1 00:02:29,088 --> 00:02:32,225 <江戸時代 御家人というのは➡ 2 00:02:32,225 --> 00:02:36,095 徳川家の家臣の中で 旗本の下に位置する➡ 3 00:02:36,095 --> 00:02:40,095 将軍への お目見えも許されぬ 身分であった> 4 00:02:42,235 --> 00:02:46,105 <この松平残九郎 名門の家柄ではありながら➡ 5 00:02:46,105 --> 00:02:49,108 無役の30俵3人扶持という➡ 6 00:02:49,108 --> 00:02:53,246 御家人の禄としては 最低の境遇である> 7 00:02:53,246 --> 00:02:56,149 <従って 稼がねばならない> 8 00:02:56,149 --> 00:03:01,120 <しかし その時代 武士の副業は禁止されていた> 9 00:03:01,120 --> 00:03:04,257 <そのため 残九郎は おおっぴらにできない➡ 10 00:03:04,257 --> 00:03:09,128 「かたてわざ」と称する 裏の稼業を持っていたのである> 11 00:03:09,128 --> 00:03:12,131 (一同)わっしょい わっしょい! 12 00:03:12,131 --> 00:03:32,218 ♬~ 13 00:03:32,218 --> 00:03:36,218 ♬~ 14 00:03:45,198 --> 00:03:47,133 (斬る音) ≪(男性)うわっ! 15 00:03:47,133 --> 00:03:50,069 ≪(女性の叫び声) 16 00:03:50,069 --> 00:03:52,069 (斬る音) ≪(男性)うわっ! 17 00:04:20,033 --> 00:04:24,037 (佐次)南無八幡 18 00:04:24,037 --> 00:04:26,172 (渡辺)刀傷だな 19 00:04:26,172 --> 00:04:28,172 (佐次)全部 一太刀です 20 00:04:30,043 --> 00:04:32,043 (佐次)生きてる 21 00:04:34,047 --> 00:04:36,047 (佐次)しっかりしろ! 22 00:04:38,184 --> 00:04:44,057 男… 入れ墨の… 男 23 00:04:44,057 --> 00:04:47,193 どんな入れ墨だ? 24 00:04:47,193 --> 00:04:57,003 腕に まむし… まむし… 25 00:04:57,003 --> 00:05:01,003 も… 紅葉 26 00:05:15,154 --> 00:05:18,057 (喜助)おかみ 急ぎ 御用なんですけれども➡ 27 00:05:18,057 --> 00:05:20,026 宅の残九郎様は? (おえん)はいはい➡ 28 00:05:20,026 --> 00:05:23,029 こちらですよ (喜助)へい 29 00:05:23,029 --> 00:05:26,165 (おえん)残九郎様 (残九郎)えっ? 30 00:05:26,165 --> 00:05:28,165 (おえん)お迎えですよ 31 00:05:34,040 --> 00:05:37,176 粂女姉上が お宿下り 32 00:05:37,176 --> 00:05:40,079 (麻佐女)あと7日しかない 33 00:05:40,079 --> 00:05:45,051 「お宿下りに当り 親類 御近所への 土産の品など 御配慮 賜りたく➡ 34 00:05:45,051 --> 00:05:50,189 お母上には 何とぞ よしなに お取計らい下さいますよう」 35 00:05:50,189 --> 00:05:55,028 「尚 土産の品は 神田 一越太古堂の煙草入れ➡ 36 00:05:55,028 --> 00:05:58,998 下谷広小路 玉松堂の楊枝入れが よいかと存じます」 37 00:05:58,998 --> 00:06:04,137 一越太古堂の煙草入れが どれほどの値の物か➡ 38 00:06:04,137 --> 00:06:07,040 粂は 存じておるのか! 39 00:06:07,040 --> 00:06:10,009 それを親類 御近所に… 40 00:06:10,009 --> 00:06:13,009 そのような金が あるわけないではないか 41 00:06:16,149 --> 00:06:20,019 あ… 姉上のお宿下りは いつも いかほどの金が? 42 00:06:20,019 --> 00:06:24,023 粂の時で 40両➡ 43 00:06:24,023 --> 00:06:30,163 いちは 大奥ゆえ 50両 44 00:06:30,163 --> 00:06:34,033 おお! これは 織部の香合 45 00:06:34,033 --> 00:06:40,173 それは売れぬ 我が母の形見じゃ ああ… 46 00:06:40,173 --> 00:06:43,076 確か 浦上玉堂の絵があったはずだ 47 00:06:43,076 --> 00:06:47,046 あれは 3年前 粂のお宿下りの時に… 48 00:06:47,046 --> 00:06:49,046 売った (麻佐女)うん 49 00:06:56,122 --> 00:06:58,057 おっ 伊万里焼じゃありませぬか 50 00:06:58,057 --> 00:06:59,992 これも 売れぬ あ… 九郎! 51 00:06:59,992 --> 00:07:04,992 亡き父上の お気に入りの物であった 九郎 52 00:07:09,135 --> 00:07:13,005 おっ!これは まき絵のふ箱 (麻佐女)それは… 53 00:07:13,005 --> 00:07:19,145 私が 松平家に嫁いだ時に 持参した物 はぁ 54 00:07:19,145 --> 00:07:21,145 じゃあ 一体 どれを売れば よろしいんですか 55 00:07:25,017 --> 00:07:32,158 もう どれもこれも 人手には渡せぬ 56 00:07:32,158 --> 00:07:35,158 しかし 母上 売らねば金が… 57 00:07:37,029 --> 00:07:42,168 九郎! そなた 何のために かたてわざをしている 58 00:07:42,168 --> 00:07:44,103 お稼ぎなさい 冗談じゃありませんよ 59 00:07:44,103 --> 00:07:47,039 どうやって 4~5日で 40両もの大金 稼ぐんですか 60 00:07:47,039 --> 00:07:50,042 そなたに 姉を思う気持ちがあれば➡ 61 00:07:50,042 --> 00:07:53,112 何としてでも 金子を手にするのじゃ 62 00:07:53,112 --> 00:07:56,015 土産もなく お宿下りをさせたとあっては➡ 63 00:07:56,015 --> 00:07:59,986 姉の… ひいては 松平家の恥ぞ 64 00:07:59,986 --> 00:08:02,121 (ため息) 65 00:08:02,121 --> 00:08:04,056 ≪(喜助)残九郎様 66 00:08:04,056 --> 00:08:07,056 (喜助)西尾様が おみえでございます おう 67 00:08:11,130 --> 00:08:15,001 (伝三郎)このところの 押し込みの 横行に頭を抱えておるのだ 残九郎 68 00:08:15,001 --> 00:08:21,140 しかも 一連の押し込みは どうも 同じ盗賊の仕業とも思えるのだ 69 00:08:21,140 --> 00:08:23,075 人々を おびえさせ➡ 70 00:08:23,075 --> 00:08:26,012 お上を 愚弄でもするかのように 強行を重ねておる 71 00:08:26,012 --> 00:08:30,149 これでは 奉行所の面目も 威信もないではないか 大変だな 72 00:08:30,149 --> 00:08:32,084 そこで 残九郎 お主に 知恵を借りたい 73 00:08:32,084 --> 00:08:34,020 知恵 貸してもいいが➡ 74 00:08:34,020 --> 00:08:36,022 お足は出るのか? 出るわけないだろう 75 00:08:36,022 --> 00:08:38,024 それじゃ お門違いだな 何!? 76 00:08:38,024 --> 00:08:41,160 俺はな 今 それどころじゃねえんだよ 77 00:08:41,160 --> 00:08:45,031 ハァ… 一橋家御主殿に奉公してる 姉上様が➡ 78 00:08:45,031 --> 00:08:48,034 お宿下りで戻ってくるんだよ 79 00:08:48,034 --> 00:08:50,169 粂女様が? ああ 80 00:08:50,169 --> 00:08:53,072 お前には 分からねえだろうな 81 00:08:53,072 --> 00:08:55,975 お宿下りは 大層な物入りでな 82 00:08:55,975 --> 00:08:58,978 こっちへ帰る時には 親類 近所への土産➡ 83 00:08:58,978 --> 00:09:02,114 屋敷に戻る時には 朋輩衆への 土産を持たせなきゃならねえんだ 84 00:09:02,114 --> 00:09:05,985 40両も かかるんだぞ それに! ふーん 85 00:09:05,985 --> 00:09:18,130 ♬~ 86 00:09:18,130 --> 00:09:24,003 室町の和泉屋 岩本町の中津屋 蔵前の加島屋と➡ 87 00:09:24,003 --> 00:09:28,140 それぞれ 主人や奉公人が 無残な殺され方をしたらしい 88 00:09:28,140 --> 00:09:34,013 (与市兵ヱ)実は 加島屋さんとは 昔からの知り合いで ああ そう 89 00:09:34,013 --> 00:09:37,149 よいかな 奉行所という所は➡ 90 00:09:37,149 --> 00:09:40,052 押し込みが入ったあとにしか 動いちゃくれねえんだ 91 00:09:40,052 --> 00:09:44,023 その前には からっきし 当てにはならねえ 92 00:09:44,023 --> 00:09:46,158 そういう災難から➡ 93 00:09:46,158 --> 00:09:51,158 身代や 命を守るためには 用心棒を雇うのが一番だ! はっ? 94 00:09:53,966 --> 00:09:58,104 俺 10両で雇わねえか? 95 00:09:58,104 --> 00:10:01,007 お願いします 96 00:10:01,007 --> 00:10:02,975 (子分)つぼ! 97 00:10:02,975 --> 00:10:04,975 (中盆)重目 かぶります 98 00:10:09,115 --> 00:10:11,050 (子分)はい さあ 張った はい さあ 張った 99 00:10:11,050 --> 00:10:12,985 (男性)丁! (子分)はい 丁ないか? 100 00:10:12,985 --> 00:10:14,985 (男性)丁! (子分)さあ 張った 101 00:10:16,989 --> 00:10:19,125 半だ (男性)半 102 00:10:19,125 --> 00:10:22,125 (男性)丁 (沢口)半 103 00:10:25,998 --> 00:10:29,135 (子分)丁半 こまそろいやした 104 00:10:29,135 --> 00:10:31,070 (中盆)勝負!➡ 105 00:10:31,070 --> 00:10:33,005 二六の丁 106 00:10:33,005 --> 00:10:36,008 (一同の ざわめき) 107 00:10:36,008 --> 00:10:39,145 (丑寅)残九の旦那 そんなの勝てるよ 108 00:10:39,145 --> 00:10:42,048 男らしゅう ぶわーっと やってくださいよ 109 00:10:42,048 --> 00:10:44,016 (男性)付いてねえなあ 110 00:10:44,016 --> 00:10:47,016 (子分)続いて入ります つぼ! 111 00:10:49,155 --> 00:10:51,155 (中盆)重目 かぶります 112 00:10:54,961 --> 00:10:56,963 (子分)さあ 張った (男性)半 113 00:10:56,963 --> 00:10:58,965 これで しめいだ ヘヘッ! 114 00:10:58,965 --> 00:11:01,100 (子分)さあ 半ないか 半! 115 00:11:01,100 --> 00:11:03,035 (男性)丁! (子分)半方 116 00:11:03,035 --> 00:11:04,971 (男性)ほい (男性)半! 117 00:11:04,971 --> 00:11:07,974 丁 (男性)丁 118 00:11:07,974 --> 00:11:10,109 (沢口)半だ 119 00:11:10,109 --> 00:11:12,044 (子分)丁半 こまそろいやした 120 00:11:12,044 --> 00:11:14,981 (中盆)勝負!➡ 121 00:11:14,981 --> 00:11:16,983 一ぞろの丁 く… 122 00:11:16,983 --> 00:11:19,118 (一同の笑い声) 123 00:11:19,118 --> 00:11:23,118 その さい 改める 124 00:11:31,130 --> 00:11:33,130 (丑寅)ああ… 125 00:11:37,003 --> 00:11:39,005 (男性)あっ (男性)ちくしょう! 126 00:11:39,005 --> 00:11:41,005 (男性)ああ (男性)いか… いかさまだ 127 00:11:43,142 --> 00:11:46,045 野郎 なめたまねしやがって! 128 00:11:46,045 --> 00:11:49,045 かまわねえ たたき斬っちまえ! 129 00:11:53,152 --> 00:11:59,025 面白くなってきたな さて どうしてくれるんだ 130 00:11:59,025 --> 00:12:01,025 (子分)野郎! (子分)くたばれ! 131 00:12:05,164 --> 00:12:09,035 た… 助けておくんなせい おいら ただ働きはしねえんだ 132 00:12:09,035 --> 00:12:13,035 10両出す あたた… 腰 痛くなってきちゃった 133 00:12:16,175 --> 00:12:18,110 ハァ… 15 15出す 134 00:12:18,110 --> 00:12:20,046 痩せ衰えた おふくろがな 俺の帰り待ってるんだよ 135 00:12:20,046 --> 00:12:23,049 うーん… 20出す 136 00:12:23,049 --> 00:12:25,049 忘れんなよ うん 137 00:12:29,188 --> 00:12:31,188 どけ! (子分)あっ 138 00:12:35,061 --> 00:12:37,063 これぐらいで もう いいだろう? 139 00:12:37,063 --> 00:12:42,063 銭箱は 後ろだ 一握り持ってきな うん 140 00:12:48,207 --> 00:12:51,110 世の中 そんなに甘くできちゃいませんよ 141 00:12:51,110 --> 00:12:53,045 ばくちなんか 胴元しか もうからないように➡ 142 00:12:53,045 --> 00:12:55,014 できてるんですから いやいや 分かっちゃいるんだよ 143 00:12:55,014 --> 00:12:58,017 分かっちゃいるんだけどさ それじゃ まっ➡ 144 00:12:58,017 --> 00:13:00,152 煙草入れと楊枝入れ うちの方で頼んでおきますから 145 00:13:00,152 --> 00:13:02,088 ああ すまねえなあ 146 00:13:02,088 --> 00:13:07,088 残金 早くね ハァ… あと20両か 147 00:13:32,084 --> 00:13:52,138 ♬~ 148 00:13:52,138 --> 00:14:12,158 ♬~ 149 00:14:12,158 --> 00:14:26,158 ♬~ 150 00:14:28,174 --> 00:14:32,044 (粂女)ただいま戻りました (麻佐女)よく お戻りなされた 151 00:14:32,044 --> 00:14:34,046 お戻りなされませ 152 00:14:34,046 --> 00:14:40,186 この度は 格別の御配慮 誠にありがたく 153 00:14:40,186 --> 00:14:45,186 なんのなんの! 大したことではない 154 00:14:57,136 --> 00:14:59,071 (須美)御免くださりませ 155 00:14:59,071 --> 00:15:02,007 須美殿と申される 156 00:15:02,007 --> 00:15:05,007 松平須美でございます 157 00:15:09,148 --> 00:15:15,020 (麻佐女)存じておろう 九郎とは いいなずけの間柄 158 00:15:15,020 --> 00:15:22,161 (粂女)ああ! 須美殿は おいくつじゃな? 159 00:15:22,161 --> 00:15:26,161 18に 相なります (粂女)18… 160 00:15:28,033 --> 00:15:36,175 私が 一橋様に 御奉公に上がった年と同じ 161 00:15:36,175 --> 00:15:54,126 ♬~ 162 00:15:54,126 --> 00:15:56,126 ≪(粂女)九郎 はい 163 00:15:57,997 --> 00:15:59,999 何か? 164 00:15:59,999 --> 00:16:04,136 ある人物の消息を知りたい あっ? 165 00:16:04,136 --> 00:16:08,007 お旗本の 沢口源五右衛門という お人じゃ 166 00:16:08,007 --> 00:16:10,009 あっ それは どういう? 詮索は 無用 167 00:16:10,009 --> 00:16:12,009 えっ しかし… 168 00:16:33,165 --> 00:16:38,037 (粂女)いちや 新八郎 久女姉様は いかがで? 169 00:16:38,037 --> 00:16:42,174 (麻佐女)きょうだいは 皆 息災じゃ (粂女)そう 170 00:16:42,174 --> 00:16:46,045 (麻佐女) 久には 先年 初孫が出来た 171 00:16:46,045 --> 00:16:48,047 (粂女)孫が? 172 00:16:48,047 --> 00:16:52,184 (麻佐女)久も ばば様じゃ 173 00:16:52,184 --> 00:17:00,059 私には ばば様になる 楽しみもありませぬ 174 00:17:00,059 --> 00:17:07,199 嫁に行くことなど とうの昔に諦めてはいたものの➡ 175 00:17:07,199 --> 00:17:13,072 この先の独り身を思えば 子の1人でもあればと… 176 00:17:13,072 --> 00:17:21,213 母上 私も そろそろ 40の坂を迎えます 177 00:17:21,213 --> 00:17:26,051 世間の風の通らぬ 御主殿で暮らしていると➡ 178 00:17:26,051 --> 00:17:32,051 ついつい思うのは 老いていくことばかり 179 00:17:36,161 --> 00:17:40,032 お務め つらいのかえ? 180 00:17:40,032 --> 00:17:42,032 わびしいのです 181 00:17:46,171 --> 00:17:51,171 御奉公 悔いていますのか? 182 00:17:53,045 --> 00:17:59,184 悔いているのではなく ただ… 183 00:17:59,184 --> 00:18:05,184 今とは違う生き方も あったのにと… 184 00:18:10,195 --> 00:18:12,131 (藤五郎)一橋様には➡ 185 00:18:12,131 --> 00:18:17,069 お出入りしております 油屋藤五郎と申します 186 00:18:17,069 --> 00:18:20,205 (藤五郎)お次様 お宿下りのこと 聞き及びまして➡ 187 00:18:20,205 --> 00:18:24,076 御挨拶に 参上いたしましたしだいで 188 00:18:24,076 --> 00:18:26,076 御苦労に存ずる 189 00:18:43,162 --> 00:18:47,032 あの 残九の旦那… いやいや➡ 190 00:18:47,032 --> 00:18:56,175 残九郎様に 姉上様のお供 仰せつかりました 191 00:18:56,175 --> 00:19:00,045 南無八幡の佐次殿じゃ 192 00:19:00,045 --> 00:19:03,048 (佐次)お初に お目にかかります 193 00:19:03,048 --> 00:19:05,184 南無八幡とは? 194 00:19:05,184 --> 00:19:08,086 (佐次)はっ あだ名でございます 195 00:19:08,086 --> 00:19:12,057 して その いわれは? (佐次)いわれ? 196 00:19:12,057 --> 00:19:18,197 あっ はっ いわ… いわれは… 197 00:19:18,197 --> 00:19:22,067 実は あの…➡ 198 00:19:22,067 --> 00:19:28,006 背中に 南無八幡の大菩薩しょってます 199 00:19:28,006 --> 00:19:31,143 誠か? 200 00:19:31,143 --> 00:19:35,013 どこに? (佐次)え…➡ 201 00:19:35,013 --> 00:19:40,152 おふくろ様 彫り物ですよ (粂女)うん? 202 00:19:40,152 --> 00:19:43,055 見てみたいものじゃの (粂女)母上! 203 00:19:43,055 --> 00:19:46,024 是非に! 204 00:19:46,024 --> 00:19:50,162 汚い肌を さらすことになります 205 00:19:50,162 --> 00:19:52,162 苦しゅうない 206 00:19:54,032 --> 00:19:56,032 (佐次)はい 207 00:20:09,181 --> 00:20:14,052 (麻佐女)誠 菩薩か? (佐次)と思います 208 00:20:14,052 --> 00:20:19,191 観音様ではないのか? (佐次)えっ? 209 00:20:19,191 --> 00:20:22,094 いやぁ 阿弥陀様にも似ている (佐次)えっ? 210 00:20:22,094 --> 00:20:25,094 動くでない! (佐次)はい 211 00:20:34,139 --> 00:20:39,011 (男性)豆腐 豆腐 212 00:20:39,011 --> 00:20:41,013 押し込み探索中の佐次を➡ 213 00:20:41,013 --> 00:20:45,150 その方の私事に使われては 非常に困る 214 00:20:45,150 --> 00:20:47,085 残九郎! 215 00:20:47,085 --> 00:20:52,024 いいよ 20両貸してくれたら 佐次 返してやってもいいぞ 216 00:20:52,024 --> 00:20:54,159 金 金って! 217 00:20:54,159 --> 00:20:56,094 もしかしたら 押し込みの中にいる 浪人者っていうのは➡ 218 00:20:56,094 --> 00:20:59,031 残九郎 お前じゃないのか? ああ 今ならな➡ 219 00:20:59,031 --> 00:21:01,033 押し込みだろうが つじ斬りだろうが➡ 220 00:21:01,033 --> 00:21:04,169 何でも やりてえ気分だよ 221 00:21:04,169 --> 00:21:07,072 ああ そうだ なあ 伝三郎 頼みがあるんだ 222 00:21:07,072 --> 00:21:10,042 うちの姉貴が 沢口源五右衛門って 侍 捜してるんだ 223 00:21:10,042 --> 00:21:12,044 ちょいちょいっと 捜してくんねえか 224 00:21:12,044 --> 00:21:14,179 何!? 人捜しだ? 225 00:21:14,179 --> 00:21:16,114 それどころじゃないんだ こっちは いいかげんにしろ 226 00:21:16,114 --> 00:21:19,051 ≪(男性)♬ 青いの青いの どうじゃいな 227 00:21:19,051 --> 00:21:21,053 どうぞ 228 00:21:21,053 --> 00:21:24,189 ≪(子供たち)♬ 青いの青いの どうじゃいな 229 00:21:24,189 --> 00:21:27,092 ≪(男性)♬ げんこつあめは どうじゃいな 230 00:21:27,092 --> 00:21:29,061 とっつぁん (東八)へい 231 00:21:29,061 --> 00:21:31,063 ≪(子供たち)♬ げんこつあめは どうじゃないな 232 00:21:31,063 --> 00:21:35,063 (東八)親分 (佐次)飯 2つだ 233 00:21:37,202 --> 00:21:39,137 何事だい? (佐次)芝居見物の帰りだい 234 00:21:39,137 --> 00:21:41,073 熊谷陣屋 235 00:21:41,073 --> 00:21:46,211 (東八)「16年は 一昔」 236 00:21:46,211 --> 00:21:51,083 「夢だ夢だ」か… 237 00:21:51,083 --> 00:21:53,083 どなただい? 238 00:21:59,224 --> 00:22:02,127 残九の旦那の姉上様 (東八)えっ? 239 00:22:02,127 --> 00:22:06,098 うちの飯でいいのかよ (佐次)いいんだよ 240 00:22:06,098 --> 00:22:10,098 これが お珍しいもんだから 何でも お食いになるんだよ 241 00:22:14,239 --> 00:22:19,111 ハァ… あと15両 どうするんですよ 242 00:22:19,111 --> 00:22:23,048 もう駄目だ おいらの手には負えねえや 243 00:22:23,048 --> 00:22:27,185 手は あるんですけどね 何だよ 何でもやるよ 244 00:22:27,185 --> 00:22:29,121 口八丁 手八丁の たいこ持ち えっ? 245 00:22:29,121 --> 00:22:32,057 ほら あの 幇間の玉八さんがね➡ 246 00:22:32,057 --> 00:22:35,060 旦那のこと 侍にしとくのは 惜しいって えー… 247 00:22:35,060 --> 00:22:39,197 何てったって 気前のいい ごひいき筋の御祝儀がね 248 00:22:39,197 --> 00:22:41,133 どんどん! 249 00:22:41,133 --> 00:22:45,133 駄目 駄目 駄目 たいこは駄目だよ たいこは 250 00:22:48,206 --> 00:22:52,077 (佐次)あの… あれですか➡ 251 00:22:52,077 --> 00:22:57,215 まだ お行きになりたい所が おありですか 252 00:22:57,215 --> 00:23:01,086 沢口殿の行き方は いまだ知れずか? 253 00:23:01,086 --> 00:23:07,225 へい 八方 手を尽くしておりますが いまだに 254 00:23:07,225 --> 00:23:09,161 すいません 255 00:23:09,161 --> 00:23:11,161 さようか 256 00:23:13,098 --> 00:23:16,234 どうなされたものかのう… 257 00:23:16,234 --> 00:23:23,041 (佐次)姉上様はね 例の沢口って侍 随分 気になさってんですよ 258 00:23:23,041 --> 00:23:26,044 沢口か… 一体 何者なんだろうな 259 00:23:26,044 --> 00:23:31,183 あっしの勘なんですがね 昔の姉上様の… これ 260 00:23:31,183 --> 00:23:34,086 間違いないです ありゃ うん 261 00:23:34,086 --> 00:23:36,054 あ痛っ! 262 00:23:36,054 --> 00:23:40,054 では いってまいります (麻佐女)お気をつけて 263 00:23:45,197 --> 00:23:53,071 日本橋の料理屋は さぞかし おいしいものが出るのであろうな 264 00:23:53,071 --> 00:23:56,208 あっ はい! 今夜の献立は 初がつおと… 265 00:23:56,208 --> 00:23:59,111 (麻佐女)もうよい! 私の夕食は? 266 00:23:59,111 --> 00:24:03,111 (よね) 冷ややっこと目刺しでございます 267 00:24:05,217 --> 00:24:07,152 (伝三郎)分かったぞ! (佐次)どうも 268 00:24:07,152 --> 00:24:09,087 旗本 沢口家は 15年前に廃絶している 269 00:24:09,087 --> 00:24:12,090 沢口源五右衛門は 当時 小普請組だったのだが➡ 270 00:24:12,090 --> 00:24:15,227 上役に逆らい 無礼をはたらいて 島流しになった 271 00:24:15,227 --> 00:24:19,097 島流し… では 沢口源五右衛門は まだ八丈島? 272 00:24:19,097 --> 00:24:22,033 いや 5年前に御赦免になり 江戸に帰ったが➡ 273 00:24:22,033 --> 00:24:24,033 その後は 行き方知れずだ 274 00:24:27,205 --> 00:24:31,076 (三味線・太鼓) 275 00:24:31,076 --> 00:24:35,080 (芸者たち)♬ はぁ こりゃこりゃ 276 00:24:35,080 --> 00:24:42,220 ♬~ 277 00:24:42,220 --> 00:24:44,156 (玉八)へい どうも お粗末さまでございました へい 278 00:24:44,156 --> 00:24:48,093 (藤五郎)結構 結構 ハハッ! さあさあ 279 00:24:48,093 --> 00:24:51,229 どうも 本日は お呼びいただきまして どうも 280 00:24:51,229 --> 00:24:54,132 (粂女)なかなかの芸であった (玉八)いえどうも とんでもねえ➡ 281 00:24:54,132 --> 00:24:59,037 ひとつ 締めのお酌を一つ えー どうぞ➡ 282 00:24:59,037 --> 00:25:04,176 えー 恐れ入ります どうも はい 283 00:25:04,176 --> 00:25:09,047 (藤五郎)さあさあ (玉八)へい これはどうも ヘヘヘ 284 00:25:09,047 --> 00:25:12,050 (玉八) 油屋の旦那はじめ 御一党様に➡ 285 00:25:12,050 --> 00:25:15,187 座敷には めったに出たことがないという➡ 286 00:25:15,187 --> 00:25:20,058 珍しい たいこ持ちのお披露目を さしていただきたいんでやすが 287 00:25:20,058 --> 00:25:22,060 (藤五郎)野太鼓か? (玉八)ええ 288 00:25:22,060 --> 00:25:25,197 まあ あっしの弟子筋で 残八ってんですがね➡ 289 00:25:25,197 --> 00:25:29,067 まあ 金に困ってるってんで じゃあ まあ 芸の一つも披露して➡ 290 00:25:29,067 --> 00:25:33,071 大店の旦那衆から 御祝儀を ふんだくっちまえというわけで 291 00:25:33,071 --> 00:25:37,209 (藤五郎)見てみようじゃないか (玉八)へいへい➡ 292 00:25:37,209 --> 00:25:40,111 残八 お許しが出ましたよ 293 00:25:40,111 --> 00:25:43,111 ≪ へーい! 294 00:25:46,218 --> 00:25:49,120 どうも あ… 295 00:25:49,120 --> 00:25:53,120 お初に お目文字をいたします 玉八の一番弟子の残八… 296 00:25:56,027 --> 00:26:00,165 え… いや あの… その… 297 00:26:00,165 --> 00:26:02,100 さあ それでは早速➡ 298 00:26:02,100 --> 00:26:07,038 残八に びょうぶ芸を 御披露さしていただきやしょうね 299 00:26:07,038 --> 00:26:10,038 早く やんな は… へい 300 00:26:18,183 --> 00:26:20,118 御免くださいまし 残八でございます 301 00:26:20,118 --> 00:26:24,055 へい 失礼いたします 302 00:26:24,055 --> 00:26:29,194 あっ おかみさん お一人で今夜? 旦那 お出かけ… 303 00:26:29,194 --> 00:26:32,097 えっ? 「せっかく来たんだから 肩でも もめ」 304 00:26:32,097 --> 00:26:34,065 分かりました 私 肩もむの得意でございます 305 00:26:34,065 --> 00:26:36,067 どうぞ お背中お向きになって はい 306 00:26:36,067 --> 00:26:39,204 まいります 307 00:26:39,204 --> 00:26:42,107 背中? う… 随分 凝ってらっしゃいますね 308 00:26:42,107 --> 00:26:45,076 あー もっと下? えっ もっと下? 309 00:26:45,076 --> 00:26:48,213 こちら もう お尻でございます うわー あたた… 310 00:26:48,213 --> 00:26:52,083 お… おかみさん おかみさん 何… 何なさるんですか 御冗談を 311 00:26:52,083 --> 00:26:54,019 (藤五郎)ハハハ! いけません こればっかりは 312 00:26:54,019 --> 00:26:59,157 こればっかりは… ちょちょ… いけません いけません! 313 00:26:59,157 --> 00:27:02,060 いけません いけません な… 何を… 何をするんですか 314 00:27:02,060 --> 00:27:04,029 そんな… そんな所を もみしだかれちゃ 315 00:27:04,029 --> 00:27:08,166 あっ すごい力! 分かりました 分かりました 316 00:27:08,166 --> 00:27:10,101 分かりました 317 00:27:10,101 --> 00:27:15,040 私も男です 据え膳 食わぬは何とやら 318 00:27:15,040 --> 00:27:17,175 まいりますな 319 00:27:17,175 --> 00:27:24,049 ≪ あっ! あ… あ…➡ 320 00:27:24,049 --> 00:27:27,049 あー! 321 00:27:29,187 --> 00:27:33,058 ハハハ! いやぁ お見事 お見事 322 00:27:33,058 --> 00:27:43,201 (一同)ハハハ! (拍手) 323 00:27:43,201 --> 00:27:49,074 (粂女)あれが 我が弟かと 私は… 私は…➡ 324 00:27:49,074 --> 00:27:52,010 もう その場で 死にたいくらいであった!➡ 325 00:27:52,010 --> 00:27:58,149 九郎! そなた この松平家の跡取りぞ 326 00:27:58,149 --> 00:28:00,085 将軍家の家臣ぞ 327 00:28:00,085 --> 00:28:07,158 それをわきまえず 芸を売って 金子を手にしているのかえ? 328 00:28:07,158 --> 00:28:09,094 母上は 一体➡ 329 00:28:09,094 --> 00:28:12,030 九郎を どのように しつけておられたのですか 330 00:28:12,030 --> 00:28:14,032 (麻佐女)私は その… 331 00:28:14,032 --> 00:28:17,168 九郎が 外で何をしているか 御存じですか? 332 00:28:17,168 --> 00:28:23,041 (麻佐女)い… いや うすうす… でも たいこ持ちまで! 333 00:28:23,041 --> 00:28:26,177 母上も 母上です! (麻佐女)はい 334 00:28:26,177 --> 00:28:31,049 松平家 松平家と 家の名に恥じぬ 振る舞いをせよと➡ 335 00:28:31,049 --> 00:28:34,052 昔から 厳しく 口にしておられたのは➡ 336 00:28:34,052 --> 00:28:37,188 母上ではござりませぬか➡ 337 00:28:37,188 --> 00:28:46,197 その母上が 九郎をこのような 情けない侍にしてしまわれたとは 338 00:28:46,197 --> 00:28:49,100 (粂女)これは 一体… 339 00:28:49,100 --> 00:28:54,005 母上が怠慢か 九郎が腐れ果てたものか 340 00:28:54,005 --> 00:28:57,142 なにも そこまで申されなくても 341 00:28:57,142 --> 00:29:01,012 私が そこら辺りの侍にでも 嫁いでいるとか申すのであれば➡ 342 00:29:01,012 --> 00:29:03,014 こうまで 口には出さぬ! 343 00:29:03,014 --> 00:29:11,156 だが いやしくも 一橋家御主殿の お次という重職にあるのじゃ 344 00:29:11,156 --> 00:29:14,059 このようなまねをして 金子を稼いでいるなど➡ 345 00:29:14,059 --> 00:29:18,029 もう恥ずかしくてならぬ! 346 00:29:18,029 --> 00:29:22,167 恥ずかしかろうが何だろうが 稼がなきゃならない訳があるんです 347 00:29:22,167 --> 00:29:24,167 九郎 (粂女)訳とは? 348 00:29:26,037 --> 00:29:29,040 姉上です 私? 349 00:29:29,040 --> 00:29:31,176 九郎 いや 言う! 350 00:29:31,176 --> 00:29:35,046 世間知らずの姉上には きちんと 話をせねば分からぬのです! 351 00:29:35,046 --> 00:29:39,050 御家人とは申せ 当家は 30俵3人扶持 352 00:29:39,050 --> 00:29:42,187 ふだんの暮らし向きにも困る 禄高だ 353 00:29:42,187 --> 00:29:46,057 それが 姉上たちの お宿下りの度に➡ 354 00:29:46,057 --> 00:29:49,060 40両 50両もの大金を 用意せねばならんのだ 355 00:29:49,060 --> 00:29:51,196 そんな蓄えが どこにあるんですか 356 00:29:51,196 --> 00:29:55,066 姉上たちは 奥向きにいるから そんな金は当たり前だと思っている 357 00:29:55,066 --> 00:29:58,002 俺が稼がなかったら 誰が稼ぐんですか 358 00:29:58,002 --> 00:30:00,004 稼ぎましたよ 359 00:30:00,004 --> 00:30:04,142 御所望の煙草入れと楊枝入れは 何とかなりましたが➡ 360 00:30:04,142 --> 00:30:07,045 朋輩衆への土産代を稼ごうと たいこ持ちをやったんだ 361 00:30:07,045 --> 00:30:11,015 そんな苦労を 姉上は御存じか! もう よいではないか 362 00:30:11,015 --> 00:30:14,152 こっちが 汗水 垂らして 働いている そんな時➡ 363 00:30:14,152 --> 00:30:18,022 姉上は お宿下りにかこつけて 男捜しだ 364 00:30:18,022 --> 00:30:21,025 あれは 一体 何なんですか 365 00:30:21,025 --> 00:30:24,162 沢口源五右衛門ってのは 一体 何者なんですか 366 00:30:24,162 --> 00:30:26,162 沢口… 367 00:30:35,173 --> 00:30:37,173 (麻佐女)粂… 368 00:30:41,045 --> 00:30:45,183 (粂女)沢口様は➡ 369 00:30:45,183 --> 00:30:48,086 私の…➡ 370 00:30:48,086 --> 00:30:55,193 私が生きてきた中で ただ お一人 恋をしたお方じゃ 371 00:30:55,193 --> 00:31:13,211 ♬~ 372 00:31:13,211 --> 00:31:19,211 その2人の仲を裂いたのは 私でした 373 00:31:22,220 --> 00:31:28,092 沢口源五右衛門という男 私の気には そまなかった 374 00:31:28,092 --> 00:31:31,229 何事にも自信満々 才気走り… 375 00:31:31,229 --> 00:31:37,101 それが高じて 横柄 376 00:31:37,101 --> 00:31:40,238 周囲とも もんちゃくを 377 00:31:40,238 --> 00:31:47,238 それに 女遊びが派手だとも 耳にしていた 378 00:31:51,249 --> 00:31:54,152 私が仲を裂いた そのあとで➡ 379 00:31:54,152 --> 00:31:59,152 あの子は 嫌がっていた 一橋様への御奉公を承知した 380 00:32:03,194 --> 00:32:05,194 あれから20年 381 00:32:08,066 --> 00:32:15,066 あの子は 恋をすることも なかったのであろうか 382 00:32:31,222 --> 00:32:33,222 ≪ 姉上 383 00:32:38,096 --> 00:32:43,234 先ほどは 言い過ぎました 384 00:32:43,234 --> 00:32:47,234 ≪(粂女)もうよい 九郎 385 00:33:32,216 --> 00:33:35,216 (新六)あのお堂に 入っていきやがったんですよ 386 00:33:42,226 --> 00:33:44,162 助三! (新六)えっ? 387 00:33:44,162 --> 00:33:47,162 (助三のあくび) 388 00:33:53,171 --> 00:34:09,187 ≪(赤ん坊の泣き声) 389 00:34:09,187 --> 00:34:12,090 (助三)沢口さん あっしです 390 00:34:12,090 --> 00:34:14,090 沢口? 391 00:34:21,199 --> 00:34:24,102 お願いします 392 00:34:24,102 --> 00:34:26,070 (佐次)新六 (新六)へい 393 00:34:26,070 --> 00:34:30,070 俺は奉行所へ行ってくるから 後 お前 頼むぞ 394 00:34:39,217 --> 00:34:41,152 (渡辺)あったぞ➡ 395 00:34:41,152 --> 00:34:43,152 「沢口源五右衛門」 396 00:34:49,227 --> 00:34:51,162 「助三」 397 00:34:51,162 --> 00:34:57,034 (佐次)沢口源五右衛門と助三は 八丈島で 一緒だったってわけです 398 00:34:57,034 --> 00:35:00,171 押し込みの まむしの入れ墨は 助三で➡ 399 00:35:00,171 --> 00:35:04,171 その浪人ってのは… そういうことです 400 00:35:48,219 --> 00:35:55,219 例の沢口殿の件なんですが 捜しちゃいるんですが… 401 00:35:57,028 --> 00:36:03,028 15年前 お家が廃絶したあとの 行方が なかなか 402 00:36:05,169 --> 00:36:07,169 廃絶? 403 00:36:09,040 --> 00:36:15,179 その沢口殿の消息を捜し当てて 一体? 404 00:36:15,179 --> 00:36:19,179 ただ 消息を… 405 00:36:21,052 --> 00:36:25,189 たとえ 消息が分かっても➡ 406 00:36:25,189 --> 00:36:31,062 分かったところで どうなる ものでもないというのにな 407 00:36:31,062 --> 00:36:39,203 ただ この後も 独り身を過ごす私としては➡ 408 00:36:39,203 --> 00:36:45,076 いつまでも 昔の思いを引きずったままではな 409 00:36:45,076 --> 00:36:52,149 消息さえ分かり その上 お幸せに お暮らしであれば➡ 410 00:36:52,149 --> 00:36:55,052 諦めもつく 411 00:36:55,052 --> 00:36:57,052 思い切れる 412 00:36:59,023 --> 00:37:04,161 九郎 はい 413 00:37:04,161 --> 00:37:13,170 女子はな 楽しみ事 一つない あのような お屋敷に上がっても➡ 414 00:37:13,170 --> 00:37:20,170 良き思い出を支えに 独りでも生きていけるものじゃ 415 00:37:30,187 --> 00:37:37,061 もし その沢口殿が不幸せなら 姉上は… 416 00:37:37,061 --> 00:37:44,061 生きてきた年月を 死ぬる時まで 私は恨む 417 00:37:48,205 --> 00:37:54,205 ≪(子供たち)わーい わーい! 418 00:38:10,227 --> 00:38:13,130 (新六)あそこと あそこに 物売りがいるでしょう 419 00:38:13,130 --> 00:38:15,099 へい 3つで18文 420 00:38:15,099 --> 00:38:19,236 (新六)助三が さっき あの2人と ひそひそと話してたんですよ 421 00:38:19,236 --> 00:38:22,139 つなぎ つけてるな (新六)へい 422 00:38:22,139 --> 00:38:25,139 助三と 例の浪人が来ました 423 00:38:31,182 --> 00:38:34,085 あの浪人… 424 00:38:34,085 --> 00:38:37,054 (佐次)御存じで? ああ 425 00:38:37,054 --> 00:38:40,191 おおかみだよ 血に飢えた 426 00:38:40,191 --> 00:38:43,094 チッ やつら あそこ 狙ってやがるな 427 00:38:43,094 --> 00:38:45,062 (新六)それも近々➡ 428 00:38:45,062 --> 00:38:48,062 いや ひょっとすると 今日 明日かもしれないっすよ 429 00:38:50,201 --> 00:38:55,072 (吉兵衛)このうちが 盗賊に 狙われていると申されますかな 430 00:38:55,072 --> 00:38:57,074 しかも 今夜辺りな (吉兵衛)おお 431 00:38:57,074 --> 00:39:02,213 それで 用心棒を雇えと? まっ そういうことだ 432 00:39:02,213 --> 00:39:06,083 あなた様が 盗賊のお仲間かもしれませんな 433 00:39:06,083 --> 00:39:11,083 なるほど 俺を信用できねえか 434 00:39:14,225 --> 00:39:20,097 それがし 十八松平の一つ 大給松平➡ 435 00:39:20,097 --> 00:39:23,034 松平残九郎家正って御家人だ 436 00:39:23,034 --> 00:39:26,170 故あって その方の家をお守りいたしたい 437 00:39:26,170 --> 00:39:30,041 松平… はっ ははっ! 438 00:39:30,041 --> 00:39:33,044 …で 用心棒代は? 439 00:39:33,044 --> 00:39:36,180 その方は 豆を商うておるな 440 00:39:36,180 --> 00:39:40,180 用心棒代は 小豆を5升 所望いたす 441 00:40:11,082 --> 00:40:13,082 (物音) 442 00:40:24,228 --> 00:40:28,228 お前たちには 用はねえんだ 下がってろ 443 00:40:37,241 --> 00:40:39,241 (助三)やー! 444 00:41:08,205 --> 00:41:11,142 沢口源五右衛門だな 445 00:41:11,142 --> 00:41:13,142 お… お主 446 00:41:15,279 --> 00:41:18,182 松平粂女 覚えてねえか? 447 00:41:18,182 --> 00:41:21,152 誰だ そいつは 448 00:41:21,152 --> 00:41:24,088 松平粂女だ 449 00:41:24,088 --> 00:41:27,224 20年前 お前さんのことを… 450 00:41:27,224 --> 00:41:33,224 それを思い出したら ちっとは銭にでもなるのか? 451 00:41:35,099 --> 00:41:38,235 思い出さなくていい 452 00:41:38,235 --> 00:41:46,110 20年もの間 一人の男を思い続けた 女がいたなんて➡ 453 00:41:46,110 --> 00:41:49,246 冥土の土産には ぜいたく過ぎるぜ 454 00:41:49,246 --> 00:42:09,266 ♬~ 455 00:42:09,266 --> 00:42:29,220 ♬~ 456 00:42:29,220 --> 00:42:48,239 ♬~ 457 00:42:48,239 --> 00:42:51,141 御用だ! (新六)御用だ!➡ 458 00:42:51,141 --> 00:42:55,141 御用だー! 神妙にしやがれ この野郎! 459 00:43:02,253 --> 00:43:04,188 (伝三郎)いやぁ 残九郎 460 00:43:04,188 --> 00:43:10,127 やっぱり お主 陰で わしの頼みを 聞いていてくれたのだな うん? 461 00:43:10,127 --> 00:43:15,266 金が出ぬなら 手は貸せぬと 言いながら ああ うん 462 00:43:15,266 --> 00:43:18,168 礼を言う 気にするな 463 00:43:18,168 --> 00:43:21,168 (伝三郎)あっ 姉上の件は どうなったのだ? 464 00:43:34,218 --> 00:43:36,153 (麻佐女)九郎は? (喜助)はっ➡ 465 00:43:36,153 --> 00:43:39,089 えー まだ 466 00:43:39,089 --> 00:43:42,089 (粂女)もう待てませぬゆえ 467 00:43:50,234 --> 00:43:52,169 では 母上 468 00:43:52,169 --> 00:43:57,107 体に 気をつけられよ 469 00:43:57,107 --> 00:44:01,107 母上も 御息災に 470 00:44:38,215 --> 00:44:40,150 姉上! 471 00:44:40,150 --> 00:44:43,150 姉上 お待ちくだされ! 472 00:44:48,225 --> 00:44:51,128 九郎 遅くなりました 473 00:44:51,128 --> 00:44:55,099 例の沢口殿ですが➡ 474 00:44:55,099 --> 00:45:01,238 お家廃絶の後 西国に下られ 仏門に入られた由 475 00:45:01,238 --> 00:45:04,238 仏門に? はっ 476 00:45:12,249 --> 00:45:17,121 小豆5升 心ばかりの土産でござる 477 00:45:17,121 --> 00:45:21,258 朋輩衆に 赤飯でも炊いて お振る舞いくだされ 478 00:45:21,258 --> 00:45:27,064 かたじけない 御造作をかけもうした 479 00:45:27,064 --> 00:45:33,203 私が帰ったことで いろいろと迷惑をかけた 480 00:45:33,203 --> 00:45:37,074 礼を言います はっ 481 00:45:37,074 --> 00:45:40,077 しかしな 九郎 はっ 482 00:45:40,077 --> 00:45:44,214 頼みがあるのじゃ 何なりと 483 00:45:44,214 --> 00:45:47,117 たいこは おやめ➡ 484 00:45:47,117 --> 00:45:50,087 お屋敷は お城の近くじゃ 485 00:45:50,087 --> 00:45:52,089 登城太鼓を聞く度に➡ 486 00:45:52,089 --> 00:45:58,228 あの お座敷での残八を 思い出しそうで 487 00:45:58,228 --> 00:46:03,100 分かり申した たいこは 打ち止めということに 488 00:46:03,100 --> 00:46:23,187 ♬~ 489 00:46:23,187 --> 00:46:32,196 ♬~ 490 00:46:32,196 --> 00:46:37,067 (鼓) 491 00:46:37,067 --> 00:46:48,212 ♬~ 492 00:46:48,212 --> 00:46:51,212 大奥の いち様から書状が 493 00:46:58,222 --> 00:47:01,222 九郎 読みなされ 494 00:47:11,235 --> 00:47:13,170 ヘヘヘ… 495 00:47:13,170 --> 00:47:16,106 「米櫃 炭1俵 味噌1器➡ 496 00:47:16,106 --> 00:47:18,108 醤油5合 鰯10 ごぼう10小袖3➡ 497 00:47:18,108 --> 00:47:20,244 棹竹 かつら 以上の品々➡ 498 00:47:20,244 --> 00:47:22,179 急ぎ お送り くださりませ」 499 00:47:22,179 --> 00:47:25,082 「尚 朋輩衆への➡ 500 00:47:25,082 --> 00:47:28,051 暑中お見舞いの 品々も➡ 501 00:47:28,051 --> 00:47:30,053 そろそろ 御準備 願いたく」 502 00:47:30,053 --> 00:47:32,189 ハハハ… 503 00:47:32,189 --> 00:47:52,209 ♬~ 504 00:47:52,209 --> 00:48:12,229 ♬~ 505 00:48:12,229 --> 00:48:15,229 ♬~ 506 00:48:19,069 --> 00:48:22,206 (小夜) 六つ鐘が 鳴り終わりましたら➡ 507 00:48:22,206 --> 00:48:29,079 あちらの扇の間にて 私の最期を お見届けくださいまし 508 00:48:29,079 --> 00:48:35,219 蔦吉 おいらが ほれた男のために ちょいと 手ぇ貸してくれねえか 509 00:48:35,219 --> 00:48:38,219 (新六)今日は どちらへ? 西方浄土だ