1 00:00:00,934 --> 00:00:07,641 ♬~ 2 00:00:07,641 --> 00:00:11,044 ♬~(「Happy Birthday to you」) 3 00:00:19,186 --> 00:00:25,092 1950年 東京・日比谷で 70歳の誕生日を迎えた➡ 4 00:00:25,092 --> 00:00:27,728 マッカーサーの映像である。 5 00:00:27,728 --> 00:00:30,697 戦後日本の統治を任された彼は➡ 6 00:00:30,697 --> 00:00:37,804 「平和主義者」として 戦争に疲れ切った 国民の支持を得ていた。 7 00:00:52,352 --> 00:00:57,190 しかし 同じ年 マッカーサーは ワシントンに➡ 8 00:00:57,190 --> 00:01:00,394 こんな無線を送っていた。 9 00:01:11,638 --> 00:01:13,573 (砲撃の音) 10 00:01:13,573 --> 00:01:18,078 この時 アメリカは 朝鮮戦争を戦っていた。 11 00:01:18,078 --> 00:01:23,951 司令官を務めたのは 日本にいた マッカーサーだった。 12 00:01:23,951 --> 00:01:25,953 (銃撃の音) 13 00:01:25,953 --> 00:01:30,991 戦争は 北朝鮮を支援した ソ連 中国を巻き込み➡ 14 00:01:30,991 --> 00:01:34,294 泥沼化していった。 15 00:01:35,829 --> 00:01:41,101 戦争を決着しようと マッカーサーが 手を出そうとしたのは➡ 16 00:01:41,101 --> 00:01:45,906 禁断の兵器 核兵器だった。 17 00:01:48,442 --> 00:01:52,746 アメリカの核の脅威にさらされた 権力者たちは➡ 18 00:01:52,746 --> 00:02:00,854 それに対抗すべく 自らも核を持つ誘惑に 駆り立てられていく。 19 00:02:04,424 --> 00:02:06,793 (爆発音) 20 00:02:06,793 --> 00:02:13,367 そして 世界全体が 核の恐怖に覆われるに至った。 21 00:02:13,367 --> 00:02:16,970 (爆発音) 22 00:02:18,972 --> 00:02:23,610 私たちは なぜ こんな世界に住んでいるのか。 23 00:02:23,610 --> 00:02:28,815 「映像の世紀 バタフライエフェクト」。 24 00:02:28,815 --> 00:02:35,722 核の野望に取りつかれた権力者たちの 物語である。 25 00:02:49,503 --> 00:02:57,244 これは 日本の支配下にあった朝鮮北部を ソ連軍が解放した時の映像。 26 00:02:57,244 --> 00:03:04,651 35年に及んだ 日本支配の終わりを 人々は歓迎した。 27 00:03:08,021 --> 00:03:10,390 遅れること ひとつき➡ 28 00:03:10,390 --> 00:03:15,095 今度はアメリカ軍が 南のソウルに入った。 29 00:03:15,095 --> 00:03:19,299 朝鮮半島では 38度線を境にした➡ 30 00:03:19,299 --> 00:03:25,105 アメリカとソ連による 分割統治が始まった。 31 00:03:27,507 --> 00:03:34,815 この分割案は 太平洋戦争終結間際に アメリカで作られた。 32 00:03:36,516 --> 00:03:45,025 8月14日 2人の若手将校が 30分で分割案を作るよう 命じられた。 33 00:04:17,057 --> 00:04:23,063 これは 分割直後の38度線の映像。 34 00:04:24,764 --> 00:04:33,273 厳しい警備もなく 行商人たちは やすやすと国境を行き来していた。 35 00:04:37,210 --> 00:04:40,113 ♬~ 36 00:04:40,113 --> 00:04:45,285 38度線を挟んだ アメリカ軍と ソ連軍の間にも➡ 37 00:04:45,285 --> 00:04:48,889 当初 友好的な空気があった。 38 00:04:48,889 --> 00:04:56,296 日本という共通の敵を倒した 同盟国の意識が残っていた。 39 00:05:01,334 --> 00:05:06,239 アメリカ側で 朝鮮半島の 統治の責任者となったのは➡ 40 00:05:06,239 --> 00:05:13,246 東京にいた GHQ最高司令官 マッカーサーだった。 41 00:05:18,685 --> 00:05:21,922 これは 第一次世界大戦時➡ 42 00:05:21,922 --> 00:05:27,827 30代という最年少で 師団長に抜てきされた頃の写真。 43 00:05:27,827 --> 00:05:31,464 独特のファッションセンスから 部下たちから➡ 44 00:05:31,464 --> 00:05:35,669 「戦う気取り屋」と呼ばれた。 45 00:05:38,672 --> 00:05:44,544 戦場では 2度負傷しながらも 先頭に立って 部隊を率い➡ 46 00:05:44,544 --> 00:05:48,348 10もの勲章を手にした。 47 00:05:50,116 --> 00:05:54,688 堂々とした姿に映るよう 専属のカメラマンには➡ 48 00:05:54,688 --> 00:05:59,292 ローポジションからの撮影を求めた。 49 00:06:10,937 --> 00:06:17,711 マッカーサーは アメリカに亡命していた 独立運動家 李承晩を支援し➡ 50 00:06:17,711 --> 00:06:22,716 大韓民国の独立を後押しした。 51 00:06:26,086 --> 00:06:30,924 李承晩は常に 中国や北朝鮮など➡ 52 00:06:30,924 --> 00:06:38,265 共産主義勢力が 侵攻してくることへの 恐怖に取りつかれていた。 53 00:06:38,265 --> 00:06:44,771 国内に潜む 共産主義者を探しだし 弾圧した。 54 00:06:47,307 --> 00:06:52,145 李承晩は 武力によって 朝鮮半島を統一し➡ 55 00:06:52,145 --> 00:06:58,752 共産主義者を排除する 野望を抱いていた。 56 00:06:58,752 --> 00:07:00,754 (銃声) 57 00:07:04,557 --> 00:07:12,365 北では ソ連のスターリンのお膳立てで 一人の抗日ゲリラが 指導者に躍り出る。 58 00:07:14,134 --> 00:07:19,239 金日成。 34歳の映像である。 59 00:07:21,908 --> 00:07:27,981 1930年代 金日成は 中国共産党の一員として➡ 60 00:07:27,981 --> 00:07:33,987 満州の日本軍に対する ゲリラ戦を戦っていた。 61 00:07:38,291 --> 00:07:45,198 後にソ連の軍人になり スターリンに忠誠を誓った。 62 00:07:47,634 --> 00:07:57,143 金日成も 朝鮮統一の野望を持っていた。 そのために頼ったのが ソ連だった。 63 00:08:00,613 --> 00:08:09,422 1949年 金日成が モスクワのスターリンを 訪ねた時の映像である。 64 00:08:24,571 --> 00:08:33,279 この年 金日成は ソ連から 大量の兵器を受け取る 秘密協定を結んだ。 65 00:08:33,279 --> 00:08:40,553 その見返りとして提供したのは 原爆の原料である ウランだった。 66 00:08:40,553 --> 00:08:48,561 北朝鮮には かつて日本軍が開発した ウラン鉱山があったのだ。 67 00:08:52,966 --> 00:08:56,169 (爆発音) 68 00:08:56,169 --> 00:08:58,705 ウランを手にしたスターリンは➡ 69 00:08:58,705 --> 00:09:07,313 1949年8月29日 ついに核実験を成功させた。 70 00:09:29,269 --> 00:09:34,774 1950年6月25日 日曜日の早朝。 71 00:09:34,774 --> 00:09:43,883 北朝鮮軍は38度線を越え 南に侵攻。 朝鮮戦争が始まった。 72 00:09:43,883 --> 00:09:48,488 (砲撃の音) 73 00:09:48,488 --> 00:09:54,694 兵士は ソ連から提供された兵器で 武装していた。 74 00:09:58,498 --> 00:10:04,504 ソ連製の戦車に乗り込み 韓国軍に襲いかかった。 75 00:10:06,106 --> 00:10:14,481 対する韓国軍の装備は 第二次世界大戦の中古品だった。 76 00:10:14,481 --> 00:10:21,888 僅か3日で 北朝鮮軍は 韓国の首都 ソウルを制圧した。 77 00:10:24,657 --> 00:10:32,165 ニューヨークでは 国連の安全保障理事会が緊急招集された。 78 00:10:40,106 --> 00:10:45,912 その後 出席した10か国は 国連軍の派遣を決定。 79 00:10:45,912 --> 00:10:53,620 北朝鮮軍を 38度線まで押し返すことを 目標に定めた。 80 00:10:53,620 --> 00:10:59,025 ソ連は常任理事国だったが 会議をボイコットしていた。 81 00:10:59,025 --> 00:11:04,531 そのため 拒否権は行使されなかった。 82 00:11:06,399 --> 00:11:11,237 国連軍の司令官には マッカーサーが任命された。 83 00:11:11,237 --> 00:11:16,876 GHQのビルの屋上で 国連旗を受け取るマッカーサー。 84 00:11:16,876 --> 00:11:22,282 東京からリモートで 指揮を執ることになった。 85 00:11:26,419 --> 00:11:33,192 国連軍の中心は 日本に駐留していたアメリカ軍だった。 86 00:11:33,192 --> 00:11:39,399 在日米軍基地は 国連軍の前線基地となった。 87 00:11:41,401 --> 00:11:46,306 マッカーサーは自信満々だった。 88 00:12:05,592 --> 00:12:10,096 (銃撃の音) 89 00:12:11,864 --> 00:12:14,400 しかし ふたを開けてみると➡ 90 00:12:14,400 --> 00:12:20,974 アメリカ軍は 北朝鮮軍に 全く歯が立たなかった。 91 00:12:20,974 --> 00:12:26,479 さらなる南への後退を余儀なくされる。 92 00:12:29,182 --> 00:12:33,720 これは 日本で過ごすアメリカ軍人の映像。 93 00:12:33,720 --> 00:12:40,326 アメリカは原爆を手にしたあと 軍事費の圧縮に努めていた。 94 00:12:40,326 --> 00:12:45,531 訓練はなおざり 士気も低かった。 95 00:13:11,324 --> 00:13:14,694 開戦から およそ1か月半で➡ 96 00:13:14,694 --> 00:13:19,399 国連軍は 南端のプサンまで追い詰められた。 97 00:13:19,399 --> 00:13:24,504 韓国は 国土の大半を失った。 98 00:13:26,506 --> 00:13:31,711 北朝鮮軍に制圧された地域では 一般市民に対し➡ 99 00:13:31,711 --> 00:13:37,517 北朝鮮の国民になることが 呼びかけられた。 100 00:14:05,945 --> 00:14:11,451 朝鮮戦争の勃発は アメリカによる日本占領政策を➡ 101 00:14:11,451 --> 00:14:15,755 大きく転換させることとなった。 102 00:14:23,129 --> 00:14:31,204 これは 後に自衛隊となる警察予備隊の 試験開始を報じたニュース映像。 103 00:14:31,204 --> 00:14:36,642 在日米軍のほとんどが 朝鮮半島に送り込まれたことで➡ 104 00:14:36,642 --> 00:14:44,350 マッカーサーは 日本に 独自の軍事力を持たせる必要に迫られた。 105 00:14:47,587 --> 00:14:52,792 日本でも 共産主義勢力が拡大していた。 106 00:14:52,792 --> 00:14:58,898 志願者への念入りな思想調査が行われた。 107 00:15:23,089 --> 00:15:29,395 警察予備隊の創設は 憲法9条の規定があるにもかかわらず➡ 108 00:15:29,395 --> 00:15:31,631 緊急性が強調され➡ 109 00:15:31,631 --> 00:15:36,436 国会の審議も経ずに進められた。 110 00:16:18,110 --> 00:16:22,915 10月 日本を反共のとりでとするために➡ 111 00:16:22,915 --> 00:16:30,590 マッカーサーは 1万人に及ぶ 戦争協力者の公職追放を解除した。 112 00:16:30,590 --> 00:16:39,932 戦争に加担した容疑で 追放されていた人物の政界復帰が進んだ。 113 00:16:39,932 --> 00:16:45,171 A級戦犯容疑者として 巣鴨プリズンに収監されていた➡ 114 00:16:45,171 --> 00:16:52,778 岸 信介も 1952年4月に政界に復帰した。 115 00:16:52,778 --> 00:17:00,186 その後 岸は 反共産主義の政治勢力を築いていく。 116 00:17:05,024 --> 00:17:10,830 1950年8月 マッカーサーは 劣勢をはね返すために➡ 117 00:17:10,830 --> 00:17:14,433 大ばくちに打って出る。 118 00:17:19,372 --> 00:17:23,242 ソウルに隣接する港 仁川への➡ 119 00:17:23,242 --> 00:17:26,145 奇襲上陸作戦である。 120 00:17:26,145 --> 00:17:28,781 北朝鮮軍の背後をついて➡ 121 00:17:28,781 --> 00:17:31,083 プサンに展開する部隊と➡ 122 00:17:31,083 --> 00:17:34,053 挟み撃ちにする作戦だった。 123 00:17:34,053 --> 00:17:41,727 しかし 作戦実行に際し 内部から猛反対にあった。 124 00:17:41,727 --> 00:17:46,265 理由は 世界有数の干満差にあった。 125 00:17:46,265 --> 00:17:52,838 仁川の港は 潮が引くと 数キロにわたる 泥沼が現れた。 126 00:17:52,838 --> 00:17:56,709 上陸できるのは 潮が満ちた時だけ。 127 00:17:56,709 --> 00:18:03,716 しかもその機会は 月に1日 数時間に限られていた。 128 00:18:18,564 --> 00:18:26,973 さらに 出動部隊の拠点だった近畿地方に 戦後最悪の台風が直撃した。 129 00:18:26,973 --> 00:18:33,579 軍内部で 作戦中止を求める声は やまなかった。 130 00:18:35,348 --> 00:18:41,754 それでもマッカーサーは 作戦決行を譲らなかった。 131 00:18:55,067 --> 00:18:58,571 この時ばかりは 現場に駆けつけた。 132 00:18:58,571 --> 00:19:03,809 彼は アメリカ国民へのアピールを 必要としていた。 133 00:19:03,809 --> 00:19:10,116 アメリカ大統領選に出馬する野望を 持っていたと言われる。 134 00:19:10,116 --> 00:19:17,423 (砲撃の音) 135 00:19:33,339 --> 00:19:37,643 作戦当日 悪天候は回復。 136 00:19:37,643 --> 00:19:46,285 夕刻 潮の満ちた瞬間をついて 部隊は上陸を果たした。 137 00:19:46,285 --> 00:19:50,156 (銃撃の音) 138 00:19:50,156 --> 00:19:58,864 9月28日 ソウルを奪還。 マッカーサーは賭けに勝った。 139 00:20:01,300 --> 00:20:09,208 北朝鮮の支配から3か月ぶりに ソウルは 韓国の首都に戻った。 140 00:20:13,913 --> 00:20:20,019 奪還した市内には 異臭が立ちこめていた。 141 00:20:20,019 --> 00:20:29,361 同じ民族である北朝鮮人から殺害された 韓国市民の遺体。 142 00:20:29,361 --> 00:20:37,103 遺体の身元確認のため 一列に並べられた。 143 00:20:37,103 --> 00:20:46,378 故郷に戻った人々は 家族や友人の 変わり果てた姿を 目にすることになった。 144 00:20:50,049 --> 00:20:53,719 韓国人同士の衝突も起こった。 145 00:20:53,719 --> 00:21:02,294 北朝鮮協力者への暴力 死に至らしめる事件が頻発した。 146 00:21:07,266 --> 00:21:10,636 10月 作戦成功を祝い➡ 147 00:21:10,636 --> 00:21:14,440 大統領 トルーマンが マッカーサーのもとを訪ね➡ 148 00:21:14,440 --> 00:21:16,775 勲章を贈った。 149 00:21:16,775 --> 00:21:21,614 この時 マッカーサーは さらなる野望を膨らませていた。 150 00:21:21,614 --> 00:21:29,789 38度線を越えて進軍し 北朝鮮軍を撃滅することだった。 151 00:22:05,157 --> 00:22:11,897 38度線を越えた進軍は 国連軍の目的を超えていた。 152 00:22:11,897 --> 00:22:15,301 体裁を取り繕うため マッカーサーは➡ 153 00:22:15,301 --> 00:22:23,742 まず韓国軍を進軍させ アメリカ軍が続いた。 154 00:22:23,742 --> 00:22:31,217 国連軍は北進を続け 支配地域を拡大させていった。 155 00:22:33,018 --> 00:22:41,727 10月14日 北朝鮮東部に到達すると 一つの強制収容所を解放した。 156 00:22:41,727 --> 00:22:47,333 解放された人物の中に 新興宗教の布教を行ったかどで➡ 157 00:22:47,333 --> 00:22:51,303 捕らえられていた男がいた。 158 00:22:54,707 --> 00:22:58,177 文鮮明。 159 00:22:58,177 --> 00:23:04,250 後に 統一教会を設立する人物である。 160 00:23:06,886 --> 00:23:14,393 解放された文鮮明は 韓国で ある政治団体を設立する。 161 00:23:14,393 --> 00:23:22,501 共産主義を一掃することを目指した 国際勝共連合である。 162 00:23:22,501 --> 00:23:28,641 文鮮明は 相次いで日本でも 勝共連合を設立する。 163 00:23:28,641 --> 00:23:37,716 この団体の発起人の一人に 政界復帰した岸 信介の名があった。 164 00:23:42,988 --> 00:23:45,791 これは 朝鮮戦争中➡ 165 00:23:45,791 --> 00:23:52,698 北朝鮮の指導者 金日成が 司令部を置いていた 防空壕の映像。 166 00:23:52,698 --> 00:23:58,871 ここで 迫りくる国連軍の恐怖に 怯えていた。 167 00:24:03,876 --> 00:24:08,113 金日成は スターリンに手紙を書いた。 168 00:24:08,113 --> 00:24:16,288 ファーストネームで呼びかけて 武器だけでなく 軍の派遣を懇願した。 169 00:24:36,041 --> 00:24:40,512 スターリンは 要求に応じなかった。 170 00:24:40,512 --> 00:24:48,787 兵器は提供しても 核を持つアメリカと 直接対決する気はなかった。 171 00:25:07,506 --> 00:25:16,181 1950年10月 国連軍は 北朝鮮北部にまで到達した。 172 00:25:17,883 --> 00:25:23,522 そこは 2,000メートル級の山に囲まれた 山岳地帯。 173 00:25:23,522 --> 00:25:28,093 気温は 零下30度に達した。 174 00:25:28,093 --> 00:25:34,299 だが 中国との国境線を流れる川 鴨緑江は目前で➡ 175 00:25:34,299 --> 00:25:38,871 半島の制圧は 間近に見えた。 176 00:25:40,606 --> 00:25:47,780 11月 感謝祭を祝って 食事を楽しむ兵士たち。 177 00:25:49,782 --> 00:25:52,551 戦場を視察したマッカーサーは➡ 178 00:25:52,551 --> 00:25:59,024 将兵たちに クリスマスまでの帰還を約束した。 179 00:26:20,079 --> 00:26:28,053 ところが 鴨緑江の対岸には 大軍が息を潜めていた。 180 00:26:30,823 --> 00:26:36,995 38万に達する 中国の義勇軍である。 181 00:26:40,332 --> 00:26:43,702 これは 義勇軍の出撃を報じた➡ 182 00:26:43,702 --> 00:26:47,272 中国の記録映画。 183 00:27:01,053 --> 00:27:04,923 前の年 建国を果たした毛沢東は➡ 184 00:27:04,923 --> 00:27:12,064 大国アメリカに戦いを挑めば ソ連から最新の兵器を入手できるうえ➡ 185 00:27:12,064 --> 00:27:19,505 国際社会で存在感を高めることができると もくろんでいた。 186 00:27:19,505 --> 00:27:23,208 別の思惑もあった。 187 00:27:23,208 --> 00:27:30,048 中国国内には 敵対する国民党の敗残兵が 数多くいた。 188 00:27:30,048 --> 00:27:36,522 彼らを戦場に送って 始末することまで考えていた。 189 00:28:11,056 --> 00:28:16,395 クリスマスまで ひとつきとなった 11月25日。 190 00:28:16,395 --> 00:28:23,068 (砲撃の音) 191 00:28:23,068 --> 00:28:25,704 (チャルメラの音) 192 00:28:25,704 --> 00:28:29,474 攻撃の合図である チャルメラの音とともに➡ 193 00:28:29,474 --> 00:28:35,047 中国義勇軍は 国連軍に襲いかかった。 194 00:28:41,486 --> 00:28:48,360 国連軍の クリスマス・ディナーの夢は はかなく消えた。 195 00:29:04,076 --> 00:29:10,349 国連軍は 南への退却を余儀なくされた。 196 00:29:16,188 --> 00:29:19,391 統合参謀本部のブラッドレーは➡ 197 00:29:19,391 --> 00:29:25,364 マッカーサーの その時の様子を 次のように語っている。 198 00:29:58,096 --> 00:30:07,339 クリスマスイブ マッカーサーは ワシントンに向けて 機密の無線を送った。 199 00:30:07,339 --> 00:30:13,312 原爆投下。 その標的を示した文章だった。 200 00:30:15,047 --> 00:30:18,917 リストには 北京 大連をはじめ➡ 201 00:30:18,917 --> 00:30:24,990 ソ連のウラジオストクや ナホトカも含まれていた。 202 00:30:29,127 --> 00:30:38,103 マッカーサーは 26発の原爆投下の権限を ワシントンに要求した。 203 00:31:00,992 --> 00:31:03,061 しかし…。 204 00:31:15,907 --> 00:31:19,778 大統領トルーマンは 4月11日➡ 205 00:31:19,778 --> 00:31:24,950 マッカーサーを すべての職務から解任した。 206 00:31:52,677 --> 00:31:56,081 マッカーサーの統治も終わった。 207 00:31:56,081 --> 00:32:01,520 日本人は マッカーサーが 原爆の使用を求めていたことなど➡ 208 00:32:01,520 --> 00:32:04,389 知る由もなかった。 209 00:32:28,046 --> 00:32:32,884 この時 日本は 空前の好景気に沸いていた。 210 00:32:32,884 --> 00:32:36,354 朝鮮特需である。 211 00:32:54,739 --> 00:33:00,979 自動車メーカー トヨタは 開戦前 業績の悪化で赤字に苦しみ➡ 212 00:33:00,979 --> 00:33:05,150 破産の危機に直面していた。 213 00:33:07,185 --> 00:33:09,988 しかし 戦争が始まると➡ 214 00:33:09,988 --> 00:33:17,329 アメリカ軍や警察予備隊から 一気に 5,000台以上の軍用トラックを受注し➡ 215 00:33:17,329 --> 00:33:20,699 息を吹き返した。 216 00:33:38,984 --> 00:33:44,789 国連軍の基地となった 沖縄や九州 東京から➡ 217 00:33:44,789 --> 00:33:52,864 連日 B29などの爆撃機が 北朝鮮に向けて飛び立っていった。 218 00:33:58,403 --> 00:34:06,411 大量の焼い弾による 都市攻撃が行われた。 東京大空襲と同じだった。 219 00:34:06,411 --> 00:34:13,285 (空襲の音) 220 00:34:13,285 --> 00:34:19,557 北朝鮮の主要都市が ほとんど焼き尽くされた。 221 00:34:25,230 --> 00:34:32,604 犠牲者は 東京大空襲の10倍 100万人に及んだ。 222 00:34:41,212 --> 00:34:47,986 アメリカに帰国したマッカーサーを 実に700万人が迎えた。 223 00:34:47,986 --> 00:34:52,657 伝説の軍人は 圧倒的な人気を誇っていた。 224 00:34:52,657 --> 00:34:55,560 そのマッカーサーを解任したことで➡ 225 00:34:55,560 --> 00:35:01,132 トルーマン率いる民主党の人気は ちょう落した。 226 00:35:08,807 --> 00:35:16,414 1952年 共和党のアイゼンハワーが 大統領に当選する。 227 00:35:16,414 --> 00:35:24,089 第二次世界大戦で ノルマンディー上陸作戦を 指揮した人物である。 228 00:35:26,024 --> 00:35:32,430 アイゼンハワーは公約に 朝鮮戦争の終結を掲げていた。 229 00:35:32,430 --> 00:35:41,406 そのためには マッカーサーと同様 核兵器の使用も やむなしと考えていた。 230 00:35:55,020 --> 00:35:59,624 この時 アメリカは 原爆より はるかに強力な➡ 231 00:35:59,624 --> 00:36:04,362 水爆の実験を成功させていた。 232 00:36:04,362 --> 00:36:08,633 3 2 1… 0. 233 00:36:14,072 --> 00:36:20,745 威力は 広島の原爆650個分だった。 234 00:36:23,848 --> 00:36:30,388 アメリカの核の脅しに 毛沢東は 意外な反応を見せる。 235 00:36:30,388 --> 00:36:39,164 核兵器の製造方法を スターリンに求める 口実ができたと 喜んだというのだ。 236 00:37:09,828 --> 00:37:12,597 しかし 3月5日➡ 237 00:37:12,597 --> 00:37:18,403 毛沢東に 核兵器の製造方法を 教えることは ないまま➡ 238 00:37:18,403 --> 00:37:22,974 スターリンは脳出血で この世を去った。 239 00:37:22,974 --> 00:37:28,179 4日後 天安門広場で行われた 追悼集会では➡ 240 00:37:28,179 --> 00:37:35,954 機会を逃した無念からか 毛沢東は ひと言も発しなかった。 241 00:37:42,293 --> 00:37:47,765 スターリンの死後 ソ連では 休戦の声が高まった。 242 00:37:47,765 --> 00:38:00,145 1953年7月27日 ソ連が仲介に動き 各国は ついに休戦協定の調印に至った。 243 00:38:01,746 --> 00:38:06,351 アメリカと北朝鮮の軍人が調印したが➡ 244 00:38:06,351 --> 00:38:14,225 両者とも言葉を交わさず 握手もすることなく立ち去った。 245 00:38:16,394 --> 00:38:23,968 同じ日 平壌で 金日成も 休戦協定に署名した。 246 00:38:27,405 --> 00:38:34,179 戦争の犠牲者は アメリカ軍は5万人。 247 00:38:34,179 --> 00:38:42,353 中国義勇軍は 国民党の敗残兵含めて 100万人に及んだ。 248 00:38:43,955 --> 00:38:49,961 韓国は 兵士と一般市民を含む130万人➡ 249 00:38:49,961 --> 00:38:57,936 北朝鮮では 合わせて250万人以上が 命を落とした。 250 00:39:05,910 --> 00:39:10,648 多くの犠牲を生んだ朝鮮戦争の結果は➡ 251 00:39:10,648 --> 00:39:18,223 水平だった国境線が 僅かに斜めに傾いただけだった。 252 00:39:24,963 --> 00:39:31,736 休戦後 金日成は国民に向け アメリカへの勝利を宣言した。 253 00:39:31,736 --> 00:39:38,710 その中で 戦争に協力した 日本についても言及している。 254 00:40:25,623 --> 00:40:29,193 休戦から僅か2週間後の… 255 00:40:33,064 --> 00:40:35,633 (爆発音) 256 00:40:35,633 --> 00:40:42,206 アメリカに続き ソ連も水爆実験を行った。 257 00:40:48,179 --> 00:40:55,253 1964年10月 東京オリンピックの大会期間中に➡ 258 00:40:55,253 --> 00:41:00,091 中国は 初の核実験を行った。 259 00:41:00,091 --> 00:41:04,495 中国人は躍り上がった。 260 00:41:04,495 --> 00:41:11,803 核を手に入れることを望み続けた毛沢東は ソ連の技術供与を受け➡ 261 00:41:11,803 --> 00:41:16,074 ついに 核を手に入れた。 262 00:41:20,511 --> 00:41:28,252 1991年のソ連崩壊後 北朝鮮も 核を手にした。 263 00:41:28,252 --> 00:41:34,058 ソ連崩壊で職を失った ウクライナの技術者をスカウトし➡ 264 00:41:34,058 --> 00:41:38,629 核とミサイル開発を進めたという。 265 00:42:01,786 --> 00:42:08,559 2005年には 公式に 核保有国であることを宣言した。 266 00:42:08,559 --> 00:42:13,398 今 日本 そしてアメリカ本土を射程に入れた➡ 267 00:42:13,398 --> 00:42:20,371 核搭載可能なミサイルの発射実験を 繰り返している。 268 00:42:23,007 --> 00:42:30,548 朝鮮戦争開戦の年 核兵器を持つ国は アメリカとソ連の2か国。 269 00:42:30,548 --> 00:42:35,386 合わせて 374発だった。 270 00:42:35,386 --> 00:42:39,724 (爆発音) 271 00:42:39,724 --> 00:42:42,927 現在 世界9か国が➡ 272 00:42:42,927 --> 00:42:50,701 1万2,705発の核兵器を 所有しているとみられている。 273 00:42:55,840 --> 00:43:00,511 原爆の使用を求め続けた マッカーサー。 274 00:43:00,511 --> 00:43:08,686 1951年の退任演説の中で 戦争について こう語った。 275 00:43:35,746 --> 00:43:42,119 そして あの有名な言葉で締めくくった。 276 00:44:12,884 --> 00:44:39,677 ♬~