,707 --> 00:25:36,748 本日 奥方様より こちらを お預かりしてまいりました。 237 00:25:36,748 --> 00:25:41,086 [ 心の声 ] 瑶泉院様から…。 238 00:25:41,086 --> 00:25:46,886 左京の方様への お礼状でござります。 239 00:25:58,637 --> 00:26:06,111 去る4日 泉岳寺三回忌の 法要におきましては➡ 240 00:26:06,111 --> 00:26:09,147 お志を頂戴致しまして➡ 241 00:26:09,147 --> 00:26:16,147 お心遣い まことに ありがとうございます。 242 00:26:19,124 --> 00:26:22,994 墓参もままならず 申し訳ござりませぬ。 243 00:26:22,994 --> 00:26:28,133 お気持ちだけで十分。 244 00:26:28,133 --> 00:26:33,833 方々も 喜んでおられた事でしょう。 245 00:26:36,741 --> 00:26:43,248 三回忌法要には 善左衛門も来てくれました。 246 00:26:43,248 --> 00:26:47,752 兄様が…。 247 00:26:47,752 --> 00:26:54,092 こちらに参ってから 文のやり取りもできず…。 248 00:26:54,092 --> 00:27:00,765 真面目に 僧侶の修行に 励んでおられる様子。 249 00:27:00,765 --> 00:27:06,438 そうそう 元哲殿は 寺子屋を開き➡ 250 00:27:06,438 --> 00:27:11,109 子どもたちに 読み書きを教えているとの事。 251 00:27:11,109 --> 00:27:14,980 まあ 寺子屋を。 252 00:27:14,980 --> 00:27:24,656 條右衛門殿も おほり殿も お見えになりました。 253 00:27:24,656 --> 00:27:28,156 さようでございますか。 254 00:27:34,065 --> 00:27:42,741 富子様が 亡うなられた事は ご存じでございますか? 255 00:27:42,741 --> 00:27:45,410 いえ…。 256 00:27:45,410 --> 00:27:54,419 昨年8月 ひっそりと 息を引き取られたと。 257 00:27:54,419 --> 00:28:02,294 <吉良様の奥方 富子様が 亡くなられた> 258 00:28:02,294 --> 00:28:07,966 (富子)ここへ来たところで 憎む事もできぬ。 259 00:28:07,966 --> 00:28:11,166 お行きなさい。 260 00:28:14,739 --> 00:28:22,447 (仙桂尼)いまひとつ 悲しい知らせがあります。 261 00:28:22,447 --> 00:28:24,783 はい。 262 00:28:24,783 --> 00:28:32,390 伊豆大島に行った 間瀬久太夫殿の次男 定八殿が➡ 263 00:28:32,390 --> 00:28:40,890 島で病に倒れ 亡うなりました。 264 00:28:44,736 --> 00:28:51,536 <流罪となった 赤穂義士遺児の死でした> 265 00:28:53,745 --> 00:28:59,618 仙桂尼様が あれほど嘆願を…。 266 00:28:59,618 --> 00:29:06,118 思うようにはなりませぬ。 267 00:29:10,095 --> 00:29:13,095 仙桂尼様。 268 00:29:17,435 --> 00:29:21,735 きよに 何かできる事は…。 269 00:29:25,310 --> 00:29:31,983 左京の方様が 第一にすべき事は➡ 270 00:29:31,983 --> 00:29:36,721 お殿様のお子をなす事。 271 00:29:36,721 --> 00:29:43,421 真心をもって お殿様にお仕えなさりませ。 272 00:29:46,398 --> 00:29:51,069 なれば おのずと道は開ける。 273 00:29:51,069 --> 00:29:56,769 仙桂尼様が いつか そのように きよに。 274 00:30:03,648 --> 00:30:08,620 そんな日は 来るのでしょうか。 275 00:30:08,620 --> 00:30:11,389 来ますとも。 276 00:30:11,389 --> 00:30:20,098 今 まさに 左京の方様は 道を開いておられる。 277 00:30:20,098 --> 00:30:23,001 ご自身の道を。 278 00:30:23,001 --> 00:30:36,001 ♬~ 279 00:30:48,793 --> 00:30:51,493 ≪(江島)左京の方様。 280 00:30:57,802 --> 00:31:02,502 今宵 お殿様が お閨へと。 281 00:31:16,488 --> 00:31:23,488 <私にしか できぬ事があるはず> 282 00:31:30,502 --> 00:31:36,107 <お殿様へ じきじきに嘆願ができる機会は➡ 283 00:31:36,107 --> 00:31:39,010 閨の中だけ> 284 00:31:39,010 --> 00:32:44,310 ♬~ 285 00:32:54,118 --> 00:32:56,318 いかがした。 286 00:33:01,793 --> 00:33:04,493 近う寄れ。 287 00:33:20,478 --> 00:33:25,984 お殿様に お聞き頂きたき事がございます。 288 00:33:25,984 --> 00:33:29,484 何じゃ。 289 00:33:31,155 --> 00:33:37,428 <我らの悲願は… お家再興> 290 00:33:37,428 --> 00:33:39,728 喜世は…。 291 00:33:48,072 --> 00:33:50,072 喜世は…。