1 00:01:21,024 --> 00:01:23,393 (真子)赤身とコハダ 2貫ずつですね はい。 2 00:01:23,393 --> 00:01:26,446 (鱒之介)赤身 コハダ 2貫ずつ あいよ! あっ すみません。 3 00:01:26,446 --> 00:01:28,681 (真子)はい。 お寿司も きれいなんですけど➡ 4 00:01:28,681 --> 00:01:31,368 仕切りの緑色が また きれいですよね。 5 00:01:31,368 --> 00:01:37,023 (旬)これは 笹の葉なんです。 ≪プラスチックのバランじゃないんだ。 6 00:01:37,023 --> 00:01:39,376 (旬)本物の笹なんですよ。 7 00:01:39,376 --> 00:01:42,045 <勝翁:寿司折に添えてある 緑色の これ。 8 00:01:42,045 --> 00:01:45,698 最近は プラスチック製ばかりに なってしまいましたが➡ 9 00:01:45,698 --> 00:01:48,034 もともとは 笹の葉を 使っておりました。 10 00:01:48,034 --> 00:01:50,036 間違っちゃいけねえのが➡ 11 00:01:50,036 --> 00:01:52,088 バランという呼び名。 12 00:01:52,088 --> 00:01:54,374 バランとは ユリの一種である➡ 13 00:01:54,374 --> 00:01:56,359 葉蘭の葉っぱのことで➡ 14 00:01:56,359 --> 00:01:58,361 広く日本料理で使われております。 15 00:01:58,361 --> 00:02:00,363 一方 江戸前寿司で使うのは➡ 16 00:02:00,363 --> 00:02:02,365 主に 熊笹。 17 00:02:02,365 --> 00:02:04,384 見た目の美しさだけでなく➡ 18 00:02:04,384 --> 00:02:06,536 乾燥を防ぎ 臭いを抑え➡ 19 00:02:06,536 --> 00:02:08,688 殺菌効果もある優れもの。 20 00:02:08,688 --> 00:02:13,359 笹の葉は 江戸前寿司に なくてはならないものですな> 21 00:02:13,359 --> 00:02:15,695 (旬)寿司折 3つです。 22 00:02:15,695 --> 00:02:17,714 お待たせして すみません。 ≪いやいや。 23 00:02:17,714 --> 00:02:20,033 真子姉 おあいそ。 24 00:02:20,033 --> 00:02:22,018 真子姉。 25 00:02:22,018 --> 00:02:24,687 (旬)おあいそ。 あっ はい。 26 00:02:24,687 --> 00:02:27,874 すみません えっと 寿司折 3つですね。 27 00:02:27,874 --> 00:02:31,044 ≪あっ はい。 (真子)少々お待ちください。 28 00:02:31,044 --> 00:02:33,029 (西島)おめでとう。 29 00:02:33,029 --> 00:02:35,014 ありがとうございます。 30 00:02:35,014 --> 00:02:39,953 (西島)残り1か月は のんびり… と言いたいところだが。 31 00:02:39,953 --> 00:02:43,373 はい 最後まで 目いっぱい 働かせてもらいます。 32 00:02:43,373 --> 00:02:49,028 うん 頼むよ じゃあ これは 確かに受け取りました。 33 00:02:49,028 --> 00:02:51,014 あっ そうだ。 34 00:02:51,014 --> 00:02:53,032 肝心の式の日取りは どうなったの? 35 00:02:53,032 --> 00:02:55,568 なかなか 決まらないみたいだけど。 36 00:02:55,568 --> 00:02:59,068 えぇ それが…。 37 00:03:01,024 --> 00:03:03,693 (3人)いただきます。 38 00:03:03,693 --> 00:03:06,846 うん おいしい さすが私。 39 00:03:06,846 --> 00:03:09,849 まあまあだな。 40 00:03:09,849 --> 00:03:12,035 ちゃんと褒めないと 食べさせないよ。 41 00:03:12,035 --> 00:03:15,004 あっ すごい うまい。 42 00:03:15,004 --> 00:03:17,390 おいしい これ もう めちゃくちゃ うまい! 43 00:03:17,390 --> 00:03:19,425 これを作った人は 天才料理人だな。 44 00:03:19,425 --> 00:03:21,461 何それ。 45 00:03:21,461 --> 00:03:23,346 真子。 ん? 46 00:03:23,346 --> 00:03:25,682 真子は もうじき 酒井家の一員になるんだ。 47 00:03:25,682 --> 00:03:29,018 うちを手伝うのは 今日が最後にしろ。 48 00:03:29,018 --> 00:03:33,690 今まで ご苦労だったな。 えっ? でも 時々は…。 49 00:03:33,690 --> 00:03:36,526 うちのことは 大丈夫だよ。 50 00:03:36,526 --> 00:03:39,712 俺が修業してる間 店のこと さんざん任せちゃったし。 51 00:03:39,712 --> 00:03:43,116 本当に助かったよ… っていうか➡ 52 00:03:43,116 --> 00:03:50,857 母さんが死んでから 真子姉が 俺の母親代わりだったもんな。 53 00:03:50,857 --> 00:03:53,276 いなくなっちゃうのか 真子姉。 54 00:03:53,276 --> 00:03:55,695 何言ってんのよ いるわよ。 55 00:03:55,695 --> 00:03:59,395 酒井さんとこだって近いんだし いつだって 来られるじゃない。 56 00:04:02,085 --> 00:04:05,655 そうだ 父さん ちょっと話があるんだけど。 57 00:04:05,655 --> 00:04:08,041 何だ? 58 00:04:08,041 --> 00:04:10,543 私 式は挙げないから。 59 00:04:10,543 --> 00:04:12,712 えっ! 60 00:04:12,712 --> 00:04:14,712 結婚式やらねえのか? 61 00:04:16,900 --> 00:04:20,220 今どき 普通よ お金だってかかるし。 62 00:04:20,220 --> 00:04:24,290 哲也さんとも相談して 写真だけでもいいかって。 63 00:04:24,290 --> 00:04:26,709 なんでよ やりなよ 結婚式。 64 00:04:26,709 --> 00:04:28,695 鱚一郎兄さんだって やったんだし。 65 00:04:28,695 --> 00:04:32,565 でも 長野の二人は 来なかったでしょう。 66 00:04:32,565 --> 00:04:36,853 長野? 長野って 母さんの実家? 67 00:04:36,853 --> 00:04:42,025 でも 母さん死んでから 連絡取ってないんでしょう? 68 00:04:42,025 --> 00:04:44,711 そうなんだけど。 69 00:04:44,711 --> 00:04:50,350 私 母さんと 小さいころ よく 長野に行ってたの。 70 00:04:50,350 --> 00:04:55,355 そのとき おじいちゃん おばあちゃんと約束したのよ。 71 00:04:55,355 --> 00:04:59,259 花嫁衣装を見てもらうって。 72 00:04:59,259 --> 00:05:04,364 長野 行ってたんだ 知らなかったな。 73 00:05:04,364 --> 00:05:07,700 じゃあさ 呼べばいいんじゃない? 結婚式。 74 00:05:07,700 --> 00:05:14,607 実は 先週 久しぶりに 連絡してみたんだけど➡ 75 00:05:14,607 --> 00:05:17,026 やっぱり 参列できないって。 76 00:05:17,026 --> 00:05:20,346 なんで? 77 00:05:20,346 --> 00:05:24,046 それは…。 78 00:05:39,115 --> 00:05:42,352 (鱚一郎)こんちは。 (戸の開く音) 79 00:05:42,352 --> 00:05:45,521 (鱚一郎)旬。 兄さん。 80 00:05:45,521 --> 00:05:48,524 いらっしゃい どうしたの? (鱚一郎)どうしたのって…。 81 00:05:48,524 --> 00:05:50,510 真子が結婚式 挙げないって 聞いたんだよ。 82 00:05:50,510 --> 00:05:52,528 何事かと思ってさ。 83 00:05:52,528 --> 00:05:56,028 あぁ うん…。 84 00:08:15,021 --> 00:08:18,207 えっ おやじが長野に!? 85 00:08:18,207 --> 00:08:21,077 うん 昨日 真子姉の話 聞いたら➡ 86 00:08:21,077 --> 00:08:23,613 おやじ 急に 険しい顔になってさ➡ 87 00:08:23,613 --> 00:08:26,532 それから ひと言も しゃべらなくなって。 88 00:08:26,532 --> 00:08:29,702 で さっき 急に 長野に行くって。 89 00:08:29,702 --> 00:08:32,188 (鱚一郎)そうか…。 90 00:08:32,188 --> 00:08:34,557 長野の問題だったのか。 91 00:08:34,557 --> 00:08:36,859 俺 長野のおじいちゃんと おばあちゃん➡ 92 00:08:36,859 --> 00:08:40,530 会ったことないからさ なんか もう わけわからなくて。 93 00:08:40,530 --> 00:08:43,850 いや 旬は 一度だけ 会ったことあるよ。 94 00:08:43,850 --> 00:08:45,902 母さんの葬式のとき来てたからな。 95 00:08:45,902 --> 00:08:48,437 えっ そうなの? うん。 96 00:08:48,437 --> 00:08:50,540 全然 記憶にないな。 97 00:08:50,540 --> 00:08:54,710 母さんが 旬を産んでから うちと長野は疎遠になったから➡ 98 00:08:54,710 --> 00:08:59,110 俺も 葬式のときは 挨拶程度しか しなかったよ。 99 00:09:01,350 --> 00:09:03,719 何か あったの? 100 00:09:03,719 --> 00:09:07,039 うん…。 101 00:09:07,039 --> 00:09:10,039 もう 旬にも話したほうがいいな。 102 00:09:12,528 --> 00:09:15,715 (鱚一郎)お前が 母さんの おなかの中にいるとき➡ 103 00:09:15,715 --> 00:09:18,684 おやじと母さんは 名前を どうしようか➡ 104 00:09:18,684 --> 00:09:20,953 相談してたらしいんだけど。 105 00:09:20,953 --> 00:09:23,523 ⦅君江:鱚一郎は あなたのお母様に➡ 106 00:09:23,523 --> 00:09:25,875 名前付けてもらったじゃない? うん。 107 00:09:25,875 --> 00:09:29,378 この子は うちの両親に 名前付けてもらうっていうの➡ 108 00:09:29,378 --> 00:09:33,199 どうかしら? あぁ そりゃあ いいや。 109 00:09:33,199 --> 00:09:35,868 いいアイデアでしょう? あぁ⦆ 110 00:09:35,868 --> 00:09:40,022 (鱚一郎)早速 母さんは 両親を東京に呼び寄せて➡ 111 00:09:40,022 --> 00:09:44,710 妊娠の報告と 名前のことを 相談しようと思ったんだ。 112 00:09:44,710 --> 00:09:49,198 ところが 二人が 目の当たりにしたのは➡ 113 00:09:49,198 --> 00:09:53,369 寿司屋のおかみとして 働きづめの母さんだった。 114 00:09:53,369 --> 00:09:58,524 妊娠中の一人娘が 朝から晩まで 休みなく働くのを見て➡ 115 00:09:58,524 --> 00:10:00,526 かなり ショックを受けたらしい。 116 00:10:00,526 --> 00:10:02,528 ⦅お待たせいたしました ビールでございます。 117 00:10:02,528 --> 00:10:04,530 あっ 注文いいかな。 はい。 118 00:10:04,530 --> 00:10:06,515 アナゴと中トロ⦆ 119 00:10:06,515 --> 00:10:12,555 (鱚一郎)母さんは 生まれつき 心臓が弱かったんだ。 120 00:10:12,555 --> 00:10:17,710 でも そんな持病があったなんて 当時は誰も知らなかった。 121 00:10:17,710 --> 00:10:20,129 おやじさえも。 122 00:10:20,129 --> 00:10:22,048 ⦅いったい どういうことなんだ 鱒之介さん⦆ 123 00:10:22,048 --> 00:10:24,066 (鱚一郎)だから 妊娠中に➡ 124 00:10:24,066 --> 00:10:26,385 母さんが倒れて 病院に担ぎ込まれたときは➡ 125 00:10:26,385 --> 00:10:30,039 みんな 驚いたよ。 (旬)妊娠中に? 126 00:10:30,039 --> 00:10:32,875 (鱚一郎)特に おじいさんは 医者だからな。 127 00:10:32,875 --> 00:10:35,728 怒り心頭だったよ。 128 00:10:35,728 --> 00:10:38,381 寿司職人に嫁がせたことを 後悔してるって➡ 129 00:10:38,381 --> 00:10:41,384 はっきり おやじに言ってた。 130 00:10:41,384 --> 00:10:45,788 (旬)母さん 俺を産む前に 倒れてたのか。 131 00:10:45,788 --> 00:10:50,710 まさか 俺を産んだから 母さんは…。 132 00:10:50,710 --> 00:10:53,045 いや 旬 そうじゃない。 133 00:10:53,045 --> 00:10:56,716 倒れたときも 大事には至らず すぐに退院できたし➡ 134 00:10:56,716 --> 00:10:59,418 母さんは 旬を産んでから 10年 生きた。 135 00:10:59,418 --> 00:11:02,288 だから お前の出産と➡ 136 00:11:02,288 --> 00:11:05,725 母さんが死んだことは関係ないよ。 137 00:11:05,725 --> 00:11:10,079 母さんは もともと 体が弱かったんだ。 138 00:11:10,079 --> 00:11:13,366 そっか…。 まっ そんなわけで➡ 139 00:11:13,366 --> 00:11:16,068 長野と うちは 疎遠になったってわけだ。 140 00:11:16,068 --> 00:11:19,972 俺も おやじとは いろいろあったし➡ 141 00:11:19,972 --> 00:11:23,893 今まで お前に話す機会がなくて 悪かったな。 142 00:11:23,893 --> 00:11:28,093 あっ ううん 今日 聞けてよかったよ。 143 00:11:30,066 --> 00:11:34,053 夏休みは よく 母さんと 長野に行ったっけ。 144 00:11:34,053 --> 00:11:38,474 店の都合で行けないときは 真子が ビービー泣いてたよ。 145 00:11:38,474 --> 00:11:42,545 アイツは 長野が好きだったからな。 146 00:11:42,545 --> 00:11:46,716 じゃあ おやじは 真子姉のために 長野に? 147 00:11:46,716 --> 00:11:50,386 うん… しかしな➡ 148 00:11:50,386 --> 00:11:53,389 おやじが説得しても 難しいだろうな。 149 00:11:53,389 --> 00:11:57,043 俺の結婚式のときも 一応 はがきは出したんだが➡ 150 00:11:57,043 --> 00:11:59,061 返信なかったし。 151 00:11:59,061 --> 00:12:02,214 それに 東京には来づらいだろう。 152 00:12:02,214 --> 00:12:04,383 どうして? 153 00:12:04,383 --> 00:12:13,383 ここは 母さんの思い出が 詰まりすぎてるから。 154 00:12:27,707 --> 00:12:50,696 ♬~ 155 00:12:50,696 --> 00:12:52,715 (玄関チャイム) 156 00:12:52,715 --> 00:12:55,067 (清子)あなた! 157 00:12:55,067 --> 00:13:00,156 (英一)どうしたんだ 母さん そんなに慌てて。 158 00:13:00,156 --> 00:13:03,756 (清子)あなた 鱒之介さんが。 159 00:13:09,398 --> 00:13:11,398 (ドアの開く音) 160 00:13:18,224 --> 00:13:21,610 (鱒之介)ずいぶん 長いこと ご無沙汰しまして➡ 161 00:13:21,610 --> 00:13:25,231 申し訳ございません ひと言 ご挨拶だけでも。 162 00:13:25,231 --> 00:13:32,431 (清子)私たちも 突然のことで あの 今日のところは…。 163 00:13:37,059 --> 00:13:39,895 じゃあ おやじが帰ってきたら 連絡くれよ。 164 00:13:39,895 --> 00:13:42,047 仕事 早めに切り上げるから。 165 00:13:42,047 --> 00:13:44,483 うん わかった。 166 00:13:44,483 --> 00:13:46,483 うん。 167 00:14:09,708 --> 00:14:13,108 兄さん 待って 兄さん! 168 00:16:39,074 --> 00:16:41,710 ご無沙汰しております。 169 00:16:41,710 --> 00:16:44,697 相変わらず 頑固ですね 鱒之介さん。 170 00:16:44,697 --> 00:16:47,697 突然 おじゃましてしまいまして。 171 00:16:55,040 --> 00:16:57,040 どうぞ。 172 00:16:59,194 --> 00:17:02,348 皆さん お元気で? 173 00:17:02,348 --> 00:17:04,366 おかげさまで。 174 00:17:04,366 --> 00:17:10,539 末の旬も成人しまして 今 店を手伝ってくれてます。 175 00:17:10,539 --> 00:17:16,512 君江の葬儀のときは 10歳でしたかね。 176 00:17:16,512 --> 00:17:18,530 はい。 177 00:17:18,530 --> 00:17:23,519 どうしても 思い出してしまうんです。 178 00:17:23,519 --> 00:17:32,144 (英一)あなたに会って また 思い出してしまいました。 179 00:17:32,144 --> 00:17:34,744 ⦅今は 後悔してるよ! 180 00:17:43,288 --> 00:17:46,008 君江 起きたか? 181 00:17:46,008 --> 00:17:51,680 どう? 君江 気分は。 大丈夫? 182 00:17:51,680 --> 00:17:53,699 うん お母さん もう大丈夫。 183 00:17:53,699 --> 00:17:55,718 大丈夫じゃないよ。 184 00:17:55,718 --> 00:17:58,587 聞けば 鱒之介さんは お前の心臓のことを➡ 185 00:17:58,587 --> 00:18:00,873 知らなかったそうじゃないか。 186 00:18:00,873 --> 00:18:04,373 どうして 話しておかなかったんだ! 187 00:18:07,379 --> 00:18:11,367 夢を見たの。 188 00:18:11,367 --> 00:18:15,537 おなかの子が産まれた夢。 189 00:18:15,537 --> 00:18:19,637 男の子で とっても かわいかった。 190 00:18:23,729 --> 00:18:28,717 君江 そのことだが➡ 191 00:18:28,717 --> 00:18:37,042 これは 医者としての私の診断だ よく聞いてくれ。 192 00:18:37,042 --> 00:18:41,046 心臓の弱い お前が➡ 193 00:18:41,046 --> 00:18:45,701 幸い 3人の子どもを 産むことができた。 194 00:18:45,701 --> 00:18:50,706 しかし 今の年齢を考えると➡ 195 00:18:50,706 --> 00:18:56,061 正直言って 今度は心配だ。 196 00:18:56,061 --> 00:18:59,548 君江 無理しないでね。 197 00:18:59,548 --> 00:19:02,148 あなたの命のほうが…。 私…。 198 00:19:05,487 --> 00:19:07,487 産みます。 199 00:19:16,648 --> 00:19:23,388 この子は 私と鱒之介さんの宝なの。 200 00:19:23,388 --> 00:19:28,088 たとえ 私が どうなっても 絶対 産むわ。 201 00:19:30,712 --> 00:19:35,868 お父さん わかるの。 202 00:19:35,868 --> 00:19:40,189 この子は とても大切な子だって。 203 00:19:40,189 --> 00:19:44,026 何も わかっとらん。 204 00:19:44,026 --> 00:19:49,715 お前に 何かあったら どうするんだ? 205 00:19:49,715 --> 00:19:52,615 どうして この子は…⦆ 206 00:20:01,527 --> 00:20:06,327 真子の結婚式に ご出席 いただけませんでしょうか。 207 00:20:14,039 --> 00:20:19,595 孫を祝福したいのは やまやまだが…。 208 00:20:19,595 --> 00:20:27,553 娘の死は運命だったと 頭では わかってるんですけど➡ 209 00:20:27,553 --> 00:20:30,072 君江が いなくなってしまって➡ 210 00:20:30,072 --> 00:20:34,893 私たちは 生きる張りを なくしてしまいました。 211 00:20:34,893 --> 00:20:42,393 鱒之介さん 頭を上げてください。 212 00:20:45,387 --> 00:20:53,445 私も まさか 一人娘に先立たれるなど➡ 213 00:20:53,445 --> 00:20:57,216 夢にも思いませんでした。 214 00:20:57,216 --> 00:21:03,739 死んだ娘を思わぬ日は 一日もなかった。 215 00:21:03,739 --> 00:21:10,879 10年たって ようやく 君江の死を➡ 216 00:21:10,879 --> 00:21:16,368 少しずつ 受け入れられるように なったんです。 217 00:21:16,368 --> 00:21:24,042 だが 東京へは行けません。 218 00:21:24,042 --> 00:21:29,031 私たちの一人娘は もう いないんです。 219 00:21:29,031 --> 00:21:33,201 これは もう どうにもならないことです。 220 00:21:33,201 --> 00:21:39,141 鱒之介さん わかってください。 221 00:21:39,141 --> 00:21:45,047 君江は もう いないんです。 222 00:21:45,047 --> 00:21:49,401 せっかく来ていただいたのに。 223 00:21:49,401 --> 00:21:54,701 思い出すと やっぱり つらくて…。 224 00:22:00,212 --> 00:22:06,385 お気持ちは よく わかりました。 225 00:22:06,385 --> 00:22:09,871 君江の席も 設けるつもりです。 226 00:22:09,871 --> 00:22:15,071 お二人の席も 空けておきますんで。 227 00:22:19,047 --> 00:22:24,469 じゃあ あっしは これで…。 228 00:22:24,469 --> 00:22:27,169 (玄関チャイム) 229 00:22:36,148 --> 00:22:38,148 (清子)あっ! 230 00:22:47,809 --> 00:22:49,809 旬! 231 00:22:52,531 --> 00:22:56,702 おじいちゃん おばあちゃん こんにちは。 232 00:22:56,702 --> 00:22:58,704 柳葉旬です。 233 00:22:58,704 --> 00:23:05,143 旬なのか? こんなに大きくなって。 234 00:23:05,143 --> 00:23:07,529 おやじが 長野に行くって 言ってたので➡ 235 00:23:07,529 --> 00:23:11,049 俺も 来ちゃいました。 よく ここが わかったな。 236 00:23:11,049 --> 00:23:13,702 鱚一郎兄さんに 教えてもらったんだよ。 237 00:23:13,702 --> 00:23:17,055 あっ どうしても これを届けたくて。 238 00:23:17,055 --> 00:23:22,110 おじいちゃん おばあちゃん どうぞ。 239 00:23:22,110 --> 00:23:24,110 俺が握りました。 240 00:23:30,018 --> 00:23:33,021 これは…。 笹寿司です。 241 00:23:33,021 --> 00:23:36,525 小さいころ 母さんに教えてもらいました。 242 00:23:36,525 --> 00:23:39,525 これは 長野の寿司なんですよね。 243 00:23:41,713 --> 00:23:44,199 母さんよりは 下手かもしれないですけど➡ 244 00:23:44,199 --> 00:23:47,352 よかったら どうぞ。 245 00:23:47,352 --> 00:23:51,189 旬は いちばん 母親に懐いてましたから。 246 00:23:51,189 --> 00:23:55,043 いつも 君江の まねばかりしてました。 247 00:23:55,043 --> 00:23:58,043 どうか 食べてやってください。 248 00:24:11,042 --> 00:24:13,042 う~ん。 249 00:24:19,701 --> 00:24:24,101 母さんは 笹寿司を おばあちゃんから教わったって。 250 00:24:27,526 --> 00:24:29,845 いいえ。 251 00:24:29,845 --> 00:24:34,045 これは 私の作った 笹寿司ではありません。 252 00:24:38,036 --> 00:24:45,076 これは 君江の笹寿司です。 253 00:24:45,076 --> 00:24:53,401 妻は不器用で こんなに きれいに 笹を巻くことはできません。 254 00:24:53,401 --> 00:25:00,101 だから これは 君江の作った 笹寿司です。 255 00:25:03,728 --> 00:25:09,128 本当に 君江に そっくり…。 256 00:25:12,137 --> 00:25:18,727 君江は 今も旬の中に…。 257 00:25:18,727 --> 00:25:23,031 旬 ありがとう。 258 00:25:23,031 --> 00:25:30,939 笹寿司を握ってくれて 本当に ありがとう。 259 00:25:30,939 --> 00:25:34,543 旬ちゃん。 260 00:25:34,543 --> 00:25:37,879 来てくれて ありがとうね。 261 00:25:37,879 --> 00:25:43,368 俺も 二人に会えて すごい うれしい。 262 00:25:43,368 --> 00:25:48,056 ここは 母さんの匂いがする。 263 00:25:48,056 --> 00:26:08,543 ♬~ 264 00:26:08,543 --> 00:26:14,533 うん… 本当に? 265 00:26:14,533 --> 00:26:18,533 本当に出席してくれるの? 266 00:26:27,362 --> 00:26:30,662 ありがとう 旬…。 267 00:26:33,535 --> 00:26:36,037 そっか 俺の名前は➡ 268 00:26:36,037 --> 00:26:38,940 おじいちゃん おばあちゃんが 付ける予定だったんだ。 269 00:26:38,940 --> 00:26:41,526 あっ でも 結局 おやじが付けたんだろう? 270 00:26:41,526 --> 00:26:46,081 あぁ 男が産まれたら 旬にしようって決めてた。 271 00:26:46,081 --> 00:26:49,634 寿司職人が付ける名前らしい いい名前だって➡ 272 00:26:49,634 --> 00:26:54,522 母さん 言ってたっけ。 え~ そうなんだ でっ? 273 00:26:54,522 --> 00:26:58,526 おなかの中の お前が ポコポコ 蹴るもんだから➡ 274 00:26:58,526 --> 00:27:00,946 母さん きっと 名前が気に入ったんだろうって。 275 00:27:00,946 --> 00:27:03,365 そんなの初めて聞いたよ。 276 00:27:03,365 --> 00:27:06,034 でっ? でっ? 母さん 他に何か言ってた? 277 00:27:06,034 --> 00:27:08,034 (鱒之介)う~ん。 278 00:28:37,092 --> 00:28:39,377 (鱒之介)旬か。 279 00:28:39,377 --> 00:28:41,379 どうした? 280 00:28:41,379 --> 00:28:45,079 (旬)あっ おはよう。 281 00:28:48,370 --> 00:28:50,855 なんだ 寝てなかったのか。 282 00:28:50,855 --> 00:28:55,026 (旬)なんでもない…。 283 00:28:55,026 --> 00:28:57,028 もう朝か。 284 00:28:57,028 --> 00:28:59,047 豊洲へ行く時間だろう。 285 00:28:59,047 --> 00:29:02,047 うん 今行く。 286 00:29:04,202 --> 00:29:06,204 待て 旬。 287 00:29:06,204 --> 00:29:10,104 お前 具合悪いのか? 288 00:29:58,373 --> 00:30:00,573 あれ? 289 00:30:05,029 --> 00:30:07,029 まただ…。 290 00:30:09,033 --> 00:30:12,353 旬 お客さん お待ちだぞ。 291 00:30:12,353 --> 00:30:16,653 どうしよう 俺…。 292 00:30:19,027 --> 00:30:24,415 わからなくなっちゃった… どうやって握ればいいか。 293 00:30:24,415 --> 00:30:27,936 (真子)もしかして 長野の旅行のときに➡ 294 00:30:27,936 --> 00:30:31,523 何かあった? 旬のことか? 295 00:30:31,523 --> 00:30:34,843 俺にも よう わからん。 296 00:30:34,843 --> 00:30:38,713 (真子)うん 帰ってきたときは あんなに喜んでたじゃない。 297 00:30:38,713 --> 00:30:43,251 今まで知らなかった 母さんの話も いっぱい聞けたし➡ 298 00:30:43,251 --> 00:30:47,689 おじいちゃんたちにも会えたって すごい喜んでたのに。 299 00:30:47,689 --> 00:30:52,589 今は なんだか 昔の話をするのが つらいみたい。 300 00:30:55,580 --> 00:31:02,036 旬に 長野に行ってもらったこと 負担だったかな。 301 00:31:02,036 --> 00:31:04,689 そいつは関係ねえさ。 302 00:31:04,689 --> 00:31:08,860 お前の結婚を 誰よりも喜んでるのは 旬だ。 303 00:31:08,860 --> 00:31:15,049 アイツを信じて 黙って見守っててやれ。 304 00:31:15,049 --> 00:31:29,347 ♬~ 305 00:31:29,347 --> 00:31:33,047 (旬)ハァハァハァ…。 306 00:31:41,042 --> 00:31:47,042 また同じ夢だ どうして…。 307 00:31:57,542 --> 00:32:01,846 (平政)寿司を握るときだけ 手が震える? 308 00:32:01,846 --> 00:32:05,516 (旬)うん ほら 今は大丈夫。 309 00:32:05,516 --> 00:32:09,204 (平政)体の中で 何かが起こっとるんじゃな。 310 00:32:09,204 --> 00:32:12,690 この前 俺➡ 311 00:32:12,690 --> 00:32:16,127 三代目の寿司は おやじのまねにすぎないって➡ 312 00:32:16,127 --> 00:32:18,112 言われたことがあって。 313 00:32:18,112 --> 00:32:23,534 ⦅坂本:三代目の寿司は 親方の模倣にすぎない⦆ 314 00:32:23,534 --> 00:32:26,187 それから 何を握っても➡ 315 00:32:26,187 --> 00:32:30,858 このままじゃだめだ あの人の 言うとおりだって思っちゃう。 316 00:32:30,858 --> 00:32:37,248 あの お方はな 坂本一光といって 有名な仏師じゃ。 317 00:32:37,248 --> 00:32:39,550 仏師? うん。 318 00:32:39,550 --> 00:32:43,554 あの方に認められた職人は よほどのこと。 319 00:32:43,554 --> 00:32:46,724 お前さんが 気にすることはないんじゃ。 320 00:32:46,724 --> 00:32:49,394 そんなに偉い人だったんだ。 321 00:32:49,394 --> 00:32:54,799 どうかね いっぺん 初心に立ち返って➡ 322 00:32:54,799 --> 00:32:57,368 マグロの赤身を握ってみては。 323 00:32:57,368 --> 00:32:59,387 初心? 324 00:32:59,387 --> 00:33:03,975 うまい寿司が握れなくて それほど悩んでおるんじゃろう? 325 00:33:03,975 --> 00:33:07,211 じゃったら うまい寿司が握れれば➡ 326 00:33:07,211 --> 00:33:10,214 手の震えも きっと 治まるはずじゃ。 327 00:33:10,214 --> 00:33:14,118 それじゃあ 卵が先かニワトリが先か わかんないよ。 328 00:33:14,118 --> 00:33:18,706 実に奇妙じゃが スランプとは そういうものじゃ。 329 00:33:18,706 --> 00:33:23,761 そうか うまい寿司か…。 330 00:33:23,761 --> 00:33:26,381 どうかね。 331 00:33:26,381 --> 00:33:34,706 じっちゃん 俺 最高の赤身の握り やってみるよ。 332 00:33:34,706 --> 00:33:36,708 <勝翁:鱒之介さんだと 思ったかい? 333 00:33:36,708 --> 00:33:38,876 湊家勝翁ですよ。 334 00:33:38,876 --> 00:33:40,895 さて これまで 江戸前寿司の➡ 335 00:33:40,895 --> 00:33:43,047 さまざまなタネを 語ってきましたが➡ 336 00:33:43,047 --> 00:33:45,717 最後のタネは 寿司屋の花形➡ 337 00:33:45,717 --> 00:33:48,036 マグロの赤身を ご紹介しましょう。 338 00:33:48,036 --> 00:33:50,872 赤身は 身のほぼ中心部。 339 00:33:50,872 --> 00:33:53,041 歯応えは しっかり。 340 00:33:53,041 --> 00:33:55,376 わずかな酸味がある 味わいが特徴。 341 00:33:55,376 --> 00:33:59,063 本当に よい赤身が持つ 上品な香りは➡ 342 00:33:59,063 --> 00:34:02,033 一度 知ったら 病みつきになるね。 343 00:34:02,033 --> 00:34:04,736 では 私も これで語りじまい。 344 00:34:04,736 --> 00:34:06,738 さて 三代目は➡ 345 00:34:06,738 --> 00:34:08,738 うまい寿司を 握れますかね?> 346 00:34:13,728 --> 00:34:16,264 《小手先のまねじゃだめなんだ。 347 00:34:16,264 --> 00:34:20,264 自分の技術を身につけないと》 348 00:34:26,891 --> 00:34:32,714 失敗してもいいんだ 練習 練習。 349 00:34:32,714 --> 00:34:34,714 (息を吐く声) 350 00:34:36,701 --> 00:34:38,703 (甚太)はいよ こいつは➡ 351 00:34:38,703 --> 00:34:40,688 年に いっぺん 入るか入らないかの➡ 352 00:34:40,688 --> 00:34:42,707 極上もんだ。 よし。 353 00:34:42,707 --> 00:34:47,028 いつもより 値が張るが いいのかい? 354 00:34:47,028 --> 00:34:51,028 俺の給料 足して買えば なんとか。 355 00:34:53,034 --> 00:35:00,191 オメエみてえに 寿司が好きなヤツはいねえな。 356 00:35:00,191 --> 00:35:06,197 甚太さん やっぱり 河岸は いいですね。 357 00:35:06,197 --> 00:35:12,397 魚を見てると いい寿司が 握れそうな気がします。 358 00:35:15,873 --> 00:35:20,361 旬 一人で しょい込みすぎるな。 359 00:35:20,361 --> 00:35:23,881 若いうちは 失敗して当たりめえだ。 360 00:35:23,881 --> 00:35:26,534 頑張れよ 三代目! 361 00:35:26,534 --> 00:35:29,334 はい。 362 00:35:32,840 --> 00:35:35,693 じっちゃん おまちどおさま。 363 00:35:35,693 --> 00:35:39,363 最高の赤身 用意しました。 364 00:35:39,363 --> 00:35:43,034 じゃあ 2貫 いただこうかな。 365 00:35:43,034 --> 00:35:45,034 はい。 366 00:35:50,191 --> 00:35:54,362 《柳寿しの味は おやじの味だった。 367 00:35:54,362 --> 00:35:57,365 そのことに 今まで 何の疑問もなかった。 368 00:35:57,365 --> 00:36:02,665 だけど 俺の理想の寿司って 何だろう》 369 00:36:27,712 --> 00:36:30,681 ⦅母さん? 370 00:36:30,681 --> 00:36:36,053 どこか痛いの? 371 00:36:36,053 --> 00:36:40,653 母さん…⦆ 372 00:36:50,701 --> 00:36:56,101 《旬:考えないようにしてたんだ あの日のこと…》 373 00:37:01,746 --> 00:37:04,146 (口笛) 374 00:37:21,365 --> 00:37:23,365 泥棒? 375 00:37:28,356 --> 00:37:30,791 鮭児兄さん? 376 00:37:30,791 --> 00:37:33,528 (鮭児)旬? 377 00:37:33,528 --> 00:37:35,696 旬! アハハハハ! 378 00:37:35,696 --> 00:37:39,850 アフリカに 真子から国際電話あってな 真子 結婚すんだって? 379 00:37:39,850 --> 00:37:43,037 間に合ったんだ…。 380 00:37:43,037 --> 00:37:45,039 腹減っちまったよ。 381 00:37:45,039 --> 00:37:47,039 挨拶いいから 何か作ってくれよ。 382 00:39:35,032 --> 00:39:37,368 (鮭児)なんだよ。 383 00:39:37,368 --> 00:39:40,705 お前の寿司が食えると思ったら ちらしかよ。 384 00:39:40,705 --> 00:39:42,705 寿司は また今度ね。 385 00:39:45,376 --> 00:39:47,376 いただきます。 386 00:39:55,019 --> 00:39:57,038 うまい。 387 00:39:57,038 --> 00:39:59,540 あのさ…。 ん? 388 00:39:59,540 --> 00:40:06,714 鮭児兄さんは 世界中を旅してて 一人で さみしくなかった? 389 00:40:06,714 --> 00:40:09,214 さみしい? なんでだ? 390 00:40:11,535 --> 00:40:17,408 母さんが死んでから すぐに出てっちゃったから。 391 00:40:17,408 --> 00:40:23,531 あのときは 俺たちに 何も言ってくんなかっただろう。 392 00:40:23,531 --> 00:40:26,631 お前には 柳寿しを 押しつけちまったな。 393 00:40:32,022 --> 00:40:34,692 おやじの言うとおりに 寿司を握る人生なんて➡ 394 00:40:34,692 --> 00:40:36,694 まっぴら ごめんだった。 395 00:40:36,694 --> 00:40:39,046 あの人は 子どもの誰かに➡ 396 00:40:39,046 --> 00:40:42,046 店を継いでほしいと 思ってたはずだからな。 397 00:40:47,354 --> 00:40:52,554 跡継ぎ 押しつけられたなんて 思ってないよ。 398 00:41:01,018 --> 00:41:03,954 旬…。 399 00:41:03,954 --> 00:41:07,374 柳寿しの のれんなんか いつでも捨てちまえ。 400 00:41:07,374 --> 00:41:11,862 たかが 寿司さ。 401 00:41:11,862 --> 00:41:17,562 母さんは 俺たちを育てるために 死ぬ必要なんてなかったんだ。 402 00:41:25,025 --> 00:41:32,032 母さんが 死んだ日のこと 考えないようにしてたんだ。 403 00:41:32,032 --> 00:41:37,032 どうやったら 母さんを 助けられたのかな。 404 00:41:43,360 --> 00:41:47,364 旬 誰の人生も➡ 405 00:41:47,364 --> 00:41:51,664 やり直しは きかねえのさ。 406 00:41:57,942 --> 00:41:59,844 (平政)おめでとうございます。 (鮭児)いやいや ありがとう…。 407 00:41:59,844 --> 00:42:02,029 はいはいはい。 ありがとう おじさん。 408 00:42:02,029 --> 00:42:04,014 はいよ。 とっとっと…。 409 00:42:04,014 --> 00:42:06,033 おめでとう。 (鱚一郎)すみません。 410 00:42:06,033 --> 00:42:08,018 ありがとうございます。 411 00:42:08,018 --> 00:42:11,689 よいしょ。 おじさん おじさんも! 412 00:42:11,689 --> 00:42:14,859 よし はいはい。 はい じゃあ! 413 00:42:14,859 --> 00:42:17,361 おめでとう。 おめでとう。 おめでとう ありがとう。 414 00:42:17,361 --> 00:42:19,363 おめでとう ありがとう。 うまい! 415 00:42:19,363 --> 00:42:21,363 おめでとう ありがとう は~い。 416 00:42:29,356 --> 00:42:33,656 まだ 開いてますか? 417 00:42:40,367 --> 00:42:42,367 何にしましょう。 418 00:42:45,723 --> 00:42:49,527 彼は たしか 息子さんでしたね? 419 00:42:49,527 --> 00:42:53,697 せがれです 柳寿し 三代目です。 420 00:42:53,697 --> 00:42:56,697 彼に 何か握ってもらおうかな。 421 00:42:59,570 --> 00:43:02,356 江戸前寿司を 一人前。 422 00:43:02,356 --> 00:43:06,527 マグロは 赤身を入れてください。 423 00:43:06,527 --> 00:43:09,327 はい。 424 00:43:42,029 --> 00:43:46,029 《とても… 無理だ》 425 00:44:17,031 --> 00:44:20,901 ⦅君江:ねぇ 旬 外が寒くなりそう。 426 00:44:20,901 --> 00:44:23,537 セーター着ないと 風邪ひくよ。 427 00:44:23,537 --> 00:44:27,191 母さん そこにいたんだ! 428 00:44:27,191 --> 00:44:31,362 旬 元気だった? 429 00:44:31,362 --> 00:44:33,347 うん。 430 00:44:33,347 --> 00:44:35,366 俺 元気だよ。 431 00:44:35,366 --> 00:44:39,269 寿司も だいぶ上手になったんだ。 432 00:44:39,269 --> 00:44:42,856 旬のお寿司 食べたかったな。 433 00:44:42,856 --> 00:44:47,356 今食べられるよ じゃあ 作ろっか。 434 00:44:53,050 --> 00:44:55,035 そうだ。 435 00:44:55,035 --> 00:44:58,035 真子姉が 今度 結婚するんだよ 知ってる? 436 00:45:03,027 --> 00:45:06,847 母さんには 赤身を食べてほしいんだ。 437 00:45:06,847 --> 00:45:09,400 今日はね すごく いいマグロがあるんだ。 438 00:45:09,400 --> 00:45:13,537 甚太さんが また 仕入れてくれたんだよ。 439 00:45:13,537 --> 00:45:17,691 絶対 おいしいからさ ちょっと待ってて。 440 00:45:17,691 --> 00:45:19,691 すぐ握るから。 441 00:45:24,114 --> 00:45:26,114 あのさ…⦆ 442 00:45:32,806 --> 00:45:35,793 ⦅母さん…⦆ 443 00:45:35,793 --> 00:45:51,442 ♬~ 444 00:45:51,442 --> 00:45:53,761 ⦅旬!⦆ 445 00:45:53,761 --> 00:46:15,761 ♬~ 446 00:46:29,379 --> 00:47:11,405 ♬~ 447 00:47:11,405 --> 00:47:17,060 《坂本:この青年の中から 泉のように力があふれてくる》 448 00:47:17,060 --> 00:47:30,557 ♬~ 449 00:47:30,557 --> 00:47:33,057 お待たせしました。 450 00:47:35,712 --> 00:47:38,612 (旬)江戸前寿司 一人前です。 451 00:47:41,201 --> 00:48:13,700 ♬~ 452 00:48:13,700 --> 00:48:19,700 (坂本)これが 柳寿し 三代目の寿司…。 453 00:48:26,730 --> 00:48:29,283 申し訳ありません。 454 00:48:29,283 --> 00:48:35,539 今の自分には これが 精いっぱいです。 455 00:48:35,539 --> 00:49:04,039 ♬~ 456 00:51:23,023 --> 00:51:25,042 (誠)こんにちは。 おぉ 来た来た。 457 00:51:25,042 --> 00:51:27,044 (佳菜子)こんにちは。 おぉ 誠 はかまか。 458 00:51:27,044 --> 00:51:29,396 かっこいいな。 お父さん➡ 459 00:51:29,396 --> 00:51:31,431 本日は おめでとうございます。 460 00:51:31,431 --> 00:51:33,467 ありがとう。 461 00:51:33,467 --> 00:51:35,352 恵! 462 00:51:35,352 --> 00:51:38,038 (鱚一郎)ほら 起きちゃうから もう。 463 00:51:38,038 --> 00:51:40,038 (クラクション) 464 00:51:44,694 --> 00:51:46,696 おじいちゃん おばあちゃん! 465 00:51:46,696 --> 00:51:50,033 (英一)お~ 旬 元気だったか? うん。 466 00:51:50,033 --> 00:51:54,187 (清子)鮭児ちゃんがね 車で迎えに来てくれたのよ。 467 00:51:54,187 --> 00:51:57,357 えっ 長野まで!? 迎えに? 468 00:51:57,357 --> 00:52:02,746 ラクダで サハラ砂漠の横断に比べりゃあ 長野なんて ご近所だよな? 469 00:52:02,746 --> 00:52:06,146 なんとも 鮭児くんらしい フフフ。 470 00:52:08,034 --> 00:52:13,023 本日は おめでとうございます。 おめでとうございます。 471 00:52:13,023 --> 00:52:16,026 遠いところ ありがとうございます。 472 00:52:16,026 --> 00:52:19,029 (鈴音)皆さ~ん。 473 00:52:19,029 --> 00:52:21,865 (せき払い) 474 00:52:21,865 --> 00:52:26,703 花嫁さんが… できましたよ! 475 00:52:26,703 --> 00:52:30,373 ドゥルルルルル…。 476 00:52:30,373 --> 00:52:32,692 じゃ~ん! 477 00:52:32,692 --> 00:52:35,378 お~! すげえ! 478 00:52:35,378 --> 00:52:37,678 いや きれいなもんだ! 479 00:52:41,368 --> 00:52:44,287 遠方から わざわざ お越しいただいて➡ 480 00:52:44,287 --> 00:52:48,191 本当に ありがとうございます。 481 00:52:48,191 --> 00:52:51,027 お父さん。 482 00:52:51,027 --> 00:52:55,365 なんだ 急に改まって。 483 00:52:55,365 --> 00:52:59,065 お父さんに お別れ。 484 00:53:11,031 --> 00:53:19,856 お父さんと お母さんの 娘に生まれて➡ 485 00:53:19,856 --> 00:53:26,029 よかったと思っています。 486 00:53:26,029 --> 00:53:36,329 今日まで… 本当に ありがとうございました。 487 00:53:42,062 --> 00:53:48,062 酒井くんと 幸せにな。 488 00:54:17,347 --> 00:54:22,047 行くか おやじ。 あぁ 行こう。