1 00:00:02,169 --> 00:00:09,576 ♬~ 2 00:00:09,576 --> 00:00:13,447 江戸中期 江戸の人口は100万人を超え➡ 3 00:00:13,447 --> 00:00:16,917 世界屈指の大都市となっておりました。 4 00:00:16,917 --> 00:00:22,589 しかも 長い平和が続き 表向きは 侍が威張っておりましたが➡ 5 00:00:22,589 --> 00:00:25,259 その実は とんでもないお金を握る➡ 6 00:00:25,259 --> 00:00:30,264 商人が力を持つ 世の中となりつつありました。 7 00:00:32,599 --> 00:00:35,302 (卯之吉)春だねえ…。 8 00:00:38,939 --> 00:00:43,810 いい男。 ほれぼれするわ。 9 00:00:43,810 --> 00:00:47,614 この若旦那 名を卯之吉と申しまして➡ 10 00:00:47,614 --> 00:00:52,319 江戸一番の両替商 三国屋の孫でございます。 11 00:00:54,488 --> 00:00:57,791 そして 別の料亭では…。 12 00:01:03,897 --> 00:01:06,233 (沢田彦太郎)これは…? 13 00:01:06,233 --> 00:01:12,940 (三国屋徳右衛門)実は 手前には不肖の孫がおりまして。 14 00:01:17,578 --> 00:01:24,918 ⚟(争う声) 15 00:01:24,918 --> 00:01:29,256 (銀八)若旦那! まずうござんす! 16 00:01:29,256 --> 00:01:33,927 ここは あたしの芸で 収めてまいりましょうか? 17 00:01:33,927 --> 00:01:36,630 それより こっちでやっちまおう。 18 00:01:39,800 --> 00:01:44,271 さあ 皆さん! さあ さあ 皆さん! 19 00:01:44,271 --> 00:01:48,141 今宵の見ものは…。 今宵の見ものは? 20 00:01:48,141 --> 00:01:50,844 桜吹雪さ! 21 00:01:55,615 --> 00:01:58,518 ⚟さあ 小判よ。 ⚟おい こっちにも くれよ! 22 00:01:58,518 --> 00:02:02,222 ⚟おお… 小判だ! 小判だ! 23 00:02:02,222 --> 00:02:05,225 ⚟こっちだ こっち! 24 00:02:09,896 --> 00:02:19,573 〽 恋の夜桜 浮気で通ふ 25 00:02:19,573 --> 00:02:29,249 〽 こりゃ又何のこった 江戸の花 26 00:02:29,249 --> 00:02:44,798 ♬~ 27 00:02:44,798 --> 00:02:46,800 (琴之丞)うっ…! 28 00:02:50,537 --> 00:02:52,839 ⚟おはようございます。 29 00:02:57,277 --> 00:03:01,148 卯之吉や! おい! 30 00:03:01,148 --> 00:03:05,886 南町奉行所の同心? 31 00:03:05,886 --> 00:03:10,557 この世の中 金で手に入らないものはないんだよ。 32 00:03:10,557 --> 00:03:15,562 お前は この人の名を継ぐんです。 33 00:03:17,898 --> 00:03:20,801 ハチマキ? 34 00:03:20,801 --> 00:03:27,574 ヤマキ。 お前は今日から 八巻卯之吉だよ。 35 00:03:27,574 --> 00:03:30,243 もう決まったことですかい? 36 00:03:30,243 --> 00:03:33,947 ああ この私が決めたんだ。 37 00:03:36,583 --> 00:03:40,454 それなら しかたありませんね。 38 00:03:40,454 --> 00:03:47,928 卯之吉や~! これで お前も立派なお侍だよ。 39 00:03:47,928 --> 00:03:54,267 アハハハハ…! 卯之吉~! ハハハ…! 40 00:03:54,267 --> 00:03:57,270 ♬~ 41 00:04:04,077 --> 00:04:09,750 (沢田)八巻元太郎が老齢のため 隠居願いを お奉行様に差し上げた。 42 00:04:09,750 --> 00:04:13,754 その八巻の跡目を➡ 43 00:04:13,754 --> 00:04:17,457 この卯之吉が継ぐことと相成った。 44 00:04:21,895 --> 00:04:24,598 よしなにお頼み申します。 45 00:04:30,570 --> 00:04:32,906 (村田銕三郎)いってえ何だ? あの野郎は。 46 00:04:32,906 --> 00:04:38,245 南の猟犬といわれる 俺様の前で 澄まして 座ってるだけじゃねえか。 47 00:04:38,245 --> 00:04:40,180 (尾上伸平)新入りなら➡ 48 00:04:40,180 --> 00:04:44,184 「私は 何をしたらいいものでしょうか?」 と聞いてくるものですよ。 49 00:04:59,266 --> 00:05:01,268 すまないねえ。 50 00:05:03,870 --> 00:05:06,540 何もしない しようともしない。 51 00:05:06,540 --> 00:05:12,546 生まれてこのかた 人に何かされるのを待つだけの人生。 52 00:05:14,414 --> 00:05:18,151 何なんだ? あの野郎…。 まあまあ… 今夜が…。 53 00:05:18,151 --> 00:05:21,888 (玉木弥之助)新参者恒例の 名披露目会が。 54 00:05:21,888 --> 00:05:26,560 そうだったな。 どんな接待をしてくれるか➡ 55 00:05:26,560 --> 00:05:30,230 上下の厳しさを とくと たたき込んでやる。 56 00:05:30,230 --> 00:05:33,133 あっ でも ほどほどにしないと…。 57 00:05:33,133 --> 00:05:35,101 これは しつけだ! (尾上 玉木)へい! 58 00:05:35,101 --> 00:05:38,104 大変だ! 殺しです! 59 00:05:38,104 --> 00:05:41,107 何? 行くぞ! ⚟へい! 60 00:05:46,246 --> 00:05:50,951 おい! お前もだ! えっ? 61 00:05:53,587 --> 00:05:58,458 (村田)顔のきれいな仏さんだな。 一体 誰だ? 62 00:05:58,458 --> 00:06:02,195 (尾上)名前は琴之丞。 ここで興行を打っている➡ 63 00:06:02,195 --> 00:06:06,066 宮地芝居の役者のようです。 64 00:06:06,066 --> 00:06:09,069 まだ来ませんね あの新入りは。 65 00:06:09,069 --> 00:06:12,839 ⚟ちょっと どいてくれ! ごめんよ! あっ 来ました。 66 00:06:12,839 --> 00:06:18,745 (村田)遅い! 使いものにならねえ野郎だな。 67 00:06:18,745 --> 00:06:23,216 村田さん あいつにやらせてみちゃ どうです? 68 00:06:23,216 --> 00:06:25,552 そいつは 面白え。 69 00:06:25,552 --> 00:06:30,423 おい 新入り! 仏さんの傷口 調べてみろ。 70 00:06:30,423 --> 00:06:33,727 私が? これも仕事だ。 71 00:06:38,131 --> 00:06:42,902 吐くな。 ええ。 私も吐きました。 72 00:06:42,902 --> 00:06:45,205 この傷は…? 73 00:06:46,773 --> 00:06:50,243 切り口一尺 深さ三寸。 74 00:06:50,243 --> 00:06:54,114 殺されたのは➡ 75 00:06:54,114 --> 00:06:56,116 二刻ほど前…。 76 00:06:56,116 --> 00:06:58,418 本当か? ⚟本当に? 77 00:07:07,527 --> 00:07:12,399 血は苦手だよ。 慣れないね。 78 00:07:12,399 --> 00:07:17,203 けど さすが 蘭方医の修業を なさっただけのことがある。➡ 79 00:07:17,203 --> 00:07:20,874 その稽古に イノシシの死体を縫ったときは➡ 80 00:07:20,874 --> 00:07:23,543 驚きましたけどね。 81 00:07:23,543 --> 00:07:27,213 ようやく 若旦那に合ってる仕事を 見つけたと思っていたのに➡ 82 00:07:27,213 --> 00:07:29,149 お辞めになるとは。 83 00:07:29,149 --> 00:07:35,088 病人の顔を見るのがつらくてね。 見ている身内も悲しそうだし。 84 00:07:35,088 --> 00:07:38,558 若旦那は お優しすぎるんでしょうね。 85 00:07:38,558 --> 00:07:40,493 ばかを言うんじゃないよ。 86 00:07:40,493 --> 00:07:43,797 ⚟(足音) 87 00:07:51,137 --> 00:07:55,108 あれは? 無縁仏になるんですよ。 88 00:07:55,108 --> 00:07:59,245 死んでからも あわれなもんですね 金がないってえのは。 89 00:07:59,245 --> 00:08:04,851 あっても どうってことはないけどね。 90 00:08:04,851 --> 00:08:09,522 ⚟おにいさん いらっしゃい。 ⚟旦那 ちょっと見てってくれよ。 91 00:08:09,522 --> 00:08:16,196 人気役者だったそうだな。 桜吹雪の琴之丞といわれてたとか。 92 00:08:16,196 --> 00:08:27,507 (拍子木の音) 93 00:08:29,542 --> 00:08:33,880 (羽村桃十郎)あれほどの役者は そう めったに出るもんじゃござんせん。 94 00:08:33,880 --> 00:08:39,552 顔良し 声良し 姿良しの そりゃ見事な役者でござんしたよ。 95 00:08:39,552 --> 00:08:43,223 ううう… 琴ちゃん…。 96 00:08:43,223 --> 00:08:46,893 そんな看板役者に死なれちまったら 大変だな。 97 00:08:46,893 --> 00:08:50,563 ううう… そりゃ大変ですよ。 98 00:08:50,563 --> 00:08:55,435 ですが この一座の座頭は あたしなんで! 99 00:08:55,435 --> 00:09:04,511 ああ 琴ちゃん…。 うう~…。 100 00:09:04,511 --> 00:09:07,847 いい香りだね。 仙女香かい? 101 00:09:07,847 --> 00:09:13,186 おい 新入り! しっかり聞いてろ。 はい。 102 00:09:13,186 --> 00:09:18,858 それと その興行を仕切っていた 黒雲一家にも話を聞いてきました。 103 00:09:18,858 --> 00:09:22,529 (黒雲の親分)琴之丞は あっしらのひぞっ子。 104 00:09:22,529 --> 00:09:26,199 稼ぎ頭を失って➡ 105 00:09:26,199 --> 00:09:28,868 これから どうしていいか…。 106 00:09:28,868 --> 00:09:35,542 黒雲一家はともかく 腹の読めないお人でしたね 桃十郎さんは。 107 00:09:35,542 --> 00:09:39,846 役者だから 空泣きなんざ お手のもんだ。 108 00:09:41,881 --> 00:09:44,217 お前ごときが何を…! 109 00:09:44,217 --> 00:09:48,922 (尾上)まあまあ ここは…。 今夜があります。 110 00:09:56,229 --> 00:09:58,898 こちらは 御免櫓といいまして➡ 111 00:09:58,898 --> 00:10:03,770 江戸では 中村座 市村座 森田座の 三座にしか許されていない➡ 112 00:10:03,770 --> 00:10:09,776 お上の許可を得た 格式のある芝居小屋の証しでございます。 113 00:10:13,446 --> 00:10:20,587 下手人が誰にしろ この一件 いずれ 事が明るみに出たときは➡ 114 00:10:20,587 --> 00:10:23,256 分かってるね? 115 00:10:23,256 --> 00:10:28,128 (豆福)はい。 この市村座の御免櫓に➡ 116 00:10:28,128 --> 00:10:32,932 傷がつくようなことにだけは ならないよう➡ 117 00:10:32,932 --> 00:10:35,635 承知しております。 118 00:10:38,805 --> 00:10:41,608 もう少しでげす。 119 00:10:41,608 --> 00:10:45,478 さて あのハチマキ。 ヤマキです。 120 00:10:45,478 --> 00:10:47,947 どんな店に連れてってくれるのやら。 121 00:10:47,947 --> 00:10:52,285 俺たち同心にも 格式ってもんがありますからね。 122 00:10:52,285 --> 00:10:57,290 いい女の何人かはいて まともな料理が出てくればいいけど。 123 00:11:00,894 --> 00:11:03,196 ⚟何じゃ これは…。 124 00:11:07,767 --> 00:11:13,907 (村田)この絵は 確か 狩野なにがし…。 125 00:11:13,907 --> 00:11:16,809 器も漆が輝いておる! 126 00:11:16,809 --> 00:11:21,114 この膳の足のほうが 我らの足より値打ちが高い! 127 00:11:32,926 --> 00:11:37,797 今宵は 私のために お集まりいただき 誠にありがとうございます。 128 00:11:37,797 --> 00:11:41,601 先輩方に 心ばかりの席を 用意いたしました。 129 00:11:41,601 --> 00:11:45,271 さあさあ 姐さん方! 130 00:11:45,271 --> 00:11:49,275 (同心たち)おお…。 131 00:11:58,284 --> 00:12:01,588 頼んだよ。 (菊野)あい。 132 00:12:10,230 --> 00:12:14,534 菊野でございます。 どうぞ ごひいきに。 133 00:12:16,903 --> 00:12:19,239 まあ お一つ。 134 00:12:19,239 --> 00:12:22,575 (尾上)菊野といえば 深川随一の売れっ子芸者で➡ 135 00:12:22,575 --> 00:12:24,911 宴席への招きは 引きも切らず。 136 00:12:24,911 --> 00:12:28,781 (玉木)いまや よほどの大尽 上客でなければ呼べぬと。 137 00:12:28,781 --> 00:12:30,783 さようで! 138 00:12:30,783 --> 00:12:35,922 また ここにいる お姐さん方も皆 上々の人気でございまして。 139 00:12:35,922 --> 00:12:41,260 一晩の花代だけで 一流の職人の ひとつきの稼ぎも及ばないと➡ 140 00:12:41,260 --> 00:12:44,931 専らの評判でございます。 141 00:12:44,931 --> 00:12:47,266 (村田)どうなってんだ…。 142 00:12:47,266 --> 00:12:52,939 同心見習が 何で こんな酒宴を開けるんだ? 143 00:12:52,939 --> 00:12:57,277 同心の収入は 年間 三十俵二人扶持。 144 00:12:57,277 --> 00:13:02,115 これだけでは かつかつの暮らししか できません。 145 00:13:02,115 --> 00:13:06,419 さあさあ まずは お一つ。 146 00:13:08,554 --> 00:13:11,457 老中である わしを呼び出すとは➡ 147 00:13:11,457 --> 00:13:15,228 あきれた世の中になったもんじゃ。➡ 148 00:13:15,228 --> 00:13:19,565 商人が 侍より偉くなったとは。 149 00:13:19,565 --> 00:13:28,241 めっそうもない。 手前ども商人は お侍様あってのことでございます。 150 00:13:28,241 --> 00:13:30,910 よく言うのう。 151 00:13:30,910 --> 00:13:36,215 金がすべての世の中と 分かりきっておるのに。 152 00:13:42,255 --> 00:13:46,259 これを お納めを。 153 00:13:53,599 --> 00:13:56,903 いかなる腹づもりか? 154 00:14:03,876 --> 00:14:06,546 おい! もっと酒を持ってこい! 155 00:14:06,546 --> 00:14:09,248 ⚟八巻 早くつげ! はい。 156 00:14:10,883 --> 00:14:13,786 ご苦労でございますね。 お同心は。 157 00:14:13,786 --> 00:14:19,892 神君家康公以来 天下の屋台骨を支えてきたのは 我ら 侍。 158 00:14:19,892 --> 00:14:22,795 なのに今は 小金をためた町人風情が➡ 159 00:14:22,795 --> 00:14:26,232 世の中をあれこれ 好き放題 のさばっておる。 160 00:14:26,232 --> 00:14:29,135 ご老中にお目通り かなうならば➡ 161 00:14:29,135 --> 00:14:33,439 一命に代えても おいさめいたすところなのだが。 162 00:14:35,241 --> 00:14:38,911 皆の者! 控えおろう! 163 00:14:38,911 --> 00:14:42,782 (笑い声) 164 00:14:42,782 --> 00:14:44,784 沢田様… 飲みましょうよ。 165 00:14:44,784 --> 00:14:48,921 ばか者! ご老中がご臨席される。 166 00:14:48,921 --> 00:14:51,224 ご… ご老中が? ご老中? 167 00:14:56,262 --> 00:14:58,598 早速 お目通り かないますね。 168 00:14:58,598 --> 00:15:01,601 ば… ばかを申すな! 169 00:15:12,145 --> 00:15:25,224 ♬~ 170 00:15:25,224 --> 00:15:28,127 出雲守じゃ。 171 00:15:28,127 --> 00:15:36,569 そのほうら 江戸市中の安寧のため 日夜奔走ご苦労。 172 00:15:36,569 --> 00:15:38,871 (同心たち)ははあ! 173 00:15:45,912 --> 00:15:49,615 八巻卯之吉 近う寄れ! 174 00:15:51,584 --> 00:15:53,519 はっ。 175 00:15:53,519 --> 00:16:07,066 ♬~ 176 00:16:07,066 --> 00:16:09,068 杯を取らす。 177 00:16:10,870 --> 00:16:12,805 はっ。 178 00:16:12,805 --> 00:16:20,112 ♬~ 179 00:16:32,158 --> 00:16:38,164 肝の据わったやつよ。 良き同心になろう。 180 00:16:40,233 --> 00:16:42,535 はっ。 181 00:16:44,904 --> 00:16:47,807 一番偉いのは 祖父の徳右衛門。 182 00:16:47,807 --> 00:16:52,578 卯之吉にとっては それ以外は 老中だろうが誰であろうが➡ 183 00:16:52,578 --> 00:16:55,882 皆 一緒なのでございます。 184 00:16:58,451 --> 00:17:02,388 そのほうらに申し渡す。 185 00:17:02,388 --> 00:17:07,526 この八巻の面倒を よく見てやるがよい。 186 00:17:07,526 --> 00:17:10,229 (同心たち)ははっ。 187 00:17:18,537 --> 00:17:23,876 ♬~(三味線) 188 00:17:23,876 --> 00:17:27,546 (菊野)琴之丞は 大した人気でございましたよ。 189 00:17:27,546 --> 00:17:30,883 宮地芝居など はなから相手にしない旦那衆でも➡ 190 00:17:30,883 --> 00:17:34,553 琴之丞だけは別格でございました。➡ 191 00:17:34,553 --> 00:17:37,890 なのに 殺されたなんて…。 192 00:17:37,890 --> 00:17:42,228 若旦那 必ず 下手人を捕まえてくださいな。 193 00:17:42,228 --> 00:17:46,098 そんなことを言われてもねえ…。 194 00:17:46,098 --> 00:17:49,569 やる気がないんだから うちの旦那は。 195 00:17:49,569 --> 00:17:52,905 おじい様が決めたことだから 同心になったまで。 196 00:17:52,905 --> 00:17:55,241 まあ すぐに追い出されるだろうがね。 197 00:17:55,241 --> 00:17:57,576 世の中 なめてますよね。 198 00:17:57,576 --> 00:18:01,847 どうせ 人生は死ぬまでの暇つぶしさ。 199 00:18:01,847 --> 00:18:04,750 ♬~(三味線) (菊野)じゃあ…➡ 200 00:18:04,750 --> 00:18:09,188 一世一代のお遊びと思えば よろしいんじゃございませんか? 201 00:18:09,188 --> 00:18:14,060 それは… 面白いかもね。 202 00:18:14,060 --> 00:18:19,532 小耳に挟んだんですが 琴之丞さん どうも引き抜かれようとしていたとか。 203 00:18:19,532 --> 00:18:24,870 ああ 市村座にだろ? 荒海の親分が間に入っていたと…。 204 00:18:24,870 --> 00:18:29,542 それは いけねえ! 宮地芝居の役者が 三座の舞台を踏むなんて➡ 205 00:18:29,542 --> 00:18:32,878 そいつは 江戸中の芝居好きが 黙っちゃいませんぜ。 206 00:18:32,878 --> 00:18:35,548 三座は 江戸っ子の誇りです。 207 00:18:35,548 --> 00:18:39,218 そんなものなのかねえ…。 208 00:18:39,218 --> 00:18:43,089 でも そうだとすると その引き抜きを請け負った荒海さんは➡ 209 00:18:43,089 --> 00:18:45,091 変わったお人だねえ。 210 00:18:46,892 --> 00:18:49,228 三右衛門でござんす。 211 00:18:49,228 --> 00:18:54,900 私は同心といっても 見習いの八巻卯之吉という者さ。 212 00:18:54,900 --> 00:19:01,173 見習い? まだ役目に就いたばかりでね。 213 00:19:01,173 --> 00:19:05,845 じゃあ とくと覚えておきなせえ。 214 00:19:05,845 --> 00:19:10,716 この広い江戸には 南町奉行所と北町奉行所がある。 215 00:19:10,716 --> 00:19:16,188 だが 旦那方定町廻り同心は たったの50足らず。➡ 216 00:19:16,188 --> 00:19:20,526 そんな数じゃ 手が足りねえのは当たり前。 217 00:19:20,526 --> 00:19:25,197 俺たちがいねえと もめ事が収まらねえんですよ。 218 00:19:25,197 --> 00:19:27,133 (子分たち)そうだ そうだ…! 219 00:19:27,133 --> 00:19:29,835 静かにしろい! 220 00:19:32,872 --> 00:19:38,744 さて 何をお話しいたしやしょう? 221 00:19:38,744 --> 00:19:42,214 なかなか風流な造りだねえ。 222 00:19:42,214 --> 00:19:46,085 えっ? 灯籠に脇石を置いて➡ 223 00:19:46,085 --> 00:19:48,788 滝石組を模しているんだね。 224 00:20:06,238 --> 00:20:09,542 八巻様。 225 00:20:11,110 --> 00:20:18,250 あっしじゃありません。 下手人は こちらでも捜してみますよ。 226 00:20:18,250 --> 00:20:20,953 よろしく頼みましたよ。 227 00:20:28,594 --> 00:20:31,931 どうでもいいようなことしか 聞きませんでしたね。 228 00:20:31,931 --> 00:20:34,266 ちょろいやつですよ。 (笑い声) 229 00:20:34,266 --> 00:20:40,606 お前ら 分かんねえのか? 230 00:20:40,606 --> 00:20:46,479 この俺を前にして 臆せず澄ましていられるなんてな➡ 231 00:20:46,479 --> 00:20:51,484 きっと ああやって こっちの腹の内を 探ってるに違いねえ。 232 00:20:54,620 --> 00:20:59,492 ただ者じゃねえな あの同心。 233 00:20:59,492 --> 00:21:02,428 趣味の庭造りを 褒められたからじゃねえか? 234 00:21:02,428 --> 00:21:05,431 違えねえ。 (笑い声) 235 00:21:09,902 --> 00:21:13,239 何? 琴之丞に女がいたらしい? 236 00:21:13,239 --> 00:21:20,112 別れ話が こじれたんだか何だか 今にも刺しそうな恐ろしさでしたよ。 237 00:21:20,112 --> 00:21:24,250 痴情のもつれかねえ。 238 00:21:24,250 --> 00:21:29,121 けど さすが荒海の親分が持ってくる話は ネタが違いますね。 239 00:21:29,121 --> 00:21:32,424 また来たら すぐに教えてくれよ。 へえ。 240 00:21:37,796 --> 00:21:45,271 ⚟(犬の鳴き声) 241 00:21:45,271 --> 00:21:49,141 ご老中の前でも 荒海の親分の前でも いつもと変わらないのに➡ 242 00:21:49,141 --> 00:21:52,144 夜道が恐ろしいだなんてね。 243 00:21:52,144 --> 00:21:57,283 お化けが怖いんだよ。 何か 出てきそうじゃないかい? 244 00:21:57,283 --> 00:22:02,555 この卯之吉 剣は駄目 走るの苦手 お化けが怖いと➡ 245 00:22:02,555 --> 00:22:04,890 三拍子そろっております。 246 00:22:04,890 --> 00:22:07,226 何かいるよ…! 247 00:22:07,226 --> 00:22:09,161 しょうがないねえ。 248 00:22:09,161 --> 00:22:16,569 やい! こちらのお方は 南町奉行所同心 八巻卯之吉様だぞ。 249 00:22:16,569 --> 00:22:21,440 はっ… ちょっと 旦那! 刀… 刀! 250 00:22:21,440 --> 00:22:25,244 抜けないよ。 え~! 251 00:22:25,244 --> 00:22:27,179 うっ…! 252 00:22:27,179 --> 00:22:37,256 ♬~ 253 00:22:37,256 --> 00:22:41,126 邪魔立てすると 容赦せんぞ! 254 00:22:41,126 --> 00:22:57,142 ♬~ 255 00:23:01,880 --> 00:23:05,551 ⚟けんかだ~! 侍同士のけんかだよ! 256 00:23:05,551 --> 00:23:10,222 ⚟お~い! 誰か~! 誰か~ 来てくれ! 257 00:23:10,222 --> 00:23:14,927 ⚟お~い! 誰か~! あっちです! 258 00:23:17,897 --> 00:23:22,601 こ… これは…! あっ。 259 00:23:29,909 --> 00:23:31,844 えっ? 260 00:23:31,844 --> 00:23:35,581 さあさあ お立ち会い! 南町奉行所に御新参が入られた。 261 00:23:35,581 --> 00:23:39,918 姓は「八つ」「巻き」と書いて 八巻。 名は卯之吉という お人。➡ 262 00:23:39,918 --> 00:23:44,790 役者も顔負けの美男ときたから 江戸の女子衆も黙っちゃおらず。➡ 263 00:23:44,790 --> 00:23:48,260 老いも若いも袖を引くときたもんだ。 (美鈴)へえ。 264 00:23:48,260 --> 00:23:52,131 (売り子)さてさて その八巻様 お初の御用で2人の辻斬りを➡ 265 00:23:52,131 --> 00:23:58,270 抜く手も見せずに あれよあれよと 返り討ちにというから大変だ!➡ 266 00:23:58,270 --> 00:24:00,873 今 売り出し中の このお方…。 267 00:24:00,873 --> 00:24:02,808 あっ 痛え。 その財布 どうする? 268 00:24:02,808 --> 00:24:05,744 離せ この野郎! 269 00:24:05,744 --> 00:24:09,214 もっと懲らしめないと いけないか? 270 00:24:09,214 --> 00:24:12,551 この若侍姿の腕の立つ娘。 271 00:24:12,551 --> 00:24:18,891 卯之吉との出会いによって その人生が変わってくるのでございます。 272 00:24:18,891 --> 00:24:21,193 それでも男か。 273 00:24:28,233 --> 00:24:32,571 渡したか? (喜七)はい。 274 00:24:32,571 --> 00:24:38,911 「同心の八巻は 頼もしい剣の達人」と。 275 00:24:38,911 --> 00:24:43,215 これで奉行所でも評判も上がるだろう。 276 00:24:46,585 --> 00:24:52,458 待たせたな。 三国屋から頂戴してきたぞ。 277 00:24:52,458 --> 00:24:56,929 フフフ…! ほら。 278 00:24:56,929 --> 00:25:03,535 (由利之丞)うれしい 弥五さん! (水谷)フフフ… 激しいのう。 ハハハ…! 279 00:25:03,535 --> 00:25:06,839 4枚… ウフフ! 280 00:25:23,222 --> 00:25:29,895 あの女ですよ。 今日も誰かと待ち合わせだとか。 281 00:25:29,895 --> 00:25:31,897 ありがとよ。 282 00:25:43,242 --> 00:26:43,902 ♬~ 283 00:26:43,902 --> 00:26:47,573 その男が目配せをしたら 入ってこなかったんですよ。 284 00:26:47,573 --> 00:26:51,243 ほかに 何か気付いたことは なかったのかい? 285 00:26:51,243 --> 00:27:00,252 別に…。 あっ! そういえば その男 おしろいの香りが。 286 00:27:08,527 --> 00:27:14,867 そろそろ 役者が出そろったかもしれないねえ。 287 00:27:14,867 --> 00:27:16,869 えっ? 288 00:27:24,543 --> 00:27:43,562 ♬~ 289 00:27:43,562 --> 00:27:46,465 あいつです! 船宿にいたのは! 290 00:27:46,465 --> 00:27:51,236 (ざわめき) 291 00:27:51,236 --> 00:27:54,940 市村座の女形だったんですね。 292 00:27:56,575 --> 00:27:59,912 豆福です。 293 00:27:59,912 --> 00:28:02,814 筋は良かったらしいんですが➡ 294 00:28:02,814 --> 00:28:08,520 この芝居の世界で出世するには 役者の家柄と後ろ盾が欠かせない。 295 00:28:08,520 --> 00:28:14,193 それがなかったため 一度も 大役がつかないうちに あの年ですよ。 296 00:28:14,193 --> 00:28:17,529 その豆福さんが どうして この一件と? 297 00:28:17,529 --> 00:28:20,198 (荒海)話には 続きがござんす。 298 00:28:20,198 --> 00:28:26,872 芸では日の目を見なかったが 裏の仕事で才覚を買われていたようで。 299 00:28:26,872 --> 00:28:31,209 引き抜きの一件 あっしに話を持ってきたのは➡ 300 00:28:31,209 --> 00:28:34,213 あの豆福でございます。 301 00:28:35,881 --> 00:28:40,218 じゃあ 豆福さんは 琴之丞が殺されて 困ってるんじゃないですか? 302 00:28:40,218 --> 00:28:42,154 そうとも言えないよ。 303 00:28:42,154 --> 00:28:45,557 本当に 琴之丞を 引き抜きたかったのかどうか。 304 00:28:45,557 --> 00:28:48,894 琴之丞が 市村座の舞台を踏むことがないよう➡ 305 00:28:48,894 --> 00:28:50,829 説得していたのかもしれない。 306 00:28:50,829 --> 00:28:55,234 それって ひょっとして 男の嫉妬? ん? 307 00:28:55,234 --> 00:28:58,136 女の嫉妬ですかね? 308 00:28:58,136 --> 00:29:01,840 どうでしょうかねえ。 309 00:29:01,840 --> 00:29:04,509 それより 荒海の親分さんは➡ 310 00:29:04,509 --> 00:29:08,380 どうして 琴之丞さんの引き抜きに 力を貸そうとしたんですかい? 311 00:29:08,380 --> 00:29:12,384 ふんっ! くだらねえ 型にはまった世の中には➡ 312 00:29:12,384 --> 00:29:16,521 うんざりだ。 それもあってね。 313 00:29:16,521 --> 00:29:21,860 でも そうすると 琴之丞殺しに 手を貸したのは…。恐らく➡ 314 00:29:21,860 --> 00:29:25,731 引き抜かれると 一番損をするやつらだろうね。 315 00:29:25,731 --> 00:29:28,200 あいつらですよ。 316 00:29:28,200 --> 00:29:30,869 それは これから分かりますね。 317 00:29:30,869 --> 00:29:35,540 豆福さんも もう気付いてるころだろうから。 318 00:29:35,540 --> 00:29:43,849 ♬~ 319 00:29:56,561 --> 00:29:59,564 思ったとおりだねえ。 320 00:30:01,900 --> 00:30:05,237 おや 桃十郎さんも かんでたのかい? 321 00:30:05,237 --> 00:30:07,572 (桃十郎)あい かんでおりますとも。 322 00:30:07,572 --> 00:30:11,243 あたしより あの子のほうが 人気があるなんて許せない。 323 00:30:11,243 --> 00:30:13,178 でも それより➡ 324 00:30:13,178 --> 00:30:17,582 野たれ死にかけた あの子を 拾い育てたのは このあたし。 325 00:30:17,582 --> 00:30:21,453 なのに その恩も忘れて 出て行こうとするなんて! 326 00:30:21,453 --> 00:30:23,922 さあ 野郎ども。 327 00:30:23,922 --> 00:30:28,260 この同心さえ始末すりゃあ 証拠は ねえんだ。➡ 328 00:30:28,260 --> 00:30:31,163 ハハハハハ… やっちまえ! 329 00:30:31,163 --> 00:30:33,865 ⚟(荒海)待ちやがれ! 330 00:30:36,601 --> 00:30:38,537 (黒雲の親分)荒海! 331 00:30:38,537 --> 00:30:42,474 観念するのは おめえたちだぜ。 332 00:30:42,474 --> 00:30:46,278 ええい! まとめてやっちまえ! 333 00:30:46,278 --> 00:30:59,825 ♬~ 334 00:30:59,825 --> 00:31:03,228 この同心 見かけによらず剣の達人。 335 00:31:03,228 --> 00:31:05,931 油断するな! おう! 336 00:31:09,101 --> 00:31:11,403 旦那! 337 00:31:23,548 --> 00:31:26,251 一人につき 二両で引き受けた! 338 00:31:33,925 --> 00:31:36,228 木っ端役人め! 339 00:31:39,798 --> 00:31:59,151 ♬~ 340 00:31:59,151 --> 00:32:02,554 ひゃ~! どけ~! 341 00:32:02,554 --> 00:32:05,223 あっ…! 342 00:32:05,223 --> 00:32:13,899 隙だらけのように見せかけた あんな妙な剣は初めてだ…。 343 00:32:13,899 --> 00:32:17,769 さすが卯之吉の旦那だ。 344 00:32:17,769 --> 00:32:21,239 ただ突っ立っていただけにしか 見えませんでしたが。 345 00:32:21,239 --> 00:32:24,910 おめえら 分かっちゃいねえんだよ! 346 00:32:24,910 --> 00:32:30,248 まったく…。 ほれぼれとする男ぶりだぜ。 347 00:32:30,248 --> 00:32:36,922 まさか 突っ立ったまま気絶しているとは 誰も思ってはおりません。 348 00:32:36,922 --> 00:32:39,591 しっかりしてくださいよ! ねえ。 349 00:32:39,591 --> 00:32:42,928 どっ… どうなった? 350 00:32:42,928 --> 00:32:48,266 ご覧のとおりです。 浪人は あのご浪人が。➡ 351 00:32:48,266 --> 00:32:53,572 黒雲の一家は 荒海の親分さんたちが 片づけてくれました。 352 00:32:55,140 --> 00:32:57,943 よかった~。 353 00:32:57,943 --> 00:33:00,545 ⚟御用だ! ⚟御用だ 御用だ…! 354 00:33:00,545 --> 00:33:03,448 ⚟御用だ 御用だ…! 355 00:33:03,448 --> 00:33:06,885 御用だ 御用だ! 御用だ~! 356 00:33:06,885 --> 00:33:11,223 ええい! 一人残らず召し捕れい! (同心たち)はい! 357 00:33:11,223 --> 00:33:14,559 さ~て➡ 358 00:33:14,559 --> 00:33:21,233 八巻の旦那 一世一代の大捕り物でい!➡ 359 00:33:21,233 --> 00:33:23,902 琴之丞殺しの一味を➡ 360 00:33:23,902 --> 00:33:26,905 召し捕った~! 361 00:33:28,773 --> 00:33:33,245 いよっ 日本一!➡ 362 00:33:33,245 --> 00:33:38,583 さあ さあ 皆さんも… 「日本一」! 363 00:33:38,583 --> 00:33:42,888 (一同)日本一! (銀八)ハハハ…! 364 00:33:45,257 --> 00:33:49,261 まあ… いっか。 365 00:34:09,447 --> 00:34:12,450 豆福さんだね。 366 00:34:17,889 --> 00:34:20,792 はい。 367 00:34:20,792 --> 00:34:23,561 こうなっちまったのは➡ 368 00:34:23,561 --> 00:34:28,433 すべて 私の考え足らずのせいでございます。➡ 369 00:34:28,433 --> 00:34:34,906 私から あの2人に 琴之丞殺しを持ちかけました。 370 00:34:34,906 --> 00:34:38,243 やっぱり 琴之丞さんが➡ 371 00:34:38,243 --> 00:34:41,579 三座の舞台を踏むことが 許せなかったからなのかい? 372 00:34:41,579 --> 00:34:46,584 それとも 役者としての嫉妬かい? 373 00:34:57,929 --> 00:35:01,533 琴之丞にとっては➡ 374 00:35:01,533 --> 00:35:05,837 三座の舞台を踏むことは 夢だったんですよ。 375 00:35:07,872 --> 00:35:13,211 役者ならば 誰でもそうだ。 376 00:35:13,211 --> 00:35:16,114 でもね➡ 377 00:35:16,114 --> 00:35:21,119 この世界には 昔からの おきてや しきたりがあるんです。 378 00:35:23,555 --> 00:35:26,458 でも 琴之丞は…。 379 00:35:26,458 --> 00:35:29,227  回想 これからは そんな世の中じゃないんだよ。 380 00:35:29,227 --> 00:35:34,232  回想 どんな生まれや育ちでも 芸さえあれば大役がつく。 381 00:35:38,570 --> 00:35:44,275  回想 私は どうあっても 市村座の舞台を踏むよ。 382 00:35:46,911 --> 00:35:52,250 (豆福)世の中は 変わってきてる。 383 00:35:52,250 --> 00:35:57,922 けれど 変えちゃいけないものもあるんです。➡ 384 00:35:57,922 --> 00:36:00,191 先代から引き継がれた芸は➡ 385 00:36:00,191 --> 00:36:04,896 よそからの人間には分からない 奥深いものがあるんです。 386 00:36:07,065 --> 00:36:14,205 だからこそ 三座の舞台は これからも 何十年 いや…➡ 387 00:36:14,205 --> 00:36:17,909 何百年も守られ続けていく。 388 00:36:19,544 --> 00:36:23,848 それを壊しちゃいけないんですよ。 389 00:36:27,218 --> 00:36:30,522 旦那…。 390 00:36:32,090 --> 00:36:34,559 何だい? 391 00:36:34,559 --> 00:36:42,233 このてんまつは すぐに 江戸中に知れ渡りましょう。 392 00:36:42,233 --> 00:36:49,574 でも 市村座の 御免櫓に傷がつくことだけは…。 393 00:36:49,574 --> 00:36:56,448 ♬~ 394 00:36:56,448 --> 00:37:02,520 この一件…➡ 395 00:37:02,520 --> 00:37:07,192 すべて 私の一存で したこと。 396 00:37:07,192 --> 00:37:20,205 ♬~ 397 00:37:20,205 --> 00:37:27,545 お前さんの気持ちは よ~く分かりました。 398 00:37:27,545 --> 00:37:46,231 ♬~ 399 00:37:46,231 --> 00:37:49,134 ありがとうございます。 400 00:37:49,134 --> 00:37:58,443 ♬~ 401 00:38:02,180 --> 00:38:04,182 (斬る音) 402 00:38:55,433 --> 00:38:58,236 (菊野)大旦那。 (徳右衛門)うん。 403 00:38:58,236 --> 00:39:02,507 同心 八巻卯之吉様の ご誕生でございますね。 404 00:39:02,507 --> 00:39:07,812 ああ めでたいね。 実に めでたい。 405 00:39:09,380 --> 00:39:16,521 だがね ここからだよ。 あの子にとっては。 406 00:39:16,521 --> 00:39:20,191 大丈夫です 卯之さんなら。 407 00:39:20,191 --> 00:39:27,065 卯之さんには 本人も まだ気付いていない 何かがあるんです。 408 00:39:27,065 --> 00:39:32,770 ほれた男を そう思いたい気持ちは分かるがね フッ…。 409 00:39:32,770 --> 00:39:44,415 だがね あの子の心には 大きな穴が ぽっかり開いてるんだよ。 410 00:39:44,415 --> 00:39:48,720 深~い穴がね。 411 00:40:05,236 --> 00:40:16,247 ♬~ 412 00:40:16,247 --> 00:40:22,921 豆福さん 約束は守れましたよ。 413 00:40:22,921 --> 00:40:26,791 ちっとばかり お金がかかったけれどね。 414 00:40:26,791 --> 00:40:58,289 ♬~ 415 00:40:58,289 --> 00:41:06,564 ねえ。 命懸けで見る夢ってのは どんなんだい? 416 00:41:06,564 --> 00:41:13,271 私には と~んと分からないんだよ。 417 00:41:38,930 --> 00:42:30,214 ♬~ 418 00:42:30,214 --> 00:42:34,118 ♬~ 419 00:42:34,118 --> 00:42:54,405 ♬~