1 00:01:27,660 --> 00:01:30,663 <江戸時代 御家人というのは➡ 2 00:01:30,663 --> 00:01:34,667 徳川家の家臣の中で 旗本の下に位置する➡ 3 00:01:34,667 --> 00:01:39,672 将軍への お目見えも許されぬ 身分であった> 4 00:01:39,672 --> 00:01:44,677 <この松平残九郎 名門の家柄ではありながら➡ 5 00:01:44,677 --> 00:01:47,680 無役の30俵3人扶持という➡ 6 00:01:47,680 --> 00:01:51,684 御家人の禄としては 最低の境遇である> 7 00:01:51,684 --> 00:01:55,688 <従って 稼がねばならない> 8 00:01:55,688 --> 00:02:00,693 <しかし その時代 武士の副業は禁止されていた> 9 00:02:00,693 --> 00:02:03,696 <そのため 残九郎は おおっぴらにできない➡ 10 00:02:03,696 --> 00:02:08,696 「かたてわざ」と称する 裏の稼業を持っていたのである> 11 00:02:10,703 --> 00:02:30,656 ♬~ 12 00:02:30,656 --> 00:02:35,656 ♬~ 13 00:02:58,684 --> 00:03:02,688 (残九郎) これで おつもりとしますか 14 00:03:02,688 --> 00:03:05,691 (東八)銭と相談の酒ですかい 15 00:03:05,691 --> 00:03:07,693 わびしいもんだね 16 00:03:07,693 --> 00:03:14,700 ♬ 世の中は 色と酒とが敵なり 17 00:03:14,700 --> 00:03:19,705 ♬ どうぞ 敵に巡り会いたい 18 00:03:19,705 --> 00:03:21,641 ってな アハハ… 19 00:03:21,641 --> 00:03:23,643 ≪(伝三郎)蜀山人の狂歌か? 20 00:03:23,643 --> 00:03:25,645 ああ 伝三郎か 21 00:03:25,645 --> 00:03:28,648 (伝三郎)何なら その敵に わしが 引き合わせてやろうか 22 00:03:28,648 --> 00:03:32,652 あのな 敵ってのは 2人いるんだ これと これ どっちだ 23 00:03:32,652 --> 00:03:36,656 (伝三郎)両方だ そんな うめえ話が… 24 00:03:36,656 --> 00:03:40,660 (伝三郎)あるんだ まあ 座れ 東八 酒を 1本つけてくれ 25 00:03:40,660 --> 00:03:44,664 2本な (東八)へい 26 00:03:44,664 --> 00:03:47,667 で? (伝三郎)お主➡ 27 00:03:47,667 --> 00:03:49,669 女を口説く自信があるか? 28 00:03:49,669 --> 00:03:51,669 女だ? 29 00:03:58,678 --> 00:04:00,680 (女性)いらっしゃいませ 30 00:04:00,680 --> 00:04:06,680 どれ? どれどれ… (伝三郎)あれだ あの女 31 00:04:08,688 --> 00:04:11,688 あれ? (伝三郎)右から 3番目 32 00:04:13,693 --> 00:04:16,693 おお! (伝三郎)名前は お凉 33 00:04:18,698 --> 00:04:21,634 いいよ いいよ 34 00:04:21,634 --> 00:04:23,634 よう 35 00:04:31,644 --> 00:04:35,644 いいよ 気も強そうだ ヘヘヘ… ホホホ… 36 00:04:37,650 --> 00:04:40,650 榊数馬? 37 00:04:42,655 --> 00:04:44,657 (伝三郎)隠密廻り同心だ 38 00:04:44,657 --> 00:04:47,660 遊びなら わしもとやかくは言わん 本気だから 困るんだ 39 00:04:47,660 --> 00:04:50,663 女郎に? 本気でほれてんのか? ばかじゃないのか 40 00:04:50,663 --> 00:04:53,666 (伝三郎)この数か月 遊女屋に入り浸りだ 41 00:04:53,666 --> 00:04:56,669 仕事にも さっぱり身が入らん 42 00:04:56,669 --> 00:04:59,672 不粋な男だな お前 人の恋路を邪魔するやつはね 43 00:04:59,672 --> 00:05:01,674 (伝三郎)おい はい 44 00:05:01,674 --> 00:05:05,678 (伝三郎)うちと榊家は 親の代から 身内同然の つきあいをしてきた➡ 45 00:05:05,678 --> 00:05:08,681 言ってみれば わしと数馬は 兄弟のようなもんだ➡ 46 00:05:08,681 --> 00:05:12,685 兄貴分のわしとしては このまま 放っておくわけにはいかん➡ 47 00:05:12,685 --> 00:05:15,688 何としても あの女から 数馬を引き離さなければ 48 00:05:15,688 --> 00:05:19,692 つまり 何だ 俺は 数馬の当て馬ってわけか ヘヘッ 49 00:05:19,692 --> 00:05:22,628 (伝三郎)残九郎 分かってる 分かってるよ 50 00:05:22,628 --> 00:05:26,632 い… いや 4日もありゃ 何とかしてみせら お前 51 00:05:26,632 --> 00:05:29,635 だるま落としみたいなもんよ こんこん… ヘヘヘ… 52 00:05:29,635 --> 00:05:32,638 (伝三郎)4日か うん 53 00:05:32,638 --> 00:05:35,641 よし 手間賃は 1日2分 54 00:05:35,641 --> 00:05:38,644 他に 遊女屋通いの掛かりは 実費で支払う 55 00:05:38,644 --> 00:05:41,647 おい 自腹か? それ (伝三郎)ああ! 56 00:05:41,647 --> 00:05:43,647 ああ そう 57 00:05:51,657 --> 00:05:56,657 (女性たちの笑い声) 58 00:06:03,669 --> 00:06:06,669 (ふすまの開閉音) 59 00:06:09,675 --> 00:06:11,675 (お凉)数馬様 60 00:06:21,620 --> 00:06:24,620 (数馬)今夜は 何人の客を取った? 61 00:06:27,626 --> 00:06:29,626 やめてください そんな話は 62 00:06:33,632 --> 00:06:37,632 すまぬ 待たされたので つい 63 00:06:40,639 --> 00:06:42,639 (数馬)飲め 64 00:06:46,645 --> 00:06:50,645 (数馬) 飲んで忘れてくれ 他の男のことは 65 00:07:01,660 --> 00:07:03,660 (数馬)お凉… 66 00:07:11,670 --> 00:07:16,675 すぐにでも お前を ここから ひかせてやりたいのだが➡ 67 00:07:16,675 --> 00:07:18,675 もうしばらく 辛抱してくれ 68 00:07:21,614 --> 00:07:27,620 必ず お前を身請けする 身請けして 俺の妻にする 69 00:07:27,620 --> 00:07:29,620 数馬様 70 00:07:35,628 --> 00:07:37,630 ≪(麻佐女)さあさあ➡ 71 00:07:37,630 --> 00:07:43,636 少しばかり お早い昼げを 頂きましょうかね➡ 72 00:07:43,636 --> 00:07:50,643 ほんに 我が家のせがれ殿は 働き者の孝行息子➡ 73 00:07:50,643 --> 00:07:56,649 おかげで 母親の私は 昼間から それも毎日のように➡ 74 00:07:56,649 --> 00:08:02,655 尾頭付きの ごちそうが頂けます➡ 75 00:08:02,655 --> 00:08:07,655 ああ ありがたや ありがたや 76 00:08:12,665 --> 00:08:18,671 (麻佐女)うん 塩加減といい 焼き具合といい➡ 77 00:08:18,671 --> 00:08:22,608 結構な尾頭付きですこと 78 00:08:22,608 --> 00:08:25,608 (麻佐女)ああ おいしい 79 00:08:29,615 --> 00:08:34,620 当てつけがましく言いやがって 食えねえ ばばあだ 80 00:08:34,620 --> 00:08:39,620 おや 九郎 お目覚めですか? 81 00:08:42,628 --> 00:08:47,633 (いびき) 82 00:08:47,633 --> 00:08:50,633 フンッ そりゃ 眠いでしょうよ 83 00:08:52,638 --> 00:08:58,644 ろくな稼ぎもないのに あんな時刻まで 遊びほうけて 84 00:08:58,644 --> 00:09:02,648 おかげで 母親は 食べたいものも食べられず➡ 85 00:09:02,648 --> 00:09:09,648 来る日も来る日も 目刺し 1匹と たくあん 3切れ 86 00:09:12,658 --> 00:09:16,662 ああ 情けない 情けない 87 00:09:16,662 --> 00:09:19,665 情けねえのは こっちの方だぜ 88 00:09:19,665 --> 00:09:24,603 あのばばあの食いぶち稼ぐのに 汗水流して働いてるっつうのに➡ 89 00:09:24,603 --> 00:09:27,606 顔見りゃ 文句 たらたら 小言三昧だ 90 00:09:27,606 --> 00:09:30,609 子の心 親知らずっていうんだよ 91 00:09:30,609 --> 00:09:34,613 (いびき) 92 00:09:34,613 --> 00:09:37,616 まあまあ よく お眠りだこと 93 00:09:37,616 --> 00:09:44,616 それにしても 寝言でしか 母親に口答えできぬとは… 94 00:09:46,625 --> 00:09:49,628 意気地のない息子 95 00:09:49,628 --> 00:09:51,630 親の顔が見てえよ 96 00:09:51,630 --> 00:09:56,630 (いびき) 97 00:09:59,638 --> 00:10:19,658 ♬~ 98 00:10:19,658 --> 00:10:31,604 ♬~ 99 00:10:31,604 --> 00:10:36,609 これが そなたの母の顔じゃ とくと 御覧じろ 100 00:10:36,609 --> 00:10:39,612 はっ! 101 00:10:39,612 --> 00:10:42,615 (男性)お米は まだあるからね 102 00:10:42,615 --> 00:10:45,615 (男性) ああ おっとっと 下がんなさい 103 00:10:47,620 --> 00:10:49,622 (彦兵衛)あっ 村上様➡ 104 00:10:49,622 --> 00:10:52,625 お見回り 御苦労様でございます (村上)変わりはないか? 105 00:10:52,625 --> 00:10:56,629 (彦兵衛)はい それが実は… 106 00:10:56,629 --> 00:10:58,631 (村上)米泥棒? 107 00:10:58,631 --> 00:11:01,634 (彦兵衛)まだ はっきりしたことは 申し上げられませんが➡ 108 00:11:01,634 --> 00:11:06,639 ええ 配られた米は およそ 1万と400➡ 109 00:11:06,639 --> 00:11:11,644 ところが ある筋の話によりますと➡ 110 00:11:11,644 --> 00:11:15,648 米問屋の山城屋さんが 会所の積立金で買い付けた➡ 111 00:11:15,648 --> 00:11:20,653 お救い米の総量は 1万5, 000石だそうで 112 00:11:20,653 --> 00:11:25,658 1万5, 000石… つまり 買い付け量と配給量に➡ 113 00:11:25,658 --> 00:11:27,660 5, 000石ほどの 差があるということか 114 00:11:27,660 --> 00:11:29,662 (彦兵衛)はい 115 00:11:29,662 --> 00:11:33,666 (佐次) そのうわさ あっしも聞きやした 116 00:11:33,666 --> 00:11:36,669 どこの誰から聞いた? 117 00:11:36,669 --> 00:11:40,673 (佐次)岡っ引き仲間で ちょいとした 判じ物になってるんですよ➡ 118 00:11:40,673 --> 00:11:43,676 お救い米を盗み食いして 腹を肥やしてる➡ 119 00:11:43,676 --> 00:11:46,679 大ねずみがいるんじゃねえかって 120 00:11:46,679 --> 00:11:48,681 ほう 121 00:11:48,681 --> 00:11:51,684 (佐次) で… あっしに御用ってのは? 122 00:11:51,684 --> 00:11:57,690 しばらくの間 柳原町会所の 蔵番をしてもらえんか 123 00:11:57,690 --> 00:12:00,693 蔵番? 124 00:12:00,693 --> 00:12:05,698 ってえと 旦那も大ねずみを? 125 00:12:05,698 --> 00:12:08,698 うむ まあな 126 00:12:16,709 --> 00:12:19,712 (蔦吉)あの人なら知ってますよ 巴屋のお凉さん 127 00:12:19,712 --> 00:12:21,647 だったら 教えてくれよ 128 00:12:21,647 --> 00:12:25,651 女なら誰だって 泣きどころの 1つや 2つ あるだろ? うん? 129 00:12:25,651 --> 00:12:29,655 (蔦吉)どうですかね お凉さんて しんの強い人だから 130 00:12:29,655 --> 00:12:32,658 うわさによると お武家の出だそうですよ 131 00:12:32,658 --> 00:12:35,661 ああ そう 132 00:12:35,661 --> 00:12:37,663 女郎に身を落としても➡ 133 00:12:37,663 --> 00:12:41,667 武家の誇りを捨て切れねえ 女もいれば➡ 134 00:12:41,667 --> 00:12:44,670 武家の堅っ苦しい暮らしが嫌で 芸者になった女もいる 135 00:12:44,670 --> 00:12:46,672 ああ 世の中 さまざまだね 136 00:12:46,672 --> 00:12:49,675 旦那 本気で お凉さん 口説くつもりですか? 137 00:12:49,675 --> 00:12:52,678 かたてわざだよ 伝三郎に頼まれたんだ 138 00:12:52,678 --> 00:12:54,680 賭けてもいいですよ 139 00:12:54,680 --> 00:12:56,682 あの人 旦那なんかには 振り向きもしませんから 140 00:12:56,682 --> 00:12:59,685 そこを振り向かせるのが 俺の腕ってもんだ 141 00:12:59,685 --> 00:13:02,688 女心の機微も分からないくせに 142 00:13:02,688 --> 00:13:06,692 何だって? いえ まあ やってごらんなさいな 143 00:13:06,692 --> 00:13:09,692 お手並み拝見 144 00:13:11,697 --> 00:13:14,700 やくんじゃないよ やくんじゃ 145 00:13:14,700 --> 00:13:16,702 おっ! 146 00:13:16,702 --> 00:13:19,702 おっ いけねえ そろそろ口開けだ 147 00:13:55,674 --> 00:13:57,676 いらっしゃいまし 148 00:13:57,676 --> 00:13:59,676 おう 149 00:14:03,682 --> 00:14:07,686 ゆうべ 見世の前で お前さんのこと ちらっと見た 150 00:14:07,686 --> 00:14:09,688 お凉と申します 151 00:14:09,688 --> 00:14:13,692 ああ そうか お… 覚えててくれたのか 152 00:14:13,692 --> 00:14:15,692 おいら 松平残九郎だ 153 00:14:17,696 --> 00:14:21,633 お… お前さん ゆうべ 見た時からさ➡ 154 00:14:21,633 --> 00:14:23,633 つまり 何だ その… 155 00:14:25,637 --> 00:14:29,637 一目ぼれってやつだ ハハハ… 156 00:14:51,663 --> 00:14:54,663 この お線香 1本が遊び代 157 00:14:57,669 --> 00:15:01,673 どうします? えっ? 158 00:15:01,673 --> 00:15:04,673 ああ いや まあ… とりあえず 酒だ うん 159 00:15:15,687 --> 00:15:18,687 ああ そうだ 160 00:15:22,628 --> 00:15:24,628 これ お前さんに 161 00:15:33,639 --> 00:15:35,639 まあ ほんの気持ちだ 162 00:15:39,645 --> 00:15:44,645 こんな 高価な物 私のような女には 似合いませんよ 163 00:15:55,661 --> 00:15:59,665 ああ… あの花 何て花だ? 164 00:15:59,665 --> 00:16:02,668 ああ おみなえしです 165 00:16:02,668 --> 00:16:04,668 ふーん 166 00:16:09,675 --> 00:16:13,679 風鈴 まだ しまわねえのか? 167 00:16:13,679 --> 00:16:20,686 「しのぶれど 色にいでにけり わが恋は➡ 168 00:16:20,686 --> 00:16:24,623 ものや思うと 人のとふまで」 169 00:16:24,623 --> 00:16:27,626 ああ 誰の川柳だ? 170 00:16:27,626 --> 00:16:30,629 ウフッ お侍さん 御存じないんですか? 171 00:16:30,629 --> 00:16:33,632 あっ? いやいや お… 太田蜀山人なら お前➡ 172 00:16:33,632 --> 00:16:35,634 3つ4つは べらべらっと ヘヘヘ… 173 00:16:35,634 --> 00:16:39,638 あれは 三十一文字 平 兼盛の和歌です 174 00:16:39,638 --> 00:16:41,640 ああ そうか ハハッ 175 00:16:41,640 --> 00:16:45,644 心に思っている人があると➡ 176 00:16:45,644 --> 00:16:49,648 どうしても隠せず 分かってしまう 177 00:16:49,648 --> 00:16:53,652 ああ そうだよな ああ そりゃそうだ 178 00:16:53,652 --> 00:16:55,652 ああ… 179 00:16:58,657 --> 00:17:02,661 もう 2~3本 もらおうかな 180 00:17:02,661 --> 00:17:04,661 はい 181 00:18:14,666 --> 00:18:19,666 気が行かねえな 今夜は帰る 182 00:18:37,622 --> 00:18:40,625 で… 山城屋の様子は? 183 00:18:40,625 --> 00:18:43,628 相変わらずの羽振りですよ 184 00:18:43,628 --> 00:18:46,631 ゆうべも きれいどころを はべらして➡ 185 00:18:46,631 --> 00:18:52,631 たいこ持ちは呼ぶわ 鳴り物は入るわの お大尽遊び 186 00:18:59,644 --> 00:19:01,646 客は何者です 187 00:19:01,646 --> 00:19:07,652 (蔦吉)北町の年番与力 堀江様と 下役の木崎というお方 188 00:19:07,652 --> 00:19:09,654 御存じですか? 189 00:19:09,654 --> 00:19:15,660 役職は違うが 顔は見知ってる やっぱり そうか 190 00:19:15,660 --> 00:19:19,664 ところで 残九郎の旦那は 巴屋へ通い詰め 191 00:19:19,664 --> 00:19:22,601 でも さっぱり 脈はなさそうですよ 192 00:19:22,601 --> 00:19:24,603 あいつ 4日で落とすと豪語していたが 193 00:19:24,603 --> 00:19:27,606 そうか 脈はないか 194 00:19:27,606 --> 00:19:32,611 「残九郎 女分からず さんざん苦労」ねっ? 195 00:19:32,611 --> 00:19:35,614 (くしゃみ) 196 00:19:35,614 --> 00:19:40,614 ああ 秋の川風が身にしみるぜ えっ? 197 00:19:42,621 --> 00:19:46,625 「人はいさ 心もしらず ふるさとは➡ 198 00:19:46,625 --> 00:19:50,629 花ぞ 昔の」 199 00:19:50,629 --> 00:19:53,632 何で 俺は こんなことしてんだ えっ? 200 00:19:53,632 --> 00:19:57,636 実はな この間 言い忘れたんだが 俺も ちょいとばかり➡ 201 00:19:57,636 --> 00:19:59,638 三十一文字を かじったことがあってさ 202 00:19:59,638 --> 00:20:02,641 昌平坂の学問所にいた頃にな 203 00:20:02,641 --> 00:20:08,647 「吹くからに 秋の草木のしをるれば」だ 204 00:20:08,647 --> 00:20:12,651 ええ… む… 205 00:20:12,651 --> 00:20:16,655 「むべ山風を あらしといふらむ」 どうだ 206 00:20:16,655 --> 00:20:20,659 文屋康秀 当たり じゃあ いいか? 207 00:20:20,659 --> 00:20:25,597 「人はいさ 心もしらず」 208 00:20:25,597 --> 00:20:29,601 あっ ふ… 「ふるさとは➡ 209 00:20:29,601 --> 00:20:32,604 花ぞ昔の 香ににほいける」 どうだ 210 00:20:32,604 --> 00:20:37,609 紀貫之 当たり もう一個 いくぞ 211 00:20:37,609 --> 00:20:40,612 「あい見ての 後の心に」 212 00:20:40,612 --> 00:20:42,612 く… 213 00:20:44,616 --> 00:20:46,618 ハァー うっ 214 00:20:46,618 --> 00:20:51,623 どうかしました? ああ いやいや ちょっとばかりな 215 00:20:51,623 --> 00:20:53,623 御免 216 00:21:00,632 --> 00:21:03,635 ちきしょう 肝心な時に 忘れちまいやがって 217 00:21:03,635 --> 00:21:07,639 たこ! たこ! 218 00:21:07,639 --> 00:21:10,642 「あい見ての 後の心に くらぶれば➡ 219 00:21:10,642 --> 00:21:13,645 むかしは 物を思はざりけり」 220 00:21:13,645 --> 00:21:15,647 昔… 物… おも むか もの おも 221 00:21:15,647 --> 00:21:18,647 よし! 大丈夫だ 222 00:21:20,652 --> 00:21:24,656 ≪ 「むかしは 物を思はざりけり」 どうだ 223 00:21:24,656 --> 00:21:27,656 うん? あん? 224 00:21:37,669 --> 00:21:40,669 まだ 四半時もたっちゃいねえのに 225 00:21:47,679 --> 00:21:50,679 かーっ! 折りやがったな 226 00:21:52,684 --> 00:21:56,688 (数馬)遅くなりまして (井上)御苦労 227 00:21:56,688 --> 00:21:59,691 (数馬)で… 私は 何をすれば よろしいので? 228 00:21:59,691 --> 00:22:01,693 (井上) おおむね 調べは 済んでいる➡ 229 00:22:01,693 --> 00:22:06,698 あとは 数合わせをするだけだ お主には これを➡ 230 00:22:06,698 --> 00:22:11,698 不正の動かぬ証拠だ 万一のために 預かってもらいたい 231 00:22:13,705 --> 00:22:15,705 (男性)お米は まだあるからね 232 00:22:24,649 --> 00:22:26,649 (男性)お米は 全員あるからね 233 00:22:31,656 --> 00:22:35,656 (男性)お米は 十分にあるからね はい 並んで 並んで 234 00:22:41,666 --> 00:22:43,666 (井上)すまん 235 00:22:56,681 --> 00:22:58,683 (佐次)旦那 (伝三郎)どうした 236 00:22:58,683 --> 00:23:00,685 怪しいやつ 見かけませんでしたか? 237 00:23:00,685 --> 00:23:03,688 (伝三郎)いや (佐次)会所の前で➡ 238 00:23:03,688 --> 00:23:07,692 いきなり 逃げ出しやがって (伝三郎)何! 239 00:23:07,692 --> 00:23:10,695 まだ この辺に いるかもしれませんよ 240 00:23:10,695 --> 00:23:12,695 (伝三郎)どんな男だ 241 00:23:38,656 --> 00:23:40,656 (佐次)旦那! 242 00:23:47,665 --> 00:23:49,665 (佐次)この男でした 243 00:23:51,669 --> 00:23:56,669 北町の隠密廻り同心 井上辰之進だ (佐次)侍!? 244 00:23:58,676 --> 00:24:00,676 南無八幡! 245 00:24:04,682 --> 00:24:10,688 「しのぶれど 色にいでにけり わが恋は➡ 246 00:24:10,688 --> 00:24:14,692 ものや思うと 人のとふまで」 247 00:24:14,692 --> 00:24:17,692 どうして これだけ 覚えちまうんだろう 248 00:24:19,697 --> 00:24:24,636 (蔦吉)変でしょう? どう見ても変ですよ あの様子 249 00:24:24,636 --> 00:24:26,638 確かに 変だ 250 00:24:26,638 --> 00:24:29,641 まさか 残九郎の旦那 本気になっちまったんじゃ 251 00:24:29,641 --> 00:24:32,644 気になりますか? (蔦吉)えっ? あ… 252 00:24:32,644 --> 00:24:35,647 よしてくださいよ 誰が あの唐変木に… 253 00:24:35,647 --> 00:24:39,651 でも 罪なことなさいますね 伝三郎様も 254 00:24:39,651 --> 00:24:41,653 おいおい 255 00:24:41,653 --> 00:24:44,653 それじゃ お座敷がありますので 256 00:25:10,682 --> 00:25:15,687 (清兵衛)《「御救米 不正買付の件 動かぬ手証有➡ 257 00:25:15,687 --> 00:25:17,689 百両にて売りたし➡ 258 00:25:17,689 --> 00:25:21,689 亥の刻 深川 閻魔堂で待つ」》 259 00:25:26,631 --> 00:25:31,636 これさ 摘んできたんだ 260 00:25:31,636 --> 00:25:33,638 ありがとう ああ 261 00:25:33,638 --> 00:25:38,643 その花に 何か 艶っぽい思い出でもあるのか? 262 00:25:38,643 --> 00:25:42,643 私の身の上に似てるんですよ この花は 263 00:25:48,653 --> 00:25:50,655 ちょっと 化粧が 変わったような気がするが➡ 264 00:25:50,655 --> 00:25:52,657 気のせいかな 265 00:25:52,657 --> 00:25:57,657 ウフフッ 鋭いですね 旦那 266 00:25:59,664 --> 00:26:03,668 何か いいことでもあったのか? 267 00:26:03,668 --> 00:26:08,673 今夜かぎりで このお店とも 縁が切れるんですよ 268 00:26:08,673 --> 00:26:13,678 あっ? そりゃ 一体 どういうことだ 269 00:26:13,678 --> 00:26:16,681 私のような女でも➡ 270 00:26:16,681 --> 00:26:21,619 身請けしてくれるっていう 奇特な人がいましてね 271 00:26:21,619 --> 00:26:24,619 身請け… そいつは 一体 誰なんだ 272 00:26:26,624 --> 00:26:31,629 榊数馬 そうなんだな? 273 00:26:31,629 --> 00:26:36,634 旦那 どうして それを 274 00:26:36,634 --> 00:26:41,634 いや まあ… あれだ 蛇の道は蛇ってやつだ 275 00:26:46,644 --> 00:26:50,648 あの人ね 約束してくれたんです 276 00:26:50,648 --> 00:26:57,648 金策のめどがついたから 今夜中に 必ず身請けしてやるって 277 00:27:01,659 --> 00:27:07,659 旦那が最後のお客っていうのも 何かの縁 278 00:27:15,673 --> 00:27:20,678 ウフッ これは もう おしまい 279 00:27:20,678 --> 00:27:22,678 飲みましょ 280 00:27:25,617 --> 00:27:27,619 帰る 281 00:27:27,619 --> 00:27:32,619 (ふすまの開閉音) 282 00:27:37,629 --> 00:27:40,632 仕事は不首尾 283 00:27:40,632 --> 00:27:43,635 使った金は いずれ返す これは 受け取りだ なっ? 284 00:27:43,635 --> 00:27:46,638 あっ 今夜は飲まない 285 00:27:46,638 --> 00:27:48,640 (伝三郎)それだけか 286 00:27:48,640 --> 00:27:51,640 うん まあ 何を言っても 負け惜しみになるからな ハハッ 287 00:27:53,645 --> 00:27:56,648 なあ 伝三郎 御舎弟殿は 本気だぜ 288 00:27:56,648 --> 00:27:58,650 何? 289 00:27:58,650 --> 00:28:02,654 金策のめどがついたから 今夜 あの女 身請けするんだとよ 290 00:28:02,654 --> 00:28:04,656 数馬が あの女を… 291 00:28:04,656 --> 00:28:06,658 もう ほっといてやれよ 292 00:28:06,658 --> 00:28:08,660 女郎を女房にしちゃいけねえって 法はねえんだしさ 293 00:28:08,660 --> 00:28:12,664 ほれ合った者同士 好きなようにさせてやれよ 294 00:28:12,664 --> 00:28:15,667 わしが心配しているのは 女じゃない 295 00:28:15,667 --> 00:28:17,669 金だ 金? 296 00:28:17,669 --> 00:28:20,672 (伝三郎)あの女郎 身請けするのに いくらかかる 297 00:28:20,672 --> 00:28:24,609 うーん まあ あれほどの女だからな➡ 298 00:28:24,609 --> 00:28:27,609 少なく見積もっても 50両 299 00:28:29,614 --> 00:28:35,620 いいか 隠密廻り同心といえども 30俵2人扶持の貧乏暮らしだ 300 00:28:35,620 --> 00:28:38,623 しかし 極秘のねたを 山ほど持ってるからな 301 00:28:38,623 --> 00:28:42,627 その気になれば いつでも 金に換えられる 302 00:28:42,627 --> 00:28:45,630 数馬が 女に入れ揚げていると 知った時から➡ 303 00:28:45,630 --> 00:28:47,632 わしは ずっと そのことを心配していたのだ 304 00:28:47,632 --> 00:28:50,635 じゃあ 金策のめどがついたってのは… 305 00:28:50,635 --> 00:28:52,637 それ以外に考えられん! 306 00:28:52,637 --> 00:28:54,639 な… 何だ! 307 00:28:54,639 --> 00:28:57,642 以前 数馬から聞いたことがある 深川の閻魔堂を➡ 308 00:28:57,642 --> 00:28:59,644 隠密廻りのつなぎの場所に 使っていると 309 00:28:59,644 --> 00:29:03,648 そこが 金の工面場所ってわけか 恐らくな 310 00:29:03,648 --> 00:29:05,650 (数馬)山城屋か? 311 00:29:05,650 --> 00:29:07,650 (清兵衛)さようで 312 00:29:12,657 --> 00:29:16,661 (数馬)堀江様 (堀江)やはり お前か➡ 313 00:29:16,661 --> 00:29:19,664 あの 投げ文の主は 314 00:29:19,664 --> 00:29:24,602 (数馬)あなたこそ ついに 馬脚を現しましたね 315 00:29:24,602 --> 00:29:27,605 (堀江)お互いに いらぬ詮索はやめよう➡ 316 00:29:27,605 --> 00:29:34,612 言い値どおり 金は払う 早速 例の物を 渡してもらおうか 317 00:29:34,612 --> 00:29:40,618 (数馬)金を受け取ったら 明日にでも お届けしますよ 318 00:29:40,618 --> 00:29:42,618 (堀江)信用できんな 319 00:29:44,622 --> 00:29:48,626 (数馬)では しかたがありません➡ 320 00:29:48,626 --> 00:29:52,626 あの帳簿は お奉行に 321 00:29:57,635 --> 00:29:59,635 (堀江)木崎! 322 00:30:01,639 --> 00:30:03,639 (数馬)ああっ! 323 00:30:08,646 --> 00:30:10,646 伝! ここだ (伝三郎)うむ 324 00:30:13,651 --> 00:30:15,651 数馬 325 00:30:17,655 --> 00:30:19,657 数馬! 326 00:30:19,657 --> 00:30:21,657 伝! 327 00:30:24,595 --> 00:30:27,598 数馬 しっかりしろ 数馬! 328 00:30:27,598 --> 00:30:30,598 数馬! 数馬! 329 00:30:34,605 --> 00:30:36,605 死に急ぎやがって! 330 00:30:43,614 --> 00:30:45,616 この仏さん 身寄りはねえのか? 331 00:30:45,616 --> 00:30:49,620 (伝三郎)3年前 相次いで 二親を病で亡くしてな 332 00:30:49,620 --> 00:30:51,620 それ以来 ずっと 独り暮らしだ 333 00:30:55,626 --> 00:30:57,628 残九郎… 334 00:30:57,628 --> 00:30:59,628 おい ひでえな 335 00:31:01,632 --> 00:31:04,632 ぬすっとの仕業とは 思えぬな 336 00:31:14,645 --> 00:31:16,645 うん? 337 00:31:27,658 --> 00:31:29,658 あん? 338 00:31:31,662 --> 00:31:33,662 ああ これか? おっ! 339 00:31:35,666 --> 00:31:38,669 「をぐら山 みね立ち鳴らし なく鹿の➡ 340 00:31:38,669 --> 00:31:42,673 へにけむ秋を しる人ぞなき」 341 00:31:42,673 --> 00:31:45,676 三十一文字か? 342 00:31:45,676 --> 00:31:49,680 しかし なぜ わしに 和歌なぞを 343 00:31:49,680 --> 00:31:53,684 わざわざ お前さん宛てに 書き残したんだ 344 00:31:53,684 --> 00:31:55,686 何かの符帳かもしれねえぞ こりゃ 345 00:31:55,686 --> 00:31:58,686 符帳? ああ 346 00:32:17,708 --> 00:32:19,710 この匂いは… 347 00:32:19,710 --> 00:32:22,647 おはようございます 母上 348 00:32:22,647 --> 00:32:26,651 九郎 何のまねです これは はっ! 349 00:32:26,651 --> 00:32:30,655 いささか お早い昼げとは存じまするが➡ 350 00:32:30,655 --> 00:32:33,658 深川 魚膳より 取り寄せましたる うな重➡ 351 00:32:33,658 --> 00:32:35,660 どうか 冷めぬうちに お召し上がりくだされませ 352 00:32:35,660 --> 00:32:37,662 魚膳のうな重 353 00:32:37,662 --> 00:32:40,665 しかも 「松」にございまする 354 00:32:40,665 --> 00:32:44,669 松! アハハ… ハハハ… 355 00:32:44,669 --> 00:32:48,673 魚膳の松のうな重に お目にかかるなんて➡ 356 00:32:48,673 --> 00:32:50,675 まあ 何年ぶりのことでしょう 357 00:32:50,675 --> 00:32:55,675 そんな大げさな ささ どうぞ ああ まあ! 358 00:32:58,683 --> 00:33:02,683 では 遠慮なく 359 00:33:05,690 --> 00:33:11,696 九郎! その手は食いませんぞ 何と!? 360 00:33:11,696 --> 00:33:13,698 たかが うな重ごときで➡ 361 00:33:13,698 --> 00:33:16,701 母を籠絡せんとする そなたの魂胆 見え見えじゃ! 362 00:33:16,701 --> 00:33:18,703 籠絡とはいかに! 363 00:33:18,703 --> 00:33:22,640 うわさによれば そなた 深川の遊女の元へ通い詰めとか 364 00:33:22,640 --> 00:33:24,642 誰が そんなことを… 365 00:33:24,642 --> 00:33:27,645 誠であれば 母は許さぬ 断じて 許しませぬ! 366 00:33:27,645 --> 00:33:30,648 お待ちくだされ それには いささか 深き訳がございますれば 367 00:33:30,648 --> 00:33:35,653 そなたの下心が見えた以上 この うな重は い… いた…➡ 368 00:33:35,653 --> 00:33:38,656 うーん 目障りじゃ 下げなさい! 369 00:33:38,656 --> 00:33:42,660 分かり申した 正直に申し上げまする 370 00:33:42,660 --> 00:33:46,664 実は 母上のお知恵を 是非とも 拝借いたしたく 371 00:33:46,664 --> 00:33:49,664 私の知恵を? はっ! 372 00:33:53,671 --> 00:33:55,671 これを御覧くだされ 373 00:34:04,682 --> 00:34:07,685 紀貫之じゃな 御明察 374 00:34:07,685 --> 00:34:12,690 その和歌に 何か符帳のようなものでも 375 00:34:12,690 --> 00:34:15,690 九郎 こちらへ はっ! 376 00:34:21,632 --> 00:34:24,635 これは 折句じゃ 377 00:34:24,635 --> 00:34:27,638 折句? 378 00:34:27,638 --> 00:34:29,640 三十一文字に➡ 379 00:34:29,640 --> 00:34:34,645 隠し言葉の入っている 和歌のことじゃ 380 00:34:34,645 --> 00:34:38,649 五七五 七七 381 00:34:38,649 --> 00:34:44,655 それぞれの頭に 1文字ずつ置いてあるのが 「冠」 382 00:34:44,655 --> 00:34:48,659 末尾に置いてあるのが 「沓」という 383 00:34:48,659 --> 00:34:54,659 紀貫之の この和歌は 「冠」に隠し言葉がある 384 00:35:02,673 --> 00:35:05,673 をぐら山の 「を」 385 00:35:07,678 --> 00:35:12,683 みね立ち鳴らしの 「み」 386 00:35:12,683 --> 00:35:16,687 なく鹿の 「な」 387 00:35:16,687 --> 00:35:21,625 へにけむ秋の 「へ」 388 00:35:21,625 --> 00:35:25,629 しる人ぞ なきの 「し」 389 00:35:25,629 --> 00:35:42,646 ♬~ 390 00:35:42,646 --> 00:35:44,648 「女郎花」 391 00:35:44,648 --> 00:35:50,648 女郎花と書いて 「を・み・な・へ・し」と読む 392 00:35:52,656 --> 00:35:57,661 《私の身の上に 似てるんですよ この花は》 393 00:35:57,661 --> 00:36:00,664 そうか 394 00:36:00,664 --> 00:36:02,666 どこ行くのじゃ! 395 00:36:02,666 --> 00:36:04,668 あ… 母上 かたじけない 396 00:36:04,668 --> 00:36:07,668 どうか 冷めぬうちに お召し上がりください 397 00:36:25,623 --> 00:36:28,626 御無沙汰いたしております 398 00:36:28,626 --> 00:36:30,626 (お凉)うそ! 399 00:36:32,630 --> 00:36:39,630 旦那 お願いです うそだと言ってください 400 00:36:54,652 --> 00:36:59,652 残念ながら 本当だ 401 00:37:13,671 --> 00:37:31,622 ♬~ 402 00:37:31,622 --> 00:37:36,627 おみなえしと言えば 聞こえは いいけれど➡ 403 00:37:36,627 --> 00:37:38,627 所詮は 女郎花 404 00:37:40,631 --> 00:37:43,634 こんな… 405 00:37:43,634 --> 00:37:47,638 こんな花のために 命を落とすなんて… 406 00:37:47,638 --> 00:38:01,652 ♬~ 407 00:38:01,652 --> 00:38:07,658 夢だったんですよ 何もかも 408 00:38:07,658 --> 00:38:12,658 いっときの はかない夢 409 00:38:16,667 --> 00:38:22,667 その夢に やつは 命 張ったんだ 410 00:38:29,613 --> 00:38:35,619 お前さん やつから何か 預かってたんじゃねえのかい? 411 00:38:35,619 --> 00:38:47,619 ♬~ 412 00:38:53,637 --> 00:38:56,640 やはり そうか 413 00:38:56,640 --> 00:38:59,643 お救い米の買い付け量が 水増しされてる 414 00:38:59,643 --> 00:39:04,648 てことは つまり 帳簿の上の数字と➡ 415 00:39:04,648 --> 00:39:06,650 実際に買い付けた量との差額が➡ 416 00:39:06,650 --> 00:39:10,654 その年番与力の堀江の懐に そっくり 転がり込むって寸法か 417 00:39:10,654 --> 00:39:12,656 以前から お救い米の買い付けを巡って➡ 418 00:39:12,656 --> 00:39:15,659 大がかりな不正が 行われているのではないかと➡ 419 00:39:15,659 --> 00:39:18,662 役所の内部でも うわさは流れていたのだが 420 00:39:18,662 --> 00:39:20,664 これで はっきりした 421 00:39:20,664 --> 00:39:22,599 あとは お前の出番だ 頑張れよ うむ 422 00:39:22,599 --> 00:39:26,603 (佐次)おやじ! 酒だ! さ… 423 00:39:26,603 --> 00:39:29,606 佐次 424 00:39:29,606 --> 00:39:31,608 いらしたんですか 425 00:39:31,608 --> 00:39:37,614 何だよ? ほら おいで おいで… へい 426 00:39:37,614 --> 00:39:39,616 (伝三郎)お役目 御苦労だったな 427 00:39:39,616 --> 00:39:45,622 おかげで 大ねずみの尻尾を 捕まえたぞ 一杯飲め (佐次)はっ 428 00:39:45,622 --> 00:39:48,622 ほら ほい 429 00:39:57,634 --> 00:40:01,638 うめえ やっと落ち着いた 430 00:40:01,638 --> 00:40:04,641 どうした 何があったんだ? (佐次)いやね➡ 431 00:40:04,641 --> 00:40:10,647 さっき 北六間堀の土手で 女郎の仏 見ちゃったんですよ 432 00:40:10,647 --> 00:40:13,650 南無八幡 南無八幡… 433 00:40:13,650 --> 00:40:17,654 佐次 その女郎ってのは どんな女だ? 434 00:40:17,654 --> 00:40:22,593 それが 何とも言えぬ べっぴんでしてね 435 00:40:22,593 --> 00:40:26,597 自分で喉を突いたんですけど➡ 436 00:40:26,597 --> 00:40:30,601 まるで ぼさつのような いい顔だった 437 00:40:30,601 --> 00:40:50,621 ♬~ 438 00:40:50,621 --> 00:41:00,631 ♬~ 439 00:41:00,631 --> 00:41:02,631 残九郎 440 00:41:09,640 --> 00:41:13,644 (木崎)小うるさく付きまとっていた 隠密廻り 2人は消えた 441 00:41:13,644 --> 00:41:17,648 まずは 一安心だ 442 00:41:17,648 --> 00:41:22,653 (清兵衛)それにしても あの帳簿は 一体 どこに? (堀江)うむ 443 00:41:22,653 --> 00:41:25,656 (遠雷) 444 00:41:25,656 --> 00:41:28,656 (堀江)一雨 来そうだな 445 00:41:36,667 --> 00:41:38,669 何だ 貴様 446 00:41:38,669 --> 00:41:41,669 てめえらに 名乗るほどの者じゃねえよ 447 00:41:43,674 --> 00:41:47,678 事のついでに教えてやらあ あの帳簿はな➡ 448 00:41:47,678 --> 00:41:50,681 今頃 北町のお奉行の手に 渡ってるはずだ 449 00:41:50,681 --> 00:41:52,683 (堀江・木崎)何? 450 00:41:52,683 --> 00:41:55,686 (堀江)木崎 斬れ! 451 00:41:55,686 --> 00:41:57,686 (木崎)この! 452 00:42:35,659 --> 00:42:38,662 おいらさ➡ 453 00:42:38,662 --> 00:42:42,666 身の程知らずの恋に 命 懸けちまったやつらの➡ 454 00:42:42,666 --> 00:42:44,668 供養に来たんだよ 455 00:42:44,668 --> 00:42:56,680 ♬~ 456 00:42:56,680 --> 00:42:59,683 なあ 伝三郎 (伝三郎)うん? 457 00:42:59,683 --> 00:43:03,687 榊数馬と あの おみなえし➡ 458 00:43:03,687 --> 00:43:07,687 何とか 一緒に葬ってやるわけには いかねえかな 459 00:43:09,693 --> 00:43:11,693 ばかなやつらだ 460 00:43:13,697 --> 00:43:18,697 しかし 女郎も侍も 死んじまえば ただの仏さんだ 461 00:43:21,638 --> 00:43:23,638 もう 一緒になってるか 462 00:43:29,646 --> 00:43:32,649 どうだ 2人の供養に 463 00:43:32,649 --> 00:43:38,655 船久に席を用意した わしは ちょっと寄るとこがある 464 00:43:38,655 --> 00:43:40,657 先に行っててくれ 465 00:43:40,657 --> 00:43:58,675 ♬~ 466 00:43:58,675 --> 00:44:10,687 ♬~ 467 00:44:10,687 --> 00:44:15,692 (三味線) 468 00:44:15,692 --> 00:44:27,638 ♬~ 469 00:44:27,638 --> 00:44:29,640 よう 470 00:44:29,640 --> 00:44:32,640 さあさ まずは 一杯 471 00:45:01,672 --> 00:45:04,675 当たったでしょ? 私の賭け 472 00:45:04,675 --> 00:45:09,680 うん? お凉さんのことさ 473 00:45:09,680 --> 00:45:13,684 お前さんなんかにゃ 振り向きもしないってね 474 00:45:13,684 --> 00:45:17,688 「ふぐの肝 女心と つじ占い」 475 00:45:17,688 --> 00:45:21,625 「当たるも はっけ 当たらぬも はっけ」だ 476 00:45:21,625 --> 00:45:23,627 負け惜しみ言っちまって 477 00:45:23,627 --> 00:45:27,631 でも 旦那 ちょっとは 本気だったんじゃないんですか? 478 00:45:27,631 --> 00:45:30,634 あのな おいらは いつだって まじだぜ 479 00:45:30,634 --> 00:45:33,634 あら そうでした? 480 00:45:40,644 --> 00:45:42,646 今夜は いこうぜ 481 00:45:42,646 --> 00:45:45,649 ちょいと お前さん お凉さんに振られた腹いせに➡ 482 00:45:45,649 --> 00:45:47,651 私 酔わせて 口説こうってんじゃ ないでしょうね? 483 00:45:47,651 --> 00:45:51,655 おお いいねえ 蔦に絡まれりゃ 本望ってんだ 484 00:45:51,655 --> 00:45:54,658 ばか 485 00:45:54,658 --> 00:45:56,660 ばか? 486 00:45:56,660 --> 00:46:16,680 ♬~ 487 00:46:16,680 --> 00:46:36,633 ♬~ 488 00:46:36,633 --> 00:46:56,653 ♬~ 489 00:46:56,653 --> 00:47:16,653 ♬~ 490 00:47:19,676 --> 00:47:24,614 (伝三郎)おっ! 鉄の骨に 布張りか 491 00:47:24,614 --> 00:47:27,617 (麻佐女)あんぶれらじゃ 492 00:47:27,617 --> 00:47:32,622 (雲乃井)泥に咲く花 散ろうが 踏んづけられようが➡ 493 00:47:32,622 --> 00:47:35,625 惜しくも何とも ありゃしませんよ 494 00:47:35,625 --> 00:47:41,625 どっち斬ってほしいんだ? 亭主か 色か