1 00:00:26,193 --> 00:00:29,529  心の声  (大福)ここを逃げるんだ! あつ子の所へ行くんだ!➡ 2 00:00:29,529 --> 00:00:33,233 あつ子も連れて 一緒に逃げるんだ! 3 00:00:39,873 --> 00:00:42,776  心の声  見つかったら 殺される。 殴り殺される!➡ 4 00:00:42,776 --> 00:00:46,079 母ちゃん 助けて! 5 00:00:55,222 --> 00:00:58,559 (あつ子)お兄ちゃん! あつ子! 6 00:00:58,559 --> 00:01:02,429 (あつ子)熱いよ! お兄ちゃん 熱いよ お兄ちゃん! 7 00:01:02,429 --> 00:01:05,832 あつ子~! お兄ちゃん! お兄ちゃん! 8 00:01:05,832 --> 00:01:08,135 あつ子! 9 00:01:15,175 --> 00:01:19,179 (殴る音) あ~! ううっ! 10 00:01:43,203 --> 00:01:47,874 <また 夢を見た。➡ 11 00:01:47,874 --> 00:01:51,545 いつも 妹の あつ子が現れる。➡ 12 00:01:51,545 --> 00:01:54,214 あつ子は 5歳。➡ 13 00:01:54,214 --> 00:01:58,552 時々 血みどろになって死んだ母も 現れた。➡ 14 00:01:58,552 --> 00:02:03,390 だが 父の姿は なかった。➡ 15 00:02:03,390 --> 00:02:07,361 名前も あつ子の名前しか 覚えていない。➡ 16 00:02:07,361 --> 00:02:12,065 日本人だった自分の名前は 何だったのか…> 17 00:02:14,835 --> 00:02:21,508 <何日も走っていた。 北京から 西へ向かって…。➡ 18 00:02:21,508 --> 00:02:25,345 窓の外には まばらな木立が どこまでも続く。➡ 19 00:02:25,345 --> 00:02:29,182 無人の荒れた黄土の平原。➡ 20 00:02:29,182 --> 00:02:36,056 その果てに待っている 囚人として送られる労働改造所…> 21 00:02:36,056 --> 00:02:40,193 ♬~(テ-マ音楽) 22 00:02:40,193 --> 00:04:20,494 ♬~ 23 00:04:23,163 --> 00:04:26,466 (耕次)文化大革命か…。 24 00:04:32,839 --> 00:04:35,675 (チャイム) (機内アナウンス)「皆様 間もなく➡ 25 00:04:35,675 --> 00:04:39,179 羽田東京国際空港に 着陸致します。➡ 26 00:04:39,179 --> 00:04:41,515 座席ベルトを しっかり お締め下さい。➡ 27 00:04:41,515 --> 00:04:45,385 この先の おたばこは お控え下さいませ」。 28 00:04:45,385 --> 00:04:49,189 (場内アナウンス) 「東洋製鉄の松本耕次様。➡ 29 00:04:49,189 --> 00:04:55,061 日本航空712便で クアラルンプールから ご到着の松本耕次様。➡ 30 00:04:55,061 --> 00:04:58,365 いらっしゃいましたら 空港カウンタ- インフォメーションまで…」。 31 00:04:58,365 --> 00:05:01,334 (社員)松本さん。 お帰りなさい。 お疲れさまです。 32 00:05:01,334 --> 00:05:04,471 君は…? 今のアナウンス 同じですから。 33 00:05:04,471 --> 00:05:08,341 あちらで 建設本部長が お待ちです。 34 00:05:08,341 --> 00:05:12,145 ああ 柿田本部長…。 35 00:05:12,145 --> 00:05:16,016 (柿田)いや~ ご苦労さん。 ただいま 帰りました。 36 00:05:16,016 --> 00:05:19,019 それじゃあ 君…。 車は 表に回してありますから。 37 00:05:19,019 --> 00:05:22,656 うん。 荷物は これだけ? はい これだけです。 38 00:05:22,656 --> 00:05:26,159 荷物 持ちます。 じゃあ 行こうか。 39 00:05:32,365 --> 00:05:34,834 あっ 僕 先に降りるから。 40 00:05:34,834 --> 00:05:38,138 そうですか。 それじゃあ 失礼します。 41 00:05:40,173 --> 00:05:43,176 (社員)私は これで。 42 00:05:46,046 --> 00:05:50,183 (柿田)奥さん 亡くなったよ。 43 00:05:50,183 --> 00:05:52,118 はっ? 44 00:05:52,118 --> 00:05:56,056 出張先のマレ-シアの方に 連絡をしたんだがね。 45 00:05:56,056 --> 00:05:58,758 間に合わなくて…。 46 00:06:01,127 --> 00:06:05,632 くも膜下出血だそうだ。 47 00:06:05,632 --> 00:06:08,134 今朝の10時ごろで。 48 00:06:08,134 --> 00:06:13,807 近所の社員の家族が 救急車で運んだんだが…➡ 49 00:06:13,807 --> 00:06:16,710 駄目だった…。 50 00:06:16,710 --> 00:06:20,680 くも膜…。 51 00:06:20,680 --> 00:06:25,318 遺体は 病院から 社宅の方に戻ってる。 52 00:06:25,318 --> 00:06:31,524 一応 社の方で 葬儀の仕切りはしてある。 53 00:06:34,494 --> 00:06:36,997 ありがとうございます。 54 00:06:38,832 --> 00:06:41,735 こんな つらい事 知らせるの➡ 55 00:06:41,735 --> 00:06:46,506 君たちの仲人だった 僕ぐらいしか いなくてね。 56 00:06:46,506 --> 00:06:50,810 ご迷惑ばかり おかけします。 57 00:06:52,846 --> 00:06:58,718 奥さん… 伸子さん 結婚して…。 58 00:06:58,718 --> 00:07:03,456 再婚して 何年になるのかな? 59 00:07:03,456 --> 00:07:08,128 はい。 7年になります。 60 00:07:08,128 --> 00:07:10,163 どこだったかな…。 61 00:07:10,163 --> 00:07:14,801 一度 奥さんと 話をした事があるよ。 62 00:07:14,801 --> 00:07:21,308 前のご主人が フィリピンで捕虜になって 病死した。 63 00:07:21,308 --> 00:07:25,145 もう二度と あんな つらい思いはしたくない。 64 00:07:25,145 --> 00:07:30,016 そう独り暮らしの決心を していたけど➡ 65 00:07:30,016 --> 00:07:32,018 君の登場で その決心が➡ 66 00:07:32,018 --> 00:07:37,724 めちゃめちゃに なってしまったって笑ってた。 67 00:07:37,724 --> 00:07:43,163 でも 君も 奥さんを満州で亡くして…。 68 00:07:43,163 --> 00:07:47,033 2人とも 連れ合いと➡ 69 00:07:47,033 --> 00:07:55,175 むごい別れをしているから 理解できるんだって➡ 70 00:07:55,175 --> 00:07:57,510 とても幸せそうだった。 71 00:07:57,510 --> 00:07:59,813 フッ…。 72 00:08:03,316 --> 00:08:08,455 あれは… 伸子は…。 73 00:08:08,455 --> 00:08:14,794 私の死んだ父と家内と 子どもたちの位はいを➡ 74 00:08:14,794 --> 00:08:18,665 よく守ってくれました。 75 00:08:18,665 --> 00:08:26,139 命日には 灯明と線香をあげ 花を欠かさず➡ 76 00:08:26,139 --> 00:08:30,010 ごはんを供えてくれました。 77 00:08:30,010 --> 00:08:33,013 あれは…。 78 00:08:33,013 --> 00:08:39,486 満州で亡くした家族の影を 引きずり続けている私に➡ 79 00:08:39,486 --> 00:08:43,823 恨みがましい事 一つ 口にせず➡ 80 00:08:43,823 --> 00:08:47,527 私に ついてきてくれました。 81 00:08:50,163 --> 00:08:53,466 幸せ薄い女でした…。 82 00:08:55,034 --> 00:08:58,338 その伸子の最期を…。 83 00:08:59,973 --> 00:09:05,678 私は とうとう 看取る事もできませんでした。 84 00:09:08,448 --> 00:09:10,383 申し訳ありません。 85 00:09:10,383 --> 00:10:04,003 ♬~ 86 00:10:04,003 --> 00:10:06,339 帰ったよ。 87 00:10:06,339 --> 00:11:00,527 ♬~ 88 00:11:00,527 --> 00:11:03,029 また 一人だ…。 89 00:11:05,832 --> 00:11:11,704 私一人 置いてけぼりだ。 90 00:11:11,704 --> 00:11:14,007 (列車が停車する音) 91 00:13:27,840 --> 00:13:36,182 (サイレン) 92 00:13:36,182 --> 00:13:41,521 (連絡員)ソ連が参戦したぞ! 国境を越えて攻めてきた!➡ 93 00:13:41,521 --> 00:13:46,192 ソ連が参戦したぞ! 国境を越えて攻めてきた! 94 00:13:46,192 --> 00:13:49,095 <昭和20年8月。➡ 95 00:13:49,095 --> 00:13:53,533 ソ満国境に近い 東索倫河の開拓団は➡ 96 00:13:53,533 --> 00:13:56,869 突然のソ連参戦に混乱していた> 97 00:13:56,869 --> 00:13:58,805 本部前へ集まれ! 98 00:13:58,805 --> 00:14:01,841 (耕平)タキエ! (タキエ)はい! 勝男!➡ 99 00:14:01,841 --> 00:14:06,312 みつ子! あつ子! 早く早く!➡ 100 00:14:06,312 --> 00:14:10,483 お義父さん 大丈夫ですか? お義父さん! 101 00:14:10,483 --> 00:14:15,355 (山田団長)宝清には 関東軍の 西山部隊が駐屯している。➡ 102 00:14:15,355 --> 00:14:19,659 各戸 老人以外の男子は 警備用銃を持つ。➡ 103 00:14:19,659 --> 00:14:23,529 老人と幼児は 本部のトラックと大車に乗せる。 104 00:14:23,529 --> 00:14:26,165 あとは 全員 徒歩。➡ 105 00:14:26,165 --> 00:14:33,506 当信濃郷団員120名は 長野県出身者として 一糸乱れず➡ 106 00:14:33,506 --> 00:14:36,843 恥ずかしくない行動をとるよう。➡ 107 00:14:36,843 --> 00:14:40,179 ただいま 6時。 準備ができ次第➡ 108 00:14:40,179 --> 00:14:44,183 可及的速やかに出発する。 以上です。 109 00:14:51,524 --> 00:14:53,459 あつ子。 110 00:14:53,459 --> 00:14:57,196 勝男。 おじいちゃん トラックに乗してもらって。 111 00:14:57,196 --> 00:14:59,198 じいちゃん。 112 00:15:05,004 --> 00:15:08,641 あつ子。 はい。 113 00:15:08,641 --> 00:15:12,145 これ な~に? 信濃神社のお守りだよ。 114 00:15:12,145 --> 00:15:15,481 これ つけっと 神様が守ってくんなさるからね。 115 00:15:15,481 --> 00:15:17,817 それから あつ子。 シロは 置いてきな。 116 00:15:17,817 --> 00:15:22,155 また すぐ帰れんだから。 ねっ? あつ子。 117 00:15:22,155 --> 00:15:25,491 (咲子)おばさん! 大丈夫? あっちゃんたち。 118 00:15:25,491 --> 00:15:28,394 大丈夫。 咲ちゃんとこは? うちは みんな 大きいから。 119 00:15:28,394 --> 00:15:30,363 おばさんとこ 大変ね。 120 00:15:30,363 --> 00:15:33,833 おじさんは 召集されて いないし 何かあったら言ってね。 121 00:15:33,833 --> 00:15:35,768 ありがとう。 あっちゃん! 122 00:15:35,768 --> 00:15:37,703 おねえちゃんと向こうへ行って トラック 乗ろう。 123 00:15:37,703 --> 00:15:39,705 なっ? うん! 124 00:15:39,705 --> 00:15:43,176 (鳴き声) 125 00:15:43,176 --> 00:15:45,845 雨…。 126 00:15:45,845 --> 00:15:54,187 (雷鳴) 127 00:15:54,187 --> 00:15:59,058 (山田)真っ暗だが 明かりをつける事はできない!➡ 128 00:15:59,058 --> 00:16:04,797 足元を気を付けて 滑らないように!➡ 129 00:16:04,797 --> 00:16:11,137 前後左右 よ~く 連絡取って 落後者のないように!➡ 130 00:16:11,137 --> 00:16:13,472 頑張れよ! 131 00:16:13,472 --> 00:16:20,646 (雷鳴と雨の音) 132 00:16:20,646 --> 00:16:32,358 (雨の音) 133 00:16:32,358 --> 00:16:36,128 関東軍の方ですか? ご苦労さんです。 134 00:16:36,128 --> 00:16:40,500 我々は 東索倫河の信濃郷開拓団です。 135 00:16:40,500 --> 00:16:44,837 宝清まで避難するよう 命令受けて ただいま 到着しました。 136 00:16:44,837 --> 00:16:49,175 (下士官)部隊は もう移動した。 移動って どこへですか? 137 00:16:49,175 --> 00:16:51,510 そんなの知るか。 138 00:16:51,510 --> 00:16:57,183 大体 軍の機密だ。 貴様らに話す事じゃない。 139 00:16:57,183 --> 00:16:59,852 そりゃ 話 違う! 140 00:16:59,852 --> 00:17:03,456 ソ満国境の軍の拠点に 開拓民を入植させたのは➡ 141 00:17:03,456 --> 00:17:06,359 いざっていう時に 真っ先に 軍が保護してくれるという➡ 142 00:17:06,359 --> 00:17:09,328 条件だったでしょ! うるさい。 143 00:17:09,328 --> 00:17:12,465 今更 そんな事 言ったって 始まらんだろう。 144 00:17:12,465 --> 00:17:14,400 何しろ これしか いないんだ。 145 00:17:14,400 --> 00:17:20,139 要するに… 軍が先に逃げたって事か! 146 00:17:20,139 --> 00:17:25,011 そんだから わしらを 棄民扱いしよったって事か! 147 00:17:25,011 --> 00:17:33,486 (雨の音) 148 00:17:33,486 --> 00:17:36,822 見てのとおりだ。 149 00:17:36,822 --> 00:17:43,496 松本さんの言うとおり わしらは軍に見捨てられたんだ。➡ 150 00:17:43,496 --> 00:17:47,366 ただ 満鉄の勃利駅まで行けば➡ 151 00:17:47,366 --> 00:17:51,370 日本軍の大部隊が 駐屯してるという情報がある。➡ 152 00:17:51,370 --> 00:17:56,509 我々を列車にも乗せてくれる。➡ 153 00:17:56,509 --> 00:18:02,114 疲労が激しいから 本当は ここで休養していきてえんだが➡ 154 00:18:02,114 --> 00:18:09,455 ソ連兵を考えると 今すぐにも 移動を開始したい。➡ 155 00:18:09,455 --> 00:18:13,626 勃利までは 170キロです!➡ 156 00:18:13,626 --> 00:18:18,798 みんな 勃利まで頑張ろう! 157 00:18:18,798 --> 00:18:21,100 俺たちも一緒に行く。 158 00:18:32,812 --> 00:18:37,516 (男)トラックが はまった! 手を貸してくれ! 159 00:18:44,824 --> 00:18:49,829 みんな 降りてくれ! 車体 軽くするんだ! 160 00:18:59,171 --> 00:19:04,443 (エンジンを ふかす音) 161 00:19:04,443 --> 00:19:08,114 よ~し! トラックは これから先➡ 162 00:19:08,114 --> 00:19:11,017 燃料の心配もあるから ここで捨てる。➡ 163 00:19:11,017 --> 00:19:14,987 積んでる食糧を 大車に移すぞ!➡ 164 00:19:14,987 --> 00:19:19,125 食糧以外の余計なものも ここで捨てる!➡ 165 00:19:19,125 --> 00:19:21,460 それから 布団は➡ 166 00:19:21,460 --> 00:19:25,131 これ以上は 雨水を吸って 重くなるばかりだから➡ 167 00:19:25,131 --> 00:19:29,835 ここで捨てていくように! いいな! 168 00:19:44,483 --> 00:19:50,156 (山田)ほかに 道はないな。 この川を渡るしかない。➡ 169 00:19:50,156 --> 00:19:54,493 すまんが あんた方が先頭に立って➡ 170 00:19:54,493 --> 00:19:58,197 深さを測りながら 進んでくれませんか? 171 00:19:59,832 --> 00:20:03,135 (下士官)本隊 渡河 用意! 172 00:20:15,381 --> 00:20:18,851 大丈夫か? 173 00:20:18,851 --> 00:20:23,522 前の人に しっかりついて 横に それるな! 174 00:20:23,522 --> 00:20:25,524 川に のまれるぞ! 175 00:20:29,862 --> 00:20:32,565 深いぞ! 176 00:20:36,736 --> 00:20:40,206 頑張れ 頑張れ! こっちまで来い! 177 00:20:40,206 --> 00:20:43,209 気を付けて! 178 00:20:45,077 --> 00:20:49,882 (山田)前へ進め! ゆっくりで いいからな。 179 00:20:49,882 --> 00:20:54,186 前へ進め ゆっくり進め! 180 00:20:56,555 --> 00:20:58,491 お義父さん 大丈夫ですか? 181 00:20:58,491 --> 00:21:01,160 助けて! (昭二)お母さん! 182 00:21:01,160 --> 00:21:04,063 (昭二)お母さん! (山田)おい! この子を止めろ! 183 00:21:04,063 --> 00:21:08,501 (昭二)お母さん! 昭二! 184 00:21:08,501 --> 00:21:12,171 お母さん! お母さん! 185 00:21:12,171 --> 00:21:14,840 昭二! (昭二)お母さん!➡ 186 00:21:14,840 --> 00:21:17,510 お母さん! 昭二! 187 00:21:17,510 --> 00:21:20,846 (昭二)お母さん! (山田)昭二! 188 00:21:20,846 --> 00:21:23,516 (昭二)お母さん! 189 00:21:23,516 --> 00:21:28,220 (山田)女 子どもだから 無理だ。 ともかく急がせろ! 190 00:21:33,859 --> 00:21:40,166 みんな! 犠牲になった者の事は忘れるんだ。 191 00:21:41,734 --> 00:21:48,407 昭二! お前も 元気出せ! いいな。➡ 192 00:21:48,407 --> 00:21:51,410 ケガしたもんは いねえか? 193 00:21:56,882 --> 00:22:01,187 おばさん… みっちゃん! えっ? 194 00:22:10,830 --> 00:22:13,132 お乳…。 195 00:22:18,504 --> 00:22:21,841 お乳… お乳 出ない!? 196 00:22:21,841 --> 00:22:27,146 私 かゆ汁 水筒に入れてた! (耕平)ああ すまねえ。 197 00:22:29,515 --> 00:22:33,385 (タキエ)みつ子 みつ子…。 198 00:22:33,385 --> 00:22:37,389 (咲子)おばさん! みっちゃん 死んでる! 199 00:22:37,389 --> 00:22:40,526 (耕平)みつ子! みつ子! 200 00:22:40,526 --> 00:22:44,863 みつ子! みつ子! 201 00:22:44,863 --> 00:22:49,735 死ぬなんて… みつ子! 202 00:22:49,735 --> 00:22:53,539 父ちゃんに… 父ちゃんに すまない! 203 00:22:53,539 --> 00:22:57,409 母ちゃんは 父ちゃんに すまない! 204 00:22:57,409 --> 00:23:01,347 みつ子! みつ子~!➡ 205 00:23:01,347 --> 00:23:05,150 みつ子! みつ子! 松本さん。 206 00:23:05,150 --> 00:23:11,490 とんだ事だが わしらとしては 先を急がなきゃなんねえ。➡ 207 00:23:11,490 --> 00:23:14,159 よろしいですか? 208 00:23:14,159 --> 00:23:17,830 …と言いますと? 209 00:23:17,830 --> 00:23:22,701 赤ん坊を このまま 放置して頂きたいんですが…。➡ 210 00:23:22,701 --> 00:23:26,705 本当なら 埋葬しなきゃ なんねえんだろうが。 211 00:23:29,842 --> 00:23:33,178 みつ子…。 タキエさん。 212 00:23:33,178 --> 00:23:36,849 いいかね? あんたの気持ちは➡ 213 00:23:36,849 --> 00:23:41,520 みんな 分かり過ぎるほど 分かってんだ。 214 00:23:41,520 --> 00:23:46,859 みつ子…。 (泣き声) 215 00:23:46,859 --> 00:23:51,730 (山田)さあ 出発しよう。 216 00:23:51,730 --> 00:24:02,808 ♬~ 217 00:24:02,808 --> 00:24:08,480 わしが 耕次には よ~く 話 する。➡ 218 00:24:08,480 --> 00:24:12,818 「ほかの団の母親たちは 歩けなくなると➡ 219 00:24:12,818 --> 00:24:17,156 みんな 道に赤ん坊を捨てたんだ。➡ 220 00:24:17,156 --> 00:24:21,493 それを おめえは 最後まで頑張った」。 221 00:24:21,493 --> 00:24:23,796 そう言うてな…。 222 00:24:25,364 --> 00:24:31,170 (タキエ)今日は 何日だったかしら? 223 00:24:31,170 --> 00:24:34,073 15日でしょうか? 224 00:24:34,073 --> 00:24:38,510 8月15日だ。 225 00:24:38,510 --> 00:24:44,183 開拓団 出てから 6日か…。 226 00:24:44,183 --> 00:24:47,086 (山田)えっ? 227 00:24:47,086 --> 00:24:51,523 だから 5歳以下の子どもは 全員 殺せ! 228 00:24:51,523 --> 00:24:54,426 そんな事できる訳ねえ! 229 00:24:54,426 --> 00:24:56,395 お前らが 一緒でなければ➡ 230 00:24:56,395 --> 00:24:59,398 俺たちは もう とっくに 勃利に着いてるんだ。 231 00:24:59,398 --> 00:25:01,800 これ以上の幼児の同行は➡ 232 00:25:01,800 --> 00:25:06,472 泣き声から 敵に察知され 死命に関わる事になる。➡ 233 00:25:06,472 --> 00:25:09,775 全滅から助かる 唯一の道だ。 234 00:25:13,812 --> 00:25:18,684 今夜は いい。 明朝 みんなに伝えろ。 235 00:25:18,684 --> 00:25:23,155 母親が殺せなかったら 俺たちがやる。➡ 236 00:25:23,155 --> 00:25:25,457 いいな? 237 00:25:54,119 --> 00:25:58,056 母ちゃん 「あつ子は6つだ」って➡ 238 00:25:58,056 --> 00:26:01,060 うまく 兵隊 だましたんだ。 239 00:26:35,727 --> 00:26:42,167 皆さん どうしました? 皆さん どちらですか? 240 00:26:42,167 --> 00:26:48,040 ああ… わしら 東索倫河の信濃郷開拓団です。 241 00:26:48,040 --> 00:26:52,511 皆さん ここに集まって…? 242 00:26:52,511 --> 00:26:54,446 待ってるんですよ。 243 00:26:54,446 --> 00:27:00,319 もう 米も無くなって 塩も 雨で流されて➡ 244 00:27:00,319 --> 00:27:03,789 飢え死に するばかりになったから➡ 245 00:27:03,789 --> 00:27:08,660 それで 体力のある者だけ 先に行って➡ 246 00:27:08,660 --> 00:27:14,132 近くの村で 食糧を集めてくるんです。 247 00:27:14,132 --> 00:27:16,468 近くったって…。 248 00:27:16,468 --> 00:27:21,340 いや 分かってるんです。 249 00:27:21,340 --> 00:27:25,143 戻ってなんか 来られませんよ。 250 00:27:25,143 --> 00:27:28,814 「必ず 迎えに来る」って 言ってたが➡ 251 00:27:28,814 --> 00:27:33,685 無理な事は みんな 承知しています。➡ 252 00:27:33,685 --> 00:27:40,826 しかし 足手まといになる私たちが ここに残れば➡ 253 00:27:40,826 --> 00:27:48,167 少しでも… いや 何人かでも 助かるでしょう?➡ 254 00:27:48,167 --> 00:27:52,838 食糧だって 助かる。 255 00:27:52,838 --> 00:27:57,843 それじゃあ… お大事に。 256 00:28:05,784 --> 00:28:09,788 よし 行こう! 257 00:28:19,798 --> 00:28:22,701 お義父さん? 258 00:28:22,701 --> 00:28:27,472 わしも ここに残る! 何 言ってんですか! 259 00:28:27,472 --> 00:28:31,810 わしは もういい。 下痢続きで これ以上 歩けん。 260 00:28:31,810 --> 00:28:37,482 あの人たちが足手まといなら わしの方が よっぽど そうだ。 261 00:28:37,482 --> 00:28:41,486 そんだから ここに残らしてもらう。 262 00:28:45,357 --> 00:28:48,126 何するんだ タキエ! 263 00:28:48,126 --> 00:28:52,831 おい! おめえ 何…。 264 00:28:56,835 --> 00:28:59,738 ああ…。 265 00:28:59,738 --> 00:29:03,742 おめえ おい…。 266 00:29:11,116 --> 00:29:15,120 よし 行こう! 267 00:29:39,144 --> 00:29:42,814 タキエ…。 はい。 268 00:29:42,814 --> 00:29:46,518 わしは…。 269 00:29:48,487 --> 00:29:52,824 はい? わしは もう助からん。 270 00:29:52,824 --> 00:29:57,162 お義父さん 何 バカな事 言ってんですか! 271 00:29:57,162 --> 00:30:00,832 いや… 本当だ。 272 00:30:00,832 --> 00:30:10,509 わしは タキエと それから 勝男に 謝らにゃなんねえ。 273 00:30:10,509 --> 00:30:18,183 「一家を挙げて 満州へ渡ろう」って 言ったのは わしだ。 274 00:30:18,183 --> 00:30:23,855 耕次は 賛成しなかった。 275 00:30:23,855 --> 00:30:32,531 おめえたちのために お国のために と思って やったんだが➡ 276 00:30:32,531 --> 00:30:35,834 とうとう こんな事になっちまった…。 277 00:30:37,402 --> 00:30:40,405 生き地獄に さらしちまったのは➡ 278 00:30:40,405 --> 00:30:47,879 どう詫びても 詫びきれん。 279 00:30:47,879 --> 00:30:52,751 おめえたちは どんな事があっても➡ 280 00:30:52,751 --> 00:30:58,523 生きて… 日本に帰り…。 281 00:30:58,523 --> 00:31:05,831 耕次が… 耕次に会うんだ…。 282 00:31:05,831 --> 00:31:09,167 いいな? 283 00:31:09,167 --> 00:31:15,040 お義父さん しっかりして下さい! 284 00:31:15,040 --> 00:31:18,844 私たちだけで… お義父さん 死なして➡ 285 00:31:18,844 --> 00:31:22,514 どうして 日本へ帰れるんですか! 286 00:31:22,514 --> 00:31:26,852 みつ子 死なして お義父さんに死なれたら➡ 287 00:31:26,852 --> 00:31:31,189 主人に どういう顔を 合わせられるんですか! 288 00:31:31,189 --> 00:31:35,026 勝男…。 じいちゃん。 289 00:31:35,026 --> 00:31:39,197 父ちゃんに会ったら 言うんだど。 290 00:31:39,197 --> 00:31:44,536 「母ちゃんは えれえおなごだった。➡ 291 00:31:44,536 --> 00:31:52,878 どんなに つらくても 子捨てをしなかった。➡ 292 00:31:52,878 --> 00:32:01,153 最後は 背中の上で みつ子を死なしちまった。➡ 293 00:32:01,153 --> 00:32:07,025 最後は じいちゃんを しょって逃げた」。 294 00:32:07,025 --> 00:32:11,496 そう言ってな…。 じいちゃん…。 295 00:32:11,496 --> 00:32:16,368 「こんな えれえ母ちゃん 持って➡ 296 00:32:16,368 --> 00:32:23,108 誰にでも 威張れる」って…。 297 00:32:23,108 --> 00:32:26,044 父ちゃんに…。 298 00:32:26,044 --> 00:32:35,053 ♬~ 299 00:32:38,523 --> 00:32:42,194 お義父さん! じいちゃん! 300 00:32:42,194 --> 00:32:45,864 お義父さん! ほら…。 301 00:32:45,864 --> 00:32:52,204 じいちゃん! (タキエ)お義父さん! お義父さん! 302 00:32:52,204 --> 00:32:58,543 (山田)もう少しで この先の開拓団跡に入る。➡ 303 00:32:58,543 --> 00:33:05,150 そこには ほかの開拓団もいて 少しは 休めるはずだから➡ 304 00:33:05,150 --> 00:33:09,487 元気出して 頑張れよ!➡ 305 00:33:09,487 --> 00:33:11,790 大丈夫か? 306 00:33:16,161 --> 00:33:22,501 (山田)今晩は ここで 宿泊します。 307 00:33:22,501 --> 00:33:27,839 ただ いずれ分かる事だから 伝えておくが➡ 308 00:33:27,839 --> 00:33:33,178 先ほど わしらより奥地の開拓団が➡ 309 00:33:33,178 --> 00:33:38,049 ここで 集団自決しました。➡ 310 00:33:38,049 --> 00:33:44,189 わしらも 目的地にしていた勃利が ソ連軍の爆撃を受けて➡ 311 00:33:44,189 --> 00:33:48,059 入れなくなっちまったのが 理由らしい。 312 00:33:48,059 --> 00:33:56,201 ここには 3,000人が避難していて 馬小屋も いっぱいという事だ。➡ 313 00:33:56,201 --> 00:34:01,806 恐らく 寝る場所は 軒下ぐらいしかねえと思うが➡ 314 00:34:01,806 --> 00:34:06,144 それぞれ 皆さんで確保して下さい。 315 00:34:06,144 --> 00:34:13,485 なお 明日は わしの判断で 勃利を断念して➡ 316 00:34:13,485 --> 00:34:16,154 依蘭に向かいます。➡ 317 00:34:16,154 --> 00:34:22,494 依蘭では うまくすれば 列車に乗れるかもしれねえ。 318 00:34:22,494 --> 00:34:28,500 列車での目的地は ハルピンです。 以上です。 319 00:34:35,840 --> 00:34:42,547 母ちゃん 今晩 ここで寝な。 さあ あつ子も…。 320 00:34:46,184 --> 00:34:51,890 すまないね。 母ちゃん 何にもできなくて…。 321 00:35:12,811 --> 00:35:18,149 (山田)これから とりあえず 佐渡開拓団跡に向かう!➡ 322 00:35:18,149 --> 00:35:23,822 佐渡開拓団には ほかの開拓団も 集結していると思うが➡ 323 00:35:23,822 --> 00:35:29,160 あそこは 麦と馬鈴薯の耕作で 知られていて➡ 324 00:35:29,160 --> 00:35:35,467 今なら 多分 ジャガイモは 食糧として確保できると思う! 325 00:35:50,849 --> 00:35:53,518 あ~ ここはいいね。 326 00:35:53,518 --> 00:35:56,421 ソ連 気にしねえで 煮炊きできんだから。 327 00:35:56,421 --> 00:35:59,858 本当だよ! 半月ぶりだよ こんなの。 328 00:35:59,858 --> 00:36:04,129 飯の支度できるなんて 思わなかったよな~。 329 00:36:04,129 --> 00:36:07,966 それに 畳じゃねえけど 今晩は 建物の中で寝られるしな。 330 00:36:07,966 --> 00:36:11,469 久しぶりだ。 (子ども)俺 もう動きたくねえ。➡ 331 00:36:11,469 --> 00:36:13,805 ここに ずっといる。 歩きたくねえ。 332 00:36:13,805 --> 00:36:18,143 ハハハ! 本当だ。 疲れたもんな。 ほれ もっと食べろ。 333 00:36:18,143 --> 00:36:22,814 (男)ソ連だ~! 隠れろ! 母ちゃん! 334 00:36:22,814 --> 00:36:28,153 中へ入れ! 逃げろ! 隠れろ!➡ 335 00:36:28,153 --> 00:36:30,455 ソ連だ~! 336 00:36:36,494 --> 00:36:41,166 何だろう? 母ちゃん。 爆弾じゃないね。 337 00:36:41,166 --> 00:36:53,178 (飛行機の音) 338 00:36:53,178 --> 00:36:55,180 これ。 339 00:36:57,515 --> 00:37:00,218 (山田)「戦争に敗けた」? 340 00:37:01,786 --> 00:37:09,127 日本が戦争に敗けた? ふざけるな こんなデマがあるか! 341 00:37:09,127 --> 00:37:11,796 (飛行機の音) 342 00:37:11,796 --> 00:37:16,134 戦闘態勢 とれ! (兵士たち)はっ! 343 00:37:16,134 --> 00:37:19,471 やめろ! やめるんだ! やめてくれ! 344 00:37:19,471 --> 00:37:21,806 逃げましょう! 戦闘 用意! 345 00:37:21,806 --> 00:37:24,709 (銃声) 346 00:37:24,709 --> 00:37:28,146 あ…。 347 00:37:28,146 --> 00:37:30,148 当たったんだ! (銃声) 348 00:37:33,485 --> 00:37:35,420 (爆発音) 349 00:37:35,420 --> 00:37:40,158 (一同)やった~! やった~! (歓声) 350 00:37:40,158 --> 00:37:43,061 いかん…。 351 00:37:43,061 --> 00:37:45,764 必ず 報復ある…。 352 00:37:55,173 --> 00:38:02,447 (爆撃音) 353 00:38:02,447 --> 00:38:05,950 (悲鳴) 354 00:38:09,320 --> 00:38:11,456 (下士官)撃て~! 355 00:38:11,456 --> 00:38:22,467 (銃声) 356 00:38:24,169 --> 00:38:28,473 (爆撃音) 357 00:38:28,473 --> 00:38:30,475 (銃声) 358 00:38:32,143 --> 00:38:35,480 (銃声) 359 00:38:35,480 --> 00:38:39,150 (悲鳴) 360 00:38:39,150 --> 00:38:41,820 おい 聞いてくれ! ここは もう駄目だ! 361 00:38:41,820 --> 00:38:45,690 あっちの建物の方が まだいい! 大至急 避難するんだ! 362 00:38:45,690 --> 00:38:49,694 (悲鳴) 363 00:38:49,694 --> 00:38:55,166 早く! 早く! 364 00:38:55,166 --> 00:38:58,503 (爆撃音) 365 00:38:58,503 --> 00:39:01,206 うわ~! 366 00:39:05,310 --> 00:39:07,812 (銃声) 367 00:39:12,784 --> 00:39:17,121 (悲鳴) 368 00:39:17,121 --> 00:39:19,123 (銃声) 369 00:39:20,959 --> 00:39:23,461 (悲鳴と銃声) 370 00:39:33,137 --> 00:39:37,008 逃げろ! もう そこへ ソ連兵が来てる! 371 00:39:37,008 --> 00:39:42,146 お願いです…。 その銃で 私を撃ち殺して。 372 00:39:42,146 --> 00:39:44,849 私も! 373 00:39:47,485 --> 00:39:49,487 (銃声) 374 00:39:51,155 --> 00:39:55,026 (銃声) おじさん 俺も殺して! 375 00:39:55,026 --> 00:40:00,832 駄目だ。 もう 弾が1発しかない! お前は 子どもだから助かる。 376 00:40:00,832 --> 00:40:04,168 おじさん! 元気でな。 377 00:40:04,168 --> 00:40:08,172 天皇陛下 万歳! (銃声) 378 00:40:14,512 --> 00:40:17,415  心の声 死んだふりするんだ。 379 00:40:17,415 --> 00:41:01,492 ♬~ 380 00:41:01,492 --> 00:41:08,166 <それまでの記憶が 断片的にしか 思い出せなかった。➡ 381 00:41:08,166 --> 00:41:12,837 ふと 母親と妹がいた事を 思い出した。➡ 382 00:41:12,837 --> 00:41:17,508 しかし 母親の名前が思い出せない。➡ 383 00:41:17,508 --> 00:41:19,844 妹は…。➡ 384 00:41:19,844 --> 00:41:25,717 そうだ。 確か あつ子といった…> 385 00:41:25,717 --> 00:41:30,722 母ちゃん… あつ子…。 386 00:41:32,857 --> 00:41:36,728 <自分が どこにいるのかが 分からなかった。➡ 387 00:41:36,728 --> 00:41:41,866 なぜ そこにいるのかも…。➡ 388 00:41:41,866 --> 00:41:46,204 突然 自分が死ぬ寸前にいた事を 思い出した。➡ 389 00:41:46,204 --> 00:41:50,875 殺されると意識を失い 今 死んではいない 自分…> 390 00:41:50,875 --> 00:41:56,748 痛い… 助けて…。 391 00:41:56,748 --> 00:42:13,831 ♬~ 392 00:42:13,831 --> 00:42:16,134 かっちゃん…? 393 00:42:20,171 --> 00:42:24,876 かっちゃん! 生きてた! 394 00:42:26,844 --> 00:42:29,180 よかった! 395 00:42:29,180 --> 00:42:33,050 <覚えがあった。 確か 大沢のおねえちゃん。➡ 396 00:42:33,050 --> 00:42:38,756 そして 私の名前は 「かっちゃん」だ> 397 00:42:47,198 --> 00:42:52,203 母ちゃんと あつ子 どこ? 398 00:42:53,871 --> 00:42:57,575 かっちゃん 知んないの? 399 00:42:59,210 --> 00:43:05,016 お母ちゃん 死んだんだよ…。 400 00:43:05,016 --> 00:43:07,485 死んだ? 401 00:43:07,485 --> 00:43:12,156 そう。 うそじゃないよ。 402 00:43:12,156 --> 00:43:16,861 撃たれる時まで おねえちゃん 一緒だったから。 403 00:43:18,496 --> 00:43:21,799 行ってみよう。 404 00:43:49,861 --> 00:43:51,863 そこ…。 405 00:44:02,440 --> 00:44:04,809 母ちゃん…? 406 00:44:04,809 --> 00:44:11,816 <母という実感が なかった。 涙も出なかった> 407 00:44:14,151 --> 00:44:22,860 今度は おねえちゃんのお父さんと お母さん 捜すから 来てくれる? 408 00:44:36,173 --> 00:44:38,476 父さん! 409 00:44:43,047 --> 00:44:47,885 父さん! 父さん! 410 00:44:47,885 --> 00:44:50,188 父さん! 411 00:44:50,188 --> 00:44:54,492 (泣き声) 412 00:44:58,062 --> 00:45:02,133 母さん? 413 00:45:02,133 --> 00:45:05,803 信子…。 414 00:45:05,803 --> 00:45:08,105 正治! 415 00:45:13,477 --> 00:45:15,813 結局…。 416 00:45:15,813 --> 00:45:21,485 生き残ったの かっちゃんと私だけなんだね。 417 00:45:21,485 --> 00:45:28,826 (泣き声) 418 00:45:28,826 --> 00:45:33,164 あつ子! 419 00:45:33,164 --> 00:45:35,499 あっちゃん! 420 00:45:35,499 --> 00:45:39,170 痛いよ…。 421 00:45:39,170 --> 00:45:42,073 ♬~ 422 00:45:42,073 --> 00:45:46,043 あつ子! 兄ちゃんだよ。 兄ちゃん 痛いよ! 423 00:45:46,043 --> 00:45:48,179 よし 泣くな。 痛いよ! 424 00:45:48,179 --> 00:45:52,850 よし 泣くな。 痛いな よし 泣くな。 425 00:45:52,850 --> 00:45:57,188 私 灰 持ってくる。 やけどに いいはずから。 426 00:45:57,188 --> 00:45:59,857 痛いよ 痛いよ! 427 00:45:59,857 --> 00:46:03,461 痛いよ 痛いよ…。 428 00:46:03,461 --> 00:46:19,810 ♬~ 429 00:46:19,810 --> 00:46:22,146 痛いよ 痛いよ! 430 00:46:22,146 --> 00:46:25,816 これ つけると じき治るからね。 431 00:46:25,816 --> 00:46:29,487 痛いよ 痛いよ…。 432 00:46:29,487 --> 00:46:33,791 (咲子)みんな 死んじゃったね…。 433 00:46:37,828 --> 00:46:41,165 どうなるんだろうね? 434 00:46:41,165 --> 00:46:45,870 ⚟(物音) 435 00:46:50,174 --> 00:46:52,843 ねえちゃん…。 黙って。 436 00:46:52,843 --> 00:46:57,148 ソ連じゃない 支那語 使ってる。 437 00:47:00,451 --> 00:47:05,756 こっちへ来る! 死んだふりしてるんだよ。 438 00:47:09,460 --> 00:47:14,465 (あつ子)母ちゃん… 母ちゃん! 439 00:47:51,068 --> 00:47:57,074 <もう一度 意識を取り戻した時は 馬の上にいた> 440 00:48:28,472 --> 00:48:35,179 <その村が七台屯という 村だという事は 後で知った> 441 00:49:21,692 --> 00:49:26,130 嫌! 嫌! かっちゃん 助けて! おねえちゃん! 442 00:49:26,130 --> 00:49:29,033 ねえちゃん! かっちゃん! 443 00:49:29,033 --> 00:49:32,002 ねえちゃん! かっちゃん!ねえちゃん! 444 00:49:32,002 --> 00:49:34,004 ねえちゃん! かっちゃん! 445 00:49:34,004 --> 00:49:36,474 ねえちゃん! かっちゃ~ん! 446 00:49:36,474 --> 00:49:39,810 (あつ子)お兄ちゃん! 447 00:49:39,810 --> 00:49:41,812 お兄ちゃん! あつ子! 448 00:49:45,149 --> 00:49:48,152 おじさん お願い! 妹 連れてかないで! 449 00:49:50,020 --> 00:49:53,023 お兄ちゃん! あつ子! 450 00:49:53,023 --> 00:49:57,161 あつ子! お兄ちゃん! お兄ちゃん! 451 00:49:57,161 --> 00:49:59,096 お兄ちゃん! あつ子! 452 00:49:59,096 --> 00:50:02,833 お兄ちゃん! お兄ちゃん! あつ子! 453 00:50:02,833 --> 00:50:05,736 お兄ちゃん! お兄ちゃん! 454 00:50:05,736 --> 00:50:09,506 お兄ちゃん お兄ちゃん! 455 00:50:09,506 --> 00:50:12,843 あつ子! 456 00:50:12,843 --> 00:50:15,746 お兄ちゃん! 457 00:50:15,746 --> 00:50:19,016 お兄ちゃん! あつ子~! 458 00:50:19,016 --> 00:50:23,187 あつ子! 459 00:50:23,187 --> 00:50:28,192 <それが 妹 あつ子を見た最後だった> 460 00:50:33,530 --> 00:50:38,202 「お父さん お母さん 元気ですか?➡ 461 00:50:38,202 --> 00:50:41,872 今日は 大連からの初めての手紙です。➡ 462 00:50:41,872 --> 00:50:44,775 先日は お見送り ありがとうございました。➡ 463 00:50:44,775 --> 00:50:46,744 おかげさまで 無事 大連に着き➡ 464 00:50:46,744 --> 00:50:51,215 鋼鉄学院への入学手続きも 滞りなく終わりました。➡ 465 00:50:51,215 --> 00:50:56,553 東北に育った私には この街は まるで異国です。➡ 466 00:50:56,553 --> 00:51:00,824 さざ波立つ海 澄み切った明るい空。➡ 467 00:51:00,824 --> 00:51:05,496 そして 緑いっぱいのアカシアの並木道。➡ 468 00:51:05,496 --> 00:51:07,431 全てが異国情緒にあふれ➡ 469 00:51:07,431 --> 00:51:11,835 この地の大学で 勉学できる喜び いっぱいでおります。➡ 470 00:51:11,835 --> 00:51:15,506 大学も 4階建ての校舎は 緑に囲まれ➡ 471 00:51:15,506 --> 00:51:19,176 教室も寮も 広く清潔で➡ 472 00:51:19,176 --> 00:51:24,048 初めは 見るもの 聞くもの 全てが驚きでした。➡ 473 00:51:24,048 --> 00:51:26,050 でも ご安心下さい。➡ 474 00:51:26,050 --> 00:51:29,186 環境に順応しやすい一心は すぐに慣れ➡ 475 00:51:29,186 --> 00:51:34,058 今は落ち着いて 勉学に いそしんでいます。➡ 476 00:51:34,058 --> 00:51:37,528 それにしても これまでの数々のご恩には➡ 477 00:51:37,528 --> 00:51:41,031 申し上げる言葉もありません。➡ 478 00:51:41,031 --> 00:51:47,204 思えば 1946年 日本敗戦の翌年➡ 479 00:51:47,204 --> 00:51:50,541 あの時 初めて お父さんに お会いしたからこそ➡ 480 00:51:50,541 --> 00:51:54,411 今の私があるのです。➡ 481 00:51:54,411 --> 00:51:59,216 あの日の十数日前 私は それまで もらわれていた➡ 482 00:51:59,216 --> 00:52:03,821 七台屯の丁という家から 逃げ出しました。➡ 483 00:52:03,821 --> 00:52:07,691 朝から晩まで ろくな食事も もらえずに酷使され➡ 484 00:52:07,691 --> 00:52:11,161 このままでは殺されると思い 必死で逃げました。➡ 485 00:52:11,161 --> 00:52:17,835 いや それより 妹に会いたかったのです。➡ 486 00:52:17,835 --> 00:52:21,705 もらわれた家の すぐ近くに いつも優しくしてくれる➡ 487 00:52:21,705 --> 00:52:25,709 陳という人がいました。 そのおばさんが➡ 488 00:52:25,709 --> 00:52:30,180 親戚がある七台屯の近くの村に 妹がいると➡ 489 00:52:30,180 --> 00:52:33,183 教えてくれたのです」。 490 00:52:37,054 --> 00:52:41,525 「ところが しばらくして 羊を追っている時 今度は➡ 491 00:52:41,525 --> 00:52:47,398 陳のおじさんが 妹は近くの村に いないと教えてくれました。➡ 492 00:52:47,398 --> 00:52:52,169 何でも 妹をもらった家が また 戦争が始まるから➡ 493 00:52:52,169 --> 00:52:54,872 国府軍相手に ひともうけするんだと➡ 494 00:52:54,872 --> 00:52:58,575 長春に出ていったというのです」。 495 00:53:01,478 --> 00:53:05,349 (羊の鳴き声) 496 00:53:05,349 --> 00:53:08,352 あ~! 497 00:53:08,352 --> 00:53:11,655 あ~っ! (オオカミのほえる声) 498 00:53:11,655 --> 00:53:13,590 うわ~! 499 00:53:13,590 --> 00:53:17,461 (銃声) 500 00:53:17,461 --> 00:53:21,365 「助けてくれたのは さっき 妹の話をしてくれた➡ 501 00:53:21,365 --> 00:53:23,367 陳のおじさんでした」。 502 00:53:29,840 --> 00:53:35,512 「羊は 近所の15軒から 預かっていた羊でした。➡ 503 00:53:35,512 --> 00:53:40,384 自分の羊を殺された持ち主は 馬か牛で弁償しろと迫り➡ 504 00:53:40,384 --> 00:53:47,391 逆上した養い親は 私を骨が折れるほど殴りました」。 505 00:53:51,061 --> 00:53:54,198 「『母ちゃん 助けて』と 心の中で叫び➡ 506 00:53:54,198 --> 00:53:58,869 何としてでも この家から 逃げようと思いました。➡ 507 00:53:58,869 --> 00:54:01,138 妹と逃げよう。➡ 508 00:54:01,138 --> 00:54:06,810 歩いてでも 妹のいる長春に行き 一緒に逃げよう。➡ 509 00:54:06,810 --> 00:54:11,482 駅へ行くんだ! 夕方には きっと着ける!」。 510 00:54:11,482 --> 00:54:46,383 ♬~ 511 00:54:46,383 --> 00:54:48,852 (汽笛) 512 00:54:48,852 --> 00:55:28,859 ♬~ 513 00:55:30,827 --> 00:55:36,533 <もう 10日間も 生のトウモロコシや 野菜しか食べていない> 514 00:55:42,840 --> 00:55:56,186 (物売りたちの声) 515 00:55:56,186 --> 00:56:06,496 (話し声) 516 00:56:11,134 --> 00:56:14,438 <ハルピン行きに乗らなきゃ…> 517 00:56:46,036 --> 00:56:49,506 (汽笛) 518 00:56:49,506 --> 00:56:51,508 (揺れる音) 519 00:57:32,482 --> 00:57:35,485 (袁)ハハハハ ハハハ ハハハハ! 520 00:58:10,787 --> 00:58:13,090 うん。 521 00:58:35,012 --> 00:58:38,315  心の声  俺の知らない事を知ってる。 522 00:58:51,428 --> 00:58:55,365 <2日たって 大きな駅に着いた。➡ 523 00:58:55,365 --> 00:58:59,836 石炭の貨車は いつの間にか みんな 途中で降りて➡ 524 00:58:59,836 --> 00:59:02,839 袁と2人だけだ> 525 01:00:09,840 --> 01:00:12,142 (揺れる音) 526 01:00:13,710 --> 01:00:17,714  心の声  どこへ行くんだ? この汽車…。 527 01:00:53,884 --> 01:00:56,786 <何日 たったんだろう?➡ 528 01:00:56,786 --> 01:01:01,691 大きな駅… 終点かな?> 529 01:01:01,691 --> 01:01:10,166 ♬~ 530 01:01:10,166 --> 01:01:13,503 腹 減った…。 531 01:01:13,503 --> 01:01:21,177 ♬~ 532 01:01:21,177 --> 01:01:25,849 <いつの間にか 冬みたいになっていた> 533 01:01:25,849 --> 01:02:19,836 ♬~ 534 01:02:26,810 --> 01:02:29,613 (日本語で) 535 01:02:32,182 --> 01:02:53,470 (日本語で) 536 01:03:06,816 --> 01:03:15,125 (中国語で) 537 01:03:22,832 --> 01:03:25,535 (日本語で) 538 01:03:29,172 --> 01:03:32,509 (日本語で) 539 01:03:32,509 --> 01:03:34,844 駅って… じゃあ ハルピン? 540 01:03:34,844 --> 01:03:38,148 (日本語で) 541 01:03:46,189 --> 01:03:48,124 あっ 痛いよ! 542 01:03:48,124 --> 01:03:53,129 (中国語で) 543 01:03:59,202 --> 01:04:01,905 助けて! 544 01:04:04,174 --> 01:04:06,176 <人さらいなんだ> 545 01:05:59,189 --> 01:06:03,793 <そのおじさんは 陸 徳志という人だった。➡ 546 01:06:03,793 --> 01:06:06,463 小学校の先生だった。➡ 547 01:06:06,463 --> 01:06:09,799 私を救うために 作ったばかりの綿入れを➡ 548 01:06:09,799 --> 01:06:12,502 人さらいに渡しました> 549 01:07:03,453 --> 01:07:06,789 <それが お母さんでした。➡ 550 01:07:06,789 --> 01:07:11,661 人さらいに渡した綿入れは お母さんが作ったものでした。➡ 551 01:07:11,661 --> 01:07:15,498 お父さんは 私が日本人の子で 売られていたから➡ 552 01:07:15,498 --> 01:07:18,401 金の代わりに その綿入れを渡したと説明し➡ 553 01:07:18,401 --> 01:07:22,105 私を家の中に運びました> 554 01:07:34,817 --> 01:07:39,689 <お父さんと お母さんには 子どもがありませんでした。➡ 555 01:07:39,689 --> 01:07:46,162 3日目 私の口と耳から 黒い血が流れました。➡ 556 01:07:46,162 --> 01:07:48,498 驚いて お父さんが呼んだ お医者さんは➡ 557 01:07:48,498 --> 01:07:51,501 「これは黒腋病だろう」と 言いました> 558 01:08:41,150 --> 01:08:45,488 <お父さんの家には そんなお金はありませんでした。➡ 559 01:08:45,488 --> 01:08:48,825 私は 「日本人街に戻せば➡ 560 01:08:48,825 --> 01:08:50,760 日本の医学と薬は 優れているから➡ 561 01:08:50,760 --> 01:08:52,695 誰か まだ残っている日本人が➡ 562 01:08:52,695 --> 01:08:55,498 拾って 助けてくれるかもしれない」と➡ 563 01:08:55,498 --> 01:09:00,770 また 荷車に乗せられて お父さんの家を出ました。➡ 564 01:09:00,770 --> 01:09:05,441 お父さんは 古い綿入れを着ていました> 565 01:09:05,441 --> 01:09:34,137 ♬~ 566 01:09:34,137 --> 01:09:41,477 <誰もいない街でした。 みんな 空き家になっていました> 567 01:09:41,477 --> 01:10:39,469 ♬~ 568 01:11:05,695 --> 01:11:11,167 ♬~ 569 01:11:11,167 --> 01:11:48,871 (風の音) 570 01:12:04,153 --> 01:12:07,824 <私は お父さんと お母さん➡ 571 01:12:07,824 --> 01:12:12,695 陸 徳志 淑琴の 子どもになりました。➡ 572 01:12:12,695 --> 01:12:19,168 名前も 何事にも誠心誠意であれと 一心と付けられました。➡ 573 01:12:19,168 --> 01:12:22,071 そう 陸 一心…。➡ 574 01:12:22,071 --> 01:12:25,374 それが 私の名前です> 575 01:12:27,043 --> 01:12:31,180 <それは 私にとって 初めての学校でした。➡ 576 01:12:31,180 --> 01:12:34,517 七台屯では 学校にも行けなかったのです。➡ 577 01:12:34,517 --> 01:12:38,187 この勉強で この街に着いた時 見た駅の名前が➡ 578 01:12:38,187 --> 01:12:41,858 チョウシュンと読むのだと 初めて知りました。➡ 579 01:12:41,858 --> 01:12:44,760 長春… そうです。➡ 580 01:12:44,760 --> 01:12:47,530 長春は 羊を追っていた時➡ 581 01:12:47,530 --> 01:12:53,402 陳のおじさんが 妹がいると教えてくれた街です。➡ 582 01:12:53,402 --> 01:12:57,873 私は 学校の帰り 妹を捜しました。➡ 583 01:12:57,873 --> 01:13:02,144 もしやと思い あの日本人街にも 行ってみました。➡ 584 01:13:02,144 --> 01:13:06,449 しかし 見つかりませんでした> 585 01:13:17,493 --> 01:13:35,177 ♬~ 586 01:13:36,846 --> 01:13:41,183 <そういう中にも国府軍と八路軍の 戦闘は激しくなっていき➡ 587 01:13:41,183 --> 01:13:44,020 戦火を逃れようと 街から脱出する人が➡ 588 01:13:44,020 --> 01:13:46,055 日ごとに増えていきました。➡ 589 01:13:46,055 --> 01:13:48,190 「八路軍が入ってくると➡ 590 01:13:48,190 --> 01:13:50,526 農民以外は皆殺しにされる」 という噂が➡ 591 01:13:50,526 --> 01:13:52,461 広まっていました。➡ 592 01:13:52,461 --> 01:13:56,399 八路軍に包囲された長春は 陸の孤島になりました。➡ 593 01:13:56,399 --> 01:13:58,401 食糧は 一切 入らず➡ 594 01:13:58,401 --> 01:14:02,471 とうとう 私たちも 長春を脱出する事になりました。➡ 595 01:14:02,471 --> 01:14:06,776 お父さんの田舎の范家屯に 逃げるのです> 596 01:15:02,465 --> 01:15:05,368 妹のだ! あつ子のお守り袋だ! 597 01:15:05,368 --> 01:15:07,370 (淑琴)一心! (徳志)一心! 598 01:15:21,817 --> 01:15:26,489 あつ子~! (徳志 淑琴)一心! 一心! 一心! 599 01:15:26,489 --> 01:15:29,825 あつ子~! (徳志 淑琴)一心! 600 01:15:29,825 --> 01:15:33,162 <あつ子は 見つかりませんでした。➡ 601 01:15:33,162 --> 01:15:35,498 お守り袋だけが➡ 602 01:15:35,498 --> 01:15:38,401 妹 あつ子の 生きている証しのように➡ 603 01:15:38,401 --> 01:15:42,405 私の手元に残りました> 604 01:17:02,118 --> 01:17:04,420 (泣き声) 605 01:19:49,151 --> 01:19:59,161 ♬~ 606 01:21:02,491 --> 01:21:05,828 一心! 一心! 607 01:21:05,828 --> 01:21:07,830 一心! 一心! 608 01:23:46,188 --> 01:23:48,490 (2人)一心! 609 01:24:08,443 --> 01:24:17,152 「お父さん お母さん 私の人生も その時 新しく始まりました」。 610 01:24:20,822 --> 01:24:23,725 「お父さんの故郷 范家屯に帰ってからも➡ 611 01:24:23,725 --> 01:24:27,496 私には 忘れられない事ばかりです。➡ 612 01:24:27,496 --> 01:24:31,366 お父さんのお兄さんの 陸 徳明さんの子どもたちは➡ 613 01:24:31,366 --> 01:24:34,169 私に『妙ちくりんな日本語を しゃべってみろ』と➡ 614 01:24:34,169 --> 01:24:37,072 私を いじめたりしました。➡ 615 01:24:37,072 --> 01:24:40,842 でも いつも 一番下の子の秀蘭だけは➡ 616 01:24:40,842 --> 01:24:45,714 私を かばってくれました。➡ 617 01:24:45,714 --> 01:24:51,186 秀蘭は 七台屯で別れた 妹の あつ子と どこか似ていて➡ 618 01:24:51,186 --> 01:24:57,526 年も 私と2歳違いの あつ子と同じ年でした。➡ 619 01:24:57,526 --> 01:25:03,131 秀蘭といえば 愉快だったのは 袁 力本との再会でした。➡ 620 01:25:03,131 --> 01:25:07,803 小学校の途中入学で 入ってきたのが 袁でした。➡ 621 01:25:07,803 --> 01:25:09,738 七台屯から逃げた時➡ 622 01:25:09,738 --> 01:25:13,141 列車の中で 一つ布団で一緒に寝た 彼の田舎が➡ 623 01:25:13,141 --> 01:25:17,012 実は 范家屯だったとは 知りませんでした。➡ 624 01:25:17,012 --> 01:25:21,016 小学校から 初級中学 そして 高級中学と➡ 625 01:25:21,016 --> 01:25:24,753 日本人の血を持つために いじめられ 差別される私を➡ 626 01:25:24,753 --> 01:25:28,156 かばってくれました。➡ 627 01:25:28,156 --> 01:25:30,092 高級中学を終わり➡ 628 01:25:30,092 --> 01:25:34,329 袁は 解放軍に入り 私は 大連鋼鉄学院と➡ 629 01:25:34,329 --> 01:25:37,165 別れ別れになる事に なりましたが➡ 630 01:25:37,165 --> 01:25:42,871 その 袁 力本は 実は 秀蘭が好きなのです」。 631 01:27:48,497 --> 01:27:53,368 ♬~(紅衛兵たちの歌声) 632 01:27:53,368 --> 01:28:09,084 ♬~