1 00:00:01,070 --> 00:00:07,660 ♬〜 2 00:00:17,430 --> 00:00:22,530 見つめてきた人がいます。 この街を 50年にわたり 3 00:00:26,430 --> 00:00:30,000 人々の傍らでメモを取り続ける女性。 4 00:00:30,000 --> 00:00:31,030 人々の傍らでメモを取り続ける女性。 5 00:00:53,330 --> 00:00:59,130 中野区のローカル新聞です。 「週刊とうきょう」 6 00:01:16,070 --> 00:01:18,000 よいしょ。 7 00:01:18,000 --> 00:01:23,400 月2回 2000部を発行しています。 娘と共に 8 00:01:30,660 --> 00:01:32,660 そう。 9 00:01:35,900 --> 00:01:37,900 はい。 はい。 10 00:01:42,430 --> 00:01:49,130 時には配達まで。 取材から 記事の執筆 校正 11 00:01:49,130 --> 00:01:51,740 議員の部屋は数だけずつ。 12 00:02:03,400 --> 00:02:05,330 フッフッ。 13 00:02:05,330 --> 00:02:11,230 昭和 平成 令和。 14 00:02:14,530 --> 00:02:22,130 新聞記者の物語。 一つの街を見つめ 伝え続けてきた 15 00:02:29,070 --> 00:02:30,000 人口およそ34万 中野区。 16 00:02:30,000 --> 00:02:33,870 人口およそ34万 中野区。 17 00:02:35,800 --> 00:02:38,700 都心のすぐそば 18 00:02:38,700 --> 00:02:41,800 昔ながらの暮らしがあります。 19 00:03:15,840 --> 00:03:21,630 やって来たのは体育館。 この日 家から40分ほどかけて 20 00:03:24,030 --> 00:03:26,030 おはようございま〜す。 21 00:03:27,740 --> 00:03:29,740 はい ご苦労さまです〜。 22 00:03:32,330 --> 00:03:36,330 恒例の柔道大会が開かれていました。 23 00:03:41,500 --> 00:03:46,200 愛用の取材道具。 リュックから取り出したのは 24 00:03:56,970 --> 00:03:59,200 礼。 25 00:03:59,200 --> 00:04:00,000 1年生から6年生まで…。 26 00:04:00,000 --> 00:04:01,200 1年生から6年生まで…。 27 00:04:03,530 --> 00:04:06,200 ボイスレコーダーを回しながらも 28 00:04:06,200 --> 00:04:10,000 逐一 メモしていきます。 気になったことは 29 00:04:15,200 --> 00:04:18,170 記者生活 50年。 30 00:04:18,170 --> 00:04:22,460 日々感じてきました。 時代の移り変わりを 31 00:04:48,400 --> 00:04:51,900 涌井さんの原点。 32 00:04:54,740 --> 00:05:00,000 それは 幼い頃の体験にあります。 33 00:05:00,000 --> 00:05:00,300 それは 幼い頃の体験にあります。 34 00:05:00,300 --> 00:05:02,300 (シャッター音) 35 00:05:04,030 --> 00:05:10,130 昭和6年 現在の静岡県藤枝市生まれ。 36 00:05:10,130 --> 00:05:13,840 本を読むことが大好きな子どもでした。 37 00:05:16,630 --> 00:05:21,530 10歳のとき 太平洋戦争が開戦。 38 00:05:23,460 --> 00:05:27,070 陸海軍部発表。 「大本営 39 00:05:27,070 --> 00:05:29,970 帝国陸海軍は…」。 40 00:05:29,970 --> 00:05:30,000 当時 戦況を伝えるメディアは 41 00:05:30,000 --> 00:05:32,590 当時 戦況を伝えるメディアは 42 00:05:32,590 --> 00:05:35,500 主に新聞やラジオ。 43 00:05:40,100 --> 00:05:48,430 日本の勝利を信じていました。 涌井さんは 大人が見聞きした情報から 44 00:05:48,430 --> 00:05:51,930 勝ったとか あそこの島で戦って 45 00:05:51,930 --> 00:05:55,230 何機 射止めたとかっていう。 46 00:06:04,700 --> 00:06:08,590 ところが 昭和20年。 47 00:06:27,200 --> 00:06:29,590 戦況が悪化し 48 00:06:29,590 --> 00:06:30,000 本土への攻撃が始まっていたのです。 アメリカ軍による 49 00:06:30,000 --> 00:06:34,900 本土への攻撃が始まっていたのです。 アメリカ軍による 50 00:06:52,770 --> 00:06:56,300 (玉音放送) 51 00:06:56,300 --> 00:06:58,300 その年の夏。 52 00:06:58,300 --> 00:07:00,000 戦争の終わりを伝えました。 同じメディアが 53 00:07:00,000 --> 00:07:03,100 戦争の終わりを伝えました。 同じメディアが 54 00:07:25,360 --> 00:07:28,200 そして 今。 55 00:07:28,200 --> 00:07:30,000 新聞記者になった涌井さん。 56 00:07:30,000 --> 00:07:32,400 新聞記者になった涌井さん。 57 00:07:38,230 --> 00:07:40,840 (笑い声) はい。 58 00:07:55,500 --> 00:07:59,700 柔道大会の原稿に取りかかりました。 59 00:08:24,500 --> 00:08:29,000 気をつけて書いてますか? 原稿書いてるときは どういうところに (取材者) 60 00:08:57,770 --> 00:09:00,000 「春季柔道大会開く」。 61 00:09:00,000 --> 00:09:01,770 「春季柔道大会開く」。 62 00:09:04,330 --> 00:09:10,100 負けてしまった選手は 押さえ込められて 「一生懸命やっても 63 00:09:10,100 --> 00:09:13,000 涙を流しながらも 悔しそうに 64 00:09:13,000 --> 00:09:16,870 試合後の礼をして退場 65 00:09:16,870 --> 00:09:19,770 勝った選手は気合を入れ直して 66 00:09:19,770 --> 00:09:22,970 次の試合に臨んでいた」。 67 00:09:29,430 --> 00:09:30,000 焼けちゃったりしてますのでね。 中野もね 戦争のときに 68 00:09:30,000 --> 00:09:35,740 焼けちゃったりしてますのでね。 中野もね 戦争のときに 69 00:09:37,590 --> 00:09:42,430 よろしくお願いいたします。 「週刊とうきょう」の涌井でございます。 70 00:09:42,430 --> 00:09:47,530 ということをつくづく…。 戦争というのは一般人も含まれるんだ 71 00:10:12,000 --> 00:10:16,900 人と会い 自分の目で見たことを伝える。 72 00:10:16,900 --> 00:10:21,300 それを繰り返してきた 50年の歳月。 73 00:10:37,100 --> 00:10:41,800 涌井さんが新聞記者になった訳。 74 00:10:43,430 --> 00:10:45,430 (シャッター音) 75 00:10:47,100 --> 00:10:51,770 静岡の会社に就職した頃 戦争が終わり 76 00:10:51,770 --> 00:10:54,870 短歌に心を奪われました。 77 00:10:57,900 --> 00:11:00,000 仲間を求めて 家から5時間かけて 78 00:11:00,000 --> 00:11:01,840 仲間を求めて 家から5時間かけて 79 00:11:01,840 --> 00:11:06,740 通い詰めます。 短歌の会が開かれていた中野へ 80 00:11:11,230 --> 00:11:14,070 そこで紹介されたのが 81 00:11:14,070 --> 00:11:16,870 中野のローカル新聞で記者をしていた 82 00:11:16,870 --> 00:11:18,870 啓権さん。 83 00:11:21,230 --> 00:11:24,740 やがて 2人は結婚。 84 00:11:30,590 --> 00:11:35,200 メディアの姿には変化が。 このころ 85 00:11:35,200 --> 00:11:37,900 複雑な社会問題を前に 86 00:11:37,900 --> 00:11:44,700 発行する動きが広がっていました。 人々が独自に新聞や冊子などを 87 00:11:52,700 --> 00:11:58,560 集金の手伝いを始めた涌井さん。 夫が働く新聞社で 88 00:11:58,560 --> 00:12:05,360 ある会社を訪ねたときの出来事です。 今も忘れられないのは 89 00:12:55,590 --> 00:13:00,000 初めて知った ペンの重み。 90 00:13:00,000 --> 00:13:00,200 初めて知った ペンの重み。 91 00:13:05,330 --> 00:13:09,100 そして 今から50年前 92 00:13:09,100 --> 00:13:12,000 啓権さんは独立。 93 00:13:12,000 --> 00:13:16,500 立ち上げました。 2人は 小さな新聞を 94 00:13:19,400 --> 00:13:22,000 涌井さんも記者となり 95 00:13:22,000 --> 00:13:29,100 取材に飛び回る毎日。 議会や警察 学校から商店街まで 96 00:13:34,500 --> 00:13:38,900 徐々に 地元の人々に広がっていきます。 97 00:13:43,500 --> 00:13:45,590 ところが。 98 00:13:50,770 --> 00:13:56,530 がんで亡くなったのです。 啓権さんが 突然 99 00:13:56,530 --> 00:13:59,840 8年のことでした。 創刊から 100 00:14:05,030 --> 00:14:10,530 原稿に向き合い続けた夫。 亡くなる直前まで 101 00:14:14,330 --> 00:14:21,030 この新聞を続けていくことを決めました。 涌井さんは 1人で 102 00:14:41,770 --> 00:14:47,560 以来 自らに課した 記者としてのルール。 103 00:14:47,560 --> 00:14:53,070 「公平に 誰にも肩入れしないように」。 104 00:15:26,130 --> 00:15:30,000 紙面を作っています。 今では 次女の久美子さんと2人で 105 00:15:30,000 --> 00:15:31,630 紙面を作っています。 今では 次女の久美子さんと2人で 106 00:15:41,230 --> 00:15:46,170 それでも 校正作業は涌井さんの仕事。 107 00:15:46,170 --> 00:15:53,070 確認していきます。 誤字や脱字 誤解される表現がないか 108 00:16:04,500 --> 00:16:09,300 (久美子)「昭和59 1984年から春と秋に…」。 109 00:16:43,030 --> 00:16:48,930 最後の確認。 もう一度 自分で全て読み直し 110 00:16:59,070 --> 00:17:00,000 「週刊とうきょう」1315号です。 こうして生まれた 111 00:17:00,000 --> 00:17:06,070 「週刊とうきょう」1315号です。 こうして生まれた 112 00:17:11,770 --> 00:17:18,070 選手130名が熱戦」。 「春季柔道大会開く 113 00:17:22,330 --> 00:17:29,230 士気旺盛な操法を披露」。 「野方消防団操法大会 114 00:17:33,590 --> 00:17:41,000 ウクライナ演奏家の平和の祈り」。 「いのちの尊さを祈る日 115 00:17:46,590 --> 00:17:52,100 涌井さんが見た 令和6年5月の中野。 116 00:18:12,770 --> 00:18:14,770 そうですね… 117 00:18:27,030 --> 00:18:30,000 そして今日も 次の取材へ。 118 00:18:30,000 --> 00:18:31,530 そして今日も 次の取材へ。 119 00:18:33,230 --> 00:18:37,530 ♬〜 120 00:19:26,200 --> 00:19:30,000 ♬〜 121 00:19:30,000 --> 00:19:32,000 ♬〜 122 00:19:32,000 --> 00:19:42,000 ♬〜