1 00:00:01,168 --> 00:00:07,875 ♬~ 2 00:00:13,714 --> 00:00:18,919 敗戦から間もない1945年の暮れ➡ 3 00:00:18,919 --> 00:00:25,125 焼け野原となった東京・渋谷で ミュージカル映画が撮影された。 4 00:00:25,125 --> 00:00:44,878 ♬~ 5 00:00:44,878 --> 00:00:49,716 全てを失った人々が 暮らしを立て直していく奮闘ぶりを➡ 6 00:00:49,716 --> 00:00:51,752 ユーモラスに描いた。 7 00:00:51,752 --> 00:01:06,733 ♬~ 8 00:01:06,733 --> 00:01:29,122 ♬~ 9 00:01:30,924 --> 00:01:38,165 東京は 幾度もの破壊を乗り越え その度に形を変えてきた。 10 00:01:38,165 --> 00:01:42,936 より複雑に より力強く。 11 00:01:42,936 --> 00:01:49,343 百年の間に繰り返されたその変貌は 映画のスクリーンにも刻まれている。 12 00:01:51,445 --> 00:01:55,415 関東大震災の翌年 親を亡くし➡ 13 00:01:55,415 --> 00:01:58,752 道を踏み外しかけた子どもが 立ち直っていく➡ 14 00:01:58,752 --> 00:02:01,455 そんな映画が作られた。 15 00:02:09,329 --> 00:02:17,537 映画の背景には 僅か1年で復興を 遂げつつある 東京の姿が記録されている。 16 00:02:21,808 --> 00:02:28,048 1945年の大空襲で 東京は再び灰じんに帰す。 17 00:02:28,048 --> 00:02:32,452 しかし 間もなく 焼け跡で撮影が行われた。 18 00:02:41,962 --> 00:02:47,167 破壊され尽くした東京で 日本長編映画史上初の➡ 19 00:02:47,167 --> 00:02:50,070 キスシーンが誕生した。 20 00:02:56,777 --> 00:02:58,779 ああ。 21 00:03:00,414 --> 00:03:05,819 東京を舞台にした映画を 生涯作り続けた監督がいる。 22 00:03:08,889 --> 00:03:10,824 お母さん 疲れたでしょ。 23 00:03:10,824 --> 00:03:14,628 映画史に刻まれる巨匠➡ 24 00:03:14,628 --> 00:03:16,930 小津安二郎である。 25 00:03:45,926 --> 00:03:54,134 高度成長とバブルの熱狂を経た東京は 失われた数十年という長い低迷期に入る。 26 00:03:57,537 --> 00:04:01,274 渋谷の街で援助交際を繰り返す少女の➡ 27 00:04:01,274 --> 00:04:04,177 孤独と欲望を描いた作品が生まれた。 28 00:04:04,177 --> 00:04:08,682 行くか。 ねっ。 じゃ 行きましょうか。 29 00:04:08,682 --> 00:04:10,984 知ってるの? 知ってます。 30 00:04:52,092 --> 00:04:55,428 今回は73分の拡大版で➡ 31 00:04:55,428 --> 00:05:00,901 映画に刻まれた 東京百年の記憶をたどっていく。 32 00:05:00,901 --> 00:05:05,739 驚きの映画 懐かしい映画が 続々登場します。 33 00:05:05,739 --> 00:05:10,143 世代によって受け止め方は きっと さまざま。 34 00:05:10,143 --> 00:05:13,346 ぜひ ご家族そろってご覧下さい。 35 00:05:22,689 --> 00:05:25,992 東京都江東区 深川。 36 00:05:27,994 --> 00:05:34,601 徳川家康の時代に開拓され 江戸の玄関口として栄えた下町である。 37 00:05:45,745 --> 00:05:53,420 これは1920年公開の 深川で撮影された サイレント映画。 38 00:05:53,420 --> 00:05:59,726 現存する最も古い 東京が舞台の劇映画の一つである。 39 00:06:03,496 --> 00:06:10,103 家族を養うために働く 深川に住む少女 てい子の物語である。 40 00:06:16,142 --> 00:06:19,613 てい子は 朝 学校へ行く前➡ 41 00:06:19,613 --> 00:06:26,019 納豆を肩に担いで 木造家屋の建ち並ぶ 深川の町を売り歩く。 42 00:06:30,957 --> 00:06:37,864 映っている川は 江戸時代につくられた 隅田川に続く運河である。 43 00:06:43,670 --> 00:06:49,876 このシーンでは 江戸の名物 せんべい屋の看板が映り込む。 44 00:07:01,588 --> 00:07:04,024 てい子は学校から帰ると➡ 45 00:07:04,024 --> 00:07:07,127 家族のために家事もこなした。 46 00:07:11,765 --> 00:07:15,502 映画のラストカットは 新聞記事。 47 00:07:15,502 --> 00:07:22,709 最後になって てい子は深川に住む 実在の少女だったことが明かされる。 48 00:07:26,680 --> 00:07:35,388 1923年3月 この深川の町に 三重県から19歳の若者が引っ越してきた。 49 00:07:40,193 --> 00:07:44,798 もともと深川生まれで 故郷に戻ってきたのだった。 50 00:07:48,868 --> 00:07:51,037 東京に戻った年の8月➡ 51 00:07:51,037 --> 00:07:57,944 小津は 松竹キネマ蒲田撮影所に 撮影部助手として入社する。 52 00:08:24,371 --> 00:08:27,374 小津が映画界入りした翌月➡ 53 00:08:27,374 --> 00:08:32,479 東京を マグニチュード7.9の 大地震が襲った。 54 00:08:34,981 --> 00:08:37,884 これは 映画館で 上映された➡ 55 00:08:37,884 --> 00:08:42,088 震災後の本所・深川を記録した映像である。 56 00:08:44,090 --> 00:08:49,996 木造の町並みは 地震後発生した火災で焼き尽くされた。 57 00:08:52,632 --> 00:09:00,240 当時13歳だった黒澤 明は 兄に連れられ 隅田川沿いを歩いていた。 58 00:09:39,078 --> 00:09:44,784 震災から間もない東京を舞台に サイレント映画が撮影された。 59 00:09:46,920 --> 00:09:51,391 震災で両親を失った少女 お京は➡ 60 00:09:51,391 --> 00:09:55,395 悪党に引き取られたが やがて逃げ出し➡ 61 00:09:55,395 --> 00:09:58,698 みなしごの少年 仙吉と出会う。 62 00:10:21,321 --> 00:10:23,756 すりをしていた仙吉は➡ 63 00:10:23,756 --> 00:10:27,760 東京駅 丸の内の広場で新聞売りを始める。 64 00:10:29,562 --> 00:10:34,434 お京を見習って まっとうな暮らしを始めようと決意した。 65 00:10:34,434 --> 00:10:49,449 ♬~ 66 00:10:49,449 --> 00:10:53,653 仙吉が納豆売りの仕事を 思いつくシーンは➡ 67 00:10:53,653 --> 00:10:56,556 神楽坂の神社で撮影された。 68 00:10:59,459 --> 00:11:04,197 仙吉が歩く住宅地には 家々が並び➡ 69 00:11:04,197 --> 00:11:07,800 街は息を吹き返していた。 70 00:11:12,906 --> 00:11:17,844 東京の復興と 人間の再生。 71 00:11:17,844 --> 00:11:21,648 2つの歩みが重なり合う物語だった。 72 00:11:26,419 --> 00:11:28,488 (仙吉)オイラ今日から➡ 73 00:11:28,488 --> 00:11:32,292 お京さんの様な善い人になるつもりだ➡ 74 00:11:32,292 --> 00:11:35,762 他の罪でも自分で背負うような➡ 75 00:11:35,762 --> 00:11:38,665 偉い人間になるつもりだ…! 76 00:11:46,339 --> 00:11:51,244 これは 震災から僅か2か月後の神田。 77 00:11:54,080 --> 00:11:59,586 焼け跡に 早速 ビヤホールが姿を現している。 78 00:11:59,586 --> 00:12:03,489 メニューには 「カレーライス」の 文字がある。 79 00:12:07,393 --> 00:12:11,197 震災で店を焼かれた 飲食店の経営者たちは➡ 80 00:12:11,197 --> 00:12:15,602 焼け跡にバラックを建て 新たな店を始めた。 81 00:12:17,503 --> 00:12:24,110 そのとき新メニューとして取り入れられ 東京中に広まったのが カレーだった。 82 00:12:31,451 --> 00:12:35,655 松竹で監督助手を務めていた 小津安二郎は➡ 83 00:12:35,655 --> 00:12:41,060 このカレーがきっかけで 監督を 任されるようになったと語っている。 84 00:13:30,410 --> 00:13:34,614 この ひともんちゃくが 当時の所長の耳に入り➡ 85 00:13:34,614 --> 00:13:40,720 威勢のいい助手に1本撮らせてみたら どうかという話になった。 86 00:13:46,225 --> 00:13:50,930 評判になったのが 1931年公開の➡ 87 00:13:50,930 --> 00:13:54,634 「東京の合唱」という サイレント映画である。 88 00:13:58,671 --> 00:14:04,277 世界恐慌の真っただ中。 東京には失業者があふれていた。 89 00:14:09,082 --> 00:14:14,387 会社をクビになった主人公 岡島も 仕事が見つからない。 90 00:14:19,726 --> 00:14:25,298 岡島は ある日 偶然 昔の知り合いと再会する。 91 00:14:25,298 --> 00:14:30,002 その人は カレーが自慢の洋食店を始めていた。 92 00:14:39,612 --> 00:14:44,016 その店を岡島は手伝うことに決めた。 93 00:15:01,000 --> 00:15:07,807 市電の車内から 岡島の妻と子どもが 父の姿を目撃する。 94 00:15:34,867 --> 00:15:40,973 大学出のエリートだったはずの 夫の思わぬ姿に 妻は動揺する。 95 00:15:57,924 --> 00:16:03,162 だが最後には 妻も共に洋食店を手伝い➡ 96 00:16:03,162 --> 00:16:08,968 岡島は新しい仕事を見つけ 家族は再び歩みだす。 97 00:16:13,272 --> 00:16:19,579 小津が描いたのは 失われたものを 取り戻そうとする 人々の営み。 98 00:16:19,579 --> 00:16:23,382 それこそが東京の力だった。 99 00:16:28,287 --> 00:16:33,693 これは 1926年公開の映画のキスシーン。 100 00:16:36,028 --> 00:16:40,233 唇が直接触れることを避けた演出だが➡ 101 00:16:40,233 --> 00:16:42,802 これでも わいせつだと見なされ➡ 102 00:16:42,802 --> 00:16:45,905 上映した作品からカットされた。 103 00:16:50,576 --> 00:16:55,481 1925年 治安維持法が制定された年から➡ 104 00:16:55,481 --> 00:17:02,088 日本で上映される映画は全て 内務省の検閲を受けるようになっていた。 105 00:17:07,293 --> 00:17:10,196 ♬~(歌声) 106 00:17:10,196 --> 00:17:13,099 映画はトーキーの時代に入る。 107 00:17:13,099 --> 00:17:18,204 これは 地方の学校の教師と生徒が 東京へやって来る物語である。 108 00:17:25,678 --> 00:17:27,780 あ! あ…。 109 00:17:34,220 --> 00:17:36,222 あ! あ~。 ハハハ。 110 00:17:38,090 --> 00:17:42,895 この映画には 渋谷駅で撮影されたシーンがある。 111 00:17:53,205 --> 00:17:55,808 忠犬ハチ公。 112 00:18:25,838 --> 00:18:31,310 このあと映画は驚きの展開を見せる。 113 00:18:31,310 --> 00:18:35,081 本物のハチ公が登場するのだ。 114 00:18:35,081 --> 00:18:38,684 このとき ハチ公は10歳だった。 115 00:19:00,339 --> 00:19:05,211 1937年 日中戦争が勃発すると➡ 116 00:19:05,211 --> 00:19:09,015 多くの著名人も 次々に出征していった。 117 00:19:26,832 --> 00:19:34,273 小津安二郎は 1937年9月 33歳のときに召集され➡ 118 00:19:34,273 --> 00:19:37,376 中国の激戦地へ向かった。 119 00:19:39,612 --> 00:19:44,216 その映画人生は しばし途絶えることとなった。 120 00:19:52,191 --> 00:19:55,628 1940年公開の青春映画にも➡ 121 00:19:55,628 --> 00:19:59,131 日中戦争の激化が影を落としている。 122 00:20:03,736 --> 00:20:08,441 エースが出征し 最下位に沈む 職業野球チームを➡ 123 00:20:08,441 --> 00:20:13,045 野球好きの女学生 秀子が応援する。 124 00:20:13,045 --> 00:20:16,549 撮影は後楽園球場で行われた。 125 00:20:26,525 --> 00:20:28,461 (歓声) 126 00:20:28,461 --> 00:20:32,064 (秀子)気をつけ。 右へならえ。➡ 127 00:20:32,064 --> 00:20:34,266 直れ。 休め。 128 00:20:38,337 --> 00:20:42,975 父を戦地に送り出した少年の家。 129 00:20:42,975 --> 00:20:46,879 戦争の影響は 家庭にも及び始めていた。 130 00:20:57,890 --> 00:21:10,002 (掛け声) 131 00:21:20,212 --> 00:21:25,017 (砲撃音) 132 00:21:25,017 --> 00:21:29,321 1943年2月。 133 00:21:29,321 --> 00:21:37,029 日本軍は ガダルカナル島で大敗を喫し 戦局は急激に悪化していた。 134 00:21:42,535 --> 00:21:47,673 同じ月 日本では ミュージカル映画が公開された。 135 00:21:47,673 --> 00:21:53,279 ♬~ 136 00:21:55,147 --> 00:21:59,952 主人公は 東京で新婚生活を始めたハナ子。 137 00:22:02,888 --> 00:22:07,726 夫が 待ちに待った ボーナス 賞与をもらう日。 138 00:22:07,726 --> 00:22:12,965 仕事帰りに夕食の約束をしたハナ子から 電話がかかってくる。 139 00:22:12,965 --> 00:22:14,967 ああ… 140 00:22:25,578 --> 00:22:27,680 ああ あれ。 141 00:22:32,318 --> 00:22:34,320 ああ。 142 00:22:36,155 --> 00:22:38,090 え? あ よろしい。 143 00:22:38,090 --> 00:22:42,728 受話器越しに交わされる 甘いやり取り。 144 00:22:42,728 --> 00:22:45,531 戦時下とは思えないシーンである。 145 00:22:45,531 --> 00:22:47,733 はい。 さよなら。 146 00:22:50,369 --> 00:22:52,471 あっ。 147 00:23:01,013 --> 00:23:04,216 ♬~ 148 00:23:08,320 --> 00:23:12,725 ♬~ 149 00:23:17,162 --> 00:23:19,164 はっ。 150 00:23:20,899 --> 00:23:24,203 (笑い声) 151 00:23:27,640 --> 00:23:29,642 うん。 152 00:23:35,080 --> 00:23:37,016 うん。 153 00:23:37,016 --> 00:23:42,821 当時 実際に賞与が戦時国債で 支払われることがあった。 154 00:23:42,821 --> 00:23:46,325 敗戦後 紙くず同然となる。 155 00:23:48,127 --> 00:23:53,098 映画には 東京上空に敵機が迫る場面がある。 156 00:23:53,098 --> 00:23:57,569 東京は まだ本格的な空襲を経験しておらず➡ 157 00:23:57,569 --> 00:24:02,708 その恐ろしさは誰も知らなかった。 158 00:24:02,708 --> 00:24:07,313 ♬~ 159 00:24:07,313 --> 00:24:12,618 防空演習のシーンでは 当時広く歌われていた戦時歌謡➡ 160 00:24:12,618 --> 00:24:14,987 「なんだ空襲」が使われた。 161 00:24:14,987 --> 00:24:33,939 ♬~ 162 00:24:33,939 --> 00:24:38,344 法律によって 国民は空襲時の避難が禁じられ➡ 163 00:24:38,344 --> 00:24:40,946 消火が義務づけられていた。 164 00:25:17,416 --> 00:25:23,989 1944年10月 渋谷駅前のハチ公の銅像が➡ 165 00:25:23,989 --> 00:25:27,793 金属不足により政府に供出された。 166 00:25:30,396 --> 00:25:35,267 新聞は「ハチ公」誉れの出陣 と見出しを掲げ➡ 167 00:25:35,267 --> 00:25:40,439 人々の士気を鼓舞しようとした。 168 00:25:40,439 --> 00:25:44,643 (号令) 169 00:25:46,245 --> 00:25:51,950 映画人たちも 戦争に正面から 異を唱える者はいなかった。 170 00:25:55,654 --> 00:25:58,590 これは 監督 木下惠介が➡ 171 00:25:58,590 --> 00:26:02,895 陸軍省の後援で 制作した映画 「陸軍」。 172 00:26:05,697 --> 00:26:12,905 東京に出た父親が病気だと聞き 九州から息子が駆けつける場面がある。 173 00:26:17,009 --> 00:26:19,211 どうぞ。 174 00:26:36,495 --> 00:26:38,497 あ… 175 00:26:55,614 --> 00:27:01,120 息子は急ぎ 宮城と呼ばれていた皇居に足を運ぶ。 176 00:27:05,657 --> 00:27:11,563 天皇を神格化する上映時の空気が 色濃く描かれている。 177 00:27:19,671 --> 00:27:23,542 しかし 監督 木下惠介は➡ 178 00:27:23,542 --> 00:27:29,882 戦意高揚だけを目的とする映画に 疑問を抱いていた。 179 00:27:29,882 --> 00:27:36,088 ラストシーンでは 出征する息子を 笑顔で送り出すべき母親が➡ 180 00:27:36,088 --> 00:27:39,691 涙を流しながら後を追う場面を描いた。 181 00:27:39,691 --> 00:27:48,100 ♬~ 182 00:28:24,102 --> 00:28:28,473 このシーンは 検閲でカットされることはなかったが➡ 183 00:28:28,473 --> 00:28:33,011 上映後 木下は当局から問題視され➡ 184 00:28:33,011 --> 00:28:36,715 しばらく 映画制作から遠ざかることになった。 185 00:28:36,715 --> 00:28:54,733 ♬~ 186 00:28:54,733 --> 00:29:03,141 1945年になると 東京中が 現実の空襲に見舞われた。 187 00:29:07,079 --> 00:29:15,287 ♬~ 188 00:29:54,126 --> 00:30:00,432 東京大空襲の3日後 渋谷で一人の女の子が生まれた。 189 00:30:06,538 --> 00:30:09,341 戦後の混乱と貧しさの中で➡ 190 00:30:09,341 --> 00:30:13,045 豊かな感受性を 育んでいった。 191 00:30:14,746 --> 00:30:19,584 (アナウンス)左右の安全を確かめてから 渡りましょう。 192 00:30:19,584 --> 00:30:22,321 変化の目覚ましい東京の中でも➡ 193 00:30:22,321 --> 00:30:26,425 ひときわ劇的な変貌を遂げてきた渋谷。 194 00:30:32,331 --> 00:30:37,235 それゆえ渋谷は 度々 映画の舞台となってきた。 195 00:30:41,773 --> 00:30:46,945 これは 80年前の渋谷である。 196 00:30:46,945 --> 00:30:52,351 1945年の暮れに ここで1本の映画が撮影された。 197 00:30:57,456 --> 00:31:03,361 軍需工場に徴用されていた男が 自宅にたどりつく。 198 00:31:03,361 --> 00:31:07,766 家族は もう死んだものと諦めていた。 199 00:31:10,168 --> 00:31:12,170 おい。 200 00:31:27,119 --> 00:31:29,121 あ そうですか。 201 00:31:32,257 --> 00:31:38,463 映画は 当時の東京の風景を そのまま取り込んでいる。 202 00:31:38,463 --> 00:31:45,270 駅は 疎開先から帰る子どもと 迎える親でごった返していた。 203 00:31:47,305 --> 00:31:53,111 (にぎわう声) 204 00:32:00,051 --> 00:32:05,524 再会した親子は 東京の焼け跡で風呂に入る。 205 00:32:05,524 --> 00:32:27,512 ♬~ 206 00:33:17,128 --> 00:33:23,235 ♬~ 207 00:33:25,303 --> 00:33:29,908 占領下の東京の映画は 劇的に変わった。 208 00:33:34,546 --> 00:33:37,449 戦意高揚の記憶を一掃するかのように➡ 209 00:33:37,449 --> 00:33:40,252 甘いメロドラマが主流となった。 210 00:34:09,381 --> 00:34:11,483 う~ん。 211 00:34:17,255 --> 00:34:21,493 これも 日本長編映画史上 初めての➡ 212 00:34:21,493 --> 00:34:23,895 キスシーンの一つ。 213 00:34:46,952 --> 00:34:51,156 ♬~ 214 00:34:51,156 --> 00:34:55,093 これまで見ることのできなかった キスシーンを一目見ようと➡ 215 00:34:55,093 --> 00:34:58,496 観客が映画館に殺到した。 216 00:35:03,735 --> 00:35:07,572 キスシーンのある映画は 内務省に代わって➡ 217 00:35:07,572 --> 00:35:12,677 映画の検閲に当たった GHQの意向で制作された。 218 00:35:14,479 --> 00:35:19,784 日本映画に男女がキスする場面がないのは 不自然だという➡ 219 00:35:19,784 --> 00:35:23,488 映画検閲の責任者の判断だった。 220 00:35:26,558 --> 00:35:31,062 かつて 国家の象徴として あがめられた宮城広場は➡ 221 00:35:31,062 --> 00:35:36,768 皇居前広場と呼ばれるようになり 恋愛の舞台に変わった。 222 00:35:44,042 --> 00:35:46,044 いや… 223 00:35:55,420 --> 00:35:58,023 フフ… フフ…。 224 00:36:24,582 --> 00:36:27,886 あっ フフフフフ…。 225 00:36:27,886 --> 00:36:29,821 (笑い声) 226 00:36:29,821 --> 00:36:38,730 1946年2月 シンガポールの抑留所から ある映画人が東京に帰ってきた。 227 00:36:42,167 --> 00:36:48,006 42歳になった 小津安二郎である。 228 00:36:48,006 --> 00:36:56,114 中国の激戦地を巡った小津だが 戦争について多くを語らなかった。 229 00:37:33,318 --> 00:37:37,956 小津が 戦後第1作の舞台に選んだのは➡ 230 00:37:37,956 --> 00:37:42,360 東京の下町にひっそりとたたずむ 長屋だった。 231 00:37:51,436 --> 00:37:55,707 男が 同じ長屋に住む おたねのもとに➡ 232 00:37:55,707 --> 00:38:01,012 親とはぐれた子どもを 連れてくるところから物語が始まる。 233 00:39:07,011 --> 00:39:10,982 しぶしぶ子どもを受け入れた おたねだったが➡ 234 00:39:10,982 --> 00:39:15,687 そのけなげさに 次第に情が移ってゆく。 235 00:39:25,263 --> 00:39:33,404 ある日 子どもが突然 姿を消すと おたねは心配になり 近所を捜し回った。 236 00:39:33,404 --> 00:39:48,319 ♬~ 237 00:40:26,624 --> 00:40:33,064 最終的に父親が見つかり 子どもは親のもとへ戻ることになる。 238 00:40:33,064 --> 00:40:36,367 じゃ ごめんください。 さよなら。 239 00:40:51,449 --> 00:40:57,855 子どもが去ったとたん 喪失感が おたねの胸を締めつけた。 240 00:41:04,162 --> 00:41:07,532 映画は おたねが上野公園に➡ 241 00:41:07,532 --> 00:41:13,738 別の子どもを見つけに行くことを 暗示するシーンで 幕を閉じる。 242 00:41:13,738 --> 00:41:19,177 映っているのは 実際の戦災孤児。 243 00:41:19,177 --> 00:41:26,784 小津は 下町のぬくもりを描きながら 東京の負った深い傷を提示した。 244 00:41:38,930 --> 00:41:43,101 1952年4月28日➡ 245 00:41:43,101 --> 00:41:46,003 サンフランシスコ平和条約が 発効し➡ 246 00:41:46,003 --> 00:41:49,006 日本は 独立を回復する。 247 00:41:55,446 --> 00:41:58,249 焼け跡から立ち上がった東京は➡ 248 00:41:58,249 --> 00:42:02,553 経済的自立を目指す日本を牽引していく。 249 00:42:07,625 --> 00:42:16,434 1953年 東京の復興のシンボルだった ある煙突を取り上げた映画が公開された。 250 00:42:41,359 --> 00:42:45,096 映画は「お化け煙突」の愛称で親しまれた➡ 251 00:42:45,096 --> 00:42:49,467 千住の火力発電所の解説で始まる。 252 00:42:49,467 --> 00:42:55,139 煙突が何本に見えるか 場所によって見え方が変わる。 253 00:42:55,139 --> 00:43:01,446 舞台は 3本に見える煙突を望む 荒川土手沿いの一帯である。 254 00:43:13,324 --> 00:43:16,594 今日のプログラムは 全部終了いたしました。➡ 255 00:43:16,594 --> 00:43:20,598 どちら様も火の元 戸締まりなど もう一度お確かめ下さいまして…。 256 00:43:24,335 --> 00:43:26,938 ああ。 257 00:43:31,409 --> 00:43:33,411 おぉ。 まだお帰りじゃないの? 258 00:43:33,411 --> 00:43:39,450 立ちのぼる煙は 汚染ではなく 繁栄のしるし。 259 00:43:39,450 --> 00:43:44,956 火力発電所は 東京の経済成長の 象徴として描かれている。 260 00:44:01,606 --> 00:44:03,674 ではでは いってきます。 261 00:44:03,674 --> 00:44:10,081 監督 五所平之助は 戦後を生き抜く人々の心情を➡ 262 00:44:10,081 --> 00:44:13,584 4本の煙突で表現しようとした。 263 00:44:42,413 --> 00:44:50,021 小津安二郎の代表作「東京物語」でも 東京のシーンは お化け煙突で始まる。 264 00:44:51,889 --> 00:44:55,593 手前には 別の煙突も映っている。 265 00:45:00,264 --> 00:45:03,601 東武線 堀切駅。 266 00:45:03,601 --> 00:45:08,306 今回も舞台は東京の下町である。 267 00:45:11,108 --> 00:45:17,014 町医者を営む息子のもとに 尾道から両親が訪ねてくる。 268 00:45:20,418 --> 00:45:22,920 やぁ。 269 00:45:24,622 --> 00:45:27,325 さっ どうぞ。 ああ。 270 00:45:27,325 --> 00:45:32,263 尾道からやって来た 平山家の父親 周吉を演じたのは➡ 271 00:45:32,263 --> 00:45:34,465 笠 智衆である。 272 00:45:47,011 --> 00:45:50,214 (笑い声) 273 00:46:00,191 --> 00:46:06,130 両親のもう一人の娘も 東京で美容院を経営している。 274 00:46:06,130 --> 00:46:12,136 仕事に追われ 田舎から出てきた両親に かまっている余裕がない。 275 00:46:24,482 --> 00:46:26,617 ああ。 276 00:46:26,617 --> 00:46:36,160 戦後の東京には 地方から人々が集まり 新しい家族の形 核家族が生まれていた。 277 00:46:36,160 --> 00:46:42,600 その変化の中で かつての家族の絆は ほどけていく。 278 00:46:42,600 --> 00:46:48,806 小津は その崩れゆく家族の姿を 淡々と映し出した。 279 00:46:56,180 --> 00:46:58,482 そう。 280 00:47:00,985 --> 00:47:05,690 観光バスに乗り込み 東京の街を巡る両親。 281 00:47:05,690 --> 00:47:08,993 有名なシーンである。 282 00:47:29,480 --> 00:47:33,017 子どもたちの代わりに 両親を連れ出したのは➡ 283 00:47:33,017 --> 00:47:38,723 戦死した次男の妻 原 節子演じる紀子だった。 284 00:47:38,723 --> 00:47:47,565 ♬~ 285 00:47:47,565 --> 00:47:52,269 向かったのは 銀座の松屋。 286 00:47:52,269 --> 00:47:56,006 小津は GHQの接収が解かれるまで➡ 287 00:47:56,006 --> 00:48:00,911 日本人が立ち入ることのできなかった 松屋を ロケ地に選んだ。 288 00:48:30,207 --> 00:48:32,710 ああ。 289 00:48:47,324 --> 00:48:51,829 実の子どもより 血のつながりのない紀子のほうが➡ 290 00:48:51,829 --> 00:48:56,033 両親に親切に接する場面が 重ねられていく。 291 00:49:18,956 --> 00:49:21,659 いやぁ。 292 00:49:36,373 --> 00:49:46,083 映画の最後 平山周吉の妻が亡くなり 尾道で行われた葬儀に紀子が駆けつけた。 293 00:50:35,432 --> 00:50:42,740 (泣き声) 294 00:51:25,316 --> 00:51:28,519 (汽笛の音) 295 00:51:31,956 --> 00:51:37,361 1960年代 高度成長に沸く東京。 296 00:51:37,361 --> 00:51:42,266 その街を背景に描かれた映画 「いつでも夢を」。 297 00:51:44,868 --> 00:51:48,672 ヒロインは 17歳になった… 298 00:51:57,281 --> 00:52:01,251 この映画には 「東京物語」を想起させる➡ 299 00:52:01,251 --> 00:52:05,055 バスの車内から始まるシーンがある。 300 00:52:09,860 --> 00:52:12,296 田舎から出てきた女性を➡ 301 00:52:12,296 --> 00:52:18,002 赤の他人である娘が バスで東京案内に連れ出す。 302 00:52:24,341 --> 00:52:31,448 道路には車があふれ 事故が頻発し 交通戦争という言葉が生まれていた。 303 00:52:55,305 --> 00:53:00,310 「東京物語」と同じく 一行はデパートに向かう。 304 00:53:12,289 --> 00:53:17,127 1958年に完成した東京タワー。 305 00:53:17,127 --> 00:53:22,299 その展望台から 東京を見渡す場面が描かれる。 306 00:53:22,299 --> 00:53:25,636 「東京物語」では 銀座松屋だったが➡ 307 00:53:25,636 --> 00:53:29,940 この映画は 東京タワーからの眺望を選んだ。 308 00:54:04,274 --> 00:54:22,226 ♬~ 309 00:54:22,226 --> 00:54:29,967 豊かさを求めて歩む 東京の若者の背中を 押すように 主題歌が流れる。 310 00:54:29,967 --> 00:54:33,303 橋 幸夫と吉永小百合の歌声は➡ 311 00:54:33,303 --> 00:54:38,542 時代の希望を象徴するものとなった。 312 00:54:38,542 --> 00:54:46,884 ♬「言っているいる お持ちなさいな」 313 00:54:46,884 --> 00:54:55,993 ♬~ 314 00:54:58,362 --> 00:55:01,265 「東京物語」の成功ののち➡ 315 00:55:01,265 --> 00:55:05,969 小津安二郎は 巨匠の地位を確立した。 316 00:55:09,006 --> 00:55:16,747 1962年の夏 小津は 54作目の撮影に入った。 317 00:55:16,747 --> 00:55:21,151 舞台は やはり東京だった。 318 00:55:24,988 --> 00:55:28,592 小津が 58歳のときに撮影した この作品➡ 319 00:55:28,592 --> 00:55:33,397 「秋刀魚の味」が 遺作となった。 320 00:55:33,397 --> 00:55:38,635 主人公の名は 「東京物語」と同じ平山。 321 00:55:38,635 --> 00:55:42,506 妻を亡くし 年頃の娘と暮らしている。 322 00:55:42,506 --> 00:55:45,008 でも あたしが行ったら困りゃしない? 323 00:55:47,044 --> 00:55:52,182 これは 戦時中に 駆逐艦の艦長をしていた平山が➡ 324 00:55:52,182 --> 00:55:56,787 乗組員とばったり出くわし 飲み交わすシーン。 325 00:56:24,014 --> 00:56:26,216 ⚟はい。 326 00:56:52,743 --> 00:56:57,314 ♬~ 327 00:56:57,314 --> 00:57:01,251 戦争について 多くを語らなかった小津だが➡ 328 00:57:01,251 --> 00:57:04,588 軍艦マーチを何度も登場させ➡ 329 00:57:04,588 --> 00:57:09,293 戦争を生きた世代の心情を にじませている。 330 00:57:13,297 --> 00:57:19,002 ♬~ 331 00:57:20,704 --> 00:57:28,011 映画には 2年後のオリンピックに向け 開発の進む東京の実景が挿入される。 332 00:58:19,096 --> 00:58:25,802 映画の最後 平山の娘は結婚し 家を出てゆく。 333 00:58:44,087 --> 00:58:47,691 小津の残した生涯最後の映像。 334 00:58:53,530 --> 00:59:00,804 ♬「浮かべるその城 日の本の」 335 00:59:00,804 --> 00:59:12,048 ♬~ 336 00:59:12,048 --> 00:59:17,854 この映画が公開された翌年の 60歳の誕生日に➡ 337 00:59:17,854 --> 00:59:22,492 小津安二郎は この世を去った。 338 00:59:22,492 --> 00:59:29,399 ♬~ 339 00:59:31,601 --> 00:59:38,008 成長の季節が終わっても 東京は なおも膨らみ続けた。 340 00:59:41,278 --> 00:59:46,516 やがてバブルの時代に入ると さらに加速度を増し➡ 341 00:59:46,516 --> 00:59:50,720 開発の波が街を塗り替えていく。 342 01:00:13,443 --> 01:00:18,915 これは 小津を敬愛するドイツ人映画監督 ヴィム・ヴェンダースが➡ 343 01:00:18,915 --> 01:00:23,019 東京の街を撮影した ドキュメンタリー作品である。 344 01:00:24,654 --> 01:00:31,261 小津作品に魅了され 東京という都市に 大きな関心を抱いた。 345 01:00:42,839 --> 01:00:48,245 しかし高度成長を経て バブルに向かう東京は➡ 346 01:00:48,245 --> 01:00:53,450 かつて小津が描いた東京とは 別の街になっていた。 347 01:01:33,723 --> 01:01:42,933 ♬~ 348 01:01:42,933 --> 01:01:49,739 模倣と欲望だらけの東京を ヴェンダースは 冷めた目で見つめた。 349 01:01:57,280 --> 01:01:59,382 (歓声) 350 01:02:14,998 --> 01:02:18,401 「さぁ~! 3割4割引きは あたりまえ!➡ 351 01:02:18,401 --> 01:02:20,904 ミノルタAFⅡ-MD 40%引き!」。 352 01:02:40,657 --> 01:02:43,560 バブル崩壊後 日本は➡ 353 01:02:43,560 --> 01:02:49,366 失われた数十年と呼ばれる 長い低迷期に入った。 354 01:02:49,366 --> 01:02:54,771 停滞する東京で 未来への希望は薄れていく。 355 01:02:54,771 --> 01:03:00,477 街の明かりは増えても 人々の心には 空虚が広がっていた。 356 01:03:03,480 --> 01:03:06,816 ポケベルや携帯の普及をきっかけに➡ 357 01:03:06,816 --> 01:03:11,921 家族も知らない人間関係を 誰もが持つようになった。 358 01:03:14,157 --> 01:03:21,698 1998年 渋谷の街をさまよう 女子高校生が主役の映画が生まれた。 359 01:03:21,698 --> 01:03:26,002 庵野秀明監督の初実写商業映画である。 360 01:03:46,856 --> 01:03:52,662 指輪欲しさに援助交際を繰り返す 女子高校生。 361 01:03:52,662 --> 01:03:56,533 その一日が描かれた。 362 01:03:56,533 --> 01:03:58,535 (小声で)オッケー。 363 01:04:03,873 --> 01:04:07,277 知ってるの? 知ってます 近くにいいとこあるんで。 364 01:04:07,277 --> 01:04:10,680 ♬~ 365 01:04:31,201 --> 01:04:46,416 ♬~ 366 01:05:00,230 --> 01:05:08,505 少女は 見知らぬ誰かとつながりながら 東京の欲望に踏み込んでいく。 367 01:05:08,505 --> 01:05:12,008 ♬~ 368 01:05:12,008 --> 01:05:18,715 映画は 渋谷川で撮影された この長いカットで終わる。 369 01:05:18,715 --> 01:05:24,387 暗きょとなった川が 僅かに地上に現れる場所。 370 01:05:24,387 --> 01:05:28,124 高度成長期のただなかに生まれた 庵野秀明は➡ 371 01:05:28,124 --> 01:05:33,129 自らの原風景と東京の無秩序を 重ね合わせた。 372 01:06:05,395 --> 01:06:14,404 ♬~ 373 01:06:14,404 --> 01:06:19,576 2020年 またも東京は変わる。 374 01:06:19,576 --> 01:06:22,178 コロナパンデミックである。 375 01:06:25,148 --> 01:06:31,855 ドイツの映画監督 ヴィム・ヴェンダースが 再び東京を訪れた。 376 01:06:34,524 --> 01:06:41,531 孤独と断絶を経て 人々は日常の意味を 見つめ直しているように映った。 377 01:06:44,968 --> 01:06:48,538 そして 1本の映画を撮る。 378 01:06:48,538 --> 01:06:54,043 ♬~(カーステレオから流れる音楽) 379 01:06:54,043 --> 01:07:03,486 ♬~ 380 01:07:03,486 --> 01:07:07,891 役所広司演じる主人公は➡ 381 01:07:07,891 --> 01:07:11,394 毎朝 車に乗って 仕事場に向かう。 382 01:07:15,198 --> 01:07:20,503 仕事場は 渋谷の公衆トイレである。 383 01:07:30,713 --> 01:07:34,951 主人公の名前は 平山。 384 01:07:34,951 --> 01:07:41,557 小津安二郎の「東京物語」「秋刀魚の味」の 主人公と同じ名前をつけた。 385 01:07:46,129 --> 01:07:48,698 パンデミック後の東京に➡ 386 01:07:48,698 --> 01:07:54,203 かつて小津が描いた 人々の ささやかな営みの残像を見いだした。 387 01:08:37,080 --> 01:08:42,785 変わらないために 変わり続けてきた街 東京。 388 01:08:44,721 --> 01:08:51,627 映画は その一瞬を焼き付け 記憶の層を積み重ねてきた。 389 01:08:54,864 --> 01:09:04,540 そして これからも その記憶は折り重なり 未来へと続いていくだろう。 390 01:09:04,540 --> 01:09:18,254 ♬~ 391 01:10:42,972 --> 01:10:54,283 ♬~ 392 01:11:24,981 --> 01:11:36,792 ♬~ 393 01:11:49,038 --> 01:11:51,240 うん。 394 01:11:57,580 --> 01:12:39,088 ♬~