1 00:00:02,936 --> 00:00:05,839 ウエディングドレスに身を包んだ 女性を前に➡ 2 00:00:05,839 --> 00:00:10,844 上機嫌でカメラに収まる アドルフ・ヒトラー。 3 00:00:13,280 --> 00:00:18,151 ヒトラーの恋人 エヴァ・ブラウンの妹の 結婚披露宴を撮影した➡ 4 00:00:18,151 --> 00:00:20,854 プライベートフィルムである。 5 00:00:24,625 --> 00:00:28,495 披露宴は 1944年6月➡ 6 00:00:28,495 --> 00:00:33,800 ドイツ南部 アルプスの山中にある ヒトラーの別荘で行われた。 7 00:00:35,636 --> 00:00:38,972 この時 1,000キロ離れた場所では➡ 8 00:00:38,972 --> 00:00:45,279 第二次世界大戦の行方を決定づける戦いが 始まろうとしていた。 9 00:00:49,616 --> 00:00:55,322 ドイツ占領下のフランスの海岸に 17万の連合軍が押し寄せた。 10 00:00:55,322 --> 00:00:58,625 ノルマンディー上陸作戦である。 11 00:01:00,160 --> 00:01:04,131 対応が遅れたドイツ軍は 次々と降伏。 12 00:01:04,131 --> 00:01:09,836 この戦いによって ドイツの敗北は決定的となった。 13 00:01:11,805 --> 00:01:16,276 もし ヒトラーが 披露宴に出席していなければ➡ 14 00:01:16,276 --> 00:01:19,579 歴史は変わっていただろうか。 15 00:01:23,150 --> 00:01:26,286 戦争の世紀と呼ばれた20世紀。 16 00:01:26,286 --> 00:01:31,591 世界の大国は 国力の限りを戦場につぎ込んだ。 17 00:01:39,299 --> 00:01:44,972 そして 紙一重の決断と 神のいたずらとも言うべき偶然が➡ 18 00:01:44,972 --> 00:01:48,275 戦場の勝敗を決した。 19 00:01:51,845 --> 00:01:59,152 第二次世界大戦の序盤 世界に衝撃を与えた ダンケルクの奇跡。 20 00:02:03,457 --> 00:02:11,465 ドイツ軍に包囲され 孤立無援となった 30万の連合軍兵士が脱出に成功した。 21 00:02:13,934 --> 00:02:17,804 絶対不可能と言われた この作戦の成功の裏には➡ 22 00:02:17,804 --> 00:02:22,509 ヒトラーが下した 謎の進撃停止命令があった。 23 00:02:24,578 --> 00:02:28,281 連戦連勝を誇った日本軍が大敗を喫し➡ 24 00:02:28,281 --> 00:02:33,286 太平洋戦争の分岐点となった ミッドウェー海戦。 25 00:02:38,925 --> 00:02:42,629 劣勢だったアメリカ軍を 勝利に導いたのは➡ 26 00:02:42,629 --> 00:02:47,334 南国の空を覆う 分厚い入道雲だった。 27 00:02:48,969 --> 00:02:53,640 第二次世界大戦末期 日本中の都市を焼き尽くした➡ 28 00:02:53,640 --> 00:02:57,344 B29による 無差別爆撃。 29 00:02:59,513 --> 00:03:02,249 この非道な作戦を引き起こしたのは➡ 30 00:03:02,249 --> 00:03:08,255 アメリカ軍内部 陸・海・空の熾烈な覇権争いだった。 31 00:03:17,264 --> 00:03:24,604 戦場には 破壊と殺りく 憎悪と勇気 栄光と絶望。 32 00:03:24,604 --> 00:03:28,275 人間の全てがあった。 33 00:03:28,275 --> 00:03:42,823 ♬~ 34 00:03:42,823 --> 00:03:47,961 発掘した貴重な映像で 100年の時を追体験する➡ 35 00:03:47,961 --> 00:03:51,298 「映像の世紀プレミアム」。 36 00:03:51,298 --> 00:04:02,909 ♬~ 37 00:04:02,909 --> 00:04:10,217 今回は 歴史を大きく動かした 戦場の運命の瞬間。 38 00:04:12,586 --> 00:04:20,293 生と死のはざまで繰り広げられた 極限の物語である。 39 00:04:30,937 --> 00:04:36,276 第一次世界大戦さなかの1918年。 40 00:04:36,276 --> 00:04:41,615 アメリカで封切られ 大ヒットを記録した 喜劇映画がある。 41 00:04:41,615 --> 00:04:45,619 舞台は 戦場の塹壕。 42 00:04:47,487 --> 00:04:51,291 主演も務めた監督のチャップリンは➡ 43 00:04:51,291 --> 00:04:57,297 この映画で 人気俳優としての地位を 不動のものとした。 44 00:04:58,965 --> 00:05:05,672 悲惨極まりない塹壕での生活が コミカルに描かれている。 45 00:05:18,451 --> 00:05:25,458 主人公は 戦場で手柄を立てようと あの手この手で奮闘する。 46 00:05:27,127 --> 00:05:31,264 第一次世界大戦は 大勢の若者が➡ 47 00:05:31,264 --> 00:05:36,970 英雄になることを夢みて 参加した戦争だった。 48 00:05:42,876 --> 00:05:49,616 戦車 戦闘機 毒ガスなど 数々の新兵器が登場し➡ 49 00:05:49,616 --> 00:05:56,289 新たな時代の幕開けを告げた 第一次世界大戦。 50 00:05:56,289 --> 00:06:02,562 夢とロマンを求めて この戦場に身を投じた男たちの中から➡ 51 00:06:02,562 --> 00:06:06,866 20世紀の指導者が生まれている。 52 00:06:19,913 --> 00:06:24,584 フランスの大地に 延々と続く塹壕。 53 00:06:24,584 --> 00:06:30,257 第一次世界大戦中 イギリス フランスなど 連合軍が➡ 54 00:06:30,257 --> 00:06:34,561 ドイツを迎え撃つために 掘ったものである。 55 00:06:36,129 --> 00:06:42,836 いつ終わるとも知れない塹壕戦で 精神を病む兵士も 大勢出る中➡ 56 00:06:42,836 --> 00:06:46,806 野望を燃やす男がいた。 57 00:06:46,806 --> 00:06:53,813 後のイギリス首相 ウィンストン・チャーチルである。 58 00:07:29,582 --> 00:07:32,919 名門貴族の出身でありながら➡ 59 00:07:32,919 --> 00:07:38,258 塹壕での日々を「幸福」とつづった チャーチル。 60 00:07:38,258 --> 00:07:45,565 その理由は この前の年に味わった 大きな挫折にあった。 61 00:07:47,600 --> 00:07:52,939 40歳の若さで 海軍大臣を務めていたチャーチルは➡ 62 00:07:52,939 --> 00:07:58,244 戦争を勝利に導こうと 大きな賭けに打って出た。 63 00:07:59,813 --> 00:08:08,121 海岸沿いにある 敵の重要拠点に 強引な上陸作戦を命じたのだ。 64 00:08:11,891 --> 00:08:18,231 しかし 15万近い死傷者を出し 作戦は失敗。 65 00:08:18,231 --> 00:08:22,902 チャーチルは 海軍大臣の座を追われる。 66 00:08:22,902 --> 00:08:30,577 チャーチルは ドイツ軍と戦う 最前線の塹壕に身を投じることで➡ 67 00:08:30,577 --> 00:08:34,280 捲土重来を期したのだった。 68 00:08:35,915 --> 00:08:41,254 陸軍中佐の位と 1,000人の部下を 与えられたチャーチルは➡ 69 00:08:41,254 --> 00:08:45,258 英雄的な指揮官を演じた。 70 00:09:06,212 --> 00:09:11,885 このパフォーマンスを 国民は好意的に受け取った。 71 00:09:11,885 --> 00:09:15,221 修羅場をくぐった経験をひっ提げ➡ 72 00:09:15,221 --> 00:09:20,927 チャーチルは 軍需大臣として 政権に返り咲いた。 73 00:09:22,896 --> 00:09:26,766 チャーチルが 塹壕で再起を図っていた頃➡ 74 00:09:26,766 --> 00:09:33,473 敵側 ドイツ軍の塹壕にも 野望を燃やす男がいた。 75 00:09:35,475 --> 00:09:39,779 若き日のヒトラーである。 76 00:09:42,248 --> 00:09:47,587 軍に志願して2か月後 ヒトラーは イープルという町で➡ 77 00:09:47,587 --> 00:09:50,890 初めて戦闘に参加した。 78 00:09:54,260 --> 00:09:58,131 入隊前は 売れない絵描きだった ヒトラーは➡ 79 00:09:58,131 --> 00:10:02,602 戦場で多くのスケッチを残していた。 80 00:10:02,602 --> 00:10:07,474 砲撃を受け 廃虚と化した町。 81 00:10:07,474 --> 00:10:13,480 戦争の生々しい現実が 淡々と描かれている。 82 00:10:19,953 --> 00:10:25,291 やがて ヒトラーは 一つの役割を与えられる。 83 00:10:25,291 --> 00:10:31,965 命令を陣地から陣地へと伝える 伝令兵である。 84 00:10:31,965 --> 00:10:37,303 第一次世界大戦当時 通信技術は未発達で➡ 85 00:10:37,303 --> 00:10:43,610 伝令や伝書鳩が 戦場の命運を握っていた。 86 00:10:46,980 --> 00:10:50,650 伝令兵として ヒトラーが参加したのが➡ 87 00:10:50,650 --> 00:10:57,323 第一次世界大戦最大の激戦 ソンムの戦いだった。 88 00:10:57,323 --> 00:11:03,596 これは そのソンムで ドイツ軍の将兵が塹壕を飛び出し➡ 89 00:11:03,596 --> 00:11:09,602 敵の陣地目がけ 突撃する瞬間を捉えた映像である。 90 00:11:11,938 --> 00:11:17,644 ヒトラーもまた この戦場を飛び回っていた。 91 00:11:21,281 --> 00:11:28,288 この戦いは 両軍合わせ 100万の死傷者を出した。 92 00:11:30,290 --> 00:11:34,160 ヒトラーもまた 銃弾に倒れる。 93 00:11:34,160 --> 00:11:37,163 (銃声) 94 00:11:37,163 --> 00:11:42,302 だが 紙一重で生き延びた。 95 00:11:42,302 --> 00:11:50,310 若きヒトラーは 次第に 軍隊の中に 自らの居場所を見いだしていく。 96 00:12:19,606 --> 00:12:26,479 英雄になりたいというヒトラーの野望は 報われた。 97 00:12:26,479 --> 00:12:32,952 後の映像で 胸につけている 第一級 鉄十字勲章は➡ 98 00:12:32,952 --> 00:12:39,959 伝令として味方の窮地を救った功績が 認められたものだ。 99 00:12:42,629 --> 00:12:48,501 階級の低い兵士に与えられるのは 極めて異例だった。 100 00:12:48,501 --> 00:12:54,807 この勲章を ヒトラーは 生涯 誇りとし 身につけた。 101 00:12:59,178 --> 00:13:04,250 そして もう一人 英雄になるという野心を➡ 102 00:13:04,250 --> 00:13:08,554 第一次大戦で成就した男がいる。 103 00:13:10,590 --> 00:13:13,926 きせるをくわえた 伊達男➡ 104 00:13:13,926 --> 00:13:19,599 アメリカ陸軍の ダグラス・マッカーサー大佐である。 105 00:13:19,599 --> 00:13:23,936 若い頃から 出世街道を突き進み➡ 106 00:13:23,936 --> 00:13:30,643 この時は ヨーロッパに派遣された師団の 参謀長を務めていた。 107 00:13:33,946 --> 00:13:38,618 マッカーサーは 更なる出世を求めていた。 108 00:13:38,618 --> 00:13:42,322 知り合いの新聞記者に こう漏らしている。 109 00:13:52,965 --> 00:13:56,636 マッカーサーは トップになるためなら➡ 110 00:13:56,636 --> 00:14:01,908 自分の身を危険にさらすことも いとわなかった。 111 00:14:01,908 --> 00:14:06,779 参謀長でありながら 塹壕を飛び出して指揮を執り➡ 112 00:14:06,779 --> 00:14:09,482 勝利に導いた。 113 00:14:13,920 --> 00:14:21,594 これは 戦場で勲章を授けられる マッカーサーの姿を捉えた映像。 114 00:14:21,594 --> 00:14:26,466 2度 負傷しながらも 生き延びたマッカーサーは➡ 115 00:14:26,466 --> 00:14:32,472 第一次世界大戦だけで 16個の勲章を受けた。 116 00:14:35,608 --> 00:14:43,282 そして 史上最年少の若さ 50歳で 陸軍トップの座である➡ 117 00:14:43,282 --> 00:14:46,986 参謀総長に就任する。 118 00:15:23,589 --> 00:15:29,462 5年に及んだ 第一次世界大戦は 一握りの英雄と➡ 119 00:15:29,462 --> 00:15:35,468 1,600万に上る犠牲者を生んで終わった。 120 00:15:40,139 --> 00:15:44,877 ヨーロッパに訪れた つかの間の平和。 121 00:15:44,877 --> 00:15:48,881 だが チャーチルは 意気消沈していた。 122 00:15:52,285 --> 00:15:58,624 知人の屋敷にあるプールで 暇を持て余すチャーチル。 123 00:15:58,624 --> 00:16:03,229 気性が荒く トラブルメーカーのチャーチルは➡ 124 00:16:03,229 --> 00:16:11,237 所属する保守党の中で干され またしても 閣僚のポストから遠ざかっていた。 125 00:16:14,574 --> 00:16:19,445 一方 ヒトラーは 敗戦の屈辱を晴らすため➡ 126 00:16:19,445 --> 00:16:23,583 極右政党 ナチスを設立。 127 00:16:23,583 --> 00:16:29,589 瞬く間に ドイツ首相の座に上り詰めていった。 128 00:16:45,271 --> 00:16:50,943 ヨーロッパの平和は 僅か20年しか続かなかった。 129 00:16:50,943 --> 00:16:55,281 第二次世界大戦の勃発である。 130 00:16:55,281 --> 00:16:59,619 チャーチルとヒトラー 因縁の2人は➡ 131 00:16:59,619 --> 00:17:05,324 フランスの小さな港町で 激突することになる。 132 00:17:15,101 --> 00:17:19,572 これは 第二次世界大戦が始まった直後➡ 133 00:17:19,572 --> 00:17:22,575 イギリスで撮影された映像である。 134 00:17:24,243 --> 00:17:29,115 20万のイギリス軍主力部隊が ドイツ軍の侵攻に備え➡ 135 00:17:29,115 --> 00:17:32,818 海を越え フランスに渡っていった。 136 00:17:36,589 --> 00:17:42,295 だが イギリス兵の間には 楽観的なムードが漂っていた。 137 00:17:48,601 --> 00:17:54,473 当時の人気コメディアンが 兵士たちの心情を 歌で代弁している。 138 00:17:54,473 --> 00:18:08,554 ♬~ 139 00:18:08,554 --> 00:18:12,425 マジノ線とは フランスが ドイツ国境に築いた➡ 140 00:18:12,425 --> 00:18:16,128 全長300キロを超える 巨大要塞。 141 00:18:18,564 --> 00:18:22,435 フランスは 第一次世界大戦の経験を踏まえ➡ 142 00:18:22,435 --> 00:18:29,141 10年をかけて スーパー塹壕ともいえる 難攻不落の要塞を造り上げていた。 143 00:18:33,913 --> 00:18:40,620 だが ドイツ軍は フランス軍の裏をかく 攻撃を仕掛けてきた。 144 00:18:43,255 --> 00:18:46,592 小型でスピードの速い戦車を総動員し➡ 145 00:18:46,592 --> 00:18:52,264 マジノ線を 一挙に う回して 連合軍の背後に回り込んだのである。 146 00:18:52,264 --> 00:18:58,137 そして 航空機による 空からの攻撃を巧みに組み合わせ➡ 147 00:18:58,137 --> 00:19:03,442 フランス イギリスの連合軍を 次々と撃破していった。 148 00:19:10,750 --> 00:19:16,222 連合軍は 神出鬼没なドイツ軍に パニックとなった。 149 00:19:16,222 --> 00:19:20,526 戦車の幻を見て 総崩れとなるほどだった。 150 00:19:58,798 --> 00:20:03,402 イギリスで発足した 戦時内閣の首相に担ぎ出されたのが➡ 151 00:20:03,402 --> 00:20:05,604 チャーチルだった。 152 00:20:07,940 --> 00:20:14,747 就任直後の演説で闘志をむき出しにし ヒトラーとの全面対決を訴えた。 153 00:20:45,978 --> 00:20:49,849 だが この演説が議会で行われた時➡ 154 00:20:49,849 --> 00:20:54,653 議員たちの反応は 必ずしも好意的ではなかった。 155 00:20:57,156 --> 00:21:01,761 ドイツと講和を結ぶ方が イギリスの国益にかなうのではないか➡ 156 00:21:01,761 --> 00:21:04,964 という声も 一方ではあった。 157 00:21:07,266 --> 00:21:09,768 内閣も分裂。 158 00:21:09,768 --> 00:21:11,704 外務大臣のハリファックスは➡ 159 00:21:11,704 --> 00:21:14,940 ドイツの同盟国 イタリアを通じた和平も➡ 160 00:21:14,940 --> 00:21:16,942 視野に入れていた。 161 00:21:37,630 --> 00:21:42,635 その後も ドイツ軍戦車部隊の進撃は 止まらなかった。 162 00:21:45,304 --> 00:21:49,175 敗走を重ねた イギリス フランスの連合軍は➡ 163 00:21:49,175 --> 00:21:55,381 ドーバー海峡に面したフランスの港町 ダンケルクへと追い詰められた。 164 00:21:58,851 --> 00:22:01,387 戦う武器も満足になく➡ 165 00:22:01,387 --> 00:22:06,091 30万の命は 風前の灯だった。 166 00:22:12,598 --> 00:22:16,936 だが チャーチルは なおも和平を選ばない。 167 00:22:16,936 --> 00:22:22,641 彼らを海からイギリスに脱出させる 大救出作戦を発動する。 168 00:22:25,945 --> 00:22:30,816 問題は 助けを待つ兵30万を どう運ぶか。 169 00:22:30,816 --> 00:22:33,619 軍艦だけでは不可能だった。 170 00:22:35,654 --> 00:22:41,961 チャーチルは 国民の協力に望みを託し ラジオで こう呼びかけた。 171 00:22:54,306 --> 00:22:57,309 この呼びかけに 多くの国民が応え➡ 172 00:22:57,309 --> 00:23:01,513 自らの財産を 惜しげもなく差し出した。 173 00:23:03,916 --> 00:23:08,254 小さなヨットから モーターボート 釣り船まで➡ 174 00:23:08,254 --> 00:23:12,057 その数は 400隻以上に及んだ。 175 00:23:38,250 --> 00:23:43,422 危険を顧みず 船の操縦を申し出る者も 次々と現れ➡ 176 00:23:43,422 --> 00:23:47,426 世紀の大救出作戦が始まった。 177 00:23:51,130 --> 00:23:57,836 しかし 1割も救出できれば成功とも 言われた無謀な作戦だった。 178 00:24:08,247 --> 00:24:13,052 ドイツ軍は ダンケルクから 10キロの地点にまで迫っていた。 179 00:24:15,921 --> 00:24:18,824 ところが この日の12時45分➡ 180 00:24:18,824 --> 00:24:23,329 ドイツ軍の中を 不可解な命令が駆け巡った。 181 00:24:36,775 --> 00:24:40,479 命じたのは ヒトラーだった。 182 00:24:42,114 --> 00:24:46,618 発端は 空軍の総司令官である ヘルマン・ゲーリングが➡ 183 00:24:46,618 --> 00:24:50,122 ヒトラーにささやいた ひと言だった。 184 00:25:08,874 --> 00:25:12,244 このころ ヒトラーと陸軍首脳は➡ 185 00:25:12,244 --> 00:25:15,748 作戦の主導権争いを 繰り広げていた。 186 00:25:18,117 --> 00:25:20,919 当時の陸軍中枢を占めていたのは➡ 187 00:25:20,919 --> 00:25:25,624 エリート意識が強い貴族出身の将軍たち。 188 00:25:29,628 --> 00:25:34,933 彼らは ヒトラーのことを 伝令兵上がりで軍事の素人と➡ 189 00:25:34,933 --> 00:25:37,636 内心では見下していた。 190 00:25:40,272 --> 00:25:43,942 ヒトラーは 進撃停止命令に従わせることで➡ 191 00:25:43,942 --> 00:25:48,647 将軍たちに自分の力を 思い知らせようとしたのだった。 192 00:26:10,569 --> 00:26:14,440 チャーチルが ダンケルクへの救出作戦を 発動したのは➡ 193 00:26:14,440 --> 00:26:18,243 偶然にも まさに この時だった。 194 00:26:20,245 --> 00:26:25,584 5月27日 チャーチルの呼びかけに 応えた人々の船が➡ 195 00:26:25,584 --> 00:26:28,587 ダンケルクに 到着し始めた。 196 00:27:03,055 --> 00:27:06,558 ヒトラーは 航空機による攻撃だけで➡ 197 00:27:06,558 --> 00:27:10,562 ダンケルクの連合軍を殲滅できると 考えていた。 198 00:27:20,239 --> 00:27:22,374 ドイツのニュース映画では➡ 199 00:27:22,374 --> 00:27:26,578 攻撃の様子が 華々しく伝えられている。 200 00:27:38,824 --> 00:27:42,794 波を立てて逃げ惑う小さな船。 201 00:27:42,794 --> 00:27:47,499 だがよく見ると 爆弾は船を外れている。 202 00:27:52,371 --> 00:27:59,178 船は 標的にするには小さすぎて ドイツ軍の攻撃は難航した。 203 00:28:03,348 --> 00:28:07,052 その間に 着のみ着のままのイギリス兵たちは➡ 204 00:28:07,052 --> 00:28:10,055 次々と脱出していった。 205 00:28:25,070 --> 00:28:29,575 陸軍戦車部隊が ヒトラーから進撃再開を許されたのは➡ 206 00:28:29,575 --> 00:28:33,278 停止命令から2日後のことだった。 207 00:28:34,913 --> 00:28:42,621 ドイツ軍がダンケルクにたどりついた時 30万の連合軍の将兵は消えていた。 208 00:28:47,092 --> 00:28:51,263 自らの判断の誤りで 勝機を逃したヒトラーは➡ 209 00:28:51,263 --> 00:28:53,765 こう強がった。 210 00:29:31,236 --> 00:29:36,742 ヒトラーとの講和を求める声は イギリスから一掃された。 211 00:29:38,910 --> 00:29:44,716 ダンケルクの奇跡によって イギリスは 一つに結束した。 212 00:30:08,974 --> 00:30:12,110 ♬~(歌声) 213 00:30:12,110 --> 00:30:16,314 (歓声) 214 00:30:19,985 --> 00:30:25,991 一方 太平洋でも 世界を揺るがす戦いが始まった。 215 00:30:29,428 --> 00:30:33,131 日本海軍による真珠湾攻撃。 216 00:30:33,131 --> 00:30:35,967 ハワイに停泊するアメリカ艦隊が➡ 217 00:30:35,967 --> 00:30:40,272 日本の航空機の空襲を受け壊滅した。 218 00:30:42,307 --> 00:30:48,647 海の戦いの主役が 戦艦から空母に代わった この戦い➡ 219 00:30:48,647 --> 00:30:51,316 作戦を成功に導いたのは➡ 220 00:30:51,316 --> 00:30:56,321 極限にまで高められた 搭乗員たちの技量だった。 221 00:30:59,458 --> 00:31:04,162 海外のニュースも その驚きを伝えている。 222 00:31:16,875 --> 00:31:21,279 しかし この半年後 無敵を誇った日本海軍は➡ 223 00:31:21,279 --> 00:31:23,949 アメリカ海軍との ミッドウェー海戦で➡ 224 00:31:23,949 --> 00:31:26,952 惨敗することとなる。 225 00:31:41,967 --> 00:31:48,273 真珠湾の大戦果は 日本国内で華々しく報じられた。 226 00:31:49,841 --> 00:31:51,977 (笛の音) 227 00:31:51,977 --> 00:31:57,282 巨額の制作費を投じて 映画まで作られた。 228 00:31:58,850 --> 00:32:05,557 主人公は 真珠湾攻撃に参加した 腕利きの搭乗員。 229 00:32:12,097 --> 00:32:15,934 その姉を 女優 原 節子が演じ➡ 230 00:32:15,934 --> 00:32:20,438 戦時下で 空前の大ヒットを記録した。 231 00:32:22,707 --> 00:32:28,513 映画では 真珠湾攻撃に参加した搭乗員に 取材を重ね➡ 232 00:32:28,513 --> 00:32:34,019 最新の特撮技術を駆使して 戦闘を描いている。 233 00:32:39,791 --> 00:32:42,427 特撮監督を務めたのは➡ 234 00:32:42,427 --> 00:32:46,298 後に 「ゴジラ」や「ウルトラマン」を 生み出す➡ 235 00:32:46,298 --> 00:32:49,000 円谷英二である。 236 00:32:50,802 --> 00:32:57,108 円谷は 撮影所に 巨大な真珠湾の模型を作り上げた。 237 00:33:02,447 --> 00:33:08,453 これが 円谷が再現した 真珠湾攻撃のシーン。 238 00:33:10,155 --> 00:33:13,758 海面すれすれにまで降下した攻撃機が➡ 239 00:33:13,758 --> 00:33:18,096 敵の戦艦目がけ 魚雷を投下していく様子が➡ 240 00:33:18,096 --> 00:33:21,099 リアルに再現されている。 241 00:33:22,767 --> 00:33:26,638 やった~! やった~! やった~! やった~! 242 00:33:26,638 --> 00:33:30,108 攻撃に参加した隊員の多くは➡ 243 00:33:30,108 --> 00:33:34,980 長く続いた中国との戦争で 実戦経験を積んだ➡ 244 00:33:34,980 --> 00:33:38,683 百戦錬磨の搭乗員だった。 245 00:33:43,421 --> 00:33:48,126 ♬~ 246 00:33:48,126 --> 00:33:54,432 これは 真珠湾攻撃の時に撮影された 実際の映像。 247 00:33:56,301 --> 00:34:00,739 そこからも 当時の搭乗員の技量の高さを➡ 248 00:34:00,739 --> 00:34:04,376 読み取ることができる。 249 00:34:04,376 --> 00:34:07,913 胴体の下に見える巨大な爆弾。 250 00:34:07,913 --> 00:34:13,585 これは 戦艦から発射する砲弾を 航空機から投下できるよう➡ 251 00:34:13,585 --> 00:34:17,255 改造したものだ。 252 00:34:17,255 --> 00:34:22,127 だが アメリカ戦艦の厚い装甲を 突き破るためには➡ 253 00:34:22,127 --> 00:34:27,933 爆弾の落下速度を 極限まで高める必要があった。 254 00:34:30,402 --> 00:34:35,774 加速度をつけるために 高度3,000メートル以上の高さから➡ 255 00:34:35,774 --> 00:34:39,577 爆弾を投下するよう求められた。 256 00:34:48,119 --> 00:34:52,424 風などの気象条件に 大きく左右される➡ 257 00:34:52,424 --> 00:34:55,293 この爆撃を成功させるため➡ 258 00:34:55,293 --> 00:34:57,629 操縦員と照準手は➡ 259 00:34:57,629 --> 00:35:02,334 数か月に及ぶ猛訓練を重ねてきた。 260 00:35:03,902 --> 00:35:10,575 中でも 高い命中率を誇り 海軍の至宝と呼ばれた照準手が➡ 261 00:35:10,575 --> 00:35:12,610 金井 昇。 262 00:35:12,610 --> 00:35:17,415 真珠湾攻撃で その実力を発揮した。 263 00:36:00,892 --> 00:36:04,729 この巨大爆弾の 犠牲となったのが➡ 264 00:36:04,729 --> 00:36:09,601 アメリカの主力戦艦 アリゾナだった。 265 00:36:09,601 --> 00:36:14,239 この映像は アリゾナに 爆弾が命中する瞬間を➡ 266 00:36:14,239 --> 00:36:17,575 捉えたものである。 267 00:36:17,575 --> 00:36:21,913 装甲を突き破り 弾薬庫に引火。 268 00:36:21,913 --> 00:36:26,618 1,000人を超える乗組員が戦死した。 269 00:36:47,138 --> 00:36:52,777 アメリカは 世界一の海軍大国としての プライドを➡ 270 00:36:52,777 --> 00:36:54,779 引き裂かれた。 271 00:37:05,356 --> 00:37:12,363 日本に倣い 空母を主力とした 艦隊の再建に乗り出していく。 272 00:37:14,899 --> 00:37:18,369 だが その道のりは 遠かった。 273 00:37:18,369 --> 00:37:23,074 これは 当時の訓練の様子を 捉えた映像である。 274 00:37:27,378 --> 00:37:30,248 空母への着艦に失敗し➡ 275 00:37:30,248 --> 00:37:34,252 海へと転落しそうになる戦闘機。 276 00:37:35,920 --> 00:37:41,726 訓練が足りず 実戦経験も ほとんどない搭乗員たちの技量は➡ 277 00:37:41,726 --> 00:37:46,731 日本のレベルには 到底及ばなかった。 278 00:37:49,467 --> 00:37:55,273 再建途上のアメリカ海軍と 無敵を誇った日本海軍。 279 00:37:55,273 --> 00:38:00,578 その両者が激突したのが ミッドウェーだった。 280 00:38:04,349 --> 00:38:07,218 これは アメリカ軍が制作した➡ 281 00:38:07,218 --> 00:38:12,056 ミッドウェー海戦の プロパガンダ映画である。 282 00:38:12,056 --> 00:38:18,363 ♬~ 283 00:38:28,606 --> 00:38:35,280 運命の6月5日 ミッドウェー島の天候は 晴れ。 284 00:38:35,280 --> 00:38:42,987 だが 上空には 南国特有の分厚い雲が 次々と現れていた。 285 00:38:44,923 --> 00:38:48,393 この時 ミッドウェーの海域には➡ 286 00:38:48,393 --> 00:38:53,765 日米双方の主力艦隊が集結していた。 287 00:38:53,765 --> 00:38:58,102 日本は 空母4隻の大艦隊。 288 00:38:58,102 --> 00:39:01,539 対するアメリカは 空母3隻。 289 00:39:01,539 --> 00:39:04,342 太平洋全域の制海権が➡ 290 00:39:04,342 --> 00:39:07,545 この一戦にかかっていた。 291 00:39:10,148 --> 00:39:17,889 だが この時 日本側には 心の隙が生まれていた。 292 00:39:17,889 --> 00:39:21,226 日本艦隊の航空参謀で➡ 293 00:39:21,226 --> 00:39:28,533 真珠湾攻撃成功の立て役者 源田 実も その一人だった。 294 00:39:46,384 --> 00:39:52,090 このおごりが 致命的な結果を招くことになる。 295 00:39:55,593 --> 00:40:00,465 アメリカ空母の位置を 把握できていなかった日本は➡ 296 00:40:00,465 --> 00:40:04,469 偵察機を飛ばし 捜索に当たっていた。 297 00:40:06,237 --> 00:40:10,141 艦隊から扇状に放たれた偵察機。 298 00:40:10,141 --> 00:40:16,614 そのうちの1機が 厚い入道雲に行く手を遮られた。 299 00:40:16,614 --> 00:40:25,623 そして 悪天候を嫌がり 雲の下に下りて 偵察することを 怠ったのである。 300 00:40:25,623 --> 00:40:31,930 まさに その雲の下に アメリカの空母はいた。 301 00:40:33,498 --> 00:40:39,804 これが アメリカ側に 先制攻撃の機会を与えることになる。 302 00:40:43,641 --> 00:40:49,647 出撃間際に撮影された 第8雷撃隊の映像。 303 00:40:55,653 --> 00:41:01,359 2人が乗り込む機体には 魚雷がつるされている。 304 00:41:05,263 --> 00:41:12,570 15機 30名の隊員にとって これが初めての実戦だった。 305 00:41:14,272 --> 00:41:17,608 隊長のウォルドロン少佐は➡ 306 00:41:17,608 --> 00:41:22,480 技量ではかなわない 日本軍航空隊との戦いを前に➡ 307 00:41:22,480 --> 00:41:25,783 部下たちに こう訓示した。 308 00:41:46,304 --> 00:41:50,641 アメリカ軍は 日本の空母を先に発見。 309 00:41:50,641 --> 00:41:59,650 午前7時 魚雷や爆弾を搭載した 総勢150機の攻撃隊が出撃していった。 310 00:42:08,926 --> 00:42:13,798 これは ミッドウェー海戦後 アメリカ軍が➡ 311 00:42:13,798 --> 00:42:17,802 搭乗員の教育のために 制作した映像である。 312 00:42:19,570 --> 00:42:25,476 真っ先に日本空母に攻撃を仕掛けたのは ウォルドロン隊だった。 313 00:42:25,476 --> 00:42:29,180 低空からの魚雷攻撃である。 314 00:42:31,616 --> 00:42:35,953 アメリカ軍に先制攻撃を許した日本。 315 00:42:35,953 --> 00:42:40,658 熟練の搭乗員たちが これを迎え撃った。 316 00:43:04,916 --> 00:43:12,223 ウォルドロン隊は 15機 全てが撃ち落とされ全滅。 317 00:43:15,560 --> 00:43:19,864 魚雷は 一発も命中しなかった。 318 00:43:21,466 --> 00:43:28,606 だが この捨て身の突撃によって 日本軍の目は海面に くぎづけとなり➡ 319 00:43:28,606 --> 00:43:32,610 上空への警戒が散漫になった。 320 00:43:43,955 --> 00:43:51,762 まさに この瞬間 アメリカの爆撃機40機が 日本空母 上空に到着。 321 00:43:53,431 --> 00:44:00,238 真上から急降下を開始し 次々と爆弾を投下していった。 322 00:44:35,139 --> 00:44:41,612 僅か5分の間に 加賀 蒼龍 そして赤城。 323 00:44:41,612 --> 00:44:45,950 3隻の空母に 爆弾が立て続けに命中。 324 00:44:45,950 --> 00:44:48,252 沈没した。 325 00:44:57,295 --> 00:45:05,303 ここで 1隻残った飛龍の搭乗員が 無敵海軍の意地を見せる。 326 00:45:06,904 --> 00:45:14,612 これは 飛龍を飛び立った航空機が アメリカ空母を攻撃する映像である。 327 00:45:17,248 --> 00:45:23,254 猛烈な対空砲火に ひるむことなく 次々と突撃。 328 00:45:24,922 --> 00:45:32,630 攻撃隊40機の半数を失いながら 空母1隻を撃沈した。 329 00:45:36,534 --> 00:45:40,938 だが その飛龍も また沈没。 330 00:45:40,938 --> 00:45:44,942 日本の空母は全滅した。 331 00:46:15,773 --> 00:46:24,081 日本海軍は この惨敗の事実を 国民に知らせず ひた隠しにした。 332 00:46:26,250 --> 00:46:35,259 生き残った搭乗員は 口封じのため 日本を遠く離れた最前線へと送られた。 333 00:47:11,228 --> 00:47:13,564 その後 日本は➡ 334 00:47:13,564 --> 00:47:21,872 南方の激戦地で優秀な搭乗員を 次々と失っていくことになる。 335 00:47:27,111 --> 00:47:34,852 ミッドウェー海戦から 2年がたった 1944年6月のある日。 336 00:47:34,852 --> 00:47:37,788 ナチス占領下のフランスで➡ 337 00:47:37,788 --> 00:47:43,494 ラジオから 戦時下には場違いな放送が流れてきた。 338 00:48:03,214 --> 00:48:05,149 フランスの詩人➡ 339 00:48:05,149 --> 00:48:08,719 ポール・ヴェルレーヌの 「秋の歌」という➡ 340 00:48:08,719 --> 00:48:11,922 有名な詩の一節だった。 341 00:48:13,557 --> 00:48:16,460 発信源は イギリス。 342 00:48:16,460 --> 00:48:22,166 フランス国内のレジスタンスに向け放った 暗号だった。 343 00:48:36,247 --> 00:48:43,921 アメリカ イギリスを中心とする連合軍が ドイツに対し 反撃ののろしを上げた➡ 344 00:48:43,921 --> 00:48:47,224 ノルマンディー上陸作戦である。 345 00:48:48,793 --> 00:48:53,798 ヒトラーの破滅を決定づけた 史上最大の作戦。 346 00:48:55,533 --> 00:49:01,205 そこに至るまでには 連合軍とドイツ軍の2年間に及ぶ➡ 347 00:49:01,205 --> 00:49:04,508 壮絶な頭脳戦があった。 348 00:49:17,755 --> 00:49:22,226 これは 戦時中 ナチス ドイツの支配下にあった➡ 349 00:49:22,226 --> 00:49:25,930 フランスの海岸を捉えた映像である。 350 00:49:27,565 --> 00:49:34,271 数多くの大砲が海に向けられ 最大級の警戒態勢が築かれている。 351 00:49:37,241 --> 00:49:41,111 ヒトラーは 連合軍の反撃を想定し➡ 352 00:49:41,111 --> 00:49:46,417 大西洋の壁と呼ばれる 堅固な陣地を沿岸に築いていた。 353 00:49:50,588 --> 00:49:55,459 これを突破する 上陸作戦の 最高司令官に任命されたのが➡ 354 00:49:55,459 --> 00:49:59,763 アメリカ軍の ドワイト・アイゼンハワー将軍。 355 00:50:02,600 --> 00:50:04,935 イギリス カナダなど➡ 356 00:50:04,935 --> 00:50:08,272 多国籍の軍をまとめる 調整力を見込まれ➡ 357 00:50:08,272 --> 00:50:10,975 白羽の矢が立てられた。 358 00:50:39,637 --> 00:50:43,974 アイゼンハワーは 指揮官として もう一つ大切な➡ 359 00:50:43,974 --> 00:50:46,977 勝負師としての資質も備えていた。 360 00:50:49,847 --> 00:50:52,316 それを 間近に見ていたのが➡ 361 00:50:52,316 --> 00:50:54,985 運転手を務めた 女性士官で➡ 362 00:50:54,985 --> 00:50:58,689 彼の愛人でもあった ケイ・サマーズビー。 363 00:51:02,593 --> 00:51:06,463 アメリカ大統領との昼食にも 同席を許されるなど➡ 364 00:51:06,463 --> 00:51:10,467 アイゼンハワーは 絶対の信頼を置いた。 365 00:51:56,847 --> 00:52:01,385 上陸地点を決めるため 特殊なカメラを使い➡ 366 00:52:01,385 --> 00:52:05,889 英仏海峡に面した海岸線を 隅々まで撮影した。 367 00:52:08,158 --> 00:52:14,598 その分析に使われたのが ステレオスコープという眼鏡。 368 00:52:14,598 --> 00:52:18,936 同時に撮影した2枚の写真を この眼鏡でのぞくと➡ 369 00:52:18,936 --> 00:52:21,939 写真が立体的に見えてくる。 370 00:52:27,945 --> 00:52:34,651 これを使い 敵の陣地がどのように 築かれているか 詳細に調べていった。 371 00:52:36,620 --> 00:52:41,492 その結果 選ばれたのが フランスのノルマンディー地方。 372 00:52:41,492 --> 00:52:47,197 イギリスからは距離があり ドイツ軍の守りが手薄になっていたのだ。 373 00:52:51,969 --> 00:52:57,675 ここで アイゼンハワーは 敵の注意を別の場所に向けようと考えた。 374 00:53:02,246 --> 00:53:07,117 イギリス フランス間の距離が特に短い ドーバー海峡。 375 00:53:07,117 --> 00:53:11,121 ここから上陸してくると 見せかけようというのである。 376 00:53:13,857 --> 00:53:19,596 ドイツ軍を欺くために用意したのが この戦車。 377 00:53:19,596 --> 00:53:23,901 実は 風船で作られた偽物である。 378 00:53:28,939 --> 00:53:32,810 これを 敵の偵察機が 見つけやすい場所に配置し➡ 379 00:53:32,810 --> 00:53:34,812 偽の暗号を飛び交わせ➡ 380 00:53:34,812 --> 00:53:38,515 部隊が集結しつつあるよう見せかけた。 381 00:53:41,518 --> 00:53:48,225 ヒトラーは アイゼンハワーが切った 偽のカードに まんまとだまされた。 382 00:54:07,778 --> 00:54:11,515 だが ある日 連合軍の担当官は➡ 383 00:54:11,515 --> 00:54:15,252 上陸地点に選んだ ノルマンディーの偵察写真の中に➡ 384 00:54:15,252 --> 00:54:17,955 奇妙なものを発見した。 385 00:54:20,591 --> 00:54:25,596 砂浜に横一列に並んだ 黒い点。 386 00:54:28,465 --> 00:54:32,469 ドイツ軍が設置した 障害物だった。 387 00:54:38,609 --> 00:54:43,947 設置を命じたのは 沿岸防衛の司令官に新たに任命された➡ 388 00:54:43,947 --> 00:54:46,250 エルヴィン・ロンメル。 389 00:54:48,819 --> 00:54:51,288 アフリカ戦線で活躍し➡ 390 00:54:51,288 --> 00:54:55,959 連合軍から 砂漠の狐と恐れられた名将。 391 00:54:55,959 --> 00:54:59,663 敵の心理を読むことにたけていた。 392 00:55:10,240 --> 00:55:14,111 ロンメルはノルマンディー沿岸が 手薄であることに気付き➡ 393 00:55:14,111 --> 00:55:17,114 守りを固めるよう命じた。 394 00:55:19,249 --> 00:55:22,920 特に恐れたのは 満ち潮の時。 395 00:55:22,920 --> 00:55:27,624 海岸の奥まで 一気に敵の上陸艇が 押し寄せることだった。 396 00:55:32,596 --> 00:55:39,303 黒い点の正体は 先端に爆発物を仕込んだ 長い棒だった。 397 00:55:42,606 --> 00:55:46,476 満潮時 海面に隠れる高さに 設定されており➡ 398 00:55:46,476 --> 00:55:50,180 上陸艇の進入を阻むねらいだった。 399 00:55:53,951 --> 00:55:57,821 連合軍側が航空写真によって 偵察していることも➡ 400 00:55:57,821 --> 00:56:00,824 ロンメルは計算のうちだった。 401 00:56:03,560 --> 00:56:10,434 敵は障害物が海面から出ている 引き潮の時に上陸してくるはず。 402 00:56:10,434 --> 00:56:13,136 そこを 狙い撃ちにする。 403 00:56:42,599 --> 00:56:46,937 アイゼンハワーは 守りを固め始めたドイツ軍に対し➡ 404 00:56:46,937 --> 00:56:49,640 打開策を用意する。 405 00:56:52,276 --> 00:56:56,980 落下傘で戦場に飛び降りる 空挺部隊である。 406 00:57:01,551 --> 00:57:05,889 上陸する前の晩に ひそかに敵の背後に降り立ち➡ 407 00:57:05,889 --> 00:57:10,594 海からの上陸部隊と 挟み撃ちにしようという作戦だった。 408 00:57:13,764 --> 00:57:19,469 イギリスで行われていた 空挺部隊の訓練風景の映像である。 409 00:57:33,583 --> 00:57:39,589 危険極まりないミッションを担った彼らは 指折りの精鋭だった。 410 00:57:43,593 --> 00:57:49,900 だが 降りる地点を間違えば 精鋭部隊を一挙に失うこともある。 411 00:57:51,468 --> 00:57:55,472 しかし アイゼンハワーは賭けに出た。 412 00:57:59,943 --> 00:58:03,213 作戦の準備は整った。 413 00:58:03,213 --> 00:58:09,219 問題は 「上陸日をいつにするか」 だった。 414 00:58:13,857 --> 00:58:20,864 空挺部隊を送り込むには 月明かりのある 満月の前後である必要があった。 415 00:58:27,904 --> 00:58:32,242 一方 主力部隊は 夜のうちに沿岸に接近し➡ 416 00:58:32,242 --> 00:58:36,913 早朝から上陸を始める。 417 00:58:36,913 --> 00:58:41,251 その時には 砂浜の障害物を避けるため➡ 418 00:58:41,251 --> 00:58:43,553 潮が引いている必要があった。 419 00:58:45,122 --> 00:58:51,595 2つの条件を満たすのは 6月5日から7日までの3日間。 420 00:58:51,595 --> 00:58:56,900 いよいよ 史上最大の上陸作戦が 始まろうとしていた。 421 00:58:58,935 --> 00:59:02,205 だが 直前になって アイゼンハワーのもとに➡ 422 00:59:02,205 --> 00:59:06,510 気象予報の担当官から 悪い知らせが届いた。 423 00:59:08,078 --> 00:59:10,547 6月5日から7日にかけて➡ 424 00:59:10,547 --> 00:59:15,552 英仏海峡は 嵐に見舞われるというのである。 425 00:59:50,921 --> 00:59:53,824 一方 嵐が続くため➡ 426 00:59:53,824 --> 00:59:59,830 当面 敵の上陸はないと報告を受けた ロンメルも不安に駆られていた。 427 01:00:02,265 --> 01:00:05,602 仮に 敵に上陸を許した場合➡ 428 01:00:05,602 --> 01:00:09,906 これを迎え撃つ戦車部隊が 不足していたのだ。 429 01:00:12,476 --> 01:00:16,279 そこで ロンメルは 嵐で敵が動けない隙に➡ 430 01:00:16,279 --> 01:00:20,784 ヒトラーに 増援を じか談判しようと考えた。 431 01:00:20,784 --> 01:00:25,622 この時 ヒトラーは 恋人 エヴァの妹の結婚式のため➡ 432 01:00:25,622 --> 01:00:28,925 アルプスの別荘に滞在していた。 433 01:00:31,495 --> 01:00:33,497 ロンメルは➡ 434 01:00:33,497 --> 01:00:37,300 ノルマンディー防衛の司令部を 離れることとなった。 435 01:00:41,171 --> 01:00:43,173 このころ 連合軍は➡ 436 01:00:43,173 --> 01:00:47,644 数千キロも離れた地点で 極秘作戦を進めていた。 437 01:00:47,644 --> 01:00:51,815 それは グリーンランドだった。 438 01:00:51,815 --> 01:00:57,320 グリーンランドには ドイツの気象観測所が設置されていた。 439 01:00:57,320 --> 01:01:00,524 それを 襲撃したのである。 440 01:01:15,605 --> 01:01:17,541 ドイツ軍は➡ 441 01:01:17,541 --> 01:01:22,846 戦争遂行に欠かせない気象データを 次々と失っていった。 442 01:01:30,954 --> 01:01:36,459 6月5日 アイゼンハワーの司令部は 活気づいていた。 443 01:01:39,429 --> 01:01:41,498 気象予報の担当官が➡ 444 01:01:41,498 --> 01:01:47,971 翌6日 天候が一時的に回復すると告げたのだ。 445 01:01:47,971 --> 01:01:49,906 一方 ドイツ側は➡ 446 01:01:49,906 --> 01:01:54,411 データ不足から この変化に気付いていなかった。 447 01:02:16,132 --> 01:02:21,271 上陸決行日は 6月6日 早朝と決まった。 448 01:02:21,271 --> 01:02:25,775 作戦立案から 2年がたっていた。 449 01:02:27,944 --> 01:02:31,615 そして フランス国内の レジスタンスに向け➡ 450 01:02:31,615 --> 01:02:36,319 イギリスのBBCから あの暗号が流された。 451 01:02:47,163 --> 01:02:49,799 しかし この暗号は➡ 452 01:02:49,799 --> 01:02:56,306 フランスに駐留するドイツ軍部隊により 傍受されていた。 453 01:02:56,306 --> 01:03:04,014 彼らは 暗号の解読にも成功していたが ここで 大きな失態を犯す。 454 01:03:06,116 --> 01:03:10,954 当面 嵐が続くと信じていたため 警戒を怠り➡ 455 01:03:10,954 --> 01:03:16,459 司令部を離れたロンメルに この情報を届けなかったのである。 456 01:03:19,396 --> 01:03:23,933 上陸前日の夕方 アイゼンハワーは➡ 457 01:03:23,933 --> 01:03:28,138 自らの肝煎りで鍛え上げた 空挺部隊を訪ねた。 458 01:03:33,643 --> 01:03:40,850 そして 出撃間近の兵士たち一人一人に 声をかけて回った。 459 01:04:57,627 --> 01:05:02,599 そして迎えた 6月6日 早朝。 460 01:05:02,599 --> 01:05:06,336 予報どおり 嵐はやんでいた。 461 01:05:06,336 --> 01:05:13,042 引き潮の砂浜に 連合軍の将兵が次々と降り立っていった。 462 01:05:16,379 --> 01:05:21,384 警戒を解いていたドイツ軍も 反撃を開始した。 463 01:05:23,920 --> 01:05:31,661 ドイツ軍の陣地までの数百メートル 連合軍は 銃弾が降り注ぐ中を突撃した。 464 01:05:31,661 --> 01:05:38,268 (銃撃音) 465 01:05:38,268 --> 01:05:41,271 ドイツ軍の背後では➡ 466 01:05:41,271 --> 01:05:44,941 夜のうちに降り立った空挺部隊が 攻撃を開始➡ 467 01:05:44,941 --> 01:05:47,243 挟み撃ちにしていた。 468 01:05:55,285 --> 01:05:57,620 激しい攻防の末➡ 469 01:05:57,620 --> 01:06:02,826 連合軍は 海岸の一部を制圧することに成功した。 470 01:06:09,899 --> 01:06:14,070 一方 連合軍上陸の知らせを聞いた ロンメルは➡ 471 01:06:14,070 --> 01:06:18,575 すぐさま引き返し 深夜に ノルマンディーに戻ってきた。 472 01:06:21,945 --> 01:06:25,648 だが 既に手遅れだった。 473 01:06:28,618 --> 01:06:32,322 アイゼンハワーは 次の手を打っていた。 474 01:06:34,924 --> 01:06:41,598 それは イギリスから運んできた 移動式のはしけ。 475 01:06:41,598 --> 01:06:45,935 これを沖合に並べて 人工の港を作り➡ 476 01:06:45,935 --> 01:06:49,405 巨大な補給路を確保した。 477 01:06:49,405 --> 01:06:56,179 上陸の日の午後から始まった 港建設の映像が残されている。 478 01:06:56,179 --> 01:07:02,685 瞬く間に ノルマンディーの砂浜に 巨大な港が出現した。 479 01:07:09,359 --> 01:07:17,066 そして トラックや戦車などの物資が 続々と前線へ送り込まれていった。 480 01:07:23,573 --> 01:07:26,609 一気に攻め寄せる連合軍を前に➡ 481 01:07:26,609 --> 01:07:31,915 ロンメルがヒトラーに送った報告は 絶望に満ちていた。 482 01:07:54,938 --> 01:07:57,774 ロンメルの言う 適切な結論➡ 483 01:07:57,774 --> 01:08:02,478 それは ドイツの全面降伏を意味していた。 484 01:08:04,347 --> 01:08:09,218 だが ヒトラーの頭に 降伏の文字はなかった。 485 01:08:09,218 --> 01:08:15,425 国民を道連れに 最後まで戦い抜く覚悟を決めていた。 486 01:08:18,561 --> 01:08:25,868 ドイツは これから更に10か月間 絶望的な戦いを続けていく。 487 01:08:42,585 --> 01:08:46,923 ノルマンディー上陸作戦の翌月➡ 488 01:08:46,923 --> 01:08:51,227 ハワイに アメリカ軍の首脳が集まった。 489 01:08:54,263 --> 01:09:01,537 議題は 今後の日本攻略を どう進めていくのか。 490 01:09:01,537 --> 01:09:08,244 海軍と陸軍が 作戦の主導権を巡り 激しく争った。 491 01:09:10,246 --> 01:09:14,050 太平洋艦隊のニミッツ提督は➡ 492 01:09:14,050 --> 01:09:16,352 海軍の力をもってすれば➡ 493 01:09:16,352 --> 01:09:18,421 フィリピンを飛び越え➡ 494 01:09:18,421 --> 01:09:25,061 一気に 台湾を占領することも たやすいと提案した。 495 01:09:25,061 --> 01:09:32,235 これを聞いて 猛然と反論したのが 陸軍のマッカーサー将軍。 496 01:09:32,235 --> 01:09:40,910 フィリピンを日本から取り戻さなければ アメリカの威信に関わると主張した。 497 01:09:40,910 --> 01:09:44,247 マッカーサーには 戦争の序盤➡ 498 01:09:44,247 --> 01:09:50,953 陸軍が守るフィリピンを日本軍に奪われた 苦い記憶があった。 499 01:09:56,259 --> 01:09:59,762 ルーズベルトを説き伏せた マッカーサーは➡ 500 01:09:59,762 --> 01:10:06,269 1944年10月 フィリピンに上陸を果たす。 501 01:10:06,269 --> 01:10:10,940 マッカーサーは 更なる野望を燃やしていた。 502 01:10:10,940 --> 01:10:14,277 それは 自ら陸軍部隊を率いて➡ 503 01:10:14,277 --> 01:10:20,283 日本本土に上陸し 戦争を終結に導くこと。 504 01:10:23,619 --> 01:10:26,522 その野望を打ち砕いたのが➡ 505 01:10:26,522 --> 01:10:33,029 空の新兵器 巨大爆撃機 B29だった。 506 01:10:37,633 --> 01:10:40,970 フィリピンに上陸が始まった頃➡ 507 01:10:40,970 --> 01:10:45,441 日本のはるか南 サイパンなどのマリアナ諸島に➡ 508 01:10:45,441 --> 01:10:49,979 B29が 続々と集結していた。 509 01:10:49,979 --> 01:10:54,684 任務は 日本本土の空襲。 510 01:10:57,320 --> 01:10:59,322 作戦の指揮を執るのは➡ 511 01:10:59,322 --> 01:11:02,925 この戦争を通じて 存在感を強めていた➡ 512 01:11:02,925 --> 01:11:09,599 航空部隊の司令官 ヘンリー・アーノルド将軍だった。 513 01:11:09,599 --> 01:11:16,472 アーノルドは 航空部隊による爆撃だけで 日本を降伏に追い込み➡ 514 01:11:16,472 --> 01:11:21,177 陸海軍首脳の鼻を明かそうと考えていた。 515 01:11:40,963 --> 01:11:44,433 B29の最大の特徴は➡ 516 01:11:44,433 --> 01:11:51,440 高度1万メートルを優に飛ぶことができる 飛行性能にあった。 517 01:11:53,810 --> 01:12:02,518 そこは 日本の戦闘機や 高射砲の手が簡単に届かない高さだった。 518 01:12:02,518 --> 01:12:05,755 日本側の反撃を受けず➡ 519 01:12:05,755 --> 01:12:11,093 軍事施設を ピンポイントに破壊する精密爆撃で➡ 520 01:12:11,093 --> 01:12:15,932 日本を降伏に追い込めるはずだった。 521 01:12:15,932 --> 01:12:20,102 これは 東京のはるか上空から➡ 522 01:12:20,102 --> 01:12:25,274 精密爆撃を行った時の映像である。 523 01:12:25,274 --> 01:12:27,777 この日の標的は➡ 524 01:12:27,777 --> 01:12:31,948 画面 右に見える 航空機製造工場。 525 01:12:31,948 --> 01:12:37,286 海軍の主力戦闘機である ゼロ戦を造っていた。 526 01:12:37,286 --> 01:12:44,794 だが 爆弾は 左の畑の中に大きくそれている。 527 01:12:47,296 --> 01:12:54,804 新兵器 B29の搭乗員たちは 経験が浅く 訓練も不十分で➡ 528 01:12:54,804 --> 01:13:00,009 爆弾は 目標に ほとんど命中しなかった。 529 01:13:03,512 --> 01:13:10,720 一向に上がらない戦果に ルーズベルト大統領はしびれを切らす。 530 01:13:25,268 --> 01:13:31,607 アメリカが いかに この爆撃機に 期待をかけていたのかが分かる➡ 531 01:13:31,607 --> 01:13:34,610 プロパガンダ映画がある。 532 01:13:39,348 --> 01:13:44,186 総費用は 当時 極秘裏に製造が進められていた➡ 533 01:13:44,186 --> 01:13:48,958 原子爆弾の1.5倍にもなっていた。 534 01:13:48,958 --> 01:13:55,965 国の威信をかけ 勝利に導く切り札となる必要があった。 535 01:14:05,741 --> 01:14:08,577 成果が出ない責任を問われ➡ 536 01:14:08,577 --> 01:14:12,248 爆撃隊の司令官は 更迭。 537 01:14:12,248 --> 01:14:14,583 新たに任命されたのが➡ 538 01:14:14,583 --> 01:14:21,791 後に 皆殺しのルメイと呼ばれる カーチス・ルメイ将軍だった。 539 01:14:41,110 --> 01:14:44,146 ルメイが目をつけたのが➡ 540 01:14:44,146 --> 01:14:50,286 技量がなくても大きな効果を見込める 焼夷弾だった。 541 01:14:50,286 --> 01:14:57,793 焼夷弾には 筒型の小型爆弾が多く詰め込まれている。 542 01:14:57,793 --> 01:15:04,066 これを 爆撃機から投下すると 空中でバラバラになって落ち➡ 543 01:15:04,066 --> 01:15:10,272 辺り一面 手当たりしだいに 火を放つことができるからだ。 544 01:15:16,645 --> 01:15:23,252 焼夷弾が効果を発揮するのは 日本の木造家屋。 545 01:15:23,252 --> 01:15:29,058 ルメイは 焼夷弾を無差別に投下して 町を焼き払い➡ 546 01:15:29,058 --> 01:15:34,363 B29の力を 見せつけようと考えたのである。 547 01:15:36,599 --> 01:15:44,106 その最初の作戦が 3月10日の東京大空襲だった。 548 01:15:48,778 --> 01:15:51,814 300機を超えるB29が➡ 549 01:15:51,814 --> 01:15:57,787 33万発の焼夷弾を投下。 550 01:15:57,787 --> 01:16:02,057 東京の下町を 丸ごと焼き払い➡ 551 01:16:02,057 --> 01:16:06,362 10万の命を奪った。 552 01:16:06,362 --> 01:16:13,069 この知らせは B29が挙げた目覚ましい戦果として➡ 553 01:16:13,069 --> 01:16:19,241 アメリカ国内で 華々しく報じられた。 554 01:16:19,241 --> 01:16:28,451 国民の後押しを受けたと考えたルメイは 無差別爆撃を続けていく。 555 01:16:30,853 --> 01:16:35,858 200を超える都市が 焼き尽くされていった。 556 01:17:10,893 --> 01:17:13,562 そして 8月➡ 557 01:17:13,562 --> 01:17:17,900 B29は 日本の上空 1万メートルから➡ 558 01:17:17,900 --> 01:17:23,239 2発の原子爆弾を投下。 559 01:17:23,239 --> 01:17:29,545 日本は 無条件降伏した。 560 01:17:31,914 --> 01:17:34,817 帰国したルメイを➡ 561 01:17:34,817 --> 01:17:38,621 アメリカ国民は 熱烈に出迎えた。 562 01:17:42,258 --> 01:17:44,193 ルメイは➡ 563 01:17:44,193 --> 01:17:48,898 戦争を終わらせた立て役者として たたえられた。 564 01:17:51,934 --> 01:17:54,837 一方 100万の軍勢を率い➡ 565 01:17:54,837 --> 01:17:59,408 日本本土への上陸作戦をもくろんでいた マッカーサーは➡ 566 01:17:59,408 --> 01:18:05,214 一人 厚木の飛行場に降り立った。 567 01:18:05,214 --> 01:18:08,884 陸軍に人生をささげて半世紀➡ 568 01:18:08,884 --> 01:18:16,091 自らの晴れ舞台を奪われた悔しさを 副官に こう漏らしている。 569 01:18:49,258 --> 01:18:52,595 だが その5年後➡ 570 01:18:52,595 --> 01:18:58,767 マッカーサーの野心が 再び 呼び覚まされる。 571 01:18:58,767 --> 01:19:02,738 北朝鮮が 38度線を越え➡ 572 01:19:02,738 --> 01:19:08,043 韓国へ 侵攻を開始したのである。 573 01:19:08,043 --> 01:19:13,215 アメリカを中心に 国連軍が結成された。 574 01:19:13,215 --> 01:19:18,921 その司令官に任命されたのが マッカーサーだった。 575 01:19:22,224 --> 01:19:29,932 70歳を迎えた老兵が 最後の大勝負に打って出る。 576 01:19:51,920 --> 01:19:55,391 これは 朝鮮戦争勃発直後➡ 577 01:19:55,391 --> 01:20:00,929 現在の福岡空港を捉えた映像である。 578 01:20:00,929 --> 01:20:03,599 アメリカ軍に接収されていた空港から➡ 579 01:20:03,599 --> 01:20:08,404 朝鮮半島に向かう攻撃機が 次々と飛び立っていく。 580 01:20:16,278 --> 01:20:20,416 マッカーサーは 日本に駐留していた部隊を中心に➡ 581 01:20:20,416 --> 01:20:24,620 国連軍を編制し 前線に送り込んだ。 582 01:20:26,622 --> 01:20:28,657 一方 北朝鮮軍は➡ 583 01:20:28,657 --> 01:20:33,395 最新鋭の戦車や航空機を ソビエトから ひそかに援助されており➡ 584 01:20:33,395 --> 01:20:36,598 装備で 国連軍を上回っていた。 585 01:20:40,803 --> 01:20:43,839 国連軍は 各地で敗退を重ね➡ 586 01:20:43,839 --> 01:20:46,442 戦争が始まって2か月後には➡ 587 01:20:46,442 --> 01:20:48,377 朝鮮半島の南東部➡ 588 01:20:48,377 --> 01:20:51,880 釜山を中心とする一帯に包囲された。 589 01:21:00,923 --> 01:21:04,593 マッカーサーは 勝利を諦めていなかった。 590 01:21:04,593 --> 01:21:09,598 戦局を打開する起死回生の策を打ち出す。 591 01:21:12,468 --> 01:21:15,938 それは ソウル近くの港町➡ 592 01:21:15,938 --> 01:21:19,608 仁川への上陸作戦だった。 593 01:21:19,608 --> 01:21:23,479 北朝鮮軍を南北から挟み撃ちにして➡ 594 01:21:23,479 --> 01:21:26,115 撃退しようと考えたのだ。 595 01:21:26,115 --> 01:21:28,417 第二次世界大戦の➡ 596 01:21:28,417 --> 01:21:30,486 ノルマンディー上陸にも例えられる➡ 597 01:21:30,486 --> 01:21:34,123 作戦だった。 598 01:21:34,123 --> 01:21:40,796 だが 国連軍には 作戦に割ける兵力は 4万しかなかった。 599 01:21:40,796 --> 01:21:46,435 幕僚たちは リスクが大きいと反対する。 600 01:21:46,435 --> 01:21:49,805 これに対し マッカーサーは➡ 601 01:21:49,805 --> 01:21:52,441 敵の主力は 釜山方面にあり➡ 602 01:21:52,441 --> 01:21:55,944 仁川の守りは手薄だと反論する。 603 01:22:00,249 --> 01:22:05,754 そして 弱気な幕僚たちに こう言い放った。 604 01:22:19,268 --> 01:22:25,941 マッカーサーが大きな賭けに挑んだのには 理由があった。 605 01:22:25,941 --> 01:22:28,410 当時 アメリカ国内では➡ 606 01:22:28,410 --> 01:22:34,216 大統領選挙に向けて 候補者選びが本格化していた。 607 01:22:34,216 --> 01:22:36,952 その最有力候補が➡ 608 01:22:36,952 --> 01:22:42,257 ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた アイゼンハワーだった。 609 01:22:45,961 --> 01:22:49,798 アイゼンハワーは 第二次世界大戦前には➡ 610 01:22:49,798 --> 01:22:53,969 副官として マッカーサーに仕えていた。 611 01:22:53,969 --> 01:22:57,806 大統領の座を目前にした かつての部下を➡ 612 01:22:57,806 --> 01:23:01,610 マッカーサーは こう こき下ろしている。 613 01:23:24,266 --> 01:23:29,471 9月15日 上陸作戦が始まった。 614 01:23:47,289 --> 01:23:50,626 沖合の軍艦から マッカーサーが見守る中➡ 615 01:23:50,626 --> 01:23:55,931 4万の国連軍が 仁川への上陸を開始した。 616 01:24:00,736 --> 01:24:08,944 上陸を予期していなかった北朝鮮軍は 国連軍の猛攻撃に たちまち敗走した。 617 01:24:11,246 --> 01:24:17,052 マッカーサーの読みは的中し 2週間後には ソウルを奪還。 618 01:24:17,052 --> 01:24:20,055 形勢を 一挙にひっくり返した。 619 01:24:31,934 --> 01:24:36,405 マッカーサーは 一世一代の賭けに勝った。 620 01:24:36,405 --> 01:24:41,209 共和党の 次期大統領候補に推す声も高まった。 621 01:24:44,146 --> 01:24:48,650 だが これが 彼の絶頂の時だった。 622 01:24:54,790 --> 01:24:57,626 仁川上陸から2か月後➡ 623 01:24:57,626 --> 01:25:04,633 中国から 30万の義勇兵が参戦し 戦争は こう着状態に陥った。 624 01:25:10,205 --> 01:25:16,712 ここで マッカーサーは 禁断の兵器に手を伸ばそうとする。 625 01:25:19,881 --> 01:25:23,385 アメリカ大統領 トルーマンらに➡ 626 01:25:23,385 --> 01:25:26,588 原爆の使用を訴えたのである。 627 01:25:29,591 --> 01:25:36,264 「原爆を投下する者が 次の戦争では 英雄になる」という自らの言葉を➡ 628 01:25:36,264 --> 01:25:40,268 実行に移そうとした。 629 01:25:40,268 --> 01:25:45,474 しかし トルーマンは これを認めなかった。 630 01:25:49,811 --> 01:25:55,650 当時 北朝鮮を支援するソビエトもまた 原爆の開発に成功し➡ 631 01:25:55,650 --> 01:25:59,855 全面核戦争の危険が高まっていた。 632 01:26:18,573 --> 01:26:24,579 マッカーサーは 国連軍の司令官を解任された。 633 01:26:27,282 --> 01:26:32,788 大統領候補への道も 事実上 絶たれた。 634 01:26:37,259 --> 01:26:45,133 1953年 朝鮮戦争は休戦を迎えた。 635 01:26:45,133 --> 01:26:51,640 この戦争は 勝者なき戦争の時代の到来を 示すものとなった。 636 01:26:55,277 --> 01:26:58,280 帰国したマッカーサーは➡ 637 01:26:58,280 --> 01:27:04,286 半世紀に及ぶ 軍への貢献を評価され アメリカ議会に招かれた。 638 01:27:06,221 --> 01:27:09,558 語ったのは 戦場での勇気➡ 639 01:27:09,558 --> 01:27:15,864 そして 狂気を生み出すもの すなわち 勝利についてだった。 640 01:27:40,255 --> 01:27:47,062 そして あの有名な言葉で 演説を締めくくった。 641 01:28:12,554 --> 01:28:16,258 (拍手と歓声) 642 01:28:25,133 --> 01:28:55,130 ♬~