1 00:03:53,768 --> 00:03:56,771 <これは 私が 高校生のとき➡ 2 00:03:56,771 --> 00:04:01,771 彼の通っていた男子校で 実際に体験した出来事です> 3 00:04:11,769 --> 00:04:24,782 ≪(足音) 4 00:04:24,782 --> 00:04:33,782 ≪(足音) 5 00:04:51,792 --> 00:04:55,780 (直樹)よし。 行ったな。 6 00:04:55,780 --> 00:04:58,766 (麻里)いいじゃん。 別に 隠れなくても。 7 00:04:58,766 --> 00:05:01,769 (直樹)だって 女がいたら まずいっしょ。 8 00:05:01,769 --> 00:05:05,773 (麻里)もういいから。 早くしてよ。 9 00:05:05,773 --> 00:05:09,777 (直樹)それがさ ないんだよね。 ノート。 10 00:05:09,777 --> 00:05:11,777 (麻里)嘘でしょ。 11 00:05:17,768 --> 00:05:21,768 まさか かばんの中には ないよね? 12 00:05:25,776 --> 00:05:33,767 (直樹)あれ? あった。 ノート。 13 00:05:33,767 --> 00:05:37,771 何のために ここまで来たのよ? (直樹)ごめん。 マジ ごめん。 14 00:05:37,771 --> 00:05:39,773 もう帰る。 15 00:05:39,773 --> 00:05:59,777 ≪(足音) 16 00:05:59,777 --> 00:06:16,777 ≪(足音) 17 00:06:20,781 --> 00:06:23,767 よし。 帰ろう。 (直樹)ちょっと待ってよ。 18 00:06:23,767 --> 00:06:25,769 まだ 見回ってるかも しんないじゃん。 19 00:06:25,769 --> 00:06:27,769 (麻里)えーっ? 20 00:06:32,776 --> 00:06:35,776 (麻里)大丈夫だよ。 (直樹)おい! 21 00:06:48,776 --> 00:06:51,779 (麻里)ほら。 誰もいないよ。 22 00:06:51,779 --> 00:07:03,774 ≪(足音) 23 00:07:03,774 --> 00:07:22,776 ♬~ 24 00:07:22,776 --> 00:07:24,778 (直樹)ああ!? 25 00:07:24,778 --> 00:07:44,782 ♬~ 26 00:07:44,782 --> 00:07:49,770 ♬~ 27 00:07:49,770 --> 00:08:06,770 ≪(足音) 28 00:08:06,770 --> 00:08:24,772 ♬~ 29 00:08:24,772 --> 00:08:39,772 ≪(足音) 30 00:09:23,781 --> 00:09:28,781 何? 今の。 (直樹)分かんない。 31 00:09:32,773 --> 00:09:36,773 帰ろう もう。 (直樹)うん。 32 00:09:39,780 --> 00:09:41,780 (麻里の悲鳴) 33 00:13:06,603 --> 00:13:11,608 (利恵)<そこは ずっと 使用禁止に なっている➡ 34 00:13:11,608 --> 00:13:16,608 旧校舎の いちばん奥にある トイレでした> 35 00:13:21,618 --> 00:13:28,618 <当時 わたしたちの間では あるゲームが はやっていました> 36 00:13:33,613 --> 00:13:39,613 <それは よくある 肝試しみたいなもので> 37 00:13:46,610 --> 00:13:51,615 <グループの 一人ずつが 順番で 幽霊が出ると いわれている➡ 38 00:13:51,615 --> 00:13:57,621 トイレまで行き そのドアに 手を触れて➡ 39 00:13:57,621 --> 00:14:01,621 帰ってくるというものでした> 40 00:14:04,628 --> 00:14:07,614 <わたしの周りには➡ 41 00:14:07,614 --> 00:14:11,618 実際に 幽霊を見た子は いなかったのですが➡ 42 00:14:11,618 --> 00:14:15,605 そのトイレが まだ 使われていたころには➡ 43 00:14:15,605 --> 00:14:20,610 個室の中から 女の人の 泣き叫ぶ声や➡ 44 00:14:20,610 --> 00:14:24,614 男の人の 聞くだけでも ぞっとするような➡ 45 00:14:24,614 --> 00:14:28,602 うめき声が したなどと➡ 46 00:14:28,602 --> 00:14:32,606 嘘か 本当か 分からないような 噂が➡ 47 00:14:32,606 --> 00:14:36,610 学校中に 広まっていたのです> 48 00:14:36,610 --> 00:14:55,612 ♬~ 49 00:14:55,612 --> 00:15:03,612 ♬~ 50 00:15:31,615 --> 00:15:35,602 (利恵)《触るだけ。 ただ 触って➡ 51 00:15:35,602 --> 00:15:39,606 そしたら 走って 帰ればいいんだから》 52 00:15:39,606 --> 00:15:54,604 ♬~ 53 00:15:54,604 --> 00:16:03,630 ♬~ 54 00:16:03,630 --> 00:16:06,616 (利恵)触るだけ。 55 00:16:06,616 --> 00:16:19,613 ♬~ 56 00:16:19,613 --> 00:16:21,613 (利恵の悲鳴) 57 00:16:28,605 --> 00:16:31,608 (町田)ようやく 現場を 押さえたわ。 58 00:16:31,608 --> 00:16:35,612 (利恵)先生。 (町田)さてと➡ 59 00:16:35,612 --> 00:16:38,615 じゃあ 早速 案内してもらおっかなぁ。➡ 60 00:16:38,615 --> 00:16:42,602 共犯者が いるんでしょ? 61 00:16:42,602 --> 00:16:45,605 <担任の 町田先生は わたしたちが➡ 62 00:16:45,605 --> 00:16:50,605 肝試しを していることを 知っていたようでした> 63 00:16:52,612 --> 00:16:55,615 (町田)おかしな遊びが はやってるとは 聞いてたけど。 64 00:16:55,615 --> 00:16:58,602 (一同)ごめんなさい。 65 00:16:58,602 --> 00:17:01,605 (町田)まあ でも すっかり 遅くなっちゃったし➡ 66 00:17:01,605 --> 00:17:05,625 お説教は またにするとして 今日は もう 帰りなさい。 67 00:17:05,625 --> 00:17:07,611 (一同)はい。 (太郎)あの 先生。 68 00:17:07,611 --> 00:17:09,613 (町田)うん? (太郎)何で あのトイレ➡ 69 00:17:09,613 --> 00:17:12,613 誰も入れないように してあるんですか? 70 00:17:18,605 --> 00:17:21,608 じゃあ みんな 約束して。 71 00:17:21,608 --> 00:17:26,608 これからは 絶対に あんな遊びを しないこと。 72 00:17:29,616 --> 00:17:34,604 もっとも これから 話しすること 聞いたら➡ 73 00:17:34,604 --> 00:17:40,610 二度と あんなこと しようとは 思わなくなるでしょうけど。➡ 74 00:17:40,610 --> 00:17:42,612 昔…。 75 00:17:42,612 --> 00:17:45,615 <そう言って 先生は➡ 76 00:17:45,615 --> 00:17:51,615 例のトイレが 使われなくなった 理由を 話してくれたのです> 77 00:17:55,625 --> 00:18:03,625 <幽霊が出ると 言われ始めたのは 今から 35年くらい前のこと> 78 00:18:05,602 --> 00:18:12,602 <当時 あのトイレは まだ 普通に 使われていたといいます> 79 00:18:17,614 --> 00:18:21,614 <でも そんな ある日> 80 00:18:29,609 --> 00:18:44,608 ♬~ 81 00:18:44,608 --> 00:19:04,628 ♬~ 82 00:19:04,628 --> 00:19:07,614 (児童の悲鳴) 83 00:19:07,614 --> 00:19:17,607 ♬~ 84 00:19:17,607 --> 00:19:21,611 (町田)それ以来 あのトイレに 入ると➡ 85 00:19:21,611 --> 00:19:28,618 老婆と その 殺された 少女の霊が 姿を 現すようになったそうよ。 86 00:19:28,618 --> 00:19:33,606 学校でも 問題になるぐらいの 騒ぎになってねえ。 87 00:19:33,606 --> 00:19:39,606 それからなの。 あの場所が 使用禁止に なってしまったのは。 88 00:19:41,614 --> 00:19:44,601 (太郎)嘘に決まってんだろ あんな話。 89 00:19:44,601 --> 00:19:47,620 (児童)どうして? (太郎)もし 本当だったら➡ 90 00:19:47,620 --> 00:19:50,607 女の子が 老婆に殺されたってとこ 誰が 見たんだよ? 91 00:19:50,607 --> 00:19:52,625 (利恵)えっ? (児童)なるほど。➡ 92 00:19:52,625 --> 00:19:55,612 その話を 伝える人が いないことになるんだ。 93 00:19:55,612 --> 00:19:57,614 (一同)そっか。 あっ そっか。 94 00:19:57,614 --> 00:20:01,601 (児童)でもさ だったら 何で あのトイレ 閉まってるわけ? 95 00:20:01,601 --> 00:20:04,604 (太郎)水道管か 何かが 壊れてるんだよ。➡ 96 00:20:04,604 --> 00:20:06,623 だって あのトイレ めちゃめちゃ 古いじゃん。 97 00:20:06,623 --> 00:20:11,611 (一同)そっか。 そうだよね。 よかったー! 98 00:20:11,611 --> 00:20:14,614 (児童)あー よかった。 99 00:20:14,614 --> 00:20:20,603 <この話は わたしたちが 変な遊びを しないようにと➡ 100 00:20:20,603 --> 00:20:25,603 先生が考えた 作り話だったのかもしれません> 101 00:20:29,612 --> 00:20:35,602 <でも 全くの 嘘だったという 証拠も ないのです> 102 00:20:35,602 --> 00:20:42,625 <どちらにしても その校舎が 取り壊された 今となっては➡ 103 00:20:42,625 --> 00:20:47,625 それを 確かめることは できません> 104 00:24:07,630 --> 00:24:09,616 (千賀)<私は 現役の看護師です> 105 00:24:09,616 --> 00:24:14,616 <以前 勤めていた 大学病院での 体験を 聞いてください> 106 00:24:16,606 --> 00:24:21,628 ≪(駆ける足音) 107 00:24:21,628 --> 00:24:24,614 (澪)先輩! (千賀)急変? 何号室? 108 00:24:24,614 --> 00:24:28,601 (澪)いや…。 (千賀)何? 109 00:24:28,601 --> 00:24:32,605 (澪)怖かったんで つい。 (千賀)えっ? 110 00:24:32,605 --> 00:24:36,609 備品室から 変な音が 聞こえたんです。 111 00:24:36,609 --> 00:24:38,609 変な音? 112 00:24:41,614 --> 00:24:46,614 (澪)何ていうか 金属に 何かが当たるような音なんです。 113 00:25:14,614 --> 00:25:17,614 (澪)さっきは 絶対 聞こえてたんですよ。 114 00:25:21,604 --> 00:25:23,604 (澪)今村さん。 115 00:25:29,612 --> 00:25:35,612 ≪(作動音) 116 00:25:42,625 --> 00:25:44,625 消し忘れね。 117 00:25:54,620 --> 00:25:57,607 でも 扇風機の音じゃ なかったんです。 118 00:25:57,607 --> 00:26:03,613 さっき聞こえたのは。 何ていうか 「カチャン」っていう。 119 00:26:03,613 --> 00:26:06,616 (千賀)それより 戸川さん。 (澪)はい。 120 00:26:06,616 --> 00:26:08,601 看護師が あんまり 走るもんじゃないって➡ 121 00:26:08,601 --> 00:26:10,603 教えたでしょ。 (澪)だって…。 122 00:26:10,603 --> 00:26:12,605 (村上)今村さんの 言うとおりですよ。 123 00:26:12,605 --> 00:26:15,608 (澪)主任。 (村上)特に 夜間の足音は➡ 124 00:26:15,608 --> 00:26:19,612 患者さんの不安を あおるから 十分に配慮してください。➡ 125 00:26:19,612 --> 00:26:21,614 いつまでも 新人気分じゃ 困りますよ。 126 00:26:21,614 --> 00:26:23,616 (澪)はい。 (村上)それに…。 127 00:26:23,616 --> 00:26:26,602 <そのときまで 私は➡ 128 00:26:26,602 --> 00:26:30,606 それが 後輩の勘違いだと 思っていました> 129 00:26:30,606 --> 00:26:32,606 <でも その数時間後…> 130 00:26:41,601 --> 00:26:44,620 <ひととおりの仕事が終わり➡ 131 00:26:44,620 --> 00:26:49,620 休憩室で 一休みしようと したときのことでした> 132 00:26:53,613 --> 00:26:56,613 (千賀)主任まで…。 133 00:27:09,612 --> 00:27:11,612 ≪(金属に当たる音) 134 00:27:22,625 --> 00:27:25,625 ≪(金属に当たる音) 135 00:27:30,616 --> 00:27:32,616 ≪(金属に当たる音) 136 00:27:37,607 --> 00:27:39,607 ≪(金属に当たる音) 137 00:27:42,612 --> 00:28:00,613 ≪(金属に当たる音) 138 00:28:00,613 --> 00:28:20,616 ≪(金属に当たる音) 139 00:28:20,616 --> 00:28:26,616 ≪(金属に当たる音) 140 00:28:36,616 --> 00:28:43,616 ≪(作動音) 141 00:28:46,609 --> 00:28:50,613 さっき消したのに。 142 00:28:50,613 --> 00:28:52,613 ≪(金属に当たる音) 143 00:29:05,611 --> 00:29:11,601 (金属に当たる音) 144 00:29:11,601 --> 00:29:22,612 ♬~ 145 00:29:22,612 --> 00:29:24,614 (千賀)あのう。 146 00:29:24,614 --> 00:29:30,603 ♬~ 147 00:29:30,603 --> 00:29:37,610 <制服が うちの病院のものと 明らかに違っていました> 148 00:29:37,610 --> 00:29:42,615 <それは 昔の看護婦が 着ていたような制服で…> 149 00:29:42,615 --> 00:29:57,630 ♬~ 150 00:29:57,630 --> 00:29:59,630 (倒れる音) 151 00:30:12,611 --> 00:30:15,614 (看護師)邪魔しないでよ。 (千賀)ひい!? 152 00:30:15,614 --> 00:30:21,604 ♬~ 153 00:30:21,604 --> 00:30:23,604 (村上)急変!? 何号室? 154 00:30:25,608 --> 00:30:27,608 今村さん? 155 00:30:29,612 --> 00:30:35,618 (村上)どうしたの? 何があったの!? 今村さん? 156 00:30:35,618 --> 00:30:41,607 <そのあと 私は 主任から この病院が 戦前➡ 157 00:30:41,607 --> 00:30:44,607 結核病院だったことを 聞いたのです> 158 00:30:46,612 --> 00:30:51,600 <当時 結核は 不治の病でした> 159 00:30:51,600 --> 00:30:53,602 <患者からの感染で➡ 160 00:30:53,602 --> 00:30:57,602 亡くなった看護婦も たくさん いたそうです> 161 00:30:59,625 --> 00:31:03,612 <私が見たのは 死んだあとも 勤務に打ちこむ➡ 162 00:31:03,612 --> 00:31:07,600 看護婦の姿だったのかも しれません> 163 00:31:07,600 --> 00:31:20,600 ♬~ 164 00:31:53,612 --> 00:31:58,612 ≪(作動音) 165 00:32:02,605 --> 00:32:05,608 また 消し忘れてる。 166 00:32:05,608 --> 00:32:07,608 ≪(千賀)戸川さん。 167 00:32:09,612 --> 00:32:15,601 あっ 先輩。 もう びっくりさせないでくださいよ。 168 00:32:15,601 --> 00:32:17,603 (千賀)いいの。 (澪)えっ? 169 00:32:17,603 --> 00:32:19,603 (千賀)そのまんまで。 170 00:32:23,609 --> 00:32:27,630 <成仏させることが 本当に よいことなのか➡ 171 00:32:27,630 --> 00:32:30,616 私には 分かりません> 172 00:32:30,616 --> 00:32:34,603 <ただ 同じ看護師として➡ 173 00:32:34,603 --> 00:32:37,606 このまま 仕事を 続けさせてあげたほうが➡ 174 00:32:37,606 --> 00:32:42,611 いいのかもしれないと そんなふうに 思ったのです> 175 00:32:42,611 --> 00:32:52,611 ♬~ 176 00:36:13,605 --> 00:36:16,608 (真利江)ドライブ? あした? 行く 行く。 177 00:36:16,608 --> 00:36:19,611 ≪(チャイム) (真利江)はーい。 178 00:36:19,611 --> 00:36:22,614 (男性)毎度。 宅配便です。 (真利江)はーい。 179 00:36:22,614 --> 00:36:25,601 (真利江)<東京で 一人暮らしを始めて➡ 180 00:36:25,601 --> 00:36:28,601 あっという間に 6年が たっていました> 181 00:36:36,612 --> 00:36:40,616 もしもし? お待たせ。 <実家には 母がいましたが➡ 182 00:36:40,616 --> 00:36:44,616 わたしは 故郷を思い出すことも なくなっていました> 183 00:37:03,605 --> 00:37:05,605 たばこ? 184 00:37:07,609 --> 00:37:09,611 誰か たばこ 吸ってる? 185 00:37:09,611 --> 00:37:14,600 (女性)ここ 禁煙でしょ? (真利江)そうだけど。 たばこ臭い。 186 00:37:14,600 --> 00:37:19,600 何にもしないけど。 (真利江)するよ。 187 00:37:21,607 --> 00:37:25,611 彼じゃない? (真利江)えっ? 188 00:37:25,611 --> 00:37:28,614 彼の たばこのにおいが 忘れられなくてー。 189 00:37:28,614 --> 00:37:30,616 彼は たばこなんか 吸いません。 190 00:37:30,616 --> 00:37:32,616 はいはい。 191 00:37:34,603 --> 00:37:38,607 <気のせい。 そのときは そう思いました> 192 00:37:38,607 --> 00:37:45,614 <でも たばこのにおいは 死んだ父を 思い出させました> 193 00:37:45,614 --> 00:37:49,601 (萩原)へぇ。 それで お父さんのこと恋しくなったんだ。 194 00:37:49,601 --> 00:37:53,605 ううん。 そんなんじゃなくって。 (萩原)何? 195 00:37:53,605 --> 00:37:56,608 昔ね うちの門限は 9時だったの。 196 00:37:56,608 --> 00:38:00,612 で… 1分でも過ぎたら 正座させられて お説教。 197 00:38:00,612 --> 00:38:04,616 ハハハ。 いい お父さんじゃない。 (真利江)うん。 198 00:38:04,616 --> 00:38:07,603 でもね 一度 塾の帰りが 遅くなって➡ 199 00:38:07,603 --> 00:38:10,606 9時を 過ぎたことがあったの。 (萩原)うん。 200 00:38:10,606 --> 00:38:13,609 (真利江)で… 同じクラスの 親切な男の子が➡ 201 00:38:13,609 --> 00:38:16,612 送ってくれることに なったんだけど。➡ 202 00:38:16,612 --> 00:38:21,600 歩いてたら 家は まだ先なのに 父が怒ってんのが 分かったんだ。➡ 203 00:38:21,600 --> 00:38:26,605 たばこのにおいが したから。 (萩原)えっ!? 気のせいでしょ? 204 00:38:26,605 --> 00:38:28,607 (真利江)ううん。 父はね➡ 205 00:38:28,607 --> 00:38:32,628 家の外で たばこを吸いながら ずっと わたしの帰り 待ってた。 206 00:38:32,628 --> 00:38:36,615 それで 帰ってきた わたしを見て わたしじゃなくて➡ 207 00:38:36,615 --> 00:38:39,601 送ってくれた 男の子を 怒鳴りつけたの。 208 00:38:39,601 --> 00:38:41,620 (萩原)やるじゃん。 209 00:38:41,620 --> 00:38:44,606 次の日 クラス中の 話題になってた。 210 00:38:44,606 --> 00:38:47,609 おかげで 遊びにも すっかり 誘われなくなっちゃった。 211 00:38:47,609 --> 00:38:51,609 (萩原)まあ それだけ 一人娘は カワイイってことだよ。 212 00:38:54,600 --> 00:38:57,603 こんなとこ 父に見られたら 大変かも。 213 00:38:57,603 --> 00:39:02,608 そうだよ。 知り合って間もない 男の車なんかに 乗っちゃって。 214 00:39:02,608 --> 00:39:05,627 (笑い声) (真利江)怒られんのは萩原さんね。 215 00:39:05,627 --> 00:39:08,614 それは ヤダな。 216 00:39:08,614 --> 00:39:11,600 (笑い声) 217 00:39:11,600 --> 00:39:17,600 ♬~ 218 00:39:36,608 --> 00:39:41,613 (真利江)あっ…。 (萩原)うん? どうかした? 219 00:39:41,613 --> 00:39:44,613 頭 痛い。 (萩原)えっ!? 220 00:39:53,609 --> 00:39:55,627 ごめんなさい。 せっかく 誘ってくれたのに。 221 00:39:55,627 --> 00:39:58,627 (萩原)ううん。 大丈夫? 寄ってこうか? 222 00:40:04,603 --> 00:40:06,603 (萩原)どした? 223 00:40:12,628 --> 00:40:14,630 今日は ここでいい。 おやすみなさい。 224 00:40:14,630 --> 00:40:16,630 (萩原)うん。 おやすみ。 225 00:40:41,607 --> 00:40:44,607 まさか 偶然よ。 226 00:40:51,600 --> 00:40:53,602 ☎(アナウンス)「1件です」 227 00:40:53,602 --> 00:40:57,623 ☎(母のメッセージ)「もしもし? 母さんです。➡ 228 00:40:57,623 --> 00:41:00,609 真利江 元気で やってるの?➡ 229 00:41:00,609 --> 00:41:04,613 もうすぐ お父さんの命日だから きっと 帰ってきてくれると…」 230 00:41:04,613 --> 00:41:06,613 ☎(電子音) 231 00:41:11,603 --> 00:41:14,603 ≪(ライターを つける音) 232 00:41:16,625 --> 00:41:23,625 ≪(ライターを つける音) 233 00:41:29,604 --> 00:41:46,605 ♬~ 234 00:41:46,605 --> 00:42:06,625 ♬~ 235 00:42:06,625 --> 00:42:21,606 ♬~ 236 00:42:21,606 --> 00:42:27,606 ♬~ 237 00:42:34,603 --> 00:42:37,622 夢? 238 00:42:37,622 --> 00:42:43,622 <父の夢を 見ただけ。 そうに 決まってます> 239 00:43:06,601 --> 00:43:08,620 (電源の落ちる音) (真利江)あら!? 240 00:43:08,620 --> 00:43:11,606 どうしたの? (真利江)何でもない。 241 00:43:11,606 --> 00:43:14,609 朝から ぼんやり しちゃって。 242 00:43:14,609 --> 00:43:17,612 昨日も 彼と お泊まり? (真利江)昨日は 早く帰ったわ。 243 00:43:17,612 --> 00:43:20,615 たばこ臭いよ。 (真利江)えっ!? 244 00:43:20,615 --> 00:43:23,615 朝帰り バレバレ。 245 00:43:25,604 --> 00:43:29,608 (真利江)真利江です。 今夜 会える? 246 00:43:29,608 --> 00:43:31,610 昨日と 同じ場所で。 ☎(ブザー音) 247 00:43:31,610 --> 00:43:35,610 ☎(小銭の落ちる音) ☎(不通音) 248 00:43:39,618 --> 00:43:42,604 あっ。 もしもし 真利江です。 ☎(ブザー音) 249 00:43:42,604 --> 00:43:44,606 ☎(小銭の落ちる音) ☎(不通音) 250 00:43:44,606 --> 00:43:55,600 ☎(不通音) 251 00:43:55,600 --> 00:44:01,600 (真利江)《父が見ている。 まさか そんなこと…》 252 00:44:26,615 --> 00:44:28,615 ≪(割れる音) 253 00:44:37,609 --> 00:44:52,607 ♬~ 254 00:44:52,607 --> 00:44:55,610 [TEL](呼び出し音) 255 00:44:55,610 --> 00:44:57,612 [TEL](萩原)もしもし? (真利江)お願い。 256 00:44:57,612 --> 00:44:59,612 来て。 今すぐ 来て! 257 00:48:18,813 --> 00:48:20,815 (真利江)父がやったの。 (萩原)はっ? 258 00:48:20,815 --> 00:48:24,803 最初は 気のせいかと思った。 でも 父が来てるのよ。 259 00:48:24,803 --> 00:48:26,805 ホントなの。 怒ってるのよ。 260 00:48:26,805 --> 00:48:28,807 わたしと あなたが 付き合ってること。 261 00:48:28,807 --> 00:48:31,810 ちょっ ちょっと待ってよ。 えっ? 262 00:48:31,810 --> 00:48:34,813 お父さんは もう 亡くなってんだよね? 263 00:48:34,813 --> 00:48:37,813 死んでも わたしのこと 縛ろうとしてるの。 264 00:48:39,801 --> 00:48:43,801 そういうことか。 (真利江)ええ。 265 00:48:45,807 --> 00:48:50,812 素直に言ってくれないかな。 (真利江)えっ? 266 00:48:50,812 --> 00:48:53,815 もう➡ 267 00:48:53,815 --> 00:48:55,800 俺と付き合う気 ないんでしょ。 (真利江)違う! 268 00:48:55,800 --> 00:48:57,802 (萩原)だったら 何で そんな話すんの?➡ 269 00:48:57,802 --> 00:49:01,806 そうとしか思えないでしょ。 そんな バカな話。 270 00:49:01,806 --> 00:49:07,812 ごめんなさい。 そんなつもりじゃなかったの。 271 00:49:07,812 --> 00:49:11,812 うん。 じゃあ 考え過ぎだよ。 272 00:49:15,804 --> 00:49:23,812 ♬~ 273 00:49:23,812 --> 00:49:25,814 (鈴の音) 274 00:49:25,814 --> 00:49:30,802 <わたしは 父の たばこの においが 嫌いだったのです> 275 00:49:30,802 --> 00:49:35,807 <父に たばこを 供え続ける母も➡ 276 00:49:35,807 --> 00:49:38,810 嫌いだったのです> 277 00:49:38,810 --> 00:49:42,814 <父が生きていたら 東京での 一人暮らしなど➡ 278 00:49:42,814 --> 00:49:45,814 猛反対したことでしょう> 279 00:49:49,804 --> 00:49:55,804 <わたしは ずっと 父の束縛から 逃れたいと 思っていました> 280 00:49:57,812 --> 00:50:00,812 <わたしは 自由になりたかったのです> 281 00:50:02,800 --> 00:50:08,800 ≪(ライターを つける音) 282 00:50:10,808 --> 00:50:13,808 ≪(ライターを つける音) 283 00:50:15,813 --> 00:50:31,813 ♬~ 284 00:50:31,813 --> 00:50:33,813 父さんなんでしょ? 285 00:50:38,803 --> 00:50:41,803 昔も そうだった。 286 00:50:43,825 --> 00:50:46,811 命令するばっかりで わたしが 何か言おうとしたら➡ 287 00:50:46,811 --> 00:50:48,811 黙って たばこ 吸ってるだけだった。 288 00:50:52,800 --> 00:50:57,805 もう やめてよ。 わたし もう 大人なの。 26なの。 289 00:50:57,805 --> 00:51:00,808 好きな人だっている。 290 00:51:00,808 --> 00:51:04,812 仕事だって 恋人だって 自分で選んで 何が悪いの? 291 00:51:04,812 --> 00:51:06,814 わたしの人生なの! 292 00:51:06,814 --> 00:51:10,814 どうして お父さんに 怒られなくちゃ いけないの? 293 00:51:14,822 --> 00:51:19,822 わたし 父さんが死んで 清々したのよ。 294 00:51:22,814 --> 00:51:26,814 死んだくせに どうして 出てくるの? 295 00:51:28,803 --> 00:51:35,803 父さんなんか 大嫌い。 父さんなんか 消えて! 296 00:51:40,798 --> 00:51:45,798 <父の気配は なくなりました> 297 00:51:48,806 --> 00:51:52,810 <もしかしたら 全部 気のせいだったのかもしれない> 298 00:51:52,810 --> 00:51:54,812 (真利江)お待たせ。 299 00:51:54,812 --> 00:51:57,812 <とにかく 終わったわ> 300 00:51:59,801 --> 00:52:05,807 そうかな? 俺には 終わったとは 思えないんだけど。 301 00:52:05,807 --> 00:52:07,807 どういうこと? 302 00:52:10,812 --> 00:52:17,802 俺 たばこ臭いだろ。 (真利江)ううん。 どうして? 303 00:52:17,802 --> 00:52:20,805 たばこの煙が しょっちゅう 漂ってくるんだよ。 304 00:52:20,805 --> 00:52:22,805 周りで 誰も吸ってないのに。 305 00:52:24,809 --> 00:52:29,814 それに いつも 誰かに 見られてるような気がする。 306 00:52:29,814 --> 00:52:34,802 たぶん お父さんに。 307 00:52:34,802 --> 00:52:36,802 そんな。 308 00:52:42,810 --> 00:52:46,814 別れよう。 (真利江)どうして? 309 00:52:46,814 --> 00:52:48,800 考え過ぎだって あなたが 言ってくれたんじゃない。 310 00:52:48,800 --> 00:52:51,803 俺だけじゃ ないんだよ! 311 00:52:51,803 --> 00:52:59,803 妻と娘も 怖がってる。 (真利江)妻と娘? 312 00:53:06,818 --> 00:53:10,818 <彼にとっては ただの遊びだったのです> 313 00:53:29,807 --> 00:53:31,807 何で…。 314 00:53:35,813 --> 00:53:41,813 何で! 何で! 何で! もう 何でよ! 315 00:54:07,812 --> 00:54:09,814 (母)「お元気ですか?➡ 316 00:54:09,814 --> 00:54:13,801 先日 真利江の部屋を 整理していたら➡ 317 00:54:13,801 --> 00:54:16,804 こんな写真が 出てきました。➡ 318 00:54:16,804 --> 00:54:22,810 真利江と お父さんが 仲良く 遊んでいる写真です。➡ 319 00:54:22,810 --> 00:54:28,800 たまには 連絡 下さい。 母より」 320 00:54:28,800 --> 00:54:38,810 ♬~ 321 00:54:38,810 --> 00:54:44,816 <それは かつて わたしが 大事にしていた写真でした> 322 00:54:44,816 --> 00:54:48,803 <でも いつの間にか➡ 323 00:54:48,803 --> 00:54:51,806 この写真のことも 忘れていたのです> 324 00:54:51,806 --> 00:54:54,809 (真利江)《ねえ? お父さん。 自転車の乗り方 教えて》 325 00:54:54,809 --> 00:54:56,811 (父)《よし 分かった。 やるか?》 326 00:54:56,811 --> 00:54:59,814 (父)《ハンドル 真っすぐにして。 足で こぐんだ。 そうそう。➡ 327 00:54:59,814 --> 00:55:01,816 おい いいか? 離すぞ》 (真利江)《うん!》 328 00:55:01,816 --> 00:55:04,802 (父)《いいか? 離すぞ》 (真利江)《うん! いいよ》 329 00:55:04,802 --> 00:55:08,806 (父)《大丈夫か? おお! 乗れた 乗れた! あいよ!》 330 00:55:08,806 --> 00:55:10,806 《いい写真 撮ってな》 331 00:55:12,810 --> 00:55:14,812 (シャッター音) 332 00:55:14,812 --> 00:55:26,808 ♬~ 333 00:55:26,808 --> 00:55:46,808 ♬~ 334 00:55:50,815 --> 00:55:52,800 ただいま。 335 00:55:52,800 --> 00:55:55,803 (女性)真利江ちゃん。 (真利江)おばさん 久しぶりです。 336 00:55:55,803 --> 00:55:58,806 お母さんは? 337 00:55:58,806 --> 00:56:01,806 ずっと 真利江ちゃんが 帰ってくるの 待ってたのよ。 338 00:56:07,815 --> 00:56:09,815 お母さん。 339 00:56:14,805 --> 00:56:19,805 (母)真利江? (真利江)ただいま。 340 00:56:21,812 --> 00:56:29,804 おかえり。 (真利江)母さん ごめんなさい。 341 00:56:29,804 --> 00:56:32,807 わたし 間違ってた。 ごめんなさい。 342 00:56:32,807 --> 00:56:46,804 ♬~ 343 00:56:46,804 --> 00:56:52,810 ♬~ 344 00:56:52,810 --> 00:56:54,812 お父さん。 345 00:56:54,812 --> 00:57:11,812 ♬~ 346 00:57:11,812 --> 00:57:21,822 ♬~ 347 00:57:21,822 --> 00:57:26,811 <父の姿を見たのは それが 最後でした> 348 00:57:26,811 --> 00:57:43,811 ♬~ 349 00:57:43,811 --> 00:57:48,816 <父は わたしを縛っていたのでは ありませんでした> 350 00:57:48,816 --> 00:57:53,804 <いつだって わたしを 愛してくれていたのです> 351 00:57:53,804 --> 00:57:58,809 <今 思えば 父は 教えに来てくれたのです> 352 00:57:58,809 --> 00:58:03,814 <わたしが 不幸な恋愛を しないようにと> 353 00:58:03,814 --> 00:58:09,814 <そして 残された 大事な時を 母と過ごすようにと> 354 00:58:14,809 --> 00:58:19,814 <父は 今も わたしを 見守ってくれている> 355 00:58:19,814 --> 00:58:21,814 <そう思うのです> 356 01:00:33,614 --> 01:00:35,614 (森本)ブルドック鉗子 ちょうだい。 (村田)はい。 357 01:00:37,601 --> 01:00:39,603 (森本)断端部の汚染も 思ったより ひどい。➡ 358 01:00:39,603 --> 01:00:41,622 出血性ショックもある。 (藍沢)初期輸液で➡ 359 01:00:41,622 --> 01:00:44,608 1,500cc 入ってます。 (三井)大丈夫。 橈骨は触れてるわ。 360 01:00:44,608 --> 01:00:46,610 IVH 用意して。 (村田)はい。 361 01:00:46,610 --> 01:00:48,612 (藤川)輸血を O型プラスで開始します。 362 01:00:48,612 --> 01:00:50,614 (白石)Aライン とります。 (大原)失礼します。 363 01:00:50,614 --> 01:00:53,614 (森本)検査は あと回しだ。 すぐに オペ室に運ぼう。