1 00:00:05,138 --> 00:00:09,943 (歓声) 干し柿だ~! 2 00:00:09,943 --> 00:00:15,282 むか~し昔 とある海辺の村。 3 00:00:15,282 --> 00:00:19,620 ここは敦賀・金ヶ崎。 4 00:00:19,620 --> 00:00:23,123 母は見ておりますよ。 (阿月)あっ 干し柿や…。 5 00:00:23,123 --> 00:00:25,792 いざ! 6 00:00:25,792 --> 00:00:27,728 走れい! 7 00:00:27,728 --> 00:00:34,501 (声援) 8 00:00:34,501 --> 00:01:05,766 ♬~ 9 00:01:05,766 --> 00:01:08,268 女のくせに! 10 00:01:08,268 --> 00:01:10,771 ざまみろ! 11 00:01:10,771 --> 00:01:16,410 ♬~ 12 00:01:16,410 --> 00:01:18,345 え~い! 13 00:01:18,345 --> 00:01:20,948 くそ! 14 00:01:20,948 --> 00:01:24,818 待て! 待たんわ! 15 00:01:24,818 --> 00:01:26,820 戻ってきたぞ。 おおっ! 16 00:01:26,820 --> 00:01:29,623 来たぞ! 誰じゃ。戻ってきたぞ。 17 00:01:29,623 --> 00:01:32,292 ハア ハア ハア…。 18 00:01:32,292 --> 00:01:35,796 干し柿! 誰じゃ…。 19 00:01:37,431 --> 00:01:40,133 アハッ! ⚟コラ~! 20 00:01:40,133 --> 00:01:43,036 阿月! 何を お前…! 21 00:01:43,036 --> 00:01:46,039 置け! 戻せ! 22 00:01:48,642 --> 00:01:51,545 来い! 23 00:01:51,545 --> 00:01:55,349 干し柿! 阿月! 24 00:01:59,653 --> 00:02:02,389 そして 10年後。 25 00:02:02,389 --> 00:02:06,093 (渡辺半蔵守綱)彦殿 七殿! 化けもんじゃ! 26 00:02:06,093 --> 00:02:08,762 (鳥居元忠) 何を真っ昼間から寝ぼけたことを。 27 00:02:08,762 --> 00:02:12,099 本当なんじゃ! こんな でかいんじゃ! (平岩親吉)また大げさな。 28 00:02:12,099 --> 00:02:14,935 本当じゃ! 手足入れたら こんなじゃ! 29 00:02:14,935 --> 00:02:17,971 そんなにでかいのがおるわけなかろうが! おるんじゃ。 30 00:02:17,971 --> 00:02:21,274 開けてみよ。 ほい! 31 00:02:21,274 --> 00:02:23,210 (2人)でかい! 32 00:02:23,210 --> 00:02:26,413 (守綱)なっ? だろう!? 33 00:02:26,413 --> 00:02:29,783 ほれ どうじゃ。 ほれ! 34 00:02:29,783 --> 00:02:32,119 やめよ! 遠慮せんと! 35 00:02:32,119 --> 00:02:36,923 こ こ… これを食うのか? やめとけ! うまいわけないて。 36 00:02:39,793 --> 00:02:42,429 (3人)うま~い! 37 00:02:42,429 --> 00:02:47,300 (笑い声) こんなに うまいカニは初めてじゃ! 38 00:02:47,300 --> 00:02:52,639 ええ所じゃのう ここは! 39 00:02:52,639 --> 00:02:55,308 ここは どこじゃったか。 40 00:02:55,308 --> 00:02:57,978 (親吉 守綱)分からん! (笑い声) 41 00:02:57,978 --> 00:03:02,949 だから 敦賀・金ヶ崎! 42 00:03:02,949 --> 00:05:45,111 ♬~ 43 00:05:45,111 --> 00:05:48,415 上洛した我らが神の君は➡ 44 00:05:48,415 --> 00:05:54,955 織田信長率いる幕府軍と共に 越前 朝倉征伐のため北上。 45 00:05:54,955 --> 00:06:00,260 ついに 朝倉義景を 追い詰めたのでございます。 46 00:06:03,563 --> 00:06:07,067 (酒井忠次) ではでは 三河の「海老すくい」を…。 47 00:06:07,067 --> 00:06:28,455 ♬~ 48 00:06:28,455 --> 00:06:31,758 (笑い声) 49 00:06:31,758 --> 00:06:34,794 (木下藤吉郎)よ~う! 50 00:06:34,794 --> 00:06:49,776 ♬~ 51 00:06:49,776 --> 00:06:51,711 (忠次)♬「えび」 ♬「かに」 ♬「えび」 ♬「かに」 52 00:06:51,711 --> 00:06:53,647 猿! 53 00:06:53,647 --> 00:06:57,117 (忠次)♬「三河守は どこらほどに」 (徳川家康)やめよ 左衛門。 54 00:06:57,117 --> 00:06:59,619 (藤吉郎 忠次)♬「おわしゃあす」 55 00:07:01,087 --> 00:07:11,564 ♬~ 56 00:07:11,564 --> 00:07:16,069 ♬「カニが崎に おわしゃあす」 57 00:07:16,069 --> 00:07:24,778 ♬~ 58 00:07:24,778 --> 00:07:27,781 (織田信長)ハハハハハハハ…! 59 00:07:27,781 --> 00:07:32,385 (笑い声) 60 00:07:32,385 --> 00:07:35,088 「カニが崎に おわしゃあす」。 61 00:07:35,088 --> 00:07:40,593 そして一夜明け 4月27日。 62 00:07:40,593 --> 00:07:42,529 飲み過ぎた…。 63 00:07:42,529 --> 00:07:46,766 信長殿も 珍しく機嫌がようございますからな。 64 00:07:46,766 --> 00:07:51,938 余計に怖いわ。 気を付けよ。 ハハハ…! 65 00:07:51,938 --> 00:07:55,608 (本多忠勝) いつになったら三河に帰れるのか。 66 00:07:55,608 --> 00:08:00,213 越前なんぞ 我らに何の関わりがあろう。 67 00:08:00,213 --> 00:08:03,550 (榊原康政)勝ったところで 越前をもらえるわけではないのでしょう。 68 00:08:03,550 --> 00:08:07,721 だったら 何のために。 (石川数正)そういう戦ではない。 69 00:08:07,721 --> 00:08:12,559 幕府再興 天下静謐のためじゃ。 70 00:08:12,559 --> 00:08:16,229 そんなことのために死ぬのは御免ですな。 71 00:08:16,229 --> 00:08:18,732 (元忠)口を慎め 平八郎。 72 00:08:18,732 --> 00:08:24,604 浅井勢が加われば こちらは4万 敵は1万5,000といったところじゃろ。 73 00:08:24,604 --> 00:08:29,242 死ぬような戦ではない。 フッ すぐに帰れる。 74 00:08:29,242 --> 00:08:33,580 (親吉)わしは ここが気に入ったけどな。 (元忠)カニが食えるからじゃろう。 75 00:08:33,580 --> 00:08:35,615 (笑い声) 76 00:08:35,615 --> 00:08:40,920 将軍 足利義昭公は立派なお方じゃ。 77 00:08:40,920 --> 00:08:43,823 うんうん。 78 00:08:43,823 --> 00:08:46,593 天下を一統する。 79 00:08:46,593 --> 00:08:50,463 この日ノ本を➡ 80 00:08:50,463 --> 00:08:54,100 北から南まで一つにする。 81 00:08:54,100 --> 00:09:05,044 ♬~ 82 00:09:05,044 --> 00:09:09,549 お主ら 気を抜くな! (一同)はっ! 83 00:09:16,222 --> 00:09:20,560 (お市の方)今… 何と? 84 00:09:20,560 --> 00:09:23,596 義兄上を…➡ 85 00:09:23,596 --> 00:09:25,899 裏切る。 86 00:09:28,435 --> 00:09:32,572 織田信長を討つ。 87 00:09:32,572 --> 00:09:38,077 (足音) 88 00:09:40,747 --> 00:09:43,550 何故でございますか? 89 00:09:45,251 --> 00:09:50,590 市が お気に障ることをいたしましたか? 90 00:09:50,590 --> 00:09:55,462 そなたのせいではない。 では 何故…。 91 00:09:55,462 --> 00:09:58,665 何故でございますか! 92 00:10:01,768 --> 00:11:06,933 ♬~ 93 00:11:06,933 --> 00:11:10,803 金ヶ崎 徳川三河守。 94 00:11:10,803 --> 00:11:14,607 頼んだぞ。 95 00:11:14,607 --> 00:11:19,279 あれじゃ。 あそこ あの奥。 どれでござるか? 96 00:11:19,279 --> 00:11:23,783 あれじゃ あの奥。 あ~ あれでございますか。 97 00:11:23,783 --> 00:11:25,718 (信長)そうじゃ あれじゃ。 ハッハッハッハッ…。 98 00:11:25,718 --> 00:11:29,956 あれが唐でござるか! 明国の港も見えよう。 99 00:11:29,956 --> 00:11:33,293 (藤吉郎)ヒャヒャヒャヒャ…。 100 00:11:33,293 --> 00:11:38,431 たわけ! あれは越前の岬じゃ 見えるわけがなかろう。 101 00:11:38,431 --> 00:11:41,334 (笑い声) 102 00:11:41,334 --> 00:11:45,638 ハ… そりゃあ そうでござった! これは お恥ずかしい。 103 00:11:45,638 --> 00:11:49,442 ハッハッハッハッ…! (ぼそりと)ざけんな…。 104 00:11:51,311 --> 00:11:54,647 (柴田)浅井様は 1万の兵を率いて ご出立された。➡ 105 00:11:54,647 --> 00:12:00,453 明日の朝 ご着陣なさる。 時を置かず 一乗谷へ総がかりで攻め入る。➡ 106 00:12:00,453 --> 00:12:04,457 徳川様も しかと ご用意を。 承知。 107 00:12:04,457 --> 00:12:06,759 よいか 一同。 108 00:12:08,595 --> 00:12:11,931 ただ勝つでは足らんぞ。 109 00:12:11,931 --> 00:12:17,604 こたびの戦は 将軍様のご威光を 天下に知らしめるための戦。 110 00:12:17,604 --> 00:12:21,407 世の人々が震え上がるほどに勝つんじゃ。 111 00:12:21,407 --> 00:12:23,476 (一同)はっ! 112 00:12:23,476 --> 00:12:25,478 (足音) 113 00:12:27,780 --> 00:12:32,118 朝倉が1万5,000の兵を率いて こちらに向かっております。 114 00:12:32,118 --> 00:12:35,321 ああ? まこときゃ? どうした。 115 00:12:36,956 --> 00:12:40,827 朝倉義景が一乗谷を出たと。 116 00:12:40,827 --> 00:12:44,130 何? 逃げおったか。 117 00:12:44,130 --> 00:12:46,165 いや そうではごぜ~ません。 118 00:12:46,165 --> 00:12:52,005 本軍1万5,000を率いて こちらに向かっとると。 119 00:12:52,005 --> 00:12:57,010 (柴田)籠城せず 打って出るとは… 一体 何を考えておる。 120 00:13:00,146 --> 00:13:02,448 どう見る。 121 00:13:06,252 --> 00:13:11,391 私は 朝倉義景のもとにおりましたゆえ かの御仁を よく知っております。 122 00:13:11,391 --> 00:13:14,260 まことにもって戦下手。➡ 123 00:13:14,260 --> 00:13:19,132 こたびも実に 義景らしい血迷いぶりと存じまする。 124 00:13:19,132 --> 00:13:39,118 ♬~ 125 00:13:39,118 --> 00:13:41,054 (足音) 126 00:13:41,054 --> 00:13:43,256 ⚟お方様。 127 00:13:49,295 --> 00:13:53,599 城内にお手玉が落ちてござった。 128 00:14:03,242 --> 00:14:06,245 「おひき候へ いち」。 129 00:14:06,245 --> 00:14:09,449 何のことやら。 130 00:14:13,586 --> 00:14:15,888 立て! 131 00:14:17,924 --> 00:14:21,928 この草の首をはねよ! (一同)はっ! 132 00:14:25,665 --> 00:14:30,670 男なら腹を切らねばな…。 133 00:14:33,106 --> 00:14:39,412 織田と浅井を結び付けておくのが 私の役目であったのに…。 134 00:14:41,614 --> 00:14:45,785 家康殿も巻き込まれるであろう。 135 00:14:45,785 --> 00:14:51,591 あの方は幼い頃 私を助けてくれたんじゃ。 136 00:14:53,292 --> 00:15:00,366 次は 私が助けて差し上げねばならんと 思っておったのに…。 137 00:15:00,366 --> 00:15:11,010 ♬~ 138 00:15:11,010 --> 00:15:14,380 お方様…。 139 00:15:14,380 --> 00:15:17,183 何じゃ? 阿月。 140 00:15:18,918 --> 00:15:24,724 阿月が… 参りましょうか? 141 00:15:24,724 --> 00:15:27,627 金ヶ崎へ知らせに。 142 00:15:27,627 --> 00:15:30,530 どうやって? 走って。 143 00:15:30,530 --> 00:15:35,268 アッハハ…。 私なら ここを怪しまれずに抜け出せます。 144 00:15:35,268 --> 00:15:37,770 ここから金ヶ崎までは10里を超えるぞ。 145 00:15:37,770 --> 00:15:41,107 あの辺りは私のふるさと。 道は よく存じております! 146 00:15:41,107 --> 00:15:46,279 殿の軍勢は とっくに出立され…。 途中幾度か休息されるはず。 147 00:15:46,279 --> 00:15:48,581 追い抜きます。 148 00:15:51,150 --> 00:15:55,988 フ… そうか そうか。 149 00:15:55,988 --> 00:15:59,492 その気持ちで十分じゃ。 150 00:16:04,664 --> 00:16:11,904 (忠次)う~ん… つまり 北から朝倉義景勢1万5,000が。➡ 151 00:16:11,904 --> 00:16:19,579 時を同じくして 南から浅井長政勢1万が こちらに向かっている。 152 00:16:19,579 --> 00:16:23,749 これを どう見るべきかと。 153 00:16:23,749 --> 00:16:26,252 うん…。 154 00:16:26,252 --> 00:16:30,089 妙な胸騒ぎがしてな…。 万が一➡ 155 00:16:30,089 --> 00:16:34,594 浅井 朝倉が裏で手を組んでいたら➡ 156 00:16:34,594 --> 00:16:37,630 我らは挟み撃ちに遭う。 157 00:16:37,630 --> 00:16:40,933 もし そうなら 我ら3万といえども➡ 158 00:16:40,933 --> 00:16:44,604 1万と1万5,000に挟まれれば ただじゃ済まぬ。 159 00:16:44,604 --> 00:16:49,408 いや こんな逃げ場のない岬じゃあ 皆 死ぬでしょう。 160 00:16:51,110 --> 00:16:57,316 殿は? 殿は 浅井長政という仁を どう見受けられましたか? 161 00:16:58,851 --> 00:17:02,722 これにて 御免。 162 00:17:02,722 --> 00:17:08,594 心によどみがない… 実直な御仁と見受けた。 163 00:17:08,594 --> 00:17:11,063 殿のお目は確かじゃ。➡ 164 00:17:11,063 --> 00:17:14,100 浅井殿は 我らに味方するために 向かっておるに違いなし! 165 00:17:14,100 --> 00:17:18,237 心によどみない実直な御仁…➡ 166 00:17:18,237 --> 00:17:22,241 だからこそ裏切るということでは。 167 00:17:26,746 --> 00:17:30,917 (数正)殿と同じく 私も ず~っと考えておりました。 168 00:17:30,917 --> 00:17:33,819 あの将軍に この乱世を御せるわけがない➡ 169 00:17:33,819 --> 00:17:41,093 なのに なぜ 信長殿は あの方を崇め奉っているのか。 170 00:17:41,093 --> 00:17:45,264 神輿は軽い方がいいからでは? 171 00:17:45,264 --> 00:17:49,969 おだててさえおけば 言いなりになるからでは? 172 00:17:52,138 --> 00:17:58,811 (数正)浅井殿は その全てを見抜いたのかもしれません。 173 00:17:58,811 --> 00:18:02,348 何故でございますか! 市よ…➡ 174 00:18:02,348 --> 00:18:09,055 そなたの兄がやろうとしていることは 恐ろしいことじゃ。 175 00:18:10,723 --> 00:18:17,597 朝倉を滅ぼせば 越前国は織田家のものとなるであろう。 176 00:18:17,597 --> 00:18:22,735 いや 越前のみにあらず➡ 177 00:18:22,735 --> 00:18:31,444 今後 信長殿に逆らった者は 全てそうなる。 178 00:18:31,444 --> 00:18:33,946 我らとてな。 179 00:18:35,748 --> 00:18:38,250 (数正)信長がやろうとしているのは➡ 180 00:18:38,250 --> 00:18:42,121 あの将軍を操って 天下を我が物にすること。➡ 181 00:18:42,121 --> 00:18:48,961 織田家による天下の簒奪 そして 日ノ本全てを我が物にすること。 182 00:18:48,961 --> 00:18:50,963 あ~。 183 00:18:50,963 --> 00:18:54,700 (数正)浅井長政が それを見抜いていたとすれば➡ 184 00:18:54,700 --> 00:18:56,636 今 こちらへ向かっておるのは➡ 185 00:18:56,636 --> 00:19:01,474 織田信長を討つためにほかならぬと 存じまする。 186 00:19:01,474 --> 00:19:37,076 ♬~ 187 00:19:37,076 --> 00:19:39,378 どこへ行く。 188 00:19:41,247 --> 00:19:46,552 お市様のお乳の出が悪いので もらい乳に。 189 00:19:58,798 --> 00:20:21,420 ♬~ 190 00:20:21,420 --> 00:20:23,355 えいっ! 191 00:20:23,355 --> 00:20:25,624 おのれ~! 192 00:20:25,624 --> 00:20:28,828 小娘が! 193 00:20:30,963 --> 00:20:34,300 う… うっ! こ~の~! 194 00:20:34,300 --> 00:20:37,002 あ~! 195 00:20:39,438 --> 00:20:41,741 往生せい! 196 00:20:43,309 --> 00:20:45,611 (川に落ちる音) 197 00:20:48,447 --> 00:20:51,150 (茶々)あっ。 198 00:20:51,150 --> 00:20:53,152 あ…。 199 00:20:55,988 --> 00:20:57,990 阿月? 200 00:20:59,658 --> 00:21:01,961  心の声 (お市)阿月…。 201 00:21:13,105 --> 00:21:16,609 (明智)浅井様 疋田城に入りましてござりまする。 202 00:21:16,609 --> 00:21:20,412 一夜を明かし 明朝 ご着陣とのこと。 203 00:21:20,412 --> 00:21:24,283 朝倉は。 淺水に入った様子。 204 00:21:24,283 --> 00:21:26,285 ん。 205 00:21:27,953 --> 00:21:33,259 殿。 徳川様が 火急にお話ししてえことがあると。 206 00:21:35,694 --> 00:21:38,597 何じゃ? 申せ。 207 00:21:38,597 --> 00:21:40,599 はっ。 208 00:21:42,301 --> 00:21:44,236 早く。 209 00:21:44,236 --> 00:21:46,238 はあ…。 210 00:21:48,440 --> 00:21:53,445 ここは… 危のうございます。 211 00:21:56,148 --> 00:22:01,954 一度 引いてみては いかがでございましょう。 212 00:22:01,954 --> 00:22:03,956 何だと? 213 00:22:03,956 --> 00:22:08,794 万が一… 万が一でございますが➡ 214 00:22:08,794 --> 00:22:15,801 浅井殿と朝倉が結んでいる場合に備え 一度ここを退き 陣を移されては…。 215 00:22:17,469 --> 00:22:20,940 (笑い声) 216 00:22:20,940 --> 00:22:24,276 徳川様は 突拍子もねえことをおっしゃいますなぁ! 217 00:22:24,276 --> 00:22:26,946 どこで そのような話を お耳にされたのか知らぬが➡ 218 00:22:26,946 --> 00:22:29,982 浅井様と朝倉は そのような間柄ではござらぬ。 219 00:22:29,982 --> 00:22:35,120 ごもっとも! ごもっともでございます。 ただ あくまで万が一に備えて! 220 00:22:35,120 --> 00:22:40,426 ここ 金ヶ崎で挟まれれば 逃げ場がございませぬゆえ。 221 00:22:40,426 --> 00:22:44,129 (数正)両軍とも 既に目の前に姿を現しておりますゆえ➡ 222 00:22:44,129 --> 00:22:49,301 手遅れにならないように せめて敦賀城まで引き 退く備えを…。 223 00:22:49,301 --> 00:22:54,807 慎まれよ! 将軍様の軍勢に 退くことは許されませぬ。➡ 224 00:22:54,807 --> 00:22:58,310 幕府の威光に関わる。➡ 225 00:22:58,310 --> 00:23:02,748 戦では さまざまな うわさや流言が飛び交うもの。 226 00:23:02,748 --> 00:23:07,920 虚説に惑わされ 疑いの心が広がってゆく時こそ➡ 227 00:23:07,920 --> 00:23:12,591 軍が内側から崩れる時でござるぞ! (忠次)申し訳ございませぬ。 228 00:23:12,591 --> 00:23:18,097 三河の方々は いささか臆病に過ぎるようですなあ。 229 00:23:18,097 --> 00:23:22,101 足手まといにならぬとよいが。 230 00:23:25,271 --> 00:23:30,142 (信長)家康。 はっ。 231 00:23:30,142 --> 00:23:34,280 戯れ言と受け止めておく。 232 00:23:34,280 --> 00:23:40,586 ただ 愉快な戯れ言ではないな。 233 00:23:42,154 --> 00:23:46,425 我が義弟は 義の男じゃ。 234 00:23:46,425 --> 00:23:49,728 二度と辱めるな。 235 00:23:54,633 --> 00:24:01,440 義の男… 確かに そのとおり。 236 00:24:05,244 --> 00:24:08,080 ただ ひたすらに➡ 237 00:24:08,080 --> 00:24:12,918 信長殿の機嫌を伺うだけの輩とは 違いまする。 238 00:24:12,918 --> 00:24:14,920 (明智)あん? 239 00:24:18,257 --> 00:24:24,129 義の男であるが故に 裏切るということもあろうかと! 240 00:24:24,129 --> 00:24:43,782 ♬~ 241 00:24:43,782 --> 00:24:47,286 何が言いたい。 242 00:24:47,286 --> 00:24:50,122 あ? 243 00:24:50,122 --> 00:24:53,425 何が言いたい。 244 00:24:56,628 --> 00:24:59,431 (信長)どういう意味じゃ。 245 00:25:02,434 --> 00:25:05,437 俺がやっていることに➡ 246 00:25:05,437 --> 00:25:11,577 やろうとしてることに義がない とでも言いたいのか? 247 00:25:11,577 --> 00:25:14,079 そのように考える者もおるのでは…。 248 00:25:14,079 --> 00:25:16,982 そのような考えとは どのような考えじゃ。 249 00:25:16,982 --> 00:25:19,952 いろいろな考えの者…。 いろいろな考えとは! 250 00:25:19,952 --> 00:25:23,088 ですから…。 申せ! 251 00:25:23,088 --> 00:25:26,125 今 言おうとしとるだろう…。 俺は 将軍と➡ 252 00:25:26,125 --> 00:25:29,261 朝廷のために戦っている! 253 00:25:29,261 --> 00:25:32,264 お主を信じられん者もおる! 254 00:25:38,971 --> 00:25:41,974 お主は どうなんじゃ。 255 00:25:41,974 --> 00:25:45,277 お前も俺を信じぬのか! 256 00:25:47,413 --> 00:25:50,616 信じぬのか! 257 00:25:50,616 --> 00:25:56,822 分からん。 お前の心のうちなど分かるもんか! 258 00:26:02,061 --> 00:26:04,096 出ていけ。 259 00:26:04,096 --> 00:26:06,231 出ていけ! 260 00:26:06,231 --> 00:26:08,567 お前の顔など二度と見たくない。 261 00:26:08,567 --> 00:26:10,903 さあ。 262 00:26:10,903 --> 00:26:12,838 では そういたす! 263 00:26:12,838 --> 00:26:15,240 朝倉の次は お前じゃ。 264 00:26:15,240 --> 00:26:20,079 なぜ そうなるんじゃ! 俺に逆らうとは そういうことじゃ。 265 00:26:20,079 --> 00:26:23,115 ふざけるな あほたわけ! 266 00:26:23,115 --> 00:26:25,584 離せ! 離せ! 殿! 267 00:26:25,584 --> 00:26:30,089 ⚟わしは 身を案じてるだけじゃ! 268 00:26:30,089 --> 00:26:33,592 ⚟離せ! 離さんか! 269 00:26:37,262 --> 00:26:40,599 左衛門尉 数正! (数正 忠次)はっ。 270 00:26:40,599 --> 00:26:44,403 どうして もっと早く止めてくれなかったんじゃ。 271 00:26:44,403 --> 00:26:48,774 「あほたわけ」は さすがに まずかったですなあ。 272 00:26:48,774 --> 00:26:50,709 ああ。 273 00:26:50,709 --> 00:26:54,646 はあ… わしゃ もう おしまいじゃ…。 274 00:26:54,646 --> 00:26:57,416 直ちに三河に帰って➡ 275 00:26:57,416 --> 00:27:00,419 信長と一戦交える支度をすれば よいだけのこと。 276 00:27:00,419 --> 00:27:03,722 それは 幕府に反旗を翻すことじゃ 勝ち目はない。 277 00:27:03,722 --> 00:27:07,726 やってみねば分からん。 あほたわけは黙っとれ! 278 00:27:10,062 --> 00:27:14,733 (足音) 279 00:27:14,733 --> 00:27:18,070 守れ。 守れ! 堂々とせい。守れ。 280 00:27:18,070 --> 00:27:22,941 徳川様がおられる時だけでござる。 281 00:27:22,941 --> 00:27:27,379 我が殿が機嫌がよいのは。 282 00:27:27,379 --> 00:27:32,184 どうか 引き続きお供くださいませ。 283 00:27:36,388 --> 00:27:45,764 ♬~ 284 00:27:45,764 --> 00:27:48,800 明日の朝一番で 詫びを入れに行きましょう。 285 00:27:48,800 --> 00:27:53,505 わしらも一緒に参りますから。 286 00:27:53,505 --> 00:27:56,275 うん…。 287 00:27:56,275 --> 00:27:58,777 うん。 288 00:27:58,777 --> 00:28:16,562 ♬~ 289 00:28:16,562 --> 00:28:21,733 ⚟いかがした? ⚟いや キツネか何かだろう。 290 00:28:21,733 --> 00:28:27,072 ⚟お主ら! 夜明けには金ヶ崎じゃ 気を抜くな! 291 00:28:27,072 --> 00:28:29,074 ⚟(一同)はっ! 292 00:28:31,243 --> 00:28:43,956 (荒い息遣い) 293 00:28:43,956 --> 00:28:52,764 (風の音) 294 00:29:15,220 --> 00:29:31,670 ♬~ 295 00:29:31,670 --> 00:29:34,373 女のくせに! 296 00:29:34,373 --> 00:29:40,912 ♬~ 297 00:29:40,912 --> 00:29:43,248 女が一丁前に走るな! 298 00:29:43,248 --> 00:29:50,022 ♬~ 299 00:29:50,022 --> 00:29:54,760 かようなことも できぬのか! やり直せ。 300 00:29:54,760 --> 00:29:58,063 はい。 早く立て! 301 00:29:59,631 --> 00:30:01,633 膝。 302 00:30:03,402 --> 00:30:05,771 足を開くな。 303 00:30:05,771 --> 00:30:14,946 ♬~ 304 00:30:14,946 --> 00:30:18,750 さあさ もう一献。 おおっ おう。 305 00:30:22,120 --> 00:30:28,994 あ~。 おっ。娘でござる。 ほう~。 306 00:30:28,994 --> 00:30:34,299 年は いくつじゃ? 16でございます。 307 00:30:34,299 --> 00:30:37,302 16。 ふ~ん。 308 00:30:37,302 --> 00:30:40,105 300文。 400。 309 00:30:40,105 --> 00:30:42,641 300文! 350。 310 00:30:42,641 --> 00:30:45,677 300じゃ! ほれ! 311 00:30:45,677 --> 00:30:47,813 ヘヘッ。 312 00:30:47,813 --> 00:30:49,748 ふん! 313 00:30:49,748 --> 00:30:52,317 父上。 父上! 離せ。 314 00:30:52,317 --> 00:30:55,220 父上! 離せ! 315 00:30:55,220 --> 00:30:58,990 父上! 316 00:30:58,990 --> 00:31:01,393 父上! 317 00:31:01,393 --> 00:31:12,604 ♬~ 318 00:31:12,604 --> 00:31:15,107  回想 ⚟いたぞ! 319 00:31:15,107 --> 00:31:17,909 あっ…。 320 00:31:20,779 --> 00:31:22,714 う… あっ…。 321 00:31:22,714 --> 00:31:26,284 こやつめ! つまみ出せ! はっ! 322 00:31:26,284 --> 00:31:28,620 (お市)いかがした。 323 00:31:28,620 --> 00:31:33,825 行き倒れでございます。 台所に忍び入り 盗み食いを。 324 00:31:36,795 --> 00:31:38,997 うっ! 325 00:31:58,817 --> 00:32:01,019 よし! 326 00:32:02,587 --> 00:32:05,590 器量よしじゃ。 327 00:32:11,296 --> 00:32:18,603 ♬~ 328 00:32:18,603 --> 00:32:21,273 お市様…。 329 00:32:21,273 --> 00:33:09,254 ♬~ 330 00:33:09,254 --> 00:33:14,092 (荒い息遣い) 331 00:33:14,092 --> 00:33:29,107 ♬~ 332 00:33:29,107 --> 00:33:33,411 (阿月)フフッ そのような顔はしておりませぬ。 333 00:33:33,411 --> 00:33:36,781 う~ えんえん。 あ~。 334 00:33:36,781 --> 00:33:38,717 (笑い声) 335 00:33:38,717 --> 00:33:46,291 ♬~ 336 00:33:46,291 --> 00:33:49,127 いつも よう働いてくれている褒美じゃ。 337 00:33:49,127 --> 00:34:13,084 ♬~ 338 00:34:13,084 --> 00:34:15,387 阿月…。 339 00:34:15,387 --> 00:34:53,892 ♬~ 340 00:35:04,736 --> 00:35:16,915 (波の音) 341 00:35:16,915 --> 00:35:38,203 (すすり泣き) 342 00:35:38,203 --> 00:35:56,588 ♬~ 343 00:35:56,588 --> 00:36:02,894 お侍様! おう ほれ 持っていきなされ。 お~ でかいのう! 344 00:36:06,898 --> 00:36:11,236 ハア… ハア…! (親吉)おっ 何じゃ。➡ 345 00:36:11,236 --> 00:36:16,574 何者じゃ? ハア… ここは… いずれの…。 346 00:36:16,574 --> 00:36:19,911 ハア ハア…。 (親吉)徳川三河守様の陣じゃ。 347 00:36:19,911 --> 00:36:24,249 あ… ハア ハア ハア…。 348 00:36:24,249 --> 00:36:26,184 おい! 349 00:36:26,184 --> 00:36:29,587 殿! いかがした? 350 00:36:29,587 --> 00:36:33,091 (親吉)お市様からのお言づてだと 申しておりまして…。 351 00:36:33,091 --> 00:36:35,593 阿月…? 352 00:36:35,593 --> 00:36:39,097 お市様のところの阿月じゃな。 353 00:36:39,097 --> 00:36:42,967 わしじゃ 家康じゃ。 阿月。 354 00:36:42,967 --> 00:36:52,644 ♬~ 355 00:36:52,644 --> 00:36:58,483 おひき… 候え…。 356 00:36:58,483 --> 00:37:38,990 ♬~ 357 00:37:41,126 --> 00:37:46,831 小谷から10里以上 走り抜いたんだと思います。 358 00:37:49,400 --> 00:37:52,103 「おひき候え」と。 359 00:37:59,778 --> 00:38:05,984 殿。 浅井軍 朝倉軍 夜明けとともに進み始めております。 360 00:38:14,225 --> 00:38:17,228 早うお逃げなされ! お主の指図は受けん! 361 00:38:17,228 --> 00:38:19,931 わしの指図ではない! 362 00:38:21,733 --> 00:38:27,071 お市様のじゃ。 阿月の命を無駄になさるな。 363 00:38:27,071 --> 00:38:30,275 逃げんか あほたわけ! 364 00:38:41,920 --> 00:38:43,855 猿! へい。 365 00:38:43,855 --> 00:38:48,860 しんがりを任せる! 役目を果たせ。 366 00:38:53,264 --> 00:38:56,067 お主は好きにしろ。 367 00:38:59,771 --> 00:39:02,540 ありがとうごぜ~ます…。 368 00:39:02,540 --> 00:39:07,212 あり… あり… ありがとうごぜ~ます…。 369 00:39:07,212 --> 00:39:11,883 ありがとうごぜ~ます! ああ… あ… ああ~! 370 00:39:11,883 --> 00:39:19,057 ああ! ああ! ああ 死んだ! あ~! あ~! あ~ こりゃ死んだわ! 371 00:39:19,057 --> 00:39:24,863 おっかあ~! もう一度 おっかあと抱き合いっこしたかったあ~。 372 00:39:24,863 --> 00:39:29,367 おっかあ おっかあ おっかあ! 373 00:39:29,367 --> 00:39:34,205 おっかあ おっかあ おっかあ…! 374 00:39:34,205 --> 00:39:38,576 あ~! あ~! ア~ハハハハハ…! 375 00:39:38,576 --> 00:39:41,379 ウハハハハハ…! うあ~! 376 00:39:41,379 --> 00:39:46,217 ここで もし生き延びれば わしゃ まっとまっと上に行けるがや! 377 00:39:46,217 --> 00:39:50,121 徳川様! わしゃ こんな大戦を指図したことがねえでよ! 378 00:39:50,121 --> 00:39:54,759 どうしたらええ? 手伝ってちょうでえ 一緒にやろまい! ヒャヒャッ! 379 00:39:54,759 --> 00:39:58,630 なぜ わしらが…。 ここで逃げれば➡ 380 00:39:58,630 --> 00:40:03,268 あんたは 殿を見捨てたことになるに。 381 00:40:03,268 --> 00:40:07,939 あんたは将軍様を裏切って 浅井 朝倉と手を組むつもりだと➡ 382 00:40:07,939 --> 00:40:10,975 わしゃあ 言い触らしたるでよ! 383 00:40:10,975 --> 00:40:17,181 ハハハハハハハハッ…! 384 00:40:20,285 --> 00:40:23,488 クズじゃな お前は。 385 00:40:25,156 --> 00:40:28,626 あんたのために言ったっとるんだがや。 386 00:40:28,626 --> 00:41:02,327 ♬~ 387 00:41:03,928 --> 00:41:08,800 この金ヶ崎で迎え撃ち 信長殿の逃げる時を稼ぐ! 388 00:41:08,800 --> 00:41:12,603 後 退き戦に移る! 389 00:41:12,603 --> 00:41:15,106 おんなじこと言おうと思っとった! 急がれよ! 390 00:41:15,106 --> 00:41:17,141 やったるがや~! 391 00:41:17,141 --> 00:41:34,959 ♬~ 392 00:41:34,959 --> 00:41:36,994 七。 はっ。 393 00:41:36,994 --> 00:41:41,999 手厚く葬ってやれ。 (親吉)はっ。 394 00:41:44,302 --> 00:41:47,205 皆で三河に帰るぞ! 395 00:41:47,205 --> 00:41:49,173 (一同)おう! 396 00:41:49,173 --> 00:42:08,092 ♬~ 397 00:42:08,092 --> 00:42:11,596 目指すは織田信長の首一つ! 398 00:42:11,596 --> 00:42:15,767 ゆけ~い! (一同)お~! 399 00:42:15,767 --> 00:42:17,702 ご注進! 急げ 急げい! 400 00:42:17,702 --> 00:42:20,271 敵方 先鋒は磯野丹波! 401 00:42:20,271 --> 00:42:24,942 本多勢 続け~! (一同)お~! 402 00:42:24,942 --> 00:42:28,646 浅井朝倉軍 来るぞ~! 403 00:42:30,281 --> 00:42:34,152 (銃声) 浅井の首を取れ~! 404 00:42:34,152 --> 00:42:37,789 殿は信長の家臣にあらず。 指図される覚えはない。 405 00:42:37,789 --> 00:42:42,627 やつは わしを試しておるんじゃ 裏切れるものなら裏切ってみよと! 406 00:42:42,627 --> 00:42:44,562 乗ってはいけませぬ! 407 00:42:44,562 --> 00:42:47,965 義父上も なかなかやりますな。 408 00:42:47,965 --> 00:42:52,437 信長に義はない。 共に信長を討ち取らん。 409 00:42:52,437 --> 00:42:54,806 浅井につきたい。 410 00:42:54,806 --> 00:42:57,308 次回 どうする?