1 00:00:05,606 --> 00:00:11,278 ♬~ 2 00:00:11,278 --> 00:00:14,948 <闇に舞うお金。➡ 3 00:00:14,948 --> 00:00:19,953 そして こちらは 卯之吉の叔母のおカネでございます> 4 00:00:23,957 --> 00:00:25,893 (美鈴)ああっ…! 5 00:00:25,893 --> 00:00:27,895 ああ~…。 6 00:00:32,299 --> 00:00:35,969 (おカネ)あ~あ…! また やっちまったねえ。 7 00:00:35,969 --> 00:00:40,641 干物 焼くときは いつも気に留めてなあかんて言うたやろ。 8 00:00:40,641 --> 00:00:43,544 もう ほんまに あほやな。 9 00:00:43,544 --> 00:00:46,313 申し訳ございません…。 あかん あかん! 10 00:00:46,313 --> 00:00:50,984 みそ汁が噴いてる。 風味がなくなる! ああ~…。 11 00:00:50,984 --> 00:00:54,321 もう 何べん言うたら分かるんや! 12 00:00:54,321 --> 00:00:56,256 すみません…。 13 00:00:56,256 --> 00:01:00,594 何やらしてもあかんな。 申し訳ございません。 14 00:01:00,594 --> 00:01:05,299 鬼姫とまでいわれる 剣の達人の 美鈴さんが…。 15 00:01:06,934 --> 00:01:10,604 <これまで 美鈴は 幾たびも敵に立ち向かい➡ 16 00:01:10,604 --> 00:01:14,942 その腕で 卯之吉の窮地を 救ってきたのでございます。➡ 17 00:01:14,942 --> 00:01:17,844 その活躍ぶりを数えれば もちろん➡ 18 00:01:17,844 --> 00:01:22,849 何をやらせても駄目だと言われる筋合いは ございません> 19 00:01:25,953 --> 00:01:28,288 (あくび) 20 00:01:28,288 --> 00:01:31,959 若旦那! なんとかしてあげないと…。 21 00:01:31,959 --> 00:01:35,295 どうしたんだい? ⚟(荒海ノ三右衛門)旦那!➡ 22 00:01:35,295 --> 00:01:37,965 朝早くから ごめんなすって! 23 00:01:37,965 --> 00:01:42,636 <こちらは 泣く子も黙る荒海の大親分> 24 00:01:42,636 --> 00:01:45,339 これをご覧くだせえ。 25 00:01:47,507 --> 00:01:51,311 (荒海)今 世間をにぎわせてる 世直し衆とやらで➡ 26 00:01:51,311 --> 00:01:54,982 貧乏な者たちに小判を恵んでるんでさあ。 27 00:01:54,982 --> 00:01:57,884 粋なことをするもんだねえ。 28 00:01:57,884 --> 00:02:02,589 でも 大店から盗んだ金を ばらまいてるんでげしょ? 29 00:02:05,258 --> 00:02:08,929 (荒海)何を考えているんだか…。 30 00:02:08,929 --> 00:02:12,933 さあさあ やっと 朝ごはんが出来ましたよ。 31 00:02:19,573 --> 00:02:22,576 いただきます。 32 00:02:24,945 --> 00:02:28,615 (おカネ)味は どうだい? 33 00:02:28,615 --> 00:02:30,951 おいしいですよ。 34 00:02:30,951 --> 00:02:34,621 そりゃあ 私が手ほどきしたからねえ。 35 00:02:34,621 --> 00:02:37,524 この味が出せるまでには まだまだ修業しないと。 36 00:02:37,524 --> 00:02:41,962 あとは 掃除 洗濯 家計のやりくり。 37 00:02:41,962 --> 00:02:44,865 あっ 算盤はできるんだろうね? 38 00:02:44,865 --> 00:02:48,635 いえ できません…。 39 00:02:48,635 --> 00:02:50,971 何だって? 40 00:02:50,971 --> 00:02:55,642 卯之吉の嫁になるかもしれない っていうのにかい? 41 00:02:55,642 --> 00:02:59,312 申し訳ございません…。 42 00:02:59,312 --> 00:03:02,582 (小声で)もう 嫁いびりでげす。 (小声で)本当だな。 43 00:03:02,582 --> 00:03:04,918 (おカネ)聞こえてるよ。 44 00:03:04,918 --> 00:03:09,256 腹はすいているが このまま退散することにいたそう。 45 00:03:09,256 --> 00:03:11,591 ああ。 また こっぴどく こき使われたら➡ 46 00:03:11,591 --> 00:03:14,294 たまったもんじゃないからね。 47 00:03:18,265 --> 00:03:22,969 <今日も我関せずの卯之吉でございます> 48 00:03:37,951 --> 00:03:45,625 (菊野)枡家さんと福よしさん しばらく お店を休むそうですね。 49 00:03:45,625 --> 00:03:50,497 (万吉)うちの花筏も 客足が ますます 遠のいちまって。 50 00:03:50,497 --> 00:03:56,636 こうやって 売れっ子芸者の 菊野姐さんと茶を挽くなんて…➡ 51 00:03:56,636 --> 00:04:00,507 嫌になっちまうぜ。 フフッ…。 52 00:04:00,507 --> 00:04:02,442 <「茶を挽く」とは➡ 53 00:04:02,442 --> 00:04:07,147 「暇を持て余している」 という意味でございます> 54 00:04:08,915 --> 00:04:11,585 いつまでも降り続く雨じゃあるまいし➡ 55 00:04:11,585 --> 00:04:15,455 この不景気だって そう長く続くはずはない。 56 00:04:15,455 --> 00:04:18,258 今は じっと辛抱のときですよ。 57 00:04:18,258 --> 00:04:24,131 そうだねえ…。 けど その辛抱が いつまでもつか。 58 00:04:24,131 --> 00:04:27,267 こういうときのために➡ 59 00:04:27,267 --> 00:04:31,938 旦那が講元として仕切ってる あれがあるじゃござんせんか。 60 00:04:31,938 --> 00:04:35,275 頼母子講が。 61 00:04:35,275 --> 00:04:39,146 <「頼母子講」とは 講に加入した者たちが➡ 62 00:04:39,146 --> 00:04:41,615 毎月 金を積み立て➡ 63 00:04:41,615 --> 00:04:44,518 商売で損をしたときに融通し合う➡ 64 00:04:44,518 --> 00:04:47,487 保険のようなものでございます。➡ 65 00:04:47,487 --> 00:04:50,624 実は ご法度でございましたが➡ 66 00:04:50,624 --> 00:04:54,961 お上は黙認しておりました> 67 00:04:54,961 --> 00:04:57,631 それなんだが…➡ 68 00:04:57,631 --> 00:05:02,469 今日は そのことで頼みがあってね。 69 00:05:02,469 --> 00:05:05,906 頼み? 70 00:05:05,906 --> 00:05:11,244 今は この不景気で 借り逃げする者も多い。 71 00:05:11,244 --> 00:05:16,116 このままでは 約束の割り戻しもできやしないんだよ。 72 00:05:16,116 --> 00:05:19,586 そこでだ…。 73 00:05:19,586 --> 00:05:25,258 三国屋の若旦那に 講の金主になってもらえないか➡ 74 00:05:25,258 --> 00:05:28,595 姐さんから頼んでほしいんだよ。 75 00:05:28,595 --> 00:05:32,599 困りましたね。 76 00:05:37,938 --> 00:05:41,241 <その夜のことでございます> 77 00:05:42,809 --> 00:05:46,112 (ため息) 78 00:05:48,582 --> 00:05:50,951 ⚟(物音) 79 00:05:50,951 --> 00:05:52,953 誰だ!? 80 00:05:54,621 --> 00:05:56,556 ♬~ 81 00:05:56,556 --> 00:05:58,959 金ならないぞ! 82 00:05:58,959 --> 00:06:06,233 金など要らぬ。 まろが欲しいのは…➡ 83 00:06:06,233 --> 00:06:09,569 別のものでおじゃる。 84 00:06:09,569 --> 00:06:11,571 (万吉)ううっ…! 85 00:06:23,583 --> 00:06:26,486 (村田銕三郎)一刀両断だな。 86 00:06:26,486 --> 00:06:30,190 よほど腕の立つやつですね。 87 00:06:31,925 --> 00:06:34,628 あれ? 88 00:06:37,264 --> 00:06:39,599 どうした? 89 00:06:39,599 --> 00:06:43,470 この刀傷 どこかで…。 90 00:06:43,470 --> 00:06:45,772 何!? 91 00:06:53,146 --> 00:07:00,153 <そして こちらでは 大奥から 一人のお局様が おでましでございました> 92 00:07:05,225 --> 00:07:11,898 甘利殿。 今日 こちらに参ったのは ほかでもない。 93 00:07:11,898 --> 00:07:17,237 わらわの耳に ようない話がおじゃってなあ。 94 00:07:17,237 --> 00:07:21,574 はて 一体 何事でございましょう? 95 00:07:21,574 --> 00:07:28,448 これから申すことは 上様の ご内意であらっしゃります。 96 00:07:28,448 --> 00:07:35,121 それゆえ なんとしても うまく収めていただきたい。 97 00:07:35,121 --> 00:07:40,593 さもなくば あなた様にも➡ 98 00:07:40,593 --> 00:07:44,597 思わぬ障りが及びかねません。 99 00:07:48,468 --> 00:07:54,140 じゃあ 頼母子講の金主の一人が 秋月ノ局様? 100 00:07:54,140 --> 00:07:56,609 (沢田彦太郎)いかにも。➡ 101 00:07:56,609 --> 00:08:00,880 秋月ノ局様は ただのお局様ではない。➡ 102 00:08:00,880 --> 00:08:04,551 御台所様と一緒に京から下って参られた➡ 103 00:08:04,551 --> 00:08:09,889 さる やんごとなきお公家様の 姫君なのだ。➡ 104 00:08:09,889 --> 00:08:13,226 ご実家より持参した金子を 江戸で動かし➡ 105 00:08:13,226 --> 00:08:16,129 利を得ようとしてたらしい。 106 00:08:16,129 --> 00:08:18,565 裏にお公家様がいたんじゃ➡ 107 00:08:18,565 --> 00:08:21,901 お奉行所も おいそれと お取り締まりはできやせんでげしょうね。 108 00:08:21,901 --> 00:08:26,239 まったく 好き放題じゃ。 109 00:08:26,239 --> 00:08:28,908 頭が痛いことよ。 110 00:08:28,908 --> 00:08:32,779 それで どうして 甘利様がお困りに? 111 00:08:32,779 --> 00:08:35,248 そこよ。 112 00:08:35,248 --> 00:08:44,591 秋月ノ局様がつぎ込んだ金を 利益を添えて取り返せと命じられたんだ。 113 00:08:44,591 --> 00:08:48,261 甘利様の首にかけてな。 114 00:08:48,261 --> 00:08:50,597 そこでだ…! 115 00:08:50,597 --> 00:08:52,899 妙案を思いついた。 116 00:08:56,469 --> 00:09:01,875 よいか。 その金を三国屋が用立てるのじゃ。 117 00:09:01,875 --> 00:09:05,545 えっ? 「えっ?」じゃない。 118 00:09:05,545 --> 00:09:10,250 おぬしを同心としたのは誰だ? このわしであろう。 119 00:09:11,885 --> 00:09:17,757 卯之さん。 私も 亡くなった 花筏の旦那さんに頼まれてたんです。 120 00:09:17,757 --> 00:09:22,896 その金主に 卯之さんになってもらえないかって。 121 00:09:22,896 --> 00:09:28,768 そなたが 「うん」と言えば 金は いくらでも出せるであろうが…! 122 00:09:28,768 --> 00:09:33,907 私も 甘利様のためにもと思うのですが➡ 123 00:09:33,907 --> 00:09:37,243 実は その…。 124 00:09:37,243 --> 00:09:41,114 何だ? 何か 不都合なことでもあるのか? 125 00:09:41,114 --> 00:09:45,118 足跡は お店者のものじゃなかった。 126 00:09:45,118 --> 00:09:47,253 押し込みに違えねえ。 127 00:09:47,253 --> 00:09:49,589 早速 何か見たやつがいねえかどうか 調べろ。 128 00:09:49,589 --> 00:09:52,258 (一同)はい! (尾上)お待ちください! 129 00:09:52,258 --> 00:09:55,929 お調べは中止です! 何? 沢田様のご命令です。 130 00:09:55,929 --> 00:09:59,265 どういうことだ!? いや ですから…。 131 00:09:59,265 --> 00:10:01,201 おい そういや ハチマキは? 132 00:10:01,201 --> 00:10:04,938 はい! 何でしょう? お前は チマキだろうが! 133 00:10:04,938 --> 00:10:07,841 ハチマキは どこ行きやがった? (尾上)「八巻」です! 134 00:10:07,841 --> 00:10:11,611 それが 今日は 別件があるから休むと。 135 00:10:11,611 --> 00:10:15,615 あの野郎 また 勝手なことを…! 136 00:10:20,620 --> 00:10:24,290 ⚟(笹月文吾)おう! 南の村田さんじゃねえか。 137 00:10:24,290 --> 00:10:26,960 何だい 不機嫌そうだな。 138 00:10:26,960 --> 00:10:29,629 調べが 中止になったんだよ。 139 00:10:29,629 --> 00:10:34,300 ああ… 北も同じだ。 お奉行からお指図があった。 140 00:10:34,300 --> 00:10:36,236 この件には首を突っ込むなとさ。 141 00:10:36,236 --> 00:10:40,974 ご大層なご身分の方が 関わってるようだな。 142 00:10:40,974 --> 00:10:44,310 町方風情じゃ どうしようもねえ。 手を引くこった。 143 00:10:44,310 --> 00:10:46,646 ちくしょう! 144 00:10:46,646 --> 00:10:50,316 世直しなんぞとほざきやがる 盗人もいるってのによ。 145 00:10:50,316 --> 00:10:53,987 なんとしても そっちを とっ捕まえてやる! 146 00:10:53,987 --> 00:10:56,890 そう かっかせずによ たまには 一杯やらねえか? 147 00:10:56,890 --> 00:10:58,892 そんな気分じゃねえよ! 148 00:11:22,949 --> 00:11:25,652 まもなくお見えになります。 149 00:11:28,821 --> 00:11:32,292 (沢田)そんな叔母など わしが びしっと言ってやるわ。 150 00:11:32,292 --> 00:11:34,994 頼もしいでげす。 151 00:11:40,967 --> 00:11:45,838 南町奉行所内与力 沢田彦太郎である。 152 00:11:45,838 --> 00:11:50,543 今日は そちに ある件を 申しつけに参った。 153 00:11:53,546 --> 00:11:59,319 随分 立派になったねえ 彦坊。 154 00:11:59,319 --> 00:12:03,590 えっ? 忘れたのかい? 155 00:12:03,590 --> 00:12:07,594 カネ。 カネだよ。 156 00:12:10,263 --> 00:12:13,600 まさか… おカネちゃん? 157 00:12:13,600 --> 00:12:16,936 (おカネ)その まさかだよ。 158 00:12:16,936 --> 00:12:26,613 へえ~! あの彦坊が 町奉行所の内与力様とはねえ! 159 00:12:26,613 --> 00:12:29,515 叔母様 ご存じなので…? 160 00:12:29,515 --> 00:12:36,956 娘時分に行儀見習いとして 彦坊のお屋敷に ご奉公してたのさ。 161 00:12:36,956 --> 00:12:42,295 彦坊は お父上に叱られるたんびに めそめそしてね。 162 00:12:42,295 --> 00:12:46,966 そんな泣き虫でどうするの! って いつも慰めてたんだよ。 163 00:12:46,966 --> 00:12:49,636 覚えてるかい? えっ… いや…。 164 00:12:49,636 --> 00:12:52,538 分かりません。 ええ~? 165 00:12:52,538 --> 00:12:58,978 で その彦坊が私に何を申しつけるって? 166 00:12:58,978 --> 00:13:02,582 いや… そんな めっそうもない。 167 00:13:02,582 --> 00:13:06,252 (小声で)ただ お力をお借りしたい…。 168 00:13:06,252 --> 00:13:09,589 ちっちゃくて聞こえないよ。 169 00:13:09,589 --> 00:13:12,258 はっきりおっしゃいな! 170 00:13:12,258 --> 00:13:14,594 はい! 171 00:13:14,594 --> 00:13:17,597 駄目でげす…。 172 00:13:19,265 --> 00:13:23,136 ハハハハ…! (荒海)泣き虫の彦坊とはね ハハ…! 173 00:13:23,136 --> 00:13:25,138 こりゃいいや。 174 00:13:25,138 --> 00:13:27,940 それで 用立てることになったんですかい? 175 00:13:27,940 --> 00:13:32,612 ええ。 用立てるのは いいんだけどねえ…。 176 00:13:32,612 --> 00:13:36,949  回想 こっちは金貸しだ。 なんぼでも用意します。 177 00:13:36,949 --> 00:13:39,652 奉行所が踏み倒すとも思えんしな。 178 00:13:42,288 --> 00:13:45,625 で いくらだい? 179 00:13:45,625 --> 00:13:50,496 それが その… 額を書き込んである台帳が➡ 180 00:13:50,496 --> 00:13:53,299 まだ見つからなくて いくらかは…。 181 00:13:53,299 --> 00:13:55,601 何しに来たんだい? 182 00:13:58,638 --> 00:14:01,908 それがないと 元手がいくらだったのか➡ 183 00:14:01,908 --> 00:14:05,578 年に どれくらいの割り戻しがあるかが 分からないので➡ 184 00:14:05,578 --> 00:14:08,247 貸そうにも貸せなくてねえ。 185 00:14:08,247 --> 00:14:11,584 それで その台帳を見つけろと? 186 00:14:11,584 --> 00:14:15,922 ええ。 盗まれたのは間違いないよ。 187 00:14:15,922 --> 00:14:17,857 どうして 分かるんで? 188 00:14:17,857 --> 00:14:23,262 文机の上には 斬り殺された 万吉さんの血が飛び散っていたんだが➡ 189 00:14:23,262 --> 00:14:26,165 その血が かかっていない所があったんだよ。 190 00:14:26,165 --> 00:14:28,601 そこに台帳があったはずだよ。 191 00:14:28,601 --> 00:14:31,270 さすが 旦那だ…! 192 00:14:31,270 --> 00:14:37,143 分かりやした。 この三右衛門が 必ず 捜してご覧に入れやしょう。 193 00:14:37,143 --> 00:14:39,946 行くぞ! へい! 194 00:14:39,946 --> 00:14:42,281 ご苦労さまでございます。 195 00:14:42,281 --> 00:14:44,984 あれ? 196 00:14:47,153 --> 00:14:50,456 ところで 美鈴様は? 197 00:14:52,625 --> 00:14:56,963 まさか しごきに耐えかねて家出? 198 00:14:56,963 --> 00:15:08,908 ♬~ 199 00:15:08,908 --> 00:15:11,577 どうも ありがとうございました。 200 00:15:11,577 --> 00:15:16,916 ♬~ 201 00:15:16,916 --> 00:15:19,585 (かしわ手) 202 00:15:19,585 --> 00:15:26,926 何とぞ 料理 掃除 裁縫が 得意となりますように。 203 00:15:26,926 --> 00:15:30,596 あと 算盤も…。 204 00:15:30,596 --> 00:15:34,600 <なんとも けなげでございます> 205 00:15:36,269 --> 00:15:40,606 今日も どのお偉方も 会ってはくださいませんでした。 206 00:15:40,606 --> 00:15:44,477 これ以上 訪ね歩いても 無駄なのでは? 207 00:15:44,477 --> 00:15:46,946 (濱島与右衛門)今の江戸を 何としても救わねばならん。 208 00:15:46,946 --> 00:15:49,282 その良き案は すでに考えてある。 209 00:15:49,282 --> 00:15:53,986 力のあるお方に ぜひにでも 聞いていただかなければならぬのだ。 210 00:15:55,621 --> 00:16:01,427 ♬~ 211 00:16:01,427 --> 00:16:05,431 うわ~…! 待て~! 212 00:16:05,431 --> 00:16:12,905 (泣き声) 213 00:16:12,905 --> 00:16:17,243 おい ほれ 立てるか? 214 00:16:17,243 --> 00:16:20,580 もう大丈夫。 215 00:16:20,580 --> 00:16:22,515 パンパンパン…。 216 00:16:22,515 --> 00:16:25,918 パンパンパン…。 フフフ…! 217 00:16:25,918 --> 00:16:29,789 女子か? 218 00:16:29,789 --> 00:16:32,792  回想 母上! 219 00:16:32,792 --> 00:16:36,262 あらあら…。 220 00:16:36,262 --> 00:16:39,932 おいで。 よいしょ…。 221 00:16:39,932 --> 00:16:42,635 もう大丈夫。 222 00:16:46,606 --> 00:16:49,308 ⚟先生! 223 00:16:50,943 --> 00:16:53,613 尾張大納言様のお屋敷から使いの者が。 224 00:16:53,613 --> 00:16:55,548 何? 225 00:16:55,548 --> 00:16:58,284 ついてねえぜ おい…。 226 00:16:58,284 --> 00:17:00,219 てめえ いかさましてんじゃねえだろうな。 227 00:17:00,219 --> 00:17:05,558 (荒海)花筏の主人を殺し 台帳を盗んだのは てめえらだな? 228 00:17:05,558 --> 00:17:08,461 ああ…? 一体 何のことだ!? 229 00:17:08,461 --> 00:17:10,897 野郎…! 230 00:17:10,897 --> 00:17:12,899 うわっ…! 231 00:17:23,476 --> 00:17:26,245 ありやした。 (荒海)よ~し…! 232 00:17:26,245 --> 00:17:28,180 こいつら 番所に突き出せ! 233 00:17:28,180 --> 00:17:33,586 待ってくれ 親分。 それは知らねえやつから買い取ったんだ。 234 00:17:33,586 --> 00:17:37,256 うそなら もう少し まともなうそ つきやがれ! 235 00:17:37,256 --> 00:17:39,258 行け! 236 00:17:47,900 --> 00:17:52,805 よくやった。 早速 甘利様にお届けしよう。 237 00:17:52,805 --> 00:17:58,811 沢田様のためじゃございやせん。 八巻の旦那の手柄にしておくんなせえ。 238 00:18:01,447 --> 00:18:05,418 何だと? 伺いやしたよ。 239 00:18:05,418 --> 00:18:09,121 泣き虫の彦坊ですって? 240 00:18:14,560 --> 00:18:20,433 <こちらは 徳川御三家 尾張家の江戸屋敷でございます> 241 00:18:20,433 --> 00:18:23,903 (坂田正重)なるほどのう。 242 00:18:23,903 --> 00:18:28,574 いや 実に よく考えておる。 感心いたした。 243 00:18:28,574 --> 00:18:31,477 はっ。 恐れ入ります。 244 00:18:31,477 --> 00:18:35,247 今 江戸には 千を超える数の民が➡ 245 00:18:35,247 --> 00:18:39,585 公儀による救済を求めて押しかけておる。 246 00:18:39,585 --> 00:18:45,257 その者たちが求めるのは 住まいと仕事じゃ。 247 00:18:45,257 --> 00:18:50,129 そなたの案は この2つを与えるもの。 248 00:18:50,129 --> 00:18:55,267 まさに ご政道の根本となる策じゃ。 249 00:18:55,267 --> 00:19:01,073 わしは そなたのような者が現れるのを 待っておったのだ。 250 00:19:01,073 --> 00:19:03,075 ありがたきお言葉。 251 00:19:03,075 --> 00:19:07,780 私がお役に立つなら どんなご用命でも 承るつもりでございます。 252 00:19:13,552 --> 00:19:17,223 (坂田)ああいう正義を振りかざす者は➡ 253 00:19:17,223 --> 00:19:21,894 大義名分を与えれば 一生懸命 働く。 254 00:19:21,894 --> 00:19:26,599 所詮は 世間知らずの青二才。 255 00:19:28,234 --> 00:19:34,573 それで これは どうするでおじゃる? 256 00:19:34,573 --> 00:19:38,244 もう用はない。 257 00:19:38,244 --> 00:19:43,916 甘利め これで やつの信用は がた落ちよ。 258 00:19:43,916 --> 00:19:52,591 ♬~ 259 00:19:52,591 --> 00:19:58,264 ああ~… あれは 偽の台帳だというのじゃ。 260 00:19:58,264 --> 00:20:03,269 「南町奉行所と一緒に わらわを たばかるつもりか!」って…。 261 00:20:10,276 --> 00:20:13,179  回想 この帳簿は 偽もんじゃ。 262 00:20:13,179 --> 00:20:16,148 わらわが出した額とは異なっておる。 263 00:20:16,148 --> 00:20:20,920 利分も約束したもんと違うぞえ! 264 00:20:20,920 --> 00:20:23,289 申し訳ございませぬ…! 265 00:20:23,289 --> 00:20:25,958 平に… 平にお許しを。 266 00:20:25,958 --> 00:20:27,893 なんと…! 267 00:20:27,893 --> 00:20:33,299 (甘利)この世のものとは思えぬほどの 腹の立てよう。 268 00:20:33,299 --> 00:20:35,234 このままでは…。 269 00:20:35,234 --> 00:20:37,970 …と申しますと? 270 00:20:37,970 --> 00:20:40,306 我らの首も危ない。 271 00:20:40,306 --> 00:20:43,209 えっ? ま… まさか。 272 00:20:43,209 --> 00:20:46,178 御台所様より上様のお耳に➡ 273 00:20:46,178 --> 00:20:51,917 ご実家 少納言家よりは 帝のお耳にも…。 274 00:20:51,917 --> 00:20:56,655 そうなれば 我らは もう おしまいじゃ。 275 00:20:56,655 --> 00:21:01,494 そんなことになったら大変ですねえ。 276 00:21:01,494 --> 00:21:08,601 お前な…。 おぬしは 本当 気楽でいいな。 277 00:21:08,601 --> 00:21:12,938 わしも 大店の若旦那に 生まれたかった…! 278 00:21:12,938 --> 00:21:16,275 ですが いかほどの額をご用立てしたのか➡ 279 00:21:16,275 --> 00:21:19,178 割り戻しの利分は いくらだったのかを➡ 280 00:21:19,178 --> 00:21:22,148 お局さんにお聞きなされば済む話では? 281 00:21:22,148 --> 00:21:28,287 分かっておる! だが いつも 懐にしまわれているそうじゃ。 282 00:21:28,287 --> 00:21:30,623 もちろん 見せてなどはくれぬ。 283 00:21:30,623 --> 00:21:36,962  回想 甘利殿 そなたは 財布の中身を 見せてたもうと言われたら➡ 284 00:21:36,962 --> 00:21:40,833 言うがままに開いて見せやるのか? 285 00:21:40,833 --> 00:21:42,835 いやいや…! 286 00:21:42,835 --> 00:21:45,137 とんだご無礼を…! 287 00:21:46,972 --> 00:21:51,310 (甘利)またしても 鬼のようにお怒りじゃ。 288 00:21:51,310 --> 00:21:54,647 どうしたものか。 289 00:21:54,647 --> 00:22:03,255 ♬~ 290 00:22:03,255 --> 00:22:06,158 天は私を見放さなかった。 291 00:22:06,158 --> 00:22:08,594 これで この国を良くするための策を➡ 292 00:22:08,594 --> 00:22:12,464 尾張大納言様から 幕府に上申していただけます。 293 00:22:12,464 --> 00:22:15,267 それは よかったですねえ。 294 00:22:15,267 --> 00:22:18,604 「深川洲崎十万坪の湿地を 田んぼにしたい」。 295 00:22:18,604 --> 00:22:22,942 その素案をお見せしたら 尾張家附家老の坂田様も➡ 296 00:22:22,942 --> 00:22:25,844 大いに後押しすると 請け合ってくださいました。 297 00:22:25,844 --> 00:22:29,281 しかし あの辺りは ひどくぬかるんでおりやす。➡ 298 00:22:29,281 --> 00:22:31,951 下から水が湧いてくるんじゃ…。 299 00:22:31,951 --> 00:22:34,853 だから 水路を掘って 水を抜けばいいのです。 300 00:22:34,853 --> 00:22:39,291 そのために 西洋の 良い測量器を買うつもりです。 301 00:22:39,291 --> 00:22:44,630 江戸の町が広がれば 住む家も仕事も いくらでも増える。 302 00:22:44,630 --> 00:22:47,967 測量器ですか? はい。 303 00:22:47,967 --> 00:22:51,837 せんだっては 卯之吉さんたちが 話を聞いてくれたおかげで➡ 304 00:22:51,837 --> 00:22:55,641 この深川は火事にならずに済んだ。 305 00:22:55,641 --> 00:22:59,311 次は 私の出番です。 306 00:22:59,311 --> 00:23:03,916 そうなれば いいんでげすけどね…。 307 00:23:03,916 --> 00:23:06,819 何か あったのですか? 308 00:23:06,819 --> 00:23:09,588 実は…。 309 00:23:09,588 --> 00:23:13,892 怒ってらっしゃるのは 秋月ノ局様です。 310 00:23:15,461 --> 00:23:20,599 このままでは 上様 そして 帝のお耳にも入り➡ 311 00:23:20,599 --> 00:23:24,270 どんな災いが この深川に及ぶかも分かりません。 312 00:23:24,270 --> 00:23:28,607 だが それなら 借りた者たちに それぞれの証文を見せてもらい➡ 313 00:23:28,607 --> 00:23:30,943 もう一度 作り直せばよいのでは? 314 00:23:30,943 --> 00:23:34,280 (菊野)けれど 頼母子講は ご法度です。 315 00:23:34,280 --> 00:23:37,182 すんなりと差し出してくれるとは…。 316 00:23:37,182 --> 00:23:40,619 覚悟を持って伝えればよいのです。 317 00:23:40,619 --> 00:23:43,522 私も 何度も何度も大名家に通い➡ 318 00:23:43,522 --> 00:23:46,959 ようやく願いが聞き届けられたのです。 319 00:23:46,959 --> 00:23:50,296 なんとしても この深川を 救いたいというお気持ちがあれば➡ 320 00:23:50,296 --> 00:23:53,632 必ずや 相手の心にも届きましょう。 321 00:23:53,632 --> 00:23:56,936 大事なのは その思いです。 322 00:23:59,305 --> 00:24:01,907 (菊野)よく分かりました。 323 00:24:01,907 --> 00:24:06,612 あとは この菊野にお任せくださいまし。 324 00:24:08,580 --> 00:24:11,917 <そして 数日後…> 325 00:24:11,917 --> 00:24:15,621 ⚟何事だい? 私たちを集めて…。 326 00:24:17,790 --> 00:24:24,496 この菊野 一世一代のお願いがございます。 327 00:24:24,496 --> 00:24:30,936 亡くなった花筏の旦那さんが 講元でいらした 頼母子講のこと。 328 00:24:30,936 --> 00:24:35,808 南町奉行所のお指図で 盗まれた台帳を作り直すために➡ 329 00:24:35,808 --> 00:24:40,279 貸付証文をお借りしたく存じます。 330 00:24:40,279 --> 00:24:43,949 皆さんのお手元に大事に取ってあるはず。 331 00:24:43,949 --> 00:24:45,951 差し出してはもらえませんか? 332 00:24:47,619 --> 00:24:50,956 そんなことを言われてもね。 333 00:24:50,956 --> 00:24:55,627 自分たちの いわば 悪事の証拠を 差し出すってのは…。 334 00:24:55,627 --> 00:24:58,297 深川が危ないってときなんですよ! 335 00:24:58,297 --> 00:25:01,900 こればっかりは無理な話だ。 336 00:25:01,900 --> 00:25:04,570 悪いけど お断りするよ。 337 00:25:04,570 --> 00:25:08,273 そうですよね。 私も 御免こうむります。 338 00:25:10,242 --> 00:25:13,579 (菊野)何だい! 自分たちの都合ばかり。 339 00:25:13,579 --> 00:25:18,450 あたしゃね この深川が大好きなんですよ。 340 00:25:18,450 --> 00:25:21,253 深川が好きだから芸者をやってるんだ。 341 00:25:21,253 --> 00:25:24,156 皆さんも そうじゃござんせんか? 342 00:25:24,156 --> 00:25:28,127 なのに この深川のために なんとかしようって気持ちが➡ 343 00:25:28,127 --> 00:25:30,929 ないんですかい!➡ 344 00:25:30,929 --> 00:25:33,832 今は みんなが大変なとき。➡ 345 00:25:33,832 --> 00:25:38,270 みんなで力を合わせなきゃならないんだ! 346 00:25:38,270 --> 00:25:40,939 この深川を…➡ 347 00:25:40,939 --> 00:25:43,842 江戸に名高い この深川を➡ 348 00:25:43,842 --> 00:25:46,612 私たちが なんとかしなくて➡ 349 00:25:46,612 --> 00:25:49,615 一体 誰が守るっていうんですか! 350 00:25:51,283 --> 00:25:56,155 そうだね。 姐さんの言うとおりだ。 351 00:25:56,155 --> 00:25:59,958 万吉さんのためにも ここは 一つ➡ 352 00:25:59,958 --> 00:26:04,563 協力しましょうや! そうしましょう。 353 00:26:04,563 --> 00:26:09,568 皆さん 考え直してくれそうですねえ。 354 00:26:16,175 --> 00:26:19,912 これで もとの台帳が作れるよ。 355 00:26:19,912 --> 00:26:23,248 はい。 よかったでげす。 356 00:26:23,248 --> 00:26:28,587 あとは 秋月ノ局様の証文さえ手に入れば➡ 357 00:26:28,587 --> 00:26:31,256 本物の台帳と同じになるね。 358 00:26:31,256 --> 00:26:34,960 それでは ここからは私が…。 359 00:26:38,130 --> 00:26:43,836 <そして 大がかりな一芝居が 始まったのでございます> 360 00:26:56,281 --> 00:27:01,887 ほんに 楽しいお芝居でござりました。 幸千代君。 361 00:27:01,887 --> 00:27:09,761 日頃 大奥で 我が兄上に よく仕えてくれている ほんのお礼まで。 362 00:27:09,761 --> 00:27:15,434 <実は 秋月ノ局様は この幸千代君に誘い出され➡ 363 00:27:15,434 --> 00:27:20,239 芝居見物と しゃれ込んだのでございます。➡ 364 00:27:20,239 --> 00:27:26,545 もちろん この幸千代君は 卯之吉が 成り代わっております> 365 00:27:29,915 --> 00:27:33,252 ああ~… おいしい。 366 00:27:33,252 --> 00:27:37,122 趣向は まだまだ ご用意してありますよ。 367 00:27:37,122 --> 00:27:40,125 さあ! (手をたたく音) 368 00:27:42,261 --> 00:27:45,597 ⚟うわ~…! (秋月ノ局)いやあ~…! 369 00:27:45,597 --> 00:27:50,269 どれも 見事な逸品ばっかりやこと。 370 00:27:50,269 --> 00:27:52,938 すべて 京より取り寄せたもの。 371 00:27:52,938 --> 00:27:58,610 すでに お局様の寸法に合わせて お仕立てしてございます。 372 00:27:58,610 --> 00:28:03,448 お心遣い うれしゅうござりまする。 373 00:28:03,448 --> 00:28:06,218 懐かしや。 374 00:28:06,218 --> 00:28:10,222 ほんま 京に戻った気がいたしまする。 375 00:28:15,561 --> 00:28:18,864 お待たせいたしました。 376 00:28:22,234 --> 00:28:25,537 ⚟うわ~…! ⚟いい男。 377 00:28:27,105 --> 00:28:31,577 (由利之丞)本日は ようこそ おいでくださいました。 378 00:28:31,577 --> 00:28:35,881 なんと 見目麗しい。 379 00:28:42,220 --> 00:28:44,923 どうぞ ご一献。 380 00:28:51,263 --> 00:28:55,934 そなたは 先ほど 舞台に上がっておじゃった…。 381 00:28:55,934 --> 00:29:00,238 由利之丞でございます。 お局様 ごひいきに。 382 00:29:06,545 --> 00:29:09,881 ああ おいしい。 383 00:29:09,881 --> 00:29:13,218 幸千代君 そなたさんのことを➡ 384 00:29:13,218 --> 00:29:18,557 甲斐の山中で育った無骨者や と言うもんも ござりますけど➡ 385 00:29:18,557 --> 00:29:21,460 とんだ うそ八百。 386 00:29:21,460 --> 00:29:25,230 かように雅なお方やとは…。 387 00:29:25,230 --> 00:29:31,570 さすが 上様の弟君であらっしゃりまする。 388 00:29:31,570 --> 00:29:34,273 ささを もう一つ たもう…。 389 00:29:38,910 --> 00:29:40,846 あっ…! 390 00:29:40,846 --> 00:29:44,583 なんとしやる。 とんだ粗相を…。 391 00:29:44,583 --> 00:29:47,919 酒の席では よくあること。 392 00:29:47,919 --> 00:29:53,792 どうでございます? あちらの新しい着物に着替えてみては。 393 00:29:53,792 --> 00:29:59,264 この私も お色直ししたお局様の姿を見てみたい。 394 00:29:59,264 --> 00:30:03,602 まあ なんと お口のお上手なこと。 395 00:30:03,602 --> 00:30:08,907 さようでござりますか。 では…。 396 00:30:10,475 --> 00:30:13,612 どれが よいかのう。 397 00:30:13,612 --> 00:30:16,281 これか? 398 00:30:16,281 --> 00:30:19,951 いや これも よいのう。 399 00:30:19,951 --> 00:30:22,954 お召し替えのお手伝いをいたしましょう。 400 00:30:30,962 --> 00:30:54,186 ♬~ 401 00:30:54,186 --> 00:30:56,188 遅い…! 402 00:30:56,188 --> 00:31:01,927 ♬~ 403 00:31:01,927 --> 00:31:05,597 おっ…! おお…! 404 00:31:05,597 --> 00:31:07,532 これに間違いない。 405 00:31:07,532 --> 00:31:09,534 私が書き写しましょう。 406 00:31:16,241 --> 00:31:25,617 ⚟〽 (三味線) 407 00:31:25,617 --> 00:31:40,966 〽 (三味線) 408 00:31:40,966 --> 00:31:48,640 ⚟〽 (三味線) 409 00:31:48,640 --> 00:31:51,309 よし 書けた。 410 00:31:51,309 --> 00:31:56,181 ご苦労。 間に合ってくださいよ。 411 00:31:56,181 --> 00:32:15,934 ⚟〽 (三味線) 412 00:32:15,934 --> 00:32:19,938 とってもお似合いでございます。 そうか? 413 00:32:25,944 --> 00:32:29,948 ⚟うわ~…! すてきね。 414 00:32:32,617 --> 00:32:38,290 あれ まあ 幸千代君は 舞の名手であらっしゃりましたか。 415 00:32:38,290 --> 00:32:41,293 お局様もご一緒に。 416 00:32:43,161 --> 00:32:48,300 あれあれ… おもしろやのう。 417 00:32:48,300 --> 00:32:53,972 今日より わらわは そなたさんの お味方でござりますぞえ。 418 00:32:53,972 --> 00:32:57,676 それは うれしいことですねえ。 419 00:33:00,579 --> 00:33:03,281 まあ…! 420 00:33:05,450 --> 00:33:09,588 <そして その夜遅く…> 421 00:33:09,588 --> 00:33:12,491 なんとか うまくいったねえ。 422 00:33:12,491 --> 00:33:16,461 最後まで 若旦那を 幸千代君と思っていらしたようでげす。 423 00:33:16,461 --> 00:33:20,265 本当 よく似てるからねえ。 ええ。 424 00:33:20,265 --> 00:33:22,200 ⚟(呼子笛) 425 00:33:22,200 --> 00:33:27,973 また 強盗ですかね? あの世直し衆かい? 426 00:33:27,973 --> 00:33:39,584 ♬~ 427 00:33:39,584 --> 00:33:41,520 逃すか! 428 00:33:41,520 --> 00:33:45,991 ♬~ 429 00:33:45,991 --> 00:33:48,894 私も 駆けつけたほうがいいんじゃないかい? 430 00:33:48,894 --> 00:33:51,863 若旦那が行っても役に立たないでげす。 431 00:33:51,863 --> 00:33:53,865 そうだね。 432 00:33:53,865 --> 00:33:57,335 うん? 433 00:33:57,335 --> 00:33:59,304 誰だい? 434 00:34:02,941 --> 00:34:04,876 お前は…!➡ 435 00:34:04,876 --> 00:34:06,811 お縄になったはずじゃ…。 436 00:34:06,811 --> 00:34:12,951 そう。 その清少将でおじゃる。 437 00:34:12,951 --> 00:34:18,290 八巻! お前に やられた屈辱➡ 438 00:34:18,290 --> 00:34:21,960 忘れたことはないぞえ。 439 00:34:26,965 --> 00:34:31,636 <本当は 幸千代君に やられたのですが…> 440 00:34:31,636 --> 00:34:34,906 この手で切り刻んでくれるわ! 441 00:34:37,976 --> 00:34:41,246 <勘違いしております> 442 00:34:43,848 --> 00:34:46,818 ああ~… 駄目でげす…! 443 00:34:48,620 --> 00:34:50,588 ⚟(村田)待て! 444 00:34:53,992 --> 00:34:56,661 お前は…。 445 00:34:56,661 --> 00:34:59,998 ⚟(呼子笛) 446 00:34:59,998 --> 00:35:03,268 ひとまず お預けでごじゃる。 447 00:35:03,268 --> 00:35:08,940 だが 必ず しとめてやるぞえ。 448 00:35:12,944 --> 00:35:19,284 あの白狐 先日の火事の切り放しで 逃げ出しやがったんだよ。 449 00:35:19,284 --> 00:35:21,953 <江戸では 火事の際➡ 450 00:35:21,953 --> 00:35:27,826 牢獄の囚人を いったん外に逃がす 「切り放し」を行っておりましたが➡ 451 00:35:27,826 --> 00:35:31,796 そのまま帰ってこない者も いたのでございます> 452 00:35:33,965 --> 00:35:36,868 うん? 453 00:35:36,868 --> 00:35:39,304 そういや お前…。 454 00:35:39,304 --> 00:35:41,239 ⚟(粽)あれ?➡ 455 00:35:41,239 --> 00:35:43,174 八巻さんじゃないですか? 456 00:35:43,174 --> 00:35:45,644 今日は うまいこと 非番のはずだろ? 457 00:35:45,644 --> 00:35:48,546 えっ? あっ… ええ。 458 00:35:48,546 --> 00:35:50,515 笛が聞こえたもんで思わず…。 459 00:35:50,515 --> 00:35:52,517 やる気になったようだな! 460 00:35:52,517 --> 00:35:54,653 行くぞ! ハチマキ。 461 00:35:54,653 --> 00:35:57,922 はい! だから お前は「粽」だ! 462 00:36:00,458 --> 00:36:03,728 何で こうなるんでげすか…。 463 00:36:05,930 --> 00:36:09,601 <そのころ こちらでは…> 464 00:36:09,601 --> 00:36:17,942 (算盤をはじく音) 465 00:36:17,942 --> 00:36:33,958 ♬~ 466 00:36:33,958 --> 00:36:39,297 あの台帳を 秋月ノ局様に 早速 お見せしたところ➡ 467 00:36:39,297 --> 00:36:43,968 「見覚えがある。 これこそ本物」と。 468 00:36:43,968 --> 00:36:47,305 元本と利分を添えてお返ししてまいった。 469 00:36:47,305 --> 00:36:51,176 では これにて 無事 終わりましてございますな。 470 00:36:51,176 --> 00:36:55,647 九死に一生であった。 471 00:36:55,647 --> 00:37:00,618 天は我を見放さずじゃ。 ハハハハ…! 472 00:37:02,253 --> 00:37:04,923 <ですが こちらでは…> 473 00:37:04,923 --> 00:37:09,794 (おカネ)さあ ここからが商いの始まりや。 (喜七)へい。 474 00:37:09,794 --> 00:37:14,599 南町奉行所にお貸し申したんだ。 ちゃんと利分は頂くよ。 475 00:37:14,599 --> 00:37:19,938 それと 三国屋が立て替えた 頼母子講のお金。 476 00:37:19,938 --> 00:37:23,608 その返金も それぞれの店に 負ってもらうからね。 477 00:37:23,608 --> 00:37:26,277 それと…。 ⚟(菊野)失礼いたします。 478 00:37:26,277 --> 00:37:30,548 私もお手伝いさせていただきます。 (おカネ)誰だい? 479 00:37:33,151 --> 00:37:38,857 菊野と申します。 大旦那様に言われて やって参りました。 480 00:37:38,857 --> 00:37:43,828 大旦那様が この三国屋の台帳を お任せになるほど信用なさっている➡ 481 00:37:43,828 --> 00:37:46,598 深川の芸者さんです。 482 00:37:46,598 --> 00:37:50,502 それじゃあ 算盤も いけるんだね。 483 00:37:50,502 --> 00:37:53,304 はい。 484 00:37:53,304 --> 00:37:58,643 何? 甘利が お局様のご機嫌を取り結んだじゃと? 485 00:37:58,643 --> 00:38:02,514 (篠田一馬)はあ…。 かねてより内通させておいた➡ 486 00:38:02,514 --> 00:38:05,250 大奥の侍女よりの知らせでございます。 487 00:38:05,250 --> 00:38:08,153 頼母子講の金は それ相応の利分付きで 返され➡ 488 00:38:08,153 --> 00:38:12,123 秋月ノ局様はご満足のご様子とか。 489 00:38:12,123 --> 00:38:15,093 分かった。 もうよい。 はっ。 490 00:38:20,598 --> 00:38:26,938 してやられたのう。 まろも しとめ損なったが…。 491 00:38:26,938 --> 00:38:33,278 甘利め。 どこまでも運の良いやつよ。 492 00:38:33,278 --> 00:38:39,150 おぬしも恨みがあるようじゃのう その甘利というやつに。 493 00:38:39,150 --> 00:38:46,825 大敵であればあるほど 斬って捨てたときの喜びが増すものじゃ。 494 00:38:46,825 --> 00:38:49,827 違うでおじゃるか? 495 00:38:49,827 --> 00:38:52,297 次の手は➡ 496 00:38:52,297 --> 00:38:55,266 すでに考えておる。 497 00:38:59,170 --> 00:39:02,907 よう。 ご苦労さまにございます。 498 00:39:02,907 --> 00:39:05,810 次の世直しが決まったぜ。 499 00:39:05,810 --> 00:39:08,780 かしこまりました。 500 00:39:10,582 --> 00:39:12,851 笹月殿…。 501 00:39:15,253 --> 00:39:17,222 俺の心配はご無用。 502 00:39:26,865 --> 00:39:29,601 (手をたたく音) ご名算! 503 00:39:29,601 --> 00:39:32,270 ほな 残りも頼みまっせ。 はい。 504 00:39:45,149 --> 00:39:47,819 (おカネ)喜七。 へい。 505 00:39:49,621 --> 00:39:54,492 確かめときたいんだが 菊野さんは 独り身かい? 506 00:39:54,492 --> 00:39:56,494 ええ そう聞いておりますが。 507 00:39:56,494 --> 00:40:00,632 そりゃ 好都合だ。 えっ? 508 00:40:00,632 --> 00:40:04,302 これで 役者が そろったね。 509 00:40:05,970 --> 00:40:10,642 叔母上様の言いつけどおり 家事をしようとすると➡ 510 00:40:10,642 --> 00:40:16,514 卯之吉様の警護や剣術の稽古が できませぬ。 511 00:40:16,514 --> 00:40:23,221 剣術に専念すれば ますます 家のことがおろそかに…。 512 00:40:23,221 --> 00:40:27,659 私は どうすればよろしいのでございますか? 513 00:40:27,659 --> 00:40:32,530 そうですねえ… 弱りましたねえ。 514 00:40:32,530 --> 00:40:36,668 おカネさんに 花嫁修業のほうを やめてもらうわけには…。 515 00:40:36,668 --> 00:40:42,006 けれど 叔母様も よかれと思い やってることですし…。 516 00:40:42,006 --> 00:40:46,678 若旦那は どちらのお味方なんで? 517 00:40:46,678 --> 00:40:49,948 それは…。 518 00:40:55,353 --> 00:41:01,159 美鈴さんも叔母様も大事なお人。 519 00:41:01,159 --> 00:41:06,297 私は お二人のお味方ですよ。 520 00:41:06,297 --> 00:41:09,968 <やっぱり 優柔不断> 521 00:41:15,640 --> 00:41:17,909 <次回は…> 522 00:41:20,511 --> 00:41:22,513 親分さん! 大親分! 523 00:41:22,513 --> 00:41:24,649 何が世直し衆だ。 524 00:41:24,649 --> 00:41:26,584 いのしし? いのしし。 525 00:41:26,584 --> 00:41:28,519 おとっつぁんの敵を討つ! 526 00:41:28,519 --> 00:41:33,191 貧乏を知らぬとはいえ 金の使い方まで知らないのですね。 527 00:41:35,660 --> 00:42:30,314 ♬~ 528 00:42:30,314 --> 00:42:35,653 ♬~ 529 00:42:35,653 --> 00:42:54,338 ♬~