1 00:00:37,140 --> 00:00:41,840 <草木も眠る丑三つ時> 2 00:00:49,485 --> 00:00:53,485 ≪(物音) 3 00:01:24,187 --> 00:01:27,187 (甘利)おのれ 曲者か…! 4 00:01:46,809 --> 00:01:49,479 (騒ぐ声) 5 00:01:49,479 --> 00:01:52,815 (甘利)お前たち! 若君の警護は いかがした!? 6 00:01:52,815 --> 00:01:57,153 その若君に 御酒を ごちそうになっているのでござる。 7 00:01:57,153 --> 00:02:01,491 我ら下々の者に みずから お酌までしてくださって! 8 00:02:01,491 --> 00:02:04,160 誠に良い方でございますな! 9 00:02:04,160 --> 00:02:09,499 (銀八)はいはいはい… 皆様 お待たせいたしやした。 10 00:02:09,499 --> 00:02:13,369 何ということを… 八巻う… う…。 11 00:02:13,369 --> 00:02:17,173 あっ どうです? 備前守様もご一緒に。 12 00:02:17,173 --> 00:02:20,076 いつも 皆様には お世話になっているので➡ 13 00:02:20,076 --> 00:02:23,046 今夜は ひとつ 愉快に騒いでいただこうかと。 14 00:02:23,046 --> 00:02:27,183 (騒ぐ声) 15 00:02:27,183 --> 00:02:30,483 (甘利)ああ~…! やめい やめい! 16 00:02:39,762 --> 00:02:44,133 <どんちゃん騒ぎの翌日のこと> 17 00:02:44,133 --> 00:02:48,805 (沢田彦太郎) 何ともはや 面目次第もございませぬ。 18 00:02:48,805 --> 00:02:51,707 一刻も早く 幸千代君の居所をお探しいたします。 19 00:02:51,707 --> 00:02:54,477 それには及ばぬ。 20 00:02:54,477 --> 00:02:58,347 八巻の住まいにおられると 先ほど知らせがあった。 21 00:02:58,347 --> 00:03:03,820 何と? 八丁堀に? では 早速 お迎えに。 22 00:03:03,820 --> 00:03:07,490 待て。 わしに妙案がある。 23 00:03:07,490 --> 00:03:11,828 おぬしを呼んだのも そのためじゃ。 24 00:03:11,828 --> 00:03:13,763 はあ…。 25 00:03:13,763 --> 00:03:17,063 <その八巻の家では…> 26 00:03:21,838 --> 00:03:25,174 (銀八)よくも まあ 朝から あんなに…。 27 00:03:25,174 --> 00:03:29,846 (由利之丞)でも 本当 卯之さんに そっくりだ…。 28 00:03:29,846 --> 00:03:32,748 こんなことがあるのか? 29 00:03:32,748 --> 00:03:35,451 でも どうして 公方様の弟君が➡ 30 00:03:35,451 --> 00:03:37,787 こんなとこで 大飯を食らってるんだい? 31 00:03:37,787 --> 00:03:43,459 それには いろいろと訳がありやして…。 ですが このことは ないしょに願いやす。 32 00:03:43,459 --> 00:03:47,797 漏れたと分かれば 首が飛ぶことに…。 33 00:03:47,797 --> 00:03:50,133 (幸千代)うまい。 お代わりじゃ。 34 00:03:50,133 --> 00:03:52,433 はい。 35 00:03:56,005 --> 00:03:59,475 (銀八)もう あれで5杯目でやんすよ。 36 00:03:59,475 --> 00:04:02,145 若旦那なら 茶わん半分で終わるっていうのに…。 37 00:04:02,145 --> 00:04:06,482 や… や… やはり ここは改まって ご挨拶を申し上げたほうが…。 38 00:04:06,482 --> 00:04:09,385 いや おやめください。 堅苦しい挨拶は大嫌いらしいんです。 39 00:04:09,385 --> 00:04:12,155 だが 拙者も武士の端くれ。 40 00:04:12,155 --> 00:04:15,057 若君の御前にて 口上の一つも述べないことには…! 41 00:04:15,057 --> 00:04:17,026 いや ですから そんなこといいんでげすよ! 42 00:04:17,026 --> 00:04:20,726 そのようなわけにはいかぬ! ちょっ ちょっ…! 43 00:04:25,501 --> 00:04:28,171 これで 最後でございます。 44 00:04:28,171 --> 00:04:32,171 おいらたちの分がないじゃないか~! ちょっと… ちょっと…! 45 00:04:36,979 --> 00:04:39,782 それで いつまで こちらにいらっしゃる…。 46 00:04:39,782 --> 00:04:41,782 ≪(沢田)御免。 47 00:04:43,653 --> 00:04:48,124 若君のお命を狙う者が後を絶たぬゆえ➡ 48 00:04:48,124 --> 00:04:52,995 南町奉行所において 八巻卯之吉として➡ 49 00:04:52,995 --> 00:04:57,695 ひそかに 御身をお預かりすることとなりました。 50 00:05:00,136 --> 00:05:06,008 これは 甘利様の一計でござる。 51 00:05:06,008 --> 00:05:08,010 …ってことは…? 52 00:05:08,010 --> 00:05:10,780 若君が八巻殿に? 53 00:05:10,780 --> 00:05:13,480 卯之さんが若君に? 54 00:05:15,151 --> 00:05:17,820 [ 回想 ] 江戸の守り神は➡ 55 00:05:17,820 --> 00:05:22,692 将軍の弟たるわしが果たすべき役目。➡ 56 00:05:22,692 --> 00:05:27,496 わしも八巻の替え玉となる! 57 00:05:27,496 --> 00:05:31,367 まさか 本当に…? 58 00:05:31,367 --> 00:05:34,770 わしに異論はない。 59 00:05:34,770 --> 00:05:39,642 ≪(荒海ノ三右衛門)旦那~! 八巻の旦那~! 60 00:05:39,642 --> 00:05:45,781 一番 面倒くさいお方が来たでげす…。 61 00:05:45,781 --> 00:05:51,481 お戻りになったと聞いたので 一の子分の この荒海が 早速…。 62 00:05:55,791 --> 00:05:59,128 お前様は➡ 63 00:05:59,128 --> 00:06:03,466 一体…➡ 64 00:06:03,466 --> 00:06:06,466 どこのどちら様なんで? 65 00:06:10,806 --> 00:06:15,106 <さすがは 一の子分でございます> 66 00:06:17,680 --> 00:06:21,817 <そのころ ここ日本橋 三国屋には➡ 67 00:06:21,817 --> 00:06:27,156 主だった両替商が集まり 窮状を訴えておりました> 68 00:06:27,156 --> 00:06:30,493 今月に入って 三十両もの贋小判が 持ち込まれました。 69 00:06:30,493 --> 00:06:32,762 うちは五十両です! 70 00:06:32,762 --> 00:06:38,634 ただいま お役人様方が 贋小判の出どころを調べております。 71 00:06:38,634 --> 00:06:43,105 それさえ分かれば この騒動は落ち着くはず…。 72 00:06:43,105 --> 00:06:46,776 そんな~! 今日明日にも 潰れかねない店もあるんですよ! 73 00:06:46,776 --> 00:06:50,112 そうです! 事は一刻を争います! 74 00:06:50,112 --> 00:06:53,783 なんとかしないと 取り返しがつかなくなる! 75 00:06:53,783 --> 00:06:57,119 何か良い策はないのですか!? 76 00:06:57,119 --> 00:06:59,789 (住吉屋藤右衛門)皆さん。 77 00:06:59,789 --> 00:07:05,127 この住吉屋なら 少しは お役に立てることがあるかもしれません。 78 00:07:05,127 --> 00:07:08,798 そうだ! 住吉屋さんのお姉上は富士島様! 79 00:07:08,798 --> 00:07:13,669 富士島様といえば 上様の覚えめでたい大奥の御年寄様だ! 80 00:07:13,669 --> 00:07:17,807 住吉屋さん どうか お力添えを お願いしていただけませんか? 81 00:07:17,807 --> 00:07:21,477 住吉屋さんだけが頼りだ! お願いします! 82 00:07:21,477 --> 00:07:25,815 まあまあ まあまあ…! 皆さん 少し落ち着いてください。 83 00:07:25,815 --> 00:07:31,420 そうですなあ… 何か 手だてを考えてみましょう。 84 00:07:31,420 --> 00:07:35,420 ≪そうしていただけますか!? ≪さすが…! 85 00:07:42,765 --> 00:07:46,765 これが うわさの小判ですね? 86 00:07:48,437 --> 00:07:54,310 先日 おぬしたちが 枯骨横丁の蔵で見つけた贋小判だ。 87 00:07:54,310 --> 00:07:56,312 [ 回想 ] (村田銕三郎)贋小判か。 88 00:07:56,312 --> 00:07:58,447 [ 回想 ] (尾上伸平)ここに 職人を閉じ込めて➡ 89 00:07:58,447 --> 00:08:00,783 造らせていたんですね。 90 00:08:00,783 --> 00:08:06,122 それが江戸の市中に出回り 金相場を荒らすのみならず➡ 91 00:08:06,122 --> 00:08:09,992 その害は 諸物価にまで及んでおる。 92 00:08:09,992 --> 00:08:17,466 言うまでもなく 金相場は 政の要。 ご公儀を支える大黒柱。 93 00:08:17,466 --> 00:08:22,338 贋小判の横行を許せば ご政道が転覆しかねん。➡ 94 00:08:22,338 --> 00:08:27,476 それに 金といえば甲斐の国とも つながりがあるやもしれぬ。➡ 95 00:08:27,476 --> 00:08:31,347 そうなると 幸千代君とも無縁ではなく➡ 96 00:08:31,347 --> 00:08:36,647 替え玉となったおぬしとて もはや ひと事ではない。 97 00:08:38,754 --> 00:08:42,091 へえ~ よく出来てますねえ。 98 00:08:42,091 --> 00:08:44,026 本物みたいです。 99 00:08:44,026 --> 00:08:46,762 これ! 人の言うことを聞いておるのか! 100 00:08:46,762 --> 00:08:48,697 平にご容赦を…! 101 00:08:48,697 --> 00:08:52,101 けど 誰が見破ったんです? 102 00:08:52,101 --> 00:08:54,801 (甘利)三国屋徳右衛門だ。 103 00:08:56,972 --> 00:08:59,442 [ 回想 ] これは…。 104 00:08:59,442 --> 00:09:03,312 へえ~ さすが おじい様ですね。 105 00:09:03,312 --> 00:09:05,314 ああ…。 106 00:09:05,314 --> 00:09:09,785 ん? おっ… おじい様? 107 00:09:09,785 --> 00:09:12,688 では… では この者は? 108 00:09:12,688 --> 00:09:16,659 はっ…。 三国屋の孫でございます。 109 00:09:16,659 --> 00:09:18,794 何と! 110 00:09:18,794 --> 00:09:21,130 申し訳ございません。 111 00:09:21,130 --> 00:09:25,801 その… 訳あって 同心となったのでございます。➡ 112 00:09:25,801 --> 00:09:29,472 それを知る者は限られてございますが。 113 00:09:29,472 --> 00:09:33,742 けれど 今は その若君が同心になられています。 114 00:09:33,742 --> 00:09:36,645 ややこしいですよねえ。 115 00:09:36,645 --> 00:09:42,345 若君 ちゃんと お勤めされていればいいんですけどねえ。 116 00:09:44,386 --> 00:09:48,090 <その幸千代でございますが…> 117 00:09:48,090 --> 00:09:50,759 (尾上)やはり おかしい。➡ 118 00:09:50,759 --> 00:09:54,096 あんなに熱心に 科人記録を 見ているだなんて。 119 00:09:54,096 --> 00:09:58,796 (玉木弥之助)沢田様が言われたように 熱病のせいでは…。 120 00:10:02,771 --> 00:10:04,707 おい! どこに行くのだ! 121 00:10:04,707 --> 00:10:07,443 この時分は いつも昼寝をしておるというのに。 122 00:10:07,443 --> 00:10:09,378 市中見回りだ。 123 00:10:09,378 --> 00:10:14,116 将軍のお膝元を騒がす不埒な者どもを 許してはおけぬ。 124 00:10:14,116 --> 00:10:18,416 おぬしたちも 無駄話に興じている暇はあるまい。 125 00:10:20,456 --> 00:10:22,391 何だと? 126 00:10:22,391 --> 00:10:25,127 先輩に向かって あの口の利きよう! 127 00:10:25,127 --> 00:10:28,797 八巻の野郎…。 がつんと言ってやってくださいよ! 128 00:10:28,797 --> 00:10:31,133 ふるまいも妙に偉そうになりやがって! 129 00:10:31,133 --> 00:10:33,802 同心らしくなってきたじゃねえか! 130 00:10:33,802 --> 00:10:36,138 ハハハ…! えっ? えっ? 131 00:10:36,138 --> 00:10:40,009 お前たちも あれくらい やる気を見せろ! さっさと見回りに行ってこい! 132 00:10:40,009 --> 00:10:42,309 はい! はい! 133 00:10:47,483 --> 00:10:49,818 穴とは? 134 00:10:49,818 --> 00:10:54,156 「抜け穴を掘れ」との仰せでございます。 135 00:10:54,156 --> 00:11:00,496 曲者への備えとして 万が一のためにと。 136 00:11:00,496 --> 00:11:04,833 (甘利)なれど この敷地内に穴を掘るなどとは…。 137 00:11:04,833 --> 00:11:11,707 はて… 上様のお指図がご不満と? 138 00:11:11,707 --> 00:11:13,842 もし さようならば…。 139 00:11:13,842 --> 00:11:18,514 いえ めっそうもない…! しかし あまりにも急な話で。 140 00:11:18,514 --> 00:11:23,185 費用については 案ずるに及びませぬ。 141 00:11:23,185 --> 00:11:28,524 住吉屋藤右衛門が すべて用立てるゆえ。 142 00:11:28,524 --> 00:11:31,524 住吉屋? 143 00:11:33,362 --> 00:11:37,662 しかと 頼みましたぞ。 144 00:11:40,135 --> 00:11:42,805 <そして 数日後> 145 00:11:42,805 --> 00:11:47,142 (由利之丞)弥五さ~ん おいら 力仕事なんて できないよ~! 146 00:11:47,142 --> 00:11:50,813 (水谷)我慢するのだ! 今は こういう仕事しかない! 147 00:11:50,813 --> 00:11:53,482 卯之さんのとこ行きゃ なんとかなると思ったのに➡ 148 00:11:53,482 --> 00:11:56,819 朝飯も食いっぱぐれたし ついてないよ…。 149 00:11:56,819 --> 00:12:00,489 けど すべては小判の値崩れのせいだ。 150 00:12:00,489 --> 00:12:06,161 ものの値段も上がっちまって 芝居を見に来る客も減ってさ。 151 00:12:06,161 --> 00:12:09,832 そのうえ 弥五さんの用心棒の口までなくなって。 152 00:12:09,832 --> 00:12:12,501 すまん…。 153 00:12:12,501 --> 00:12:14,837 甲斐性がなさすぎるんだよ! 154 00:12:14,837 --> 00:12:16,772 そんなことで あたいと一緒にいられると 思ってるのかい? 155 00:12:16,772 --> 00:12:19,708 だから すまんって… 本当 本当…。 156 00:12:19,708 --> 00:12:22,511 ≪何? 横穴掘りだと? 157 00:12:22,511 --> 00:12:24,446 ああ。 そう聞いたぜ。 158 00:12:24,446 --> 00:12:28,183 俺たちは 井戸掘り職人だ! 159 00:12:28,183 --> 00:12:33,022 横穴は危ねえ仕事だ。 上から土が落ちてきたら生き埋めだ…。 160 00:12:33,022 --> 00:12:34,990 くそ…! やってられねえな! 161 00:12:34,990 --> 00:12:37,459 ≪(トキゾウ)その心配はない。 162 00:12:37,459 --> 00:12:41,797 この仕事は 俺が頭となる。 誰だ? お前。 163 00:12:41,797 --> 00:12:46,135 甲斐の金堀り大工の八代目 トキゾウだ! 164 00:12:46,135 --> 00:12:50,472 甲斐の金堀り大工…? (水谷)どうした? 165 00:12:50,472 --> 00:12:54,143 いや 甲斐の金堀り大工っつったら 腕の確かさは とびっきりだよ。 166 00:12:54,143 --> 00:13:00,015 横穴の天井は 梁と柱で支えて 崩れるのを防ぐ。 167 00:13:00,015 --> 00:13:03,485 今まで 一度たりとも 仕事をしくじったことはねえ。➡ 168 00:13:03,485 --> 00:13:08,824 それに それ相応の金は支払う。 169 00:13:08,824 --> 00:13:15,698 それと言っておくが この仕事は 一切 他言無用だ。 いいな!? 170 00:13:15,698 --> 00:13:17,998 (一同)ああ…! 171 00:13:20,436 --> 00:13:23,372 弥五さん! やるよ! 172 00:13:23,372 --> 00:13:27,372 本当 金に弱いんだから…。 はい…。 173 00:13:37,986 --> 00:13:42,691 (弥市)すべて 手はずどおりに進んでおりやす。 174 00:13:42,691 --> 00:13:48,464 その男 本当に信用できるのか? 175 00:13:48,464 --> 00:13:51,133 腕は もちろんでございます。 176 00:13:51,133 --> 00:13:56,133 それに 甲斐で役人を殺しております。 177 00:14:02,478 --> 00:14:05,478 <そして 事件が…> 178 00:14:10,152 --> 00:14:15,852 天狗みてえな走りっぷりでげす…! 若旦那とは大違いだ…! 179 00:14:24,700 --> 00:14:30,172 この者は殺されたのか それとも みずから死を選んだのか。 180 00:14:30,172 --> 00:14:34,472 それを見極めるのが 同心様のお仕事でげす。 181 00:14:37,980 --> 00:14:41,450 ハチマキが この俺様よりも早く着いてるってのは➡ 182 00:14:41,450 --> 00:14:43,385 どういうことだよ。 ヤマキです! ヤマキです! 183 00:14:43,385 --> 00:14:45,788 おい お前らも調べろ。 えっ? えっ? 184 00:14:45,788 --> 00:14:48,690 それは あいつの仕事では? そうですよ あいつに任せておけば…。 185 00:14:48,690 --> 00:14:51,690 何言ってやがる! なまけんじゃねえ! 186 00:14:56,431 --> 00:15:00,135 首には縄で絞められた痕があります。 187 00:15:00,135 --> 00:15:06,008 着物が剥がされ まげが解かれてはいますが➡ 188 00:15:06,008 --> 00:15:09,144 竹刀だこもあり 侍に間違いないかと。 189 00:15:09,144 --> 00:15:14,016 身分が分からないようにしやがったな。 こいつは殺しだ。 190 00:15:14,016 --> 00:15:16,485 なるほど。 191 00:15:16,485 --> 00:15:18,420 (尾上)ん? 192 00:15:18,420 --> 00:15:20,823 「おちか」? 193 00:15:20,823 --> 00:15:25,694 れっきとした侍だが 遊女と惚れ合う遊び人…。 194 00:15:25,694 --> 00:15:27,696 吉原 深川辺りを探せ。 195 00:15:27,696 --> 00:15:29,832 心得た! 196 00:15:29,832 --> 00:15:33,435 お待ちください! むやみやたらと走り回るよりは…! 197 00:15:33,435 --> 00:15:37,435 また走るんでげすか~? 198 00:15:39,308 --> 00:15:41,310 (荒海)「おちか」ですかい? 199 00:15:41,310 --> 00:15:43,445 そうだ。 200 00:15:43,445 --> 00:15:46,782 吉原… いや 岡場所の女かもしれねえな。 201 00:15:46,782 --> 00:15:49,117 そうなると あっしらの領分だ。 202 00:15:49,117 --> 00:15:52,020 見つけ出しましょう。 うむ。 203 00:15:52,020 --> 00:15:57,793 ただし 若君の御為に働くわけじゃねえ。 204 00:15:57,793 --> 00:16:02,664 ドジを踏まれたら 八巻の旦那のお名に傷がつく。 205 00:16:02,664 --> 00:16:05,667 それじゃ困るから手を貸そうってんだ。 206 00:16:05,667 --> 00:16:10,806 そこんところ よ~く了見していただきましょう。 207 00:16:10,806 --> 00:16:12,806 何!? 208 00:16:15,143 --> 00:16:19,443 これから先が思いやられるでげす…。 209 00:16:32,628 --> 00:16:35,628 よし 下ろすぞ。 210 00:16:40,102 --> 00:16:44,973 お~い! かごを下ろしてくれ! 211 00:16:44,973 --> 00:16:50,746 (彦坂良玄) これは「象限儀」と申します。 212 00:16:50,746 --> 00:16:56,118 天の星々の動きを調べる 西洋の道具でございます。 213 00:16:56,118 --> 00:16:59,788 日本に2~3台しかないと 聞いたことがあります。 214 00:16:59,788 --> 00:17:02,691 昨年 長崎に持ち込まれたとか。 215 00:17:02,691 --> 00:17:05,661 よくご存じで! 216 00:17:05,661 --> 00:17:10,799 でも こんなに大きいものだとは 思いませんでした。 217 00:17:10,799 --> 00:17:16,138 <一方 卯之吉はといいますと 屋敷から抜け出さぬようにと➡ 218 00:17:16,138 --> 00:17:20,438 興味を引きそうなものを 与えられております> 219 00:17:23,011 --> 00:17:25,480 使い方を教えてもらえるかい? 220 00:17:25,480 --> 00:17:31,753 はっ! 向学の志 頼もしゅう存じます。 221 00:17:31,753 --> 00:17:34,453 しばし お待ちを。 222 00:17:49,104 --> 00:17:51,804 (由利之丞)交代ですよ。 223 00:17:53,442 --> 00:17:56,111 ご苦労さま。 224 00:17:56,111 --> 00:17:58,780 よし… えいっ! 225 00:17:58,780 --> 00:18:03,118 だ… 大丈夫か? えいっ! うんうん…。 226 00:18:03,118 --> 00:18:07,818 幸千代君は 日々 同心のお勤めに励んでおいでです。 227 00:18:09,458 --> 00:18:14,796 まさか 町方同心が若君とは 曲者も思うまい。 228 00:18:14,796 --> 00:18:20,469 だが 油断は禁物。 警護のほう しかと頼んだぞ。 229 00:18:20,469 --> 00:18:22,469 かしこまりました。 230 00:18:25,140 --> 00:18:31,747 さすがよのう。 人の体には伝わらぬほどの 揺れだというのに。 231 00:18:31,747 --> 00:18:33,682 これは? 232 00:18:33,682 --> 00:18:38,086 今 裏庭の下を ひそかに掘らせておるのじゃ。 233 00:18:38,086 --> 00:18:44,760 上様の命で いざというときの 抜け穴として堀割に通じるようにとな。 234 00:18:44,760 --> 00:18:47,060 抜け穴…? 235 00:19:07,015 --> 00:19:10,015 (トキゾウ)こぼさねえでくれよ。 236 00:19:13,121 --> 00:19:16,421 おい! かご くれ! 237 00:19:25,133 --> 00:19:28,804 ほう… 筋がいいな。 238 00:19:28,804 --> 00:19:34,609 当然だよ! 弥五さんは こう見えて その道で鳴らした剣の達人だい。 239 00:19:34,609 --> 00:19:39,748 侍か。 俺は大嫌いだ。 240 00:19:39,748 --> 00:19:43,085 仕官しておったのは昔の話よ。 241 00:19:43,085 --> 00:19:46,421 今は しがない浪人じゃ。 242 00:19:46,421 --> 00:19:53,295 じゃあ おめえも 徳川に恨みを持ってんだろうな。 243 00:19:53,295 --> 00:19:55,430 恨み? 244 00:19:55,430 --> 00:20:00,730 徳川の天下など なくなってしまえばいいんだ! 245 00:20:03,772 --> 00:20:06,675 何か ひどく憎んでるねえ。 246 00:20:06,675 --> 00:20:14,416 ああ… 甲府は 不始末をしでかした旗本が流される所だ。 247 00:20:14,416 --> 00:20:18,320 連中は やけになって 好き勝手なことをしているらしい。 248 00:20:18,320 --> 00:20:23,792 じゃあ 百姓 町人は 泣かされてるってこと? 249 00:20:23,792 --> 00:20:25,727 (水谷)あの男も➡ 250 00:20:25,727 --> 00:20:30,027 そういう目に遭った者たちの 一人かもしれんな。 251 00:20:31,666 --> 00:20:36,371 へえ~… これが 揺れを測る仕掛けなのかい? 252 00:20:36,371 --> 00:20:40,809 はい。 この先端に針をつけておけば➡ 253 00:20:40,809 --> 00:20:45,480 揺れの際には その中心から外に向かって針が振られ➡ 254 00:20:45,480 --> 00:20:48,383 線が引かれるのでございます。 255 00:20:48,383 --> 00:20:52,821 つまり この三叉を 庭のところどころに立てておけば➡ 256 00:20:52,821 --> 00:20:55,724 穴掘りの場所もつかめるってわけだね。 257 00:20:55,724 --> 00:21:02,831 そのとおり。 それぞれの線が交わった所が その場所ということになります。 258 00:21:02,831 --> 00:21:08,503 じゃあ この仕掛け 早速 いくつか 作ってもらえるかい? 試してみよう。 259 00:21:08,503 --> 00:21:11,503 はっ! すぐに取りかかります。 260 00:21:20,115 --> 00:21:24,052 あれ? 美鈴さん。 261 00:21:24,052 --> 00:21:26,521 卯之吉様。 262 00:21:26,521 --> 00:21:31,126 聞きましたよ。 若君をお守りするお役目だとか。 263 00:21:31,126 --> 00:21:37,799 はい。 幸千代君は 同心 八巻卯之吉として お勤めに励んでおられます。 264 00:21:37,799 --> 00:21:41,469 南町奉行所の者は 誰も疑ってはおりません。 265 00:21:41,469 --> 00:21:44,806 そうですか。 それはよかった。 266 00:21:44,806 --> 00:21:49,477 こちらも 誰も 私が替え玉だとは思っていないですよ。 267 00:21:49,477 --> 00:21:58,486 ですが 若君の身代わりとは 卯之吉様に何かあったらと思うと…。 268 00:21:58,486 --> 00:22:02,824 身についてしまいましたね。 えっ? 269 00:22:02,824 --> 00:22:05,524 私の身を案じることが。 270 00:22:08,697 --> 00:22:28,850 ♬~ 271 00:22:28,850 --> 00:22:32,454 [ 回想 ] 身についてしまいましたね。➡ 272 00:22:32,454 --> 00:22:35,790 私の身を案じることが。 273 00:22:35,790 --> 00:22:53,808 ♬~ 274 00:22:53,808 --> 00:22:56,478 あっ! ああ~! 275 00:22:56,478 --> 00:22:59,814 あっ… そなたたち どうして ここに? 276 00:22:59,814 --> 00:23:03,485 美鈴殿こそ。 何で? 277 00:23:03,485 --> 00:23:05,485 <数日後> 278 00:23:14,829 --> 00:23:20,502 丑寅の方角だねえ。 (良玄)はい。 279 00:23:20,502 --> 00:23:23,202 <またまた 数日後> 280 00:23:28,376 --> 00:23:33,076 申酉の方角だねえ。 (良玄)はい。 281 00:23:36,985 --> 00:23:41,790 菊野が まさか 三国屋の仕事の手伝いしとるとは…。 282 00:23:41,790 --> 00:23:49,464 今は 見習いでございますが ゆくゆく 帳場も任せようかと。 283 00:23:49,464 --> 00:23:54,135 沢田様 何かのときには 相談に乗ってくださいまし。 284 00:23:54,135 --> 00:23:56,471 頼りにしておりますね。 285 00:23:56,471 --> 00:23:58,807 もちろんだ。 286 00:23:58,807 --> 00:24:04,679 わしにできることがあれば 何でも申せ。 気兼ねは要らんぞ。 287 00:24:04,679 --> 00:24:06,979 はい。 288 00:24:11,386 --> 00:24:15,824 (徳右衛門)それで 卯之吉の様子は? 289 00:24:15,824 --> 00:24:18,493 ん? 290 00:24:18,493 --> 00:24:24,165 おお…! それを伝えに来たのだ。 291 00:24:24,165 --> 00:24:30,772 まあ なんとか 代わりを務めておるゆえ ご安心なされ。 292 00:24:30,772 --> 00:24:36,444 でも 替え玉となったのでは 卯之さんが命を狙われているのでは? 293 00:24:36,444 --> 00:24:42,117 大丈夫だ。 その備えとして 今 抜け穴を用意しておる。 294 00:24:42,117 --> 00:24:44,052 抜け穴? 295 00:24:44,052 --> 00:24:49,457 上様のご下命というが 実は➡ 296 00:24:49,457 --> 00:24:53,128 富士島殿のお申しつけだ。➡ 297 00:24:53,128 --> 00:24:57,828 その元手も 住吉屋が用立てておる。 298 00:25:19,821 --> 00:25:23,121 う~ん…。 299 00:25:25,693 --> 00:25:29,393 何か? うん? 300 00:25:32,100 --> 00:25:39,100 どうも… 気になってね。 301 00:25:50,785 --> 00:25:54,656 出来上がりは あさってでございます。 302 00:25:54,656 --> 00:26:02,130 では 上様のお使いとして 備前守の屋敷へ参るとしよう。 303 00:26:02,130 --> 00:26:05,033 ハハハハ…! 304 00:26:05,033 --> 00:26:07,001 はいはい…! はい…! 305 00:26:07,001 --> 00:26:12,774 さすれば お目通りは 屋敷のうちの書院ということになろう。 306 00:26:12,774 --> 00:26:17,479 はい。 さぞや 大騒ぎとなっていようのう。 307 00:26:17,479 --> 00:26:23,151 ハハハ…! ああ… しかし どうやら 人足の中に➡ 308 00:26:23,151 --> 00:26:26,821 八巻方の息のかかっている者が いるようでございます。 309 00:26:26,821 --> 00:26:32,627 八巻の屋敷に仕えている若侍が その者たちと話していたと。 310 00:26:32,627 --> 00:26:38,099 何と…! 恐ろしい男よ。 311 00:26:38,099 --> 00:26:41,002 さては 感づかれたか? 312 00:26:41,002 --> 00:26:45,440 ハハハハ…! ご安心を。 313 00:26:45,440 --> 00:26:51,312 こちらも… 手は打ってございます。 314 00:26:51,312 --> 00:26:54,782 フフフフ…。 315 00:26:54,782 --> 00:27:00,121 <そして いよいよ 当日> 316 00:27:00,121 --> 00:27:03,992 ほら 毎日 印が動いてる。 317 00:27:03,992 --> 00:27:06,461 これだけ掘り進めたってわけですね。 318 00:27:06,461 --> 00:27:08,396 ご明察。 319 00:27:08,396 --> 00:27:15,396 だけど 変だねえ。 お堀とは違う方角に進んでいるような…。 320 00:27:20,008 --> 00:27:22,477 調べがつきやした。 321 00:27:22,477 --> 00:27:24,412 おちかは根津の界隈で➡ 322 00:27:24,412 --> 00:27:28,816 素人娘のふりをして客を取っていた 商売女です。 323 00:27:28,816 --> 00:27:33,655 [ 回想 ] (おちか)ああ… 知ってるよ。 けど もう切れたよ。➡ 324 00:27:33,655 --> 00:27:39,093 兄さんってのが殺されて お旗本の家を継ぐことになったんでね。➡ 325 00:27:39,093 --> 00:27:45,433 でも その前に その敵を捜すって 言ってたけどね。 326 00:27:45,433 --> 00:27:48,336 (寅三)男の名は 滝口謙二郎。 327 00:27:48,336 --> 00:27:50,772 仇討ちをするつもりだったんでしょう。 328 00:27:50,772 --> 00:27:55,109 で その兄というのは 甲斐で山役人をやっていたようです。 329 00:27:55,109 --> 00:27:59,447 何? 甲斐といえば 幸千代君のいた所じゃ…。 330 00:27:59,447 --> 00:28:03,117 その下手人が こいつ。 内藤新宿に➡ 331 00:28:03,117 --> 00:28:07,789 甲斐のご領内で侍を殺した野郎の 人相書きが出回っておりやした。 332 00:28:07,789 --> 00:28:10,458 この者は…! 知ってんのか? 333 00:28:10,458 --> 00:28:14,158 ええ。 甘利様の屋敷の庭で…。 334 00:28:19,467 --> 00:28:21,803 何で そんなとこに…。 335 00:28:21,803 --> 00:28:26,103 替え玉の旦那が また何かに巻き込まれてるんじゃ…。 336 00:28:32,413 --> 00:28:35,413 俺たちも行くぞ! (一同)へい! 337 00:28:42,757 --> 00:28:46,427 書院の真下まで達したようだな。 338 00:28:46,427 --> 00:28:48,363 ああ。 339 00:28:48,363 --> 00:28:54,363 火薬も道具箱を装って 運び込むだけになっている。 340 00:28:57,772 --> 00:29:01,472 それで やつらは? 341 00:29:03,645 --> 00:29:06,945 一緒に始末するさ。 342 00:29:11,319 --> 00:29:15,323 何で おいらたちだけなんだよ~! 343 00:29:15,323 --> 00:29:17,458 しかたないではないか。 344 00:29:17,458 --> 00:29:20,795 お前が休んでばかりで 割り当て分に届かぬのだから。 345 00:29:20,795 --> 00:29:27,135 これでも 精いっぱいやってるよ! もう くたくただよ~! 346 00:29:27,135 --> 00:29:31,739 休んでおれ。 拙者が お前の分まで働くから。 347 00:29:31,739 --> 00:29:35,410 (由利之丞)弥五さんが力持ちで 本当に よかっ…。 348 00:29:35,410 --> 00:29:39,080 ≪(倒れる音) 349 00:29:39,080 --> 00:29:41,080 うっ…! 350 00:29:46,421 --> 00:29:49,757 (荒海)急げ! 旦那の身に何かあったら大変だ! 351 00:29:49,757 --> 00:29:54,457 (一同)へい! こっちのほうが近道…! はあ…。 352 00:30:16,451 --> 00:30:18,451 ううっ…。 353 00:30:22,123 --> 00:30:28,463 気が付いたか。 だが もう どうにもできまい。➡ 354 00:30:28,463 --> 00:30:33,801 幸千代は今頃 この上の書院で待っているはずだ。 355 00:30:33,801 --> 00:30:40,501 火薬が爆裂すれば 御殿は潰れ 幸千代は梁の下敷きに。 356 00:30:42,143 --> 00:30:47,014 悪いが お前たちも一緒にお陀仏だ。 357 00:30:47,014 --> 00:30:54,489 ううっ…! ううっ…! 358 00:30:54,489 --> 00:30:56,824 ≪誰か いるんですかい? 359 00:30:56,824 --> 00:31:00,824 あっ…! ううっ…! 360 00:31:06,834 --> 00:31:12,134 やはり 書院の真下を掘っていたんですねえ…。 361 00:31:20,848 --> 00:31:28,523 ≪(由利之丞のうめき声) 362 00:31:28,523 --> 00:31:31,125 何してるんです? こんな所で…。 363 00:31:31,125 --> 00:31:34,462 ううっ…! ううっ…! 364 00:31:34,462 --> 00:31:40,334 これじゃあ 答えられませんよね。 ちょっと待っててくださいよ。 365 00:31:40,334 --> 00:31:42,634 (殴る音) 366 00:31:44,472 --> 00:31:48,172 幸千代? どうして…。 367 00:31:59,487 --> 00:32:01,787 そこで何を! 368 00:32:12,066 --> 00:32:14,502 (水谷)八巻殿! 369 00:32:14,502 --> 00:32:24,512 ♬~ 370 00:32:24,512 --> 00:32:27,849 弥五郎殿! 早く消せ! 371 00:32:27,849 --> 00:32:37,458 ♬~ 372 00:32:37,458 --> 00:32:39,458 ああ~…! 373 00:32:45,132 --> 00:32:49,003 どうなってんだ! 今 あっちにいたと思ったら…。 374 00:32:49,003 --> 00:32:54,141 お前だな? 観念せい! 375 00:32:54,141 --> 00:32:57,044 くそ! ああっ! 376 00:32:57,044 --> 00:33:00,014 さあ ふん縛れ! (一同)へい! 377 00:33:00,014 --> 00:33:12,159 ♬~ 378 00:33:12,159 --> 00:33:15,062 弥五さ~ん! 怖かったよ~! 379 00:33:15,062 --> 00:33:20,762 もう大丈夫じゃ! もう大丈夫じゃ…! 命があってよかった! 380 00:33:26,707 --> 00:33:29,707 まだ痛みますか? 381 00:33:34,415 --> 00:33:39,715 いつも 美鈴さんには 助けてもらってばかり…。 382 00:33:43,791 --> 00:33:47,662 私が あなたを守ると言ったのに➡ 383 00:33:47,662 --> 00:33:54,135 これでは 守るどころか 守られてばかり。 384 00:33:54,135 --> 00:33:56,835 卯之吉様。 385 00:34:01,809 --> 00:34:08,482 離れ離れになってる今が いい機会です。 386 00:34:08,482 --> 00:34:14,155 もう一度 私とのことを よく考えてみては どうですか? 387 00:34:14,155 --> 00:34:16,090 えっ…。 388 00:34:16,090 --> 00:34:21,790 美鈴さんにとっての 一番の幸せは何かを。 389 00:34:29,170 --> 00:34:32,773 若君様! 若君様! 390 00:34:32,773 --> 00:34:36,073 いずこにおわします! 若君様! 391 00:34:37,645 --> 00:34:40,648 幸千代様! 392 00:34:40,648 --> 00:34:44,785 どこに行った? 富士島殿が もうすぐお着きだというのに! 393 00:34:44,785 --> 00:34:46,785 ≪あいたたたた…。 394 00:34:50,458 --> 00:34:53,127 何をしておったのじゃ! 395 00:34:53,127 --> 00:34:56,797 富士島がお見えになっても すぐにお帰りいただいてください。 396 00:34:56,797 --> 00:35:00,134 この屋敷の下にある火薬は まだ そのままですから。 397 00:35:00,134 --> 00:35:02,470 火薬…? な… 何のことじゃ? 398 00:35:02,470 --> 00:35:07,808 甘利様も 火薬を片づけるまでは 難を避けられたほうがいいでしょうね。 399 00:35:07,808 --> 00:35:10,108 う… うん? 400 00:35:14,482 --> 00:35:17,818 (富士島)止めい。 401 00:35:17,818 --> 00:35:29,830 ♬~ 402 00:35:29,830 --> 00:35:33,130 <またしても作戦失敗> 403 00:35:35,636 --> 00:35:39,106 <そして 翌日> 404 00:35:39,106 --> 00:35:42,443 沢田様じきじきにお取り調べだとは…。 405 00:35:42,443 --> 00:35:45,346 そのうえ 立ち会い無用とは…。 406 00:35:45,346 --> 00:35:47,782 何か変ですよね? 407 00:35:47,782 --> 00:35:51,482 ああ… おかしい。 408 00:35:53,120 --> 00:35:59,460 (沢田)滝口は お前を見つけ出し 兄の敵として殺そうとした。➡ 409 00:35:59,460 --> 00:36:05,800 ところが お前に返り討ちに遭った。 そうだな? 410 00:36:05,800 --> 00:36:08,100 ああ。 411 00:36:10,471 --> 00:36:17,344 (沢田)2人の侍を殺め そのうえ 幸千代君のお命を狙うなど➡ 412 00:36:17,344 --> 00:36:19,814 言語道断! 413 00:36:19,814 --> 00:36:23,150 極刑に値する。 414 00:36:23,150 --> 00:36:25,450 誰に頼まれた? 415 00:36:27,488 --> 00:36:30,391 さあな。 416 00:36:30,391 --> 00:36:34,295 上方に逃がしてくれるって言われて 引き受けた仕事だ。 417 00:36:34,295 --> 00:36:40,434 それに 幸千代の命も取れるんだ。 二つ返事で引き受けた。 418 00:36:40,434 --> 00:36:42,369 何だと? 419 00:36:42,369 --> 00:36:45,306 頼んだ相手が誰だろうと そんなことはどうでもいい! 420 00:36:45,306 --> 00:36:51,078 俺は 徳川のやつらに 仕返しをしたかったんだ!➡ 421 00:36:51,078 --> 00:36:53,981 俺たち甲斐の金山堀りが➡ 422 00:36:53,981 --> 00:36:58,452 代々 徳川から受けてきた仕打ちは 忘れねえ! 423 00:36:58,452 --> 00:37:02,323 甲斐の金山の金も いいように使われて! 424 00:37:02,323 --> 00:37:09,096 今も 甲斐では 甲府勤番の旗本どもが 勝手し放題!➡ 425 00:37:09,096 --> 00:37:12,800 俺が殺した あの山役人も➡ 426 00:37:12,800 --> 00:37:17,100 俺たちを こき使うだけ使いやがって! 427 00:37:33,754 --> 00:37:37,454 [ 回想 ] うっ…! ああっ! 428 00:37:39,093 --> 00:37:44,431 幸千代が 何だ! 民 百姓のために➡ 429 00:37:44,431 --> 00:37:47,731 何一つしてくれたことがねえじゃねえか! 430 00:37:54,441 --> 00:37:58,779 えっ? じゃあ 卯之さんが突き止めなければ➡ 431 00:37:58,779 --> 00:38:02,650 火薬が破裂して 柱の下敷きになっていた ということですか? 432 00:38:02,650 --> 00:38:06,120 ああ… 沢田様からのお知らせだ。 433 00:38:06,120 --> 00:38:09,456 一体 誰が そのようなことを? 434 00:38:09,456 --> 00:38:16,797 「抜け穴を掘れ」とは 公方様じきじきの ご下命だと言っていたが➡ 435 00:38:16,797 --> 00:38:22,097 だが どうも 嫌な心持ちがしてね。 436 00:38:26,140 --> 00:38:30,477 (富士島)またしても しくじったとは 何たることか! 437 00:38:30,477 --> 00:38:33,777 誠に申し訳ございません! 438 00:38:35,749 --> 00:38:38,652 う~ん…! 439 00:38:38,652 --> 00:38:41,952 次の手を考えねば…。 440 00:39:18,792 --> 00:39:22,663 おい へなちょこ。 441 00:39:22,663 --> 00:39:26,467 あれ? 若君…。 442 00:39:26,467 --> 00:39:29,136 まずいんじゃないですかい? ここで一緒にいちゃ。 443 00:39:29,136 --> 00:39:31,739 もし 誰かに見つかったら…。 444 00:39:31,739 --> 00:39:34,074 人払いはしてある。 445 00:39:34,074 --> 00:39:37,374 お前と少し 話がしたいと思うてな。 446 00:39:42,416 --> 00:39:46,086 どうじゃ? わしの替え玉は。 447 00:39:46,086 --> 00:39:52,760 そうですねえ… 正直言って 少々 退屈でございます。 448 00:39:52,760 --> 00:39:59,633 そうではなく いつも 命を狙われるのは 生きた心地がせぬであろう。 449 00:39:59,633 --> 00:40:04,371 わしも 子どものころから ずっと そうであった。 450 00:40:04,371 --> 00:40:09,777 側近といえど信じず 自分を守り 精いっぱい生きてきた。 451 00:40:09,777 --> 00:40:13,647 自分以外の者のことなど考えもせずにな。 452 00:40:13,647 --> 00:40:15,649 しかたありません。 453 00:40:15,649 --> 00:40:18,452 信じ合える者がいなければ➡ 454 00:40:18,452 --> 00:40:22,790 自分で自分を守るしか 手はありませんからねえ。 455 00:40:22,790 --> 00:40:25,459 のんきなやつじゃ。 456 00:40:25,459 --> 00:40:29,129 はい。 気楽な放蕩者でございます。 457 00:40:29,129 --> 00:40:34,001 じゃが お前は いい手下を持っておる。 458 00:40:34,001 --> 00:40:36,804 荒海や銀八➡ 459 00:40:36,804 --> 00:40:38,739 弥五郎に由利之丞➡ 460 00:40:38,739 --> 00:40:42,476 そして 美鈴。 461 00:40:42,476 --> 00:40:48,176 若君は 何か勘違いを されているんじゃありませんか? 462 00:40:49,817 --> 00:40:54,117 手下ではありません。 仲間ですよ。 463 00:40:55,689 --> 00:41:01,161 私は どなたが公方様の跡を継がれても いいんです。 464 00:41:01,161 --> 00:41:08,836 誰がなっても お天道様は 毎日 顔を出してくれるんですからねえ。 465 00:41:08,836 --> 00:41:14,174 けれど 子どもを怖がらせるようなお人や➡ 466 00:41:14,174 --> 00:41:17,845 信じ合える仲間もいないお人に➡ 467 00:41:17,845 --> 00:41:24,718 正直言って 人の上に立ってほしいとは思いません。 468 00:41:24,718 --> 00:41:28,188 何…? 469 00:41:28,188 --> 00:41:31,792 若君は お寂しそうです。 470 00:41:31,792 --> 00:41:37,792 心にぽっかりと 大きな穴があいているようで…。 471 00:41:42,803 --> 00:41:45,803 <似て非なるお二人> 472 00:41:48,142 --> 00:41:50,842 <次回は…> 473 00:41:52,813 --> 00:41:54,748 役に立たない同心は あんただよ! 474 00:41:54,748 --> 00:41:56,683 何!? 帰る! 475 00:41:56,683 --> 00:41:58,685 毒殺!? 476 00:41:58,685 --> 00:42:01,822 全身に回り もだえ死にする。 477 00:42:01,822 --> 00:42:04,725 面白くなってきたじゃないか。 478 00:42:04,725 --> 00:42:07,694 何をのんきなことを…。 479 00:42:07,694 --> 00:42:57,478 ♬~ 480 00:42:57,478 --> 00:43:05,819 ♬~ 481 00:43:05,819 --> 00:43:24,819 ♬~ 482 00:45:34,668 --> 00:45:38,138 空から見れば読み解ける➡ 483 00:45:38,138 --> 00:45:43,010 歴史の物語があります。 484 00:45:43,010 --> 00:45:48,148 「空旅中国」。 485 00:45:48,148 --> 00:45:52,953 英雄たちの足跡をたどってみましょう。 486 00:45:52,953 --> 00:46:00,753 ♬~