1 00:00:33,919 --> 00:00:35,919 銀さん! 《甘いぜ ガキが!》 2 00:02:37,927 --> 00:02:39,929 取り引きをしませんか? 3 00:02:39,929 --> 00:02:43,415 3つの絵の中から 本物のセザンヌを見抜けるかどうか。 4 00:02:43,415 --> 00:02:47,086 絵の1億と合わせて 7億 ご用意していただきたい。 5 00:02:47,086 --> 00:02:49,488 これで 100%はずさない。 6 00:02:49,488 --> 00:02:52,908 お前が 私に本物を教えるんだ。 7 00:02:52,908 --> 00:02:55,761 お売りしますよ。 セザンヌまでの距離を。 8 00:02:55,761 --> 00:02:58,931 いくらだ? 1センチ 100万。 9 00:02:58,931 --> 00:03:01,417 まずは 1億だ。 10 00:03:01,417 --> 00:03:04,937 さあ 1億の橋ができました。 11 00:03:04,937 --> 00:03:09,942 《少し近づけば 必ず あの印が見える。 12 00:03:09,942 --> 00:03:12,942 そうすれば 私の勝ちだ》 13 00:03:29,678 --> 00:03:34,433 《見えない 印が…》 14 00:03:34,433 --> 00:03:36,933 もう1億だ。 15 00:03:42,841 --> 00:03:47,763 これで金の橋は2m。 どうぞ お渡りください。 16 00:03:47,763 --> 00:03:50,599 ただし 落ちたら終わりです。 17 00:03:50,599 --> 00:03:53,936 うるさい わかってる。 18 00:03:53,936 --> 00:03:56,605 《たとえ距離が縮まっても➡ 19 00:03:56,605 --> 00:04:00,259 それと同時に はずせないプレッシャーも 高まっている。 20 00:04:00,259 --> 00:04:04,263 あらゆる欲の中で 最も強烈な欲。 21 00:04:04,263 --> 00:04:07,933 それは 失いたくないという欲。 22 00:04:07,933 --> 00:04:10,085 皆 儲けたいというより➡ 23 00:04:10,085 --> 00:04:15,074 賭けた金が惜しくて 更に金を失う。 24 00:04:15,074 --> 00:04:19,111 そして自ら 地獄へ足を踏み入れる。 25 00:04:19,111 --> 00:04:22,781 欲望に溺れる。 26 00:04:22,781 --> 00:04:29,581 中島さん 今 アンタに絵が見えているかい?》 27 00:05:47,933 --> 00:05:50,936 《これか? 28 00:05:50,936 --> 00:05:54,439 30年以上 画商として経験してきた➡ 29 00:05:54,439 --> 00:05:58,739 知識から考えれば これが本物に見える》 30 00:06:01,930 --> 00:06:05,584 《しかし あの印が見えん。 31 00:06:05,584 --> 00:06:09,771 あれが見えないかぎり 確証が持てん。 32 00:06:09,771 --> 00:06:13,442 それに あの布で隠した絵。 33 00:06:13,442 --> 00:06:19,431 はっきりとは わからんが あれは おそらく青木の絵。 34 00:06:19,431 --> 00:06:21,617 それを なぜ隠す? 35 00:06:21,617 --> 00:06:26,517 これじゃ 残り2枚の 単純な二者択一と変わらない》 36 00:06:28,991 --> 00:06:31,777 《クソッ あと一歩だ。 37 00:06:31,777 --> 00:06:35,931 あと一歩 近づけばわかるはず》 38 00:06:35,931 --> 00:06:39,431 よし もう1億追加だ! 39 00:06:55,267 --> 00:07:00,622 これで 3億。 3mですよ 中島さん。 40 00:07:00,622 --> 00:07:04,760 《バカめ… 煽っているつもりだろうが➡ 41 00:07:04,760 --> 00:07:08,247 これだけ近づけば 楽勝だ。 42 00:07:08,247 --> 00:07:12,117 見ろ やはり真ん中だ。 43 00:07:12,117 --> 00:07:15,938 あのタッチ あの色合い…。 44 00:07:15,938 --> 00:07:20,538 間違いなく 真ん中こそ 本物のセザンヌ》 45 00:07:25,597 --> 00:07:29,597 《見えない 印が…》 46 00:07:34,273 --> 00:07:37,573 《あれさえ 確認できれば》 47 00:07:50,606 --> 00:07:53,609 うう…。 48 00:07:53,609 --> 00:07:55,809 どうしました? 49 00:07:58,597 --> 00:08:01,266 これは ひどい…。 50 00:08:01,266 --> 00:08:05,621 ひどいよ 森田君。 51 00:08:05,621 --> 00:08:07,639 泣いてんのか? 52 00:08:07,639 --> 00:08:11,426 この ギャンブルはひどい あんまりだ…。 53 00:08:11,426 --> 00:08:14,813 近づいてみてわかった。 54 00:08:14,813 --> 00:08:16,915 この下からの明かりでは➡ 55 00:08:16,915 --> 00:08:20,852 私の鑑識眼は 正常に機能しない。 56 00:08:20,852 --> 00:08:23,255 我々は ふだん➡ 57 00:08:23,255 --> 00:08:26,258 下からの明かりでは 絵を見ていない。 58 00:08:26,258 --> 00:08:29,628 絵を照らす明かりは いつも 斜め上からだ。 59 00:08:29,628 --> 00:08:34,166 どこの美術館だってそうやってる。 60 00:08:34,166 --> 00:08:36,918 だから 何です? 61 00:08:36,918 --> 00:08:40,088 何も 明るくしてくれとは 言ってない。 62 00:08:40,088 --> 00:08:44,943 せめて その明かりを ちょっと 上にあげてくれないか。 63 00:08:44,943 --> 00:08:47,763 な? 64 00:08:47,763 --> 00:08:50,599 森田君! 65 00:08:50,599 --> 00:08:53,599 お願いだ このとおり! 66 00:08:58,674 --> 00:09:00,926 森田君! 中島さん。 67 00:09:00,926 --> 00:09:03,078 残念ですが それはできません。 68 00:09:03,078 --> 00:09:06,098 もちろん タダとは言わない 1億 出そう! 69 00:09:06,098 --> 00:09:09,084 1億だ。 1歩も進まずに➡ 70 00:09:09,084 --> 00:09:12,504 この明かりを ちょっと あげるだけで 1億なんだぞ! 71 00:09:12,504 --> 00:09:14,504 え? 72 00:09:19,928 --> 00:09:22,764 しようがない 船田さん。 73 00:09:22,764 --> 00:09:25,764 (ため息) 74 00:09:32,257 --> 00:09:34,257 残り 2億です。 75 00:09:40,265 --> 00:09:43,185 左もだ 左も頼む。 76 00:09:43,185 --> 00:09:46,271 おい! 調子に乗るなよ。 77 00:09:46,271 --> 00:09:48,273 頼むよ 森田君。 78 00:09:48,273 --> 00:09:50,273 お願いだ! 79 00:09:52,928 --> 00:09:56,848 美沙さん 左の照明を持ってください。 80 00:09:56,848 --> 00:09:59,768 え? 森田! さすがにやりすぎだぞ。 81 00:09:59,768 --> 00:10:02,120 いや これでいいんです。 82 00:10:02,120 --> 00:10:05,140 美沙さん 早く持ってください。 83 00:10:05,140 --> 00:10:07,140 はい。 84 00:10:21,089 --> 00:10:24,089 森田君 ありがとう。 85 00:10:27,262 --> 00:10:33,435 《ククク… 甘いぜ ガキが!》 86 00:10:33,435 --> 00:10:37,255 左を もう少し上に。 87 00:10:37,255 --> 00:10:40,592 はい。 そうだ。 88 00:10:40,592 --> 00:10:43,278 右も頼む。 えっ こっちもかよ? 89 00:10:43,278 --> 00:10:45,278 ああ。 90 00:10:51,670 --> 00:10:55,407 《あった! 私がつけた印。 91 00:10:55,407 --> 00:10:57,742 やはり 真ん中か。 92 00:10:57,742 --> 00:10:59,761 残念だったな 森田。 93 00:10:59,761 --> 00:11:03,098 私の勝ちだ フフフフ。 94 00:11:03,098 --> 00:11:06,618 この私を騙して 金をとろうなんて考えが➡ 95 00:11:06,618 --> 00:11:08,618 そもそも甘いんだ》 96 00:11:12,591 --> 00:11:15,610 《なんだ あの丸は。 97 00:11:15,610 --> 00:11:19,448 あんなもの 私は描いた覚えはない。 98 00:11:19,448 --> 00:11:22,748 さっきだって ついていなかったはず》 99 00:11:24,936 --> 00:11:30,942 《あの男 気づいていた!》 100 00:11:30,942 --> 00:11:36,542 あんまり キョロキョロしてると 落ちますよ 中島さん。 101 00:11:42,020 --> 00:11:45,106 《私は鉛筆で印をつけた。 102 00:11:45,106 --> 00:11:49,411 もし 森田が気づいたのなら 消せばいいだけ。 103 00:11:49,411 --> 00:11:53,932 それなのに なぜ…。 104 00:11:53,932 --> 00:11:56,232 何を企んでいる?》 105 00:12:06,928 --> 00:12:09,281 待て! 106 00:12:09,281 --> 00:12:15,937 美沙さん あなたは それ以上 動かないでほしい。 107 00:12:15,937 --> 00:12:17,937 すべて わかってるんだ。 108 00:12:19,941 --> 00:12:22,928 《やはり この男 知っていた。 109 00:12:22,928 --> 00:12:26,348 私と青木が グルだったということも➡ 110 00:12:26,348 --> 00:12:32,254 私が本物に印をつけたことも 何もかも。 111 00:12:32,254 --> 00:12:35,624 だとしたら なおのこと あんな印に➡ 112 00:12:35,624 --> 00:12:38,677 もはや確証はない。 だいたい あの男が➡ 113 00:12:38,677 --> 00:12:41,696 印のついた本物を そのまま さらすなんて➡ 114 00:12:41,696 --> 00:12:44,583 どうしても考えられん。 115 00:12:44,583 --> 00:12:51,273 では 本物はやはり 布の絵? 116 00:12:51,273 --> 00:12:55,911 わからない 何を考えているのか…》 117 00:12:55,911 --> 00:12:58,413 《それでいい。 118 00:12:58,413 --> 00:13:02,417 今 ヤツは すべてが 疑心暗鬼にかられているはず。 119 00:13:02,417 --> 00:13:07,606 あと少し。 あと少しだ》 120 00:13:07,606 --> 00:13:10,592 おっ! 121 00:13:10,592 --> 00:13:12,792 おっ! あっ! 122 00:13:15,614 --> 00:13:20,585 もうダメだ… わからない。 123 00:13:20,585 --> 00:13:24,422 やめればよかった こんなこと。 124 00:13:24,422 --> 00:13:29,594 私などが手を出しては いけない世界だったんだ! 125 00:13:29,594 --> 00:13:32,494 森田君…。 126 00:13:34,950 --> 00:13:39,950 もう… もう勘弁してくれ! 127 00:13:41,923 --> 00:13:46,261 なぜ そんなに悲観的になるのか わかりませんね。 128 00:13:46,261 --> 00:13:48,280 なに? あなたには➡ 129 00:13:48,280 --> 00:13:52,334 30年間 培ってきた 鑑識眼があるはずだ。 130 00:13:52,334 --> 00:13:56,254 それとも 人を騙すことしか 考えてこなかったせいで➡ 131 00:13:56,254 --> 00:13:58,923 目が曇りましたか? 132 00:13:58,923 --> 00:14:03,278 なぜだ? なぜ そこまで私を…。 133 00:14:03,278 --> 00:14:06,615 アンタは芸術にたかる寄生虫だ。 134 00:14:06,615 --> 00:14:08,984 自分じゃ 何も生み出せないくせに➡ 135 00:14:08,984 --> 00:14:13,104 人が命を懸けて生み出したものに 偉そうに講釈を垂れ➡ 136 00:14:13,104 --> 00:14:15,256 能書きを並べて批評する。 137 00:14:15,256 --> 00:14:19,094 アンタなんか 美術品がなければ 一銭の価値もない。 138 00:14:19,094 --> 00:14:22,931 俺は そういうヤツが 死ぬほど嫌いなだけです。 139 00:14:22,931 --> 00:14:25,767 黙れ チンピラ! 140 00:14:25,767 --> 00:14:27,936 俺は これまでの人生 すべてをかけて➡ 141 00:14:27,936 --> 00:14:29,938 美術品と向かい合ってきたんだ。 142 00:14:29,938 --> 00:14:33,091 キサマごときに とやかく言われたくない! 143 00:14:33,091 --> 00:14:36,611 《それでいい もっと怒れ》 144 00:14:36,611 --> 00:14:39,097 よし わかった。 145 00:14:39,097 --> 00:14:42,017 おい 残りの金 全部で橋作れ! 146 00:14:42,017 --> 00:14:45,017 俺は 絶対にセザンヌをいただく! 147 00:14:56,581 --> 00:14:59,100 これで すべてです。 148 00:14:59,100 --> 00:15:02,500 どうぞ お渡りください。 149 00:15:07,759 --> 00:15:12,947 《心からセザンヌを愛していた 若い頃の中島なら➡ 150 00:15:12,947 --> 00:15:16,835 一発で見抜く。 しかし➡ 151 00:15:16,835 --> 00:15:19,854 虚栄と欺まんの世界で 生きてきた今➡ 152 00:15:19,854 --> 00:15:24,242 本物を見分けられる目が まだ残っているのか?》 153 00:15:24,242 --> 00:15:27,278 《そういえば 青木が言っていた。 154 00:15:27,278 --> 00:15:30,432 アイツが 土門頭取から 絵を騙しとるとき➡ 155 00:15:30,432 --> 00:15:35,570 本物を見せずに ニセモノを2枚並べて選ばせたと。 156 00:15:35,570 --> 00:15:37,756 今回も 同じ手か? 157 00:15:37,756 --> 00:15:42,594 わざと本物を私に見せないように 布で隠したのか? 158 00:15:42,594 --> 00:15:49,184 いや 私の鑑識眼に従えば 本物は 真ん中》 159 00:15:49,184 --> 00:16:18,430 ♬~ 160 00:16:18,430 --> 00:16:21,433 《今のは どういう意味だ? 161 00:16:21,433 --> 00:16:26,955 まさか 私が言ったとおり 青木が正解を教えた? 162 00:16:26,955 --> 00:16:31,555 だとしたら 真ん中が正解ということか?》 163 00:16:36,614 --> 00:16:40,118 《いや 信じられん》 164 00:16:40,118 --> 00:16:43,104 ⦅今日で 美沙さんは ここを辞めます。 165 00:16:43,104 --> 00:16:46,925 もう あなたのもとには 戻らないそうだ⦆ 166 00:16:46,925 --> 00:16:51,095 《そうか。 そういうことか。 167 00:16:51,095 --> 00:16:55,750 結局 この女も ヤツらとグル。 168 00:16:55,750 --> 00:16:58,419 なるほど わかった。 169 00:16:58,419 --> 00:17:00,421 ようやく わかった。 170 00:17:00,421 --> 00:17:03,591 コイツら全員で 俺を騙そうとしているんだ。 171 00:17:03,591 --> 00:17:06,611 どいつも コイツも 見くびりやがって。 172 00:17:06,611 --> 00:17:09,611 この俺を騙せるとでも 思っているのか!》 173 00:17:12,000 --> 00:17:16,600 中島さん そろそろ ご決断を。 174 00:17:19,424 --> 00:17:21,442 本物は…。 175 00:17:21,442 --> 00:17:33,771 ♬~ 176 00:17:33,771 --> 00:17:35,971 これだ! 177 00:19:08,933 --> 00:19:10,933 本物は…。 178 00:19:15,607 --> 00:19:17,607 これだ! 179 00:19:25,266 --> 00:19:28,466 そうだろう。 当たりだな。 180 00:19:32,941 --> 00:19:36,444 さあ 見せろ! 俺の目が狂うはずがない。 181 00:19:36,444 --> 00:19:48,944 ♬~ 182 00:19:57,765 --> 00:20:01,936 こっ これは…。 183 00:20:01,936 --> 00:20:03,936 青木の絵!? 184 00:20:10,595 --> 00:20:13,495 本物のセザンヌは 真ん中だ。 185 00:20:17,485 --> 00:20:20,605 嘘だ… 嘘だ。 186 00:20:20,605 --> 00:20:24,005 嘘だ! あ~! 187 00:20:31,449 --> 00:20:33,749 俺の金が…。 188 00:20:35,787 --> 00:20:39,407 俺の 俺のセザンヌが…。 189 00:20:39,407 --> 00:20:43,745 アンタは 最初から これが 本物だと見抜いていたはずだ。 190 00:20:43,745 --> 00:20:46,097 この勝負は 五分五分。 191 00:20:46,097 --> 00:20:49,617 むしろ こっちが 負ける可能性のほうが高かった。 192 00:20:49,617 --> 00:20:54,939 だが 人を欺き 人を 信じようとしなかった30年間が➡ 193 00:20:54,939 --> 00:20:59,594 土壇場で 真理を見抜く目を鈍らせた。 194 00:20:59,594 --> 00:21:02,930 あなたは 疑ってしまったんだ。 195 00:21:02,930 --> 00:21:05,466 最後の最後…。 196 00:21:05,466 --> 00:21:09,766 あなたを信じて 正解を教えた 美沙さんのことも…。 197 00:21:11,939 --> 00:21:13,939 中島さん。 198 00:21:15,943 --> 00:21:19,097 他人を信じられない人間は➡ 199 00:21:19,097 --> 00:21:22,417 とどのつまり 自分も信じられない。 200 00:21:22,417 --> 00:21:26,771 この結末は そういう人間にとって いわば必然。 201 00:21:26,771 --> 00:21:30,071 猜疑心の終着駅だ。 202 00:21:33,928 --> 00:21:36,428 あ… あぁ! 203 00:21:39,784 --> 00:21:44,589 あぁ…。 204 00:21:44,589 --> 00:21:47,089 うわぁ~! 205 00:22:01,789 --> 00:22:03,941 これで 銀さんに会える。 206 00:22:03,941 --> 00:22:07,941 中島がつけた印に 丸をつけたのは 正解だったな。 207 00:22:09,914 --> 00:22:12,917 消せば ヤツは 自分の目を頼るしかなくなる。 208 00:22:12,917 --> 00:22:15,086 それが 怖かったんです。 209 00:22:15,086 --> 00:22:18,923 曲がりなりにも 30年 絵を見続けてきた男だ。 210 00:22:18,923 --> 00:22:21,976 じっくり見れば 絶対に 見破っただろう。 211 00:22:21,976 --> 00:22:25,580 だから あえて印を残して 更に 丸をつけ➡ 212 00:22:25,580 --> 00:22:28,082 疑心暗鬼を誘ったんです。 213 00:22:28,082 --> 00:22:30,418 にしても…。 214 00:22:30,418 --> 00:22:35,089 あの お嬢ちゃんが裏切るのは 想定外だったがな。 215 00:22:35,089 --> 00:22:37,441 ごめんなさい。 216 00:22:37,441 --> 00:22:39,927 でも 裏切るつもりは…。 217 00:22:39,927 --> 00:22:44,999 いや あなたが裏切ることは 計算のうえでした。 218 00:22:44,999 --> 00:22:47,034 あっ? 219 00:22:47,034 --> 00:22:48,920 今回の勝負の いちばんのポイントは➡ 220 00:22:48,920 --> 00:22:51,272 中島に この土俵に 上がってもらうこと。 221 00:22:51,272 --> 00:22:53,441 ヤツは用心深い。 222 00:22:53,441 --> 00:22:57,445 自分に有利な勝負だと 確信しないかぎり のってこない。 223 00:22:57,445 --> 00:22:59,945 そこで 彼女を 使おうと思ったんです。 224 00:23:01,933 --> 00:23:04,785 計画どおり あなたは裏切ってくれた。 225 00:23:04,785 --> 00:23:08,139 おそらく 中島は強力なスパイを得て➡ 226 00:23:08,139 --> 00:23:10,191 勝てると踏んだはずだ。 227 00:23:10,191 --> 00:23:13,277 いわば あなたは 中島という大魚を➡ 228 00:23:13,277 --> 00:23:16,277 釣り上げるための撒き餌。 229 00:23:20,935 --> 00:23:22,935 待て。 230 00:23:27,942 --> 00:23:30,461 今回の報酬だ。 231 00:23:30,461 --> 00:23:33,961 次は本物を描いて金を稼げ。 232 00:23:52,934 --> 00:23:55,937 うわ~! ちょちょ… 何やってんすか! 233 00:23:55,937 --> 00:24:13,537 ♬~ 234 00:24:19,143 --> 00:24:21,429 申し訳ありませんでした。 235 00:24:21,429 --> 00:24:27,101 今日は お借りしていたセザンヌの絵を お持ちいたしました。 236 00:24:27,101 --> 00:24:29,420 お借りした? 237 00:24:29,420 --> 00:24:31,439 盗んだんだろ? キミが。 238 00:24:31,439 --> 00:24:33,474 いやいやいや そんなこと…。 239 00:24:33,474 --> 00:24:35,509 (2人)あ~! 240 00:24:35,509 --> 00:24:37,528 嘘をつけ。 241 00:24:37,528 --> 00:24:39,528 銀さん! 242 00:24:41,933 --> 00:24:46,938 頭取は お前が絵を 持っていったことに気づいて➡ 243 00:24:46,938 --> 00:24:50,424 俺に連絡をくれた。 244 00:24:50,424 --> 00:24:54,445 お前 もし通報されたら どうするつもりだった? 245 00:24:54,445 --> 00:24:56,931 いやぁ それは…。 246 00:24:56,931 --> 00:25:00,985 船田から聞いたが 今回は穴だらけだな。 247 00:25:00,985 --> 00:25:07,942 偶然が重なって たまたま うまく転がったにすぎん。 248 00:25:07,942 --> 00:25:11,929 お前は つくづく悪運の強いヤツだな。 249 00:25:11,929 --> 00:25:16,429 まっ 頭取に礼でも言うんだ。 250 00:25:22,606 --> 00:25:25,006 ありがとうございました。 251 00:25:27,011 --> 00:25:30,611 絵を もとへ戻したまえ。 は~い。 252 00:25:33,267 --> 00:25:37,138 森田君 礼なら平井さんに言いなさい。 253 00:25:37,138 --> 00:25:41,425 キミが絵を返せなかった場合の 保険にと➡ 254 00:25:41,425 --> 00:25:43,594 20億も渡されたんだ。 255 00:25:43,594 --> 00:25:46,614 えっ 20億? ああ。 256 00:25:46,614 --> 00:25:49,266 えっ… えっ? 257 00:25:49,266 --> 00:25:51,466 あっ…。 おい! 258 00:25:57,675 --> 00:26:00,075 銀さん! 259 00:26:16,594 --> 00:26:18,763 船田さん。 260 00:26:18,763 --> 00:26:20,763 おう。 261 00:26:22,750 --> 00:26:24,935 なあ 森田。 262 00:26:24,935 --> 00:26:27,271 今回の策は 他の画商にも使える。 263 00:26:27,271 --> 00:26:30,771 どうだ? 俺と組んで もうひと儲けしねえか? 264 00:26:33,327 --> 00:26:37,264 いや もう終わりにします。 265 00:26:37,264 --> 00:26:41,786 今回は 1回きりだったから うまくいった気がするんです。 266 00:26:41,786 --> 00:26:44,422 1回きりの緊張感。 267 00:26:44,422 --> 00:26:51,345 正直 不安だったけど それが 俺にとっては うまく作用した。 268 00:26:51,345 --> 00:26:58,252 でも 2回目は なめる気持が出る。 それが怖いんです。 269 00:26:58,252 --> 00:27:01,439 フフフ… ずいぶんと冷静だな。 270 00:27:01,439 --> 00:27:04,091 お前 もっと金が欲しくないのか? 271 00:27:04,091 --> 00:27:06,761 いやぁ 欲しいです。 272 00:27:06,761 --> 00:27:11,261 でも もう一つの 望みが出てきたんです。 273 00:27:14,935 --> 00:27:17,788 いつになるか わからないけど➡ 274 00:27:17,788 --> 00:27:23,594 俺は いつか 金と呼ばれるようになりたい。 275 00:27:23,594 --> 00:27:27,932 銀さんを超えるってことか? 276 00:27:27,932 --> 00:27:30,584 はい。 277 00:27:30,584 --> 00:27:34,505 そのためには 金をつかまなきゃいけない。 278 00:27:34,505 --> 00:27:36,924 ただ それだけじゃダメ。 279 00:27:36,924 --> 00:27:43,297 金をつかんだあとは その向こう側を覗いてこないと。 280 00:27:43,297 --> 00:27:47,084 欲の世界を 振り切った先に世界がある。 281 00:27:47,084 --> 00:27:51,088 銀さんは それを 何度も覗いてるはずなんです。 282 00:27:51,088 --> 00:27:54,742 だから ああやって デカいんだと…。 283 00:27:54,742 --> 00:28:00,114 俺も その向こう側を 覗いてみたい。 284 00:28:00,114 --> 00:28:04,168 じゃないと 大金を 動かせない気がするんです。 285 00:28:04,168 --> 00:28:08,255 う~ん 向こう側ね。 286 00:28:08,255 --> 00:28:12,092 そこに鬼がいるのか…。 287 00:28:12,092 --> 00:28:15,592 ひょっとすると 仏にでも会えるのか…。 288 00:28:18,983 --> 00:28:21,483 自分の目で見てみたいんです。 289 00:28:23,604 --> 00:28:28,392 < でも 案外そこにいるのも➡ 290 00:28:28,392 --> 00:28:30,892 人間なのかもしれない>