1 00:00:12,279 --> 00:00:16,950 1991年 フィリピンのピナツボ山が➡ 2 00:00:16,950 --> 00:00:21,255 20世紀最大規模の大噴火を起こした。 3 00:00:24,124 --> 00:00:26,627 (雷鳴) 4 00:00:26,627 --> 00:00:32,299 不思議な現象が 人々の不安をあおった。 5 00:00:32,299 --> 00:00:37,604 この映像は 実は 昼12時に撮られている。 6 00:00:39,172 --> 00:00:45,379 火山灰が太陽の光を遮り 昼を夜に変えてしまったのである。 7 00:01:06,166 --> 00:01:09,469 (雷鳴) 8 00:01:31,291 --> 00:01:36,496 噴煙は成層圏に達し 地球を覆った。 9 00:01:38,966 --> 00:01:41,301 地表に届く光は減り➡ 10 00:01:41,301 --> 00:01:45,505 北半球の気温は 0.5度下がった。 11 00:01:47,174 --> 00:01:54,181 2年後 日本を襲った80年ぶりの冷夏も その影響といわれる。 12 00:01:56,850 --> 00:02:03,156 米が凶作となり 平成の米騒動を引き起こした。 13 00:02:07,260 --> 00:02:10,263 映像が誕生して 100年余り。 14 00:02:13,066 --> 00:02:19,272 カメラは 人類の危機とも言える 惨劇の数々を捉えてきた。 15 00:02:24,111 --> 00:02:29,916 20世紀 最初の危機は 第一次世界大戦のさなかに起きた。 16 00:02:31,785 --> 00:02:37,791 スペインかぜと呼ばれる 新型インフルエンザの大流行である。 17 00:02:40,127 --> 00:02:44,798 軍隊の移動とともに ウイルスは 世界中に広がった。 18 00:02:44,798 --> 00:02:50,303 死者は 4,000万とも それ以上ともいわれている。 19 00:02:52,305 --> 00:02:57,511 見えない敵との戦いは 3年にわたって続いた。 20 00:03:00,380 --> 00:03:05,919 1960年代には 世界を核戦争の恐怖が覆った。 21 00:03:05,919 --> 00:03:13,393 ソビエトが アメリカの隣国 キューバに 核ミサイル基地を建設。 22 00:03:13,393 --> 00:03:18,598 米ソ両国による全面核戦争が 目前に迫った。 23 00:03:21,268 --> 00:03:27,074 この時 実は 予期せぬ場所で 核の発射命令が下りていた。 24 00:03:28,875 --> 00:03:35,582 世界を救ったのは 現場の兵士たちの冷静な判断だった。 25 00:03:38,552 --> 00:03:45,325 そして 核は発電所に姿を変え 時に 世界を恐怖に陥れる。 26 00:03:45,325 --> 00:03:49,129 ソビエト チェルノブイリ原発事故。 27 00:03:49,129 --> 00:03:54,634 大量の放射能が ヨーロッパ中に飛び散った。 28 00:03:54,634 --> 00:04:01,241 事故処理を担う男たちが 飛び込んでいくのは 死のゾーン。 29 00:04:01,241 --> 00:04:05,579 与えられた作業時間は 僅か90秒。 30 00:04:05,579 --> 00:04:08,582 決死の作業だった。 31 00:04:16,223 --> 00:04:19,259 新型のウイルス。 32 00:04:19,259 --> 00:04:22,129 世界恐慌。 33 00:04:22,129 --> 00:04:26,767 そして 核の恐怖。 34 00:04:26,767 --> 00:04:31,938 20世紀。 人類は あまたの危機に直面した。 35 00:04:31,938 --> 00:04:45,418 ♬~ 36 00:04:45,418 --> 00:04:50,123 発掘した貴重な映像で 100年の時を追体験する➡ 37 00:04:50,123 --> 00:04:53,627 「映像の世紀プレミアム」。 38 00:04:53,627 --> 00:05:06,072 ♬~ 39 00:05:06,072 --> 00:05:13,246 今回は 人類を襲った危機の物語。 40 00:05:13,246 --> 00:05:19,753 破滅の淵に立たされた人々の 闘いの記録である。 41 00:05:19,753 --> 00:05:32,966 ♬~ 42 00:05:35,235 --> 00:05:38,605 これは 今から100年ほど前に➡ 43 00:05:38,605 --> 00:05:41,942 イギリスで制作された啓蒙映画。 44 00:05:41,942 --> 00:05:47,247 スペインかぜから 身を守る方法を ドラマ仕立てで描いている。 45 00:05:50,116 --> 00:05:55,822 感染しているブラウンさん。 無理を押して 職場に向かった。 46 00:06:00,126 --> 00:06:03,630 街で 知人と出会う。 47 00:06:05,899 --> 00:06:09,402 2人は 一緒に馬車に乗った。 48 00:06:23,250 --> 00:06:28,255 映画は ブラウンさんの職場にも 駄目を出す。 49 00:06:44,104 --> 00:06:50,777 映画は 現実の死者の数を示して 幕を閉じる。 50 00:06:50,777 --> 00:06:56,583 ロンドンで 1週間に 2,458人が死亡。 51 00:07:00,887 --> 00:07:04,224 これが スペインかぜの正体➡ 52 00:07:04,224 --> 00:07:09,095 新型のインフルエンザウイルス。 53 00:07:09,095 --> 00:07:16,102 当時 治療法もなければ ワクチンもない 全く未知の病だった。 54 00:07:29,449 --> 00:07:31,918 スペインかぜの大流行は➡ 55 00:07:31,918 --> 00:07:35,622 戦争の熱狂に包まれた アメリカで始まった。 56 00:07:44,264 --> 00:07:50,403 1917年 アメリカは 第一次世界大戦への参加を表明。 57 00:07:50,403 --> 00:07:56,109 アメリカ史上最大の軍隊を ヨーロッパへ派遣することになった。 58 00:07:59,946 --> 00:08:03,717 兵士は くじ引きで集められた。 59 00:08:03,717 --> 00:08:09,222 これは 時の大統領 ウィルソンが くじを引く様子。 60 00:08:09,222 --> 00:08:14,227 徴兵の機会を平等にするために 採用された制度である。 61 00:08:18,565 --> 00:08:23,236 訓練のために 若者たちが 軍の施設に集められる。 62 00:08:23,236 --> 00:08:26,573 スペインかぜが 最初に猛威を振るったのは➡ 63 00:08:26,573 --> 00:08:29,376 こうした施設の一つだった。 64 00:08:34,314 --> 00:08:38,084 1918年3月。 65 00:08:38,084 --> 00:08:40,920 カンザス州のファンストン陸軍基地で➡ 66 00:08:40,920 --> 00:08:46,226 1,000人を超える新兵たちが 次々と 発熱で倒れた。 67 00:08:49,596 --> 00:08:53,099 なぜ ここで 新しいウイルスが発生したのかは➡ 68 00:08:53,099 --> 00:08:55,402 今も分かっていない。 69 00:08:58,271 --> 00:09:03,977 ただ この一帯は カナダガンの大群が飛来する越冬地。 70 00:09:05,712 --> 00:09:08,548 渡り鳥の保有するウイルスが➡ 71 00:09:08,548 --> 00:09:10,884 何らかの理由で 人にうつったのではないかと➡ 72 00:09:10,884 --> 00:09:13,186 考えられている。 73 00:09:15,555 --> 00:09:19,058 その後 すぐに感染は拡大。 74 00:09:19,058 --> 00:09:24,564 スペインかぜが流行した陸軍基地は 24か所にも上った。 75 00:09:31,638 --> 00:09:37,444 新兵たちは そうした基地から ヨーロッパの戦場へ向かった。 76 00:09:39,913 --> 00:09:45,585 米軍最大の兵員輸送船 リバイアサン。 77 00:09:45,585 --> 00:09:52,926 一度に1万人を超える兵士が すし詰め状態で 大西洋を渡った。 78 00:09:52,926 --> 00:09:57,597 当然ながら ウイルスが紛れ込んでいた。 79 00:09:57,597 --> 00:10:00,500 次々に 兵士たちが倒れた。 80 00:10:00,500 --> 00:10:04,304 船内は パニックに陥った。 81 00:10:34,367 --> 00:10:39,973 フランス西部の港町 ブレスト。 82 00:10:39,973 --> 00:10:46,646 アメリカ兵の多くは ここで ヨーロッパの土を踏んだ。 83 00:10:46,646 --> 00:10:51,851 スペインかぜは この港町を起点に広がっていく。 84 00:10:56,656 --> 00:11:02,395 第一次世界大戦は 人類初の世界戦争だった。 85 00:11:02,395 --> 00:11:08,902 連合国 同盟国の2つの陣営に分かれ 30か国以上が戦った。 86 00:11:12,772 --> 00:11:18,278 アメリカ兵が向かったのは 塹壕が果てしなくのびる 西部戦線。 87 00:11:18,278 --> 00:11:21,481 フランスとドイツの国境地帯である。 88 00:11:24,150 --> 00:11:30,456 戦いは 塹壕を移動しながら 攻撃の機会をうかがう 持久戦だった。 89 00:11:36,129 --> 00:11:41,935 兵士たちは 劣悪な衛生環境の中で戦っていた。 90 00:11:45,838 --> 00:11:50,343 そこに アメリカ兵が ウイルスを持ち込んだ。 91 00:11:53,546 --> 00:11:56,516 感染力は すさまじかった。 92 00:11:56,516 --> 00:11:58,518 6月からの2か月間で➡ 93 00:11:58,518 --> 00:12:02,088 フランスに駐留したイギリス兵 200万人のうち➡ 94 00:12:02,088 --> 00:12:05,892 実に120万人が感染した。 95 00:12:10,797 --> 00:12:14,601 元イギリス兵の肉声が残っている。 96 00:12:45,632 --> 00:12:48,968 ウイルスに 敵も味方もない。 97 00:12:48,968 --> 00:12:51,804 塹壕を飛び出しての白兵戦で➡ 98 00:12:51,804 --> 00:12:56,609 ウイルスは 敵国 ドイツの兵士にも襲いかかった。 99 00:13:03,249 --> 00:13:06,586 軍を率いたルーデンドルフの回想録には➡ 100 00:13:06,586 --> 00:13:11,391 スペインかぜで 兵力をそがれた無念があふれている。 101 00:13:55,435 --> 00:13:59,806 しかし 西部戦線における インフルエンザの流行は➡ 102 00:13:59,806 --> 00:14:08,014 軍事機密とされ 連合国 同盟国ともに 公表されることはなかった。 103 00:14:11,751 --> 00:14:16,589 この新型インフルエンザの存在が 世界に知られるようになったのは➡ 104 00:14:16,589 --> 00:14:20,393 スペインでの流行がきっかけだった。 105 00:14:22,095 --> 00:14:24,130 これは マドリードで➡ 106 00:14:24,130 --> 00:14:28,434 8万人が感染したことを報じる 地元紙。 107 00:14:31,270 --> 00:14:36,776 この風刺画は 生物学者たちが病原体にひざまずく姿。 108 00:14:45,118 --> 00:14:48,421 当時 スペインは中立国。 109 00:14:48,421 --> 00:14:53,926 第一次世界大戦に参戦しなかったため 報道規制がなかった。 110 00:14:57,630 --> 00:15:02,235 そのため 国王 アルフォンソ13世が感染すると➡ 111 00:15:02,235 --> 00:15:06,239 そのニュースは 世界へ報じられた。 112 00:15:06,239 --> 00:15:12,378 この時 スペイン発祥の病という誤解が生まれた。 113 00:15:12,378 --> 00:15:14,447 「スペインかぜ」と名付けられたのは➡ 114 00:15:14,447 --> 00:15:16,949 これが理由である。 115 00:15:20,086 --> 00:15:23,756 ウイルスの勢いは止まらない。 116 00:15:23,756 --> 00:15:28,394 スペインかぜは 戦場から帰還する兵士の体に乗って➡ 117 00:15:28,394 --> 00:15:31,697 世界各国へ広がった。 118 00:15:34,200 --> 00:15:38,938 最も多くの犠牲者を出したのが インドである。 119 00:15:38,938 --> 00:15:43,743 イギリスの植民地として 戦争に参加していた。 120 00:15:47,280 --> 00:15:54,086 栄養状態が悪く 実に 1,700万人が死亡した。 121 00:15:56,289 --> 00:15:59,792 日本も 被害を免れなかった。 122 00:15:59,792 --> 00:16:02,562 イギリスと同盟を結んでいた日本は➡ 123 00:16:02,562 --> 00:16:06,866 連合国の一員として参戦していた。 124 00:16:11,070 --> 00:16:16,075 ある地方紙に 流行の初期の様子が報じられている。 125 00:16:18,945 --> 00:16:24,617 「1918年9月。 滋賀県の歩兵第9連隊で➡ 126 00:16:24,617 --> 00:16:29,422 およそ400人が 40度の高熱で倒れた」。 127 00:16:32,458 --> 00:16:39,098 3週間後 その歩兵第9連隊を 見学した青年を介して➡ 128 00:16:39,098 --> 00:16:41,767 小学校の児童が感染。 129 00:16:41,767 --> 00:16:45,972 死者も出て 大騒ぎとなった。 130 00:16:48,541 --> 00:16:53,846 スペインかぜは 日本でも 軍の施設が流行の震源地だった。 131 00:16:56,949 --> 00:17:03,055 日本では 3年に及ぶ流行で 2,380万人が感染。 132 00:17:03,055 --> 00:17:07,260 39万人が亡くなった。 133 00:17:09,729 --> 00:17:13,599 作家 芥川龍之介も感染。 134 00:17:13,599 --> 00:17:18,404 一命は取り留めたものの 重い症状に苦しんだ。 135 00:17:20,239 --> 00:17:25,044 友人に宛てた手紙に こんな俳句を添えている。 136 00:17:37,657 --> 00:17:40,626 1918年の秋。 137 00:17:40,626 --> 00:17:44,931 スペインかぜは ヨーロッパから アメリカに逆輸入され➡ 138 00:17:44,931 --> 00:17:48,234 全米各地に広がった。 139 00:17:53,272 --> 00:18:00,279 赤十字の看護師たちは マスクを作り 市民に安値で配った。 140 00:18:03,349 --> 00:18:10,356 マスクの値が上がり 貧しい人たちが 手に入れられなくなっていたのだ。 141 00:18:46,592 --> 00:18:52,398 これは 衛生局が推奨した 挨拶のしかた。 142 00:18:55,768 --> 00:19:00,539 握手を求められても 勇気を出して断りましょう。 143 00:19:00,539 --> 00:19:06,045 敬礼すれば 関係がこじれることはありません。 144 00:19:14,053 --> 00:19:18,357 子どもたちは 首から樟脳をぶら下げた。 145 00:19:18,357 --> 00:19:23,162 強いにおいで 人を遠ざけるためだった。 146 00:19:40,246 --> 00:19:46,585 1918年11月。 ついに ドイツ軍が降伏。 147 00:19:46,585 --> 00:19:51,590 戦争は 連合国の勝利で幕を閉じた。 148 00:19:53,459 --> 00:19:58,264 スペインかぜで 両軍の間に えん戦気分が広がったことが➡ 149 00:19:58,264 --> 00:20:01,467 終結を早めたといわれている。 150 00:20:05,271 --> 00:20:11,610 これは サンフランシスコで行われた 終戦パレード。 151 00:20:11,610 --> 00:20:15,414 サンフランシスコでは 新たな条例を出して➡ 152 00:20:15,414 --> 00:20:18,317 マスク着用を義務づけた。 153 00:20:18,317 --> 00:20:23,522 戦争は終わっても ウイルスとの闘いは続いた。 154 00:20:28,961 --> 00:20:32,164 年が明けた1月。 155 00:20:33,799 --> 00:20:36,635 パリに連合国の代表が集い➡ 156 00:20:36,635 --> 00:20:41,640 敗戦国 ドイツの講和条件を決める 会議が開かれた。 157 00:20:43,809 --> 00:20:48,314 この歴史的な会議の行方に 大きな影響を与えたのが➡ 158 00:20:48,314 --> 00:20:51,016 スペインかぜだった。 159 00:20:53,185 --> 00:20:56,055 アメリカ大統領 ウィルソンは➡ 160 00:20:56,055 --> 00:21:01,260 ドイツに多額の賠償金を科すことに 強く反対した。 161 00:21:01,260 --> 00:21:04,597 過酷な要求は 恨みを残し➡ 162 00:21:04,597 --> 00:21:08,901 次の戦争の火種になると 考えたからである。 163 00:21:12,104 --> 00:21:15,141 ウィルソンと真っ向から対立したのが➡ 164 00:21:15,141 --> 00:21:20,412 フランスのクレマンソーと イギリスのロイド・ジョージ首相である。 165 00:21:20,412 --> 00:21:22,481 ヨーロッパの平和のためには➡ 166 00:21:22,481 --> 00:21:28,988 ドイツの脅威を取り除く必要があると 多額の賠償金を求めた。 167 00:21:33,793 --> 00:21:37,129 交渉が山場を迎えた3月。 168 00:21:37,129 --> 00:21:42,635 パリで スペインかぜによる死者は 700人を超えていた。 169 00:21:47,640 --> 00:21:53,312 会議をリードする3人の首脳たちも 相次いで感染。 170 00:21:53,312 --> 00:21:59,518 中でも重い症状に苦しんだのは アメリカのウィルソンだった。 171 00:22:02,988 --> 00:22:09,595 当時 パリで食糧支援の仕事をしていた 後の大統領 フーバーは➡ 172 00:22:09,595 --> 00:22:14,099 ウィルソンの変わり果てた姿を こう記している。 173 00:22:42,428 --> 00:22:49,735 6月。 ベルサイユ宮殿で 講和条約の調印式が行われた。 174 00:22:53,973 --> 00:22:58,444 スペインかぜに スタミナと 集中力を奪われたウィルソンに➡ 175 00:22:58,444 --> 00:23:04,149 自らの考えを貫く力は 残されていなかった。 176 00:23:06,085 --> 00:23:10,389 講和条約は イギリスとフランスの主張がとおり➡ 177 00:23:10,389 --> 00:23:14,093 ドイツに多額の賠償金が科せられた。 178 00:23:14,093 --> 00:23:18,397 その額は 1,320億金マルク。 179 00:23:18,397 --> 00:23:23,602 ドイツの国家予算の20年分に相当する。 180 00:23:26,939 --> 00:23:28,974 ウィルソンは➡ 181 00:23:28,974 --> 00:23:36,482 「私がドイツ人なら 何があっても 署名しないだろう」と吐き捨てた。 182 00:23:39,952 --> 00:23:46,258 スペインかぜは この年の流行を最後に終息へ向かった。 183 00:23:47,826 --> 00:23:52,298 感染者は 推定5億人。 184 00:23:52,298 --> 00:23:57,636 死亡者は 推定4,000万人。 185 00:23:57,636 --> 00:24:04,076 人類は 大きな犠牲の上に集団免疫を獲得。 186 00:24:04,076 --> 00:24:07,746 危機は去った。 187 00:24:07,746 --> 00:24:11,083 しかし この9年後。 188 00:24:11,083 --> 00:24:15,921 世界は 再び 奈落の底に突き落とされることになる。 189 00:24:15,921 --> 00:24:18,624 大恐慌である。 190 00:24:33,772 --> 00:24:40,279 1920年代 アメリカは 戦争で疲弊したヨーロッパに代わって➡ 191 00:24:40,279 --> 00:24:43,582 世界のリーダーに躍り出た。 192 00:24:46,418 --> 00:24:51,123 世界の富がアメリカを目指した。 193 00:24:52,791 --> 00:24:57,629 株価は 天井知らずの値上がりを続けた。 194 00:24:57,629 --> 00:25:04,436 誰もが 繁栄は永遠に続くものと 信じて疑わなかった。 195 00:25:04,436 --> 00:25:07,139 しかし…。 196 00:25:25,257 --> 00:25:29,595 1929年10月 株価は暴落。 197 00:25:29,595 --> 00:25:33,465 1週間で 300億ドルが消え去った。 198 00:25:33,465 --> 00:25:37,336 アメリカは かつて経験したことのない経済危機➡ 199 00:25:37,336 --> 00:25:41,774 いわゆる大恐慌に陥った。 200 00:25:41,774 --> 00:25:46,945 投資家に資金を貸し付けていた銀行は 経営が悪化。 201 00:25:46,945 --> 00:25:50,949 倒産した銀行は 6,000を数えた。 202 00:25:52,618 --> 00:25:56,121 工場の閉鎖も相次いだ。 203 00:25:57,790 --> 00:26:00,759 失業率は 25%。 204 00:26:00,759 --> 00:26:05,264 失業者は 1,300万人に達した。 205 00:26:07,232 --> 00:26:13,105 社会保障が整っていない当時のアメリカで 職を失うことは➡ 206 00:26:13,105 --> 00:26:18,310 死の影に 日々 おびえることを意味していた。 207 00:26:52,277 --> 00:26:58,784 しかし 連邦政府は 何の対策も打たなかった。 208 00:26:58,784 --> 00:27:01,687 時の大統領 フーバーは➡ 209 00:27:01,687 --> 00:27:06,058 この状態は 景気循環の一過程にすぎないと➡ 210 00:27:06,058 --> 00:27:11,263 古典的な経済学を 固く信じていたのである。 211 00:27:12,831 --> 00:27:17,536 そのため 国民には こう言うしかなかった。 212 00:27:25,377 --> 00:27:30,249 仕事を失い 家や財産を手放した人たちは➡ 213 00:27:30,249 --> 00:27:35,454 公園や空き地に バラック小屋を建てて暮らした。 214 00:27:37,122 --> 00:27:40,959 全米各地に出現した こうした集落は➡ 215 00:27:40,959 --> 00:27:46,765 大統領への皮肉を込めて フーバー村と呼ばれた。 216 00:27:50,536 --> 00:27:55,774 ニューヨークで発生した大恐慌は すぐに海外へ飛び火。 217 00:27:55,774 --> 00:28:00,212 世界恐慌へと発展した。 218 00:28:00,212 --> 00:28:06,351 資本主義国全体の工業生産は 半分近くに落ち込み➡ 219 00:28:06,351 --> 00:28:11,356 失業者は 5,000万人に達したと 見られている。 220 00:28:13,058 --> 00:28:16,361 最も深刻なダメージを受けたのが➡ 221 00:28:16,361 --> 00:28:21,366 敗戦から立ち上がりかけていた ドイツだった。 222 00:28:32,377 --> 00:28:37,182 失業率は 30%を超えた。 223 00:28:41,086 --> 00:28:45,757 奈落の底に落ちたアメリカ。 224 00:28:45,757 --> 00:28:49,628 失業者の救済は 無策の政府に代わり➡ 225 00:28:49,628 --> 00:28:52,831 民間に委ねられた。 226 00:28:54,466 --> 00:28:58,770 リンゴ出荷協会は 失業者にリンゴを提供し➡ 227 00:28:58,770 --> 00:29:04,276 街頭販売で ここうをしのいでもらう活動を始めた。 228 00:29:08,213 --> 00:29:14,720 摩天楼の下に 背広を着たリンゴ売り 6,000人が出現。 229 00:29:16,355 --> 00:29:22,661 かつての大金持ちが 1個5セントのリンゴを売りさばいた。 230 00:29:24,229 --> 00:29:28,367 物珍しさと同情から売れ行きは よく➡ 231 00:29:28,367 --> 00:29:33,872 フーバー村での厳しい冬を越す 元手となった。 232 00:29:36,074 --> 00:29:41,246 シカゴでは あの男が立ち上がる。 233 00:29:41,246 --> 00:29:46,251 暗黒街のボス アル・カポネである。 234 00:29:48,020 --> 00:29:57,329 カポネは パン屋や肉屋に食材を寄付させ 1日3回の食事を無料で提供した。 235 00:30:13,945 --> 00:30:19,951 政府に直接 助けを求める人々も現れる。 236 00:30:22,120 --> 00:30:28,627 首都 ワシントンに 第一次世界大戦の退役軍人が集結。 237 00:30:28,627 --> 00:30:31,930 恩給の先払いを求めた。 238 00:30:53,318 --> 00:31:01,126 これに対して 連邦政府は軍隊を派遣。 戦車で追い払おうとする。 239 00:31:03,962 --> 00:31:09,768 指揮したのは あの ダグラス・マッカーサーである。 240 00:31:14,940 --> 00:31:21,413 マッカーサーは デモを 共産主義者の扇動によるものと決めつけ➡ 241 00:31:21,413 --> 00:31:26,418 デモ隊が住み着いたバラック小屋を 燃やし尽くした。 242 00:31:32,791 --> 00:31:38,296 日本も 世界恐慌の波に のみ込まれていった。 243 00:31:39,965 --> 00:31:44,836 中でも大きな打撃を受けたのが紡績会社。 244 00:31:44,836 --> 00:31:50,308 生糸の主な輸出先が アメリカだったからである。 245 00:31:50,308 --> 00:31:56,615 首切り反対を掲げる労働争議が多発した。 246 00:31:59,451 --> 00:32:05,657 そんな暗い時代にあって なんとも不思議な事件が起きる。 247 00:32:08,160 --> 00:32:12,397 舞台は 富士紡績 川崎工場。 248 00:32:12,397 --> 00:32:17,269 高さ40メートルの煙突の上に 5日間立てこもり➡ 249 00:32:17,269 --> 00:32:23,275 賃下げ反対を叫ぶ 煙突男が現れたのである。 250 00:32:24,976 --> 00:32:29,781 煙突の下は 黒山の人だかり。 251 00:32:29,781 --> 00:32:36,988 男は 階級闘争の即興詩人と もっともらしく呼ばれた。 252 00:32:38,490 --> 00:32:44,963 困った会社は 労働組合に対して 金 5,000円を支給。 253 00:32:44,963 --> 00:32:48,466 騒動に決着をつけた。 254 00:32:51,636 --> 00:32:54,139 降りてきた男は➡ 255 00:32:54,139 --> 00:32:59,144 すすだらけの顔で 満足げに こう語った。 256 00:33:17,095 --> 00:33:22,901 大恐慌のアメリカを 更なる悲劇が襲う。 257 00:33:25,403 --> 00:33:34,112 1930年代 中部の農村地帯に ダストボウルと呼ばれる砂嵐が出現。 258 00:33:34,112 --> 00:33:37,415 農業を壊滅させた。 259 00:33:39,784 --> 00:33:44,956 砂嵐は 断続的に およそ10年続き➡ 260 00:33:44,956 --> 00:33:50,662 350万にも上る人々が土地を捨てた。 261 00:33:52,297 --> 00:33:57,168 アメリカ国民は 何もしないフーバーに見切りをつけ➡ 262 00:33:57,168 --> 00:34:03,942 経済の立て直しを公約に掲げた 新しい大統領を選んだ。 263 00:34:03,942 --> 00:34:08,446 フランクリン・ルーズベルトである。 264 00:34:45,951 --> 00:34:50,789 ルーズベルトは 連邦政府に権限を集中させ➡ 265 00:34:50,789 --> 00:34:54,292 ニューディール政策を実行。 266 00:34:54,292 --> 00:35:02,300 巨額の予算を公共事業に投じて 雇用の創出を図る政策である。 267 00:35:04,102 --> 00:35:11,076 それは 経済を市場に委ねる 小さな政府から大きな政府への➡ 268 00:35:11,076 --> 00:35:14,779 歴史的な転換を意味していた。 269 00:35:16,748 --> 00:35:22,921 当時 世界最長のつり橋だった ゴールデンゲートブリッジも➡ 270 00:35:22,921 --> 00:35:27,125 ニューディール政策の中で建設された。 271 00:36:01,626 --> 00:36:09,367 しかし ニューディール政策の効果は 目に見えるほどには上がらない。 272 00:36:09,367 --> 00:36:16,875 アメリカ全土で 労働条件の改善を求める ストライキが多発する。 273 00:36:18,576 --> 00:36:24,916 大企業の多くは 事務所内に武器を備えて応酬。 274 00:36:24,916 --> 00:36:29,421 社会は騒然とした空気に包まれた。 275 00:36:32,657 --> 00:36:39,964 大衆の不満の受け皿となり 旋風を巻き起こした政治家がいる。 276 00:36:41,933 --> 00:36:50,241 アメリカ南部 ルイジアナ州選出の 上院議員 ヒューイ・ロングである。 277 00:36:58,116 --> 00:37:03,888 ロングの政策は 極端な富の再分配。 278 00:37:03,888 --> 00:37:13,198 富裕層への増税により 全世帯に 5,000ドルの資産を保証すると唱えた。 279 00:37:39,691 --> 00:37:45,897 ロングは 富の共有運動という キャンペーンを展開した。 280 00:37:47,465 --> 00:37:50,769 テーマ曲まで出来た。 281 00:37:50,769 --> 00:38:09,220 ♬~ 282 00:38:09,220 --> 00:38:13,992 富の共有運動は 多くの人に支持され➡ 283 00:38:13,992 --> 00:38:19,931 ロングは 次期大統領の有力な候補者に 名を連ねた。 284 00:38:19,931 --> 00:38:24,068 ♬~ 285 00:38:24,068 --> 00:38:26,371 サンキュー。 サンキュー。 286 00:38:26,371 --> 00:38:33,077 時を同じくして ルーズベルトも富の再分配を打ち出した。 287 00:38:33,077 --> 00:38:41,786 富裕税を導入し 高額所得に対する税率を 75%に引き上げたのである。 288 00:38:43,388 --> 00:38:47,091 ロングの政策を横取りしたと 言われながらも➡ 289 00:38:47,091 --> 00:38:50,595 大衆の支持を集めた。 290 00:38:52,597 --> 00:38:57,402 そのさなか 事件が起きる。 291 00:39:10,348 --> 00:39:15,887 ロングは 地元 ルイジアナ州の 州会議事堂で撃たれ➡ 292 00:39:15,887 --> 00:39:20,758 42歳の若さで世を去った。 293 00:39:20,758 --> 00:39:28,466 葬儀には 10万人が集い 破天荒な政治家の死を悼んだ。 294 00:39:31,903 --> 00:39:39,410 犯人は その場で射殺されたため 殺害の動機は分かっていない。 295 00:39:43,514 --> 00:39:47,919 結局 アメリカ経済を救ったのは➡ 296 00:39:47,919 --> 00:39:52,223 第二次世界大戦の勃発だった。 297 00:39:58,263 --> 00:40:04,068 ルーズベルトは イギリスなどに 軍事物資を供給する法律➡ 298 00:40:04,068 --> 00:40:08,273 武器貸与法を成立させた。 299 00:40:31,162 --> 00:40:35,967 軍需産業は にわかに活気づいた。 300 00:40:35,967 --> 00:40:37,902 終戦までの間に➡ 301 00:40:37,902 --> 00:40:44,309 連合国に渡った軍事物資は 総額 500億ドル。 302 00:40:44,309 --> 00:40:51,015 ニューディール政策7年分の 財政支出額を超えた。 303 00:41:05,596 --> 00:41:10,268 更に 第ニ次世界大戦に参戦すると➡ 304 00:41:10,268 --> 00:41:15,940 アメリカは 自国の軍備増強にも 乗り出していった。 305 00:41:15,940 --> 00:41:23,281 あらゆる資本と労働力が 武器の生産に動員された。 306 00:41:23,281 --> 00:41:32,590 すると 失業率は たった3年で 9.9%から1.2%に激減。 307 00:41:34,292 --> 00:41:40,298 ルーズベルトが理想とする 完全雇用が達成される。 308 00:41:41,966 --> 00:41:45,303 20世紀 最大の経済危機は➡ 309 00:41:45,303 --> 00:41:51,976 ニューディール政策ではなく 戦争によって 終わったのだった。 310 00:41:51,976 --> 00:42:05,690 ♬~ 311 00:42:20,938 --> 00:42:24,275 1945年4月。 312 00:42:24,275 --> 00:42:27,111 ルーズベルトは 脳卒中で倒れ➡ 313 00:42:27,111 --> 00:42:33,618 戦争の終結を見ぬまま 63年の生涯を閉じた。 314 00:42:35,820 --> 00:42:41,292 ニューディール政策は 成功には至らなかった。 315 00:42:41,292 --> 00:42:44,962 しかし 国家が市場に介入し➡ 316 00:42:44,962 --> 00:42:48,433 富の再分配を図るという思想は➡ 317 00:42:48,433 --> 00:42:55,640 戦後 各国政府の経済政策に 受け継がれていくことになる。 318 00:43:04,582 --> 00:43:09,787 ルーズベルトの死から 3か月。 319 00:43:17,161 --> 00:43:24,168 アメリカは 世界で初めて 原子爆弾の実験に成功。 320 00:43:25,870 --> 00:43:28,806 開発に当たった科学者たちは➡ 321 00:43:28,806 --> 00:43:36,113 焼けた空に雲が立ち上る風景を ただ ぼう然と眺めていた。 322 00:44:04,575 --> 00:44:11,582 「この新たな兵器は いつか人類を滅亡させるかもしれない」。 323 00:44:13,251 --> 00:44:18,589 科学者たちが抱いた恐れは やがて 現実のものとなり➡ 324 00:44:18,589 --> 00:44:23,928 世界は 破滅の一歩手前のところに 追い込まれる。 325 00:44:23,928 --> 00:44:26,931 キューバ危機である。 326 00:44:48,152 --> 00:44:52,423 キューバ危機は アメリカのU-2型 偵察機が➡ 327 00:44:52,423 --> 00:44:57,628 キューバ上空で撮影した 一枚の写真が発端となった。 328 00:45:00,565 --> 00:45:05,903 ソビエト製のミサイルが 写っていたのである。 329 00:45:05,903 --> 00:45:11,909 分析すると 核弾頭を搭載できる 中距離ミサイルだと分かった。 330 00:45:14,245 --> 00:45:17,949 悪夢の13日間が始まる。 331 00:45:19,584 --> 00:45:22,286 10月16日。 332 00:45:24,255 --> 00:45:27,558 キューバ危機初日。 333 00:45:29,594 --> 00:45:34,599 ホワイトハウスは 緊急会議を招集した。 334 00:45:38,269 --> 00:45:43,574 中心にいたのは 45歳の若き大統領。 335 00:45:45,142 --> 00:45:48,145 ジョン・F・ケネディである。 336 00:45:50,615 --> 00:45:58,289 ケネディは 連日開かれた この会議を 極秘にテープに録音していた。 337 00:45:58,289 --> 00:46:03,294 会議は CIA分析官の報告で始まった。 338 00:47:06,090 --> 00:47:09,560 射程は 2,100キロ。 339 00:47:09,560 --> 00:47:11,595 ニューヨークやワシントンなど➡ 340 00:47:11,595 --> 00:47:16,400 アメリカ本土の半数の都市が その射程に入る。 341 00:47:20,204 --> 00:47:24,575 閣僚たちは 凍りついた。 342 00:47:24,575 --> 00:47:30,281 国防長官 ロバート・マクナマラが 沈黙を破った。 343 00:47:59,276 --> 00:48:03,547 司法長官を務めた 大統領の弟 ロバートは➡ 344 00:48:03,547 --> 00:48:07,852 この日の会議を 後に こう つづっている。 345 00:48:27,571 --> 00:48:30,775 これが そのメモ。 346 00:48:39,583 --> 00:48:42,386 日本が 奇襲をかけたように➡ 347 00:48:42,386 --> 00:48:47,591 先んじて キューバを空爆すべき という意見が 大勢を占めた。 348 00:48:52,930 --> 00:48:55,633 キューバ危機 3日目。 349 00:48:57,268 --> 00:49:01,272 ケネディは まだ判断がつかなかった。 350 00:49:02,873 --> 00:49:05,209 アメリカがキューバをたたけば➡ 351 00:49:05,209 --> 00:49:11,515 ソビエトは 必ず ヨーロッパの西側諸国に 報復に出ると読んでいた。 352 00:49:52,590 --> 00:49:56,293 核戦争への綱引きが始まる。 353 00:49:59,263 --> 00:50:02,266 キューバ危機 7日目。 354 00:50:03,934 --> 00:50:08,939 夜7時 ケネディは テレビカメラに向かった。 355 00:50:11,809 --> 00:50:18,115 アメリカは もとより世界中が 核戦争の危機を知ることになる。 356 00:50:53,984 --> 00:50:59,290 そして アメリカ政府の決断を公表した。 357 00:51:13,103 --> 00:51:17,608 ケネディの決断は 海上封鎖。 358 00:51:21,612 --> 00:51:24,949 キューバ周辺の海に 封鎖ラインを設け➡ 359 00:51:24,949 --> 00:51:29,653 そこに入る船の荷物を 検疫するという作戦である。 360 00:51:33,290 --> 00:51:37,628 ケネディは 即時 空爆を主張する軍部を抑え➡ 361 00:51:37,628 --> 00:51:40,297 武力衝突を避けようとした。 362 00:51:40,297 --> 00:51:44,602 しかし 弱腰に見えてはならない。 363 00:51:46,637 --> 00:51:52,643 ソビエトの首相 フルシチョフに 歯にきぬ着せぬ抗議をした。 364 00:52:13,597 --> 00:52:16,600 その翌日。 365 00:52:18,469 --> 00:52:24,241 ケネディの挑発を受け クレムリンが動き出す。 366 00:52:24,241 --> 00:52:26,176 フルシチョフ首相は➡ 367 00:52:26,176 --> 00:52:31,148 海上封鎖は 航行の自由を認める 国際原則を侵すものであり➡ 368 00:52:31,148 --> 00:52:34,852 あからさまな内政干渉だと反発。 369 00:52:36,820 --> 00:52:40,424 ソビエトと東ヨーロッパの ワルシャワ条約軍に➡ 370 00:52:40,424 --> 00:52:43,227 緊急動員を命令した。 371 00:52:46,230 --> 00:52:50,534 全面核戦争に向けての準備が始まった。 372 00:53:27,971 --> 00:53:30,107 その翌日。 373 00:53:30,107 --> 00:53:33,610 アメリカも臨戦態勢に入る。 374 00:53:37,848 --> 00:53:44,855 アメリカ国内の全ての戦略爆撃機が 完全武装で発進態勢に入った。 375 00:53:48,492 --> 00:53:54,498 搭載された核爆弾は 1,627発に上った。 376 00:54:31,135 --> 00:54:33,137 その2日後。 377 00:54:33,137 --> 00:54:36,440 キューバ危機 11日目。 378 00:54:38,809 --> 00:54:43,814 ついに 封鎖ラインに ソビエトの貨物船が現れた。 379 00:54:45,949 --> 00:54:52,956 ケネディは 大西洋艦隊に船を停止させ 貨物を検疫するよう命じた。 380 00:54:56,593 --> 00:55:02,599 どんな小競り合いでも 全面戦争の引き金になりかねない。 381 00:55:06,904 --> 00:55:11,909 ホワイトハウスは 緊張に包まれた。 382 00:55:19,082 --> 00:55:22,920 船に 武器はなかった。 383 00:55:22,920 --> 00:55:29,793 この日の夜 突然 フルシチョフから ケネディ宛ての電文が届いた。 384 00:55:29,793 --> 00:55:35,098 危機を回避するための 具体的な提案が書かれていた。 385 00:56:33,257 --> 00:56:37,261 フルシチョフが歩み寄ってきた。 386 00:56:39,129 --> 00:56:41,932 ところが その翌日。 387 00:56:41,932 --> 00:56:45,602 事態は 暗転する。 388 00:56:45,602 --> 00:56:50,607 世界が最も破滅に近づいた 運命の一日。 389 00:56:52,276 --> 00:56:56,146 後に暗黒の土曜日と呼ばれる この日➡ 390 00:56:56,146 --> 00:57:02,552 ケネディは フルシチョフの提案を検討していた。 391 00:57:02,552 --> 00:57:04,888 ☎ 392 00:57:04,888 --> 00:57:08,592 そこに 知らせが入った。 393 00:57:10,227 --> 00:57:12,930 青ざめた。 394 00:57:17,100 --> 00:57:20,570 アメリカの偵察機が キューバ上空で➡ 395 00:57:20,570 --> 00:57:24,875 ソ連軍の地対空ミサイルに 撃ち落とされたのである。 396 00:57:28,445 --> 00:57:31,581 米軍のパイロットは死亡。 397 00:57:31,581 --> 00:57:34,584 緊張が一気に高まった。 398 00:57:38,255 --> 00:57:42,259 軍部は 直ちに報復攻撃を仕掛けるべきだと➡ 399 00:57:42,259 --> 00:57:44,761 ケネディに迫った。 400 00:57:46,596 --> 00:57:54,604 ケネディは 同じことが再び起これば 空爆を許可すると時間を稼いだ。 401 00:58:54,931 --> 00:59:01,638 ワシントンから遠く離れた場所で 核戦争に向けた準備が進んでいた。 402 00:59:08,478 --> 00:59:13,216 アメリカの統治下に置かれた沖縄には 核ミサイルが配備され➡ 403 00:59:13,216 --> 00:59:17,554 ソビエトなどの国々に にらみを利かせていた。 404 00:59:17,554 --> 00:59:27,564 ♬~ 405 00:59:27,564 --> 00:59:33,270 事態が動いたのは 読谷村のミサイル発射基地。 406 00:59:35,439 --> 00:59:40,577 核弾頭を備えた 巡航ミサイル メースB 4基に➡ 407 00:59:40,577 --> 00:59:46,283 嘉手納基地のミサイル運用センターから 発射命令が下ったのである。 408 00:59:49,252 --> 00:59:53,256 技師として任務に当たっていた ジョン・ボードン氏が➡ 409 00:59:53,256 --> 00:59:55,759 日本のジャーナリストに語った➡ 410 00:59:55,759 --> 01:00:00,964 もう一つのキューバ危機ともいうべき 事件の真相。 411 01:00:34,431 --> 01:00:40,137 発射命令は 誤報だった。 412 01:00:40,137 --> 01:00:46,843 キューバ情勢の極度の緊張で 軍の内部が混乱していたと見られている。 413 01:00:50,847 --> 01:00:58,989 同じ頃 ソビエト陣営でも 核兵器が発射されようとしていた。 414 01:00:58,989 --> 01:01:07,697 舞台は キューバ近海の海にいた ソビエトの潜水艦B59。 415 01:01:07,697 --> 01:01:11,101 核魚雷を搭載していた。 416 01:01:11,101 --> 01:01:17,307 (爆発音) 417 01:01:18,842 --> 01:01:25,649 夕方 アメリカ軍の対潜哨戒機がB59を発見。 418 01:01:28,118 --> 01:01:35,425 潜水艦に浮上を求める合図として 演習用の爆雷を投下した。 419 01:01:35,425 --> 01:01:37,794 事前にソビエト政府には➡ 420 01:01:37,794 --> 01:01:41,598 爆雷の意味するところを 伝えてあったという。 421 01:01:44,968 --> 01:01:48,638 しかし B59の艦長に➡ 422 01:01:48,638 --> 01:01:54,344 これが浮上を促す合図であるという情報は 伝わっていなかった。 423 01:01:56,379 --> 01:02:03,186 艦長は戦争が始まったと思い込み 核魚雷の担当者を呼びつけた。 424 01:02:17,667 --> 01:02:23,406 しかし 発射するには もう一人の人物の同意が必要だった。 425 01:02:23,406 --> 01:02:28,278 副艦長のワシリー・アルヒーポフである。 426 01:02:28,278 --> 01:02:33,283 アルヒーポフは 勇み立つ艦長をなだめた。 427 01:02:52,435 --> 01:02:56,239 爆雷投下から4時間後。 428 01:02:58,808 --> 01:03:01,378 潜水艦は浮上。 429 01:03:01,378 --> 01:03:04,881 核魚雷は発射されなかった。 430 01:03:07,183 --> 01:03:15,692 現場の兵士たちの冷静な判断がなければ この世界は どうなっていたのだろうか。 431 01:03:27,270 --> 01:03:33,076 翌日 キューバ危機は 唐突に終わった。 432 01:03:47,424 --> 01:03:49,492 水面下の話し合いで➡ 433 01:03:49,492 --> 01:03:55,298 アメリカは ソビエトを狙った トルコの核ミサイルを➡ 434 01:03:55,298 --> 01:04:00,003 ソビエトは アメリカを狙う キューバの核ミサイルを➡ 435 01:04:00,003 --> 01:04:04,007 互いに撤去することで合意したのである。 436 01:04:15,085 --> 01:04:22,392 13日間に及ぶ悪夢から覚め 世界は核戦争の危機を脱出した。 437 01:04:27,597 --> 01:04:32,402 ケネディ大統領は アメリカの テレビ局のインタビューに対し➡ 438 01:04:32,402 --> 01:04:36,706 キューバ危機から得た教訓を こう語っている。 439 01:05:05,235 --> 01:05:08,905 翌年 キューバ危機の教訓を踏まえ➡ 440 01:05:08,905 --> 01:05:12,909 米ソホットライン協定が締結された。 441 01:05:24,754 --> 01:05:28,258 ペンタゴンとクレムリンは 通信機で結ばれ➡ 442 01:05:28,258 --> 01:05:33,463 緊急時には首脳同士が 直接連絡を取り合えるようになった。 443 01:06:03,560 --> 01:06:05,995 (爆発音) 444 01:06:05,995 --> 01:06:12,502 その後 核兵器は 米ソ以外の国々も保有するようになった。 445 01:06:16,239 --> 01:06:23,913 今も 世界から核戦争の恐怖は 消え去っていない。 446 01:06:23,913 --> 01:06:31,254 一方で核は 平和利用の名の下 発電所へ姿を変えた。 447 01:06:31,254 --> 01:06:34,157 そして大惨事が起きる。 448 01:06:34,157 --> 01:06:36,593 チェルノブイリ。 449 01:06:36,593 --> 01:06:42,298 死の灰は風に乗り 地球そのものが被ばくした。 450 01:06:55,612 --> 01:07:01,050 これは ソビエト・ウクライナ共和国で 発生した原発事故を➡ 451 01:07:01,050 --> 01:07:05,255 初めて空から撮影した映像である。 452 01:07:34,384 --> 01:07:37,921 世界最大規模の発電所である。 453 01:07:37,921 --> 01:07:41,257 赤く見えるのは原子炉の一部。 454 01:07:41,257 --> 01:07:47,463 炉心が むき出しになるほどの 原発事故は 初めてのことだった。 455 01:07:49,399 --> 01:07:57,206 飛び散った放射性物質は 広島型原爆の500倍に上った。 456 01:08:04,914 --> 01:08:08,718 1986年 春。 457 01:08:08,718 --> 01:08:12,055 事故は こうして発生した。 458 01:08:12,055 --> 01:08:20,763 その日 4号機では 緊急時に備えて 安全装置の実験が行われていた。 459 01:08:23,366 --> 01:08:27,904 作業員が 原子炉を止める緊急停止ボタンの➡ 460 01:08:27,904 --> 01:08:32,709 スイッチを入れたことが 大惨事の引き金となった。 461 01:08:36,579 --> 01:08:40,450 炉内の温度が急上昇したのである。 462 01:08:40,450 --> 01:08:45,755 実は この原子炉は ある条件下で 急停止しようとすると➡ 463 01:08:45,755 --> 01:08:52,261 逆に出力が上がる欠陥を持っていた。 464 01:08:52,261 --> 01:08:59,035 しかし この欠陥は 現場の作業員には知らされていなかった。 465 01:08:59,035 --> 01:09:07,343 原子炉の重要な情報は 国家機密として隠されていたからである。 466 01:09:07,343 --> 01:09:13,549 スイッチを入れてから僅か6~7秒後。 467 01:09:13,549 --> 01:09:16,886 (爆発音) 468 01:09:16,886 --> 01:09:22,759 重さ1,000トンの 分厚い屋根が吹き飛んだ。 469 01:09:22,759 --> 01:09:27,263 核との壮絶な戦いが始まった。 470 01:09:29,465 --> 01:09:34,437 事故現場から2.5キロ。 471 01:09:34,437 --> 01:09:39,142 これは 原発労働者の街 プリピャチで➡ 472 01:09:39,142 --> 01:09:43,446 事故当日に撮影された貴重な映像である。 473 01:09:45,948 --> 01:09:50,253 この日は 土曜日。 474 01:09:50,253 --> 01:09:55,091 結婚式が行われていた。 475 01:09:55,091 --> 01:10:01,297 住民に重大な事故が起きたことは 知らされていなかった。 476 01:10:06,102 --> 01:10:11,274 しかし フィルムには映っていた。 477 01:10:11,274 --> 01:10:14,944 この白い斑点。 478 01:10:14,944 --> 01:10:18,614 実は 空気中の放射線が➡ 479 01:10:18,614 --> 01:10:21,918 フィルムに感光した跡である。 480 01:10:28,958 --> 01:10:31,294 (放射線の音) 481 01:10:31,294 --> 01:10:37,633 この音は 収音マイクに放射線が ぶつかる音。 482 01:10:37,633 --> 01:10:41,437 (放射線の音) 483 01:10:41,437 --> 01:10:45,742 街は 既に汚染されていた。 484 01:10:51,647 --> 01:10:58,154 4万5,000の住民に 避難命令が出たのは 翌日の正午。 485 01:10:58,154 --> 01:11:02,658 事故から1日半が経過していた。 486 01:11:27,283 --> 01:11:31,788 避難は3日間と伝えられた。 487 01:11:33,623 --> 01:11:39,128 住民たちは 簡単な身支度でバスに乗った。 488 01:12:07,256 --> 01:12:09,926 祈りは通じなかった。 489 01:12:09,926 --> 01:12:15,431 プリピャチでの暮らしが再開する日は 来なかった。 490 01:12:20,570 --> 01:12:27,109 その同じ日 本格的な事故処理が始まった。 491 01:12:27,109 --> 01:12:31,614 真っ先にやるべきことは 原子炉の火を消して➡ 492 01:12:31,614 --> 01:12:35,318 大量の放射能が出るのを防ぐことだった。 493 01:12:37,420 --> 01:12:40,122 ソビエト科学アカデミーの➡ 494 01:12:40,122 --> 01:12:42,158 レガソフ博士を中心に➡ 495 01:12:42,158 --> 01:12:45,795 2,500度で燃え続ける原子炉の➡ 496 01:12:45,795 --> 01:12:49,098 消火方法が検討された。 497 01:13:26,402 --> 01:13:29,939 空からの攻撃。 498 01:13:29,939 --> 01:13:37,113 燃焼を防ぎ 放射性物質を吸収する 砂や鉛 ホウ素など➡ 499 01:13:37,113 --> 01:13:40,316 5,000トンが集められた。 500 01:13:45,288 --> 01:13:50,593 これを ヘリコプターから 炉心目がけて投げ落とす。 501 01:13:54,297 --> 01:13:58,801 しかし 作業は困難を極めた。 502 01:14:05,908 --> 01:14:11,614 原子炉の真上は 熱で強い風が起きている。 503 01:14:14,083 --> 01:14:17,753 そのため 高い場所から投下すると➡ 504 01:14:17,753 --> 01:14:23,759 砂の入った袋は 風に流され 炉心に命中しない。 505 01:14:29,465 --> 01:14:36,272 だからといって 高度を下げると被ばくのリスクが高まる。 506 01:14:36,272 --> 01:14:42,478 機体が建物に接触し 落下する事故も発生した。 507 01:15:11,907 --> 01:15:18,114 原子炉の火が鎮まったのは 爆発から10日後だった。 508 01:15:22,385 --> 01:15:25,287 チェルノブイリから700キロ。 509 01:15:25,287 --> 01:15:29,792 モスクワでも 核との戦いが始まっていた。 510 01:15:32,762 --> 01:15:36,265 ここは モスクワ第6病院。 511 01:15:36,265 --> 01:15:41,070 ソビエトで 被ばく者を治療できるのは ここしかない。 512 01:15:43,773 --> 01:15:50,079 大量の放射線を浴びた消防士たちが 運び込まれてきた。 513 01:15:52,114 --> 01:15:57,420 放射線障害により 血液をつくる機能が低下。 514 01:15:57,420 --> 01:16:03,225 白血球や血小板が減少し 死に近づいていた。 515 01:16:05,227 --> 01:16:11,934 その治療のために アメリカから駆けつけた医師がいた。 516 01:16:11,934 --> 01:16:17,440 骨髄移植の権威 ロバ―ト・ゲイル博士である。 517 01:16:19,241 --> 01:16:27,049 血液をつくる骨髄を移植すれば 被ばくの症状は改善できると考えていた。 518 01:16:54,410 --> 01:17:00,616 ゲイル博士は 13人に骨髄移植を行った。 519 01:17:03,886 --> 01:17:10,192 しかし 一人の命も救うことができなかった。 520 01:18:05,915 --> 01:18:14,056 そして 放射性物質は風に乗り ヨーロッパ各地に広がった。 521 01:18:14,056 --> 01:18:20,563 事故直後 風はスウェーデンの方向へ流れていた。 522 01:18:20,563 --> 01:18:25,768 通常の100倍以上の放射能が検出された。 523 01:18:27,903 --> 01:18:35,644 ポーランドでは 子ども連れの母親が病院へ殺到。 524 01:18:35,644 --> 01:18:41,450 放射性物質の吸収を防ぐ ヨード剤を求めた。 525 01:18:45,454 --> 01:18:47,590 ノルウェーでは➡ 526 01:18:47,590 --> 01:18:53,095 汚染された草を食べたトナカイが 殺処分された。 527 01:18:54,930 --> 01:18:57,266 その後の調査によると➡ 528 01:18:57,266 --> 01:19:01,704 チェルノブイリ原発事故による 放射能汚染は➡ 529 01:19:01,704 --> 01:19:08,510 日本も含めた 北半球のほとんどの地域に 及んでいたことが分かった。 530 01:19:13,415 --> 01:19:18,554 事故現場では 爆発で飛び散った 燃料や がれきなど➡ 531 01:19:18,554 --> 01:19:23,258 放射性物質を取り除く作業が始まった。 532 01:19:29,898 --> 01:19:36,071 中心を担ったのは 陸軍の化学部隊。 533 01:19:36,071 --> 01:19:40,576 核戦争に備えた訓練を受けていた。 534 01:19:43,579 --> 01:19:50,386 現場に持ち込まれたのは 遠隔操作で動く機械の数々。 535 01:19:52,254 --> 01:19:58,961 この技術も核戦争時に備えて 開発されたものだった。 536 01:20:05,801 --> 01:20:10,639 しかし 思うように動かない。 537 01:20:10,639 --> 01:20:17,346 強い放射線で 遠隔操作がきかなくなる トラブルが相次いだ。 538 01:20:20,315 --> 01:20:27,022 結局 頼りになるのは 生身の兵士しかいなかった。 539 01:20:44,440 --> 01:20:50,446 防護服は鉛で出来ていて 重さは20キロもある。 540 01:21:11,100 --> 01:21:17,606 1回の作業に与えられた時間は 90秒。 541 01:21:17,606 --> 01:21:25,914 1時間で致死量に達するほどの 高い線量の中で 決死の作業が行われた。 542 01:21:38,627 --> 01:21:41,530 こうした事故処理をする人たちは➡ 543 01:21:41,530 --> 01:21:47,336 リクビダートル 後始末をする人と呼ばれた。 544 01:21:50,806 --> 01:21:58,981 ソビエト全土から 軍人だけでなく 民間人も動員された。 545 01:21:58,981 --> 01:22:05,687 その総数は 60万人から80万人といわれている。 546 01:22:57,973 --> 01:23:04,179 大きな被ばくを受けたリクビダートルは およそ20万人。 547 01:23:05,714 --> 01:23:10,719 多くの人が 50歳まで生きられなかった。 548 01:23:15,090 --> 01:23:18,594 事故が起きて半年➡ 549 01:23:18,594 --> 01:23:24,933 4号機は 黒いコンクリートの壁で覆われた。 550 01:23:24,933 --> 01:23:30,405 放射能を閉じ込める この建造物は 石棺と名付けられ➡ 551 01:23:30,405 --> 01:23:35,210 文字どおり 原子炉の墓場となった。 552 01:23:36,945 --> 01:23:41,617 (アラーム) 553 01:23:41,617 --> 01:23:48,323 原発事故は 人々の命や健康を 奪っただけではない。 554 01:23:50,325 --> 01:23:57,032 周辺の土地は 放射能で汚染され 住むことができなくなった。 555 01:24:00,969 --> 01:24:07,976 地図から消えた村の数は 500に及ぶといわれている。 556 01:25:13,375 --> 01:25:21,383 2013年 ロシア・ウラル地方の空を 巨大な火の玉が駆け抜けた。 557 01:25:27,255 --> 01:25:34,129 直径17メートルの隕石が 大気圏に突入したのだ。 558 01:25:34,129 --> 01:25:37,833 隕石は 空中で爆発する。 559 01:25:40,268 --> 01:25:44,773 (衝撃音) 560 01:25:48,944 --> 01:25:54,149 その衝撃で 4,500棟の建物が壊れた。 561 01:25:56,418 --> 01:26:01,923 ガラスの破片などで けがを負った人は 1,000人を超えた。 562 01:26:10,365 --> 01:26:16,238 もし もっと大きな隕石が 地球に突入したら…。 563 01:26:16,238 --> 01:26:22,044 もし 落下したのが 人口が密集する都市だったら…。 564 01:26:27,382 --> 01:26:34,890 危機は いつも予期せぬ時に 思わぬ形で 私たちを襲う。 565 01:26:40,395 --> 01:26:47,402 残酷に 容赦なく 平和な日々を破壊する。 566 01:27:05,220 --> 01:27:09,224 それでも人々は 立ち上がってきた。 567 01:27:11,359 --> 01:27:16,565 アメリカ大統領 ルーズベルトは その就任演説の中で➡ 568 01:27:16,565 --> 01:27:21,069 大恐慌に立ち向かう決意を こう語っている。 569 01:28:16,591 --> 01:28:54,095 ♬~