1 00:00:32,678 --> 00:00:35,978 (拍子木の音) 2 00:00:39,918 --> 00:00:41,853 うん! 3 00:00:41,853 --> 00:00:44,089 お俊の煮物は いつも うめえが➡ 4 00:00:44,089 --> 00:00:47,593 こりゃあ 今までで 一番うめえかもしんねえな うん。 5 00:00:47,593 --> 00:00:50,293 (お俊)それ作ったの お咲ちゃん。 6 00:00:51,930 --> 00:00:54,967 随分 腕上げたわよねえ お咲ちゃん。 7 00:00:54,967 --> 00:00:57,736 あっ ああ… そりゃあな➡ 8 00:00:57,736 --> 00:01:02,274 お俊の教え方がいいって事だ。 なっ? ハハッ。 9 00:01:02,274 --> 00:01:08,614 お咲ちゃん 正助さんのために 一生懸命なんだよ。 10 00:01:08,614 --> 00:01:12,284 ここに来た時は どこか よそよそしかったけど➡ 11 00:01:12,284 --> 00:01:16,121 あの2人 すっかり 夫婦らしくなったねえ。 12 00:01:16,121 --> 00:01:20,993 うん… そうだなあ。 うん うん うん。 13 00:01:20,993 --> 00:01:24,463 はあ~。 14 00:01:24,463 --> 00:01:26,798 うまかった。 15 00:01:26,798 --> 00:01:29,134 よかった。 16 00:01:29,134 --> 00:01:31,570 お俊さんの指南のたまものだな。 17 00:01:31,570 --> 00:01:34,906 はい。 お俊さんは もちろんですけど➡ 18 00:01:34,906 --> 00:01:38,744 菊乃屋さんにも 長屋の皆さんにも いろいろ…。 19 00:01:38,744 --> 00:01:42,247 あっ…。 20 00:01:42,247 --> 00:01:45,917 痛むのか? 21 00:01:45,917 --> 00:01:48,587 動いております。 22 00:01:48,587 --> 00:01:50,587 そうか。 23 00:01:57,095 --> 00:01:59,395 お茶 入れますね。 24 00:02:08,807 --> 00:02:10,942 (湯のみが割れる音) あっ… すみません。 25 00:02:10,942 --> 00:02:12,942 あっ いや…。 26 00:02:14,813 --> 00:02:17,816 すみません。 けがはないか? 27 00:02:17,816 --> 00:02:21,286 (お咲)大丈夫です。 (正助)ああ…。 28 00:02:21,286 --> 00:02:24,322 ≪人殺し~! 29 00:02:24,322 --> 00:02:28,794 ♬~ 30 00:02:28,794 --> 00:02:31,396 何だ 何だ!? 31 00:02:31,396 --> 00:02:33,732 あっ…。 32 00:02:33,732 --> 00:02:39,032 死んでる… 死んでる…。 (悲鳴) 33 00:02:42,441 --> 00:02:50,741 ♬~ 34 00:02:58,957 --> 00:03:03,261 (早瀬)覚えてないだと!?➡ 35 00:03:03,261 --> 00:03:07,599 仕事帰りに いきなり殴られて➡ 36 00:03:07,599 --> 00:03:10,635 気が付いたら 目の前で➡ 37 00:03:10,635 --> 00:03:14,372 廻船問屋 千歳屋清右衛門が 死んでいたと申すか! 38 00:03:14,372 --> 00:03:16,308 (太一)そう言ってんだろうが 何べんも! 39 00:03:16,308 --> 00:03:18,310 何だと? (勘太)なんて口ききやがんだ! 40 00:03:18,310 --> 00:03:20,612 まあ まあ まあ…。 41 00:03:20,612 --> 00:03:25,484 おめえさん 大工の見習いだな? ああ。 42 00:03:25,484 --> 00:03:28,684 これは お前の大工道具であろう? 43 00:03:31,223 --> 00:03:33,725 血が べっとり ついておる。 44 00:03:33,725 --> 00:03:37,025 これ以上の証しはない! 俺じゃねえ! 45 00:03:39,598 --> 00:03:43,235 (お駒)太一! 46 00:03:43,235 --> 00:03:46,138 お前…。 47 00:03:46,138 --> 00:03:49,741 あんた 太一のおっ母さんかい? 48 00:03:49,741 --> 00:03:53,411 あっ… はい。 駒と申します。 うん。 49 00:03:53,411 --> 00:03:58,283 太一は 千歳屋の旦那を 殺した疑えが かけられてる。 50 00:03:58,283 --> 00:04:01,586 千歳屋さんを… 太一が? 51 00:04:01,586 --> 00:04:04,256 俺じゃねえって! 52 00:04:04,256 --> 00:04:07,759 千歳屋さんとは 知り合いかい? いえ。 53 00:04:07,759 --> 00:04:10,662 今 取り調べておる最中だ。 邪魔するでない。 54 00:04:10,662 --> 00:04:12,931 何かの間違いです! 太一は➡ 55 00:04:12,931 --> 00:04:15,967 そんな大それた事が できるような子じゃありません! 56 00:04:15,967 --> 00:04:19,271 確かに 気は短うございますが…。 57 00:04:19,271 --> 00:04:23,141 だから 今 調べておるのだ! 58 00:04:23,141 --> 00:04:25,941 あっ…。 すまねえが。 太一! 59 00:04:32,384 --> 00:04:35,420 太一は じきに カッとなりますよって。 60 00:04:35,420 --> 00:04:37,556 あっ 親方。 61 00:04:37,556 --> 00:04:40,225 (源吉)あっ どうも…。 すまねえな 忙しいところ。 62 00:04:40,225 --> 00:04:43,728 いえ。 あっしの目配りが 足りませんで 申し訳ありません。 63 00:04:43,728 --> 00:04:47,228 あっ いや… ちょいと これを見てくんねえ。 64 00:04:51,403 --> 00:04:54,072 これは 太一の道具かい? 65 00:04:54,072 --> 00:04:56,575 あいつは 仕事は 熱心に やっておりやした。 66 00:04:56,575 --> 00:05:00,412 使い込んだ この柄の部分は 見覚えがあります。 67 00:05:00,412 --> 00:05:03,081 太一の釿に間違いありません。 68 00:05:03,081 --> 00:05:05,750 そうかい。 69 00:05:05,750 --> 00:05:08,587 ゆんべ 清右衛門さんが どこへ出かけたのか➡ 70 00:05:08,587 --> 00:05:10,922 店の者は 誰も 聞いてなかったのかい? 71 00:05:10,922 --> 00:05:13,258 (助三郎)申し訳ございません。 72 00:05:13,258 --> 00:05:15,927 人と会う約束があると おっしゃって➡ 73 00:05:15,927 --> 00:05:18,964 お一人で 出かけられました。 74 00:05:18,964 --> 00:05:23,802 誰か 供の者を つけるべきでございました。➡ 75 00:05:23,802 --> 00:05:28,440 悔やんでも悔やみきれません。 76 00:05:28,440 --> 00:05:52,564 ♬~ 77 00:05:52,564 --> 00:05:55,066 勝之進は? 78 00:05:55,066 --> 00:05:57,402 ああ…。 79 00:05:57,402 --> 00:06:02,574 腹違いとはいえ 勝之進は お主にとっては実の弟。 80 00:06:02,574 --> 00:06:05,076 気になるのは当然だ。 81 00:06:05,076 --> 00:06:07,076 だがな…。 82 00:06:08,747 --> 00:06:13,084 あの日 勝之進は ひどく酔って ふらつきながら歩き回るのを➡ 83 00:06:13,084 --> 00:06:17,255 何人もの同僚が目にしておる。➡ 84 00:06:17,255 --> 00:06:22,928 酒によって堀に落ち 溺死したのは 疑いの余地がない。 85 00:06:22,928 --> 00:06:27,098 勝之進は 何者かの手に かかったのではないかと➡ 86 00:06:27,098 --> 00:06:29,434 そう思えてならないのだ。 87 00:06:29,434 --> 00:06:32,037 お咲が江戸に来たのも それを確かめるため。 88 00:06:32,037 --> 00:06:34,706 正太郎➡ 89 00:06:34,706 --> 00:06:37,042 もう よいのではないか? 90 00:06:37,042 --> 00:06:42,380 お主は お咲殿と これからも 一緒に暮らすのであろう? 91 00:06:42,380 --> 00:06:44,316 波佐間…。 92 00:06:44,316 --> 00:06:46,885 お主が まだ小田原におった頃➡ 93 00:06:46,885 --> 00:06:48,820 周りの者は皆➡ 94 00:06:48,820 --> 00:06:53,658 お主とお咲殿は いずれ 一緒になると思うておった。➡ 95 00:06:53,658 --> 00:06:57,458 それが なぜ お咲殿と勝之進が…。 96 00:07:12,911 --> 00:07:15,411 いらっしゃいませ。 97 00:07:18,083 --> 00:07:21,583 これ くんな。 へい。 ありがとうございます。 98 00:07:29,094 --> 00:07:31,062 んっ…。 99 00:07:31,062 --> 00:07:34,065 はい。 すいません。 100 00:07:34,065 --> 00:07:36,835 あっ お帰りなさいませ。 あ~ お帰りなさい! 101 00:07:36,835 --> 00:07:38,770 ただいま戻りました。 102 00:07:38,770 --> 00:07:40,739 あら? 何それ お土産? 103 00:07:40,739 --> 00:07:43,208 あっ これは…。 104 00:07:43,208 --> 00:07:46,508 ≪ここで何をしておるのだ 咲! 105 00:07:50,882 --> 00:07:54,219 相沢様! 伯父上…。 106 00:07:54,219 --> 00:07:56,721 お… 伯父上? 107 00:07:56,721 --> 00:08:00,521 はい。 お咲の伯父でございます。 108 00:08:03,228 --> 00:08:05,897 話を聞かせてもらう。 109 00:08:05,897 --> 00:08:07,832 はっ。 110 00:08:07,832 --> 00:08:19,744 ♬~ 111 00:08:19,744 --> 00:08:22,414 どうしたんでい? 112 00:08:22,414 --> 00:08:24,349 あっ…。 113 00:08:24,349 --> 00:08:28,219 小田原より江戸に参り 咲の行方を捜すため➡ 114 00:08:28,219 --> 00:08:31,122 藩邸にとどまっておった。 115 00:08:31,122 --> 00:08:34,993 そこで お主を見かけた。 116 00:08:34,993 --> 00:08:36,993 お主ら…。 117 00:08:40,532 --> 00:08:43,201 相沢様➡ 118 00:08:43,201 --> 00:08:46,704 腹の子の父親は➡ 119 00:08:46,704 --> 00:08:49,374 弟 勝之進でございます。 120 00:08:49,374 --> 00:08:59,084 ♬~ 121 00:08:59,084 --> 00:09:04,389 みごもったと知った時 なぜ さっさと帰らなかった? 122 00:09:04,389 --> 00:09:09,227 申し訳ございません。 正太郎様に非はございません。 123 00:09:09,227 --> 00:09:12,927 私が無理を言って ここに置いて頂いたのです。 124 00:09:16,401 --> 00:09:18,401 恥を知れ。 125 00:09:22,907 --> 00:09:27,245 咲と話す。 座を外せ。 126 00:09:27,245 --> 00:09:29,245 はい。 127 00:09:34,686 --> 00:09:36,621 私の本当の名は➡ 128 00:09:36,621 --> 00:09:40,859 篠崎正太郎と申します。 129 00:09:40,859 --> 00:09:42,794 10年前まで➡ 130 00:09:42,794 --> 00:09:48,533 小田原藩 大久保加賀守様に お仕えしておりました。 131 00:09:48,533 --> 00:09:52,036 故あって 私は篠崎家を出て➡ 132 00:09:52,036 --> 00:09:56,036 弟 勝之進が 家督を継ぎました。 133 00:09:57,842 --> 00:10:00,712 お咲は➡ 134 00:10:00,712 --> 00:10:04,912 その勝之進の妻でございます。 135 00:10:08,887 --> 00:10:11,187 ≪(相沢)たわけた事を! 136 00:10:15,560 --> 00:10:19,430 武家の妻女が 嫁ぎ先から出奔するなど➡ 137 00:10:19,430 --> 00:10:22,333 決して許される事ではない。 138 00:10:22,333 --> 00:10:25,904 仰せのとおりにございます。 139 00:10:25,904 --> 00:10:30,241 ただ 私は 勝之進様の不慮の死が どうしても…。 140 00:10:30,241 --> 00:10:34,441 この期に及んで まだ言い訳か。 141 00:10:36,748 --> 00:10:39,248 申し訳ございません。 142 00:10:45,423 --> 00:10:47,423 ごめん。 143 00:10:52,297 --> 00:10:58,097 咲は わしが 小田原の篠崎家へ送り届ける。 144 00:10:59,938 --> 00:11:01,973 いけません! 145 00:11:01,973 --> 00:11:04,442 お咲ちゃんは産み月です。 146 00:11:04,442 --> 00:11:06,477 いつ生まれても おかしくありません。 147 00:11:06,477 --> 00:11:11,977 今 長旅に出る事は 産婆として 決して許す訳にはいきません! 148 00:11:14,118 --> 00:11:19,624 わしの命に代えても 必ず 届ける故➡ 149 00:11:19,624 --> 00:11:21,824 安心致せ。 150 00:11:28,800 --> 00:11:31,100 改めて 迎えに参る。 151 00:11:38,409 --> 00:11:40,745 お待ち下さいまし! 152 00:11:40,745 --> 00:11:44,582 お二人を引き裂く おつもりでございますか? 153 00:11:44,582 --> 00:11:49,254 2人で一緒に住むなど言語道断。 篠崎家の恥だ。 154 00:11:49,254 --> 00:11:51,189 恥を覚悟で お二人は➡ 155 00:11:51,189 --> 00:11:54,592 大切なものを守ろうとして おられるんじゃござんせんか? 156 00:11:54,592 --> 00:11:58,263 大事なのは 今 生きてられるお二人と➡ 157 00:11:58,263 --> 00:12:01,933 もうすぐ生まれてくる 命じゃございませんか? 158 00:12:01,933 --> 00:12:04,633 筋が通らん! 159 00:12:08,806 --> 00:12:11,006 大事ないか? 160 00:12:12,644 --> 00:12:14,644 はい。 161 00:12:20,285 --> 00:12:22,787 ここでの暮らしが➡ 162 00:12:22,787 --> 00:12:26,087 ずっと続けばいいと 思っておりました。 163 00:12:32,597 --> 00:12:34,732 おお…。 何で ほれ合ってる2人が➡ 164 00:12:34,732 --> 00:12:36,668 引き裂かれなきゃならないのよ! 165 00:12:36,668 --> 00:12:38,603 (藤助)いやね 正助さんと お咲さんの事を➡ 166 00:12:38,603 --> 00:12:40,605 耳にしたもんでねえ。 ああ…。 167 00:12:40,605 --> 00:12:42,907 どうなんだい? 親分。 あの2人。 168 00:12:42,907 --> 00:12:45,743 親分! どうにかしてあげて下さいな。 169 00:12:45,743 --> 00:12:48,646 親分の力で。 ん~? いやな…。 170 00:12:48,646 --> 00:12:52,917 ばか野郎。 親分にだってな できる事とできねえ事があんだよ。 171 00:12:52,917 --> 00:12:55,420 大体な 男と女が ほれた はれたってのはな…。 172 00:12:55,420 --> 00:12:57,355 あっ やめて! 何だよ。 173 00:12:57,355 --> 00:13:00,291 伯父さんは そういう話は 似合わないの。 黙ってて! 174 00:13:00,291 --> 00:13:03,928 何だと? 俺だってな…。 また怒ってんのかい 小夏ちゃん。 175 00:13:03,928 --> 00:13:06,831 どいつも こいつも 女の気持ちなんて➡ 176 00:13:06,831 --> 00:13:09,600 ちっとも分かってないんだから! ねえ 親分? 177 00:13:09,600 --> 00:13:11,536 えっ? 178 00:13:11,536 --> 00:13:14,472 もう どいて どいて! ヘヘヘ… チョロチョロ チョロチョロ! 179 00:13:14,472 --> 00:13:16,941 この唐変木! 180 00:13:16,941 --> 00:13:21,279 小夏 お前… 客じゃねえかよ あれ。 んっ? 181 00:13:21,279 --> 00:13:25,950 …で 殺された千歳屋清右衛門と➡ 182 00:13:25,950 --> 00:13:27,885 太一との関わりは 何か分かったのかい? 183 00:13:27,885 --> 00:13:29,821 へい。 それが 清右衛門は➡ 184 00:13:29,821 --> 00:13:32,724 太一の母親 お駒が営んでいる 煮物屋に➡ 185 00:13:32,724 --> 00:13:35,226 何度か来た事が あるようでござんす。 186 00:13:35,226 --> 00:13:38,563 やっぱり お駒と清右衛門は 顔見知りか。 187 00:13:38,563 --> 00:13:41,232 隣の小間物屋のおやじの 話によると➡ 188 00:13:41,232 --> 00:13:45,570 数日前 清右衛門とお駒が 言い争ってたらしいんです。 189 00:13:45,570 --> 00:13:48,239 (お駒)もう二度と 来ないで下さいまし! 190 00:13:48,239 --> 00:13:51,239 私は諦めないぞ! 191 00:13:52,910 --> 00:13:54,946 (文治)親分! おう ご苦労。 192 00:13:54,946 --> 00:13:57,782 千歳屋の古株の女中に 聞き出しやした。 おう。 193 00:13:57,782 --> 00:14:01,085 お駒は 16年前まで 千歳屋で働いていたそうです。 194 00:14:01,085 --> 00:14:03,421 ほう…。 その時➡ 195 00:14:03,421 --> 00:14:05,757 清右衛門のお手つきに なったようですね。 196 00:14:05,757 --> 00:14:08,793 何だって!? それが千歳屋の おかみに知られて➡ 197 00:14:08,793 --> 00:14:11,262 お駒は 店から追い出されやした。 198 00:14:11,262 --> 00:14:14,165 追い出した おかみの方は 子宝に恵まれないまま➡ 199 00:14:14,165 --> 00:14:17,602 数年前に死んでおりやす。 う~ん。 200 00:14:17,602 --> 00:14:22,106 千歳屋といやあ 江戸で 十本の指に入る廻船問屋だ。 201 00:14:22,106 --> 00:14:27,445 その主が殺されて 跡取りがいねえか…。 202 00:14:27,445 --> 00:14:43,227 ♬~ 203 00:14:43,227 --> 00:14:46,027 ごめんよ。 いらっしゃ…。 204 00:14:48,566 --> 00:14:51,903 いい香りだね。 205 00:14:51,903 --> 00:14:54,806 太一の道具袋でございますね? 206 00:14:54,806 --> 00:14:58,806 殺された清右衛門の そばに落ちていた。 207 00:15:06,918 --> 00:15:11,589 煮物屋なのに 「醴」って屋号は 珍しいね。 208 00:15:11,589 --> 00:15:14,492 あっ… 親分さん 読めたんですね。 209 00:15:14,492 --> 00:15:16,928 ほとんどのお客さんが 読めないんだけど。 210 00:15:16,928 --> 00:15:21,265 そうかい。 昔 神田祭で➡ 211 00:15:21,265 --> 00:15:23,301 甘酒を頂いたんです。 212 00:15:23,301 --> 00:15:28,940 ほう…。 それが よっぽど うまかったのかい? 213 00:15:28,940 --> 00:15:30,908 甘酒を頂きながら➡ 214 00:15:30,908 --> 00:15:37,215 豪華な山車が 次から次へと 練り歩くのを見たんです。 215 00:15:37,215 --> 00:15:41,886 ものすごい数の見物人が 夢中で 声を張り上げて…。 216 00:15:41,886 --> 00:15:44,789 夢のような ひとときでした。 217 00:15:44,789 --> 00:15:48,559 それで 「醴」と? 218 00:15:48,559 --> 00:15:52,730 うん…。 裏に たくさん 木が置いてあったが? 219 00:15:52,730 --> 00:15:54,665 あっ 太一が➡ 220 00:15:54,665 --> 00:15:57,401 早く 釿を使いこなせるように なりたいって➡ 221 00:15:57,401 --> 00:15:59,904 毎朝 仕事に出る前に 削ってんです。 222 00:15:59,904 --> 00:16:01,904 ああ…。 223 00:16:05,576 --> 00:16:09,413 (お駒) 釿は 私が買ってやりました。➡ 224 00:16:09,413 --> 00:16:13,913 釿が使いこなせれば 一人前の大工なんです。 225 00:16:15,586 --> 00:16:20,758 親分さん 太一は 一人前の大工になりたいんです! 226 00:16:20,758 --> 00:16:26,264 太一じゃありません。 そんな事 決して…。 227 00:16:26,264 --> 00:16:31,869 お駒さん 清右衛門は ここに来た事があるね? 228 00:16:31,869 --> 00:16:34,169 何の用で来たんだい? 229 00:16:36,741 --> 00:16:40,044 煮物を買いに。 230 00:16:40,044 --> 00:16:45,917 ひょっとして 太一の父親は 清右衛門かい? 231 00:16:45,917 --> 00:16:48,753 私の子です。 232 00:16:48,753 --> 00:16:52,623 太一は 私一人の子です。 233 00:16:52,623 --> 00:17:20,685 ♬~ 234 00:17:20,685 --> 00:17:23,254 邪魔したな。 えっ? 235 00:17:23,254 --> 00:17:25,254 あっ はい。 236 00:17:27,091 --> 00:17:29,391 相沢様。 237 00:17:31,362 --> 00:17:36,033 何用じゃ。 あの店に 何か御用がおありでは? 238 00:17:36,033 --> 00:17:38,369 ない。 239 00:17:38,369 --> 00:17:45,242 あの醴って店は お駒という女が 一人でやっておりやす。 240 00:17:45,242 --> 00:17:49,080 お駒と何か関わりが? 241 00:17:49,080 --> 00:17:51,382 関わりは…➡ 242 00:17:51,382 --> 00:17:53,718 もう ない。 243 00:17:53,718 --> 00:17:55,653 「もう ない」? 244 00:17:55,653 --> 00:18:19,744 ♬~ 245 00:18:19,744 --> 00:18:22,580 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 246 00:18:22,580 --> 00:18:25,483 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 247 00:18:25,483 --> 00:18:28,386 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 248 00:18:28,386 --> 00:18:31,389 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 249 00:18:31,389 --> 00:18:35,226 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 250 00:18:35,226 --> 00:18:45,803 ♬~ 251 00:18:45,803 --> 00:18:49,206 ふと思い出したのだ。 252 00:18:49,206 --> 00:18:52,043 間もなく 神田祭だ。 253 00:18:52,043 --> 00:18:57,715 祭で 甘酒を飲んだ事を。 甘酒を…。 254 00:18:57,715 --> 00:19:03,387 16年前 わしは江戸で お駒に出会うた。 255 00:19:03,387 --> 00:19:05,890 一緒になろうと心に決めた。 256 00:19:05,890 --> 00:19:08,559 だが 国元より➡ 257 00:19:08,559 --> 00:19:13,059 どうしても断りきれぬ 縁談が舞い込んだ。 258 00:19:16,233 --> 00:19:19,270 わしは…➡ 259 00:19:19,270 --> 00:19:23,574 お駒を捨てた。 260 00:19:23,574 --> 00:19:27,411 今 お駒さんに会いに? 261 00:19:27,411 --> 00:19:31,015 会うつもりはない。 262 00:19:31,015 --> 00:19:36,187 達者でいるか それだけが気になった。 263 00:19:36,187 --> 00:19:39,690 お駒さんには 息子がおりやす。 264 00:19:39,690 --> 00:19:42,727 息子…。 へい。 265 00:19:42,727 --> 00:19:47,364 いくつになる? 16になります。 266 00:19:47,364 --> 00:19:51,035 16? へい。 267 00:19:51,035 --> 00:19:53,070 今 何をしておる? 268 00:19:53,070 --> 00:19:56,207 大工の見習いでございます。 269 00:19:56,207 --> 00:19:58,542 名は 太一といって➡ 270 00:19:58,542 --> 00:20:03,542 今 殺しの疑えで 捕らえられておりやす。 271 00:20:07,251 --> 00:20:10,721 ちょいと頼むよ。 ああ? 何だ? 272 00:20:10,721 --> 00:20:13,624 小便。 はあ…。 273 00:20:13,624 --> 00:20:15,624 あ~ もう…。 274 00:20:22,333 --> 00:20:24,902 ほら。 275 00:20:24,902 --> 00:20:27,102 んっ! うわ~! 276 00:20:28,739 --> 00:20:33,611 あっしは 太一が何か隠してると 思えてならねえんでございます。 277 00:20:33,611 --> 00:20:35,613 (勘太)親分! どうした? 278 00:20:35,613 --> 00:20:37,915 太一が自身番から逃げやした! 279 00:20:37,915 --> 00:20:39,915 勘太! へい! 280 00:20:44,688 --> 00:20:46,624 親分! おう。 281 00:20:46,624 --> 00:20:49,624 太一がいやした。 親方の作業場です。 そうか。 282 00:20:53,931 --> 00:20:57,768 太一! そこで何をしてんだい! 283 00:20:57,768 --> 00:21:00,437 俺じゃねえ! 誰も信じてくれねえから➡ 284 00:21:00,437 --> 00:21:02,373 自分で 下手人 捜してたんだよ! 285 00:21:02,373 --> 00:21:05,109 俺をはめたんなら 俺の事知ってるやつに違えねえ。 286 00:21:05,109 --> 00:21:09,109 釿に血がついてねえか 調べてたんだけど…。 287 00:21:10,915 --> 00:21:12,850 んっ! 288 00:21:12,850 --> 00:21:15,619 筋が通らん! 289 00:21:15,619 --> 00:21:19,456 それでも お前は お駒の息子か! 290 00:21:19,456 --> 00:21:23,294 信じてもらえぬから逃げるなど もっての外! 291 00:21:23,294 --> 00:21:25,494 恥を知れ! 292 00:21:29,800 --> 00:21:34,772 釿というのは 恐ろしい道具だ。 293 00:21:34,772 --> 00:21:40,911 自分で振った刃が 自分の方へ向かってくる。 294 00:21:40,911 --> 00:21:44,748 一つ間違えば➡ 295 00:21:44,748 --> 00:21:49,420 己の足を切り裂いてしまう。 296 00:21:49,420 --> 00:21:52,089 今のお前のようにな。 297 00:21:52,089 --> 00:22:02,433 ♬~ 298 00:22:02,433 --> 00:22:07,771 わしは 長年 小田原藩の普請方を勤めておる。 299 00:22:07,771 --> 00:22:12,109 大きな普請を任せたいと思う 大工は➡ 300 00:22:12,109 --> 00:22:14,612 道具を大事にする。 301 00:22:14,612 --> 00:22:18,282 いい道具があらば 家を売り払っても➡ 302 00:22:18,282 --> 00:22:21,482 己のものとして買い求める。 303 00:22:23,120 --> 00:22:26,023 本物の大工は➡ 304 00:22:26,023 --> 00:22:31,823 断じて 自分の道具で 人を殺めたりはせぬ。 305 00:22:37,768 --> 00:22:42,239 太一 お前は➡ 306 00:22:42,239 --> 00:22:45,276 本気で大工になりたいのか? 307 00:22:45,276 --> 00:22:48,412 なりてえ! 俺は大工になりてえんだ! 308 00:22:48,412 --> 00:22:52,249 一人前の大工になって 家やら橋やらを造って➡ 309 00:22:52,249 --> 00:22:54,749 みんなに喜んでほしい。 310 00:22:59,423 --> 00:23:03,294 教えてくれ。 千歳屋は 何の用があって➡ 311 00:23:03,294 --> 00:23:06,764 お駒さんを訪ねたんだ? 312 00:23:06,764 --> 00:23:08,699 あいつは➡ 313 00:23:08,699 --> 00:23:11,635 俺を 千歳屋の跡継ぎに したかったんだ。 314 00:23:11,635 --> 00:23:13,637 おめえさんを? 315 00:23:13,637 --> 00:23:16,774 俺が息子だと思い込んで…。 316 00:23:16,774 --> 00:23:18,809 それは…。 317 00:23:18,809 --> 00:23:25,449 昔 おっ母を力ずくで…。 318 00:23:25,449 --> 00:23:28,352 それで お駒さんは その話を断った。 319 00:23:28,352 --> 00:23:31,221 それで もめたんだな? 違う! おっ母は…➡ 320 00:23:31,221 --> 00:23:33,257 俺の好きにしろと言った。 321 00:23:33,257 --> 00:23:35,893 おっ母は いつだって 俺が一番だから。 322 00:23:35,893 --> 00:23:39,730 昔の嫌な思いも 何もかも飲み込んで➡ 323 00:23:39,730 --> 00:23:42,230 俺の好きにしろって…。 324 00:23:45,402 --> 00:23:49,573 それなのに… あの野郎…。 325 00:23:49,573 --> 00:23:51,508 私の息子を返せ! 326 00:23:51,508 --> 00:23:54,912 太一に千歳屋の跡を継がせると 言ってるんだ! 327 00:23:54,912 --> 00:23:57,247 つべこべ言わずに 私の言う事を聞け! 328 00:23:57,247 --> 00:24:01,418 お断りします。 何で 私の言う事が聞けないんだ! 329 00:24:01,418 --> 00:24:04,254 もう二度と来ないで下さいまし! 330 00:24:04,254 --> 00:24:07,157 おっ母に向かって あの言いぐさだけは➡ 331 00:24:07,157 --> 00:24:09,927 我慢なんなかったんだ! 332 00:24:09,927 --> 00:24:12,830 千歳屋との関わりを しゃべったら➡ 333 00:24:12,830 --> 00:24:17,601 おっ母さんの つらい昔の出来事も 話す事になる。 334 00:24:17,601 --> 00:24:20,101 そう思って 黙ってたんだな? 335 00:24:30,314 --> 00:24:34,551 下手人は 太一と千歳屋の2人が いなくなって➡ 336 00:24:34,551 --> 00:24:36,587 得をするやつでございます。 337 00:24:36,587 --> 00:24:42,059 千歳屋といえば 十組問屋の頭取だ。 338 00:24:42,059 --> 00:24:44,561 ご老中のご沙汰によって➡ 339 00:24:44,561 --> 00:24:48,432 十組問屋は 解散を命じられはしたが➡ 340 00:24:48,432 --> 00:24:54,905 今も その問屋らが 廻船業を意のままに扱っておる。 341 00:24:54,905 --> 00:24:59,576 千歳屋亡きあと 次の頭取に目されているのは➡ 342 00:24:59,576 --> 00:25:02,613 相模屋だな。 相模屋…。 343 00:25:02,613 --> 00:25:05,249 数年前➡ 344 00:25:05,249 --> 00:25:08,085 小田原から 江戸に出てきたんだが➡ 345 00:25:08,085 --> 00:25:11,955 瞬く間に 頭角を現した。 へい。 346 00:25:11,955 --> 00:25:13,957 江戸の暮らしは➡ 347 00:25:13,957 --> 00:25:19,430 廻船問屋の船が運び込む さまざまな物品で成り立っておる。 348 00:25:19,430 --> 00:25:24,601 米も 酒も 材木も 何もかもでございますからね。 349 00:25:24,601 --> 00:25:27,938 ひょっとすると こたびの一件➡ 350 00:25:27,938 --> 00:25:32,209 そうした裏事情と 関わりがあるのかもしれん。 351 00:25:32,209 --> 00:25:34,144 心して かかれ。 352 00:25:34,144 --> 00:25:36,844 はっ! へい。 353 00:25:45,722 --> 00:25:48,559 これは相模屋様。 354 00:25:48,559 --> 00:26:11,415 ♬~ 355 00:26:11,415 --> 00:26:15,752 相模屋様 立花屋様 大野屋様➡ 356 00:26:15,752 --> 00:26:18,789 ご足労頂き ありがとうございます。 357 00:26:18,789 --> 00:26:22,626 早々に下手人が捕まって よろしゅうございましたな➡ 358 00:26:22,626 --> 00:26:26,263 千歳屋さん。 相模屋様➡ 359 00:26:26,263 --> 00:26:29,166 私は ただの大番頭でございます。 360 00:26:29,166 --> 00:26:33,704 その助三郎さんが この千歳屋を継ぐのが筋。 361 00:26:33,704 --> 00:26:36,607 それで よろしいんじゃござんせんか? 362 00:26:36,607 --> 00:26:39,209 ああ… ありがとうございます。 363 00:26:39,209 --> 00:26:44,882 ただし 先代が務めておりました 十組問屋の頭取は➡ 364 00:26:44,882 --> 00:26:47,551 私には荷が重とうございます。 365 00:26:47,551 --> 00:26:53,891 そのお役目は 是非 相模屋様に お願いしたいと存じます。 366 00:26:53,891 --> 00:26:58,691 それは 近々 十組問屋の集まりで 正式に…。 367 00:27:00,564 --> 00:27:03,600 太一は はめられたんだな。 368 00:27:03,600 --> 00:27:08,400 千歳屋の跡を継ぐのは 番頭の助三郎だ。 369 00:27:10,240 --> 00:27:14,411 これが 太一の釿か? へい。 370 00:27:14,411 --> 00:27:18,582 ああ… よく使い込んでおるな。 371 00:27:18,582 --> 00:27:21,618 江戸で使われるものだ。 江戸? 372 00:27:21,618 --> 00:27:23,921 釿には いろいろ あるんでござんすか? 373 00:27:23,921 --> 00:27:27,791 江戸のものと上方のものは 刃の形が違う。 374 00:27:27,791 --> 00:27:31,291 上方のものは はまぐり型だ。 375 00:27:38,368 --> 00:27:41,568 太一は じきに カッとなりますよって。 376 00:27:45,042 --> 00:27:48,378 これが 留三の釿だな? へい。 377 00:27:48,378 --> 00:27:50,881 この釿は上方のかい? へい。 378 00:27:50,881 --> 00:27:54,551 留三は 上方から流れてきた 大工ですから。 379 00:27:54,551 --> 00:27:58,751 うん? この刃を外せねえか? へい。 380 00:28:09,733 --> 00:28:13,237 これは 血だな…。 381 00:28:13,237 --> 00:28:16,273 それも かなりの量だ。 382 00:28:16,273 --> 00:28:19,743 留三… 留三! 383 00:28:19,743 --> 00:28:39,096 ♬~ 384 00:28:39,096 --> 00:28:43,533 これで 棟梁になれるな? ありがとうございます。 385 00:28:43,533 --> 00:28:46,436 上方から 一旗揚げたろう思て 江戸へ やって来て➡ 386 00:28:46,436 --> 00:28:48,405 やっと 夢かないますわ。 387 00:28:48,405 --> 00:28:50,707 それは何よりです。 へい。 388 00:28:50,707 --> 00:28:56,046 では 私は これで。 あっ… へい。 389 00:28:56,046 --> 00:28:58,715 (留三 助三郎)あっ…。 390 00:28:58,715 --> 00:29:02,586 役者が そろったようだな。 何を おっしゃってるんです? 391 00:29:02,586 --> 00:29:06,056 千歳屋清右衛門を殺したのは おめえたちだろ! 392 00:29:06,056 --> 00:29:09,926 留三 洗いざらい話しちまいな。 さもねえと➡ 393 00:29:09,926 --> 00:29:12,729 何もかも おめえ一人でやった事に されちまうぜ。 394 00:29:12,729 --> 00:29:15,065 あっ いや… お 俺は…➡ 395 00:29:15,065 --> 00:29:18,735 この旦那に頼まれただけや! 396 00:29:18,735 --> 00:29:22,406 ああっ! あ~…。 397 00:29:22,406 --> 00:29:24,741 留三に清右衛門を殺させ➡ 398 00:29:24,741 --> 00:29:27,411 おおかた 当て身でもして 気を失わせた太一を➡ 399 00:29:27,411 --> 00:29:29,346 連れてきたんだろう。 400 00:29:29,346 --> 00:29:33,016 そして こざかしい細工をしたんだな? 401 00:29:33,016 --> 00:29:43,360 ♬~ 402 00:29:43,360 --> 00:29:46,196 人殺し~! 403 00:29:46,196 --> 00:29:50,367 てめえらの性根は どこまで ひん曲がってやんでい! 404 00:29:50,367 --> 00:29:54,037 そうまでして手に入れたかった 千歳屋なんてもんはな➡ 405 00:29:54,037 --> 00:29:56,707 太一は はなから いらねえっつってるんだよ! 406 00:29:56,707 --> 00:29:59,042 人の気持ちなんぞ いつ変わっちまうか➡ 407 00:29:59,042 --> 00:30:02,742 分からねえんだよ! 旦那方~! 408 00:30:04,715 --> 00:30:08,585 哀れだな 千歳屋大番頭 助三郎。 409 00:30:08,585 --> 00:30:14,224 この世にはな ずっと変わらねえ 温けえ思いってもんがあるんだよ。 410 00:30:14,224 --> 00:30:19,563 それを一度も味わわねえで 獄門台の露と消えるとはな。 411 00:30:19,563 --> 00:30:24,234 この紫房の十手が しかと 引導 渡してくれるぜ! 412 00:30:24,234 --> 00:30:27,070 覚悟しやがれ! や~! 413 00:30:27,070 --> 00:30:51,762 ♬~ 414 00:30:51,762 --> 00:30:53,697 神妙にしろ! 415 00:30:53,697 --> 00:30:57,934 ♬~ 416 00:30:57,934 --> 00:31:02,434 おとなしく 縛につけ! 立て! 417 00:31:07,444 --> 00:31:13,950 千歳屋番頭 助三郎 大工 留三を➡ 418 00:31:13,950 --> 00:31:17,821 市中引き回しの上 はりつけに処す。 419 00:31:17,821 --> 00:31:19,823 (捕手たち)はっ。 420 00:31:19,823 --> 00:31:21,823 おい…。 421 00:31:25,128 --> 00:31:28,031 大工見習い 太一。 422 00:31:28,031 --> 00:31:30,000 はい。 423 00:31:30,000 --> 00:31:32,569 無実であったとはいえ➡ 424 00:31:32,569 --> 00:31:36,907 取り調べ中の自身番より 逃げ出したる咎➡ 425 00:31:36,907 --> 00:31:39,907 見逃す訳にはいかぬ。 426 00:31:42,579 --> 00:31:47,417 しかし おめえが これより 腕利きの大工になると➡ 427 00:31:47,417 --> 00:31:50,454 この遠山に誓うなら➡ 428 00:31:50,454 --> 00:31:53,223 無罪放免にする。 429 00:31:53,223 --> 00:31:55,223 どうだ? 430 00:31:57,427 --> 00:32:01,264 日本一の大工になります! 431 00:32:01,264 --> 00:32:20,951 ♬~ 432 00:32:20,951 --> 00:32:23,151 相沢様…。 433 00:32:25,121 --> 00:32:27,958 すまん! 434 00:32:27,958 --> 00:32:29,958 えっ? 435 00:32:33,563 --> 00:32:35,563 お駒…。 436 00:32:38,068 --> 00:32:41,404 嫌だ。 437 00:32:41,404 --> 00:32:44,908 私… すっかり年取っちまって。 438 00:32:44,908 --> 00:32:49,779 いや… 昔と ちっとも変わらん。 439 00:32:49,779 --> 00:32:51,781 きれいだ。 440 00:32:51,781 --> 00:33:03,593 ♬~ 441 00:33:03,593 --> 00:33:06,093 甘酒か…。 442 00:33:14,104 --> 00:33:19,609 太一の事 ありがとうございました。 443 00:33:19,609 --> 00:33:23,280 太一は いい大工になる。 444 00:33:23,280 --> 00:33:25,280 はい。 445 00:33:31,888 --> 00:33:36,059 お駒➡ 446 00:33:36,059 --> 00:33:38,759 苦労かけたな。 447 00:33:41,731 --> 00:33:43,731 はい。 448 00:33:46,570 --> 00:33:48,505 ひょっとして 太一は…。 449 00:33:48,505 --> 00:33:50,805 私の子ですよ。 450 00:33:54,444 --> 00:33:56,944 私一人の。 451 00:34:01,117 --> 00:34:03,317 分かった。 452 00:34:11,261 --> 00:34:14,297 うまいのう。 453 00:34:14,297 --> 00:34:17,767 [ 回想 ] わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 454 00:34:17,767 --> 00:34:21,638 わっしょい! わっしょい! わっしょい! わっしょい! 455 00:34:21,638 --> 00:34:31,638 ♬~ 456 00:34:41,891 --> 00:34:44,091 持ってくか? 457 00:34:46,763 --> 00:34:49,566 こちらを頂きます。 458 00:34:49,566 --> 00:34:51,566 うん。 459 00:34:54,070 --> 00:34:57,741 大事にします… ずっと。 460 00:34:57,741 --> 00:35:12,088 ♬~ 461 00:35:12,088 --> 00:35:17,894 覚えておられますか? うん? 462 00:35:17,894 --> 00:35:21,798 子どもの頃 一緒に遊んだ事。 463 00:35:21,798 --> 00:35:25,435 私も木に登りたいって言ったら…。 464 00:35:25,435 --> 00:35:28,471 正太郎さん 私も。 お咲 やめとけ。 465 00:35:28,471 --> 00:35:30,671 登りたい! 466 00:35:32,242 --> 00:35:34,542 (正太郎)覚えている。 467 00:35:36,379 --> 00:35:40,579 おてんばだった お咲は。 468 00:35:44,254 --> 00:35:48,391 この長屋での 正太郎様との暮らしは➡ 469 00:35:48,391 --> 00:35:53,229 子どもの頃のように楽しくて…。 470 00:35:53,229 --> 00:35:55,729 夢のようでした。 471 00:35:58,401 --> 00:36:00,336 私もだ。 472 00:36:00,336 --> 00:36:29,766 ♬~ 473 00:36:29,766 --> 00:36:34,537 お咲ちゃん ちょっといい? 474 00:36:34,537 --> 00:36:36,473 はい! 475 00:36:36,473 --> 00:36:47,973 ♬~ 476 00:36:51,721 --> 00:37:46,876 ♬~ 477 00:37:46,876 --> 00:37:52,048 小田原藩勘定奉行の印判? 478 00:37:52,048 --> 00:38:16,906 ♬~ 479 00:38:16,906 --> 00:38:18,942 千歳屋は闕所のお沙汰で➡ 480 00:38:18,942 --> 00:38:21,244 店と身代は お召し上げ。 481 00:38:21,244 --> 00:38:24,147 残念な事になりましたな。 482 00:38:24,147 --> 00:38:28,647 黒門町の伝七…。 483 00:38:39,195 --> 00:38:41,231 相沢様➡ 484 00:38:41,231 --> 00:38:48,204 お咲の事 どうぞ よろしくお願い致します。 485 00:38:48,204 --> 00:38:51,904 正太郎。 はい。 486 00:38:54,544 --> 00:39:00,049 わしは… 咲を捜しに参ったが➡ 487 00:39:00,049 --> 00:39:05,855 とうとう見つからなんだ。 えっ? 488 00:39:05,855 --> 00:39:08,055 相沢様…。 489 00:39:10,560 --> 00:39:15,231 夫婦湯のみは➡ 490 00:39:15,231 --> 00:39:19,569 バラバラにしてはいかん。 491 00:39:19,569 --> 00:39:22,071 こちらを頂きます。 492 00:39:22,071 --> 00:39:42,859 ♬~ 493 00:39:42,859 --> 00:39:47,859 いいんですね? お咲ちゃん ここにいて いいんですね!? 494 00:39:49,632 --> 00:39:53,036 ごめん。 ああ…。 495 00:39:53,036 --> 00:39:56,372 ≪よかった~。 496 00:39:56,372 --> 00:39:59,409 よかったな! よかった…。 よかったな! 497 00:39:59,409 --> 00:40:02,712 よかった よかった ハハハ…。 お咲ちゃん よかったね。 498 00:40:02,712 --> 00:40:04,647 よかったね。 499 00:40:04,647 --> 00:40:10,219 相模屋に関わる証文と 小田原藩勘定奉行の印? ああ。➡ 500 00:40:10,219 --> 00:40:14,390 恐らく 勝之進が仕込んだに違いない。 501 00:40:14,390 --> 00:40:16,726 その証文 今 持っておるのか? 502 00:40:16,726 --> 00:40:20,229 いや…。 この印判は偽物だが➡ 503 00:40:20,229 --> 00:40:23,566 証文は本物に違いない故。 504 00:40:23,566 --> 00:40:25,501 そうだな…。 505 00:40:25,501 --> 00:40:30,239 うかつに持ち歩かぬ方がよいな。 506 00:40:30,239 --> 00:40:32,575 その証文… ひょっとして➡ 507 00:40:32,575 --> 00:40:36,075 勝之進の死に 関わっているのではないか? 508 00:40:37,747 --> 00:40:41,084 どういう事だ? 実はな➡ 509 00:40:41,084 --> 00:40:46,422 勝之進に関して とんでもない事が分かったのだ。 510 00:40:46,422 --> 00:40:52,228 10年前 お主が 篠崎家を 出奔するはめになったのは➡ 511 00:40:52,228 --> 00:40:55,431 勝之進の企みだ。 512 00:40:55,431 --> 00:40:58,334 お主は 弟に➡ 513 00:40:58,334 --> 00:41:00,534 はめられたのだ。 514 00:41:07,777 --> 00:41:10,813 うん… ここらで ひとつ 締めようか! 515 00:41:10,813 --> 00:41:13,116 (文治 お俊 勘太)へい! ヨ~ッ! 516 00:41:13,116 --> 00:41:16,452 (一同)ヨヨヨイ ヨヨヨイ ヨヨヨイヨイ! 517 00:41:16,452 --> 00:41:19,652 めでてえな! (文治 お俊 勘太)へい! 518 00:41:43,613 --> 00:41:47,083 ♬~ 519 00:41:47,083 --> 00:41:52,755 ♬「風が ひゅうるり ひゅうるり 君を吹いてく」 520 00:41:52,755 --> 00:41:56,592 ♬「ひゅうるり ひゅうるり 僕を吹いてゆく」 521 00:41:56,592 --> 00:42:00,763 ♬「世界なら変わる 物の見事」 522 00:42:00,763 --> 00:42:07,637 ♬「君が望むままに 七変化」 523 00:42:07,637 --> 00:42:11,774 ♬~ 524 00:42:11,774 --> 00:42:17,580 ♬「七変化」 525 00:42:17,580 --> 00:42:20,950 ♬~ 526 00:42:20,950 --> 00:42:24,787 ♬「言えないことなら」 527 00:42:24,787 --> 00:42:29,292 ♬「云えないままでいいから」 528 00:42:29,292 --> 00:42:33,729 ♬「いつか 闇は逃げてゆくさ」 529 00:42:33,729 --> 00:42:37,233 ♬「朝焼けの中」 530 00:42:37,233 --> 00:42:41,070 ♬「帰るとこがなきゃ」 531 00:42:41,070 --> 00:42:44,907 ♬「駆け寄って 肩を抱こう」 532 00:42:44,907 --> 00:42:50,246 ♬「悩みなら ある内が花さ」 533 00:42:50,246 --> 00:42:54,083 ♬「結び目を解きゃいい」 534 00:42:54,083 --> 00:43:02,758 ♬「さぁ 裃 脱いだら」 535 00:43:02,758 --> 00:43:08,564 ♬「風が ひゅうるり ひゅうるり 君を吹いてく」 536 00:43:08,564 --> 00:43:12,435 ♬「ひゅうるり ひゅうるり 僕を吹いてゆく」 537 00:43:12,435 --> 00:43:16,606 ♬「世界なら変わる 物の見事」 538 00:43:16,606 --> 00:43:25,806 ♬「君が望むままに 七変化」