1 00:00:21,455 --> 00:00:26,860 <一心が無断外出の規律違反に 問われている事を知った耕次は➡ 2 00:00:26,860 --> 00:00:31,565 ホテルに団長を訪ね 寛大な処置を求めた> 3 00:00:33,533 --> 00:00:39,840 <帰り際 耕次は 一心の母 タキエの写真を手渡した> 4 00:00:41,408 --> 00:00:46,413 <エレベーターで擦れ違ったのは 馮 長幸だった> 5 00:00:50,083 --> 00:00:54,221 ♬~(テ-マ音楽) 6 00:00:54,221 --> 00:02:35,222 ♬~ 7 00:02:43,864 --> 00:02:47,200 (耕次)ここでいいよ。 8 00:02:47,200 --> 00:02:52,539 その封筒の中に 少し 金が入ってる。 9 00:02:52,539 --> 00:02:57,210 帰国する時 范家屯のお父さん お母さんに➡ 10 00:02:57,210 --> 00:03:01,481 何か 土産を買って帰ってくれ。 11 00:03:01,481 --> 00:03:05,352 私の心ばかりのお礼だ。 12 00:03:05,352 --> 00:03:08,055 (一心)はい。 13 00:03:09,823 --> 00:03:12,492 元気でな。 14 00:03:12,492 --> 00:03:16,363 あなたも。 15 00:03:16,363 --> 00:03:18,665 うん…。 16 00:03:18,665 --> 00:03:24,171 <父とは言えなかった> 17 00:03:24,171 --> 00:03:35,515 ♬~ 18 00:03:35,515 --> 00:03:40,854 <後ろ姿が とても悲しかった> 19 00:03:40,854 --> 00:03:52,199 ♬~ 20 00:03:52,199 --> 00:03:58,505 <帰国後 私は 厳しい事情聴取を 受ける事になった> 21 00:07:57,510 --> 00:08:02,115 <そして 間もなく 処分が決定された。➡ 22 00:08:02,115 --> 00:08:04,050 言い渡された処分は➡ 23 00:08:04,050 --> 00:08:08,788 内蒙古の鋼鉄公司への 転属だった。➡ 24 00:08:08,788 --> 00:08:14,127 その転属の発令で 人事司長は こう言った。➡ 25 00:08:14,127 --> 00:08:18,998 「この度 党中央が打ち出した 辺境地の工業重視政策に沿って➡ 26 00:08:18,998 --> 00:08:23,136 人材を内陸部の製鉄所に 配属する事になった。➡ 27 00:08:23,136 --> 00:08:27,807 陸同志のような優れた人材は 特に要望されている。➡ 28 00:08:27,807 --> 00:08:33,513 党と国家のために 鉄鋼増産に貢献してもらいたい」> 29 00:08:38,151 --> 00:08:43,156 <月梅… また 苦労をかける> 30 00:11:10,503 --> 00:11:45,205 ♬~(レコ-ド) 31 00:12:17,170 --> 00:12:42,862 ♬~(レコード) 32 00:13:03,149 --> 00:13:21,434 ♬~(レコード) 33 00:14:09,015 --> 00:14:21,327 ♬~(レコード) 34 00:14:29,836 --> 00:14:59,132 ♬~(レコード) 35 00:15:17,350 --> 00:15:28,361 (すすり泣き) 36 00:15:39,839 --> 00:15:44,143 <久しぶりに 范家屯から 両親が出てくる> 37 00:15:58,858 --> 00:16:05,565 <父も母も 私が 内蒙古へ 転属する事を まだ知らない> 38 00:17:01,120 --> 00:17:12,465 ♬~ 39 00:17:12,465 --> 00:17:16,168 ⚟(燕々の声) 40 00:18:46,158 --> 00:18:48,861 (すすり泣き) 41 00:21:29,188 --> 00:21:31,190 (徳志)一心。 42 00:26:21,413 --> 00:26:36,428 ♬~ 43 00:26:39,164 --> 00:26:43,035 <1週間後 私は 北京から➡ 44 00:26:43,035 --> 00:26:46,038 内蒙古自治区の首都 呼和浩特へ向かう➡ 45 00:26:46,038 --> 00:26:51,176 一日一便の直快列車に乗った。➡ 46 00:26:51,176 --> 00:26:54,513 范家屯の両親は おととい 帰った。➡ 47 00:26:54,513 --> 00:26:58,383 妻は 昨日から また 巡回医療に出ている。➡ 48 00:26:58,383 --> 00:27:02,321 燕々は いつものように 妻の実家に預けられ➡ 49 00:27:02,321 --> 00:27:06,792 今頃は 元気に 学校で勉強しているはずだ。➡ 50 00:27:06,792 --> 00:27:10,462 17年前 文革が始まると➡ 51 00:27:10,462 --> 00:27:15,334 手錠をかけられて 囚人列車に詰め込まれた。➡ 52 00:27:15,334 --> 00:27:19,471 今は 手錠もなく 囚人服も着ていなかったが➡ 53 00:27:19,471 --> 00:27:24,476 目に見えない手錠が 心と体を縛っていた> 54 00:27:27,346 --> 00:27:32,651 <翌日の午後 呼和浩特に着くと バスに乗り継いだ> 55 00:27:35,020 --> 00:27:40,159 <1時間ほどすると 草原が広がった。➡ 56 00:27:40,159 --> 00:27:46,832 草原が途切れると 一面の砂漠地帯になった。➡ 57 00:27:46,832 --> 00:27:51,703 その砂漠の はるかかなたに 小さな高炉が見えてきた。➡ 58 00:27:51,703 --> 00:27:54,706 西蒙古鋼鉄公司だった> 59 00:28:05,317 --> 00:28:11,456 <そして 1年半たった。 辺地の製鉄所で働く者同士➡ 60 00:28:11,456 --> 00:28:15,761 心を開いて つきあえる 仲間もできた> 61 00:30:59,825 --> 00:31:02,728 <総経理は 反右派運動で追放され➡ 62 00:31:02,728 --> 00:31:07,699 25年前に この鋼鉄公司に 北京から赴任してきた。➡ 63 00:31:07,699 --> 00:31:11,837 そのまま忘れ去られ 一切の表情をなくし➡ 64 00:31:11,837 --> 00:31:14,840 化石のような人物になった> 65 00:31:29,388 --> 00:31:33,091 <半年前に出した提案書だった> 66 00:31:43,201 --> 00:31:48,874 <西蒙古鋼鉄公司の主要製品 レ-ルの品質改良を考えていた。➡ 67 00:31:48,874 --> 00:31:53,211 今は ヘゲ疵が多く 長期使用で 亀裂が出来やすい。➡ 68 00:31:53,211 --> 00:31:56,114 日本の新幹線で使われていた 技術だが➡ 69 00:31:56,114 --> 00:31:58,083 中国の常識にはない➡ 70 00:31:58,083 --> 00:32:01,787 銑鉄に脱酸素材のチタンを混ぜる 技術だった> 71 00:32:19,371 --> 00:32:22,174 <だが 本当の結果は➡ 72 00:32:22,174 --> 00:32:26,178 レール工場で 製品にしてみなければ 分からない> 73 00:32:28,046 --> 00:32:31,516 <5日後 レールが出来た。➡ 74 00:32:31,516 --> 00:32:35,387 検査ラインに並べられて 目視検査。➡ 75 00:32:35,387 --> 00:32:40,392 今までは 5%の不合格品が出ていた> 76 00:32:57,209 --> 00:33:00,512 (歓声) 77 00:33:12,691 --> 00:33:19,164 (歌声と手拍子) 78 00:33:19,164 --> 00:33:22,834 <その夜は 仲間たちと 内蒙古の酒を飲み➡ 79 00:33:22,834 --> 00:33:26,171 喜びを分かち合った> 80 00:33:26,171 --> 00:33:45,156 (歌声と手拍子) 81 00:33:47,459 --> 00:33:51,763 ♬~(歌声) 82 00:34:11,483 --> 00:34:17,355 <テレビのニュ-スが 懐かしい 上海の製鉄所を映し出していた。➡ 83 00:34:17,355 --> 00:34:20,492 ほとんどの施設が完成して➡ 84 00:34:20,492 --> 00:34:25,497 中には 私が心血を注いだものもあった> 85 00:34:44,182 --> 00:34:46,885 (柿田)おお~! 86 00:34:50,522 --> 00:34:54,859 すばらしいな これは! 87 00:34:54,859 --> 00:34:58,196 我が社の木更津工場も 顔色ないぞ これは。 88 00:34:58,196 --> 00:35:01,466 (村井)いや~ 本当ですな。 89 00:35:01,466 --> 00:35:05,337 どうですか? これまで 副社長が 手がけられた製鉄所に比べても➡ 90 00:35:05,337 --> 00:35:08,139 一級品じゃないですか。 91 00:35:08,139 --> 00:35:11,810 そうだね。 92 00:35:11,810 --> 00:35:14,145 いろいろな事があったけども➡ 93 00:35:14,145 --> 00:35:18,016 松本君 本当に ご苦労さんだったね。 94 00:35:18,016 --> 00:35:21,486 ありがとうございます。 95 00:35:21,486 --> 00:35:25,156 あとは 火入れ式と完工式だ。 96 00:35:25,156 --> 00:35:32,030 来年の9月15日が火入れ式。 11月20日が完工式。 97 00:35:32,030 --> 00:35:37,502 あと ひと頑張り頼むな。 98 00:35:37,502 --> 00:35:39,504 はい。 99 00:35:50,515 --> 00:35:55,186 実は 折り入って お願いしたい事があるんですが…。 100 00:35:55,186 --> 00:35:58,089 何だね? 改まって。 101 00:35:58,089 --> 00:36:00,792 この1年半ほど 機会があったら➡ 102 00:36:00,792 --> 00:36:05,130 お願いしようと 思っていたんですが➡ 103 00:36:05,130 --> 00:36:07,065 一身上の都合で➡ 104 00:36:07,065 --> 00:36:14,773 この際に 上海事務所長の職を 解いて頂きたいのです。 105 00:36:18,677 --> 00:36:23,481 君が いつ それを言いだすかと 思ってたよ。 106 00:36:23,481 --> 00:36:27,819 陸 一心君の事なんだろう? 107 00:36:27,819 --> 00:36:29,754 はい。 108 00:36:29,754 --> 00:36:33,158 陸君 相変わらず 内蒙古にいるの? 109 00:36:33,158 --> 00:36:36,061 はい。 110 00:36:36,061 --> 00:36:39,497 そう…。 111 00:36:39,497 --> 00:36:45,837 同じ親の立場で言えば 僕も 多分 同じ事を言ってるだろうね。 112 00:36:45,837 --> 00:36:50,508 しかし 君が 上海から 身を引いても➡ 113 00:36:50,508 --> 00:36:55,380 それで 陸君の容疑が晴れるという 保証はないだろう。 114 00:36:55,380 --> 00:37:03,088 少し 言い過ぎかもしらないけども 「子故の闇」という感じもある。 115 00:37:03,088 --> 00:37:05,023 それに この大事な時期に➡ 116 00:37:05,023 --> 00:37:09,027 所長を代えるという訳には いかないし。 117 00:37:11,463 --> 00:37:14,365 冷酷なようだが 会社としては➡ 118 00:37:14,365 --> 00:37:19,137 今までどおり 所長の任務を 遂行してもらいたい。 119 00:37:19,137 --> 00:37:23,475 おっしゃる事は よく分かるんです。 120 00:37:23,475 --> 00:37:26,144 でも 私は…。 121 00:37:26,144 --> 00:37:28,813 それでは 私は…。 122 00:37:28,813 --> 00:37:34,152 我が子を 2度 捨てた事になります。 123 00:37:34,152 --> 00:37:44,863 ♬~ 124 00:41:02,493 --> 00:41:09,200 (すすり泣き) 125 00:48:33,410 --> 00:48:36,814 <1週間後 馮 長幸は➡ 126 00:48:36,814 --> 00:48:42,820 国家重点弁公室の党委員会から 査問を受けた> 127 00:48:45,489 --> 00:48:49,827 <それを もちろん 私は 後で知らされるのだが➡ 128 00:48:49,827 --> 00:48:53,697 重工業部計画司に 3度にわたって 送られた密告書も➡ 129 00:48:53,697 --> 00:48:56,167 馮 長幸と分かり➡ 130 00:48:56,167 --> 00:49:00,037 その結果 国家重点弁公室から外されて➡ 131 00:49:00,037 --> 00:49:05,042 ある会社の食料買い付け部門に 転属させられた> 132 00:49:10,448 --> 00:49:13,450 <年が明けて…> 133 00:50:27,524 --> 00:50:30,528 <やはり そうだった> 134 00:52:16,500 --> 00:52:18,836 (ドアが開く音) 一心! 135 00:52:18,836 --> 00:52:21,839 一心! 一心! 136 00:53:52,196 --> 00:54:09,146 ♬~ 137 00:54:09,146 --> 00:54:11,081 <翌日。➡ 138 00:54:11,081 --> 00:54:14,818 明日は 北京へ出発という夕方➡ 139 00:54:14,818 --> 00:54:20,157 茫漠とした野を歩きたくなり 歩いた> 140 00:54:20,157 --> 00:54:30,167 ♬~ 141 00:54:30,167 --> 00:54:32,503 <3月。➡ 142 00:54:32,503 --> 00:54:36,173 もう 大地の底が ぬるんできている。➡ 143 00:54:36,173 --> 00:54:38,108 夕方 近くても➡ 144 00:54:38,108 --> 00:54:44,515 冬の あの刺すような冷たさは 失われている。➡ 145 00:54:44,515 --> 00:54:50,187 日本語を教えてくれた 黄 書海を思った。➡ 146 00:54:50,187 --> 00:54:54,191 今も 行方が分からない> 147 00:55:02,132 --> 00:55:05,435  回想 (黄)お~い 一心! 148 00:55:08,805 --> 00:55:11,008 北京へ 帰るよ。 149 00:55:23,820 --> 00:55:27,691  心の声 珍しいな 乗用車だ。➡ 150 00:55:27,691 --> 00:55:30,994 鋼鉄公司へ 外国人の客だろう。 151 00:55:32,829 --> 00:55:35,532 一心 一心! 152 00:58:09,453 --> 00:58:13,457 <意外な告白だった>