1 00:00:38,175 --> 00:00:44,314 明治28年 正確な天気予報を得るために➡ 2 00:00:44,314 --> 00:00:47,217 富士山頂に 観測所を自費で建て➡ 3 00:00:47,217 --> 00:00:53,490 まだ 誰も成しえた事のない 極寒の気象観測に挑んだ野中 到。 4 00:00:53,490 --> 00:00:57,290 その妻 千代子。 5 00:00:59,296 --> 00:01:02,165 (到)観測所を建てるのだ。 6 00:01:02,165 --> 00:01:04,101 (一同)万歳! 7 00:01:04,101 --> 00:01:07,301 必ず 成し遂げてみせる。 8 00:01:10,340 --> 00:01:16,013 (千代子)私は 主人の後を追って 富士山に登るつもりです。 9 00:01:16,013 --> 00:01:21,013 ごめんなさい… 園子。 10 00:01:23,353 --> 00:01:30,227 福岡の実家に 娘を預け 4日かけて 再び御殿場へ。 11 00:01:30,227 --> 00:01:36,300 夫の後を追い 富士山頂に登るためである。 12 00:01:36,300 --> 00:01:43,173 (赤ちゃんの泣き声) 13 00:01:43,173 --> 00:02:13,203 ♬~ 14 00:02:13,203 --> 00:02:16,203 1つ 下さい。 へえ。 15 00:02:22,346 --> 00:02:24,848 お待たせしました。 16 00:02:24,848 --> 00:02:30,848 わさび漬け 主人が好きなので 山に登る時 持っていこうかと。 17 00:02:33,657 --> 00:02:36,293 ままごと遊び? 18 00:02:36,293 --> 00:02:39,196 そんな… 私は真剣です! 19 00:02:39,196 --> 00:02:44,167 (與平治)和田先生は 奥さんに 伝えてもらいてゃあと言って➡ 20 00:02:44,167 --> 00:02:48,305 ほかに いろんなこんを 話しただよ。 21 00:02:48,305 --> 00:02:53,176 いいのよ いちいち話さなくても。 大体分かってますから。 22 00:02:53,176 --> 00:02:58,315 それによ 野中家からもよ…。 手紙が来てるのね。 23 00:02:58,315 --> 00:03:03,186 分かってます。 和田先生に 叱られたから 慌てて…。 24 00:03:03,186 --> 00:03:07,186 いや 見えてるだよ。 え? 25 00:03:08,959 --> 00:03:13,330 (勝良) 状況が変わったのだ 千代子。 26 00:03:13,330 --> 00:03:17,200 一度は登ってもいいと 手紙で言ったが➡ 27 00:03:17,200 --> 00:03:22,339 ああも和田先生に反対されては…。 28 00:03:22,339 --> 00:03:25,242 到も 手紙をよこしてきた。 29 00:03:25,242 --> 00:03:31,148 「お前の登山 なんとしてでも 思いとどまらせるように」と。 30 00:03:31,148 --> 00:03:38,288 到の この度の富士山冬季観測は 中央気象台の委託を受けた。 31 00:03:38,288 --> 00:03:41,191 いわば 官命だ。 32 00:03:41,191 --> 00:03:44,795 お前も 観測所に 籠もるというのであれば➡ 33 00:03:44,795 --> 00:03:47,698 あらかじめ 許可を得るべきだし➡ 34 00:03:47,698 --> 00:03:51,668 その手続きをとらないで 無断で登ったという事であれば➡ 35 00:03:51,668 --> 00:03:56,306 和田先生の顔を潰しかねない。 36 00:03:56,306 --> 00:04:00,177 手紙なら ここに用意してあります。 37 00:04:00,177 --> 00:04:06,817 登山の当日 投函して頂こうかと。 責任問題という事もあるのだよ。 38 00:04:06,817 --> 00:04:09,720 女のお前を 冬の富士山にやるなどと。 39 00:04:09,720 --> 00:04:12,322 正直申し上げて 私➡ 40 00:04:12,322 --> 00:04:17,194 和田先生のお顔を潰そうと そんな事は 一向に構いません。 41 00:04:17,194 --> 00:04:21,998 妻として 夫を助けたい ただ その一心です。 42 00:04:21,998 --> 00:04:24,835 少し頭を冷やせ 千代子 冷静に。 43 00:04:24,835 --> 00:04:29,339 いいえ 今度ばかりは引けません。 44 00:04:29,339 --> 00:04:34,177 過酷な場所である事は 重々承知しております。 45 00:04:34,177 --> 00:04:41,284 お父様 お考え下さい。 そんな危険な所で 到さんお一人➡ 46 00:04:41,284 --> 00:04:45,789 一日12回 2時間置きの気象観測を なさるなんて➡ 47 00:04:45,789 --> 00:04:48,291 本当に可能でしょうか? 48 00:04:48,291 --> 00:04:51,795 東京の家で 到さんが 1週間ばかり➡ 49 00:04:51,795 --> 00:04:55,298 2時間置きの練習観測を なさっているのを見て➡ 50 00:04:55,298 --> 00:04:59,169 私は こんな事 続けられる訳がないと思いました。 51 00:04:59,169 --> 00:05:05,308 まして 一冬 そんな事が 本当にできるのでしょうか? 52 00:05:05,308 --> 00:05:10,180 まあ この計画は➡ 53 00:05:10,180 --> 00:05:15,318 到が決して病気をしないという 仮定に基づいているが。 54 00:05:15,318 --> 00:05:21,191 ほとんど寝ずに観測をやりながら 水の調達 火のお守り➡ 55 00:05:21,191 --> 00:05:27,330 ごはんの支度… その上 ご存じですか? 56 00:05:27,330 --> 00:05:31,201 観測所には お便所さえ 設けてはないのですよ。 57 00:05:31,201 --> 00:05:35,772 皆様は 私が行くと足手まといになると➡ 58 00:05:35,772 --> 00:05:39,276 考えていらっしゃる ようですけれど➡ 59 00:05:39,276 --> 00:05:43,146 それは 大変な見当違いというものです。 60 00:05:43,146 --> 00:05:46,149 到さんには 誰かが➡ 61 00:05:46,149 --> 00:05:50,287 そういった事を全て引き受ける 私のような者が➡ 62 00:05:50,287 --> 00:05:53,787 本当に必要だと思います。 63 00:06:00,297 --> 00:06:06,169 すみません。 生意気 申し上げました。 64 00:06:06,169 --> 00:06:12,309 ≪(風の音) 65 00:06:12,309 --> 00:06:16,179 何だろう? この音は。 66 00:06:16,179 --> 00:06:19,182 山の音です。 67 00:06:19,182 --> 00:06:26,323 「天気が変わる前には 山から音がする」と 與平治さんが。 68 00:06:26,323 --> 00:06:30,323 雪にならないといいが…。 69 00:06:33,129 --> 00:06:38,268 せめて 天気に恵まれないと➡ 70 00:06:38,268 --> 00:06:44,140 お前にとって 初めての富士登山なのだから。 71 00:06:44,140 --> 00:06:52,782 ♬~ 72 00:06:52,782 --> 00:06:55,685 ありがとうございます。 73 00:06:55,685 --> 00:07:03,293 ♬~ 74 00:07:03,293 --> 00:07:09,165 (與平治)お願あだ。 うんと言ってくんにゃあか。 75 00:07:09,165 --> 00:07:15,305 どう考あても おみゃあらしか 頼めにゃあだよ。 76 00:07:15,305 --> 00:07:21,305 体はええし 山にゃあ強えし 口が堅あ。 77 00:07:27,317 --> 00:07:32,088 もし お二人が 案内人として来て下されば➡ 78 00:07:32,088 --> 00:07:39,288 これほど心強い事はございません。 登山は 半ば成功したも同然です。 79 00:07:42,265 --> 00:07:46,136 (鶴吉)山の神さんが怒るだ。 80 00:07:46,136 --> 00:07:49,139 山の神? 81 00:07:49,139 --> 00:07:54,277 山は もう神さんのもんだ。 てっぺんまで行けにゃあ。 82 00:07:54,277 --> 00:07:57,781 (與平治) 今年の初雪は 9月の9日だ。 83 00:07:57,781 --> 00:08:01,284 それから4度は 雪が降ってるだ。 84 00:08:01,284 --> 00:08:05,789 となりゃあ てっぺんは 氷に覆われてよ➡ 85 00:08:05,789 --> 00:08:13,296 絶対 近寄っちゃいけにゃあ。 地元の者は そう考あるずら。 86 00:08:13,296 --> 00:08:16,296 でも 主人は登りました。 87 00:08:22,305 --> 00:08:30,305 私が女であるから 山に登ると 罰が当たると? 88 00:08:38,254 --> 00:08:43,126 皆さん 同じように考えるのですね。 89 00:08:43,126 --> 00:08:48,264 私が女であるから 中央気象台の 先生は 許可を下さらない。 90 00:08:48,264 --> 00:08:54,137 私が女であるから 富士山頂に 籠もって 夫を助けてはならない。 91 00:08:54,137 --> 00:08:58,274 ですが 女だからこそできる 手助けもあります。 92 00:08:58,274 --> 00:09:00,777 冬の山にだって登れます。 93 00:09:00,777 --> 00:09:04,647 そのために ずっと 足を鍛えてきたのですから。 94 00:09:04,647 --> 00:09:09,285 私がしようとしている事が 罰当たりか そうでないかは➡ 95 00:09:09,285 --> 00:09:13,285 一緒に登って頂ければ 分かってもらえるかと。 96 00:09:14,958 --> 00:09:19,295 (熊吉)おらっち 旦那さんのために 今まで働いてきただよ。 97 00:09:19,295 --> 00:09:24,167 旦那さんが どうしてもって 言うならよ 話は別だけんど➡ 98 00:09:24,167 --> 00:09:28,304 奥さん 勝手に行くだら?➡ 99 00:09:28,304 --> 00:09:31,207 そんなこんに 体張れって言われてもよ。 100 00:09:31,207 --> 00:09:35,111 おみゃあ そんな言い方あるかよ! それによ! 101 00:09:35,111 --> 00:09:41,251 こいつんとこは もうじき 赤子が産まれるだ。 102 00:09:41,251 --> 00:09:44,154 行ったこんにゃあ 冬の山。 103 00:09:44,154 --> 00:09:47,757 おまけに てっぺんまでなんてよ。 104 00:09:47,757 --> 00:09:55,265 土台 無理だ。 (與平治)待てってばよ 鶴 熊! 105 00:09:55,265 --> 00:09:58,168 では! 106 00:09:58,168 --> 00:10:02,138 せめて 行ける所まで…。 107 00:10:02,138 --> 00:10:05,275 行ける所までで 結構です。 108 00:10:05,275 --> 00:10:11,147 もし 行って 無理だという事であれば➡ 109 00:10:11,147 --> 00:10:18,288 主人のところへ行くのを諦めます。 110 00:10:18,288 --> 00:10:24,160 ♬~ 111 00:10:24,160 --> 00:10:30,800 ですから どうか 行ける所まで ご一緒に。 112 00:10:30,800 --> 00:10:34,671 お願いします! 113 00:10:34,671 --> 00:10:39,809 どうか… どうか お力を! 114 00:10:39,809 --> 00:10:42,312 お願いします! 115 00:10:42,312 --> 00:10:59,329 ♬~ 116 00:10:59,329 --> 00:11:04,200 (與平治)この分じゃ 明日にゃあ たてるずら。 117 00:11:04,200 --> 00:11:07,203 明日…。 118 00:11:07,203 --> 00:11:13,343 山ん3合目に 重三郎っちゅう男の小屋があるだ。 119 00:11:13,343 --> 00:11:16,246 わしんちの親戚だもんで➡ 120 00:11:16,246 --> 00:11:20,216 天気が悪い時にゃあ そいつんとこに逃げ込んでよ➡ 121 00:11:20,216 --> 00:11:23,353 そう話しとくからよ。 122 00:11:23,353 --> 00:11:29,225 熊吉も鶴吉も「危にゃあ時には そうするだ」と そう言ってるだ。 123 00:11:29,225 --> 00:11:35,298 何から何まで ありがとうございます。 124 00:11:35,298 --> 00:11:40,298 だもんで 逃げてくんな。 125 00:11:44,307 --> 00:11:50,807 いざとなったら 1人で登るなんて 考えは しにゃあで。 126 00:11:52,815 --> 00:11:57,815 絶対 生きて戻ってくんにゃ。 127 00:12:00,323 --> 00:12:05,323 その時は 一番に こちらに顔を出します。 128 00:12:07,197 --> 00:12:10,197 主人と一緒に。 129 00:12:15,338 --> 00:12:20,210 (清)ごめんください 野中です。 東京の野中です。 130 00:12:20,210 --> 00:12:23,213 清さん。 131 00:12:23,213 --> 00:12:25,348 姉さん。 132 00:12:25,348 --> 00:12:29,219 清さん どうしたの? 何か あったの? 133 00:12:29,219 --> 00:12:34,157 姉さんのお供に参りました。 お供? 134 00:12:34,157 --> 00:12:40,157 母上が どうしても行けって。 お母様が? 135 00:12:42,298 --> 00:12:46,169 (勝良)どういう風の吹き回しだ? (とみ子)何がですか? 136 00:12:46,169 --> 00:12:50,173 反対一転 清を応援団として 送り込んでやっただろう。 137 00:12:50,173 --> 00:12:55,311 何で また急に? それは もう 世間体からですよ。 138 00:12:55,311 --> 00:12:59,182 野中家の嫁が たとえ 登山とはいえ➡ 139 00:12:59,182 --> 00:13:02,185 よその殿方だけに任せるなんて➡ 140 00:13:02,185 --> 00:13:05,321 あまりにも 体裁が悪いじゃないですか。 141 00:13:05,321 --> 00:13:07,257 本当は? 142 00:13:07,257 --> 00:13:11,194 あの子はね 到と違って 登山家でも何でもない。 143 00:13:11,194 --> 00:13:14,330 かまどを預かる主婦です。 144 00:13:14,330 --> 00:13:18,201 いざ登る段になって 不安に思わない訳がない。 145 00:13:18,201 --> 00:13:23,339 いざ雪煙の中に立ったら 手足が すくんでしまうかもしれない。 146 00:13:23,339 --> 00:13:28,211 そんな時 そばに 身内がいたら 少しは違うでしょう。 147 00:13:28,211 --> 00:13:35,785 ♬~ 148 00:13:35,785 --> 00:13:38,285 お母様…。 149 00:13:40,290 --> 00:13:45,161 こう見えて 僕 富士山には 何度か登った事が。 150 00:13:45,161 --> 00:13:49,299 といっても 夏場 兄さんと一緒にですが。 151 00:13:49,299 --> 00:13:52,201 しかし 経験はあります。 152 00:13:52,201 --> 00:13:58,308 本当に心強いわ。 ありがとう 清さん。 153 00:13:58,308 --> 00:14:00,243 いえ。 154 00:14:00,243 --> 00:14:03,179 いらっしゃい。 155 00:14:03,179 --> 00:14:05,179 どうも。 156 00:14:07,317 --> 00:14:12,188 おかばん 預かるずら。 あ… はい! 157 00:14:12,188 --> 00:14:15,191 すいません。 158 00:14:15,191 --> 00:15:03,306 ♬~ 159 00:15:03,306 --> 00:15:07,176 [ 回想 ] 背振山の頂上で拾うた。 160 00:15:07,176 --> 00:15:15,318 ♬~ 161 00:15:15,318 --> 00:15:20,189 ≪(清)姉さん 出発です。 はい。 162 00:15:20,189 --> 00:15:44,280 ♬~ 163 00:15:44,280 --> 00:15:46,215 では。 164 00:15:46,215 --> 00:15:49,152 (けさ)どうぞ 気ぃ付けてな。 165 00:15:49,152 --> 00:15:52,155 行ってまいります。 166 00:15:52,155 --> 00:16:45,775 ♬~ 167 00:16:45,775 --> 00:16:52,275 (鈴の音) 168 00:16:55,284 --> 00:16:59,155 (只圓)とうとう 今日たい。 169 00:16:59,155 --> 00:17:04,293 無事に着くと よかばってん。 170 00:17:04,293 --> 00:17:10,166 (糸子)もし 成功したら あなたのお母様は➡ 171 00:17:10,166 --> 00:17:15,166 冬の富士山に登った 初めての女性になるとですよ。 172 00:17:17,306 --> 00:17:20,209 富士山。 173 00:17:20,209 --> 00:17:23,813 そう 富士山たい。 174 00:17:23,813 --> 00:17:28,317 あなたくらい ちっちゃかったとに いつの間にか➡ 175 00:17:28,317 --> 00:17:33,155 とんでもない事ば しでかす娘に なってしもうて。 176 00:17:33,155 --> 00:17:39,262 (只圓)どっちに似たとかね? (糸子)さあ? ハハハハハハ…。 177 00:17:39,262 --> 00:17:42,262 は~い。 178 00:17:46,135 --> 00:17:52,275 (和田) どうも。 中央気象台の和田です。 179 00:17:52,275 --> 00:17:54,275 和田先生? 180 00:17:57,146 --> 00:18:04,287 手紙 拝見しました。 もう 千代子さんは 出発されたそうで。 181 00:18:04,287 --> 00:18:09,158 千代子も この度の登頂 分をわきまえず➡ 182 00:18:09,158 --> 00:18:12,795 差し出がましき行為である事 重々承知しとります。 183 00:18:12,795 --> 00:18:17,300 ですが どうしても 到の体調が心配だと…。 184 00:18:17,300 --> 00:18:20,202 失礼ながら これは? 185 00:18:20,202 --> 00:18:23,806 (勝良) 気象学会の入会費でございます。 186 00:18:23,806 --> 00:18:28,311 千代子が 富士山頂で 観測業務に携わる以上➡ 187 00:18:28,311 --> 00:18:31,213 正規の手続きを踏むのが道理かと 思いまして。 188 00:18:31,213 --> 00:18:36,118 お返しします。 女性会員は 受け付けておりません。 189 00:18:36,118 --> 00:18:41,257 お納め下さい。 いつか 近い将来 認められた折に。 190 00:18:41,257 --> 00:18:45,127 その予定は ありません。 近い将来もない。 191 00:18:45,127 --> 00:18:48,764 気象学は れっきとした科学であって➡ 192 00:18:48,764 --> 00:18:52,635 洗濯日和 虫干しくらいの 知識しかない婦女子には➡ 193 00:18:52,635 --> 00:18:56,272 到底 理解できない学問です。 そのかわり➡ 194 00:18:56,272 --> 00:18:59,175 婦女子には 婦女子の仕事がある。➡ 195 00:18:59,175 --> 00:19:02,144 家を守り 子を育てる義務がある。 196 00:19:02,144 --> 00:19:04,780 それを放棄して 夫のもとへ押しかけ➡ 197 00:19:04,780 --> 00:19:08,651 物見遊山で 観測の邪魔をされたら たまったものではない。 198 00:19:08,651 --> 00:19:14,290 千代子さんの 観測所への滞在 私は 反対です。 199 00:19:14,290 --> 00:19:17,290 (戸が開く音) 200 00:19:22,164 --> 00:19:27,303 不躾ながら 勘違いでございましょうか? 201 00:19:27,303 --> 00:19:30,806 和田先生は 確か 洋行帰りであり➡ 202 00:19:30,806 --> 00:19:33,709 進歩的な先生だと 伺っておりました。 203 00:19:33,709 --> 00:19:38,614 まだ誰も信用しない頃から 到の話に 耳を傾けて下さった➡ 204 00:19:38,614 --> 00:19:44,253 最初の専門家で 度量が大きく 広い視野をお持ちの方だと。 205 00:19:44,253 --> 00:19:46,756 いや そんな。 206 00:19:46,756 --> 00:19:50,259 ですが 先ほどの 女に対して➡ 207 00:19:50,259 --> 00:19:55,131 まるで 幕藩時代のような 古い 凝り固まったお言葉➡ 208 00:19:55,131 --> 00:19:58,768 先生がおっしゃったとは とても思えぬような物言いに➡ 209 00:19:58,768 --> 00:20:03,639 私 何か勘違いしたのかと とても混乱してしまいまして。 210 00:20:03,639 --> 00:20:07,276 おい とみ子。 そもそも 今度の観測➡ 211 00:20:07,276 --> 00:20:10,179 千代子の申す事も もっともな事でございます。 212 00:20:10,179 --> 00:20:13,783 一日12回 2時間置きの観測を➡ 213 00:20:13,783 --> 00:20:17,286 到が なぜ 1人で やらねばならぬのか。 214 00:20:17,286 --> 00:20:20,189 助手の派遣ぐらい 考えて下さっても…。 215 00:20:20,189 --> 00:20:24,160 とみ子 いい加減にしろ! 申し訳ございません。 216 00:20:24,160 --> 00:20:28,297 洗濯日和 虫干しぐらいの 知識しかない婦女子が➡ 217 00:20:28,297 --> 00:20:31,200 出過ぎた事を。 218 00:20:31,200 --> 00:20:37,807 それが 到君の希望であったからです。 219 00:20:37,807 --> 00:20:41,310 助手などいらぬ。 ほかの誰も巻き込めない。 220 00:20:41,310 --> 00:20:44,213 そういう思いがあったからです。➡ 221 00:20:44,213 --> 00:20:49,185 なぜなら 過酷だからです 想像を絶するほどに。 222 00:20:49,185 --> 00:20:55,324 もし 千代子さんが観測所に滞在し すぐさま倒れでもしたら➡ 223 00:20:55,324 --> 00:20:58,227 その看病で 到君は 更に追い詰められる。 224 00:20:58,227 --> 00:21:00,727 それこそ 命取りだ! 225 00:21:03,199 --> 00:21:08,838 だが しかし まだ 登頂に成功した訳ではない。 226 00:21:08,838 --> 00:21:13,342 是非 途中で挫折し 断念して頂きたい。 227 00:21:13,342 --> 00:21:18,214 私は 心より そう願っています。 228 00:21:18,214 --> 00:22:08,831 ♬~ 229 00:22:08,831 --> 00:22:13,331 きれいね とても。 230 00:22:15,337 --> 00:22:20,209 よかった。 まだ余裕がありそうですね。 231 00:22:20,209 --> 00:22:41,209 ♬~ 232 00:22:54,176 --> 00:22:58,314 (熊吉)時がにゃあ。 行くべ。 233 00:22:58,314 --> 00:23:00,314 はい。 234 00:23:06,188 --> 00:23:08,188 雪だ。 235 00:23:11,327 --> 00:23:15,197 急に 風が冷たくなってきましたね。 236 00:23:15,197 --> 00:23:20,197 ここえらで 足ごしらえするだ。 はい。 237 00:23:47,162 --> 00:23:50,165 (清)さすがに 厳しくなってきましたね。 238 00:23:50,165 --> 00:23:52,301 ええ。 239 00:23:52,301 --> 00:23:56,171 (鶴吉)万が一 つるっといきゃあ 滑り落って おしみゃあだ。 240 00:23:56,171 --> 00:24:00,175 もしもよ 誰か そうなっても 助けにゃあ。➡ 241 00:24:00,175 --> 00:24:03,312 助けりゃ 一緒に落っちみゃあ。 242 00:24:03,312 --> 00:24:40,149 ♬~ 243 00:24:40,149 --> 00:24:43,285 (鶴吉)来るぞ! 244 00:24:43,285 --> 00:25:00,302 (風の音) 245 00:25:00,302 --> 00:25:02,237 (熊吉)行くべ! 246 00:25:02,237 --> 00:25:15,317 ♬~ 247 00:25:15,317 --> 00:25:18,220 必ず 成し遂げてみせる。 248 00:25:18,220 --> 00:25:21,991 (園子)お母様! 249 00:25:21,991 --> 00:25:51,153 ♬~ 250 00:25:51,153 --> 00:25:53,288 はっ! 251 00:25:53,288 --> 00:25:55,288 危ない! 252 00:26:01,163 --> 00:26:07,302 はあ… はあ… はあ…。 253 00:26:07,302 --> 00:26:10,205 (風の音) 254 00:26:10,205 --> 00:26:14,176 (熊吉)お~い!➡ 255 00:26:14,176 --> 00:26:17,176 大丈夫きゃあ!? 256 00:26:19,314 --> 00:26:21,250 はい! 257 00:26:21,250 --> 00:26:27,250 (熊吉)気ぃ付けろ! そこを滑ったら 真っ逆さまだ! 258 00:26:37,266 --> 00:26:41,266 (鶴吉)これを…。 これを縛るだ! 259 00:26:51,280 --> 00:26:56,280 [ 回想 ] (熊吉)こいつんとこは もうじき 赤子が産まれるだ。 260 00:27:01,290 --> 00:27:05,290 何してんだよ 早く! 261 00:27:10,299 --> 00:27:13,299 道連れにはできない。 262 00:27:15,170 --> 00:27:19,170 姉さん! いいから 早く! 263 00:27:28,317 --> 00:27:32,187 大丈夫… 大丈夫…。 264 00:27:32,187 --> 00:27:35,124 登れます! 265 00:27:35,124 --> 00:28:39,254 ♬~ 266 00:28:39,254 --> 00:28:43,125 さあ 参りましょう。 267 00:28:43,125 --> 00:29:59,268 ♬~ 268 00:29:59,268 --> 00:30:03,138 ここが 頂上…。 269 00:30:03,138 --> 00:30:09,278 ♬~ 270 00:30:09,278 --> 00:30:11,213 姉さん。 271 00:30:11,213 --> 00:30:21,290 ♬~ 272 00:30:21,290 --> 00:30:26,161 おみゃあ 先に行って 旦那さんを。 いえ。 273 00:30:26,161 --> 00:30:29,164 こちらから。 274 00:30:29,164 --> 00:30:42,311 ♬~ 275 00:30:42,311 --> 00:30:45,213 到さん。 276 00:30:45,213 --> 00:31:10,339 ♬~ 277 00:31:10,339 --> 00:31:14,209 先に行ってくんな。 278 00:31:14,209 --> 00:31:17,212 兄さん きっと喜びますよ。 279 00:31:17,212 --> 00:32:05,327 ♬~ 280 00:32:05,327 --> 00:32:08,327 (戸をたたく音) 281 00:32:23,345 --> 00:32:26,248 (戸をたたく音) 兄さん! 282 00:32:26,248 --> 00:32:31,248 (戸をたたく音) 兄さん! 283 00:32:34,289 --> 00:32:39,289 (戸をたたく音) 284 00:33:08,190 --> 00:33:12,190 さあ 中へ。 285 00:33:58,306 --> 00:34:02,306 (清)暖かい。 上がれ。 286 00:34:33,141 --> 00:34:38,141 何で連れてきた? 何でって…。 287 00:34:40,282 --> 00:34:43,184 私が頼んだんです。 288 00:34:43,184 --> 00:34:48,156 鶴吉さんと熊吉さんに 案内してほしいと。 289 00:34:48,156 --> 00:34:54,296 清さんは 私を心配して…。 皆を巻き込んで。 290 00:34:54,296 --> 00:35:00,296 お前一人の わがままのために もし 何かあったら どうする? 291 00:35:04,306 --> 00:35:08,176 (熊吉) 先生。 奥さんは ようやっただ。 292 00:35:08,176 --> 00:35:15,317 こんな雪ん中 朝から登って 夕方にゃ着いただよ 女の足でよ。 293 00:35:15,317 --> 00:35:17,252 (清)そうですよ。➡ 294 00:35:17,252 --> 00:35:20,188 姉さんが この日のために どれだけ準備をしたか…。➡ 295 00:35:20,188 --> 00:35:23,188 それなのに そんな言い方…。 296 00:35:27,329 --> 00:35:31,199 いいえ 主人の言うとおりです。 297 00:35:31,199 --> 00:35:38,273 皆さんを煩わせてしまい 本当に申し訳ないと思ってます。 298 00:35:38,273 --> 00:35:45,146 でも… もう 到着してしまったのですから➡ 299 00:35:45,146 --> 00:35:49,146 私は ここに…。 駄目だ! 300 00:35:56,291 --> 00:36:02,163 今夜は ここで寝て 明日 帰れ。 いいな。 301 00:36:02,163 --> 00:38:01,149 ♬~ 302 00:38:01,149 --> 00:38:07,288 (せきこみ) 303 00:38:07,288 --> 00:38:31,288 ♬~ 304 00:39:16,291 --> 00:39:22,291 午後になると 風が強くなる。 なるべく早く下山しろ。 305 00:39:25,300 --> 00:39:31,300 私は 帰りません。 来年の春まで ここに います。 306 00:39:35,109 --> 00:39:39,109 迷惑だ。 仕事の妨げになる。 307 00:39:54,262 --> 00:39:59,133 これを持ってきました。 (清)ああ わさび漬け。 308 00:39:59,133 --> 00:40:02,136 到さん お好きだから。 309 00:40:02,136 --> 00:40:06,136 山の上で そんな匂いが強い物が 食べられるか。 310 00:40:11,279 --> 00:40:16,279 (熊吉) あの… おらっち そろそろ…。 311 00:40:18,152 --> 00:40:22,290 お前も 千代子を連れていけ。 312 00:40:22,290 --> 00:40:25,193 私は 下山致しません。 313 00:40:25,193 --> 00:40:28,796 今更 連れて帰れと言われても 困ります。 314 00:40:28,796 --> 00:40:32,300 僕は 母上の言いつけで お送りしたのですから。 315 00:40:32,300 --> 00:40:37,171 この事は 東京のお父様お母様にも お許し頂きましたし➡ 316 00:40:37,171 --> 00:40:40,174 博多の両親も 了解しています。 317 00:40:40,174 --> 00:40:44,312 園子は どうする? ですから 博多の家に。 318 00:40:44,312 --> 00:40:48,182 母にも なついたようで。 無責任な事を言うな! 319 00:40:48,182 --> 00:40:53,321 園子の母親は 誰だ? お前だろう! 320 00:40:53,321 --> 00:41:13,341 ♬~ 321 00:41:13,341 --> 00:41:19,213 熊吉さん 鶴吉さん。 ひとまず 先に下りて下さい。 322 00:41:19,213 --> 00:41:22,350 千代子と清は もう一晩 ここに置いて➡ 323 00:41:22,350 --> 00:41:25,253 明日 下山させます。 324 00:41:25,253 --> 00:41:34,295 ♬~ 325 00:41:34,295 --> 00:41:40,168 くれぐれも お気を付けて。 (2人)へえ。 326 00:41:40,168 --> 00:41:44,168 これ 道中 召し上がって下さい。 327 00:41:48,309 --> 00:41:54,182 ご無理を言って 本当に ありがとうございました。 328 00:41:54,182 --> 00:42:00,321 赤ちゃん 無事の誕生 お祈りしております。 329 00:42:00,321 --> 00:42:04,192 奥さんも 元気でよ。 330 00:42:04,192 --> 00:42:41,192 ♬~ 331 00:42:51,305 --> 00:42:54,208 頭が痛いのか? 332 00:42:54,208 --> 00:42:59,180 いいえ。 高山病だ。 下りれば 治る。 333 00:42:59,180 --> 00:43:02,180 下りません。 334 00:43:08,322 --> 00:43:16,197 ここは 女がいられる所ではない。 恐ろしい所だ。 335 00:43:16,197 --> 00:43:20,334 そのように恐ろしい所なら➡ 336 00:43:20,334 --> 00:43:23,237 なおさら あなたを 一人に ここに しておく訳にはいきません。 337 00:43:23,237 --> 00:43:27,208 お前の体が もたない。 あなたの方こそ もたないわ。 338 00:43:27,208 --> 00:43:32,780 昨夜 一晩中 見てましたけど 一晩中 出たり入ったり。 339 00:43:32,780 --> 00:43:36,284 あれじゃ 寝てないも同然じゃないですか。 340 00:43:36,284 --> 00:43:41,155 現に あなたのお顔 どう見ても 疲れ切ってます。 341 00:43:41,155 --> 00:43:45,293 議論の余地はない。 帰れ。 帰りません。 342 00:43:45,293 --> 00:43:48,293 帰れ! 帰りません! 343 00:43:50,164 --> 00:43:55,303 いいわ そんなに離れたいなら 私が 外に出ます。 344 00:43:55,303 --> 00:43:58,206 ちょっと 頭を冷やしてきますから➡ 345 00:43:58,206 --> 00:44:03,206 あなたは ゆっくり お休みになって下さい。 346 00:45:06,307 --> 00:45:09,210 (風の音) 347 00:45:09,210 --> 00:45:11,210 キャッ! 348 00:45:17,318 --> 00:45:21,189 千代子… 千代子! 349 00:45:21,189 --> 00:45:24,192 危ない 何してる!? 石が…。 350 00:45:24,192 --> 00:45:28,329 下がれ! 今 風で…。 千代子! 351 00:45:28,329 --> 00:45:33,167 でも 今 下に…。 いい加減にしろ! 352 00:45:33,167 --> 00:45:36,137 ここは 新雪だ。 こんなとこ 踏んだら➡ 353 00:45:36,137 --> 00:45:40,274 あっという間に崩れて落ちるぞ! 354 00:45:40,274 --> 00:45:44,145 こんな様子で ここに いられる訳がない。 355 00:45:44,145 --> 00:45:50,145 いいか? お前の面倒を見てる暇などない。 356 00:45:52,286 --> 00:45:55,286 帰るんだ。 357 00:46:02,296 --> 00:46:08,296 無くしてしまったの あの石…。 358 00:46:10,171 --> 00:46:12,171 石? 359 00:46:14,308 --> 00:46:21,308 あなた 昔 下さったでしょう 背振山の…。 360 00:46:29,323 --> 00:46:33,323 大事な… 私の…。 361 00:46:38,132 --> 00:46:43,132 でも もう 無くしてしまったの。 362 00:46:57,285 --> 00:47:02,285 石だろう? 石よ。 363 00:47:05,159 --> 00:47:11,159 そんな物 また いくらでも くれてやる。 364 00:47:14,302 --> 00:47:21,302 と言っても ここでは 石すら手に入らないが。 365 00:47:27,315 --> 00:47:49,270 ♬~ 366 00:47:49,270 --> 00:47:53,140 思い出してたんです。 367 00:47:53,140 --> 00:48:00,281 あのころから あなたは お山が好きで➡ 368 00:48:00,281 --> 00:48:07,281 空や星が好きで 気象学を勉強して…。 369 00:48:11,292 --> 00:48:16,292 観測所を造るという夢が出来て…。 370 00:48:21,302 --> 00:48:29,176 ♬~ 371 00:48:29,176 --> 00:48:33,748 夢が かなったんですね。 372 00:48:33,748 --> 00:48:38,619 ♬~ 373 00:48:38,619 --> 00:48:43,758 本当に 建てておしまいに なったんですから➡ 374 00:48:43,758 --> 00:48:46,660 野中観測所を。 375 00:48:46,660 --> 00:48:55,770 ♬~ 376 00:48:55,770 --> 00:48:58,770 おめでとうございます。 377 00:49:03,277 --> 00:49:09,150 あなたは 偉い人です。 378 00:49:09,150 --> 00:49:15,289 我が夫ながら 本当にご立派です。 379 00:49:15,289 --> 00:49:57,264 ♬~ 380 00:49:57,264 --> 00:50:00,264 (戸が開く音) 381 00:50:16,283 --> 00:50:18,283 千代子。 382 00:50:21,155 --> 00:50:26,627 お前も 手紙を書いたらいい。 え? 383 00:50:26,627 --> 00:50:31,327 次は いつ 手紙が出せるか 分からないからな。 384 00:50:50,317 --> 00:52:23,317 ♬~ 385 00:52:30,351 --> 00:52:35,189 やはり お前が こしらえてくれた物は うまいな。 386 00:52:35,189 --> 00:52:39,159 火元が これしかないですから 時間は かかりますけど➡ 387 00:52:39,159 --> 00:52:42,296 だいぶ慣れました。 388 00:52:42,296 --> 00:52:48,168 頭痛は? ずっと薄らいで 頭が重いぐらいにまで。 389 00:52:48,168 --> 00:52:50,168 そうか。 390 00:52:54,308 --> 00:52:59,179 しかし… 本当に これで よかったのか? 391 00:52:59,179 --> 00:53:02,179 え? 392 00:53:04,318 --> 00:53:09,318 正直言って 恐怖だ。 393 00:53:12,192 --> 00:53:18,332 もし お前の身に 何かあったら…。 そう考えると➡ 394 00:53:18,332 --> 00:53:25,332 今までになく 身がすくむ。 恐怖を感じてしまう。 395 00:53:27,341 --> 00:53:34,341 それだけは 避けたかった… そんな弱い自分は。 396 00:53:44,291 --> 00:53:50,164 では 分かってもらえますね➡ 397 00:53:50,164 --> 00:53:54,301 私が どうして ここに来たのか。 398 00:53:54,301 --> 00:53:59,173 ♬~ 399 00:53:59,173 --> 00:54:06,313 もし あなたに何かあったらと そう考えたら➡ 400 00:54:06,313 --> 00:54:10,184 身がすくむほど怖かったからです。 401 00:54:10,184 --> 00:54:14,184 居ても立っても 居られなかったからです。 402 00:54:16,323 --> 00:54:25,323 でも こうして お顔が見られて 安心致しました。 403 00:54:29,336 --> 00:54:35,336 これから ここで いろんな困難があるかと思います。 404 00:54:37,144 --> 00:54:43,283 でも どうか 観測をやり遂げて下さい。 405 00:54:43,283 --> 00:54:47,154 一生懸命お手伝いします。 406 00:54:47,154 --> 00:54:52,292 あなたは 存分に お仕事をなさって下さい。 407 00:54:52,292 --> 00:55:07,775 ♬~ 408 00:55:07,775 --> 00:55:13,275 そうだ。 あれ もらおうかな。 409 00:55:16,316 --> 00:55:19,219 わさび漬け。 410 00:55:19,219 --> 00:55:29,329 ♬~ 411 00:55:29,329 --> 00:55:31,765 (とみ子)あなた! 412 00:55:31,765 --> 00:55:35,269 あなた 出てます。 413 00:55:35,269 --> 00:55:39,139 ここに。 おお 本当だ。➡ 414 00:55:39,139 --> 00:55:43,143 「野中 到 富士山頂での観測 始まる」。 415 00:55:43,143 --> 00:55:47,281 ここです ここ! ん? 千代子の事か。 416 00:55:47,281 --> 00:55:52,152 (とみ子)「夫婦で越冬し 気象観測に挑む」と。 417 00:55:52,152 --> 00:55:56,152 これは いよいよ 注目を集めるな。 418 00:55:58,292 --> 00:56:02,162 無事 成功するといいが。 419 00:56:02,162 --> 00:56:14,308 ♬~ 420 00:56:14,308 --> 00:56:17,211 フフッ。 うまい。 421 00:56:17,211 --> 00:56:31,258 ♬~ 422 00:56:31,258 --> 00:56:37,258 (風の音) 423 00:57:01,255 --> 00:57:09,296 ♬「涙のような 雨が降れば」 424 00:57:09,296 --> 00:57:17,170 ♬「私が傘を 差しかける」 425 00:57:17,170 --> 00:57:26,313 ♬「風が泣いて 寒い夜は」 426 00:57:26,313 --> 00:57:34,121 ♬「あなたが 抱きしめてくれる」 427 00:57:34,121 --> 00:57:43,263 ♬「共に歩み 共に生きて」 428 00:57:43,263 --> 00:57:51,138 ♬「ここまで 来たけれど」 429 00:57:51,138 --> 00:57:56,276 ♬「二人で いられたから」 430 00:57:56,276 --> 00:58:00,147 ♬「怖いものは なかった」 431 00:58:00,147 --> 00:58:08,288 ♬「運命で 結ばれた愛」 432 00:58:08,288 --> 00:58:12,793 ♬「二人を 分かつ時が」 433 00:58:12,793 --> 00:58:17,297 ♬「たとえ 巡り来ようと」 434 00:58:17,297 --> 00:58:24,297 ♬「永遠に 生き続ける愛」