1 00:00:01,168 --> 00:00:07,474 ♬~ 2 00:00:09,543 --> 00:00:13,847 1988年 イラン。 3 00:00:15,415 --> 00:00:20,420 国民は あるドラマに くぎづけだった。 4 00:00:23,090 --> 00:00:27,895 連続テレビ小説 「おしん」。 5 00:00:27,895 --> 00:00:34,902 明治時代 家の貧しさゆえに 奉公へ出された少女の物語。 6 00:00:36,570 --> 00:00:38,505 おつねさん! 7 00:00:38,505 --> 00:00:45,913 苦難にめげず生き抜く おしんの姿に イランの人々は 自らを重ねた。 8 00:00:45,913 --> 00:00:49,216 ほだらことで こたえる おれでねえんだから。 9 00:00:50,784 --> 00:00:55,589 当時 イランは イラクとの戦争のさなか。 10 00:00:55,589 --> 00:00:59,593 人々は 厳しい生活を耐えていた。 11 00:01:01,395 --> 00:01:07,701 そんな日々を支えていたのが 日本から届いた 少女の物語だった。 12 00:01:13,073 --> 00:01:17,778 視聴率は 80%を超えた。 13 00:01:42,102 --> 00:01:46,573 イランが 日本に 特別な感情を抱くようになったのは➡ 14 00:01:46,573 --> 00:01:49,576 更に前の出来事が きっかけだった。 15 00:01:51,912 --> 00:01:58,618 長きにわたり イギリスに支配されていた イランの石油。 16 00:02:00,721 --> 00:02:09,396 その富を取り戻すため 1951年 イラン政府は 石油の国有化に踏み切る。 17 00:02:09,396 --> 00:02:15,535 イギリスは ペルシャ湾に軍艦を派遣し 威嚇した。 18 00:02:15,535 --> 00:02:20,240 イランは 重要な収入源を絶たれた。 19 00:02:22,209 --> 00:02:27,547 その窮地を救ったのが 日本の石油会社だった。 20 00:02:27,547 --> 00:02:33,253 イギリスの圧力に屈せず 石油を買い付けた。 21 00:02:53,573 --> 00:02:59,446 だが その後 アメリカの介入によって 政権は倒れる。 22 00:02:59,446 --> 00:03:03,150 イランは 親米国家へと変わった。 23 00:03:04,851 --> 00:03:08,722 アメリカの支援を受けて 近代化が進む。 24 00:03:08,722 --> 00:03:14,728 だが その果実は 社会の隅々まで行き渡ることはなかった。 25 00:03:16,463 --> 00:03:23,470 押し殺されていた怒りは 限界を超え 革命へと向かった。 26 00:03:35,549 --> 00:03:39,553 イランは 反米国家へと転じた。 27 00:03:47,561 --> 00:03:49,896 今年2月。 28 00:03:49,896 --> 00:03:56,603 イランに対し アメリカは イスラエルとともに攻撃を始めた。 29 00:03:58,572 --> 00:04:06,580 戦火は この国が 長い間 守り抜いてきた 世界遺産にも及んだ。 30 00:04:11,852 --> 00:04:17,157 ペルシア帝国の建国から 2,500年。 31 00:04:18,725 --> 00:04:22,496 シルクロードの要衝として栄えた この国は➡ 32 00:04:22,496 --> 00:04:27,501 幾度となく 外敵の侵攻にさらされてきた。 33 00:04:29,202 --> 00:04:35,542 だが 誰も この国を思いどおりにはできなかった。 34 00:04:35,542 --> 00:04:43,550 その したたかさを この地を訪れた フランスの宝石商は こう つづっている。 35 00:05:18,852 --> 00:05:23,190 ♬~ 36 00:05:23,190 --> 00:05:26,526 「映像の世紀バタフライエフェクト」。 37 00:05:26,526 --> 00:05:31,865 石油をめぐる思惑が交錯した 百年の記録。 38 00:05:31,865 --> 00:05:39,539 石油は希望をもたらし 同時に争いの火種ともなった。 39 00:05:39,539 --> 00:05:50,851 ♬~ 40 00:05:56,089 --> 00:06:02,762 これは 20世紀初頭 現在のイラン南西部の映像。 41 00:06:02,762 --> 00:06:05,699 王朝は 衰退していた。 42 00:06:05,699 --> 00:06:08,168 乾いた大地が広がり➡ 43 00:06:08,168 --> 00:06:14,841 人々は 過酷な自然と向き合いながら 暮らしていた。 44 00:06:14,841 --> 00:06:23,550 国民の多くは イスラム教徒。 信仰は 厳しい暮らしの支えとなった。 45 00:06:27,420 --> 00:06:34,861 かつて その都は 「世界の半分」と 称されるほどの繁栄を誇っていたが➡ 46 00:06:34,861 --> 00:06:43,570 20世紀初頭には 国王の散財などにより 慢性的な財政難に陥っていた。 47 00:06:46,873 --> 00:06:55,181 森林や鉱山などの開発権を外国に売り渡し かろうじて 国を維持していた。 48 00:06:56,883 --> 00:07:01,154 19世紀末 フランスの考古学者が➡ 49 00:07:01,154 --> 00:07:06,826 この地に 豊富な石油資源が存在すると 報告した。 50 00:07:06,826 --> 00:07:11,831 その一報に目をつけた イギリス人がいた。 51 00:07:17,470 --> 00:07:22,175 大金を投じ 一獲千金の夢を追った。 52 00:07:23,843 --> 00:07:31,718 1901年 ダーシーは4万ポンド 今の価値で およそ14億円を払い➡ 53 00:07:31,718 --> 00:07:34,721 採掘権を取得した。 54 00:07:38,391 --> 00:07:42,529 (爆破音) 55 00:07:42,529 --> 00:07:49,402 これは ダーシーが進めた 原油採掘の様子を記録した映像。 56 00:07:49,402 --> 00:07:58,878 ♬~ 57 00:07:58,878 --> 00:08:05,685 5年にわたる掘削の末 ついに 地の底から 黒い奔流が噴き上がった。 58 00:08:05,685 --> 00:08:10,390 中東で最初の 本格的な油田だった。 59 00:08:13,393 --> 00:08:18,164 その後 石油利権は イギリスの会社が引き継ぎ➡ 60 00:08:18,164 --> 00:08:22,469 利益の8割以上を手に入れた。 61 00:08:24,504 --> 00:08:28,375 後にイギリス首相となる チャーチルは➡ 62 00:08:28,375 --> 00:08:34,080 「想像を絶する 夢の国からの贈り物だ」と 語った。 63 00:08:56,436 --> 00:09:00,140 イランは 中立を保っていたが➡ 64 00:09:00,140 --> 00:09:04,477 国内に ドイツ人の 軍関係者がいたことを名目に➡ 65 00:09:04,477 --> 00:09:07,480 イギリスとソ連が侵攻した。 66 00:09:09,149 --> 00:09:14,854 ソ連が イラン北部を イギリスが南部を占領した。 67 00:09:29,836 --> 00:09:34,707 イギリスとソ連の圧力のもと 新たな国王に据えられたのが➡ 68 00:09:34,707 --> 00:09:39,712 当時21歳のパーレビだった。 69 00:09:50,857 --> 00:09:58,565 若き王は イギリスによる石油支配を 受け入れるしかなかった。 70 00:10:00,867 --> 00:10:06,873 石油の富は 国民に届くことはなかった。 71 00:10:31,831 --> 00:10:34,767 イギリスに支配された石油産業を➡ 72 00:10:34,767 --> 00:10:39,239 国民の手に取り戻そうとする 政治家が現れた。 73 00:10:39,239 --> 00:10:43,943 後にイラン首相となる モサデクである。 74 00:10:50,583 --> 00:10:55,255 ペルシアの王女を母に持つ モサデク。 75 00:10:55,255 --> 00:10:58,158 スイスで法律を学んだ後➡ 76 00:10:58,158 --> 00:11:04,063 その知識と信念を武器に 国民の信頼を集めていった。 77 00:11:04,063 --> 00:11:09,769 (歓声) 78 00:11:09,769 --> 00:11:16,543 1951年 モサデクは 石油産業の国有化を訴え➡ 79 00:11:16,543 --> 00:11:20,246 その後 首相となった。 80 00:12:00,853 --> 00:12:06,526 イギリスの石油技術者は 国外退去を命じられた。 81 00:12:06,526 --> 00:12:13,232 イギリスは 国有化を撤回させるため 係争を国連に持ち込んだ。 82 00:12:33,553 --> 00:12:37,890 国連安保理は イギリスにもイランにも 軍配を上げず➡ 83 00:12:37,890 --> 00:12:40,893 審議を 事実上 棚上げした。 84 00:12:42,562 --> 00:12:47,233 イギリスは 強硬手段に出た。 85 00:12:47,233 --> 00:12:49,902 ペルシャ湾に 海軍を派遣し➡ 86 00:12:49,902 --> 00:12:54,207 イランの石油取引を 封じ込めようとした。 87 00:12:57,577 --> 00:13:02,181 イランの石油を運んだ イタリアのタンカーを抑留し➡ 88 00:13:02,181 --> 00:13:05,885 国際社会に圧力を示した。 89 00:13:08,521 --> 00:13:12,859 世界の石油会社が イランから 手を引く中➡ 90 00:13:12,859 --> 00:13:19,198 ひそかに ペルシャ湾に向かう タンカーがあった。 91 00:13:19,198 --> 00:13:24,904 日本の石油会社・出光興産の日章丸である。 92 00:13:26,873 --> 00:13:33,880 1953年4月 ホルムズ海峡を抜け アバダンに入港。 93 00:13:36,549 --> 00:13:42,855 港では 黒山の人だかりが 日章丸を出迎えたという。 94 00:13:56,569 --> 00:14:00,173 日章丸は イギリス海軍の警戒をかいくぐり➡ 95 00:14:00,173 --> 00:14:04,844 無事 日本へ帰還を果たした。 96 00:14:04,844 --> 00:14:09,716 イギリスの圧力に屈しなかった 社長・出光佐三の決断は➡ 97 00:14:09,716 --> 00:14:14,721 敗戦に沈んでいた日本人に 誇りを呼び覚ました。 98 00:14:45,218 --> 00:14:52,091 イギリスは 石油の所有権を主張し 日本で訴訟を起こした。 99 00:14:52,091 --> 00:15:00,099 日本政府は 民間企業の取り引きには 介入できないという考えを即座に示した。 100 00:15:19,085 --> 00:15:24,857 出光社長は イランとの取り引きに 一点の迷いもなかった。 101 00:15:24,857 --> 00:15:28,861 裁判の勝利を確信していた。 102 00:15:51,551 --> 00:15:57,223 裁判は 出光側の 勝訴となった。 103 00:15:57,223 --> 00:16:02,528 その知らせは 遠く テヘランにも届いた。 104 00:16:29,155 --> 00:16:33,860 しかし その半年後だった。 105 00:16:39,198 --> 00:16:46,205 モサデクは 国家反逆罪に問われ 権力を奪われた。 106 00:16:50,209 --> 00:16:54,547 動いたのは アメリカだった。 107 00:16:54,547 --> 00:16:59,886 石油利権を失ったイギリスは モサデク政権打倒の協力を➡ 108 00:16:59,886 --> 00:17:04,590 アメリカ大統領アイゼンハワーに 求めていた。 109 00:17:11,163 --> 00:17:15,835 イギリスは 「イランが ソ連に接近している」と訴えた。 110 00:17:15,835 --> 00:17:23,843 アメリカは ソ連の影響力の排除を名目に イランの石油利権獲得に動き始めた。 111 00:17:25,845 --> 00:17:33,853 アメリカは CIAを使って人々を買収し 反モサデクを訴えるデモを組織する。 112 00:17:35,521 --> 00:17:39,225 ある人物の名前を叫ばせた。 113 00:17:51,871 --> 00:17:56,742 担ぎ上げたのは モサデクに実権を奪われていた➡ 114 00:17:56,742 --> 00:18:00,746 国王 パーレビだった。 115 00:18:03,149 --> 00:18:07,453 モサデク政権は転覆した。 116 00:18:11,824 --> 00:18:18,831 その6年後 アイゼンハワーが イランを訪れた。 117 00:18:32,845 --> 00:18:37,516 石油は 欧米の石油会社の実質支配となり➡ 118 00:18:37,516 --> 00:18:40,219 利益の半分を手に入れた。 119 00:18:41,854 --> 00:18:46,859 その4割が アメリカに渡った。 120 00:18:54,200 --> 00:18:57,103 実権を握ったパーレビは➡ 121 00:18:57,103 --> 00:19:04,110 アメリカの後ろ盾を得て 近代化を進めていく。 122 00:19:08,481 --> 00:19:14,353 女性への教育を重視し 社会進出を後押しした。 123 00:19:14,353 --> 00:19:24,030 ♬~ 124 00:19:24,030 --> 00:19:31,504 製鉄や自動車など 基幹産業の育成にも力を注いだ。 125 00:19:31,504 --> 00:19:37,510 パーレビは 国の将来に危機感を抱いていた。 126 00:20:00,533 --> 00:20:05,871 パーレビは 原子力エネルギーの導入を図る。 127 00:20:05,871 --> 00:20:09,875 アメリカも 協力に応じた。 128 00:20:25,891 --> 00:20:29,762 イラン政府は マサチューセッツ工科大学と提携し➡ 129 00:20:29,762 --> 00:20:33,466 核技術を担う人材を育てていく。 130 00:20:35,234 --> 00:20:38,904 平和利用の名のもとに 発展してきた核技術は➡ 131 00:20:38,904 --> 00:20:43,909 後に 国際社会から 疑念の対象となっていく。 132 00:20:47,580 --> 00:20:55,254 パーレビは 石油収入の多くを アメリカからの兵器購入に充てた。 133 00:20:55,254 --> 00:20:59,592 イランは ソ連の南下を食い止める防波堤として➡ 134 00:20:59,592 --> 00:21:03,896 冷戦下のアメリカを支えていった。 135 00:21:07,399 --> 00:21:13,539 軍事費は 国家予算の4割にも及んだ。 136 00:21:13,539 --> 00:21:20,246 石油の富は 兵器に代わり 国民には届かなかった。 137 00:21:25,551 --> 00:21:31,891 更に CIAの協力で 秘密警察 サヴァクを創設。 138 00:21:31,891 --> 00:21:36,896 反対派の人々を拷問 弾圧した。 139 00:21:40,566 --> 00:21:47,573 これは 1967年に パーレビが西ドイツを訪問した時の映像。 140 00:21:50,242 --> 00:21:53,579 街頭には 弾圧に抗議する➡ 141 00:21:53,579 --> 00:21:58,584 イラン人留学生や西ドイツ市民が 詰めかけた。 142 00:22:07,526 --> 00:22:14,233 国王の護衛にあたったサヴァクは 外国人にも容赦しなかった。 143 00:22:32,551 --> 00:22:39,225 イランには パーレビの弾圧が 及びにくい場所があった。 144 00:22:39,225 --> 00:22:42,228 モスクである。 145 00:22:48,234 --> 00:22:54,940 人々は ここで あるカセットテープに耳を傾けていた。 146 00:23:06,185 --> 00:23:13,492 イスラム法学者 ホメイニ師が パーレビを非難する演説だった。 147 00:23:16,195 --> 00:23:21,867 パーレビの親米政策を 伝統的なイスラムへの背信だと批判し➡ 148 00:23:21,867 --> 00:23:26,572 国外へ追放された人物だった。 149 00:23:29,208 --> 00:23:34,914 その声が 亡命先から届いていた。 150 00:24:05,044 --> 00:24:07,046 (銃声) 151 00:24:07,046 --> 00:24:10,816 人々は ついに声を上げた。 152 00:24:10,816 --> 00:24:16,522 抑え込まれるたびに 怒りは膨れ上がった。 153 00:24:39,845 --> 00:24:48,554 1979年1月。 パーレビは 国外へ脱出した。 154 00:24:48,554 --> 00:24:54,860 出国の際 一握りの土をつかんで 携えた。 155 00:25:00,165 --> 00:25:05,170 ホメイニ師は 最高指導者となった。 156 00:25:14,713 --> 00:25:17,516 その8か月後。 157 00:25:17,516 --> 00:25:22,821 海外を転々としていたパーレビが アメリカに入国した。 158 00:25:37,202 --> 00:25:41,907 この会見の翌日 事件は起きた。 159 00:25:57,890 --> 00:26:04,596 イランの学生たちは アメリカが パーレビを受け入れたことに強く反発。 160 00:26:06,498 --> 00:26:12,504 人質の解放と引き換えに パーレビの引き渡しを求めた。 161 00:26:31,523 --> 00:26:38,530 アメリカは 国内にある イラン資産を凍結し 制裁措置を発動した。 162 00:26:47,539 --> 00:26:53,412 日本にも 石油取引の自粛を求めた。 163 00:26:53,412 --> 00:26:58,550 しかし 日本は アメリカに協力する姿勢を示しながらも➡ 164 00:26:58,550 --> 00:27:01,854 イランと取り引きを続けた。 165 00:27:12,097 --> 00:27:17,503 当時 100社を超える日本企業が イランに進出し➡ 166 00:27:17,503 --> 00:27:23,175 製油所の拡張から コンビナート建設 送電網の整備まで➡ 167 00:27:23,175 --> 00:27:27,179 国家の基盤づくりを共に進めていた。 168 00:27:42,861 --> 00:27:48,534 日本政府は イランからの石油輸入量を 3分の2に減らし➡ 169 00:27:48,534 --> 00:27:51,837 アメリカの理解を得ようとした。 170 00:28:09,821 --> 00:28:16,828 パーレビは 事態を収束させるため アメリカを離れる決断をする。 171 00:28:30,142 --> 00:28:35,047 その後 エジプトに移り 手術を受けるが➡ 172 00:28:35,047 --> 00:28:38,850 容体が悪化。 173 00:28:38,850 --> 00:28:44,156 祖国に戻ることなく 息を引き取った。 174 00:29:19,157 --> 00:29:23,862 444日に及んだ人質の拘束。 175 00:29:25,831 --> 00:29:30,168 全員が解放された。 176 00:29:30,168 --> 00:29:34,506 アメリカは イラン資産の凍結解除と➡ 177 00:29:34,506 --> 00:29:41,179 今後 イランの内政に 干渉しないことを約束し 合意に至った。 178 00:29:41,179 --> 00:29:51,490 ♬~ 179 00:29:56,194 --> 00:29:59,097 革命後のイランでは➡ 180 00:29:59,097 --> 00:30:03,402 イスラム法を基盤とする 国づくりが進められた。 181 00:30:17,883 --> 00:30:22,554 女性は 公共の場で髪を覆うことが義務づけられ➡ 182 00:30:22,554 --> 00:30:27,259 男女の接触が 厳しく制限されるようになった。 183 00:30:29,895 --> 00:30:35,233 これは イスラム式の 結婚パーティーの映像。 184 00:30:35,233 --> 00:30:40,238 会場はついたてで 男女が分けられている。 185 00:30:55,921 --> 00:30:59,791 イスラム法に基づく 刑罰が導入され➡ 186 00:30:59,791 --> 00:31:04,796 むち打ちや石打ちなどの処罰が 行われることもあった。 187 00:31:10,869 --> 00:31:15,540 イスラム体制を支える組織 革命防衛隊も創設された。 188 00:31:15,540 --> 00:31:19,544 その後 国家の中枢を担うことになる。 189 00:31:32,557 --> 00:31:37,429 隊員の選抜では 本人の信仰の純粋さに加え➡ 190 00:31:37,429 --> 00:31:41,433 家族や交友関係まで調べられる。 191 00:32:08,393 --> 00:32:11,863 イスラエルへの対決姿勢も 鮮明にする。 192 00:32:11,863 --> 00:32:13,799 イスラエルは イランが➡ 193 00:32:13,799 --> 00:32:17,502 パレスチナの船に 武器を積み込んだと伝えた。 194 00:32:24,876 --> 00:32:30,215 イランは イスラエルと対立する ハマスやヒズボラに➡ 195 00:32:30,215 --> 00:32:34,219 武器や資金を 提供してきたとみられている。 196 00:32:39,558 --> 00:32:42,227 ♬~ 197 00:32:42,227 --> 00:32:47,933 日本は 革命後のイランと 関係を深めていった。 198 00:32:50,569 --> 00:32:57,442 バブル期の日本は イラン人がビザなしで 観光に来られる数少ない国だった。 199 00:32:57,442 --> 00:33:02,147 だが 実際には労働目的の人が多かった。 200 00:33:16,728 --> 00:33:21,533 これは 日本行きの航空チケットの 購入権をめぐる➡ 201 00:33:21,533 --> 00:33:24,236 抽選会の映像である。 202 00:33:45,223 --> 00:33:50,528 好景気に沸く日本では 労働力が不足していた。 203 00:33:52,564 --> 00:33:58,270 不法就労と知りながらも 雇用する企業も多かった。 204 00:34:01,840 --> 00:34:09,548 しかし バブルが崩壊すると 多くの人が職を失った。 205 00:34:12,484 --> 00:34:18,490 イラン人の不法滞在や不法就労が 問題視されるようになった。 206 00:34:23,128 --> 00:34:27,065 1992年 日本政府は➡ 207 00:34:27,065 --> 00:34:31,836 イランとの ビザ免除協定を一時停止。 208 00:34:31,836 --> 00:34:36,141 以降 イランからの来日は激減した。 209 00:34:39,544 --> 00:34:46,251 2002年 核開発をめぐる アメリカとイランの対立が始まった。 210 00:34:47,886 --> 00:34:53,892 きっかけは イランの反体制組織による暴露だった。 211 00:35:35,400 --> 00:35:41,106 かつて アメリカが授けた核技術が 対立の火種となった。 212 00:35:43,074 --> 00:35:49,781 2003年 IAEAが その核エネルギー施設を視察した。 213 00:35:52,217 --> 00:35:57,555 地下深くに ウランを濃縮するための 遠心分離機が➡ 214 00:35:57,555 --> 00:36:00,258 数千台 設置されていた。 215 00:36:02,827 --> 00:36:09,167 イランは この施設は 原子力発電を目的としたものだと主張。 216 00:36:09,167 --> 00:36:12,871 あくまで平和利用だと訴えた。 217 00:36:15,507 --> 00:36:19,511 IAEAは 調査結果を発表した。 218 00:36:31,856 --> 00:36:36,194 しかし アメリカは 反米姿勢を強めるイランが➡ 219 00:36:36,194 --> 00:36:41,866 ウラン濃縮を行うことに 強い懸念を抱いた。 220 00:36:41,866 --> 00:36:48,173 高濃縮ウランは 核兵器にも転用される 可能性があるからだ。 221 00:37:00,151 --> 00:37:08,159 アメリカなどが主導する国連安保理は イランに対し ウラン濃縮の停止を求めた。 222 00:37:16,701 --> 00:37:21,840 イランは ウラン濃縮は 国際的な取り決めで認められた➡ 223 00:37:21,840 --> 00:37:28,146 正当な権利だと主張し 国連の停止要求には応じなかった。 224 00:37:48,533 --> 00:37:56,207 2010年 ナタンズのウラン濃縮施設で 異変が起こった。 225 00:37:56,207 --> 00:38:04,215 突然 遠心分離機が制御不能に陥り およそ1,000台が壊れた。 226 00:38:08,486 --> 00:38:12,357 解析の結果 未知のコンピューターウイルスが➡ 227 00:38:12,357 --> 00:38:15,360 侵入していたことが分かった。 228 00:38:21,833 --> 00:38:25,703 後日 「ニューヨーク・タイムズ」は➡ 229 00:38:25,703 --> 00:38:27,705 このサイバー攻撃が➡ 230 00:38:27,705 --> 00:38:31,709 アメリカと イスラエルによるものだと報じた。 231 00:38:53,765 --> 00:38:58,203 イランは サイバー戦力の強化に乗り出す。 232 00:38:58,203 --> 00:39:01,906 革命防衛隊が その中心となった。 233 00:39:16,688 --> 00:39:21,426 2010年 ウランの濃縮を続ける イランに対し➡ 234 00:39:21,426 --> 00:39:25,730 国際社会も強い制裁を科そうとしていた。 235 00:39:28,833 --> 00:39:32,537 安保理決議1929。 236 00:39:34,706 --> 00:39:39,844 ウラン濃縮の停止に加え ミサイル開発の制限➡ 237 00:39:39,844 --> 00:39:44,716 さらに 金融取引の規制などが盛り込まれていた。 238 00:39:44,716 --> 00:39:51,422 核 軍事 経済を同時に縛る 強力な制裁だった。 239 00:39:55,393 --> 00:39:57,395 この採択をめぐり➡ 240 00:39:57,395 --> 00:40:02,100 イランは 日本に働きかけていた。 241 00:40:04,535 --> 00:40:08,406 当時 駐日イラン大使だった アラグチ氏は➡ 242 00:40:08,406 --> 00:40:12,410 鳩山総理大臣に親書を送った。 243 00:41:07,198 --> 00:41:13,905 しかし 日本は アメリカと 足並みをそろえ 賛成票を投じる。 244 00:41:17,208 --> 00:41:21,212 制裁決議は採択された。 245 00:41:40,231 --> 00:41:47,538 2019年 ついに日本は イランからの 原油の輸入を停止した。 246 00:41:49,907 --> 00:41:55,246 制裁は イラン経済を急速に追い詰めた。 247 00:41:55,246 --> 00:41:59,917 通貨は暴落し 物価は高騰した。 248 00:41:59,917 --> 00:42:05,623 それでも イランは 核開発継続の姿勢を崩さなかった。 249 00:42:07,725 --> 00:42:09,727 (爆発音) 250 00:42:09,727 --> 00:42:11,729 そして…。 251 00:42:15,199 --> 00:42:25,209 ♬~ 252 00:42:50,101 --> 00:42:56,240 これは 1938年のフランス制作の記録映画。 253 00:42:56,240 --> 00:42:58,576 西洋の旅人が見たのは➡ 254 00:42:58,576 --> 00:43:03,281 貧しさの奥に息づく ペルシアの文明だった。 255 00:43:17,862 --> 00:43:26,571 幾度も外敵に揺さぶられてきた この国は 今 また 新たな試練の中にある。 256 00:43:28,206 --> 00:43:36,214 この記憶は 悠久の歴史の中に どう刻まれていくのだろうか。 257 00:44:10,781 --> 00:44:14,085 (燃える音) 258 00:44:15,720 --> 00:44:40,011 ♬~