1 00:00:33,899 --> 00:00:39,571 (八巻卯之吉)源さんは信用できる男です。 2 00:00:39,571 --> 00:00:42,241 (溝口美鈴)えっ? 3 00:00:42,241 --> 00:00:49,581 私は… 2人が結ばれることを願います。 4 00:00:49,581 --> 00:00:55,921 ♬~ 5 00:00:55,921 --> 00:01:00,793 (梅本源之丞)卯之さんも ああ言ってくれたのだ。 6 00:01:00,793 --> 00:01:02,795 返事を。 7 00:01:02,795 --> 00:01:05,931 私は…。 8 00:01:05,931 --> 00:01:15,941 ♬~ 9 00:01:15,941 --> 00:01:21,613 源之丞様に嫁ぐことはできません。 10 00:01:21,613 --> 00:01:24,516 すみません。 11 00:01:24,516 --> 00:01:26,516 えっ? 12 00:01:35,160 --> 00:01:40,566 その… 何と言っていいか…。 13 00:01:40,566 --> 00:01:45,437 (菊野)男と女 とかく行き違いはあるものです。 14 00:01:45,437 --> 00:01:48,907 ほら ことわざにもあるじゃありませんか。 15 00:01:48,907 --> 00:01:52,778 「磯の鮑の片思い」って ねえ? 16 00:01:52,778 --> 00:01:55,581 (銀八)そうでがすよ。 自分が好いていただけで➡ 17 00:01:55,581 --> 00:01:59,451 相手には 全く…! その気がなかっただけでげすよ! 18 00:01:59,451 --> 00:02:01,451 (畳をたたく音) あっ…。 19 00:02:08,160 --> 00:02:12,131 こうなったからには…。 20 00:02:12,131 --> 00:02:16,602 俺は… 出家する! 21 00:02:16,602 --> 00:02:18,937 そんなことしちゃいけません! 22 00:02:18,937 --> 00:02:21,607 そうですよ。 出家なんて! お大名の若様が! 23 00:02:21,607 --> 00:02:24,276 三男坊だから できる! 24 00:02:24,276 --> 00:02:26,211 そうですが 何もそこまで…。 25 00:02:26,211 --> 00:02:31,884 いいや! 誰も止めるな! 美鈴殿への思いを断つには…。 26 00:02:31,884 --> 00:02:34,584 これしかない! 27 00:02:46,431 --> 00:02:48,433 ≪(笑い声) 28 00:02:48,433 --> 00:02:55,433 ≪♬~(お囃子) 29 00:02:57,576 --> 00:03:00,479 そのころ 江戸のとある座敷では➡ 30 00:03:00,479 --> 00:03:05,179 何やら よからぬたくらみが進んでおりました。 31 00:03:07,586 --> 00:03:14,259 闇渡世に聞こえた あの滝蔵が しくじったんか。 32 00:03:14,259 --> 00:03:17,162 うわさどおり ただ者じゃありませんぜ。 33 00:03:17,162 --> 00:03:19,131 同心 八巻は。 34 00:03:19,131 --> 00:03:24,903 (お峰)この私を 牢に ぶち込んだやつですからね。 35 00:03:24,903 --> 00:03:30,809 ですが こうやって 切放しになりました。 36 00:03:30,809 --> 00:03:37,482 どなた様かが 火付けをしてくださったおかげで。 37 00:03:37,482 --> 00:03:41,887 だが 三日のうちに戻るのが決まり。 38 00:03:41,887 --> 00:03:45,224 さもないと 獄門送りだぜ。 39 00:03:45,224 --> 00:03:47,893 誰が 「はい そうですか」と 戻るもんかい。 40 00:03:47,893 --> 00:03:52,231 この あたしが 二度も捕まることはないさ。 41 00:03:52,231 --> 00:03:54,531 ≪客人をお連れしました。 42 00:04:06,245 --> 00:04:09,147 こちらの お兄さん方は? 43 00:04:09,147 --> 00:04:12,117 (七右衛門)山嵬坊と吉兵衛だ。➡ 44 00:04:12,117 --> 00:04:17,256 上方では それと知られたお二人さんだ。➡ 45 00:04:17,256 --> 00:04:21,126 新たに雇った殺し屋よ。 46 00:04:21,126 --> 00:04:28,600 今度は しくじりは… 許しまへんよ。 47 00:04:28,600 --> 00:04:30,535 分かっておりやす。 48 00:04:30,535 --> 00:04:36,875 相手は千里眼のうえ その腕は いまや 江戸一番の剣豪。➡ 49 00:04:36,875 --> 00:04:40,746 江戸にいる ほかの殺し屋にも 呼びかけやした。➡ 50 00:04:40,746 --> 00:04:45,217 「八巻を殺せ」と。 51 00:04:45,217 --> 00:04:49,888 (お峰)私も 一人 声を掛けたい男がいるんだよ。 52 00:04:49,888 --> 00:04:53,888 とびっきり物騒な殺し屋がね。 53 00:04:55,560 --> 00:04:59,431 一方 三国屋では…。 54 00:04:59,431 --> 00:05:03,435 どうだった? 上方の様子は。 55 00:05:03,435 --> 00:05:09,107 (水谷弥五郎)はい。 やはり 天満屋が 裏で糸を引いているようで。 56 00:05:09,107 --> 00:05:13,111 江戸に乗り込み この三国屋を潰す…。 57 00:05:13,111 --> 00:05:18,250 いや 乗っ取ろうと たくらんでるようです。 58 00:05:18,250 --> 00:05:21,920 そうか…。 59 00:05:21,920 --> 00:05:24,823 (水谷)卯之吉殿を狙うのは➡ 60 00:05:24,823 --> 00:05:28,260 この三国屋の孫と知ってのこと? 61 00:05:28,260 --> 00:05:32,130 いや まだ それには気付いてはいないだろう。 62 00:05:32,130 --> 00:05:35,534 だが 卯之吉の命を狙い➡ 63 00:05:35,534 --> 00:05:42,207 この私を 表に 引っ張り出そうとしていることは 確か。 64 00:05:42,207 --> 00:05:45,544 どうしたものか…。 65 00:05:45,544 --> 00:05:53,218 私をも一度は陥れた男 あの天満屋は。 66 00:05:53,218 --> 00:06:03,228 ♬~ 67 00:06:03,228 --> 00:06:06,565 (天満屋)旦那様…! 68 00:06:06,565 --> 00:06:12,904 若旦那が 大変なことをやらかしました。➡ 69 00:06:12,904 --> 00:06:16,575 今度ばかりは 助けようにも➡ 70 00:06:16,575 --> 00:06:19,875 どうすることもできないかと…! 71 00:06:22,914 --> 00:06:24,914 何? 72 00:06:26,585 --> 00:06:30,922 天満屋は 三国屋の元大番頭をしていた➡ 73 00:06:30,922 --> 00:06:34,622 あの太兵衛に 間違いございませんね? 74 00:06:36,728 --> 00:06:39,028 ああ。 75 00:06:44,469 --> 00:06:47,406 今日のお味は いかがでございますか? 76 00:06:47,406 --> 00:06:51,543 少しは 料理の腕も上達しましたか? 77 00:06:51,543 --> 00:06:56,415 いいんですよ 別に。 無理して うまくならなくても。 78 00:06:56,415 --> 00:06:59,217 えっ? 79 00:06:59,217 --> 00:07:04,517 それより どうして 源さんの話を断ったんです? 80 00:07:06,091 --> 00:07:08,894 それは…。 81 00:07:08,894 --> 00:07:15,567 私は 2人が結ばれることが一番いいと 今でも思ってます。 82 00:07:15,567 --> 00:07:22,441 源さんなら きっと幸せにしてくれると。 83 00:07:22,441 --> 00:07:28,580 (銀八)旦那! それは 酷でがす! 美鈴様のお気持ちは➡ 84 00:07:28,580 --> 00:07:31,580 旦那が 一番よく 分かってるはずじゃありやせんか! 85 00:07:37,856 --> 00:07:41,726 分かりました。 86 00:07:41,726 --> 00:07:45,197 それほど 私がお邪魔なんですね。 87 00:07:45,197 --> 00:07:53,538 ♬~ 88 00:07:53,538 --> 00:07:59,238 では ここを出ていきます。 89 00:08:00,879 --> 00:08:04,879 美鈴様…! 旦那 いいんでがすか? 90 00:08:06,751 --> 00:08:10,222 私は 別に…。 91 00:08:10,222 --> 00:08:15,093 また 以前のように 通いで来てくれる人を雇うだけですから。 92 00:08:15,093 --> 00:08:18,563 (銀八)そんな…! 93 00:08:18,563 --> 00:08:21,900 ≪(荒海ノ三右衛門)旦那~! 94 00:08:21,900 --> 00:08:23,835 遅れて申し訳ねえ! 95 00:08:23,835 --> 00:08:28,240 ですが 一の子分の この荒海が来たかぎりは もう安心だ! 96 00:08:28,240 --> 00:08:30,909 この家から一歩も出ちゃいけませんぜ。 97 00:08:30,909 --> 00:08:37,182 おい てめえら! 猫の子一匹 通すんじゃねえぞ! いいな! 98 00:08:37,182 --> 00:08:40,085 (一同)へい! 99 00:08:40,085 --> 00:08:44,385 これは… 一体? 100 00:08:52,531 --> 00:08:54,866 (村田銕三郎)火付けの犯人を 取っ捕まえなきゃいけねえ➡ 101 00:08:54,866 --> 00:08:56,801 こんな忙しいときに➡ 102 00:08:56,801 --> 00:08:59,538 何で この俺が あいつの様子を 見に行かなくちゃならねえんだよ! 103 00:08:59,538 --> 00:09:01,873 (尾上伸平)おっしゃるとおりです。 (玉木弥之助)まったく。 104 00:09:01,873 --> 00:09:05,873 沢田様も 何か あいつには 甘すぎんだよ。 105 00:09:08,747 --> 00:09:12,217 (村田)何だ? こりゃ。 106 00:09:12,217 --> 00:09:15,554 おうおう! どうなってんだ? 107 00:09:15,554 --> 00:09:19,224 いつから 八丁堀が やくざもんの縄張りになったんだ? 108 00:09:19,224 --> 00:09:23,895 「誰一人通すな」と親分から言われてんだ! 109 00:09:23,895 --> 00:09:29,234 お前 俺を知らねえのか? 新入りだな? 110 00:09:29,234 --> 00:09:31,836 何だと! 111 00:09:31,836 --> 00:09:35,707 教えてやるぜ。 112 00:09:35,707 --> 00:09:40,407 俺は 南の猟犬 村田様だ! 113 00:09:44,182 --> 00:09:47,085 (村田)まあ しかたねえな。 114 00:09:47,085 --> 00:09:50,855 こちとら 火事で 今 人手が取られてる。 115 00:09:50,855 --> 00:09:53,758 ここは 荒海一家に手伝わせるのが いいかもな。 116 00:09:53,758 --> 00:09:57,529 (荒海)へい。 江戸の闇渡世の連中に➡ 117 00:09:57,529 --> 00:10:01,399 「同心 八巻を殺せ」とのお触れが 回ってるんでさあ。➡ 118 00:10:01,399 --> 00:10:05,203 「首を取った者には 破格の賞金が出る」と。➡ 119 00:10:05,203 --> 00:10:08,873 それだけじゃねえ。 いまや 旦那は江戸の守り本尊。 120 00:10:08,873 --> 00:10:12,544 旦那がいるかぎり 悪党どもは 好き勝手ができねえ。 121 00:10:12,544 --> 00:10:17,882 旦那を どうにかしてやりたい というやつらが いくらでもおりやす。 122 00:10:17,882 --> 00:10:24,556 剣豪同心といわれてるからな。 俺は信じちゃいねえがな。 123 00:10:24,556 --> 00:10:27,459 まあ しばらく出仕せず➡ 124 00:10:27,459 --> 00:10:31,229 身の安全を図れとの沢田様のお下知だ。 125 00:10:31,229 --> 00:10:33,929 あとは おめえらに任せるとしよう。 126 00:10:37,902 --> 00:10:41,573 もう一つ 知らせなきゃいけねえことがあった。 127 00:10:41,573 --> 00:10:44,909 お峰も 切放しで外に出た。 128 00:10:44,909 --> 00:10:47,245 (荒海)あっ… あのお峰が? 129 00:10:47,245 --> 00:10:52,917 執念深え女だ。 お縄になったのは 八巻の旦那のせいだと恨んでやす。 130 00:10:52,917 --> 00:10:57,217 ああ…。 旦那への復讐を たくらんでやがるに違えねえ! 131 00:10:59,257 --> 00:11:01,926 恐ろしいですねえ。 132 00:11:01,926 --> 00:11:03,862 お前 自分のことなんだぞ! 133 00:11:03,862 --> 00:11:06,598 何 ひと事のように言ってやがんだ こら! ハチマキ! 134 00:11:06,598 --> 00:11:08,533 (2人)ヤマキです! 135 00:11:08,533 --> 00:11:13,471 さすが 旦那だ…! この落ち着きっぷり。 136 00:11:13,471 --> 00:11:17,171 返り討ちにする自信がありなさるんだ。 137 00:11:22,947 --> 00:11:25,947 たっ… 助けてくれ! 138 00:11:40,899 --> 00:11:58,199 ♬~(三味線) 139 00:12:32,183 --> 00:12:35,553 ≪殺しだ~! 殺しだ~! 140 00:12:35,553 --> 00:12:53,571 ♬~ 141 00:12:53,571 --> 00:12:56,241 いつもながら いい腕だね。 142 00:12:56,241 --> 00:13:01,913 何か用か? その腕を見込んで 話があるんだよ。 143 00:13:01,913 --> 00:13:06,584 いくらだ? 言い値を払ってやるよ! 144 00:13:06,584 --> 00:13:09,487 ため込んでるんだってねえ。 145 00:13:09,487 --> 00:13:12,257 知ってるんだよ? 146 00:13:12,257 --> 00:13:16,257 この稼業に就いたのも そのためなんだってね。 147 00:13:20,598 --> 00:13:25,270 そして 八巻家には歌舞伎役者の由利之丞が➡ 148 00:13:25,270 --> 00:13:30,141 卯之吉に呼ばれてやってまいりました。 149 00:13:30,141 --> 00:13:32,544 何なんだよ? これは! 150 00:13:32,544 --> 00:13:34,879 大丈夫ですから。 このお方は➡ 151 00:13:34,879 --> 00:13:37,549 旦那が退屈しのぎにと呼んだ 役者さんでがす。 152 00:13:37,549 --> 00:13:39,884 はい! 通してください はいはい…! 153 00:13:39,884 --> 00:13:42,787 はいはい ごめんなさい ごめんなさい…。 どうぞ どうぞ どうぞ。 154 00:13:42,787 --> 00:13:44,787 あい あい あい あい…。 155 00:13:59,904 --> 00:14:02,807 よく来てくれました。 156 00:14:02,807 --> 00:14:07,245 何か あったんかい? ちょっとね…。 157 00:14:07,245 --> 00:14:11,916 それで 由利之丞さんに 頼みたいことがありまして。 158 00:14:11,916 --> 00:14:16,254 ちょうど あたいも 卯之吉さんに 頼みたいことがあったんだよ。 159 00:14:16,254 --> 00:14:20,925 実は 次の舞台の衣装代の値が張ってさ➡ 160 00:14:20,925 --> 00:14:24,225 また少し おねだりをね…。 161 00:14:40,211 --> 00:14:43,211 卯之吉様。 162 00:14:54,225 --> 00:14:57,128 今朝のお話なのですが➡ 163 00:14:57,128 --> 00:14:59,097 こういうこととなった今➡ 164 00:14:59,097 --> 00:15:04,397 落ち着くまでは やはり ここにいさせていただきたいと…。 165 00:15:07,572 --> 00:15:09,507 何奴! 166 00:15:09,507 --> 00:15:15,207 ちょっ ちょっ…! ちょっ ちょっ…! あたいだよ! 殺さないでくれよ…! 167 00:15:17,916 --> 00:15:21,786 (銀八)本当に いんでがすか? 168 00:15:21,786 --> 00:15:26,257 ああも見張られていると 息が詰まってね。 169 00:15:26,257 --> 00:15:32,063 (女将)申し訳ございません。 菊野は 今 別のお座敷に呼ばれておりまして…。 170 00:15:32,063 --> 00:15:34,532 あっ そうですか…。 171 00:15:34,532 --> 00:15:37,435 売れっ子でがすからね 菊野さんは。 172 00:15:37,435 --> 00:15:42,407 それが 初めての客で 菊野には 「断ってもいい」って言ったんですが➡ 173 00:15:42,407 --> 00:15:46,107 どういう風の吹き回しなんでしょうかね。 174 00:15:56,220 --> 00:15:58,520 ≪(菊野)待って! 175 00:16:02,894 --> 00:16:04,894 卯之さん…。 176 00:16:08,232 --> 00:16:15,573 こちらは ご贔屓にしていただいている 三国屋の若旦那です。 177 00:16:15,573 --> 00:16:18,273 あんたが三国屋か。 178 00:16:33,057 --> 00:16:38,196 何か怪しげな客でがすね。 179 00:16:38,196 --> 00:16:42,533 すみません。 変なところをお見せしてしまって。 180 00:16:42,533 --> 00:16:45,870 お知り合いですか? 181 00:16:45,870 --> 00:16:50,170 ええ… 昔の…。 182 00:16:53,211 --> 00:16:56,881 そのころ 由利之丞はといえば…。 183 00:16:56,881 --> 00:17:00,551 あんなに怒鳴らなくてもいいじゃないか。 184 00:17:00,551 --> 00:17:03,454 [ 回想 ] どうして由利之丞さんが ここにいるんです? 185 00:17:03,454 --> 00:17:06,224 旦那は どこ行ったんだよ! 186 00:17:06,224 --> 00:17:09,560 こら! 答えろ! このへぼ役者が! 187 00:17:09,560 --> 00:17:12,463 ちょっ ちょっ… 暴力は…! 羽織を脱げ! 188 00:17:12,463 --> 00:17:16,434 卯之吉さんのことになると あんな大騒ぎして。 189 00:17:16,434 --> 00:17:19,904 あたしのことは 一人で おっぽり出すなんて。 190 00:17:19,904 --> 00:17:22,240 何だよ? この差は。 191 00:17:22,240 --> 00:17:25,576 さすが大した度胸だぜ。➡ 192 00:17:25,576 --> 00:17:28,913 こんなときでも 一人で出歩くとは。 193 00:17:28,913 --> 00:17:32,517 勘違いしております。 194 00:17:32,517 --> 00:17:35,517 じゃあ 頼むぜ。 195 00:17:38,189 --> 00:17:41,526 ≪お助けくださ~い! 196 00:17:41,526 --> 00:17:44,195 はあ はあ…。 ちょっと ちょっと…! 197 00:17:44,195 --> 00:17:47,532 辻斬りに追われています! 辻斬り!? 198 00:17:47,532 --> 00:17:52,532 八巻様! お助けを! あっ そうか…。 199 00:17:54,405 --> 00:17:57,105 任せなさい。 200 00:18:00,111 --> 00:18:05,550 俺は 南町奉行所 八巻卯之吉であるぞ! 201 00:18:05,550 --> 00:18:10,421 命が惜しけりゃ… あっ とっとと うせやがれ! 202 00:18:10,421 --> 00:18:14,121 ハハハハ…! 203 00:18:15,893 --> 00:18:18,229 えっ? 204 00:18:18,229 --> 00:18:22,900 けっ… 剣豪同心 八巻であるぞ? 205 00:18:22,900 --> 00:18:26,571 ちょっ… ちょっと! ちょっ ちょっ…! ちょっ ちょっ…! 206 00:18:26,571 --> 00:18:29,474 ちょっ ちょっ…! ちょっ ちょっ…! 207 00:18:29,474 --> 00:18:39,851 ♬~ 208 00:18:39,851 --> 00:18:42,851 ≪(指笛) 209 00:18:50,194 --> 00:18:54,065 いや~ ありがとうございました! 210 00:18:54,065 --> 00:18:56,534 八巻様は 命の恩人でございます! 211 00:18:56,534 --> 00:18:59,871 後日 このお礼は必ず! 212 00:18:59,871 --> 00:19:02,540 うむ…。 213 00:19:02,540 --> 00:19:05,443 弥五さ~ん…! 214 00:19:05,443 --> 00:19:08,743 書き置きを見て 急ぎ来てよかった! 215 00:19:10,414 --> 00:19:14,552 あんな すご腕を子分につけてるとはな。 216 00:19:14,552 --> 00:19:16,888 ますます 恐れ入ったぜ。 217 00:19:16,888 --> 00:19:20,224 …と また勘違いしております。 218 00:19:20,224 --> 00:19:22,894 旦那が お強いのは分かっておりやす! 219 00:19:22,894 --> 00:19:27,231 ですが… わざわざ その身を 危険にさらすことはねえでしょう! 220 00:19:27,231 --> 00:19:32,931 おかげで由利之丞が お主と間違えられて 殺されるところであった! 221 00:19:35,840 --> 00:19:38,540 すいませんでした。 222 00:19:48,186 --> 00:19:51,522 ≪(源之丞) 全く 卯之さんは のんきなやつだな。 223 00:19:51,522 --> 00:19:54,425 自分の置かれてる立場が 分かってんのか? 224 00:19:54,425 --> 00:19:58,396 すみません 源之丞様にも ご心配をおかけしてしまって。 225 00:19:58,396 --> 00:20:02,533 わざわざ お越しいただいて。 ああ… それもあるが➡ 226 00:20:02,533 --> 00:20:07,205 今日 参ったのは 美鈴殿に話があって。 227 00:20:07,205 --> 00:20:11,542 あのお話なら…。 いやいや… そうではない。 228 00:20:11,542 --> 00:20:17,415 「俺のことは気にするな」と 告げに来たんだ。 すっぱり諦めた。 229 00:20:17,415 --> 00:20:22,553 武士に 二言はない。 源之丞様…。 230 00:20:22,553 --> 00:20:27,225 これからは 美鈴殿を後押しする。 231 00:20:27,225 --> 00:20:30,225 卯之さんと うまくいくようにとな。 232 00:20:33,097 --> 00:20:36,234 (源之丞)どうした? 233 00:20:36,234 --> 00:20:38,169 此度のことが落ち着いたら➡ 234 00:20:38,169 --> 00:20:41,105 私も この家を出ていくつもりなのです。 235 00:20:41,105 --> 00:20:43,107 えっ…? 236 00:20:43,107 --> 00:20:49,247 私も すっぱりと 諦めねばならぬのかもしれません…。 237 00:20:49,247 --> 00:20:59,590 ♬~ 238 00:20:59,590 --> 00:21:04,262 (源之丞)見損なったぜ 卯之さん。 239 00:21:04,262 --> 00:21:07,932 源さん? 自分をあれほど好いてくれる➡ 240 00:21:07,932 --> 00:21:10,835 美鈴殿の気持ちも 受け入れられないような➡ 241 00:21:10,835 --> 00:21:15,606 懐の狭い男だったとはな。 242 00:21:15,606 --> 00:21:19,477 このまま出て行かせるつもりか? 243 00:21:19,477 --> 00:21:23,281 美鈴さんが「そうする」と。 244 00:21:23,281 --> 00:21:26,281 そう言わせたんだろうが…! 245 00:21:30,154 --> 00:21:35,559 一体 何が その心を かたくなにさせてんだよ?➡ 246 00:21:35,559 --> 00:21:38,559 卯之さんよ。 247 00:21:48,572 --> 00:21:51,909 同心 八巻卯之吉を殺すんだな? 248 00:21:51,909 --> 00:21:57,581 そうさ。 始末したら その倍は渡すよ。 249 00:21:57,581 --> 00:22:07,925 ♬~ 250 00:22:07,925 --> 00:22:10,828 (荒海) どうやら お峰が動き回ってるようで。 251 00:22:10,828 --> 00:22:13,264 あの女が 一番やっかいだ。 252 00:22:13,264 --> 00:22:16,934 あっしらは これから 足取り 探ってきやす。 253 00:22:16,934 --> 00:22:21,605 申し訳ないね… 私のために。 何をおっしゃいますか! 254 00:22:21,605 --> 00:22:25,276 旦那のためなら たとえ 火の中 水の中でもだ! 255 00:22:25,276 --> 00:22:28,946 ここは 手だれの子分たちに 任せておけば安心です。 256 00:22:28,946 --> 00:22:32,246 それに 水谷様も来るはずだ。 257 00:22:36,220 --> 00:22:38,155 私も おります。 258 00:22:38,155 --> 00:22:41,455 ますます心強いでがす! 259 00:22:43,561 --> 00:22:48,432 ♬~ 260 00:22:48,432 --> 00:22:50,434 [ 回想 ] 分かりました。 261 00:22:50,434 --> 00:22:53,904 それほど 私がお邪魔なんですね。 262 00:22:53,904 --> 00:23:01,204 ♬~ 263 00:23:03,581 --> 00:23:06,581 留守は頼んだぜ。 (一同)へい! 264 00:23:14,225 --> 00:23:17,225 おう。 へい! 265 00:23:19,130 --> 00:23:22,933 行かないでおくれよ! また襲われたりしたら どうするのさ? 266 00:23:22,933 --> 00:23:25,269 いや そんなこと言っても 行かないと…。 嫌だよ! 267 00:23:25,269 --> 00:23:28,172 私が大事じゃないっていうのかい? いや そんなことはないけど でも…。 268 00:23:28,172 --> 00:23:30,608 離さない。 いや ちょっと…。 もう嫌だ! 怖い…! 269 00:23:30,608 --> 00:23:33,908 そうかい…。 いや でも行かないと! 嫌だ! 270 00:23:45,122 --> 00:24:08,245 ♬~ 271 00:24:08,245 --> 00:24:10,915 おい どうした? 272 00:24:10,915 --> 00:24:33,170 ♬~ 273 00:24:33,170 --> 00:24:35,539 (物音) 274 00:24:35,539 --> 00:24:44,215 ♬~ 275 00:24:44,215 --> 00:24:47,551 うっ… あっ…。 276 00:24:47,551 --> 00:25:11,242 ♬~ 277 00:25:11,242 --> 00:25:13,542 うっ…。 278 00:25:31,262 --> 00:25:34,562 どうかしましたか? しっ…! 279 00:25:36,867 --> 00:25:38,802 あっ…! 280 00:25:38,802 --> 00:25:41,502 [ 回想 ] ≪(菊野)待って! 281 00:25:43,207 --> 00:25:45,907 あんたが 三国屋か。 282 00:25:49,079 --> 00:25:52,883 お前が 八巻? 283 00:25:52,883 --> 00:25:56,554 あなたは… あのときの! 284 00:25:56,554 --> 00:25:58,889 卯之吉様 お逃げください。 285 00:25:58,889 --> 00:26:09,900 ♬~ 286 00:26:09,900 --> 00:26:13,237 (斬られる音) ああっ…! 287 00:26:13,237 --> 00:26:18,108 殺すなら 私を…! 288 00:26:18,108 --> 00:26:21,111 (寅三)旦那! 追え! 逃がすな! 289 00:26:21,111 --> 00:26:23,881 ≪へい! 290 00:26:23,881 --> 00:26:27,585 卯之吉様…! 旦那! 291 00:26:27,585 --> 00:26:32,885 大丈夫です。 それより 銀八 頼みがあります。 292 00:26:34,858 --> 00:26:39,196 えっほ えっほ えっほ えっほ…。 293 00:26:39,196 --> 00:26:41,896 えっほ えっほ…。 294 00:26:43,867 --> 00:26:45,867 旦那! 295 00:26:50,541 --> 00:26:56,213 えっ 佐吉さんが? 296 00:26:56,213 --> 00:26:58,148 殺し屋です。 297 00:26:58,148 --> 00:27:01,885 旦那の命を狙おうと現れたんでがんすよ。 298 00:27:01,885 --> 00:27:06,223 あの男 剣を習ったとか そういう類いのものではありません。 299 00:27:06,223 --> 00:27:09,126 最初から 人を殺すためだけに磨き上げた技を➡ 300 00:27:09,126 --> 00:27:13,564 身につけておりました。 301 00:27:13,564 --> 00:27:19,436 もしやとは思っていましたが まさか 本当に…。 302 00:27:19,436 --> 00:27:25,136 その佐吉さんは 菊野さんとは どういうご縁なんです? 303 00:27:27,578 --> 00:27:32,182 佐吉さんは…。 304 00:27:32,182 --> 00:27:38,482 約束を交わした相手でした。 夫婦となる。 305 00:27:41,525 --> 00:27:47,865 (菊野)私と佐吉さんは 共に 下町の貧乏長屋で育った幼なじみ。➡ 306 00:27:47,865 --> 00:27:51,735 佐吉さんは 生まれてすぐに両親を亡くし➡ 307 00:27:51,735 --> 00:27:58,208 子どものころから 大工の親方のもとで働いていました。➡ 308 00:27:58,208 --> 00:28:04,908 貧しい暮らしの中 子どもでも 働かないと食べていけなかったんです。 309 00:28:10,788 --> 00:28:14,558 私も少しでも家族を支えるため➡ 310 00:28:14,558 --> 00:28:18,429 道端で辻占売りをやっていました。 311 00:28:18,429 --> 00:28:23,729 おみくじを売るやつでがすね。 はい。 312 00:28:25,569 --> 00:28:27,504 そんなある日…。 313 00:28:27,504 --> 00:28:39,516 [ 回想 ] ≪♬「淡路島 かよう千鳥の恋の辻占」 314 00:28:39,516 --> 00:28:42,853 ♬「あぶり出し」 315 00:28:42,853 --> 00:28:48,192 おい! 買ってやるぜ。 ありがとう。 316 00:28:48,192 --> 00:28:51,492 待って! お金をもらわないと。 317 00:28:53,530 --> 00:28:56,200 買ったなら 金 払え! 318 00:28:56,200 --> 00:29:01,200 んだと? どけ! ガキ! 319 00:29:03,540 --> 00:29:07,878 ぐっ…! このガキ! 320 00:29:07,878 --> 00:29:10,781 子どもだからって容赦しねえぞ! 321 00:29:10,781 --> 00:29:13,550 (菊野)佐吉っちゃん! 322 00:29:13,550 --> 00:29:25,162 ♬~ 323 00:29:25,162 --> 00:29:29,862 これが そのときの痕です。 324 00:29:33,837 --> 00:29:39,176 佐吉さんは ずっと そのことを覚えていてくれて➡ 325 00:29:39,176 --> 00:29:44,876 それからは 互いに 子どもなりに 助け合って生きてきたんです。 326 00:29:46,850 --> 00:29:51,850 佐吉さんは 本当に 一生懸命 大工の仕事を覚えて…。 327 00:29:55,526 --> 00:29:58,862 [ 回想 ] おいしいね。 328 00:29:58,862 --> 00:30:02,533 2人で食べるとね。 フッ…。 329 00:30:02,533 --> 00:30:06,203 (菊野)それもこれも みんな 私のためだと。 330 00:30:06,203 --> 00:30:08,138 [ 回想 ] あっ! 331 00:30:08,138 --> 00:30:12,138 (菊野)いつか 私と夫婦になるためだって。 332 00:30:19,550 --> 00:30:26,423 そんな佐吉さんが どうして? 333 00:30:26,423 --> 00:30:28,892 父が病で臥せって➡ 334 00:30:28,892 --> 00:30:34,765 私は 借金のかたに置屋に売られたんです。 335 00:30:34,765 --> 00:30:40,765 佐吉さんに最後の別れも言えなかった。 336 00:30:42,906 --> 00:30:48,779 では 佐吉さんは ずっと 菊野さんを捜していたんですね。 337 00:30:48,779 --> 00:30:52,916 ええ 恐らく。 338 00:30:52,916 --> 00:30:59,256 その佐吉さんと菊野さんが再会した。 339 00:30:59,256 --> 00:31:02,159 はい。 340 00:31:02,159 --> 00:31:10,159 あの日 15年ぶりに 佐吉さんが会いに来てくれました。 341 00:31:15,606 --> 00:31:18,606 [ 回想 ] まさか深川にいたとは。 342 00:31:21,478 --> 00:31:25,949 もっと早く見つけて 迎えに来てやりたかったのに➡ 343 00:31:25,949 --> 00:31:28,852 すまねえな。 344 00:31:28,852 --> 00:31:32,756 いいのよ 佐吉さん。 345 00:31:32,756 --> 00:31:39,229 ここを出るには 置屋への借金を返せばいいんだろう? 346 00:31:39,229 --> 00:31:44,101 それは あるお方が…。 347 00:31:44,101 --> 00:31:46,401 誰だ? 348 00:31:48,572 --> 00:31:52,572 三国屋の若旦那です。 349 00:31:57,915 --> 00:32:01,585 そいつには 俺が返す。 350 00:32:01,585 --> 00:32:04,922 えっ? でも…。 351 00:32:04,922 --> 00:32:10,794 俺は… そのために生きてきた。 352 00:32:10,794 --> 00:32:17,501 ♬~ 353 00:32:17,501 --> 00:32:20,201 佐吉さん? 354 00:32:24,608 --> 00:32:27,308 待って! 355 00:32:30,480 --> 00:32:32,780 卯之さん…。 356 00:32:34,885 --> 00:32:40,557 そういうことだったんですね。 357 00:32:40,557 --> 00:32:43,557 はい。 358 00:32:45,429 --> 00:32:48,899 でも まさか 殺し屋になり➡ 359 00:32:48,899 --> 00:32:54,237 卯之さんの殺しにまで 手を貸しただなんて。 360 00:32:54,237 --> 00:32:57,140 それに そのために➡ 361 00:32:57,140 --> 00:33:01,440 荒海の親分の子分さんたちも 死なせてしまった。 362 00:33:05,582 --> 00:33:10,882 すべては 私のせいです。 363 00:33:14,925 --> 00:33:18,261 申し訳ありませんでした。 364 00:33:18,261 --> 00:33:32,209 ♬~ 365 00:33:32,209 --> 00:33:38,081 フフフ…! またしても… フフフ…! しくじりましたんかいな。 366 00:33:38,081 --> 00:33:40,884 申し訳ございません! 367 00:33:40,884 --> 00:33:50,227 お峰 お前を信用したからこそ その殺し屋に任せたんやで。 368 00:33:50,227 --> 00:33:54,898 仕損じる男ではないんですが…。 369 00:33:54,898 --> 00:34:00,570 手付けの金は払ってある それを持って逃げたんじゃあるめえな? 370 00:34:00,570 --> 00:34:06,910 なんとしても始末をつけさせろ。 それができないときは…。 371 00:34:06,910 --> 00:34:09,579 分かっております。 372 00:34:09,579 --> 00:34:26,596 ♬~(三味線) 373 00:34:26,596 --> 00:34:28,532 (戸が開く音) 374 00:34:28,532 --> 00:34:30,532 佐吉さん! 375 00:34:33,203 --> 00:34:36,540 一緒に逃げよう! 金はある! 376 00:34:36,540 --> 00:34:39,443 そのために一体 何人の人を殺したの? 377 00:34:39,443 --> 00:34:42,879 かまいやしねえ。 お前のためだ。 行こう。 378 00:34:42,879 --> 00:34:44,815 (戸が開く音) 379 00:34:44,815 --> 00:34:48,552 ≪(荒海)現れやがったな。 380 00:34:48,552 --> 00:34:51,888 またしても 旦那の読みどおりだ。 381 00:34:51,888 --> 00:34:56,760 よくも かわいい子分を殺してくれたな。 382 00:34:56,760 --> 00:35:00,564 この場で たたき殺したいところだが➡ 383 00:35:00,564 --> 00:35:05,235 これでも 南町奉行所同心 八巻の旦那の一の子分だ。 384 00:35:05,235 --> 00:35:09,906 おとなしく獄門に送ってやるから 観念しな。 385 00:35:09,906 --> 00:35:12,576 売ったのか? 386 00:35:12,576 --> 00:35:14,911 そうではありません。 387 00:35:14,911 --> 00:35:18,582 私が あなたは 菊野さんに会いに来ると思ったんです。 388 00:35:18,582 --> 00:35:21,918 卯之さん…。 旦那! ここには来ちゃならねえと! 389 00:35:21,918 --> 00:35:23,854 すいません ですが どうしても…。 390 00:35:23,854 --> 00:35:29,554 ちょうどいい。 やってやる。 391 00:35:31,261 --> 00:35:35,532 卯之さんに手は出させない。➡ 392 00:35:35,532 --> 00:35:42,205 佐吉さん 私は十分 ここで幸せに生きてる。 393 00:35:42,205 --> 00:35:47,077 もう あのころには戻れないのよ。 394 00:35:47,077 --> 00:35:54,784 そんなに この男が好きなのか? 395 00:35:54,784 --> 00:35:57,484 ええ。 396 00:36:09,432 --> 00:36:13,132 なんて野郎だ! 追え! (一同)へい! 397 00:36:24,781 --> 00:36:31,855 佐吉さんが ゆうべ 私を殺さなかったのは➡ 398 00:36:31,855 --> 00:36:34,758 このせいです。 399 00:36:34,758 --> 00:36:47,404 ♬~ 400 00:36:47,404 --> 00:36:55,104 私と 子どもの頃の菊野さんの姿が 重なったんでしょう。 401 00:36:57,547 --> 00:37:01,418 それに今も…。 402 00:37:01,418 --> 00:37:03,887 それほどまでに菊野さんのことを…。 403 00:37:03,887 --> 00:37:12,187 いいんです。 さっき言った言葉に うそはないから。 404 00:37:14,898 --> 00:37:17,801 俺は あの男は殺せねえ。➡ 405 00:37:17,801 --> 00:37:24,241 そんなことしたら… 大事な女が悲しむ。 406 00:37:24,241 --> 00:37:27,941 ほれた女に 牙を抜かれたかい? 407 00:37:29,579 --> 00:37:33,850 そうかい。 408 00:37:33,850 --> 00:37:36,186 じゃあ 手付金を返しな。 409 00:37:36,186 --> 00:37:39,486 金なんか もういらねえ。 410 00:37:42,859 --> 00:37:45,159 忘れもんだよ。 411 00:37:59,209 --> 00:38:18,561 ♬~ 412 00:38:18,561 --> 00:38:23,433 牙を抜かれた狼は ただの野良犬なんだよ。 413 00:38:23,433 --> 00:38:43,720 ♬~ 414 00:38:43,720 --> 00:38:49,859 ああ… 佐吉さん。 415 00:38:49,859 --> 00:38:54,531 もし あのころに戻れたら➡ 416 00:38:54,531 --> 00:38:59,402 あんたと一緒になりたかった。 417 00:38:59,402 --> 00:39:06,543 (泣き声) 418 00:39:06,543 --> 00:39:17,543 ♬~ 419 00:39:20,890 --> 00:39:27,230 これで ますます 八巻に近づくのは難しくなったな。 420 00:39:27,230 --> 00:39:31,101 ここは 策を弄するしかあるまい。 421 00:39:31,101 --> 00:39:33,837 へい。 422 00:39:33,837 --> 00:39:38,708 …となると あたしの出番ですね。 423 00:39:38,708 --> 00:39:44,180 仕込みは もう してあります。 424 00:39:44,180 --> 00:39:49,480 剣客同心の最期が見ものだな。 425 00:40:03,867 --> 00:40:07,737 (銀八)殺し屋とはいえ 何かあわれでげすね。 426 00:40:07,737 --> 00:40:13,877 ええ。 私も そう思います。 427 00:40:13,877 --> 00:40:21,217 ところで 旦那は一体 あの男に何を聞きたかったんでがす? 428 00:40:21,217 --> 00:40:23,887 そうですねえ…。 429 00:40:23,887 --> 00:40:29,559 人は どれほど 他人のことを 好きでいられるのか。 430 00:40:29,559 --> 00:40:32,859 それが聞いてみたかったのかも。 431 00:40:35,899 --> 00:40:41,599 私には とんと分からないことですからね。 432 00:40:44,908 --> 00:40:46,908 あっ! 433 00:40:48,578 --> 00:40:53,249 熱っ…。 434 00:40:53,249 --> 00:41:00,924 はあ… どうやら今夜の夕食も 焦げた魚のようです。 435 00:41:00,924 --> 00:41:05,261 聞くまでもないことでがす。 436 00:41:05,261 --> 00:41:08,598 えっ…? 旦那が そうでがす。 437 00:41:08,598 --> 00:41:14,270 だからこそ あのとき初めて 気を失わなかった。 438 00:41:14,270 --> 00:41:18,942 命を懸けて 美鈴さんを守りたかったんでがすよ。 439 00:41:18,942 --> 00:41:49,942 ♬~ 440 00:42:09,259 --> 00:42:26,276 ♬~ 441 00:42:26,276 --> 00:42:29,612 わざわざ その身を危険にさらすことは ねえでしょう! 442 00:42:29,612 --> 00:42:32,515 旦那は どこ行ったんだよ! 443 00:42:32,515 --> 00:42:35,218 すいませんでした。 444 00:42:35,218 --> 00:43:02,245 ♬~ 445 00:43:02,245 --> 00:43:06,583 ♬~ 446 00:43:06,583 --> 00:43:25,883 ♬~ 447 00:45:32,528 --> 00:45:37,900 大使館 そこは 一国の顔となる場。 448 00:45:37,900 --> 00:45:40,236 華やかな舞台を取りしきるのは➡ 449 00:45:40,236 --> 00:45:47,410 人々から 尊敬を込めて 「マダム」と呼ばれる大使夫人です。 450 00:45:47,410 --> 00:45:54,710 さあ 大使夫人の おもてなしの舞台裏を 見に行きましょう。