1 00:00:02,202 --> 00:00:09,610 ⚟〽 (三味線) 2 00:00:09,610 --> 00:00:16,483 <ここは 江戸 深川の料亭 檜屋でございます> 3 00:00:16,483 --> 00:00:25,626 〽 (三味線と歌声) 4 00:00:25,626 --> 00:00:46,914 〽 5 00:00:46,914 --> 00:00:50,651 (銀八)よっ! 日本一! 6 00:00:50,651 --> 00:00:53,320 (沢田彦太郎)まただ…! (一同)もう一度!➡ 7 00:00:53,320 --> 00:00:57,658 もう一度! もう一度! 8 00:00:57,658 --> 00:01:02,496 〽 (三味線) 9 00:01:02,496 --> 00:01:06,266 <このお人 名を 卯之吉と申します> 10 00:01:06,266 --> 00:01:12,940 ♬~ 11 00:01:12,940 --> 00:01:15,842 いい男…。 12 00:01:15,842 --> 00:01:17,844 ほれぼれするねえ。 13 00:01:19,613 --> 00:01:22,516 <江戸の豪商 三国屋の若旦那。➡ 14 00:01:22,516 --> 00:01:25,819 そして もう一つのお顔は…> 15 00:01:29,289 --> 00:01:32,192 <江戸随一の剣豪同心。➡ 16 00:01:32,192 --> 00:01:37,164 …といわれておりますが 実は…> 17 00:01:37,164 --> 00:01:39,299 旦那…! 18 00:01:39,299 --> 00:01:43,303 <その辺りは また 後ほどといたします> 19 00:01:48,976 --> 00:01:56,283 <そのころ こちらでは 何やら 物騒なことが起ころうとしております> 20 00:01:58,986 --> 00:02:02,255 ああ~っ! お代わり。 21 00:02:02,255 --> 00:02:05,926 あらま…! 飲み過ぎですよ 沢田様。 22 00:02:05,926 --> 00:02:09,596 ハハハ…! 23 00:02:09,596 --> 00:02:11,932 すべて あやつのおごりよ。 24 00:02:11,932 --> 00:02:14,835 わしの腹は少しも痛まぬわ。 25 00:02:14,835 --> 00:02:17,604 相変わらず ケチくさいお方でげす。 26 00:02:17,604 --> 00:02:20,273 ⚟ハハハハ…! ⚟あっ どうも! お邪魔します! 27 00:02:20,273 --> 00:02:23,944 ⚟お邪魔いたします! (銀八)こんなに来るとは…。 28 00:02:23,944 --> 00:02:27,814 近頃は お座敷に遊びに来る旦那衆が 減ってるんですよ。 29 00:02:27,814 --> 00:02:31,618 ああ… この長雨では しかたあるまい。 30 00:02:31,618 --> 00:02:35,956 今年に入ってから降ったりやんだり ずっと続いてやすからねえ。 31 00:02:35,956 --> 00:02:37,891 それだけじゃありません。 32 00:02:37,891 --> 00:02:40,627 この雨のおかげで作物が育たず➡ 33 00:02:40,627 --> 00:02:45,298 食い詰めたお百姓衆が 江戸に仕事を探しに やって来てるんです。 34 00:02:45,298 --> 00:02:50,170 けれど 今は 江戸っ子まで 仕事にあぶれてるってありさまで➡ 35 00:02:50,170 --> 00:02:53,640 世間じゃ 今にも打ち壊しが起こるんじゃないかと。 36 00:02:53,640 --> 00:02:56,309 物騒な話でげす…。 37 00:02:56,309 --> 00:02:58,979 なんとかしてくださいな 沢田様。 38 00:02:58,979 --> 00:03:02,849 救いの手を差し伸べるのも お奉行所の務めじゃござんせんか? 39 00:03:02,849 --> 00:03:11,258 分かっておる! 上から毎日 なんとかせいと叱責されとるわ。 40 00:03:11,258 --> 00:03:14,261 そうだ 銀八。 41 00:03:16,129 --> 00:03:18,131 合点でげす! 42 00:03:18,131 --> 00:03:23,270 (歓声) 43 00:03:23,270 --> 00:03:26,573 お布施だよ! そ~ら! 44 00:03:44,958 --> 00:03:50,297 ♬~ 45 00:03:50,297 --> 00:03:54,167 ああ~ 酔ったわ~…。 46 00:03:54,167 --> 00:03:57,637 ハハハ… ハハハ…! 47 00:03:57,637 --> 00:03:59,940 そ~ら 持ってけ~! 48 00:04:09,916 --> 00:04:12,919 もう おしまいだ…。 49 00:04:16,590 --> 00:04:20,460 (尾上伸平) 焼け死んだのは裏店の住人とのことです。 50 00:04:20,460 --> 00:04:23,930 (村田銕三郎) 妙だな… ただの焼け土なら➡ 51 00:04:23,930 --> 00:04:27,934 こんなには固まらねえはずだが。 52 00:04:30,804 --> 00:04:32,939 そういやあ ハチマキは? 53 00:04:32,939 --> 00:04:34,875 今日は非番です。 54 00:04:34,875 --> 00:04:36,810 何だと? こんなときに! 55 00:04:36,810 --> 00:04:40,614 それと「八巻」です! 56 00:04:40,614 --> 00:04:43,517 ♬~ 57 00:04:43,517 --> 00:04:46,486 <こちらは 美鈴といいまして➡ 58 00:04:46,486 --> 00:04:50,957 卯之吉とは 心を通わせ合う仲でございます> 59 00:04:50,957 --> 00:05:05,906 ♬~ 60 00:05:05,906 --> 00:05:09,242 どうぞ。 61 00:05:09,242 --> 00:05:12,913 そうしてると 若夫婦みたいですね。 62 00:05:12,913 --> 00:05:15,615 そろそろでげすか? 63 00:05:17,784 --> 00:05:19,786 んっ…。 64 00:05:19,786 --> 00:05:22,589 お口に合いませんでしたか? 65 00:05:22,589 --> 00:05:27,460 いえ ちょっと からいだけですよ。 66 00:05:27,460 --> 00:05:30,263 <こちらは すご腕浪人と➡ 67 00:05:30,263 --> 00:05:33,166 売れない役者のお二人> 68 00:05:33,166 --> 00:05:37,604 味なんて どうでもいいのさ! 腹いっぱい食えれば それでいいんだから。 69 00:05:37,604 --> 00:05:40,907 お代わり! ああ… はい。 70 00:05:43,276 --> 00:05:47,147 これで もう 3杯目ですよ。 よく まあ 食うもんだ。 71 00:05:47,147 --> 00:05:51,618 おとといから 何も食べてないんだよ。 ここんとこ 仕事が全くなくてね。 72 00:05:51,618 --> 00:05:54,521 そもそも 興行がないんじゃ 役者は どうやって食ってけばいいんだい? 73 00:05:54,521 --> 00:05:58,291 すまん! わしに甲斐性がないばかりに。 74 00:05:58,291 --> 00:06:02,562 昨今は 日雇いの力仕事も見つからず…。 75 00:06:02,562 --> 00:06:04,497 お待ちどおさま。 76 00:06:04,497 --> 00:06:08,235 わしも お代わり…。 はい。 77 00:06:08,235 --> 00:06:15,942 <そして こちらは 泣く子も黙る 荒海一家の大親分と その右腕> 78 00:06:18,245 --> 00:06:20,914 ⚟(荒海)旦那! 79 00:06:20,914 --> 00:06:24,784 朝早くから ごめんなすって! ゆうべの火事のことですが➡ 80 00:06:24,784 --> 00:06:28,588 どうやら 不審火のようだと。 不審火? 81 00:06:28,588 --> 00:06:30,924 じゃあ 誰かが火をつけたってことで? 82 00:06:30,924 --> 00:06:35,595 火付けは 火あぶりだぞ。 一体 誰が そんなことを? 83 00:06:35,595 --> 00:06:39,933 それと 三国屋の大旦那が 甲斐へ行きなさったってのは➡ 84 00:06:39,933 --> 00:06:42,269 本当でごぜえやすか? ええ。 85 00:06:42,269 --> 00:06:48,275 手代の喜七の話では 甘利様に 何やら頼まれたらしくてねえ。 86 00:06:55,615 --> 00:07:01,221 (三国屋徳右衛門)今日は私めに 何の御用で? 87 00:07:01,221 --> 00:07:05,558 (甘利)一つ 頼みたいことがある。 88 00:07:05,558 --> 00:07:09,896 ほかでもない甲斐国のことじゃ。 89 00:07:09,896 --> 00:07:14,768 かの国を 信玄公の昔のように栄えさすには➡ 90 00:07:14,768 --> 00:07:18,571 商いを立て直すのが第一と心得る。 91 00:07:18,571 --> 00:07:26,446 はい。 働いて稼げるのであれば 誰もが真面目に働きましょう。 92 00:07:26,446 --> 00:07:34,120 そこでじゃ おぬしの才覚をもって 甲斐の商いを立て直してもらいたい。 93 00:07:34,120 --> 00:07:40,260 私に行けと? 頼まれてくれるか? 94 00:07:40,260 --> 00:07:45,598 店が心配です…。 でも そうおっしゃるなら➡ 95 00:07:45,598 --> 00:07:53,273 私が留守の間に 江戸の商いを支える者が入り用。 96 00:07:53,273 --> 00:07:58,945 甘利様もご存じの かの者を呼び寄せようかと。 97 00:07:58,945 --> 00:08:01,848 かの者…。 98 00:08:01,848 --> 00:08:05,552 まさか…! 99 00:08:05,552 --> 00:08:10,223 急な出立でね 私にも会わずに行かれたよ。 100 00:08:10,223 --> 00:08:12,892 そういうことでござんしたか。 101 00:08:12,892 --> 00:08:16,763 (水谷)では 誰が三国屋さんの差配をするのだ? 102 00:08:16,763 --> 00:08:19,766 さてねえ…。 103 00:08:19,766 --> 00:08:24,504 それは 卯之さんだよ! 卯之さん以外に考えられないだろう! 104 00:08:24,504 --> 00:08:26,439 何てことを! 105 00:08:26,439 --> 00:08:29,442 小判をばらまいて歩いているような 若旦那にですか? 106 00:08:29,442 --> 00:08:32,912 おい! 旦那は 同心としてのお勤めがあるんだよ! 107 00:08:32,912 --> 00:08:36,783 (水谷)そうだ。 それはいかん。 (由利之丞)いや それが一番! 108 00:08:36,783 --> 00:08:40,787 だって 卯之さんが三国屋の金を どうとでもできるんだよ? 109 00:08:40,787 --> 00:08:44,524 そしたら いくらでも小遣いを…。 そうか。 110 00:08:44,524 --> 00:08:46,826 そうだな。 フフフ…。 111 00:08:49,262 --> 00:08:51,965 ⚟ごめんなさいよ。 112 00:08:56,603 --> 00:09:00,206 あの…。 こりゃまた 凛々しい若侍さんだねえ。 113 00:09:00,206 --> 00:09:03,877 どちらの武芸者様で? 114 00:09:03,877 --> 00:09:07,747 溝口道場の娘 美鈴と申します。 115 00:09:07,747 --> 00:09:12,218 娘? 美鈴? 116 00:09:12,218 --> 00:09:16,089 では… 卯之吉の? 117 00:09:16,089 --> 00:09:22,228 ♬~ 118 00:09:22,228 --> 00:09:24,164 上がらせてもらいますよ。 119 00:09:24,164 --> 00:09:27,100 お待ちください…! 勝手に入ってきちゃ困りやすよ。 120 00:09:27,100 --> 00:09:29,803 そうだよ おばさん。 「おばさん」? 121 00:09:31,905 --> 00:09:35,575 あれ? 叔母様ではありませんか。 122 00:09:35,575 --> 00:09:39,913 (2人)叔母様? ええ。 私の叔母のカネです。 123 00:09:39,913 --> 00:09:44,784 大阪の両替商に嫁いだ…。 でも どうして 江戸へ? 124 00:09:44,784 --> 00:09:49,923 おとっつぁんにお店の面倒を見るように って頼まれたんだよ! 125 00:09:49,923 --> 00:09:53,793 叔母さんの おとっつぁんとは誰だ? (由利之丞)卯之さんの 叔母さん…。 126 00:09:53,793 --> 00:09:56,596 (おカネ)お前さんたちに「叔母さん」なんて 言われる筋合いはないよ! 127 00:09:56,596 --> 00:09:59,265 はい。 128 00:09:59,265 --> 00:10:05,939 それにしても… お前が同心様だなんて! 129 00:10:05,939 --> 00:10:09,242 恐れ入ったよ~! 130 00:10:13,613 --> 00:10:16,916 ⚟ありがとうございました! またのお越しを! 131 00:10:20,954 --> 00:10:24,624 万事 首尾良く進んでおります。 132 00:10:24,624 --> 00:10:32,632 では 焼け出された商家の沽券を買い取れ。 今なら こちらの言い値で売るだろう。 133 00:10:34,300 --> 00:10:36,970 <「沽券に関わる」などと申しますが➡ 134 00:10:36,970 --> 00:10:39,305 「沽券」とは 今でいう➡ 135 00:10:39,305 --> 00:10:43,009 不動産の 権利書のようなものでございます> 136 00:10:45,178 --> 00:10:52,318 それと 三国屋の徳右衛門が 江戸を離れたそうだ。 137 00:10:52,318 --> 00:10:57,190 ご老中様の命で 甲斐国へ下ったと。 138 00:10:57,190 --> 00:11:01,594 願ってもないことでございますな。 ああ。 139 00:11:01,594 --> 00:11:05,932 三国屋に取って代わって この讃岐屋が➡ 140 00:11:05,932 --> 00:11:10,637 江戸一番の商家に成り上がる 好機の到来よ。 141 00:11:17,277 --> 00:11:19,612 おお~ 怖っ! 142 00:11:19,612 --> 00:11:25,285 <そして こちらでは とんでもないことが始まっておりました> 143 00:11:25,285 --> 00:11:28,955 親分さん 待ってくださいよ~…。 144 00:11:28,955 --> 00:11:31,858 若旦那 待ってくださいよ~…。 145 00:11:31,858 --> 00:11:35,295 ♬~ 146 00:11:35,295 --> 00:11:37,964 まだ汚れてるじゃないか! 147 00:11:37,964 --> 00:11:40,300 ここも! ここも! 148 00:11:40,300 --> 00:11:46,172 まあ 拭き掃除一つできひん…。 ほんまに情けない! 149 00:11:46,172 --> 00:11:49,642 申し訳ございません! 手を止めない! 150 00:11:49,642 --> 00:11:53,980 さっさと動かす! はい。 151 00:11:53,980 --> 00:11:59,319 早々に退散したほうがいいかもしれん。 うん…。 152 00:11:59,319 --> 00:12:04,924 ♬~ 153 00:12:04,924 --> 00:12:08,795 ただ飯食って 逃げるつもりかい? 154 00:12:08,795 --> 00:12:12,599 お前さんたちも しっかり お働き! 155 00:12:12,599 --> 00:12:15,501 はい…。 はい…。 156 00:12:15,501 --> 00:12:19,272 卯之吉は? いや そちらにおりませんか? 157 00:12:19,272 --> 00:12:28,948 ♬~ 158 00:12:28,948 --> 00:12:31,284 あのままにしてきて 大丈夫でげすか? 159 00:12:31,284 --> 00:12:34,287 取って食われやしないさ。 160 00:12:35,955 --> 00:12:42,295 <こちらは 蘭学者 彦坂良玄の 屋敷でございます> 161 00:12:42,295 --> 00:12:45,965 これが オランダから取り寄せた機械かい? 162 00:12:45,965 --> 00:12:52,639 はい。 これは 風の速さを測る「アネモメーテル」。 163 00:12:52,639 --> 00:12:57,510 そして こちらは 天地の気配の変化を読み取る➡ 164 00:12:57,510 --> 00:13:01,914 「バロメーテル」という 仕掛けでございます。 165 00:13:01,914 --> 00:13:07,587 この2つを使えば 天気の予測ができるのでございます。 166 00:13:07,587 --> 00:13:13,459 へえ…! こんなものがあるんだねえ。 167 00:13:13,459 --> 00:13:19,932 その天気といえば 長雨が続き 米も とれないそうだ。 168 00:13:19,932 --> 00:13:22,602 何かいい手はないもんかねえ? 169 00:13:22,602 --> 00:13:28,908 政についてのご質問でございますな。 さすが 若君でございます。 170 00:13:30,476 --> 00:13:36,949 <「若君」とは 今は 甲斐国に住んでおられる上様の御弟➡ 171 00:13:36,949 --> 00:13:41,821 幸千代君のことでございます。➡ 172 00:13:41,821 --> 00:13:45,958 ややこしいことに その幸千代君と卯之吉は➡ 173 00:13:45,958 --> 00:13:48,294 なんと うり二つ。➡ 174 00:13:48,294 --> 00:13:53,299 ですが このことを知っているのは ほんの一握り> 175 00:13:55,168 --> 00:14:00,873 ならば 濱島与右衛門なる人物を ご紹介いたしましょう。 176 00:14:00,873 --> 00:14:07,780 洲崎で私塾を開き 多くの門人を抱える なかなかの逸材でございます。 177 00:14:07,780 --> 00:14:12,251 へえ~! それは会ってみたいねえ。 178 00:14:12,251 --> 00:14:19,926 将軍家の若君と知れば その者も一代の誉れと感じましょう。 179 00:14:19,926 --> 00:14:22,261 いや… それは困りやす。 180 00:14:22,261 --> 00:14:26,132 身分を伏せて会ってみたいんだよ。 そうだ…! 181 00:14:26,132 --> 00:14:32,271 私のことは 大店の若旦那ということに してもらえないかい? 182 00:14:32,271 --> 00:14:39,979 なるほど お忍びの検分というわけですな。 承知いたしました。 183 00:14:43,282 --> 00:14:45,618 何度も申しているように…! 184 00:14:45,618 --> 00:14:49,956 <そして こちらが その濱島与右衛門でございます> 185 00:14:49,956 --> 00:14:54,627 少しでいいので話を聞いていただきたい! 天下の困窮を救う上策があるのだ! 186 00:14:54,627 --> 00:14:58,631 ぜひとも これを…。 ええい! 帰れと言っておるだろうが! 187 00:15:08,908 --> 00:15:13,212 ごめんくださりませ。 大国屋でございます。 188 00:15:15,248 --> 00:15:17,183 おい。 189 00:15:17,183 --> 00:15:21,187 今日は お約束の品を お届けに参りました。 190 00:15:23,122 --> 00:15:27,827 うむ。 通られよ。 ありがとうございます。 191 00:15:27,827 --> 00:15:32,598 我らを追い返し 商人を迎え入れるとは。 192 00:15:32,598 --> 00:15:35,501 今は 老中といえど 国を救うことより➡ 193 00:15:35,501 --> 00:15:38,938 いかに 己が金儲けをするかを 考えておるのだ。 194 00:15:38,938 --> 00:15:41,841 おかげで 商人が力を持つ世の中となった。 195 00:15:41,841 --> 00:15:43,810 腐っておる。 196 00:15:43,810 --> 00:15:57,290 ♬~ 197 00:15:57,290 --> 00:15:59,625 どうした? 198 00:15:59,625 --> 00:16:02,228 この間の火事で焼け出されたんですよ。 199 00:16:02,228 --> 00:16:04,230 えっ? 200 00:16:09,101 --> 00:16:11,571 名は何と申す? 201 00:16:11,571 --> 00:16:16,242 ♬~ 202 00:16:16,242 --> 00:16:19,145 <江戸湾に面した深川 洲崎は➡ 203 00:16:19,145 --> 00:16:23,583 元禄年間に造成された 広大な埋め立て地➡ 204 00:16:23,583 --> 00:16:30,890 あの歌川広重の「名所江戸百景」にも 描かれた所なのですが…> 205 00:16:35,595 --> 00:16:38,931 身ぐるみ剥がされちまいそうでげす…。 206 00:16:38,931 --> 00:16:41,267 悪人と決めつけちゃいけないよ。 207 00:16:41,267 --> 00:16:44,937 けど 歓迎されちゃいないようでげすよ。 208 00:16:44,937 --> 00:16:48,608 あっ 来た…。 209 00:16:48,608 --> 00:16:52,478 何しに来た? 金持ってそうだな! 210 00:16:52,478 --> 00:16:57,617 ⚟違えねえや。 この辺りに 濱島与右衛門という先生は➡ 211 00:16:57,617 --> 00:17:01,220 いらっしゃらないかねえ? 212 00:17:01,220 --> 00:17:04,924 濱島先生様のお客人でございますか? 213 00:17:14,567 --> 00:17:16,502 はあ~! 214 00:17:16,502 --> 00:17:18,504 うう~っ! 215 00:17:21,908 --> 00:17:24,243 おい! おかえりなさいませ! 216 00:17:24,243 --> 00:17:26,245 おかえりなさいませ! 217 00:17:29,916 --> 00:17:33,252 しばらく ここで暮らすがよい。 218 00:17:33,252 --> 00:17:35,922 先生! 219 00:17:35,922 --> 00:17:38,257 妙な男たちが来ております。 220 00:17:38,257 --> 00:17:40,259 妙な男? 221 00:17:42,128 --> 00:17:46,933 ああっ…! おい しっかりしろ…。 222 00:17:46,933 --> 00:17:49,936 はさみを。 (銀八)へい。 223 00:17:54,807 --> 00:17:57,510 ああっ…! 224 00:18:02,882 --> 00:18:06,585 布を。 (銀八)へい。 225 00:18:15,461 --> 00:18:20,433 痛みは じきに治まります。 しばらくは 無理をしないでください。 226 00:18:20,433 --> 00:18:24,170 へい…! ありがとうございやした。 227 00:18:24,170 --> 00:18:27,106 見事な腕前だ。 228 00:18:27,106 --> 00:18:30,109 お邪魔をしてます。 229 00:18:36,582 --> 00:18:40,453 良玄先生のご紹介とあれば お断りはできません。 230 00:18:40,453 --> 00:18:43,923 ようこそ お越しくださいました。 231 00:18:43,923 --> 00:18:48,260 だが まさか 三国屋の若旦那とは…。 232 00:18:48,260 --> 00:18:51,931 うちは 江戸一番の大店といわれておりますが➡ 233 00:18:51,931 --> 00:18:56,802 私は その家に ただ生まれただけでございます。 234 00:18:56,802 --> 00:19:00,740 それで 先ほどの者の療治代ですが…。 235 00:19:00,740 --> 00:19:05,878 私の道楽です。 ご心配なく。 236 00:19:05,878 --> 00:19:08,214 訳の分からぬお人だ。 237 00:19:08,214 --> 00:19:11,917 はい… よく言われます。 238 00:19:15,087 --> 00:19:18,224 それは? ああ… これは➡ 239 00:19:18,224 --> 00:19:20,893 新しい火除地の絵図面です。 240 00:19:20,893 --> 00:19:23,596 火除地? 241 00:19:30,236 --> 00:19:32,905 朱で囲われている土地が空き地となれば➡ 242 00:19:32,905 --> 00:19:36,242 万が一 火事が起こったとしても 逃げることができます。 243 00:19:36,242 --> 00:19:41,113 炎に巻かれ 死ぬことはない。 そのようなことをお考えに? 244 00:19:41,113 --> 00:19:45,918 人々が安心して暮らせる町を つくり上げねばなりません。 245 00:19:45,918 --> 00:19:51,590 人々の幸せのため この国を江戸から変えてゆきたいのです。 246 00:19:51,590 --> 00:19:57,463 なのに ご公儀は何もしようとはしない。 247 00:19:57,463 --> 00:20:00,266 あの子をご覧なさい。 248 00:20:00,266 --> 00:20:03,169 昨夜の火事で焼け出されました。 249 00:20:03,169 --> 00:20:06,172 名前を聞いても何も言わず。 250 00:20:10,609 --> 00:20:13,913 紙を一枚 頂戴できますか? 251 00:20:18,284 --> 00:20:20,986 どうぞ。 252 00:20:22,621 --> 00:20:26,492 銀八 はさみを。 253 00:20:26,492 --> 00:20:31,197 へい。 例のやつでやんすね? うん。 254 00:20:37,169 --> 00:20:39,171 何を…? 255 00:20:39,171 --> 00:20:48,314 ♬~ 256 00:20:48,314 --> 00:20:51,016 さあ 見ておいで。 257 00:20:52,985 --> 00:20:56,856 ちょうちょでございます~! 258 00:20:56,856 --> 00:21:00,259 おったまげた! 259 00:21:00,259 --> 00:21:02,595 名前は 何ていうんだい? 260 00:21:02,595 --> 00:21:04,897 勘太! 261 00:21:12,938 --> 00:21:15,841 熱いお方でやんしたね。 ええ。 262 00:21:15,841 --> 00:21:19,278 けれど 絵地図を預かって どうするんでげすか? 263 00:21:19,278 --> 00:21:23,616 明日にでも 甘利様にお見せしようと思ってね。 264 00:21:23,616 --> 00:21:29,321 濱島先生は この江戸の人たちのことを 考えているんだよ。 265 00:21:32,291 --> 00:21:37,163 今夜の料理は どれもおいしいですよ。 266 00:21:37,163 --> 00:21:42,935 それは… すべて おカネさんが作られたものです。 267 00:21:42,935 --> 00:21:45,638 えっ? 268 00:21:45,638 --> 00:21:50,509 私は 何度も やり直しをさせられて…。 269 00:21:50,509 --> 00:21:58,217 それだけじゃありません。 掃除や洗濯 すべて 駄目を出されました。 270 00:21:58,217 --> 00:22:02,588 ⚟(半鐘の音) 271 00:22:02,588 --> 00:22:07,459 また 火事のようですね。 272 00:22:07,459 --> 00:22:10,462 (半鐘の音) 273 00:22:10,462 --> 00:22:15,167 <江戸は火事が多く そのすべてが焼き払われる大火事も➡ 274 00:22:15,167 --> 00:22:19,471 40年に一度は起きていたのでございます> 275 00:22:23,876 --> 00:22:26,812 (甘利)新しい火除地か。 276 00:22:26,812 --> 00:22:33,285 わしも常々 考えてはおった。 この絵地図も よく出来ておる。 277 00:22:33,285 --> 00:22:38,157 だが 火除地にすべき場所には 商家や長屋が立ち並んでおる。 278 00:22:38,157 --> 00:22:42,962 立ち退きを命ずるには それ相応の手当てをせねばならん。 279 00:22:42,962 --> 00:22:47,299 それができぬため つい延び延びになって…。 280 00:22:47,299 --> 00:22:49,969 お金がないためですか? 281 00:22:49,969 --> 00:22:52,638 う~ん…。 282 00:22:52,638 --> 00:22:58,310 だが 三国屋の懐を 当てにしてよいのであれば➡ 283 00:22:58,310 --> 00:23:01,013 話は別だが…。 284 00:23:05,584 --> 00:23:08,587 <そして 数日後> 285 00:23:10,256 --> 00:23:18,130 長雨が続くと思ったら 今度は 相次ぐ付け火か。 286 00:23:18,130 --> 00:23:22,601 物騒な世の中だのう。 287 00:23:22,601 --> 00:23:24,937 だが 安心せい。 288 00:23:24,937 --> 00:23:29,808 甘利様のご上申で 上様のお許しを得て➡ 289 00:23:29,808 --> 00:23:34,513 江戸の町に新たなる火除地を造ることと 相成った。 290 00:23:40,286 --> 00:23:42,955 どうかしましたか? 291 00:23:42,955 --> 00:23:48,661 付け火と火除地。 何か裏があるんじゃねえかとな。 292 00:23:50,829 --> 00:23:55,534 じゃあ 私は これで失礼します。 293 00:23:55,534 --> 00:23:59,305 あの野郎 最近 同心の仕事を なめてやがるな…! 294 00:23:59,305 --> 00:24:01,573 おい ハチマキ! はい! 295 00:24:01,573 --> 00:24:03,509 誰だ? 296 00:24:03,509 --> 00:24:07,246 このたび お取り立てとなった 粽 三郎でございます。 297 00:24:07,246 --> 00:24:11,583 旗本に婿入りした玉木の代わりに入った 新入りです。 298 00:24:11,583 --> 00:24:13,519 はい! ぴっかぴかの。 299 00:24:13,519 --> 00:24:16,455 そんなこと分かってんだよ! 300 00:24:16,455 --> 00:24:18,457 タマキだとか チマキだとか➡ 301 00:24:18,457 --> 00:24:20,592 ややこしいったらありゃしない まったく! 302 00:24:20,592 --> 00:24:23,262 くっそ! ハチマキ! はい…? 303 00:24:23,262 --> 00:24:25,564 だから 「八巻」です! 304 00:24:28,133 --> 00:24:32,938 どうでしょう? そのお金を三国屋が出すというのは。 305 00:24:32,938 --> 00:24:38,610 (おカネ)結構な話やな。 江戸の弱みは火事さ。 306 00:24:38,610 --> 00:24:44,483 けれど 火除地が整えば まずは安心して商いすることができる。 307 00:24:44,483 --> 00:24:52,624 そうなれば 売り買いが盛んになり 三国屋は ますます儲かりまっせ! 308 00:24:52,624 --> 00:24:55,294 さすが 叔母様。 309 00:24:55,294 --> 00:24:57,963 なんぼかかっても かめへんで。 310 00:24:57,963 --> 00:25:03,769 はい。 費用は この三国屋が用立てると お返事しておきました。 311 00:25:03,769 --> 00:25:12,244 さすがは卯之吉だ! 考えてることは私と同じだったんだね! 312 00:25:12,244 --> 00:25:16,115 (小声で)若旦那は 何も考えてねえと思いやすが…。 313 00:25:16,115 --> 00:25:20,586 (小声で)おカネ様にかかっては ご老中も形なし…。 314 00:25:20,586 --> 00:25:22,521 (小声で) いかようにも料理して➡ 315 00:25:22,521 --> 00:25:25,257 うまみを吸い取ろうとしているに 違いありやせんね。 316 00:25:25,257 --> 00:25:27,593 聞こえてるよ。 317 00:25:27,593 --> 00:25:30,295 (小声で)地獄耳でげす…。 318 00:25:33,465 --> 00:25:40,172 <そして また 江戸の町に 火の手が上がったのでございます> 319 00:25:40,172 --> 00:25:45,144 (半鐘の音) 320 00:25:45,144 --> 00:25:49,281 またか! 何ということに…。 321 00:25:49,281 --> 00:25:51,984 まさか…。 322 00:25:55,154 --> 00:25:59,925 火事で焼き出された商家の沽券を 買い取ってまいりました。 323 00:25:59,925 --> 00:26:03,929 もちろん 安値で。 324 00:26:05,564 --> 00:26:11,904 だが このままでは どこで足がつくか分からん。 325 00:26:11,904 --> 00:26:17,576 奉行所も血眼になっておるしのう。 326 00:26:17,576 --> 00:26:21,914 一度で済む大火事にならんものか。 327 00:26:21,914 --> 00:26:28,587 そうおっしゃるかと思い 日和見の達人を連れてまいりました。 328 00:26:28,587 --> 00:26:33,592 <「日和見」とは お天気の予想のことでございます> 329 00:26:38,597 --> 00:26:40,933 留蔵と申します。 330 00:26:40,933 --> 00:26:42,868 元は船頭をやっていて➡ 331 00:26:42,868 --> 00:26:47,806 風向きや雲の様子を見ると ぴたりと天気が分かってしまうそうで。 332 00:26:47,806 --> 00:26:49,942 ほう…。 333 00:26:49,942 --> 00:26:52,611 それと この腰➡ 334 00:26:52,611 --> 00:26:56,281 大風が吹く前は 決まって痛むんでさあ。 335 00:26:56,281 --> 00:27:00,986 そうかい。 頼りにしているよ。 336 00:27:04,890 --> 00:27:10,762 えっ? 一万三千両? そんな大金 いくら三国屋さんでも…。 337 00:27:10,762 --> 00:27:15,767 それが「たったそれだけかい?」ってね。 338 00:27:18,904 --> 00:27:22,774  回想 ご公儀は 見積もりが 甘いんじゃないのかね? 339 00:27:22,774 --> 00:27:26,778 へえ~…! 肝っ玉の据わっているお方ですね➡ 340 00:27:26,778 --> 00:27:32,084 そのおカネさん。 さすが おじい様の娘です。 341 00:27:35,254 --> 00:27:38,924 失礼いたしやす。 若旦那 客人が店のほうへ。 342 00:27:38,924 --> 00:27:42,227 それで こちらにお連れしました。 343 00:27:45,264 --> 00:27:48,167 濱島先生…。 夜分に恐れ入る。 344 00:27:48,167 --> 00:27:51,603 だが 憂慮すべき事態だと思いまして。 345 00:27:51,603 --> 00:27:54,306 どうぞ お入りください。 346 00:27:57,276 --> 00:28:01,547 大丈夫ですよ。 私が信用しているお人ですから。 347 00:28:01,547 --> 00:28:04,249 では…。 348 00:28:08,220 --> 00:28:11,557 この地図を もう一度 見てください。 349 00:28:11,557 --> 00:28:16,428 先生が考えた火除地ですね? はい。 350 00:28:16,428 --> 00:28:20,132 それと こちらが 連日の火事で焼かれた場所。 351 00:28:23,902 --> 00:28:28,240 ほとんど重なっておりやす。 本当だねえ。 352 00:28:28,240 --> 00:28:30,576 どういうことなんですか? 353 00:28:30,576 --> 00:28:34,446 この地図を見た者が 火をつけたとしか考えられない。 354 00:28:34,446 --> 00:28:39,585 この絵図面は 確かに ご老中の甘利様にお見せしました。 355 00:28:39,585 --> 00:28:43,455 けれど 火事は その前から起こっています。 356 00:28:43,455 --> 00:28:46,458 ほかにお見せになったお方は? 357 00:28:46,458 --> 00:28:52,931 幕閣の屋敷を 10軒ほど回り いくつか お預けしてきた所もある。 358 00:28:52,931 --> 00:28:57,236 じゃあ それを見た誰かが…。 359 00:29:04,543 --> 00:29:08,413 だとすると 何のために? 360 00:29:08,413 --> 00:29:11,416 丸焼けになれば土地の値が下がる。 361 00:29:11,416 --> 00:29:15,887 身代をなくした商人たちは 沽券を売り払おうとするはず。 362 00:29:15,887 --> 00:29:20,559 安い値で 沽券を買い集めることができるんだよ。➡ 363 00:29:20,559 --> 00:29:26,431 その後 火除地造りが公になる。 すると 沽券の値打ちは ぐんと上がる。 364 00:29:26,431 --> 00:29:30,569 新しい地主は 立ち退きで大儲けできる仕組みさ。 365 00:29:30,569 --> 00:29:33,905 もし それが本当だとしたら とんでもない悪だくみだ。 366 00:29:33,905 --> 00:29:37,576 江戸の暮らしを守るために 立案したというのに…。 367 00:29:37,576 --> 00:29:40,479 許せない。 368 00:29:40,479 --> 00:29:46,251 (風の音) 369 00:29:46,251 --> 00:29:51,123 何だか 胸騒ぎがしますねえ。 370 00:29:51,123 --> 00:29:55,260 強い風が吹く夜が危ない。 371 00:29:55,260 --> 00:30:01,933 けれど その風が いつ吹くかなんて 分かりっこねえでげす。 372 00:30:01,933 --> 00:30:05,604 あっ そうだ…。 373 00:30:05,604 --> 00:30:14,946 ♬~ 374 00:30:14,946 --> 00:30:19,284 (銀八)気をつけてくださいよ! 375 00:30:19,284 --> 00:30:23,155 旦那! 何してんです? そんな危ないことを! 376 00:30:23,155 --> 00:30:25,957 風向きを調べてるんでげす。 377 00:30:25,957 --> 00:30:32,297 ♬~ 378 00:30:32,297 --> 00:30:35,200 じゃあ 何ですかい? その どこかの悪党が➡ 379 00:30:35,200 --> 00:30:38,637 己の私利私欲のために 火をつけてやがると? 380 00:30:38,637 --> 00:30:43,642 ええ そのようです。 何としても やめさせなければ。 381 00:30:48,980 --> 00:30:51,283 おや…? 382 00:30:58,323 --> 00:31:03,595 いけない! これから北風が吹き荒れる。 付け火をするには うってつけの日です。 383 00:31:03,595 --> 00:31:06,932 親分! 野郎どもを集めろい! へい! 384 00:31:06,932 --> 00:31:21,480 ♬~ 385 00:31:21,480 --> 00:31:27,486 ハハハ…! どうです? 当たったでしょう? 386 00:31:30,622 --> 00:31:37,963 この広い江戸 どこに火をつけるかなど 分かるものではないわ。 387 00:31:37,963 --> 00:31:43,301 ♬~ 388 00:31:43,301 --> 00:31:46,972 さあ 今宵も派手にやっておくれ。 389 00:31:46,972 --> 00:31:48,907 へい! 390 00:31:48,907 --> 00:32:01,253 ♬~ 391 00:32:01,253 --> 00:32:03,188 ⚟(荒海)そこまでだ! 392 00:32:03,188 --> 00:32:07,926 悪党ども! みんな ちゃんと見ていたぜ。 393 00:32:07,926 --> 00:32:09,861 誰だ? てめえら! 394 00:32:09,861 --> 00:32:12,798 悪党どもに名乗る名前なんざ 持ち合わせちゃいねえ! 395 00:32:12,798 --> 00:32:17,269 …と言いてえところだが 冥土の土産に教えてやる! 396 00:32:17,269 --> 00:32:21,940 いいか? よく聞け! こちらにいらっしゃるのは➡ 397 00:32:21,940 --> 00:32:27,279 南町奉行所同心 八巻卯之吉様だ! 398 00:32:27,279 --> 00:32:29,214 ああっ…! 399 00:32:29,214 --> 00:32:34,619 剣豪同心? (荒海)そして 俺は その一の子分➡ 400 00:32:34,619 --> 00:32:39,958 荒海ノ三右衛門だ! 401 00:32:39,958 --> 00:32:41,893 ⚟やっちまえ! 402 00:32:41,893 --> 00:32:52,304 ♬~ 403 00:32:52,304 --> 00:32:54,973 卯之さん 持ってきたよ! 404 00:32:54,973 --> 00:32:57,876 油に水をかけると かえって燃え広がります。 405 00:32:57,876 --> 00:33:01,780 このぬれた筵をかぶせてください。 承知した! 406 00:33:01,780 --> 00:33:03,782 ああ~っ! 407 00:33:05,584 --> 00:33:09,588 うわあ~…! 筵を! 408 00:33:12,924 --> 00:33:17,229 さすが 旦那だ。 火消しの心得もおありなさるとは。 409 00:33:22,934 --> 00:33:26,805 八巻とは とんだ好敵手に巡り会えたわ。 410 00:33:26,805 --> 00:33:28,807 いざ 勝負! 411 00:33:34,946 --> 00:33:39,618 ああ~ またですかい…。 412 00:33:39,618 --> 00:33:45,290 <いつものことで 立ったまま気絶しているのでございます> 413 00:33:45,290 --> 00:33:49,961 隙だらけで これが 剣豪の技か…。 414 00:33:49,961 --> 00:33:53,265 くそ… こうなったら 正面から…! 415 00:33:57,836 --> 00:34:08,914 ♬~ 416 00:34:08,914 --> 00:34:12,617 早く 目 覚ましてくださいよ 若旦那…。 417 00:34:17,589 --> 00:34:19,524 どうなった…? 418 00:34:19,524 --> 00:34:22,460 終わりやした。 419 00:34:22,460 --> 00:34:24,462 おっ…。 420 00:34:27,599 --> 00:34:32,470 一足 遅うございましたね! すでに 片づけやした。 421 00:34:32,470 --> 00:34:37,943 それにしても さすが 旦那だ! 悪党どもの悪だくみなんざ➡ 422 00:34:37,943 --> 00:34:40,946 一切 お見通しだったってわけだ! 423 00:34:42,614 --> 00:34:46,284 ええい! 一人残らず 引っ立てい! 424 00:34:46,284 --> 00:34:55,593 今回もお見事 剣豪同心 八巻卯之吉 ここにありでございます~! 425 00:34:57,896 --> 00:35:01,766 あの… いや 何度見ても➡ 426 00:35:01,766 --> 00:35:04,569 ただ 突っ立ってるだけにしか 見えねえんですが…。 427 00:35:04,569 --> 00:35:10,241 ばか野郎! おめえには 旦那のすごさが分かんねえんだよ! 428 00:35:10,241 --> 00:35:12,177 すいやせん! 429 00:35:12,177 --> 00:35:19,884 ♬~ 430 00:35:30,562 --> 00:35:33,932 あの同心 八巻に知られるとは…! 431 00:35:33,932 --> 00:35:36,601 捕り方が 今にも押し寄せてくる! 早く逃げるんだよ! 432 00:35:36,601 --> 00:35:40,271 どこへです! あのお方の屋敷だ! 433 00:35:40,271 --> 00:35:43,174 あのお方のお指図で やったんだからね! 434 00:35:43,174 --> 00:35:45,176 ⚟(物音) 435 00:35:50,281 --> 00:35:52,584 誰だ? 436 00:36:00,892 --> 00:36:02,827 ⚟(弥助)うわ~! 437 00:36:02,827 --> 00:36:04,763 ⚟(八左衛門)うわっ…! 438 00:36:04,763 --> 00:36:22,047 ♬~ 439 00:36:23,915 --> 00:36:25,850 火付けの罪人たちが➡ 440 00:36:25,850 --> 00:36:30,588 讃岐屋の番頭の指図で 付け火をしていたと白状。 441 00:36:30,588 --> 00:36:34,259 悪事が公となった讃岐屋は 店を焼いたうえに➡ 442 00:36:34,259 --> 00:36:37,962 番頭もろとも火の中で果てました。 443 00:36:39,931 --> 00:36:42,934 これにて 一件落着か? 444 00:36:45,270 --> 00:36:48,940 どうした? 445 00:36:48,940 --> 00:36:53,278 讃岐屋一人のたくらみとは 思えませぬが…。 446 00:36:53,278 --> 00:37:01,286 ♬~ 447 00:37:10,228 --> 00:37:16,101 よかったですねえ 身内の方が引き取りに来てくれて。 448 00:37:16,101 --> 00:37:18,103 ええ。 449 00:37:18,103 --> 00:37:23,775 ですが 笑顔が戻ったのは あなたのおかげです。 450 00:37:23,775 --> 00:37:26,578 ただの手品ですよ。 451 00:37:26,578 --> 00:37:29,481 私は 心得違いをしていた。 452 00:37:29,481 --> 00:37:34,452 商人というだけで あなたを見下していた。 453 00:37:34,452 --> 00:37:36,588 お許しください。 454 00:37:36,588 --> 00:37:41,926 そんな…! 私などに…。 いえ 今回の件でも世話になって。 455 00:37:41,926 --> 00:37:47,265 南町奉行所に知らせてくれたおかげで 大火が未然に防げたのです。 456 00:37:47,265 --> 00:37:50,168 それは まあ…。 457 00:37:50,168 --> 00:37:52,871 そこが仕事場でやんすからね…。 458 00:37:55,140 --> 00:37:58,877 私が目指すのは みんなの幸せです。 459 00:37:58,877 --> 00:38:03,748 それぞれが懸命に働けば 貧乏も金持ちもない。 460 00:38:03,748 --> 00:38:06,551 そんな世の中をつくり上げたい。 461 00:38:06,551 --> 00:38:09,254 そうは思いませんか? 462 00:38:11,222 --> 00:38:13,892 分からないんですよ。 463 00:38:13,892 --> 00:38:19,597 だって 私は 貧乏ってのを知りませんからねえ。 464 00:38:21,566 --> 00:38:28,239 ハハハハ…! 面白いお人だ 三国屋の若旦那は。 465 00:38:28,239 --> 00:38:31,142 卯之吉でいいですよ。 466 00:38:31,142 --> 00:38:37,582 じゃあ 卯之吉さん。 はい。 467 00:38:37,582 --> 00:38:42,587 ご気性は まるっきり違うが 馬が合うようでござんすね。 468 00:38:44,923 --> 00:38:50,595 <そして こちらは 尾張徳川家 江戸屋敷> 469 00:38:50,595 --> 00:38:54,933 讃岐屋が燃えて 八左衛門と番頭は焼死。 470 00:38:54,933 --> 00:38:59,804 我ら尾張家がひそかに図ってやった便宜も 無駄となり申した。 471 00:38:59,804 --> 00:39:07,879 讃岐屋の悪事が露見したにもかかわらず 当家に累が及ばずに済んだのだ。 472 00:39:07,879 --> 00:39:13,585 それを思えば 痛くもかゆくもないわ。 473 00:39:20,458 --> 00:39:22,760 入れ。 474 00:39:30,568 --> 00:39:33,471 (坂田)大儀であった。 475 00:39:33,471 --> 00:39:35,473 あい。 476 00:39:40,578 --> 00:39:43,481 板の目に沿って拭く! 477 00:39:43,481 --> 00:39:45,450 敷居も忘れず拭く! 478 00:39:45,450 --> 00:39:47,919 何べん言うても でけへんな! 479 00:39:47,919 --> 00:39:50,255 はい! 480 00:39:50,255 --> 00:39:53,925 叔母様 お手柔らかに…。 481 00:39:53,925 --> 00:39:58,796 これは お前の母親代わりとしての 私の務めだ! 482 00:39:58,796 --> 00:40:04,569 どうあっても 私の眼鏡にかなってもらうよ。 483 00:40:04,569 --> 00:40:10,475 そうでないと 卯之吉の嫁として 認めるわけにはいかないよ。➡ 484 00:40:10,475 --> 00:40:12,777 ええな? 485 00:40:17,949 --> 00:40:20,652 若旦那…。 486 00:40:23,821 --> 00:40:26,824 <卯之吉も お手上げ> 487 00:40:30,962 --> 00:40:32,964 <次回は…> 488 00:40:34,832 --> 00:40:37,835 あれは 偽の台帳だというのじゃ。 489 00:40:37,835 --> 00:40:41,306 思わぬ障りが及びかねません。 490 00:40:41,306 --> 00:40:43,975 嫌な予感しかしない。 ちくしょう! 491 00:40:43,975 --> 00:40:46,878 この件には首を突っ込むなとさ。 492 00:40:46,878 --> 00:40:50,648 ああ~ 駄目でげす…。 493 00:40:50,648 --> 00:42:11,929 ♬~ 494 00:42:11,929 --> 00:42:19,270 ♬~ 495 00:42:19,270 --> 00:42:54,272 ♬~