1 00:00:02,202 --> 00:00:09,610 ♬~ 2 00:00:09,610 --> 00:00:11,545 ♬~ 3 00:00:11,545 --> 00:00:18,285 これは 1936年に アメリカで撮影された コンサートの映像。 4 00:00:18,285 --> 00:00:24,291 ここでは 当時 発明されたばかりの ある楽器が使われている。 5 00:00:30,631 --> 00:00:37,504 弦の振動を 電気信号に変える 画期的なアイデアは 人々を驚かせた。 6 00:00:37,504 --> 00:00:41,642 ♬~ 7 00:00:41,642 --> 00:00:48,949 各社は こぞって新製品を開発し 瞬く間に世界中に普及した。 8 00:00:51,318 --> 00:00:58,025 その耳をつんざく攻撃的な音は 新たな音楽 ロックンロールを生みだした。 9 00:01:00,127 --> 00:01:08,835 そして それは 単なる娯楽にとどまらず 自由を求める若者たちの叫びともなった。 10 00:01:10,804 --> 00:01:17,811 ロックが生まれた時代 それは 米ソが激しく対立する冷戦の時代だった。 11 00:01:21,949 --> 00:01:26,820 世界は 壁で分断され 人の行き来は閉ざされたが➡ 12 00:01:26,820 --> 00:01:32,526 ロックは 壁をすり抜け 東側にも届いていた。 13 00:01:35,495 --> 00:01:41,501 冷戦の壁を崩壊に導いた 3人のロックシンガーがいる。 14 00:01:43,637 --> 00:01:48,976 ニナ・ハーゲンは 秘密警察の恐怖が支配する➡ 15 00:01:48,976 --> 00:01:52,279 東ドイツで生まれ育った。 16 00:01:53,847 --> 00:02:01,154 19歳のニナは その灰色の世界を ひそかに歌で表現した。 17 00:02:02,923 --> 00:02:12,933 ♬~ 18 00:02:12,933 --> 00:02:20,240 その歌に秘められたメッセージは 東ドイツの誰もが理解していた。 19 00:02:22,943 --> 00:02:26,613 ニューヨークでは ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドという➡ 20 00:02:26,613 --> 00:02:30,317 売れないロックバンドが 活動を続けていた。 21 00:02:32,285 --> 00:02:34,588 率いたのは… 22 00:02:36,957 --> 00:02:39,292 タブーを恐れない その歌は➡ 23 00:02:39,292 --> 00:02:45,966 チェコスロバキアの 若き劇作家の心を捉えた。 24 00:02:45,966 --> 00:02:48,301 チェコに渡った その音楽は➡ 25 00:02:48,301 --> 00:02:54,307 巡り巡って 前代未聞の無血革命を引き起こした。 26 00:02:56,977 --> 00:03:00,247 革命は くしくもバンド名と同じ➡ 27 00:03:00,247 --> 00:03:03,917 「ヴェルヴェット レボリューション」と 名付けられ➡ 28 00:03:03,917 --> 00:03:07,621 劇作家は 大統領となった。 29 00:03:26,940 --> 00:03:32,279 1987年 ロンドン生まれの スーパースターが➡ 30 00:03:32,279 --> 00:03:36,583 ベルリンの壁の前で 野外ライブを行った。 31 00:03:38,151 --> 00:03:45,859 その大音響は 壁の向こう側 東ドイツの若者のハートに火をつけた。 32 00:04:02,909 --> 00:04:06,780 自由を求める人々のエネルギーは 膨れあがり➡ 33 00:04:06,780 --> 00:04:10,784 ついには 壁の崩壊へとつながっていく。 34 00:04:32,606 --> 00:04:39,279 誰かのささやかな営みが ときに 世界を動かすことがある。 35 00:04:39,279 --> 00:04:43,150 「映像の世紀 バタフライエフェクト」。 36 00:04:43,150 --> 00:04:51,158 3人のミュージシャンと その音楽に鼓舞された人々の物語である。 37 00:05:04,437 --> 00:05:08,441 物語は 今から60年前➡ 38 00:05:08,441 --> 00:05:13,580 イギリスで あるロックバンドが デビューしたことから始まる。 39 00:05:13,580 --> 00:05:17,250 (歓声) 40 00:05:17,250 --> 00:05:42,275 ♬~ 41 00:05:42,275 --> 00:05:44,211 ビートルズの最大の特徴は➡ 42 00:05:44,211 --> 00:05:49,616 自分たちで 作詞作曲をこなしたことだった。 43 00:05:49,616 --> 00:05:52,519 若者の等身大の言葉➡ 44 00:05:52,519 --> 00:05:56,957 オリジナリティーあふれるサウンド ヘアスタイル。 45 00:05:56,957 --> 00:06:00,260 これまでと 何もかも違っていた。 46 00:06:02,562 --> 00:06:07,868 その熱狂は 瞬く間に 世界中に広がっていった。 47 00:06:09,436 --> 00:06:18,745 ♬~ 48 00:06:26,586 --> 00:06:31,591 1966年には 日本を訪れている。 49 00:06:35,262 --> 00:06:42,269 これは 今年9月に 新たに公開された ライブ当日の映像。 50 00:06:43,937 --> 00:06:48,942 3日間の公演に 5万人の若者が集まった。 51 00:06:51,611 --> 00:06:54,948 警備は 厳戒態勢で行われ➡ 52 00:06:54,948 --> 00:07:02,656 この たった4人のために動員された 警察官の数は 延べ8,000人に上った。 53 00:07:06,559 --> 00:07:13,867 だが この世界的なブームを 冷めた目で見つめる国々があった。 54 00:07:18,905 --> 00:07:23,910 ソ連をはじめとする 東側諸国である。 55 00:07:26,579 --> 00:07:32,452 当時のソ連では ロックは 西側の堕落した音楽と見なされ➡ 56 00:07:32,452 --> 00:07:35,455 厳しい管理下に置かれていた。 57 00:07:38,925 --> 00:07:44,931 ビートルズを攻撃するための プロパガンダ映像まで作られている。 58 00:08:04,551 --> 00:08:07,454 熱狂する若者の姿と➡ 59 00:08:07,454 --> 00:08:11,424 秘密結社 クー・クラックス・クランなどの 映像をモンタージュし➡ 60 00:08:11,424 --> 00:08:14,127 その異常性を強調した。 61 00:08:33,580 --> 00:08:40,587 しかし ビートルズの音楽は やすやすと冷戦の壁を超えた。 62 00:08:42,589 --> 00:08:46,593 これは ソ連で違法に生産されていた… 63 00:08:50,930 --> 00:08:53,833 病院で廃棄されたレントゲン写真に➡ 64 00:08:53,833 --> 00:08:58,538 西側のロックミュージックを ひそかに刻んだ。 65 00:09:02,542 --> 00:09:04,477 逮捕される危険も覚悟で➡ 66 00:09:04,477 --> 00:09:08,481 数百万枚の ろっ骨レコードが 売り買いされた。 67 00:09:16,890 --> 00:09:25,231 これは 1971年に撮影された ソ連のバンドのライブ映像。 68 00:09:25,231 --> 00:09:32,906 ♬~ 69 00:09:32,906 --> 00:09:40,780 歌っているのは 厳しく 規制されているはずのビートルズである。 70 00:09:40,780 --> 00:09:45,485 検閲を すり抜けたのか あるいは 黙認されたのか➡ 71 00:09:45,485 --> 00:09:49,923 ビートルズの コピーバンドが 大量に出現。 72 00:09:49,923 --> 00:09:53,226 熱狂的な人気を集めていた。 73 00:10:16,149 --> 00:10:20,620 東ドイツに住む少女 ニナ・ハーゲンも➡ 74 00:10:20,620 --> 00:10:25,925 60年代に ビートルズに出会い 衝撃を受けた。 75 00:10:43,309 --> 00:10:46,646 歌と演技の才能に恵まれたニナは➡ 76 00:10:46,646 --> 00:10:50,350 その後 テレビや映画で 活躍するようになる。 77 00:10:57,657 --> 00:11:06,666 しかし 自由奔放な活動を続けるうちに ニナは 当局に目を付けられてしまう。 78 00:11:08,268 --> 00:11:13,973 これは 隠し撮りされたニナの写真。 79 00:11:15,942 --> 00:11:20,280 国は 西側と通じている者を あぶり出すため➡ 80 00:11:20,280 --> 00:11:25,985 秘密警察シュタージを使って 市民を監視していた。 81 00:11:29,289 --> 00:11:31,624 この監視映像は➡ 82 00:11:31,624 --> 00:11:36,963 西側のミュージシャンのファッションを まねた若者たちを マークしている。 83 00:11:36,963 --> 00:11:42,268 それだけで 危険思想の持ち主として 警戒されていた。 84 00:12:12,599 --> 00:12:17,270 ニナは その後 自由のない国への怒りを込めた➡ 85 00:12:17,270 --> 00:12:22,275 国民的ヒット曲を生みだすことになる。 86 00:12:27,280 --> 00:12:32,619 そのころ 同じくソ連の衛星国である チェコスロバキアでは➡ 87 00:12:32,619 --> 00:12:35,622 画期的な変化が起きていた。 88 00:12:44,230 --> 00:12:47,166 改革派の政治家が指導者となり➡ 89 00:12:47,166 --> 00:12:51,871 「プラハの春」と呼ばれる 民主化運動を始めたのだ。 90 00:12:56,643 --> 00:13:02,649 目指したのは 社会主義と自由を両立させることだった。 91 00:13:31,477 --> 00:13:36,616 プラハの春は 市民の暮らしを大きく変えた。 92 00:13:36,616 --> 00:13:42,322 ファッションは 西欧化し ミニスカートの若者たちが出現した。 93 00:13:45,625 --> 00:13:50,330 この時期に 一躍 国民的歌手となったのが… 94 00:13:55,301 --> 00:13:59,972 平和な時代が続くことを願った 「マルタの祈り」は➡ 95 00:13:59,972 --> 00:14:04,677 プラハの春を象徴する 大ヒット曲となった。 96 00:14:07,246 --> 00:14:40,246 ♬~ 97 00:14:58,531 --> 00:15:03,436 ♬~ 98 00:15:03,436 --> 00:15:05,905 西側の音楽も解禁され➡ 99 00:15:05,905 --> 00:15:10,777 若者たちは 大手を振って ビートルズを楽しめるようになった。 100 00:15:10,777 --> 00:15:19,919 ♬~ 101 00:15:19,919 --> 00:15:28,227 この時期 あるアメリカのロックバンドが チェコで 熱狂的な人気を集め始める。 102 00:15:34,267 --> 00:15:39,972 ニューヨーク生まれの若者 ルー・リードが 結成したバンドである。 103 00:15:52,285 --> 00:15:54,220 ♬~ 104 00:15:54,220 --> 00:15:58,624 麻薬中毒であり ゲイであることも 公言していたリードは➡ 105 00:15:58,624 --> 00:16:05,431 タブーを恐れず 自らの経験を創作の源とした。 106 00:16:05,431 --> 00:16:39,599 ♬~ 107 00:16:39,599 --> 00:16:42,935 このマイナーなロックバンドを チェコで はやらせたのは➡ 108 00:16:42,935 --> 00:16:48,241 若き劇作家 ヴァーツラフ・ハヴェルだった。 109 00:16:50,810 --> 00:16:53,946 民主化で許されたアメリカ公演のさなか➡ 110 00:16:53,946 --> 00:17:00,253 ハヴェルは 西側の文化を知ろうと レコード屋に立ち寄った。 111 00:17:04,557 --> 00:17:10,563 そこで 偶然 手に取ったのが ヴェルヴェットのレコードだった。 112 00:17:40,459 --> 00:17:44,931 ハヴェルが チェコに持ち帰った ヴェルヴェットの音楽に心酔し➡ 113 00:17:44,931 --> 00:17:47,934 一つのロックバンドが結成された。 114 00:17:51,604 --> 00:17:54,607 通称「PPU」。 115 00:18:21,567 --> 00:18:27,239 ♬~ 116 00:18:27,239 --> 00:18:30,142 人気バンドとなった PPU。 117 00:18:30,142 --> 00:18:37,149 その後 彼らの存在が この国の運命を 大きく変えることになる。 118 00:18:41,587 --> 00:18:44,490 一方 当のヴェルヴェットは➡ 119 00:18:44,490 --> 00:18:50,930 その難解さゆえに アメリカでの セールスは低迷を続けていた。 120 00:18:50,930 --> 00:18:59,238 だが その暗い叙情性と哲学的な詩は 最先端の若者を熱狂させていた。 121 00:19:01,207 --> 00:19:03,876 ロンドンに住む 19歳の若者➡ 122 00:19:03,876 --> 00:19:09,582 ブレーク前の デヴィッド・ボウイも その一人だった。 123 00:19:41,580 --> 00:19:45,918 ボウイは その後 奇抜な衣装と どぎついメークで➡ 124 00:19:45,918 --> 00:19:51,791 グラムロックというカテゴリーを切り開き 一躍 スーパースターとなる。 125 00:19:51,791 --> 00:20:20,820 ♬~ 126 00:20:20,820 --> 00:20:25,591 デヴィッド・ボウイ ニナ・ハーゲン ルー・リード。 127 00:20:25,591 --> 00:20:32,965 冷戦の壁崩壊に向けて バタフライエフェクトを 起こすことになる 3人の音楽。 128 00:20:32,965 --> 00:20:39,972 その音楽もまた 3人の間で起きた バタフライエフェクトから生まれたものだった。 129 00:20:48,981 --> 00:20:52,685 1968年8月。 130 00:20:57,656 --> 00:21:03,462 一夜にして プラハの街を 数千台の戦車が埋め尽くした。 131 00:21:03,462 --> 00:21:07,466 チェコスロバキアの 急激な民主化を警戒したソ連が➡ 132 00:21:07,466 --> 00:21:12,471 ワルシャワ条約機構軍を率いて 軍事侵攻を始めたのだ。 133 00:21:15,608 --> 00:21:19,478 (銃撃音) 134 00:21:19,478 --> 00:21:27,186 抵抗する市民は 容赦なく撃たれ 一晩で 数十人が犠牲になった。 135 00:21:30,623 --> 00:21:36,929 若者たちは 武器を持たずに 戦車の前に立ちはだかった。 136 00:21:51,310 --> 00:21:56,182 劇作家 ハヴェルも立ち上がった。 137 00:21:56,182 --> 00:21:58,984 放送を続けるラジオ局に駆け込み➡ 138 00:21:58,984 --> 00:22:03,689 市民に向け メッセージを発した。 139 00:22:30,282 --> 00:22:33,953 しかし 人々の抵抗もむなしく➡ 140 00:22:33,953 --> 00:22:40,826 チェコ議会は ソ連の圧力に屈し 軍隊の駐留を受け入れた。 141 00:22:40,826 --> 00:22:43,295 改革派のドプチェクに代わり➡ 142 00:22:43,295 --> 00:22:48,300 ソ連に忠実なフサークが 第一書記に就任した。 143 00:23:01,780 --> 00:23:05,784 (拍手) 144 00:23:07,920 --> 00:23:10,589 プラハの春は 終わりを告げ➡ 145 00:23:10,589 --> 00:23:15,895 反体制的な人物への弾圧は 激しさを増した。 146 00:23:20,266 --> 00:23:23,602 ソ連の侵攻に抵抗したハヴェルは➡ 147 00:23:23,602 --> 00:23:29,909 全ての作品の公開を禁じられ ビール工場で働いた。 148 00:23:34,246 --> 00:23:39,952 西側のロックを歌った PPUも 公の場での演奏を禁じられ➡ 149 00:23:39,952 --> 00:23:44,657 アンダーグラウンドでの活動を 余儀なくされた。 150 00:23:50,296 --> 00:23:55,968 国民的歌手のクビショヴァは 厳しい検閲をかいくぐり➡ 151 00:23:55,968 --> 00:23:59,972 歌で 抵抗の意思を示した。 152 00:24:02,574 --> 00:24:10,449 ♬~ 153 00:24:10,449 --> 00:24:13,218 ビートルズの「Hey Jude」。 154 00:24:13,218 --> 00:24:21,593 その歌詞を チェコ語に移す際に 人々へのメッセージを忍び込ませた。 155 00:24:21,593 --> 00:24:39,278 ♬~ 156 00:24:53,292 --> 00:25:19,251 ♬~ 157 00:25:19,251 --> 00:25:25,591 国民の誰もが この歌に込められた メッセージを感じ取っていた。 158 00:25:25,591 --> 00:25:31,597 レコードは 60万枚という 空前の売り上げを記録した。 159 00:25:36,235 --> 00:25:41,607 同じ頃 チェコスロバキアの隣国 東ドイツでも➡ 160 00:25:41,607 --> 00:25:46,478 抵抗のメッセージを潜ませた歌が 大ヒットする。 161 00:25:46,478 --> 00:26:01,894 ♬~ 162 00:26:01,894 --> 00:26:07,199 かつて ビートルズに憧れた少女 ニナ・ハーゲンの歌う… 163 00:26:09,234 --> 00:26:12,538 ニナは 19歳になっていた。 164 00:26:15,574 --> 00:26:18,477 ボーイフレンドが カラーフィルムを忘れたせいで➡ 165 00:26:18,477 --> 00:26:22,247 写真が全部 白黒になってしまった。 166 00:26:22,247 --> 00:26:31,256 そんな女性の嘆きに 東ドイツの灰色の世界への怒りを託した。 167 00:26:31,256 --> 00:26:53,946 ♬~ 168 00:26:53,946 --> 00:27:00,652 東ドイツの2人に1人が歌えるという 国民的ヒットとなった この歌。 169 00:27:02,754 --> 00:27:06,225 女子学生 アンゲラ・メルケルも➡ 170 00:27:06,225 --> 00:27:11,530 この歌を レコードが すり切れるほど聴いていた。 171 00:27:20,572 --> 00:27:25,878 そのころ メルケルは 大学で物理学を学んでいた。 172 00:27:46,798 --> 00:27:50,936 大学卒業後 メルケルは➡ 173 00:27:50,936 --> 00:27:57,276 国の研究機関のトップ 科学アカデミーで 研究者の職を得る。 174 00:27:57,276 --> 00:28:00,879 だが 当時のメルケルを知る同僚は➡ 175 00:28:00,879 --> 00:28:07,186 彼女のことを 魂を失った人間だったと表現する。 176 00:28:37,249 --> 00:28:41,587 (ニナの叫び声) 177 00:28:41,587 --> 00:28:47,459 そのころ ニナ・ハーゲンは 西側に 亡命を果たしていた。 178 00:28:47,459 --> 00:28:53,765 亡命後のニナは 同じ人物とは 思えないほどの変身を遂げていた。 179 00:28:55,934 --> 00:29:01,540 西側を席巻していたパンクロックや デヴィッド・ボウイに影響されたニナは➡ 180 00:29:01,540 --> 00:29:06,845 東ドイツでの鬱憤を晴らすかのように 躍動していた。 181 00:29:08,413 --> 00:29:19,091 ♬~ 182 00:29:19,091 --> 00:29:26,398 しかし 亡命したあとも 故郷を思う気持ちは変わらなかった。 183 00:29:53,792 --> 00:29:56,595 ニナの亡命と同じ年➡ 184 00:29:56,595 --> 00:30:01,900 一人のミュージシャンが 西ベルリンに移り住んできた。 185 00:30:04,936 --> 00:30:07,239 デヴィッド・ボウイである。 186 00:30:10,609 --> 00:30:12,944 グラムロックのスーパースターとして➡ 187 00:30:12,944 --> 00:30:16,815 世界のティーンエージャーの 熱狂を集めていた ボウイ。 188 00:30:16,815 --> 00:30:23,522 しかし どぎついメークで隠した素顔は 疲弊しきっていた。 189 00:30:25,524 --> 00:30:28,493 けん騒から逃れるために やって来たのが➡ 190 00:30:28,493 --> 00:30:35,801 東ドイツの中に 離れ小島のように 浮かぶ街 西ベルリンだった。 191 00:31:15,607 --> 00:31:23,482 このころ ボウイは 亡命後のニナと出会い 後に 同じステージにも立っている。 192 00:31:23,482 --> 00:31:30,622 2人が どんな会話を交わしたのか 記録には残されていない。 193 00:31:30,622 --> 00:31:34,292 いつも ニナの頭の中にあったのは➡ 194 00:31:34,292 --> 00:31:38,964 壁の向こう側に残した 家族や友人のことだった。 195 00:31:38,964 --> 00:31:45,270 ニナが ボウイに語ったことは 例えば こんなことだったのかもしれない。 196 00:32:09,594 --> 00:32:15,934 壁に囲まれた 西ベルリンで過ごすこと1年。 197 00:32:15,934 --> 00:32:20,272 ボウイは ある曲を書き上げる。 198 00:32:20,272 --> 00:33:05,250 ♬~ 199 00:33:05,250 --> 00:33:10,922 ベルリンの壁の下で出会う 男女を描いた「Heroes」。 200 00:33:10,922 --> 00:33:17,629 どぎついメークも 奇抜な衣装とも 決別しての再スタートだった。 201 00:33:20,265 --> 00:33:23,602 ボウイに この曲のインスピレーションを 与えたのは➡ 202 00:33:23,602 --> 00:33:30,308 かつて 衝撃を受けた ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの あの歌だった。 203 00:34:02,440 --> 00:34:28,133 ♬~ 204 00:34:34,606 --> 00:34:42,914 1976年 市民への弾圧が続く チェコスロバキアで 事件が起こった。 205 00:35:03,568 --> 00:35:06,237 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに 心酔し➡ 206 00:35:06,237 --> 00:35:11,943 結成されたバンド PPUが 逮捕されたのだ。 207 00:35:13,578 --> 00:35:19,584 国営テレビは PPUが いかに非道徳的であるかを あおりたてた。 208 00:35:48,480 --> 00:35:51,616 逮捕の理由は➡ 209 00:35:51,616 --> 00:35:55,286 バンドマネージャーの 結婚パーティーで ロックを演奏したという➡ 210 00:35:55,286 --> 00:35:59,157 ただ それだけだった。 211 00:35:59,157 --> 00:36:01,092 この逮捕に 声を上げたのは➡ 212 00:36:01,092 --> 00:36:07,866 ひそかに 演劇活動を続けていた 劇作家 ハヴェルだった。 213 00:36:07,866 --> 00:36:13,772 このままでは この国から 一切の表現の自由が失われてしまうと➡ 214 00:36:13,772 --> 00:36:16,775 強い危機感を抱いた。 215 00:36:55,947 --> 00:37:02,954 ハヴェルは PPUの逮捕に対して 共に抗議しようと 周囲に説いて回った。 216 00:37:04,556 --> 00:37:07,892 この行動が 知識人たちの支持を集め➡ 217 00:37:07,892 --> 00:37:13,898 ハヴェルを中心とする 反体制派のコミュニティーが結成された。 218 00:37:16,568 --> 00:37:25,276 そんなハヴェルを 当局は強く警戒し 厳しい監視下に置くようになる。 219 00:37:29,147 --> 00:37:35,453 犬の散歩をする時ですら 警官が付きまとった。 220 00:38:19,898 --> 00:38:26,771 1979年 ハヴェルは ついに 共和国転覆行為の罪を着せられ➡ 221 00:38:26,771 --> 00:38:31,476 懲役4年半の実刑判決を受ける。 222 00:38:33,444 --> 00:38:42,453 その間 自由な芸術を求める人々が 足を運んだのは PPUのライブだった。 223 00:38:46,124 --> 00:38:50,862 刑期を終えたメンバーは ハヴェルから別荘を借り受け➡ 224 00:38:50,862 --> 00:38:56,568 ひそかに だが精力的に ライブ活動を行った。 225 00:38:58,603 --> 00:39:05,310 そこには 当局の目を盗み 毎回 200人ほどの人々が詰めかけた。 226 00:39:33,238 --> 00:39:40,545 更に ハヴェルの逮捕の翌年 世界に衝撃を与える事件が起きた。 227 00:39:50,788 --> 00:39:55,260 1980年12月8日。 228 00:39:55,260 --> 00:39:59,130 ジョン・レノンが ファンを名乗る男に➡ 229 00:39:59,130 --> 00:40:03,134 ニューヨークの自宅前で 撃ち殺されたのだ。 230 00:40:10,608 --> 00:40:13,945 (歌声) 231 00:40:13,945 --> 00:40:20,818 その突然の死を悲しんだのは 西側の人々だけではなかった。 232 00:40:20,818 --> 00:40:28,293 ♬~ 233 00:40:28,293 --> 00:40:32,964 死の翌日 プラハ市内の裏通りの壁に➡ 234 00:40:32,964 --> 00:40:38,636 何者かが ジョン・レノンの墓標を描いた。 235 00:40:38,636 --> 00:40:41,973 それを見た若者たちは あとに続き➡ 236 00:40:41,973 --> 00:40:48,279 平和や自由を願うメッセージで 壁を埋め尽くした。 237 00:41:05,763 --> 00:41:07,699 この壁は いつしか➡ 238 00:41:07,699 --> 00:41:12,537 「レノン・ウォール」と 呼ばれるようになった。 239 00:41:12,537 --> 00:41:17,275 2014年には 民主化運動の続く香港にも出現するなど➡ 240 00:41:17,275 --> 00:41:24,282 若者たちが抵抗の意思を示す 世界的現象として広がっていく。 241 00:41:37,328 --> 00:41:40,798 この日 ベルリンの壁の前の広場で➡ 242 00:41:40,798 --> 00:41:44,402 一人のミュージシャンが 野外ライブを行った。 243 00:41:49,107 --> 00:41:51,743 世界中を巡るツアーの一か所に➡ 244 00:41:51,743 --> 00:41:55,613 かつて住んだ西ベルリンを選んだのだ。 245 00:41:55,613 --> 00:41:58,216 (歓声) 246 00:41:58,216 --> 00:42:02,086 ボウイは この時 スピーカーの4分の1を➡ 247 00:42:02,086 --> 00:42:06,791 壁の向こう側 東ベルリンに向けていた。 248 00:42:22,373 --> 00:42:28,813 そして この街で生まれた 「Heroes」を歌う。 249 00:42:28,813 --> 00:42:46,798 ♬~ 250 00:42:59,143 --> 00:43:03,981 (歓声) 251 00:43:03,981 --> 00:43:09,487 ボウイの歌は 確かに壁の向こうに届いていた。 252 00:43:14,959 --> 00:43:20,965 そして 興奮した若者たちは 驚くべき言葉を口にした。 253 00:43:38,816 --> 00:43:40,751 東ドイツの人々が➡ 254 00:43:40,751 --> 00:43:44,388 表立って権力に逆らうのは かつてないことだった。 255 00:43:44,388 --> 00:43:53,798 ♬~ 256 00:44:12,016 --> 00:44:16,921 若者たちは増え続け 5,000人にまで膨れ上がった。 257 00:44:18,789 --> 00:44:24,195 ライブが終わっても立ち去らず 逮捕者まで出る騒ぎになった。 258 00:44:28,466 --> 00:44:31,269 更に半年後の12月8日。 259 00:44:31,269 --> 00:44:34,572 チェコスロバキアでも事件が起きた。 260 00:44:38,776 --> 00:44:41,579 ジョン・レノンの命日の この日➡ 261 00:44:41,579 --> 00:44:45,116 800人の若者が レノン・ウォールの前に集まり➡ 262 00:44:45,116 --> 00:44:47,718 追悼ライブを行っていた。 263 00:44:47,718 --> 00:44:53,090 だが その集会を危険視した当局が 突如 介入。 264 00:44:53,090 --> 00:44:56,794 参加者を軒並み逮捕したのだ。 265 00:45:25,456 --> 00:45:29,460 ロックミュージックが火をつけた 若者たちの自由への叫びは➡ 266 00:45:29,460 --> 00:45:33,965 この2年後 冷戦の壁崩壊という➡ 267 00:45:33,965 --> 00:45:38,269 世界を大きく揺るがす出来事へと つながっていく。 268 00:45:41,472 --> 00:45:45,376 きっかけは 一人の高官の失言だった。 269 00:45:51,916 --> 00:45:55,319 東ドイツで開かれた 政府の定例会見で➡ 270 00:45:55,319 --> 00:45:58,823 ある画期的な政令案が示された。 271 00:46:03,361 --> 00:46:06,964 ビザさえ申請すれば 国外旅行を認めるという… 272 00:46:09,667 --> 00:46:13,871 高まる市民の不満を鎮める懐柔策だった。 273 00:46:28,152 --> 00:46:33,958 だが その会見で 報道官は 致命的な失言を発した。 274 00:46:44,502 --> 00:46:48,372 予定では 翌日に発行のはずだった。 275 00:46:48,372 --> 00:46:54,278 しかも 出国に ビザが必要なことも伝え忘れた。 276 00:47:07,358 --> 00:47:10,394 ニュースを見た市民が 国境を越え➡ 277 00:47:10,394 --> 00:47:14,098 西ベルリンに行こうと押し寄せた。 278 00:47:14,098 --> 00:47:17,001 翌日から ビザを持つ者だけを通して➡ 279 00:47:17,001 --> 00:47:22,006 出国をコントロールしようという 政府の もくろみは狂った。 280 00:47:46,130 --> 00:47:50,234 この検問所の責任者 ハラルド・イエーガーは➡ 281 00:47:50,234 --> 00:47:52,737 ニュースを食堂で見ていた。 282 00:47:54,705 --> 00:47:58,209 ニュースを見て 慌てて駆けつけてきた。 283 00:48:08,052 --> 00:48:10,121 何も知らされていなかった イエーガーは➡ 284 00:48:10,121 --> 00:48:14,425 上官に電話したが 指示は得られなかった。 285 00:48:19,163 --> 00:48:23,634 夜9時には 検問所に押し寄せた市民の数は➡ 286 00:48:23,634 --> 00:48:26,337 数万に達した。 287 00:48:55,266 --> 00:48:59,670 イエーガーは 独断で命令を下す。 288 00:49:18,522 --> 00:49:22,026 そして 夜11時半。 289 00:49:41,545 --> 00:49:46,450 ゲートをくぐる人たちの中に あの女性もいた。 290 00:49:48,319 --> 00:49:51,021 物理学者のメルケル。 291 00:49:51,021 --> 00:49:55,125 週に一度の楽しみである サウナの帰り道だった。 292 00:50:18,682 --> 00:50:26,423 ♬~ 293 00:50:26,423 --> 00:50:31,428 この体験は その後のメルケルの人生を 大きく変える。 294 00:50:33,264 --> 00:50:38,569 物理学者の地位を捨て 政治家への道を志す。 295 00:50:44,608 --> 00:50:48,212 そして 壁の崩壊から3日後。 296 00:50:48,212 --> 00:50:57,755 ♬~ 297 00:50:57,755 --> 00:51:02,559 西側に亡命していた ニナ・ハーゲンが ベルリンへ駆けつけた。 298 00:51:04,528 --> 00:51:10,334 世界ツアーをキャンセルし 壁崩壊を祝うコンサートを開いた。 299 00:51:10,334 --> 00:51:13,437 東西の市民を無料で招いた。 300 00:51:54,745 --> 00:52:00,150 (歓声) 301 00:52:03,454 --> 00:52:09,660 ベルリンの壁崩壊は 隣国 チェコの若者の背中を押した。 302 00:52:09,660 --> 00:52:12,963 崩壊の1週間後 今度はプラハで➡ 303 00:52:12,963 --> 00:52:17,768 共産党政権に対する 大規模な抗議デモが発生する。 304 00:52:38,822 --> 00:52:43,327 事態を鎮めようと 当局は軍隊を派遣するが➡ 305 00:52:43,327 --> 00:52:46,830 かえってデモは勢いを増していく。 306 00:53:01,645 --> 00:53:04,248 若者たちのデモを 国全体を巻き込む➡ 307 00:53:04,248 --> 00:53:08,452 大きなうねりへと導いたのは ハヴェルだった。 308 00:53:11,689 --> 00:53:17,795 ハヴェルは 事態の推移を見守っていた 市民たちに団結を呼びかけた。 309 00:53:19,530 --> 00:53:25,936 その訴えに市民も応じ 連日のデモは 20万人規模に達した。 310 00:53:27,871 --> 00:53:33,510 共産党幹部は なおも事態の鎮静を図るが➡ 311 00:53:33,510 --> 00:53:38,715 一度あふれ出した民衆の怒りを 鎮めるすべはなかった。 312 00:53:47,991 --> 00:53:52,396 (歓声) 313 00:54:05,409 --> 00:54:10,214 共産党の宣伝機関と化していた 国営テレビも立ち上がった。 314 00:54:31,869 --> 00:54:36,673 そして デモ発生から1週間後。 315 00:54:36,673 --> 00:54:48,685 ♬~ 316 00:54:54,992 --> 00:55:00,497 (歓声と拍手) 317 00:55:06,370 --> 00:55:11,975 ソ連の侵攻から20年間 人々は 諦めなかった。 318 00:55:15,212 --> 00:55:19,816 市民が新たな大統領に選んだのは ハヴェルだった。 319 00:55:33,063 --> 00:55:36,934 ハヴェルは 人々に語りかけた。 320 00:55:36,934 --> 00:55:41,238 (歓声) 321 00:56:04,027 --> 00:56:06,930 この革命を祝うため登場したのは➡ 322 00:56:06,930 --> 00:56:10,834 かつての国民的歌手 マルタ・クビショヴァ。 323 00:56:17,441 --> 00:56:47,037 ♬~ 324 00:56:47,037 --> 00:56:52,142 (歓声と拍手) 325 00:56:53,810 --> 00:56:56,713 この前代未聞の無血革命は➡ 326 00:56:56,713 --> 00:56:59,816 絹のように滑らかに 果たされたことから… 327 00:57:03,253 --> 00:57:05,555 …と呼ばれた。 328 00:57:09,192 --> 00:57:14,598 この革命について ハヴェルは 後に こう語っている。 329 00:57:59,142 --> 00:58:05,882 1990年 一人の男が 大統領となったハヴェルを訪ねて➡ 330 00:58:05,882 --> 00:58:08,085 プラハにやって来た。 331 00:58:11,521 --> 00:58:14,124 ルー・リードである。 332 00:58:17,661 --> 00:58:20,931 アメリカの雑誌から 取材依頼を受けたハヴェルが➡ 333 00:58:20,931 --> 00:58:24,534 インタビュアーとして リードを指名したのだ。 334 00:59:48,018 --> 00:59:52,222 この日の夜 リードは プラハの人々のために➡ 335 00:59:52,222 --> 00:59:54,825 小さなステージに立った。 336 00:59:59,696 --> 01:00:01,998 ♬~ 337 01:00:01,998 --> 01:00:07,304 一緒にステージに上がったのは あのPPUのメンバーだった。 338 01:00:07,304 --> 01:00:21,718 ♬~ 339 01:00:21,718 --> 01:00:26,022 リードは この夜のことを 後に こう振り返っている。 340 01:01:30,287 --> 01:01:36,993 (歓声と拍手) 341 01:01:36,993 --> 01:01:39,930 (花火の音) 342 01:01:39,930 --> 01:01:43,767 ベルリンの壁 崩壊の翌年➡ 343 01:01:43,767 --> 01:01:48,872 東西ドイツは 41年ぶりに統一を果たした。 344 01:01:50,840 --> 01:01:54,177 国会議員に初当選した メルケルは➡ 345 01:01:54,177 --> 01:01:59,983 新たな政府で いきなり 最年少の大臣に就任する。 346 01:02:02,485 --> 01:02:06,656 東ドイツ出身 かつ女性。 347 01:02:06,656 --> 01:02:11,261 新生ドイツをアピールする 格好の人材と見なされた。 348 01:02:14,197 --> 01:02:20,804 1992年 メルケルは テレビの討論会に出演した。 349 01:02:25,175 --> 01:02:29,379 そこには ニナ・ハーゲンも参加していた。 350 01:02:35,418 --> 01:02:39,189 これが2人の初対面となった。 351 01:02:39,189 --> 01:02:41,391 討論のテーマは… 352 01:02:57,707 --> 01:03:01,311 ドイツの政策の遅れを追及するニナ。 353 01:03:03,246 --> 01:03:05,649 メルケルが答えた。 354 01:04:01,037 --> 01:04:04,340 対話を続けようと引き止めるメルケル。 355 01:04:15,185 --> 01:04:19,589 東ドイツで育った 1歳違いの2人。 356 01:04:22,459 --> 01:04:27,363 東ドイツでは 到底 許されなかった ニナの自由奔放な振る舞いに➡ 357 01:04:27,363 --> 01:04:31,668 メルケルは 笑顔を浮かべていた。 358 01:04:37,574 --> 01:04:42,278 ルー・リードとハヴェルは 生涯にわたって親交を深めた。 359 01:04:43,947 --> 01:04:46,983 これは 1998年➡ 360 01:04:46,983 --> 01:04:50,387 ハヴェルがホワイトハウスに 招かれた時の映像。 361 01:04:52,489 --> 01:04:54,491 ♬~ 362 01:04:54,491 --> 01:04:56,926 ホワイトハウスには不釣り合いの➡ 363 01:04:56,926 --> 01:05:00,563 ルー・リードのギターの大音響が 鳴り響いた。 364 01:05:00,563 --> 01:05:05,368 ♬~ 365 01:05:31,661 --> 01:05:36,366 ♬~ 366 01:05:36,366 --> 01:05:41,971 (歓声と拍手) ♬~ 367 01:05:51,948 --> 01:05:58,254 (拍手) 368 01:06:16,940 --> 01:06:26,349 (笑い声と拍手) 369 01:06:31,955 --> 01:06:33,957 そして… 370 01:06:40,463 --> 01:06:46,169 ♬~ 371 01:06:46,169 --> 01:06:49,172 (拍手) 372 01:06:55,612 --> 01:06:58,982 (拍手) 373 01:06:58,982 --> 01:07:01,885 2005年 戦後のドイツ史上➡ 374 01:07:01,885 --> 01:07:06,189 最年少にして初めての 女性首相が生まれた。 375 01:07:09,359 --> 01:07:11,828 その後メルケルは 民主主義に➡ 376 01:07:11,828 --> 01:07:13,763 絶対の価値を置きながら➡ 377 01:07:13,763 --> 01:07:16,566 世界の指導者と渡り合った。 378 01:07:28,311 --> 01:07:35,218 2016年には デヴィッド・ボウイが 肝臓がんで息を引き取った。 379 01:07:40,456 --> 01:07:46,863 その死に際してドイツ政府は ボウイに宛てたメッセージを出した。 380 01:08:06,549 --> 01:08:14,190 ♬~ 381 01:08:14,190 --> 01:08:19,729 2021年 67歳になったメルケルは➡ 382 01:08:19,729 --> 01:08:23,433 16年に及んだ首相の座を降りた。 383 01:08:43,286 --> 01:08:46,756 退任式典では 首相が望む曲を➡ 384 01:08:46,756 --> 01:08:50,660 軍の音楽隊が演奏するのが 恒例となっている。 385 01:08:54,097 --> 01:09:00,303 しかし メルケルが選んだ曲に 楽団は慌てた。 386 01:09:00,303 --> 01:09:03,506 荘厳な場に ふさわしい曲でもなければ➡ 387 01:09:03,506 --> 01:09:07,910 楽譜があるかどうかさえ 疑わしい曲だったからだ。 388 01:09:15,551 --> 01:09:22,425 音楽隊が1週間 練習を繰り返した その曲は…。 389 01:09:22,425 --> 01:09:30,566 ♬~ 390 01:09:30,566 --> 01:09:38,141 47年前 ニナ・ハーゲンが歌った あの曲だった。 391 01:09:38,141 --> 01:09:57,060 ♬~ 392 01:09:57,060 --> 01:10:01,664 この選曲に ニナ本人も驚いた。 393 01:10:10,473 --> 01:10:22,385 ♬~ 394 01:11:04,026 --> 01:11:09,398 今から90年前に誕生した エレクトリックギター。 395 01:11:09,398 --> 01:11:14,270 その6弦の振動は 人々の思いを増幅し➡ 396 01:11:14,270 --> 01:11:17,974 時に世界をも動かした。 397 01:11:17,974 --> 01:11:24,747 ♬~ 398 01:11:24,747 --> 01:11:28,484 ジョン・レノンの命日である 12月8日には➡ 399 01:11:28,484 --> 01:11:34,991 今でも世界中で 人々が その死を悼み続けている。 400 01:12:18,367 --> 01:12:24,507 ♬~ 401 01:12:24,507 --> 01:12:37,420 ♬~ 402 01:12:37,420 --> 01:12:40,923 ♬~