1 00:00:01,070 --> 00:00:07,070 (猫の鳴き声) 2 00:00:15,560 --> 00:00:17,560 (猫の鳴き声) 3 00:00:19,230 --> 00:00:21,930 (ネルソン)この人は 陶芸家。 4 00:00:21,930 --> 00:00:24,930 俺のご主人だった。 5 00:00:27,740 --> 00:00:31,530 見ろ! これが代表作の… 6 00:00:35,930 --> 00:00:39,930 結晶が 星みたいにキラッキラ! 7 00:00:43,230 --> 00:00:47,330 どうだ きれいだろ? 8 00:00:50,770 --> 00:00:54,630 俺は ご主人が作る器が大好きで 9 00:00:54,630 --> 00:01:00,000 ずっと そばで見てきたんだ。 10 00:01:00,000 --> 00:01:07,000 ご主人は 俺を残して死んでしまった。 だけど 今年の3月 11 00:01:08,590 --> 00:01:11,630 (鈴の音) 12 00:01:11,630 --> 00:01:13,630 (猫の鳴き声) 13 00:01:16,460 --> 00:01:19,590 ご主人がいなくなった工場。 14 00:01:19,590 --> 00:01:25,400 見られないのか。 もう あのキラキラの器は 15 00:01:25,400 --> 00:01:29,400 そう思っていたんだが…。 16 00:01:37,000 --> 00:01:43,590 再び作ろうとするやつらが現れた。 ご主人の あの「銀河」の器を 17 00:01:51,230 --> 00:01:53,770 でも ねえ…。 18 00:01:53,770 --> 00:01:56,660 (器が割れる音) (ステン)ああ〜! ああ ああ…。 19 00:01:56,660 --> 00:01:58,660 (真徳)ステン…。 20 00:02:02,530 --> 00:02:06,460 ちょ〜っと 頼りないんだよな〜。 (猫の鳴き声) 21 00:02:06,460 --> 00:02:10,970 しかたない 俺が見ておいてやるか。 22 00:02:22,770 --> 00:02:27,630 挨拶が遅れたな。 俺は ネルソン。 23 00:02:27,630 --> 00:02:32,230 現場監督をしている。 この 焼きものの工場で 24 00:02:34,930 --> 00:02:40,330 もらわれて やって来た。 黒猫好きなご主人のためにと 25 00:02:42,430 --> 00:02:48,230 なかなか気のいいやつらなんだぜ。 うちの家族 26 00:02:48,230 --> 00:02:52,100 真徳。 ご主人の息子の 27 00:02:52,100 --> 00:02:54,770 長女の優理と結婚して 28 00:02:54,770 --> 00:02:57,660 オランダから来た ステン。 29 00:02:57,660 --> 00:03:01,630 受け継ごうとしているのが ご主人の 「銀河」の器を 30 00:03:01,630 --> 00:03:06,430 真徳と ステンってわけ。 31 00:03:06,430 --> 00:03:08,360 (猫の鳴き声) 32 00:03:08,360 --> 00:03:18,970 ♬〜 33 00:03:41,300 --> 00:03:44,800 え〜と そうですね…。 34 00:03:48,970 --> 00:03:52,870 (取材者)おお〜。ハハハ。 (ステン)これね。 35 00:04:09,770 --> 00:04:17,970 ステンに ろくろを教えていた。 ご主人は 入退院を繰り返しながらも 36 00:04:21,930 --> 00:04:26,740 まあ 筋はなかなかよかったな。 37 00:04:53,770 --> 00:05:01,630 特殊な釉薬を完成させた。 ご主人は 10年以上 研究を重ね 38 00:05:01,630 --> 00:05:05,100 それが 「銀河釉」。 39 00:05:05,100 --> 00:05:08,770 釉薬を塗る厚さや 窯の温度など 40 00:05:08,770 --> 00:05:12,100 いろんな条件がピタリと合った時にだけ 41 00:05:12,100 --> 00:05:16,930 満天の星が 器に浮かび上がってくる。 42 00:05:16,930 --> 00:05:19,970 2人に でも ご主人は 43 00:05:19,970 --> 00:05:22,740 作り方を その「銀河」の 44 00:05:22,740 --> 00:05:27,560 亡くなった。 ないまま 教えることが 45 00:05:27,560 --> 00:05:35,070 (メトロノームの音) 46 00:06:10,100 --> 00:06:14,900 陶芸をする気はなかった。 真徳は もともと 47 00:06:20,100 --> 00:06:25,900 大学を卒業したあと IT企業に入社。 48 00:06:25,900 --> 00:06:31,400 この家に帰ってきた。 ご主人が体調を崩してから 49 00:06:41,460 --> 00:06:45,070 何かそういう ある意味 ちょっと… 50 00:06:52,770 --> 00:06:59,070 出てきたやつですけど。 一番最初に入れた窯から 51 00:07:14,100 --> 00:07:17,100 だから何か こう その… 52 00:07:24,800 --> 00:07:28,630 器作りを始めて 1年とちょっと。 53 00:07:28,630 --> 00:07:33,030 2人にとって もうすぐ勝負の日。 54 00:07:38,590 --> 00:07:43,500 100年以上の歴史がある 有田陶器市だ。 55 00:07:45,770 --> 00:07:48,660 う〜ん…。 56 00:07:48,660 --> 00:07:51,560 年に1度の このイベント。 57 00:07:51,560 --> 00:07:54,930 アピールできる 作品を 直接お客さんに 58 00:07:54,930 --> 00:07:58,590 絶好の機会。 59 00:07:58,590 --> 00:08:03,230 ご主人がいなくなって 初めて しかも今年は 60 00:08:03,230 --> 00:08:06,770 2人だけで挑むんだ。 61 00:08:06,770 --> 00:08:08,700 (鈴の音) 62 00:08:08,700 --> 00:08:11,000 どれどれ…。 63 00:08:15,100 --> 00:08:19,100 あちゃ〜 全く「銀河」が出てない…。 64 00:08:19,100 --> 00:08:21,100 (猫の鳴き声) 65 00:08:33,430 --> 00:08:35,430 (真徳)うん うん。 66 00:09:03,100 --> 00:09:09,590 父にとっては やっぱり うん まあ…。 (真徳) 67 00:09:22,460 --> 00:09:27,100 手がかりは 古文書みたいなメモだけ。 68 00:09:27,100 --> 00:09:33,400 試行錯誤を繰り返し 焼いた回数は45回。 69 00:09:34,970 --> 00:09:38,100 真徳は その日の気象状況 70 00:09:38,100 --> 00:09:42,430 窯の温度 器の配置など 全て記録。 71 00:09:42,430 --> 00:09:45,330 どう焼けば 「銀河」が現れるのか 72 00:09:45,330 --> 00:09:49,030 その答えを ずっと探してるんだよな。 73 00:10:07,430 --> 00:10:11,740 まあ はあ… 頑張れ。 74 00:10:18,590 --> 00:10:23,770 有田陶器市まで あと10日! 75 00:10:23,770 --> 00:10:28,770 焼いていくんだ。 今日は 陶器市に持っていく作品を 76 00:10:31,930 --> 00:10:35,530 失敗はできないぞ〜。 77 00:10:53,100 --> 00:10:59,970 2人の理想の配置で勝負する。 熱や空気の巡りを考えた 78 00:10:59,970 --> 00:11:12,500 ♬〜 79 00:11:12,500 --> 00:11:17,100 うわ〜 丁寧だねえ。 80 00:11:24,100 --> 00:11:29,700 6時間かけて やっと窯積みが終わった。 81 00:11:47,770 --> 00:11:51,260 ここからが 大事な時間。 82 00:11:53,100 --> 00:11:59,840 窯の温度の変化にあると分かっている。 「銀河」が生まれる条件は 83 00:11:59,840 --> 00:12:08,330 30分ごとに火力を確認し 調整する。 目指す温度の曲線に近づけるため 84 00:12:12,100 --> 00:12:17,200 この作業を 明日の午後まで続けるんだ。 85 00:12:45,970 --> 00:12:50,770 ながら こう左手は 動くろくろを… 86 00:13:08,770 --> 00:13:13,100 (猫の鳴き声) 87 00:13:13,100 --> 00:13:31,460 ♬〜 88 00:13:31,460 --> 00:13:33,460 (猫の鳴き声) 89 00:13:33,460 --> 00:13:47,560 ♬〜 90 00:14:27,590 --> 00:14:30,000 (3人)いただきます。 91 00:14:51,430 --> 00:14:54,130 学食デー。 お母さんと一緒…。 92 00:14:56,100 --> 00:14:58,400 うん 楽しか。 93 00:15:07,430 --> 00:15:09,430 (ステン)Yes. 94 00:15:37,460 --> 00:15:40,070 (真徳)すごいね これ。 95 00:15:42,590 --> 00:15:46,430 ♬〜 96 00:15:46,430 --> 00:15:50,100 (ステン)すごい! (真徳)それ めっちゃいいじゃん。 97 00:15:50,100 --> 00:15:56,770 「銀河」みたいなのも出てきたな。 ちょっとだけ ご主人の 98 00:15:56,770 --> 00:16:01,100 きれいな結晶が出たのは 焼いた器の中で 99 00:16:01,100 --> 00:16:04,590 全体の3分の1。 100 00:16:08,590 --> 00:16:13,100 まだ分からない。 今回の焼き方が正解かどうかは 101 00:16:13,100 --> 00:16:19,100 うれしいぞ! でも俺は またキラッキラが見られて 102 00:16:21,230 --> 00:16:25,100 (真徳)見て お母さんの猫。 103 00:16:25,100 --> 00:16:27,430 おお〜 きれいかった。 104 00:16:27,430 --> 00:16:30,030 よか よか。 105 00:16:33,230 --> 00:16:37,430 10個 よかったよかった。 (真徳)10個は あると思う。 106 00:16:37,430 --> 00:16:39,430 よかった よかった。 107 00:16:47,930 --> 00:16:53,530 お披露目する日がやって来た。 真徳とステンの作品を 108 00:17:17,000 --> 00:17:19,700 (客)あ これもステンだ。 109 00:17:25,800 --> 00:17:30,400 ご主人の長年のファンも来てくれてる。 おっ 110 00:17:32,770 --> 00:17:35,660 (客)そうですよね。 111 00:17:40,100 --> 00:17:44,000 はい 頑張ります。頑張って。 (客)頑張って。 112 00:17:49,100 --> 00:17:51,430 (ステン)うん そうですね。 113 00:17:51,430 --> 00:17:54,930 (客)面白い 面白い。 (ステン)面白いエフェクト。 114 00:18:01,100 --> 00:18:04,100 すごい 何ていうかな… 115 00:18:07,430 --> 00:18:12,100 (女性客)また新しい 何か…。 116 00:18:12,100 --> 00:18:18,300 すごい… (女性客)道が始まったんだなと思って 117 00:18:26,630 --> 00:18:30,230 (真徳)いや〜 ほんとです。 (男性客)でも まだこれからですよね。 118 00:18:33,230 --> 00:18:37,100 猫ば見せようって思って。 (真徳)お父さんに 119 00:18:37,100 --> 00:18:40,000 一番よかったやつね。 120 00:18:42,430 --> 00:18:44,740 (ステン)はい どうぞ。 121 00:18:46,300 --> 00:18:48,300 (真徳)よし。 122 00:18:56,970 --> 00:19:02,230 (ステン)じゃあ もっと作ろう。 (真徳)よし! 123 00:19:02,230 --> 00:19:05,130 うん OK! 124 00:19:05,130 --> 00:19:08,330 (ステン)よし はい。 125 00:19:11,230 --> 00:19:14,100 (ステン)ネルーソーン。 126 00:19:14,100 --> 00:19:17,430 思ってたけど 俺には ご主人しかいないと 127 00:19:17,430 --> 00:19:20,100 2人とは 長いつきあいになりそう。 128 00:19:20,100 --> 00:19:24,400 なんてったって 現場監督だからな! 129 00:19:39,930 --> 00:19:42,130 (ステン)うん できるよ ハハハ。