1 00:00:33,499 --> 00:00:38,504 ≪(ノック) ≪(祐子)篠田さん。 食事の時間よ。 2 00:00:38,504 --> 00:00:40,506 ≪(ドアノブを回す音) 3 00:00:40,506 --> 00:00:42,506 ≪(ノック) ≪(祐子)篠田さん? 4 00:00:51,517 --> 00:00:53,519 (加奈子・愛)アハハ。 5 00:00:53,519 --> 00:00:56,522 (美砂)何 笑ってんの? (愛)いや。 この人 だって。 6 00:00:56,522 --> 00:01:00,526 (祐子)鍵 掛けちゃってるみたい。 (愛)えー? 寝ちゃったのかな? 7 00:01:00,526 --> 00:01:02,528 (加奈子)かもね。 疲れたって 言ってたから。 8 00:01:02,528 --> 00:01:04,530 (美砂)でも 晩ご飯 しっかり 食べて➡ 9 00:01:04,530 --> 00:01:06,532 夜 ちゃんと 寝た方がいいと思うな。 10 00:01:06,532 --> 00:01:08,534 (藤村)そうだよ。 あしたは 5時起きで 登んだから。 11 00:01:08,534 --> 00:01:11,537 そうだ。 5時だ。 (祐子)ですよね。 12 00:01:11,537 --> 00:01:15,537 早いな。 (祐子)外から 声 掛けてみる。 13 00:01:24,550 --> 00:01:27,553 あっ。 大丈夫です。 14 00:01:27,553 --> 00:01:30,556 あれ? 明かり ついてないですね。 15 00:01:30,556 --> 00:01:33,493 (祐子)やっぱり 寝てるんだ。 16 00:01:33,493 --> 00:01:38,493 (ノック) (祐子)篠田さん。 起きて。 17 00:01:40,500 --> 00:01:44,504 鍵 締まってますね。 (祐子)うん。 18 00:01:44,504 --> 00:01:47,507 あれ? 戻って ご飯を食べましょう。 19 00:01:47,507 --> 00:01:51,511 篠田さんには 私が 後で 声 掛けるから。 20 00:01:51,511 --> 00:01:57,517 はい。 うわー。 奇麗。 21 00:01:57,517 --> 00:02:02,517 東京とは 全然 違うでしょう? ああ。 はい。 22 00:02:07,527 --> 00:02:09,529 (藤村)はい。 では ごゆっくり。 23 00:02:09,529 --> 00:02:11,531 ありがとうございます。 (愛)おいしそう。 24 00:02:11,531 --> 00:02:14,534 (加奈子)岸谷さんは 何してる人なんですか? 25 00:02:14,534 --> 00:02:16,536 あっ。 公務員です。 (加奈子)ふーん。 26 00:02:16,536 --> 00:02:18,538 あっ。 すいません。 ありがとうございます。 27 00:02:18,538 --> 00:02:22,542 (祐子)どんな お仕事? ああ。 一応 警察関係。 28 00:02:22,542 --> 00:02:25,545 (愛)えー! 警察の人!? (加奈子)嘘! 29 00:02:25,545 --> 00:02:28,548 そんな 驚かなく…。 (愛)いや。 すんごいね。 30 00:02:28,548 --> 00:02:30,550 全然 そういうふうに 見えなかった。 31 00:02:30,550 --> 00:02:32,485 あっ。 ホントですか? (愛)うん。 32 00:02:32,485 --> 00:02:36,489 でも 今日は 関係ないんで。 そうだよね。 33 00:02:36,489 --> 00:02:39,492 いただきます。 いただきます。 34 00:02:39,492 --> 00:02:46,499 ♬~ 35 00:02:46,499 --> 00:02:48,501 ♬(ピアノの音) (愛)下手くそ! 36 00:02:48,501 --> 00:02:52,505 どういうこと? ホント。 (加奈子)難しい。 37 00:02:52,505 --> 00:02:54,507 (祐子)お先に 頂きました。 次 どうぞ。 38 00:02:54,507 --> 00:02:57,510 (愛)あっ。 ああ。 どうぞ どうぞ。 (加奈子)どうぞ。 39 00:02:57,510 --> 00:02:59,512 じゃあ お先に。 40 00:02:59,512 --> 00:03:02,515 どうでした? 気持ち良かったですか? 41 00:03:02,515 --> 00:03:05,515 お湯の中で 寝そうになっちゃった。 アハハ。 42 00:03:07,520 --> 00:03:10,523 ♬(鼻歌) 43 00:03:10,523 --> 00:03:13,526 ハァー。 気持ちいい。 44 00:03:13,526 --> 00:03:31,560 ♬~ 45 00:03:31,560 --> 00:03:35,560 ♬~ 46 00:03:41,487 --> 00:03:44,490 (湯川)いくぞ。 (一同)はい。➡ 47 00:03:44,490 --> 00:03:47,490 おおー。 (栗林)いけ。 いけ。 48 00:03:49,495 --> 00:03:53,499 (湯川)この発泡スチロールには 超電導物質が 包まれている。 49 00:03:53,499 --> 00:03:56,502 超電導物質は 極低温まで 冷やされると➡ 50 00:03:56,502 --> 00:03:58,504 マイスナー効果と ピン止め効果で➡ 51 00:03:58,504 --> 00:04:02,508 このように 磁気浮上するんだ。 (一同)ああ。 なるほど。 52 00:04:02,508 --> 00:04:06,512 ≪うらやましいなぁ。 ハァー。 うらやましい。 53 00:04:06,512 --> 00:04:08,514 (栗林)何だよ? そんなふうに➡ 54 00:04:08,514 --> 00:04:10,516 毎日 遊んで 生きていけたら いいよねぇ。 55 00:04:10,516 --> 00:04:14,520 (栗林)かっ。 これは 実験だぞ。 超電導の実験。 56 00:04:14,520 --> 00:04:17,523 何の役に立つの? (栗林)えっ? 57 00:04:17,523 --> 00:04:20,526 発砲スチロールを 凍らせて 転がして➡ 58 00:04:20,526 --> 00:04:23,529 ジェットコースターにして それが 何の役に立つの? 59 00:04:23,529 --> 00:04:25,531 はい。 君たち。 答えてごらんなさい。 60 00:04:25,531 --> 00:04:28,534 (折川)何の役に立つって。 (みさき)それは…。 61 00:04:28,534 --> 00:04:30,536 (栗林)これはな。 四股だ。 62 00:04:30,536 --> 00:04:33,472 (栗林・美砂)しこ? 相撲取りは 四股を踏む。 63 00:04:33,472 --> 00:04:37,476 足腰の鍛錬のため。 股関節の柔軟性を 高めるため。 64 00:04:37,476 --> 00:04:40,479 それによって 相撲を取るのに 必要不可欠な 重心を➡ 65 00:04:40,479 --> 00:04:43,482 低く保つための バランスを 身に付けることができる。 66 00:04:43,482 --> 00:04:48,487 四股は 基本の稽古だ。 つまり 今の君の質問は➡ 67 00:04:48,487 --> 00:04:51,490 相撲部屋の 朝稽古の見学に行って あなた方は なぜ➡ 68 00:04:51,490 --> 00:04:54,493 四股を 踏んでらっしゃるんですかと 聞いてるのと 同じだ。 69 00:04:54,493 --> 00:04:57,496 われわれが 今 やってるのは 基礎物理の実験であり➡ 70 00:04:57,496 --> 00:05:00,499 それが 何の役に立つのかと 聞かれたら それは➡ 71 00:05:00,499 --> 00:05:03,502 物理を学ぶために 必要だから。 そう答えるしかない。 72 00:05:03,502 --> 00:05:05,504 (栗林)うまい! はいはい。 分かりました。 73 00:05:05,504 --> 00:05:07,506 (栗林)俺たちは 今 四股 踏んでんだよ! 74 00:05:07,506 --> 00:05:09,508 分かったっつってんでしょ。 (宇野原)四股って。 75 00:05:09,508 --> 00:05:11,510 (田窪)むしろ。 (萌子)分かりづらい。 76 00:05:11,510 --> 00:05:14,513 それよりも 僕は なぜ 今 君が ここで コーヒーをすすりながら➡ 77 00:05:14,513 --> 00:05:17,516 この実験に 口を挟んでるのかが 疑問だ。 78 00:05:17,516 --> 00:05:19,518 今日の実験は 以上だ。 79 00:05:19,518 --> 00:05:21,520 リポートは 来週までに 提出するように。 80 00:05:21,520 --> 00:05:23,522 (一同)はい。 (栗林)じゃあ 片付けよう。 81 00:05:23,522 --> 00:05:25,524 (折川)栗林さん。 お願いします。 (栗林)えっ? 82 00:05:25,524 --> 00:05:27,526 (田窪)俺たち 授業があるんで。 (栗林)えっ? また? 83 00:05:27,526 --> 00:05:31,547 湯川先生。 1件だけ いいですか? 12時50分から 僕は 講義だ。 84 00:05:31,547 --> 00:05:33,466 (栗林)君の相手してるほど 暇じゃないんだよ 先生は。➡ 85 00:05:33,466 --> 00:05:36,469 勝手に パソコンを いじんなよ! 野木 祐子さんって ご存じですか? 86 00:05:36,469 --> 00:05:41,474 NTC製作所の 研究員です。 NTC製作所。 87 00:05:41,474 --> 00:05:44,477 理系学生の 就職 人気ランキングでは 常に トップクラス。 88 00:05:44,477 --> 00:05:48,481 (栗林)僕が落ちた 会社だ。 その女性の名前は 知らないが➡ 89 00:05:48,481 --> 00:05:51,484 NTCの 研究員なら 優秀なんだろう。 90 00:05:51,484 --> 00:05:54,487 そんな女性が 人を殺したとしたら? 91 00:05:54,487 --> 00:05:56,489 (栗林)えっ? 人を殺した!? 92 00:05:56,489 --> 00:05:58,491 山歩きの イベントを 自分で 企画し➡ 93 00:05:58,491 --> 00:06:02,495 それに参加した 女友達を 谷底に突き落とした。 94 00:06:02,495 --> 00:06:05,498 (栗林)「山ガール」? しかも これは ある意味➡ 95 00:06:05,498 --> 00:06:08,501 密室殺人でも あるんです。 (栗林)密室!? 96 00:06:08,501 --> 00:06:12,505 亡くなったのは 33歳の女性。 警察は 自殺だとみています。 97 00:06:12,505 --> 00:06:14,507 でも 私は 彼女が殺したと 思っています。 98 00:06:14,507 --> 00:06:17,510 科学的な根拠が あるんです。 科学的? 99 00:06:17,510 --> 00:06:19,512 美人だ。 えっ? 100 00:06:19,512 --> 00:06:21,514 確かに。 いや。 そこじゃないでしょ。 101 00:06:21,514 --> 00:06:25,518 今 私 科学的な根拠って。 野木 祐子。 102 00:06:25,518 --> 00:06:27,520 名前もいい。 ハァー。 あーあ。 103 00:06:27,520 --> 00:06:30,523 こういうタイプが 好きなわけ? 先生たちは。 104 00:06:30,523 --> 00:06:32,458 もう 40ですよ この人。 年齢 関係ないんだよ。 小娘。 105 00:06:32,458 --> 00:06:34,460 ちょっと 見せて。 何でよ? 106 00:06:34,460 --> 00:06:36,462 今 私が 説明…。 血液型 見たい。 107 00:06:36,462 --> 00:06:38,464 壊れる。 ホントに こんな 奇麗な人が…。 108 00:06:38,464 --> 00:06:40,464 何? いった。 あっ。 109 00:06:42,468 --> 00:06:51,477 ♬~ 110 00:06:51,477 --> 00:07:01,477 ♬~ 111 00:08:50,496 --> 00:08:54,500 えっ? ちょっ ちょっ。 うわっ。 怖っ。 112 00:08:54,500 --> 00:08:59,500 あっ。 あそこに落ちて 篠田さんは 亡くなっていたんです。 113 00:09:03,509 --> 00:09:06,512 君の言う 科学的根拠とは? 114 00:09:06,512 --> 00:09:10,512 それは ペンションに 着いてから。 115 00:09:14,520 --> 00:09:17,523 (藤村)申し訳ありません。 今日は 一部屋しか➡ 116 00:09:17,523 --> 00:09:19,525 空いてないんです。 一部屋!? 117 00:09:19,525 --> 00:09:21,527 (藤村)あの自殺騒ぎがあって➡ 118 00:09:21,527 --> 00:09:23,529 予約が 全部 キャンセルされちゃいましてね。 119 00:09:23,529 --> 00:09:25,531 あっ。 じゃあ 部屋は 空いてるんじゃ? 120 00:09:25,531 --> 00:09:28,534 (藤村)この機会に 古い ベッドを 交換することにしたんです。 121 00:09:28,534 --> 00:09:30,536 はあ。 (藤村)一部屋だけ➡ 122 00:09:30,536 --> 00:09:33,539 新しい ベッドだったんで お泊まりになれます。 123 00:09:33,539 --> 00:09:35,541 あっ いや。 でも…。 (藤村)セミダブルなんで➡ 124 00:09:35,541 --> 00:09:38,544 ちょっと 窮屈かもしれませんが。 あっ。 そういう問題じゃ。 125 00:09:38,544 --> 00:09:41,547 いや。 むしろ 問題です。 構いません。 126 00:09:41,547 --> 00:09:43,549 えっ? まったく 問題ありません。 127 00:09:43,549 --> 00:09:45,551 (藤村)それに そこは 亡くなった 女性が➡ 128 00:09:45,551 --> 00:09:47,553 お泊まりになった 部屋なんですが。 129 00:09:47,553 --> 00:09:49,488 ぜひ その部屋で。 ええー! 130 00:09:49,488 --> 00:09:51,490 はい。 131 00:09:51,490 --> 00:09:55,494 どうぞ。 食事は 6時から 8時の間で お願いします。 132 00:09:55,494 --> 00:09:58,497 どうも。 はい。 じゃ 失礼します。 133 00:09:58,497 --> 00:10:01,497 あっ いや。 ちょっ ちょっと。 134 00:10:06,505 --> 00:10:09,505 さあ 岸谷君。 135 00:10:11,510 --> 00:10:13,510 さあ。 136 00:10:16,515 --> 00:10:22,515 あっ。 ああ。 中島君。 137 00:10:24,523 --> 00:10:29,528 痛て。 ああ。 ちょっと。 聞かせてくれ。 138 00:10:29,528 --> 00:10:32,531 君の 科学的根拠とやらを。 あっ いや。 139 00:10:32,531 --> 00:10:36,535 その前に まずいでしょ? 先生と 私が おんなじ部屋だなんて。 140 00:10:36,535 --> 00:10:41,540 大した 問題じゃない。 ウップス。 何でよ? 141 00:10:41,540 --> 00:10:44,543 僕から見れば 君は つまり。 142 00:10:44,543 --> 00:10:47,546 美人じゃない。 143 00:10:47,546 --> 00:10:50,482 ハァー。 女とも 思ってない。 144 00:10:50,482 --> 00:10:54,486 それ以前に 君は 刑事だ。 145 00:10:54,486 --> 00:10:57,489 科学的根拠は? 146 00:10:57,489 --> 00:11:00,492 あの日。 あっ。 つまり 事件のあった日。 147 00:11:00,492 --> 00:11:05,497 このペンションに 最初に着いたのは 私でした。 148 00:11:05,497 --> 00:11:08,500 (藤村)《ああ。 早かったね》 《えっ? まだ 誰も?》 149 00:11:08,500 --> 00:11:13,505 (藤村)《うん。 岸谷さんが 一番乗り。 さあ どうぞ》 150 00:11:13,505 --> 00:11:19,511 次に到着したのが 亡くなった 篠田 真希さんでした。 151 00:11:19,511 --> 00:11:22,514 (真希)《ハァ。 こんにちは》 (藤村)《ああ。 いらっしゃい》 152 00:11:22,514 --> 00:11:24,516 《こんにちは。 初めまして。 岸谷 美砂です》 153 00:11:24,516 --> 00:11:28,520 (真希)《ああ どうも。 篠田 真希です。 よろしくね》 154 00:11:28,520 --> 00:11:30,522 《実は 私 山ガール デビューなんです》 155 00:11:30,522 --> 00:11:32,524 《色々 教えてください》 (真希)《分かった 分かった》 156 00:11:32,524 --> 00:11:34,526 (藤村)《今 コーヒー 入れっから》 (真希)《ああ。 いい》➡ 157 00:11:34,526 --> 00:11:37,529 《少し 部屋で 休ませてください。 ちょっと 寝不足なの》➡ 158 00:11:37,529 --> 00:11:41,533 《ごめんね》 《ああ。 どうぞ どうぞ》 159 00:11:41,533 --> 00:11:46,538 その後 横浜で OLをやっている 女性たちが 着いて。 160 00:11:46,538 --> 00:11:48,557 (加奈子)《ああ。 着いた》 161 00:11:48,557 --> 00:11:52,478 (愛)《あっ。 いやー。 懐かしい…》 162 00:11:52,478 --> 00:11:57,478 そして 外が暗くなったころ 野木 祐子さんが 到着しました。 163 00:12:01,487 --> 00:12:03,489 《ごめんなさい。 遅くなっちゃって》 164 00:12:03,489 --> 00:12:08,494 《言い出しっぺは 私なのに。 野木 祐子です》 165 00:12:08,494 --> 00:12:10,496 (愛)《あっ。 潮見です》 (加奈子)《関です》 166 00:12:10,496 --> 00:12:12,498 《岸谷です。 よろしく お願いします》 167 00:12:12,498 --> 00:12:14,500 (祐子)《よろしく お願いします》 (藤村)《また 実験で➡ 168 00:12:14,500 --> 00:12:17,503 時間 かかったの? 野木さん》 (祐子)《そうなの》 169 00:12:17,503 --> 00:12:20,506 彼女は このペンションの 常連のようでした。 170 00:12:20,506 --> 00:12:24,510 《あっ。 実験?》 (祐子)《私 NTC製作所で➡ 171 00:12:24,510 --> 00:12:27,513 研究員を やってます》 (愛・加奈子)《えー!》 172 00:12:27,513 --> 00:12:30,516 (愛)《理系女子ですね》 (祐子)《あっ。 今回 一緒の➡ 173 00:12:30,516 --> 00:12:33,519 篠田 真希さんは 同じ研究仲間で》➡ 174 00:12:33,519 --> 00:12:35,521 《あっ。 篠田さんは?》 (藤村)《うん?》 175 00:12:35,521 --> 00:12:37,523 (祐子)《先に 着いてるはずなんだけど》 176 00:12:37,523 --> 00:12:39,525 (藤村)《ああ。 疲れたから 少し 休みたいって》 177 00:12:39,525 --> 00:12:41,527 《ああ。 部屋に いらっしゃいますよ》 178 00:12:41,527 --> 00:12:43,529 《そう。 彼女も ずっと 大変だったから》 179 00:12:43,529 --> 00:12:46,532 《私の知り合いにも 理系の人 います》 180 00:12:46,532 --> 00:12:48,500 《もう すっごい 変人》 181 00:12:48,500 --> 00:12:52,371 いきなり 僕のことを そう紹介したのか? 182 00:12:52,371 --> 00:12:57,376 名前は 出してませんよ。 変人物理学者って 言っただけ。 183 00:12:57,376 --> 00:13:01,380 その後 野木さんは 篠田さんを 呼びに行きました。 184 00:13:01,380 --> 00:13:05,384 (祐子)《篠田さん。 食事の時間よ》 185 00:13:05,384 --> 00:13:07,386 (ドアノブを回す音) 186 00:13:07,386 --> 00:13:11,386 (ノック) (祐子)《篠田さん?》 187 00:13:20,399 --> 00:13:23,402 《鍵 掛けちゃってるみたい》 (愛)《えー? 寝ちゃったのかな?》 188 00:13:23,402 --> 00:13:25,404 (加奈子)《かもね。 疲れたって 言ってたから》 189 00:13:25,404 --> 00:13:28,407 《でも 晩ご飯 ちゃんと 食べて 夜 しっかり 寝た方が》 190 00:13:28,407 --> 00:13:31,410 (藤村)《そうだよ。 あしたは 5時起きで 登んだから》 191 00:13:31,410 --> 00:13:34,413 《5時だ》 (祐子)《ですよね》 192 00:13:34,413 --> 00:13:38,417 《早いな》 《外から 声 掛けてみる》 193 00:13:38,417 --> 00:13:41,420 《外から?》 (愛)《もう 暗いですよ?》 194 00:13:41,420 --> 00:13:44,423 《誰か 一緒に来て》 《あっ。 いいですよ》 195 00:13:44,423 --> 00:13:48,427 《あれ? 明かり ついてないですね》 196 00:13:48,427 --> 00:13:50,462 (祐子)《やっぱり 寝てるんだ。 篠田さん》 197 00:13:50,462 --> 00:13:52,464 この時点では 廊下のドアも➡ 198 00:13:52,464 --> 00:13:55,464 ベランダの窓も 鍵が締められていて。 199 00:13:57,469 --> 00:14:03,475 篠田さんは 間違いなく この部屋の中に いたんです。 200 00:14:03,475 --> 00:14:09,481 結局 私たちは 篠田さん抜きで 晩ご飯を 食べました。 201 00:14:09,481 --> 00:14:14,481 事件が起こったのは その 1時間後くらいです。 202 00:14:20,492 --> 00:14:23,495 (藤村)《あれ?》 ベランダの窓が 開いていて➡ 203 00:14:23,495 --> 00:14:27,495 彼女の姿が 消えていたんです。 204 00:14:29,501 --> 00:14:34,506 捜そうにも 外は 真っ暗で。 捜索願を 出した。 205 00:14:34,506 --> 00:14:38,506 そして 彼女は 翌朝 遺体で発見されました。 206 00:14:45,517 --> 00:14:48,503 なるほど。 207 00:14:48,503 --> 00:14:53,458 地元警察は 現場の状況から 自殺だとみています。 208 00:14:53,458 --> 00:14:58,463 だが 君は 納得していない。 だって 誰かに呼び出されて➡ 209 00:14:58,463 --> 00:15:00,465 突き落とされた 可能性も あるでしょ? 210 00:15:00,465 --> 00:15:04,469 その誰かが 野木さんだと? はい。 211 00:15:04,469 --> 00:15:06,471 だが 彼女には アリバイが あるじゃないか。 212 00:15:06,471 --> 00:15:08,473 君たちと ずっと 一緒にいた。 213 00:15:08,473 --> 00:15:11,476 食事の後 最初に お風呂に 入ったの 野木さんです。 214 00:15:11,476 --> 00:15:13,478 その 20分間 彼女は 私たちの前から➡ 215 00:15:13,478 --> 00:15:18,478 姿を消していたわけです。 風呂? 216 00:15:20,485 --> 00:15:24,489 この窓から 外に出て 篠田さんを 誘い出したというのか? 217 00:15:24,489 --> 00:15:29,494 はい。 お風呂に 入ったふりをして。 218 00:15:29,494 --> 00:15:31,496 そこまで 彼女を 疑うということは➡ 219 00:15:31,496 --> 00:15:35,500 よほどの根拠が あるんだろうな? はい。 220 00:15:35,500 --> 00:15:38,503 しかも 科学的な? 科学的です。 221 00:15:38,503 --> 00:15:45,510 It's very very scientific. 222 00:15:45,510 --> 00:15:49,448 ああ。 知りたくて たまらないのね。 223 00:15:49,448 --> 00:15:55,454 ああ。 もう じれったくて じれったくて。 224 00:15:55,454 --> 00:15:57,454 言います 言います。 225 00:16:00,459 --> 00:16:03,462 すいません。 あっ。 226 00:16:03,462 --> 00:16:07,466 実は あの夜 こんなことが あったんです。 227 00:16:07,466 --> 00:16:12,471 (愛)《下手くそ!》 《どういうことよ?》 228 00:16:12,471 --> 00:16:14,473 《お先に 頂きました。 次 どうぞ》 229 00:16:14,473 --> 00:16:16,475 (愛)《ああ。 どうぞ どうぞ》 (加奈子)《どうぞ》 230 00:16:16,475 --> 00:16:18,477 《じゃあ お先に》 231 00:16:18,477 --> 00:16:21,480 《どうでした? 気持ち良かったですか?》 232 00:16:21,480 --> 00:16:23,482 《お湯の中で 寝そうになっちゃった》 233 00:16:23,482 --> 00:16:26,485 (愛)《えー? 野木さん 夏なのに お湯に漬かるんですか?》 234 00:16:26,485 --> 00:16:28,487 (祐子)《うん》 (加奈子)《私は シャワーだけ》 235 00:16:28,487 --> 00:16:31,490 《私も お湯に漬かんないと 疲れ 取れないんですよ》 236 00:16:31,490 --> 00:16:33,492 《そうよね》 237 00:16:33,492 --> 00:16:37,496 何が おかしい? 普通の会話だ。 問題は その後です。 238 00:16:37,496 --> 00:16:40,499 ♬(鼻歌) 239 00:16:40,499 --> 00:16:44,499 《ハァー。 気持ちいい》 240 00:16:49,441 --> 00:16:52,444 《えっ?》 241 00:16:52,444 --> 00:16:56,448 泡? ちっちゃな泡が 立ったんです。 242 00:16:56,448 --> 00:16:58,450 この辺りに。 それは おかしい。 243 00:16:58,450 --> 00:17:01,453 でしょ? 小学生のころだかに 本で読んだんです。 244 00:17:01,453 --> 00:17:03,455 お風呂に入って 体に 泡が付くのは➡ 245 00:17:03,455 --> 00:17:06,458 最初に 入った人だけだって。 246 00:17:06,458 --> 00:17:10,462 水には 大量の空気が 溶け込んでいる。 247 00:17:10,462 --> 00:17:12,464 その水を 沸かすことで➡ 248 00:17:12,464 --> 00:17:15,467 溶け込んだ 空気が 泡となって 出てこようとする。 249 00:17:15,467 --> 00:17:20,472 それを 過飽和という。 これですよね? 250 00:17:20,472 --> 00:17:24,476 最初に 風呂に入ったとき 体に たくさんの気泡が付くのは➡ 251 00:17:24,476 --> 00:17:27,479 それまで 辛うじて 水に溶けていた 空気が➡ 252 00:17:27,479 --> 00:17:30,482 刺激によって 一気に 放出されるからだ。 253 00:17:30,482 --> 00:17:32,484 そう書いてます。 254 00:17:32,484 --> 00:17:36,488 君が入るより前に 野木 祐子が 風呂に入っていたとしたら➡ 255 00:17:36,488 --> 00:17:39,491 過飽和の状態は すでに 終わっていて➡ 256 00:17:39,491 --> 00:17:42,494 君の体に 気泡が付くことは あり得ない。 257 00:17:42,494 --> 00:17:44,496 つまり 美人の 野木さんは…。 258 00:17:44,496 --> 00:17:47,499 《お湯の中で 寝そうになっちゃった》 259 00:17:47,499 --> 00:17:49,434 嘘をついた。 どうして そんな嘘を? 260 00:17:49,434 --> 00:17:53,438 嘘をつかなければならない 理由が あったからだ。 261 00:17:53,438 --> 00:17:58,443 お風呂に入っていた 20分間に 野木さんは 窓から 抜け出し➡ 262 00:17:58,443 --> 00:18:01,446 篠田さんを 連れ出して あの谷底に 突き落とし➡ 263 00:18:01,446 --> 00:18:03,448 そして また 窓から戻って➡ 264 00:18:03,448 --> 00:18:06,451 何 食わぬ顔で 私たちの前に 出てきた。 265 00:18:06,451 --> 00:18:12,457 そう。 シャワーで 髪の毛を ぬらすことは 忘れずに。 266 00:18:12,457 --> 00:18:16,457 実に 面白い。 よっしゃ。 267 00:18:18,463 --> 00:18:20,465 早速 実験開始だ。 えっ? 268 00:18:20,465 --> 00:18:24,469 仮説は 実証して 初めて 真実となる。 269 00:18:24,469 --> 00:18:27,472 [TEL]準備が できた。 始めるぞ。 270 00:18:27,472 --> 00:18:29,472 はい。 271 00:18:38,483 --> 00:18:41,486 ≪(ノック) 272 00:18:41,486 --> 00:18:45,490 近っ。 (たたく音) 273 00:18:45,490 --> 00:18:47,492 えっ? もう すでに 1分 経過した。 274 00:18:47,492 --> 00:18:49,494 急ごう。 えっ? あっ。 ちょっと。 275 00:18:49,494 --> 00:18:51,496 靴 どうすんの? サンダルがある。 276 00:18:51,496 --> 00:18:54,499 えっ? 篠田さんは 何て言われて ベランダ窓から? 277 00:18:54,499 --> 00:18:57,502 そんなことはいい。 不審に 思わなかったんでしょうか? 278 00:18:57,502 --> 00:19:00,505 今は 20分以内に 犯行が 可能かどうかの検証だ。 279 00:19:00,505 --> 00:19:02,505 ちょっと。 280 00:19:04,509 --> 00:19:08,509 湯川先生? ちょっと 速いな。 281 00:19:11,516 --> 00:19:13,518 もう 4分 たった。 急ごう。 282 00:19:13,518 --> 00:19:16,521 急げって 言われて 急ぐかな? あと 6分以内に➡ 283 00:19:16,521 --> 00:19:18,523 君を突き落とさないと 間に合わない。 284 00:19:18,523 --> 00:19:21,526 変! 285 00:19:21,526 --> 00:19:24,529 ハァー。 間に合わない。 走るぞ。 286 00:19:24,529 --> 00:19:29,534 走る!? ちょっと。 もう! 287 00:19:29,534 --> 00:19:32,534 おおっ。 湯川先生! 288 00:19:36,541 --> 00:19:38,541 何? 289 00:19:41,546 --> 00:19:44,549 こっちの方が 近い。 えっ? いや。 290 00:19:44,549 --> 00:19:47,549 サンダルが 脱げる。 無理。 もう。 ちょっ。 291 00:19:54,492 --> 00:19:57,495 あっ! ここで 君を突き落とす。 292 00:19:57,495 --> 00:20:01,499 えっ? いきなり!? 君は 谷底に落ちていく。 293 00:20:01,499 --> 00:20:04,502 少しは 口論になるとか。 君が死んだのを 確認した。 294 00:20:04,502 --> 00:20:07,505 もみ合いになるとか。 間に合わない。 295 00:20:07,505 --> 00:20:12,505 急ぐぞ。 えっ? ちょっ。 もう! 296 00:20:19,517 --> 00:20:23,517 23分26秒。 ハァー。 297 00:20:27,525 --> 00:20:30,528 (男性)あっ。 こんちは。 (女性)こんにちは。 298 00:20:30,528 --> 00:20:32,530 (男性)足 気を付けて。 (女性)うん。 299 00:20:32,530 --> 00:20:36,534 (男性)大丈夫? うわっ! 300 00:20:36,534 --> 00:20:41,534 あっ。 おろろろ。 301 00:20:43,541 --> 00:20:45,541 ハァー。 302 00:20:49,481 --> 00:20:51,483 やはり 20分で➡ 303 00:20:51,483 --> 00:20:54,486 篠田 真希さんを殺して 戻ってくることは 不可能だ。 304 00:20:54,486 --> 00:20:58,490 じゃあ 私の体に付いてた 泡は? 305 00:20:58,490 --> 00:21:00,492 過飽和の現象は どう 説明するんですか? 306 00:21:00,492 --> 00:21:03,495 野木さんは 風呂に 漬からなかったんだろう。 307 00:21:03,495 --> 00:21:06,498 じゃあ どうして 彼女は 嘘を? 308 00:21:06,498 --> 00:21:09,501 それと 科学的な根拠とは 無関係の問題だ。 309 00:21:09,501 --> 00:21:12,504 しかし 目の付けどころは 悪くなかった。 310 00:21:12,504 --> 00:21:15,504 文系の君にしては 上出来だ。 311 00:21:17,509 --> 00:21:19,511 先生は おかしいと 思わなかったんですか? 312 00:21:19,511 --> 00:21:23,515 君は どうしても 野木 祐子を 犯人にしたいのか? 313 00:21:23,515 --> 00:21:26,518 質問してるのは 私です。 314 00:21:26,518 --> 00:21:31,523 まさか 非論理的な 刑事の勘? いいえ。 315 00:21:31,523 --> 00:21:33,525 女の勘。 さらに 非論理的だ。 316 00:21:33,525 --> 00:21:36,528 ハァ。 先生には 分からないんです。 317 00:21:36,528 --> 00:21:39,531 野木 祐子は 絶対に 魔性の女だって。 318 00:21:39,531 --> 00:21:42,534 そろそろ 食事の支度をしても よろしいですか? 319 00:21:42,534 --> 00:21:44,536 お願いします。 はい。 320 00:21:44,536 --> 00:21:48,556 先生。 やっぱ 駄目ですって。 おんなじ部屋に 泊まるのは。 321 00:21:48,556 --> 00:21:51,476 2人で 同じ ベッドに寝るなんて。 食事が終わったら 僕は出ていく。 322 00:21:51,476 --> 00:21:53,478 えっ? 近くに 友人の別荘があるんだ。 323 00:21:53,478 --> 00:21:57,482 今夜は そこに 泊まることにした。 324 00:21:57,482 --> 00:22:01,486 今度は 野木 祐子 本人に 会わせてくれ。 325 00:22:01,486 --> 00:22:04,486 はっ? あっ。 やっぱり 会いたいのね。 326 00:23:43,455 --> 00:23:47,455 何じゃ? こりゃ。 素晴らしい。 327 00:23:57,469 --> 00:24:00,469 彼女です。 328 00:24:04,476 --> 00:24:08,480 (祐子)初めまして。 湯川先生。 野木です。 329 00:24:08,480 --> 00:24:11,483 どうも。 湯川です。 330 00:24:11,483 --> 00:24:13,485 (祐子)お会いできて ホントに 光栄です。 331 00:24:13,485 --> 00:24:17,489 有名なの? 先生。 科学の世界で➡ 332 00:24:17,489 --> 00:24:19,491 湯川先生の名前を 知らない人は いません。➡ 333 00:24:19,491 --> 00:24:24,496 私たちにとって 憧れの存在です。 ありがとうございます。 334 00:24:24,496 --> 00:24:28,500 こちらこそ お会いできて 光栄です。 335 00:24:28,500 --> 00:24:31,503 ありがとう。 どういたしまして。 336 00:24:31,503 --> 00:24:34,506 (祐子)でも 岸谷さんと 湯川先生が➡ 337 00:24:34,506 --> 00:24:36,524 お知り合いだったなんて。 どうして? 338 00:24:36,524 --> 00:24:39,444 あっ。 警察の捜査に 何度か➡ 339 00:24:39,444 --> 00:24:41,446 協力していただいてるんです。 先生には。 340 00:24:41,446 --> 00:24:44,449 捜査? はい。 341 00:24:44,449 --> 00:24:48,453 あれは 半導体量子構造を 計測する システムですね? 342 00:24:48,453 --> 00:24:51,456 (祐子)はい。 私は ここで➡ 343 00:24:51,456 --> 00:24:54,459 光子と 電子の 相互作用を 研究してるんです。➡ 344 00:24:54,459 --> 00:25:00,465 半導体量子構造や 超高速非線形分光技術を 使って。 345 00:25:00,465 --> 00:25:04,469 電子や 光子の 量子力学的性質を 制御し 利用する➡ 346 00:25:04,469 --> 00:25:06,471 量子光エレクトロニクスだ。 347 00:25:06,471 --> 00:25:11,476 次世代通信システムの開発に つながる 研究なんです。 348 00:25:11,476 --> 00:25:14,476 あっ。 あれね。 349 00:25:19,484 --> 00:25:23,488 (祐子)どうぞ。 どうも。 350 00:25:23,488 --> 00:25:27,492 それが 篠田 真希さんです。 351 00:25:27,492 --> 00:25:29,494 どうぞ。 ありがとうございます。 352 00:25:29,494 --> 00:25:33,498 篠田さんも あなたと一緒に 研究を? 353 00:25:33,498 --> 00:25:38,436 ええ。 担当は 違いましたけど。 354 00:25:38,436 --> 00:25:43,441 あっ。 実は 篠田さんが 亡くなったことについて➡ 355 00:25:43,441 --> 00:25:46,444 お伺いしたいことが あります。 356 00:25:46,444 --> 00:25:49,444 やっぱり そのこと。 357 00:25:52,450 --> 00:25:58,456 私も 篠田さんのことが 頭から 離れないんです。 358 00:25:58,456 --> 00:26:05,463 彼女は 優秀な研究員でした。 性格も 明るくて。 359 00:26:05,463 --> 00:26:10,468 私にとっては 部下というより ホントに 仲間だったんです。 360 00:26:10,468 --> 00:26:15,473 岸谷君は 篠田さんの死を 他殺だと 考えています。 361 00:26:15,473 --> 00:26:17,475 えっ? そして 犯人は。 362 00:26:17,475 --> 00:26:20,478 野木さん。 あなたではないかと 疑っています。 363 00:26:20,478 --> 00:26:25,483 湯川先生。 一つだけ 質問をさせてください。 364 00:26:25,483 --> 00:26:28,486 はい。 事件の夜➡ 365 00:26:28,486 --> 00:26:31,489 最初に 風呂に入ったのは あなたですよね? 366 00:26:31,489 --> 00:26:33,491 ええ。 367 00:26:33,491 --> 00:26:38,491 そのとき あなたは 湯船に漬かりましたか? 368 00:26:45,436 --> 00:26:49,440 いいえ。 漬かっていません。 369 00:26:49,440 --> 00:26:52,443 あのときは シャワーを 浴びただけです。 370 00:26:52,443 --> 00:26:55,446 そうですか。 嘘。 371 00:26:55,446 --> 00:26:59,450 お風呂で 寝そうになったって 言いましたよね? 372 00:26:59,450 --> 00:27:03,454 言ってません そんなこと。 373 00:27:03,454 --> 00:27:09,460 それが 篠田さんのことと 何の関係が あるんですか? 374 00:27:09,460 --> 00:27:11,462 私が疑われる理由に なるんですか? 375 00:27:11,462 --> 00:27:16,467 しらばっくれないで。 申し訳ありませんでした。 376 00:27:16,467 --> 00:27:19,470 お時間を 取らせてしまった上に つらい話を➡ 377 00:27:19,470 --> 00:27:22,473 思い出させてしまった。 湯川先生。 378 00:27:22,473 --> 00:27:26,477 次は ぜひ 先生の ご研究のお話を。 379 00:27:26,477 --> 00:27:29,480 おいしい コーヒーを ありがとうございました。 380 00:27:29,480 --> 00:27:33,480 では 失礼します。 あっ。 ちょっ。 381 00:27:41,426 --> 00:27:44,429 先生。 彼女を信じるんですか? 382 00:27:44,429 --> 00:27:47,432 風呂場から 抜け出して 20分で 殺害を実行することは➡ 383 00:27:47,432 --> 00:27:50,435 不可能だ。 その上 湯船に 漬かってないと 言われれば➡ 384 00:27:50,435 --> 00:27:53,438 彼女を疑う 理由がなくなる。 あれは 嘘だって。 385 00:27:53,438 --> 00:27:55,440 見てて 分かんなかったの? 一瞬 固まってたじゃない。 386 00:27:55,440 --> 00:27:57,442 人間観察には 興味はない。 387 00:27:57,442 --> 00:28:00,445 そして 事件捜査に 協力するほど 僕は 暇ではない。 388 00:28:00,445 --> 00:28:04,449 どうして 簡単に だまされんの? 彼女が 美人だから? 389 00:28:04,449 --> 00:28:08,453 それは まったく 別の話だ。 どうせ 私は違うわよ。 390 00:28:08,453 --> 00:28:10,455 自慢できるような スタイルでもないし➡ 391 00:28:10,455 --> 00:28:12,457 カワイイ しぐさなんて 絶対に できないし。 392 00:28:12,457 --> 00:28:17,462 その上 高学歴な 女なのかもしれません。 393 00:28:17,462 --> 00:28:20,465 でも それ以前に 私は 刑事なの。 394 00:28:20,465 --> 00:28:23,468 刑事の勘と 女の勘の 両方が 指さしてるんです。 395 00:28:23,468 --> 00:28:25,470 野木 祐子が 怪しいって。 それは➡ 396 00:28:25,470 --> 00:28:27,472 実に 非論理…。 非論理的。 397 00:28:27,472 --> 00:28:29,474 分かってます そんなこと。 398 00:28:29,474 --> 00:28:32,477 でも 一人の女性が 亡くなってるんです。 399 00:28:32,477 --> 00:28:37,415 自殺する 理由なんてない 優秀な研究者が。 400 00:28:37,415 --> 00:28:40,418 ハァー。 401 00:28:40,418 --> 00:28:42,420 私が間違ってんだったら それでいい。 402 00:28:42,420 --> 00:28:49,427 でも 真実は はっきりさせたいの。 亡くなった 篠田さんのためにも。 403 00:28:49,427 --> 00:28:53,427 私 一人で 聞き込み 続けます。 404 00:29:01,439 --> 00:29:16,454 ♬~ 405 00:29:16,454 --> 00:29:23,461 ♬~ 406 00:29:23,461 --> 00:29:27,465 (研究員)《じゃあ 皆さん。 笑顔で。 はい チーズ》 407 00:29:27,465 --> 00:29:29,467 (研究員)《ちゃんと 撮れてます?》 408 00:29:29,467 --> 00:29:33,471 (真希)《ありがとうございます》 (祐子)《篠田さん。 おめでと》 409 00:29:33,471 --> 00:29:35,473 (真希)《主任。 ありがとうございます》 410 00:29:35,473 --> 00:29:38,409 (研究員)《篠田さん。 おめでとうございます》 411 00:29:38,409 --> 00:29:43,414 (真希)《やだ。 ありがとう!》 (研究員)《若いのに すごい》 412 00:29:43,414 --> 00:29:45,416 《いや いや いや。 そんなこと ないですって》 413 00:29:45,416 --> 00:29:47,418 (研究員)《ちょっと 見せて…》 (真希)《どうぞ どうぞ》 414 00:29:47,418 --> 00:30:05,436 ♬~ 415 00:30:05,436 --> 00:30:08,439 (大倉)篠田さんの 人間関係? はい。 416 00:30:08,439 --> 00:30:10,441 (大倉)まあ ねたんでる人は いたかもね。 417 00:30:10,441 --> 00:30:12,443 優秀だったから? (大倉)自分を➡ 418 00:30:12,443 --> 00:30:15,446 アピールする タイプだったし。 帰国子女に ありがちな? 419 00:30:15,446 --> 00:30:17,446 (大倉)じゃあ。 420 00:30:19,450 --> 00:30:23,454 あの。 例えば 野木さんとは? (まゆみ)主任自身が 篠田さんを➡ 421 00:30:23,454 --> 00:30:25,456 嫌ってたってことはないと 思うけど。 422 00:30:25,456 --> 00:30:27,458 けど? (まゆみ)若い世代が➡ 423 00:30:27,458 --> 00:30:31,462 どんどん 育ってくるから 主任自身 色々 焦ってるみたいで。 424 00:30:31,462 --> 00:30:33,462 (まゆみ)じゃあ すいません。 425 00:30:36,484 --> 00:30:39,403 (久保田)お待たせしました。 いえ。 426 00:30:39,403 --> 00:30:42,406 (久保田)これで よろしいですか? 427 00:30:42,406 --> 00:30:44,408 (久保田)いまさら 何 調べてんですか? 428 00:30:44,408 --> 00:30:47,408 自殺だったんでしょ? 彼女。 429 00:30:53,417 --> 00:30:55,419 (警備員)今日は もう お帰りください。 430 00:30:55,419 --> 00:30:57,419 分かりました。 431 00:31:04,428 --> 00:31:07,431 (アイザック)わざわざ コピーを 取り寄せたんですか? 432 00:31:07,431 --> 00:31:10,434 篠田さんの体に 不審な点は? (アイザック)被害者の爪に➡ 433 00:31:10,434 --> 00:31:13,437 誰かの皮膚が 付いていたわけでもないし。 434 00:31:13,437 --> 00:31:16,440 言い争う暇もなく いきなり 突き落とされたからじゃ? 435 00:31:16,440 --> 00:31:20,440 (アイザック)他殺を疑う理由は ありませんね。 436 00:31:25,449 --> 00:31:29,453 (研究者)いやー。 若い世代の 研究者ってのは 面白いですね。 437 00:31:29,453 --> 00:31:31,455 (研究者)われわれの世代とは 根本的な 発想からして➡ 438 00:31:31,455 --> 00:31:34,458 違いますからね。 歴史上の 科学者たちも➡ 439 00:31:34,458 --> 00:31:37,395 やがては 次世代の 優秀な科学者に 越えられていく。 440 00:31:37,395 --> 00:31:40,398 それが 研究者の宿命でしょう。 441 00:31:40,398 --> 00:31:43,401 (研究者)湯川先生に限っては そんなことは ないでしょう。 442 00:31:43,401 --> 00:31:46,404 (研究者)次の フォーラム 湯川先生に➡ 443 00:31:46,404 --> 00:31:50,408 講演を お願いしたいですね。 機会があれば ぜひとも。 444 00:31:50,408 --> 00:31:52,408 それでは。 445 00:32:06,424 --> 00:32:08,426 (太田川)岸谷。➡ 446 00:32:08,426 --> 00:32:13,431 お前 山梨県警の事件に 首 突っ込んでんのか? 447 00:32:13,431 --> 00:32:15,433 太田川さんには 関係ありません。 448 00:32:15,433 --> 00:32:18,436 (太田川)いや。 課長んとこに 県警から 電話 入ったんだって。 449 00:32:18,436 --> 00:32:23,441 (太田川)お宅の若いのが うちの 捜査に 口出ししてるっつって。 450 00:32:23,441 --> 00:32:28,446 いいかげんにしないと お前 処分されるぞ。 451 00:32:28,446 --> 00:32:33,451 ああ。 ハハハ。 452 00:32:33,451 --> 00:32:36,470 処分。 453 00:32:36,470 --> 00:32:41,392 えー!? [TEL](バイブレーターの音) 454 00:32:41,392 --> 00:32:45,396 ハァー。 [TEL](バイブレーターの音) 455 00:32:45,396 --> 00:32:48,399 何でしょう? 女の勘と 刑事の勘が➡ 456 00:32:48,399 --> 00:32:50,401 同じ シグナルを 発してるからといって➡ 457 00:32:50,401 --> 00:32:53,404 合わせ技 一本という 論理は 決して 成り立たない。 458 00:32:53,404 --> 00:32:55,406 はあ? もし 彼女が➡ 459 00:32:55,406 --> 00:32:57,408 本当は 風呂に 入っていないにもかかわらず➡ 460 00:32:57,408 --> 00:33:01,412 君に対して 「風呂に入った」と 嘘をついているのだとしたら➡ 461 00:33:01,412 --> 00:33:05,416 もう一度 君の仮説の実証を 試みてもいい。 462 00:33:05,416 --> 00:33:08,419 えっ? もし 君が 自分の金で➡ 463 00:33:08,419 --> 00:33:12,419 高価な服を 買うとしたら それは どういうときだ? 464 00:33:15,426 --> 00:33:18,429 高価な服? 465 00:33:18,429 --> 00:33:20,431 (祐子)これ 見せてください。 おそらく 自分の➡ 466 00:33:20,431 --> 00:33:24,435 1カ月の収入を 優に超える額を 惜しげもなく 使うんだ。 467 00:33:24,435 --> 00:33:27,438 喜々とした 表情で。 えっ? 468 00:33:27,438 --> 00:33:32,443 目的を果たした 自分への ご褒美? 469 00:33:32,443 --> 00:33:36,447 自分への ご褒美。 470 00:33:36,447 --> 00:33:39,450 えっ? 捜査に 協力してくれるんですか? 471 00:33:39,450 --> 00:33:44,455 協力するわけじゃない。 真実を はっきりさせたいだけだ。 472 00:33:44,455 --> 00:33:46,457 それで? 調べてくれ。 473 00:33:46,457 --> 00:33:50,461 野木 祐子は 今まで どんな研究をしてきたのか。 474 00:33:50,461 --> 00:33:54,461 もう 調べてます。 どこに 行けばいいんですか? 475 00:33:58,469 --> 00:34:02,473 素材や 機能性は 革新的な 現代技術が 応用されているが➡ 476 00:34:02,473 --> 00:34:04,475 デザインは ミッド センチュリー モダン。 477 00:34:04,475 --> 00:34:08,479 まさに 伝統と 現代性が 完璧な バランスで➡ 478 00:34:08,479 --> 00:34:13,484 共存している 作品だ。 そして この曲線。 479 00:34:13,484 --> 00:34:15,486 Minottiの クラフトマンシップが➡ 480 00:34:15,486 --> 00:34:19,490 見事に 表現されている。 481 00:34:19,490 --> 00:34:21,492 実に 素晴らしい。 482 00:34:21,492 --> 00:34:26,492 だから? 何で ここなの? はい。 483 00:34:28,499 --> 00:34:30,499 ハァー。 484 00:34:34,505 --> 00:34:39,443 350万!? 野木 祐子は 東京化学技術大学。 485 00:34:39,443 --> 00:34:42,446 ああ。 やっぱり 喫茶店にしましょう。 先生。 486 00:34:42,446 --> 00:34:46,450 ここは 落ち着かない。 篠田 真希さんは UCLA。 487 00:34:46,450 --> 00:34:48,452 先生! 488 00:34:48,452 --> 00:34:52,452 入社してからの実績は 篠田さんの方が 上だ。 489 00:34:56,460 --> 00:34:59,463 野木 祐子は 努力型。 篠田 真希は➡ 490 00:34:59,463 --> 00:35:03,467 天才肌の 研究者だったそうです。 会社の上司の話では。 491 00:35:03,467 --> 00:35:05,469 そして 野木 祐子は➡ 492 00:35:05,469 --> 00:35:08,472 最近 思うように 研究の成果が 上がらず➡ 493 00:35:08,472 --> 00:35:12,476 仕事に 行き詰まりを 感じていたようです。 494 00:35:12,476 --> 00:35:16,480 同じ分野の研究で 後輩の篠田さんに 先を越され➡ 495 00:35:16,480 --> 00:35:21,485 彼女の研究は 時代遅れだと 言い切った 同僚がいたそうです。 496 00:35:21,485 --> 00:35:23,487 「コヒーレンス」 497 00:35:23,487 --> 00:35:26,490 このままじゃ 自分は 必要とされなくなり 管理職に➡ 498 00:35:26,490 --> 00:35:28,492 回されるという プレッシャーも あったんでしょう。 499 00:35:28,492 --> 00:35:34,498 ≪(女性)すごい。 アハッ。 アハハ。 すごい 迫力だね。 500 00:35:34,498 --> 00:35:37,434 篠田さんは 野木 祐子のことを➡ 501 00:35:37,434 --> 00:35:40,437 気兼ねのいらない 上司だと 思っていたかもしれませんが➡ 502 00:35:40,437 --> 00:35:45,442 彼女からすれば いまいましい 部下だったのかもしれません。 503 00:35:45,442 --> 00:36:03,460 ♬~ 504 00:36:03,460 --> 00:36:05,462 《密室殺人》 505 00:36:05,462 --> 00:36:07,464 (祐子)《光子と 電子の 相互作用》 506 00:36:07,464 --> 00:36:11,464 《目的を果たした 自分への ご褒美?》 507 00:36:13,470 --> 00:36:16,473 そういうことか。 508 00:36:16,473 --> 00:36:19,476 このテーブルは 幾ら? 幾らなの!? 509 00:36:19,476 --> 00:36:23,480 岸谷君。 1週間後の夜 僕の研究室に 来てくれ。 510 00:36:23,480 --> 00:36:26,480 よ… 夜? そう。 夜だ。 511 00:38:00,244 --> 00:38:02,246 湯川先生? 512 00:38:02,246 --> 00:38:06,246 岸谷です。 ≪入ってくれ。 513 00:38:09,253 --> 00:38:11,253 えっ? 514 00:38:17,261 --> 00:38:21,261 どうして 明かり つけないんですか? 先生。 515 00:38:27,271 --> 00:38:31,271 今日は 栗林さん いないんですか? 516 00:38:34,278 --> 00:38:36,278 コーヒー 飲まないんですか? 517 00:38:39,283 --> 00:38:41,283 湯川先生? 518 00:38:43,287 --> 00:38:47,287 えっ? 僕は ここだ。 519 00:38:49,293 --> 00:38:55,293 あれは ホログラム。 ホ… ホログラム? 520 00:38:59,236 --> 00:39:04,241 野木 祐子が かつて 研究していた コヒーレンスとは➡ 521 00:39:04,241 --> 00:39:10,247 ホログラム。 つまり 立体映像に 応用される技術だ。 522 00:39:10,247 --> 00:39:13,250 このホログラムを使えば 篠田さんの部屋を➡ 523 00:39:13,250 --> 00:39:16,253 密室に 見せ掛けることができ➡ 524 00:39:16,253 --> 00:39:21,253 彼女自身の アリバイも 立証することができる。 525 00:39:24,261 --> 00:39:26,263 お話というのは? 526 00:39:26,263 --> 00:39:31,268 湯川先生が 一つの仮説を 立ててくれました。 527 00:39:31,268 --> 00:39:37,274 あなたが 篠田 真希さんを殺せる ただ一つの方法。 528 00:39:37,274 --> 00:39:40,277 篠田さんは あなたが お風呂に 入っていた➡ 529 00:39:40,277 --> 00:39:45,282 20分間ではなく もっと前に 殺されていた。 530 00:39:45,282 --> 00:39:49,286 あなたが あのペンションに 到着する前に。 531 00:39:49,286 --> 00:39:54,291 [TEL] 532 00:39:54,291 --> 00:39:57,294 《あっ。 もしもし? 祐子さん?》 533 00:39:57,294 --> 00:40:01,231 《ああ。 ちょっと 疲れて うとうとしてました》 534 00:40:01,231 --> 00:40:04,234 あなたは 篠田さんに 電話をかけ➡ 535 00:40:04,234 --> 00:40:08,238 誰にも 気付かれないように ベランダから 出て➡ 536 00:40:08,238 --> 00:40:12,238 つり橋まで 来るようにと 指示をした。 537 00:40:14,244 --> 00:40:16,246 岸谷さん。 篠田さんを➡ 538 00:40:16,246 --> 00:40:19,246 待ち受けていた あなたは。 539 00:40:22,252 --> 00:40:24,254 《篠田さん》 540 00:40:24,254 --> 00:40:27,257 《どうしたんですか? 祐子さん》 541 00:40:27,257 --> 00:40:30,260 (祐子)《ちょっと 下 見て》 542 00:40:30,260 --> 00:40:32,260 (真希)《下?》 543 00:40:39,269 --> 00:40:41,271 (真希)《あっ!》 544 00:40:41,271 --> 00:40:50,280 ♬~ 545 00:40:50,280 --> 00:40:55,285 目的を果たした あなたは ペンションに 向かった。 546 00:40:55,285 --> 00:40:57,287 ちょっと 待って。 あなたの知識が➡ 547 00:40:57,287 --> 00:41:00,287 生かされるのは ここからです。 548 00:41:02,226 --> 00:41:04,228 ペンションに着いた あなたは➡ 549 00:41:04,228 --> 00:41:08,232 中には入らず 篠田さんの部屋に向かい。 550 00:41:08,232 --> 00:41:11,235 まず 用意してきた サンダルを➡ 551 00:41:11,235 --> 00:41:15,239 篠田さんの部屋の ベランダに置き➡ 552 00:41:15,239 --> 00:41:19,243 窓に ある細工をした。 553 00:41:19,243 --> 00:41:31,255 ♬~ 554 00:41:31,255 --> 00:41:44,268 ♬~ 555 00:41:44,268 --> 00:41:47,268 そして 何事も なかったかのように。 556 00:41:49,273 --> 00:41:52,276 《ごめんなさい。 遅れちゃって。 言い出しっぺは 私なのに》 557 00:41:52,276 --> 00:41:54,278 《篠田さんは?》 (藤村)《うん?》 558 00:41:54,278 --> 00:41:57,278 《先に 着いてるはずなんだけど》 559 00:41:59,216 --> 00:42:02,219 《篠田さん。 食事の時間よ》 560 00:42:02,219 --> 00:42:06,223 あれは お芝居だった。 561 00:42:06,223 --> 00:42:12,229 そして わざわざ 私と 窓を 確認しに行った。 562 00:42:12,229 --> 00:42:14,231 《篠田さん。 起きて》 563 00:42:14,231 --> 00:42:18,235 あのとき 確かに 鍵は締まっていました。 564 00:42:18,235 --> 00:42:24,241 だから 当然 篠田さんは 部屋の中にいると 私は思った。 565 00:42:24,241 --> 00:42:27,244 あれは➡ 566 00:42:27,244 --> 00:42:29,246 ホログラムだったんですね。 567 00:42:29,246 --> 00:42:37,246 ♬~ 568 00:42:39,256 --> 00:42:43,260 《見る人間の 立ち位置と 光を当てる 角度によって➡ 569 00:42:43,260 --> 00:42:47,264 何もない空間に 立体映像を つくりだすことができるんだ》 570 00:42:47,264 --> 00:42:51,268 《野木 祐子は これと 同じ方法を 使ったんだ》 571 00:42:51,268 --> 00:42:53,270 《どういうこと?》 572 00:42:53,270 --> 00:42:55,272 《鍵が 締められているように見える➡ 573 00:42:55,272 --> 00:42:58,292 ホログラムシールが 貼られていたんだ》 574 00:42:58,292 --> 00:43:02,212 あなたが ペンションに 入る前にした 細工とは➡ 575 00:43:02,212 --> 00:43:06,216 窓に ホログラムシールを 貼ること。 576 00:43:06,216 --> 00:43:10,220 《そして その映像が 完全に 立体的に 見えるためには➡ 577 00:43:10,220 --> 00:43:14,220 光の当て方が 重要なんだ。 ほら》 578 00:43:18,228 --> 00:43:23,228 (ノック) (祐子)《篠田さん。 起きて》 579 00:43:25,235 --> 00:43:29,239 (ノック) (祐子)《篠田さん》 580 00:43:29,239 --> 00:43:32,242 《あれ?》 《戻って ご飯を食べましょう》 581 00:43:32,242 --> 00:43:36,246 《篠田さんには 私が 後で 声 掛けるから》 582 00:43:36,246 --> 00:43:43,253 《はい。 うわー。 奇麗》 583 00:43:43,253 --> 00:43:47,257 《東京とは 全然 違うでしょう?》 《はい》 584 00:43:47,257 --> 00:43:53,263 食事が終わって あなたは お風呂に入り➡ 585 00:43:53,263 --> 00:43:55,263 そして 外に出た。 586 00:43:57,267 --> 00:44:00,203 ホログラムシールを 剥がすために。 587 00:44:00,203 --> 00:44:11,214 ♬~ 588 00:44:11,214 --> 00:44:24,227 ♬~ 589 00:44:24,227 --> 00:44:27,230 《お先に 頂きました。 次 どうぞ》 590 00:44:27,230 --> 00:44:29,232 《じゃあ お先に》 591 00:44:29,232 --> 00:44:34,237 《どうでした? 気持ち良かったですか?》 592 00:44:34,237 --> 00:44:38,237 《お湯の中で 寝そうになっちゃった。 フフッ》 593 00:44:42,245 --> 00:44:46,249 緻密に計算された 犯行でした。 594 00:44:46,249 --> 00:44:53,256 でも 唯一の誤算は 文系の私に 水の過飽和という➡ 595 00:44:53,256 --> 00:44:56,256 妙な知識が あったということ。 596 00:45:00,197 --> 00:45:07,204 今 言ったのは あくまでも 湯川先生の仮説です。 597 00:45:07,204 --> 00:45:11,204 いかがですか? 野木さん。 598 00:45:14,211 --> 00:45:21,218 やっぱり 悪いことは できないわね。 599 00:45:21,218 --> 00:45:26,223 きっと 私が どうして 篠田さんを 殺したのかも➡ 600 00:45:26,223 --> 00:45:31,228 分かってるんでしょ? 刑事さんは。 601 00:45:31,228 --> 00:45:38,235 そ… それは 自白と取って よろしいですか? 602 00:45:38,235 --> 00:45:42,235 どうせ だましとおせるはずはない。 603 00:45:48,245 --> 00:45:53,245 私は 篠田さんを…。 604 00:45:55,252 --> 00:46:06,196 私を 上司だと 慕ってくれてた 若くて 優秀な研究者を➡ 605 00:46:06,196 --> 00:46:09,196 殺してしまいました。 606 00:46:12,202 --> 00:46:18,202 あの子が いなくなれば 楽になれると 思ったのに。 607 00:46:20,210 --> 00:46:24,214 逆だった。 608 00:46:24,214 --> 00:46:27,217 楽になるどころか…。 609 00:46:27,217 --> 00:46:45,235 ♬~ 610 00:46:45,235 --> 00:46:48,238 野木 祐子が 全て 自白しました。 611 00:46:48,238 --> 00:46:51,241 殺害手段と トリックは 湯川先生の仮説どおり。 612 00:46:51,241 --> 00:46:55,245 殺害動機は 私の推理どおりでした。 613 00:46:55,245 --> 00:47:01,184 そうか。 がっかりしてるんでしょ? 先生。 614 00:47:01,184 --> 00:47:06,189 美人な同業者が 恐ろしい犯罪を 犯していたから。 615 00:47:06,189 --> 00:47:09,192 先生が 彼女のことを 疑ったのは➡ 616 00:47:09,192 --> 00:47:12,195 高級ブティックで ぜいたくな 買い物を してるところを➡ 617 00:47:12,195 --> 00:47:15,198 見たからでしたっけ? 答えは 合っていたけど➡ 618 00:47:15,198 --> 00:47:18,201 途中の計算式は 間違ってたみたいな。 619 00:47:18,201 --> 00:47:22,205 どういう意味だ? あのときの買い物で➡ 620 00:47:22,205 --> 00:47:25,208 彼女は 貯金の ほとんどを 使い果たしたそうです。 621 00:47:25,208 --> 00:47:30,213 つまり 後先 考えない 無茶な買い物だった。 622 00:47:30,213 --> 00:47:33,216 そういうこと するのは ストレスを ためまくってるとき。 623 00:47:33,216 --> 00:47:37,220 彼女は 自分を 責め続けていたんですよ。 624 00:47:37,220 --> 00:47:40,223 自分への ご褒美なんかじゃない。 625 00:47:40,223 --> 00:47:43,226 彼女は 根っからの 悪人じゃありません。 626 00:47:43,226 --> 00:47:46,229 よかったですね。 先生。 自分への ご褒美と 言ったのは➡ 627 00:47:46,229 --> 00:47:50,233 君の方だ。 言ってません。 628 00:47:50,233 --> 00:47:53,233 言ったじゃないか。 言ったのは 先生でしょ。 629 00:47:55,238 --> 00:48:00,243 君は 根に持ってるのか? はあ? 630 00:48:00,243 --> 00:48:04,247 僕が 君のことを 美人じゃないと 言ったことに対して。 631 00:48:04,247 --> 00:48:09,252 別に。 カワイイって 言われること あるもん。 632 00:48:09,252 --> 00:48:11,254 フッ。 それは よかったな。 633 00:48:11,254 --> 00:48:14,257 だが しかし カワイイと 美人は 別物だ。 634 00:48:14,257 --> 00:48:17,257 まったく違う カテゴリーなんだ。 はあ? 635 00:48:19,262 --> 00:48:24,267 美人かどうかは 顔の長さ。 そう。 636 00:48:24,267 --> 00:48:27,270 目と口の距離が 顔の長さの 36%。 637 00:48:27,270 --> 00:48:32,275 両目の間隔が 顔の幅の 46%の割合で 顔面に➡ 638 00:48:32,275 --> 00:48:35,278 配置されてるかどうかという 黄金比率と呼ばれる➡ 639 00:48:35,278 --> 00:48:37,280 数値的根拠が 存在するんだ。 640 00:48:37,280 --> 00:48:40,283 しかし カワイイには 数値的根拠は 存在しない。 641 00:48:40,283 --> 00:48:44,287 つまり カワイイとは 限りなく 非論理的な➡ 642 00:48:44,287 --> 00:48:46,289 感覚的主観でしかないと いうことなんだ。 643 00:48:46,289 --> 00:48:49,292 しゅ… 主観で 結構。 カワイイって 言われて➡ 644 00:48:49,292 --> 00:48:51,294 何が悪いの? めちゃめちゃ うれしいです。 645 00:48:51,294 --> 00:48:53,296 ああ。 だから よかったじゃないか。 646 00:48:53,296 --> 00:48:57,300 僕は 数値的根拠のない 感覚的主観である➡ 647 00:48:57,300 --> 00:49:02,238 カワイイには まったく 興味がないと 言ってるんだ。 648 00:49:02,238 --> 00:49:04,238 分かったら 帰ってくれ。 649 00:49:07,243 --> 00:49:09,245 ううー。 650 00:49:09,245 --> 00:49:19,245 ♬~