1 00:00:00,934 --> 00:00:05,305 ♬~ 2 00:00:05,305 --> 00:00:07,975 3・2・1➡ 3 00:00:07,975 --> 00:00:09,977 0! 4 00:00:18,986 --> 00:00:24,858 NASAの探査機「ルーシー」が 打ち上げられた。 5 00:00:24,858 --> 00:00:31,331 太陽系誕生の謎を追い 10個の小惑星を調査するのがミッション。 6 00:00:31,331 --> 00:00:38,138 それが終われば 数百年 数千年にわたって 宇宙をさまようことになる。 7 00:00:39,840 --> 00:00:46,613 そんなルーシーには 未来の人類に いつか回収される時のため➡ 8 00:00:46,613 --> 00:00:51,618 メッセージを彫った金属板が 取り付けられている。 9 00:00:53,687 --> 00:00:55,622 アインシュタインをはじめ➡ 10 00:00:55,622 --> 00:00:59,559 世界を代表する偉人たちと並んで➡ 11 00:00:59,559 --> 00:01:02,863 こんな4人の言葉もある。 12 00:01:26,320 --> 00:01:28,355 探査機「ルーシー」という名も➡ 13 00:01:28,355 --> 00:01:34,194 もとはといえば 彼ら4人の曲に由来している。 14 00:01:34,194 --> 00:01:40,867 ♬~ 15 00:01:40,867 --> 00:01:43,870 ビートルズ! (歓声) 16 00:01:43,870 --> 00:01:47,708 1960年代 イギリスの港町から➡ 17 00:01:47,708 --> 00:01:49,710 すい星のように現れた… 18 00:01:53,146 --> 00:01:57,985 全世界で売り上げた レコードの数は10億枚。 19 00:01:57,985 --> 00:02:01,088 この記録は いまだに破られていない。 20 00:02:02,789 --> 00:02:04,825 活動したのは8年間。 21 00:02:04,825 --> 00:02:09,463 その間 世界最高の 人気者であると同時に➡ 22 00:02:09,463 --> 00:02:14,468 世界最先端のクリエーターであり続けた。 23 00:02:36,690 --> 00:02:41,328 4人は 音楽界を一変させただけではない。 24 00:02:41,328 --> 00:02:46,633 その奔放な言動は 旧来の価値観を書き換えた。 25 00:02:56,143 --> 00:03:00,447 ビートルズは その全てに 「NO」を突きつけた。 26 00:03:28,475 --> 00:03:32,813 そして その音楽は 分厚い冷戦の壁を越え➡ 27 00:03:32,813 --> 00:03:37,517 自由を求める若者たちの心に火を付けた。 28 00:03:55,068 --> 00:03:59,339 ♬~ 29 00:03:59,339 --> 00:04:02,309 「映像の世紀バタフライエフェクト」。 30 00:04:02,309 --> 00:04:06,813 ビートルズの起こした革命を 前・後編でたどる。 31 00:04:08,615 --> 00:04:13,954 今回は 「赤の時代」と呼ばれる 活動前期。 32 00:04:13,954 --> 00:04:18,291 4人の冒険は 世界をどう変えたのか? 33 00:04:18,291 --> 00:04:24,998 これはきっと あなたの人生にも どこかで関係している物語である。 34 00:04:36,977 --> 00:04:38,912 物語の始まりは➡ 35 00:04:38,912 --> 00:04:42,649 第2次世界大戦さなかの イギリス。 36 00:04:42,649 --> 00:04:45,318 (爆発音) 37 00:04:45,318 --> 00:04:49,189 イングランド北西部の港町 リバプールは➡ 38 00:04:49,189 --> 00:04:53,493 ナチス・ドイツによる激しい空襲に 見舞われていた。 39 00:04:55,829 --> 00:05:01,334 1940年 この街で 一人の男の子が生まれた。 40 00:05:06,072 --> 00:05:08,975 大戦の英雄 ウィンストン・チャーチルが➡ 41 00:05:08,975 --> 00:05:11,478 その名の由来だった。 42 00:05:14,447 --> 00:05:20,954 ジョンの父親は船乗り。 典型的な労働者階級だった。 43 00:05:20,954 --> 00:05:23,790 だが 両親は離婚。 44 00:05:23,790 --> 00:05:28,595 ジョンは 5歳の時から 叔母の家に引き取られた。 45 00:05:55,655 --> 00:05:59,826 ジョンが生まれた2年後の 1942年。 46 00:05:59,826 --> 00:06:04,631 この港町に もう一人 男の子が誕生した。 47 00:06:10,770 --> 00:06:15,075 ポールの親も労働者階級だった。 48 00:06:17,644 --> 00:06:23,950 そして 彼もまた 14歳で母を失っていた。 49 00:06:56,983 --> 00:06:59,653 お互いを知らない2人だったが➡ 50 00:06:59,653 --> 00:07:04,424 ある同じものに夢中になっていた。 51 00:07:04,424 --> 00:07:08,295 ♬~ 52 00:07:08,295 --> 00:07:11,064 ロックンロール。 53 00:07:11,064 --> 00:07:15,602 リバプールには 戦後多くの アメリカ兵が駐留しており➡ 54 00:07:15,602 --> 00:07:20,073 彼らから アメリカの 最新のレコードが入ってきていた。 55 00:07:20,073 --> 00:07:25,612 ♬~ 56 00:07:25,612 --> 00:07:30,116 中でも 2人の心をつかんだのは 黒人ロックンローラー… 57 00:07:33,286 --> 00:07:41,995 ♬~ 58 00:07:41,995 --> 00:07:43,997 最大のヒット曲… 59 00:07:45,966 --> 00:07:50,270 衝撃を受けた2人は 進むべき道を決めた。 60 00:08:13,259 --> 00:08:15,962 ♬~ 61 00:08:46,626 --> 00:08:54,334 ジョンとポール。 2人の運命の出会いは 1957年7月6日。 62 00:08:55,969 --> 00:09:00,240 友人たちと バンド クオリー・メンを 結成していたジョンは➡ 63 00:09:00,240 --> 00:09:05,412 この日 地元リバプールの教会の イベントに出演した。 64 00:09:05,412 --> 00:09:09,916 その貴重なライブ音源が残されている。 65 00:09:09,916 --> 00:09:16,790 ♬~ 66 00:09:16,790 --> 00:09:20,927 ポールは この日 ジョンと親しいという友人に誘われ➡ 67 00:09:20,927 --> 00:09:23,630 この場に足を運んでいた。 68 00:09:25,265 --> 00:09:31,604 初めての対面。 2人は 大好きな音楽の話で盛り上がる。 69 00:09:31,604 --> 00:09:36,476 そして ポールは そばにあったピアノに向かい歌いだした。 70 00:09:36,476 --> 00:09:54,961 ♬~ 71 00:09:54,961 --> 00:10:00,767 その完成度に ジョンは驚き バンドメンバーに誘った。 72 00:10:02,969 --> 00:10:08,475 そのよくとしには ポールの友人である ジョージ・ハリスンも加入。 73 00:10:08,475 --> 00:10:12,178 4人のうち3人がそろった。 74 00:10:14,647 --> 00:10:18,985 これは デビューの半年以上前に 撮影された➡ 75 00:10:18,985 --> 00:10:22,989 ビートルズ最古といわれる ライブ映像。 76 00:10:26,860 --> 00:10:33,666 ポールをバンドに誘った時の心境を ジョンは 後に こう振り返っている。 77 00:11:10,803 --> 00:11:16,309 更に この時期 彼らにとって幸運な出来事が起こった。 78 00:11:18,111 --> 00:11:21,981 戦争終結後も続いていた 2年間の兵役が➡ 79 00:11:21,981 --> 00:11:26,786 1960年をもって廃止されたのだ。 80 00:11:30,657 --> 00:11:37,664 兵役を免除されたのは 1960年時点で 21歳以下の男子だった。 81 00:11:39,332 --> 00:11:45,538 3人は ぎりぎりのところで 運よく徴兵を逃れることができた。 82 00:12:22,475 --> 00:12:26,646 1960年 3人が向かったのは➡ 83 00:12:26,646 --> 00:12:28,948 ヨーロッパきっての繁華街… 84 00:12:33,519 --> 00:12:36,122 ライブハウスがひしめく この街で➡ 85 00:12:36,122 --> 00:12:41,327 3か月にわたって 武者修行の日々を送った。 86 00:12:41,327 --> 00:12:48,534 ♬~ 87 00:13:05,084 --> 00:13:10,890 だが まだこの時は 革ジャン姿で酒を飲みながら演奏する➡ 88 00:13:10,890 --> 00:13:14,193 粗野なバンドの一つにすぎなかった。 89 00:13:17,463 --> 00:13:22,769 彼らを一躍人気者に押し上げたのは ある人物との出会いだった。 90 00:13:24,337 --> 00:13:26,539 リバプールの実業家… 91 00:13:30,977 --> 00:13:34,814 エプスタインは リバプールでレコードショップを営む➡ 92 00:13:34,814 --> 00:13:38,017 裕福な中流階級だった。 93 00:13:40,319 --> 00:13:42,255 客から たびたび➡ 94 00:13:42,255 --> 00:13:45,992 「ビートルズのレコードはないの?」と 聞かれたエプスタインは➡ 95 00:13:45,992 --> 00:13:49,195 ライブハウスに足を運んでみた。 96 00:14:32,305 --> 00:14:36,809 そして ビートルズのマネージャーに名乗り出た。 97 00:14:38,478 --> 00:14:43,349 1962年には ハンブルクで知り合った 腕利きのドラマー➡ 98 00:14:43,349 --> 00:14:46,152 リンゴ・スターが バンドに加入。 99 00:14:51,057 --> 00:14:55,895 ここに ビートルズの4人がそろった。 100 00:14:55,895 --> 00:15:07,940 ♬~ 101 00:15:07,940 --> 00:15:13,146 早速 エプスタインは ビートルズのイメージチェンジを図る。 102 00:15:14,714 --> 00:15:17,650 おそろいの上等なスーツを身に着けさせ➡ 103 00:15:17,650 --> 00:15:21,954 港町の不良から 洗練された都会の若者へと➡ 104 00:15:21,954 --> 00:15:25,458 ルックスを改造した。 105 00:15:54,854 --> 00:16:01,260 更に 1曲ごとに 深くおじぎをすることを提案。 106 00:16:01,260 --> 00:16:07,967 ステージでの飲酒やたばこなども禁止し 幅広い層からの支持を目指した。 107 00:16:10,937 --> 00:16:14,607 エプスタインのもくろみは当たった。 108 00:16:14,607 --> 00:16:18,778 1962年10月に レコードデビューを果たすと➡ 109 00:16:18,778 --> 00:16:20,713 よくとしの ファーストアルバムが➡ 110 00:16:20,713 --> 00:16:24,283 早くも全英1位を獲得。 111 00:16:24,283 --> 00:16:26,953 一気に 人気に火が付いた。 112 00:16:26,953 --> 00:16:30,289 ♬~ 113 00:16:30,289 --> 00:16:33,960 ♬~ (歓声) 114 00:16:33,960 --> 00:16:39,832 ビートルズに真っ先に熱狂したのは 若い女性たちだった。 115 00:16:39,832 --> 00:16:45,838 姿を一目見るだけで泣き叫び 失神する者まで続出した。 116 00:17:02,021 --> 00:17:06,259 この熱狂は 「ビートルマニア現象」と呼ばれ➡ 117 00:17:06,259 --> 00:17:09,595 ヨーロッパ中に広がっていく。 118 00:17:09,595 --> 00:17:13,399 (歓声) 119 00:17:15,067 --> 00:17:19,605 まず 若者が反応したのは 彼らのファッションだった。 120 00:17:19,605 --> 00:17:24,076 この細身の襟なしスーツは ピエール・カルダンをヒントに➡ 121 00:17:24,076 --> 00:17:27,580 ポール自らスケッチしたものだった。 122 00:17:30,950 --> 00:17:34,720 軍隊式の短髪が常識だった時代に➡ 123 00:17:34,720 --> 00:17:39,225 このヘアスタイルは 大人たちのどぎもを抜いた。 124 00:17:48,334 --> 00:17:50,336 若者たちは こぞって➡ 125 00:17:50,336 --> 00:17:53,839 ビートルズのファッションを まねし始めた。 126 00:18:54,633 --> 00:18:57,303 ♬~ 127 00:18:57,303 --> 00:19:02,041 しかし 何よりも違っていたのは 音楽だった。 128 00:19:02,041 --> 00:19:08,581 最大の革新性は 自分たちで 作詞作曲をこなしたことだった。 129 00:19:08,581 --> 00:19:13,252 当時は プロの作曲家が作った曲を バンドが演奏するという➡ 130 00:19:13,252 --> 00:19:16,255 分業制が常識だった。 131 00:19:47,787 --> 00:19:54,960 ♬~ 132 00:19:54,960 --> 00:19:59,632 大好きだった黒人音楽をベースに 自分たちの言葉で➡ 133 00:19:59,632 --> 00:20:03,135 リアリティー豊かな愛の歌を作った。 134 00:20:06,105 --> 00:20:12,878 それは 若者たちの気持ちを代弁する 初めての音楽だった。 135 00:20:12,878 --> 00:20:17,716 ♬~ 136 00:20:17,716 --> 00:20:20,619 ビートルズの後を追う若者たちが➡ 137 00:20:20,619 --> 00:20:22,688 次々に出現した。 138 00:20:22,688 --> 00:20:25,891 ♬~ 139 00:20:44,877 --> 00:20:50,683 ビートルズの音楽から発せられる熱は 社会の在り方まで変えていく。 140 00:20:54,019 --> 00:20:56,355 当時のイギリスは➡ 141 00:20:56,355 --> 00:20:59,558 厳然たる階級社会だった。 142 00:21:01,327 --> 00:21:05,798 貴族や大地主などの 上流階級を頂点に➡ 143 00:21:05,798 --> 00:21:12,605 医師や弁護士などの専門職に従事する 裕福な中流階級。 144 00:21:16,108 --> 00:21:21,981 そして 工場などで単純労働を行う 労働者階級に分かれ➡ 145 00:21:21,981 --> 00:21:26,485 その階級は 代々固定されていた。 146 00:21:31,490 --> 00:21:36,829 これは 1966年にBBCが制作した➡ 147 00:21:36,829 --> 00:21:40,332 階級社会を風刺する テレビ番組。 148 00:22:07,293 --> 00:22:11,797 ビートルズのメンバーは 労働者階級の出身だった。 149 00:22:11,797 --> 00:22:17,603 彼らは階級社会に 声高に異を唱えるのではなく➡ 150 00:22:17,603 --> 00:22:23,609 その音楽とユーモアで 軽やかに階級の壁を飛び越えた。 151 00:22:27,813 --> 00:22:30,649 これは 1963年➡ 152 00:22:30,649 --> 00:22:33,319 イギリス王室後援の チャリティーイベントに➡ 153 00:22:33,319 --> 00:22:36,989 ビートルズが招待された際の映像。 154 00:22:36,989 --> 00:22:43,128 (拍手) 155 00:22:43,128 --> 00:22:47,833 Thank you. Thank you very much. 156 00:22:47,833 --> 00:22:50,502 大勢の上流階級を前に➡ 157 00:22:50,502 --> 00:22:54,907 ジョンが発した 伝説のMCである。 158 00:23:07,920 --> 00:23:11,624 (笑い声と拍手) 159 00:23:11,624 --> 00:23:14,526 Thank you! 160 00:23:14,526 --> 00:23:21,834 労働者階級の若者が 上流階級を あてこするなど 前代未聞だった。 161 00:23:27,172 --> 00:23:34,680 人口の⅔を占める労働者階級 とりわけ若者が 喝采を送った。 162 00:23:37,316 --> 00:23:40,986 これは ビートルズの故郷の サッカークラブ➡ 163 00:23:40,986 --> 00:23:47,660 リバプールFCのサポーターが歌う 応援歌 チャントの映像。 164 00:23:47,660 --> 00:23:59,004 ♬~ 165 00:23:59,004 --> 00:24:01,774 戦後生まれのベビーブーム世代は➡ 166 00:24:01,774 --> 00:24:07,947 ビートルズの存在に勇気を得て 社会に飛び出していった。 167 00:24:07,947 --> 00:24:13,285 ♬~ 168 00:24:13,285 --> 00:24:19,391 ♬~ 169 00:24:51,991 --> 00:24:58,230 ロンドンは 世界の若者文化の震源地となった。 170 00:24:58,230 --> 00:25:02,134 音楽やファッション アート。 171 00:25:02,134 --> 00:25:05,604 目まぐるしく新しいものが生まれる 現象は➡ 172 00:25:05,604 --> 00:25:08,607 スウィンギング・ロンドンと呼ばれた。 173 00:25:10,275 --> 00:25:13,312 その主役は 女性たちだった。 174 00:25:13,312 --> 00:25:17,616 新進気鋭のファッションデザイナー マリー・クワント。 175 00:25:35,434 --> 00:25:38,303 彼女がデザインした ミニスカートは➡ 176 00:25:38,303 --> 00:25:44,643 階級を問わず 若い女性の間で 爆発的な人気を集めた。 177 00:25:44,643 --> 00:25:51,050 それは 女性たちを縛っていた 古い価値観からも解放した。 178 00:26:11,737 --> 00:26:14,606 ミニスカートブームの 火付け役となったのは➡ 179 00:26:14,606 --> 00:26:17,509 モデル ツイッギー。 180 00:26:17,509 --> 00:26:21,814 彼女もまた 労働者階級の出身だった。 181 00:26:51,810 --> 00:26:59,017 1964年。 ビートルズの衝撃は海を渡り アメリカに上陸した。 182 00:27:01,620 --> 00:27:06,825 空港では 3,000人の若者が 彼らを出迎えた。 183 00:27:09,228 --> 00:27:14,933 この3か月前に ケネディ大統領が暗殺されていた。 184 00:27:14,933 --> 00:27:20,739 アメリカは 新しいヒーローを求めていた。 185 00:27:20,739 --> 00:27:22,808 しかしここにも もちろん➡ 186 00:27:22,808 --> 00:27:26,812 快く思わない人たちが 待ち構えていた。 187 00:28:02,247 --> 00:28:06,118 しかし 批判を口にする人も➡ 188 00:28:06,118 --> 00:28:09,221 ビートルズが 気になってしょうがなかった。 189 00:28:11,924 --> 00:28:13,926 それを証明したのが➡ 190 00:28:13,926 --> 00:28:18,263 ビートルズが出演した 「エド・サリバン・ショー」。 191 00:28:18,263 --> 00:28:25,971 視聴率 45%。 7,300万人が テレビにくぎづけになった。 192 00:28:59,805 --> 00:29:04,643 その1週間後には  世界王者目前の若きボクサー➡ 193 00:29:04,643 --> 00:29:09,247 後のモハメド・アリとも共演した。 194 00:29:09,247 --> 00:29:15,254 白人と黒人が 無邪気にじゃれ合う映像は 新鮮な驚きを与えた。 195 00:29:48,286 --> 00:29:53,792 1960年代のアメリカは 黒人の公民権をめぐり➡ 196 00:29:53,792 --> 00:29:57,796 人種間の対立が ピークに達した時代だった。 197 00:30:12,477 --> 00:30:16,348 しかし 4人にとって黒人とは➡ 198 00:30:16,348 --> 00:30:22,254 自分たちを音楽の道に導いてくれた 尊敬すべき存在だった。 199 00:30:25,057 --> 00:30:28,660 リトル・リチャードや ファッツ・ドミノなど➡ 200 00:30:28,660 --> 00:30:33,665 黒人ミュージシャンへの敬意を 事あるごとに表明していた。 201 00:31:00,459 --> 00:31:03,962 そして この年に行った➡ 202 00:31:03,962 --> 00:31:06,798 フロリダ州ジャクソンビルでの コンサートが➡ 203 00:31:06,798 --> 00:31:09,801 アメリカ社会を揺るがせる。 204 00:31:11,636 --> 00:31:17,976 ジャクソンビルは 特に黒人差別が 激しい地域だった。 205 00:31:17,976 --> 00:31:23,115 1960年には 黒人排斥団体 クー・クラックス・クランが➡ 206 00:31:23,115 --> 00:31:27,018 集団で黒人を襲う事件まで起きていた。 207 00:31:28,820 --> 00:31:32,124 黒人の居住区は隔離され➡ 208 00:31:32,124 --> 00:31:34,826 野球観戦やコンサートでも➡ 209 00:31:34,826 --> 00:31:39,331 彼らは隅の座席に まとめて追いやられていた。 210 00:31:40,999 --> 00:31:44,669 だが それを知ったビートルズは 記者に対し➡ 211 00:31:44,669 --> 00:31:49,975 人種隔離をするなら コンサートを行わないと宣言した。 212 00:32:22,507 --> 00:32:24,810 ジャクソンビルの地元紙は➡ 213 00:32:24,810 --> 00:32:28,313 ビートルズを攻撃する 社説を掲げた。 214 00:32:31,583 --> 00:32:35,487 しかし 4人の意思は揺るがなかった。 215 00:32:40,826 --> 00:32:46,932 コンサートは 黒人の隔離席を設けず 決行されることになった。 216 00:32:50,502 --> 00:32:56,508 白人と黒人が入り交じる 2万3,000人が集まった。 217 00:32:59,511 --> 00:33:03,381 オリジナル曲だけではなく リトル・リチャードなど➡ 218 00:33:03,381 --> 00:33:07,185 黒人ミュージシャンのロックンロールも 演奏した。 219 00:33:36,114 --> 00:33:40,485 この年 公民権法が成立。 220 00:33:40,485 --> 00:33:44,122 差別意識の強い南部の ほとんどのスタジアムでも➡ 221 00:33:44,122 --> 00:33:48,526 その後 人種隔離政策は撤廃された。 222 00:33:51,496 --> 00:33:54,399 ビートルズの輝きの前では➡ 223 00:33:54,399 --> 00:33:59,504 人種も階級も 古ぼけた がらくただった。 224 00:34:48,586 --> 00:34:53,525 この黒人の少女は この二十数年後➡ 225 00:34:53,525 --> 00:34:58,630 ウーピー・ゴールドバーグという 世界的な俳優となった。 226 00:35:06,972 --> 00:35:13,278 1964年 ビートルズが アメリカから凱旋帰国した。 227 00:35:40,972 --> 00:35:46,678 1965年には イギリス経済に 貢献したことを たたえられ➡ 228 00:35:46,678 --> 00:35:51,483 エリザベス女王から 大英帝国勲章を授けられる。 229 00:35:54,119 --> 00:35:59,924 しかし 同じ勲章を受勲した軍人などが それに反発。 230 00:35:59,924 --> 00:36:03,028 勲章を返還する者もいた。 231 00:36:05,597 --> 00:36:08,266 だが 4人は意に介さず➡ 232 00:36:08,266 --> 00:36:11,469 持ち前のユーモアで やり返した。 233 00:36:25,684 --> 00:36:31,089 ビートルズは その一挙手一投足を 世界が注目する➡ 234 00:36:31,089 --> 00:36:35,794 モンスターともいえる存在となった。 235 00:36:35,794 --> 00:36:40,298 持ち味だった 気ままな振る舞い 奔放な言動は➡ 236 00:36:40,298 --> 00:36:43,301 許されなくなりつつあった。 237 00:36:49,474 --> 00:36:53,111 このころから 記者会見では決まって➡ 238 00:36:53,111 --> 00:36:56,314 ベトナム戦争など ナーバスな話題について➡ 239 00:36:56,314 --> 00:37:00,585 発言を求められ始めた。 240 00:37:00,585 --> 00:37:04,255 マネージャーのエプスタインは バンドを守るため➡ 241 00:37:04,255 --> 00:37:07,959 政治的な発言をしないよう 4人に求めていた。 242 00:37:09,594 --> 00:37:13,465 しかし 4人はまだ20代半ば。 243 00:37:13,465 --> 00:37:16,868 執拗な質問を かわし切れなくなる。 244 00:37:34,819 --> 00:37:41,626 1966年の世界ツアーで ビートルズのストレスは頂点に達する。 245 00:37:43,461 --> 00:37:48,333 6月の日本公演では 伝統の武道の場 武道館を➡ 246 00:37:48,333 --> 00:37:54,973 外国人のコンサートに使わせることに 右翼団体が激しく抗議。 247 00:37:54,973 --> 00:37:58,276 テロ予告まで起こる騒ぎとなった。 248 00:38:15,593 --> 00:38:19,931 これは 去年公開された映像。 249 00:38:19,931 --> 00:38:26,638 ビートルズ来日に伴う警備の様子を 警視庁自ら撮影したものである。 250 00:38:31,075 --> 00:38:37,615 4人のために駆り出された 警察官の数は 8,000人。 251 00:38:37,615 --> 00:38:45,123 会場周辺は 警官と右翼がにらみ合う 異様な雰囲気に包まれた。 252 00:38:53,631 --> 00:38:59,337 4人は 身の安全のため ホテルから出ることを許されなかった。 253 00:39:12,984 --> 00:39:16,854 4人が次に向かったのは フィリピン。 254 00:39:16,854 --> 00:39:20,959 ここでも 身の危険を感じる 出来事が起こった。 255 00:39:23,928 --> 00:39:28,600 大統領夫人のパーティーを ビートルズが欠席したというだけで➡ 256 00:39:28,600 --> 00:39:34,105 国民感情が刺激され 暴動に発展したのだ。 257 00:39:37,075 --> 00:39:41,379 4人を 怒りに燃えた群衆が取り囲んだ。 258 00:39:42,947 --> 00:39:46,084 コンサートの売り上げを放棄することで➡ 259 00:39:46,084 --> 00:39:49,988 ようやく フィリピンを離れることができた。 260 00:40:00,298 --> 00:40:05,303 更に 翌月のアメリカツアーでも 事件が起こる。 261 00:40:10,942 --> 00:40:15,647 ジョン・レノンが新聞のインタビューで 何気なく発した言葉が➡ 262 00:40:15,647 --> 00:40:18,549 キリスト教批判であると曲解され➡ 263 00:40:18,549 --> 00:40:21,853 大規模な不買運動が始まった。 264 00:40:30,995 --> 00:40:37,669 不買運動はエスカレートし 殺害予告まで突きつけられた。 265 00:40:37,669 --> 00:40:41,072 ジョンは 釈明に追われた。 266 00:41:07,665 --> 00:41:15,573 一連の出来事は 4人から 人前に出て演奏する意欲を奪っていった。 267 00:41:30,655 --> 00:41:34,992 1966年8月29日。 268 00:41:34,992 --> 00:41:38,496 4人はこの日の サンフランシスコ公演を➡ 269 00:41:38,496 --> 00:41:42,367 最後のコンサートにしようと決めた。 270 00:41:42,367 --> 00:41:47,839 これは ステージに上がる直前の姿を 捉えた写真。 271 00:41:47,839 --> 00:41:53,344 ジョンは 最後となるコンサートを 記録しようと カメラを持っている。 272 00:41:59,550 --> 00:42:07,091 そしてポールは ひそかに演奏を 録音するよう スタッフに頼んだ。 273 00:42:07,091 --> 00:42:10,294 これが その音源である。 274 00:42:25,810 --> 00:42:30,481 彼らがこの日 最後に演奏したのは…。 275 00:42:30,481 --> 00:42:38,990 ♬~ 276 00:42:38,990 --> 00:42:43,861 9年前 ジョンとポールを結び付け 全ての始まりとなった➡ 277 00:42:43,861 --> 00:42:48,499 「Long Tall Sally」 「のっぽのサリー」だった。 278 00:42:48,499 --> 00:43:04,015 ♬~ 279 00:44:09,814 --> 00:44:39,810 ♬~