1 00:01:27,729 --> 00:01:30,732 <江戸時代 御家人というのは・ 2 00:01:30,732 --> 00:01:34,736 徳川家の家臣の中で 旗本の下に位置する・ 3 00:01:34,736 --> 00:01:39,741 将軍への お目見えも許されぬ 身分であった> 4 00:01:39,741 --> 00:01:44,746 <この松平残九郎 名門の家柄ではありながら・ 5 00:01:44,746 --> 00:01:47,749 無役の30俵3人扶持という・ 6 00:01:47,749 --> 00:01:51,753 御家人の禄としては 最低の境遇である> 7 00:01:51,753 --> 00:01:55,757 <従って 稼がねばならない> 8 00:01:55,757 --> 00:02:00,762 <しかし その時代 武士の副業は禁止されていた> 9 00:02:00,762 --> 00:02:03,765 <そのため 残九郎は おおっぴらにできない・ 10 00:02:03,765 --> 00:02:08,765 「かたてわざ」と称する 裏の稼業を持っていたのである> 11 00:02:10,772 --> 00:02:30,725 ・~ 12 00:02:30,725 --> 00:02:35,725 ・~ 13 00:02:55,750 --> 00:02:58,750 (残九郎)開いてんじゃねえか 14 00:03:02,757 --> 00:03:05,760 (鼓) 不用心だな 15 00:03:05,760 --> 00:03:07,762 (鼓) 16 00:03:07,762 --> 00:03:11,766 ハァー 朝っぱらから 17 00:03:11,766 --> 00:03:16,771 (鼓) 18 00:03:16,771 --> 00:03:24,771 ・~ 19 00:03:30,718 --> 00:03:32,720 おはようございます 20 00:03:32,720 --> 00:03:36,724 稽古の邪魔をしてはと… 21 00:03:36,724 --> 00:03:38,726 アハハ… 22 00:03:38,726 --> 00:03:42,730 ゆうべは 南無八幡の佐次が 捕り物の加勢をしろって・ 23 00:03:42,730 --> 00:03:46,734 ヘヘヘ… しつこくて しつこくて 24 00:03:46,734 --> 00:03:49,737 誰からですか? (麻佐女)大奥の いちから… 25 00:03:49,737 --> 00:03:53,741 オホホ… いち姉上とは めず… 26 00:03:53,741 --> 00:03:56,744 まさか 近々 お宿下がりがあるとか 27 00:03:56,744 --> 00:04:00,748 えっ? は… はっ? 28 00:04:00,748 --> 00:04:03,751 「お宿下がりにあたり 親戚 及び ご近所様への・ 29 00:04:03,751 --> 00:04:05,753 土産の品々を 恐れながら ご配慮賜わりたく…」 30 00:04:05,753 --> 00:04:08,753 御配慮できそう? ええ… 31 00:04:13,761 --> 00:04:16,764 お宿下がりの御配慮といえば 少なくとも うーん 32 00:04:16,764 --> 00:04:18,766 く… 粂女… 粂女姉上のときは? 33 00:04:18,766 --> 00:04:21,703 うーん 確か えっと 粂女のときは 34 00:04:21,703 --> 00:04:23,705 備忘録 びぼ… びぼ… 35 00:04:23,705 --> 00:04:26,708 備忘録! ああっ! 36 00:04:26,708 --> 00:04:28,710 備忘録 備忘録 び… 37 00:04:28,710 --> 00:04:30,712 あった! びぼ… 備忘録! 38 00:04:30,712 --> 00:04:34,716 えーと… どこだ 39 00:04:34,716 --> 00:04:38,720 これだ これだ! 粂女… 粂女 お宿下がり 40 00:04:38,720 --> 00:04:42,724 「親戚 並びに 近隣の方々へ 神田 一越太古堂 煙草入れ」 11両 41 00:04:42,724 --> 00:04:46,728 締… 締めて 願いましては 37両なり 42 00:04:46,728 --> 00:04:48,730 37両… 43 00:04:48,730 --> 00:04:54,730 一橋家 御主殿にお勤めの粂女が 37両なら 大奥のいちは… 44 00:04:57,739 --> 00:05:01,739 50両 50両… 45 00:05:03,745 --> 00:05:06,748 (麻佐女)どれをとっても 思い出の品ばかり 46 00:05:06,748 --> 00:05:10,752 しかし まあ 50両ですからね 47 00:05:10,752 --> 00:05:12,754 九郎! はい 48 00:05:12,754 --> 00:05:14,756 どこぞに かたてわざはないのか! 49 00:05:14,756 --> 00:05:17,759 斬ってほしい首の 4つや5つ 6つか7つ… 50 00:05:17,759 --> 00:05:19,759 母上 51 00:05:21,696 --> 00:05:25,700 分かりましたよ 我が家では・ 52 00:05:25,700 --> 00:05:28,703 姉上に御配慮できる金はないと はっきり言いましょう! 53 00:05:28,703 --> 00:05:31,706 大体 何で 我々が 姉上のお宿下がりの度に・ 54 00:05:31,706 --> 00:05:33,708 こうやって 駆けずり回らなきゃ ならないんですか! 55 00:05:33,708 --> 00:05:36,711 松平の恥だろうが 姉上の恥だろうが・ 56 00:05:36,711 --> 00:05:38,713 そんなことは 知ったこっちゃ ありませんよ! く… 九郎! 57 00:05:38,713 --> 00:05:40,713 はい 58 00:05:42,717 --> 00:05:44,717 これじゃ どうかしら 59 00:05:51,726 --> 00:05:56,731 (太兵衛)ほう 鍋島ですな・ 60 00:05:56,731 --> 00:06:00,735 肥前の大川内焼き 61 00:06:00,735 --> 00:06:02,737 (蔦吉)三洲屋さんが 確か 書画骨とうを・ 62 00:06:02,737 --> 00:06:04,739 集めてらっしゃるのを 思い出しまして 63 00:06:04,739 --> 00:06:06,741 (太兵衛)大川内焼きというのは・ 64 00:06:06,741 --> 00:06:11,746 鍋島藩士のためだけの 窯のものでしてね・ 65 00:06:11,746 --> 00:06:14,749 こういう物が 町なかに出回ることは・ 66 00:06:14,749 --> 00:06:16,749 ほとんどないんですよ 67 00:06:20,755 --> 00:06:22,690 (太兵衛)20両でいかがです? 68 00:06:22,690 --> 00:06:25,693 (せきばらい) 69 00:06:25,693 --> 00:06:29,697 (蔦吉)ああ… あの 旦那 70 00:06:29,697 --> 00:06:32,700 (太兵衛)アハハ… では 25両 71 00:06:32,700 --> 00:06:34,702 かたじけない 72 00:06:34,702 --> 00:06:37,705 (蔦吉)旦那 私からも 73 00:06:37,705 --> 00:06:41,709 (太兵衛)松平と申されますと 将軍家と何か 74 00:06:41,709 --> 00:06:46,714 いや 元は 神君家康公と 祖先を同じゅうする・ 75 00:06:46,714 --> 00:06:49,717 大給松平の一つではあるのだが・ 76 00:06:49,717 --> 00:06:52,720 家柄と これとは また別物でね 77 00:06:52,720 --> 00:06:56,724 (おえん)実は 大奥にお上がりの こちらの姉上様が・ 78 00:06:56,724 --> 00:06:59,727 近々 お宿下がりで 79 00:06:59,727 --> 00:07:04,732 ほう 実は 私の娘も大奥に 80 00:07:04,732 --> 00:07:06,734 (おえん)まあ (蔦吉)まあ! 81 00:07:06,734 --> 00:07:11,739 さる お武家様のつてを頼って 行儀見習いということでしてな 82 00:07:11,739 --> 00:07:13,739 おお ハハハ… 83 00:07:15,743 --> 00:07:18,743 25両にしかなりませんでした 84 00:07:20,748 --> 00:07:24,685 私も 25両にしかなりませんでした 85 00:07:24,685 --> 00:07:26,687 どうしたんですか これ 借りた 86 00:07:26,687 --> 00:07:30,691 どっから!? 喜助の知り合いの その息子の・ 87 00:07:30,691 --> 00:07:33,694 知り合いの店から 88 00:07:33,694 --> 00:07:36,697 どうやって返すんですか? 89 00:07:36,697 --> 00:07:39,700 ウフッ アハハ… 90 00:07:39,700 --> 00:07:41,702 ハハハ… ハハハ… 91 00:07:41,702 --> 00:07:43,704 アハハ… 92 00:07:43,704 --> 00:07:45,704 えい! 93 00:07:49,710 --> 00:07:52,713 おりゃ! (男性)お見事 94 00:07:52,713 --> 00:07:54,715 (男性)さすがだね 95 00:07:54,715 --> 00:07:57,715 よし (男性)よっ! 日本一! 96 00:08:01,722 --> 00:08:03,724 おりゃ! 97 00:08:03,724 --> 00:08:06,727 ・(客)おい 酒だ 酒! ・(客)酒だ 酒 98 00:08:06,727 --> 00:08:08,729 (佐次)おやじ 酒だ! 99 00:08:08,729 --> 00:08:11,732 ・ へーい 100 00:08:11,732 --> 00:08:13,734 あち あち あちちち… 101 00:08:13,734 --> 00:08:16,737 飯 飯! ・(おもん)はい ただいま! 102 00:08:16,737 --> 00:08:18,739 (客)おーい ここ置くぞ へいへい 103 00:08:18,739 --> 00:08:20,741 佐次 ほら 受け取って 受け取って 104 00:08:20,741 --> 00:08:22,677 (佐次)残九郎様! おう 105 00:08:22,677 --> 00:08:24,679 おやじが留守にしてる間さ 店開けたら・ 106 00:08:24,679 --> 00:08:26,681 もうけは くれるっていうから ヘッ! 107 00:08:26,681 --> 00:08:29,684 (客)おいおい 飯まだかよ はいはい ただいま ただいま 108 00:08:29,684 --> 00:08:31,686 へい ただいま ただいま! (佐次)何があったんですか えっ? 109 00:08:31,686 --> 00:08:33,688 えっ? おう 佐次 これ 持ってってくれ 110 00:08:33,688 --> 00:08:35,690 (佐次)あっしがですか? おう お前 111 00:08:35,690 --> 00:08:39,694 何だよ 客になるんだったら ふんだくるよ 112 00:08:39,694 --> 00:08:59,714 ・~ 113 00:08:59,714 --> 00:09:19,734 ・~ 114 00:09:19,734 --> 00:09:23,671 ・~ 115 00:09:23,671 --> 00:09:25,673 (麻佐女)おいち殿 116 00:09:25,673 --> 00:09:31,673 (いち)母上 御息災で何よりでした (麻佐女)そなたも 117 00:09:35,683 --> 00:09:40,688 (いち)九郎殿 久しいのう はっ 118 00:09:40,688 --> 00:09:43,688 おかえりなさいませ 姉上 119 00:09:58,706 --> 00:10:03,711 (いち)母上 折々のお届け物 ありがたく 頂戴いたしております 120 00:10:03,711 --> 00:10:05,713 (麻佐女)何の何の 121 00:10:05,713 --> 00:10:08,716 (いち)こたびも何かと 御面倒をおかけいたしまして 122 00:10:08,716 --> 00:10:12,720 (麻佐女)何の何の 123 00:10:12,720 --> 00:10:14,722 (いち)こたびの お宿下がりは・ 124 00:10:14,722 --> 00:10:18,726 奥にて お教え願っております 琴のお師匠様の・ 125 00:10:18,726 --> 00:10:21,662 四十九日の法要でございます 126 00:10:21,662 --> 00:10:25,666 琴? (いち)私が勤めます お火の番は・ 127 00:10:25,666 --> 00:10:28,669 大奥で 遊芸の稽古が できるのでございます 128 00:10:28,669 --> 00:10:31,672 (麻佐女)うん では 鼓の方も? 129 00:10:31,672 --> 00:10:36,677 (いち)鼓は 幼いころよりの 母上のお仕込みゆえ 造作ない 130 00:10:36,677 --> 00:10:39,680 (麻佐女)うん うん 131 00:10:39,680 --> 00:10:44,685 (いち)今は 専ら 琴と舞いを (麻佐女)うん うん 132 00:10:44,685 --> 00:10:47,688 何か? (喜助)おいち様 お宿下がりの・ 133 00:10:47,688 --> 00:10:51,692 御近所への御挨拶 ただいま 終わりました 134 00:10:51,692 --> 00:10:53,694 御苦労でした (喜助)はい 135 00:10:53,694 --> 00:10:55,696 では 私も そろそろ 136 00:10:55,696 --> 00:10:57,698 何事じゃ え… ちょっと外で 137 00:10:57,698 --> 00:11:00,701 外に どのような用がおありか? いや しかし… 138 00:11:00,701 --> 00:11:03,704 いまだに 勤めの口もない そなたに・ 139 00:11:03,704 --> 00:11:05,706 外の用など あるはずないではないか 140 00:11:05,706 --> 00:11:07,708 (麻佐女)うん いや で… ですから その… 141 00:11:07,708 --> 00:11:11,712 我が松平家の 跡継ぎならば 日々 勉学に励み・ 142 00:11:11,712 --> 00:11:15,716 いずれへかの 仕官へ備えることこそ肝要 143 00:11:15,716 --> 00:11:18,716 (麻佐女)道理じゃ ねえ? 144 00:11:20,721 --> 00:11:23,721 (女性)お滝 (お滝)はい 145 00:11:25,726 --> 00:11:29,730 まき割りのお侍さんは? (お滝)今日は まだ 146 00:11:29,730 --> 00:11:31,732 (客)ようよう (客)いつもの お侍さんは? 147 00:11:31,732 --> 00:11:35,736 (佐次)ええ 今夜は まだでして (一同)ああ! 148 00:11:35,736 --> 00:11:37,736 ハァー 149 00:11:39,740 --> 00:11:41,742 (足音) 150 00:11:41,742 --> 00:11:44,742 ・(いち)母上 ・(麻佐女)はい 151 00:11:47,748 --> 00:11:51,752 お休み前には くれぐれも 火の用心 怠りなく 152 00:11:51,752 --> 00:11:56,752 (麻佐女)うんうん 御苦労さま 153 00:11:59,760 --> 00:12:02,763 ・(いち) こんな夜分に お菓子など・ 154 00:12:02,763 --> 00:12:06,763 いささか はしたないように存じます 155 00:12:09,770 --> 00:12:11,770 ・(いち)九郎 はい! 156 00:12:14,775 --> 00:12:16,775 何か… 157 00:12:19,780 --> 00:12:23,718 書物を読んだりは しないのですか? 158 00:12:23,718 --> 00:12:25,720 今日は ちょっと 159 00:12:25,720 --> 00:12:28,723 何もしないのなら 明かりは 不要です 160 00:12:28,723 --> 00:12:30,725 はい! 161 00:12:30,725 --> 00:12:35,725 お休み前には くれぐれも 火の用心 怠りなく 162 00:12:38,733 --> 00:12:40,735 あ… 姉上 163 00:12:40,735 --> 00:12:43,738 いかがですか? 久々のお宿下がりは 164 00:12:43,738 --> 00:13:02,757 ・~ 165 00:13:02,757 --> 00:13:07,762 (物売り)納豆 納豆ー えー 納豆ー 166 00:13:07,762 --> 00:13:11,766 ・(るい) 西尾伝三郎の妻 るいと申します 167 00:13:11,766 --> 00:13:14,769 ・(いち)九郎と幼なじみの あの? 168 00:13:14,769 --> 00:13:18,773 ・(麻佐女)そうそう 169 00:13:18,773 --> 00:13:21,709 (いち)あの伝三郎殿の 170 00:13:21,709 --> 00:13:23,711 (るい)伝三郎は 御用繁多で・ 171 00:13:23,711 --> 00:13:27,715 御挨拶にも参られぬと申しまして 私が名代で 172 00:13:27,715 --> 00:13:30,715 わざわざ 恐れ入ります 173 00:13:32,720 --> 00:13:37,725 伝三郎殿は やはり お父上の跡を? 174 00:13:37,725 --> 00:13:40,728 (るい)はい 北町奉行所 与力で 175 00:13:40,728 --> 00:13:43,731 (いち)あの伝三郎殿が…・ 176 00:13:43,731 --> 00:13:46,734 よく我が家にも 遊びに来ておられた 177 00:13:46,734 --> 00:13:48,736 (麻佐女)九郎と2人で いたずらを (いち)ウフッ・ 178 00:13:48,736 --> 00:13:52,740 伝三郎殿は 堀り割りに 落ちたこともありましたね 179 00:13:52,740 --> 00:13:54,742 (麻佐女)アハッ (るい)さようでございましたか 180 00:13:54,742 --> 00:13:57,745 それを九郎が助け上げて (麻佐女)そうそう 181 00:13:57,745 --> 00:14:00,748 (いち)オホホ… 182 00:14:00,748 --> 00:14:03,751 そんな伝三郎殿が・ 183 00:14:03,751 --> 00:14:07,755 与力というお役目を お務めになり・ 184 00:14:07,755 --> 00:14:10,755 それに 引き換え… 185 00:14:15,763 --> 00:14:19,767 ・(喜助)奥方様 (麻佐女)何か? 186 00:14:19,767 --> 00:14:22,703 (喜助) おいち様に お目通り願いたいと・ 187 00:14:22,703 --> 00:14:24,705 菱屋の旦那様が 188 00:14:24,705 --> 00:14:30,711 (麻佐女)おお そうそう おいち殿 よろしいか? 189 00:14:30,711 --> 00:14:36,717 (仁左ヱ門)手前 日本橋室町で 両替を商いとしております・ 190 00:14:36,717 --> 00:14:39,717 菱屋仁左ヱ門と申します 191 00:14:41,722 --> 00:14:44,725 (仁左ヱ門) この度は 私のような者に… 192 00:14:44,725 --> 00:14:47,725 しかし 何でまた 大店の旦那が 193 00:14:52,733 --> 00:14:55,736 ああ! 194 00:14:55,736 --> 00:14:57,738 ああ! ああ! 195 00:14:57,738 --> 00:14:59,740 何じゃ 196 00:14:59,740 --> 00:15:02,743 25両だ 197 00:15:02,743 --> 00:15:06,747 いちに会わせるという約束で どういうことですか? 198 00:15:06,747 --> 00:15:08,749 訳は よく知らぬが 願いがかなえば・ 199 00:15:08,749 --> 00:15:10,751 借金は返さなくてもいいって! 200 00:15:10,751 --> 00:15:12,753 また… 本当 201 00:15:12,753 --> 00:15:14,755 おまけに 礼金まで付けるって! 202 00:15:14,755 --> 00:15:16,757 また… 本当! 203 00:15:16,757 --> 00:15:19,760 えっ? エヘヘ… アハッ アハハ… 204 00:15:19,760 --> 00:15:21,760 (ふすまの開く音) 205 00:15:27,701 --> 00:15:29,701 菱屋さんは? 206 00:15:31,705 --> 00:15:35,709 (いち)早々に お引き取り 願いました (麻佐女)あ… あっ 207 00:15:35,709 --> 00:15:40,714 (いち)娘を 大奥のどなたかの 部屋子に推挙してほしいなどと 208 00:15:40,714 --> 00:15:42,716 ほう 209 00:15:42,716 --> 00:15:48,722 娘に行儀見習いをと 口では 申していたが 魂胆は見えておる 210 00:15:48,722 --> 00:15:51,725 大奥へお仕えしたとなれば 娘には箔が付く 211 00:15:51,725 --> 00:15:55,729 それを土産に よりよい縁談をという腹なのです 212 00:15:55,729 --> 00:15:59,733 (麻佐女)で… お断りを? (いち)母上も 母上です 213 00:15:59,733 --> 00:16:02,736 あのような者の口車に乗せられて 私と会わせるなどと 214 00:16:02,736 --> 00:16:06,740 うーん もう まあまあ お二人とも 215 00:16:06,740 --> 00:16:09,743 どうですか 姉上 久方ぶりのお宿下がりです 216 00:16:09,743 --> 00:16:11,745 こう うちに 閉じこもってばかりいては 217 00:16:11,745 --> 00:16:13,747 浅草辺りを ぶらぶらと 218 00:16:13,747 --> 00:16:16,750 (いち)私は 物見遊山に戻ったのではない 219 00:16:16,750 --> 00:16:18,752 はい 220 00:16:18,752 --> 00:16:21,689 (いち) 大奥で お仕えするにあたり・ 221 00:16:21,689 --> 00:16:25,693 私ども奥女中にも 心得というものがある 222 00:16:25,693 --> 00:16:30,698 一つ 奥方の儀 御事によらず 外様へ申すまじきこと はっ 223 00:16:30,698 --> 00:16:34,702 一つ 好色がましき儀は 申すに及ばず・ 224 00:16:34,702 --> 00:16:37,705 宿下がりの時分に 物見遊山は参るまじきこと・ 225 00:16:37,705 --> 00:16:39,707 一つ! 分かりました 分かりました 226 00:16:39,707 --> 00:16:41,709 よく 分かりました 227 00:16:41,709 --> 00:16:43,709 では 228 00:16:47,715 --> 00:16:50,718 (いち)九郎殿 はい! はい… 229 00:16:50,718 --> 00:16:52,720 明日の法事が済みましたら・ 230 00:16:52,720 --> 00:16:56,724 一度 下々の遊芸に 接してみたいと思います 231 00:16:56,724 --> 00:16:59,727 と言うと? 例えば・ 232 00:16:59,727 --> 00:17:02,730 踊りとか 三味線などというものに 233 00:17:02,730 --> 00:17:07,735 (麻佐女)つてはあるのか? いや… そりゃもう 姉上 何とか! 234 00:17:07,735 --> 00:17:09,735 頼む はっ 235 00:17:13,741 --> 00:17:15,743 ハァー 236 00:17:15,743 --> 00:17:20,748 (唄) 237 00:17:20,748 --> 00:17:40,701 ・~ 238 00:17:40,701 --> 00:18:00,721 ・~ 239 00:18:00,721 --> 00:18:04,721 ・~ 240 00:18:13,734 --> 00:18:16,734 (物音) 241 00:18:19,740 --> 00:18:23,740 ・(子供たち) けんけんぱー! けんけんぱー! 242 00:18:25,679 --> 00:18:27,681 ・(物売り)菜屋でございー 243 00:18:27,681 --> 00:18:31,681 ・(子供たち)わーい けんけんぱー! けんけん… 244 00:18:34,688 --> 00:18:39,688 ・(子供たちの笑い声) 245 00:18:42,696 --> 00:18:45,699 (子供) 《待って お姉ちゃん 待ってよ》 246 00:18:45,699 --> 00:18:48,702 (子供)《お姉ちゃん》 247 00:18:48,702 --> 00:18:51,705 (子供)《深いよ 深いよ》 248 00:18:51,705 --> 00:18:53,707 (物音) 249 00:18:53,707 --> 00:18:55,709 ・(子供の泣き声) 250 00:18:55,709 --> 00:18:59,713 ・(女性)駄目じゃないか! 気ぃつけなきゃ・ 251 00:18:59,713 --> 00:19:01,715 けがしなかったかい? ・(子供の泣き声) 252 00:19:01,715 --> 00:19:04,715 (ふすまの開閉音) 253 00:19:10,724 --> 00:19:15,729 (蔦吉)先ほどは つたない芸をお目にかけまして 254 00:19:15,729 --> 00:19:18,732 九郎は 何としました 255 00:19:18,732 --> 00:19:25,672 (おえん)ああ 何でも その… あっ 用事が出来たと申されて 256 00:19:25,672 --> 00:19:28,675 九郎とは なじみのようですが・ 257 00:19:28,675 --> 00:19:33,680 弟は日頃から このような所に 通っているのでしょうか? 258 00:19:33,680 --> 00:19:38,680 (おえん)はい あの… いえ 259 00:19:40,687 --> 00:19:43,690 (蔦吉) 決して そういうことではなく・ 260 00:19:43,690 --> 00:19:46,693 私と西尾伝三郎様が・ 261 00:19:46,693 --> 00:19:48,695 幼いころからの 知り合いでございまして・ 262 00:19:48,695 --> 00:19:53,700 それで 残九郎様とも (おえん)そうなんです 263 00:19:53,700 --> 00:19:57,700 今日のことも 蔦吉さんから頼まれて 264 00:20:01,708 --> 00:20:03,708 そうですか 265 00:20:06,713 --> 00:20:11,718 (おえん)大奥ってのは 一体 どういう所なんでしょうね・ 266 00:20:11,718 --> 00:20:15,722 お嫁に行くことは できるんですか? 267 00:20:15,722 --> 00:20:20,727 お目見え以下の者には そういうこともありますが・ 268 00:20:20,727 --> 00:20:22,727 奥にいると なかなか 269 00:20:24,665 --> 00:20:28,669 (おえん) 私たちなんか 町なかにいても・ 270 00:20:28,669 --> 00:20:32,669 嫁の口は ないんだよね (蔦吉)まあ… 271 00:20:34,675 --> 00:20:39,680 同じ独り身でも ここはいい 272 00:20:39,680 --> 00:20:42,683 いろいろな音がある 273 00:20:42,683 --> 00:20:44,683 (蔦吉)音? 274 00:20:46,687 --> 00:20:49,690 人の生きてる音が…・ 275 00:20:49,690 --> 00:20:55,690 奥にいると このような音は 皆目 276 00:21:00,701 --> 00:21:03,704 おりゃ! 277 00:21:03,704 --> 00:21:07,704 本日は これまで! (男性)えっ! ちょ… 278 00:21:11,712 --> 00:21:13,712 (男性)いらっしゃいまし (男性)いらっしゃいまし 279 00:21:17,718 --> 00:21:19,720 (蔦吉)こんにちは 280 00:21:19,720 --> 00:21:21,722 (男性)あっ 蔦吉ねえさん (蔦吉)旦那さんは? 281 00:21:21,722 --> 00:21:25,726 (高木)一体 何があったのだ! 282 00:21:25,726 --> 00:21:30,731 (太兵衛)おしの おしの! 283 00:21:30,731 --> 00:21:33,734 (おしの)針を 縫い針を 1本 なくしました 284 00:21:33,734 --> 00:21:36,737 針? (高木)何を申すか!・ 285 00:21:36,737 --> 00:21:40,741 縫い針 1本なくしたぐらいで お暇が下されるわけはない!・ 286 00:21:40,741 --> 00:21:45,746 他に何か 重大な失態が あったのではないのか 287 00:21:45,746 --> 00:21:47,748 (太兵衛)おしの! 288 00:21:47,748 --> 00:21:49,748 (おしの)思い当たりません 289 00:21:54,755 --> 00:21:56,757 (高木)太兵衛 (太兵衛)はい! 290 00:21:56,757 --> 00:22:00,761 (高木)この娘を養女として 大奥へ上げた高木家としては・ 291 00:22:00,761 --> 00:22:03,764 このままでは 済まされぬぞ (太兵衛)はい! 292 00:22:03,764 --> 00:22:06,764 (高木) 養女の失態は 高木家の失態 293 00:22:08,769 --> 00:22:10,769 事のいかんによっては… 294 00:22:12,773 --> 00:22:14,775 手討ちということも 295 00:22:14,775 --> 00:22:17,778 高木様! 296 00:22:17,778 --> 00:22:21,778 とにかく 覚悟はしておくことだ 297 00:22:23,717 --> 00:22:25,719 高木様! 298 00:22:25,719 --> 00:22:30,724 (おしのの泣き声) 299 00:22:30,724 --> 00:22:44,738 ・~ 300 00:22:44,738 --> 00:22:47,741 (蔦吉)旦那・ 301 00:22:47,741 --> 00:22:50,744 たまたま 大番頭さんに お会いしたら・ 302 00:22:50,744 --> 00:22:52,746 娘さんが 大ごとに遭ったと聞いて 303 00:22:52,746 --> 00:22:55,746 (太兵衛)心配してくれたのか 304 00:22:57,751 --> 00:23:02,751 大奥になど やるんじゃなかった 305 00:23:11,765 --> 00:23:14,768 ほらほら こっちこっち (おもん)はい 306 00:23:14,768 --> 00:23:17,771 ハァー 307 00:23:17,771 --> 00:23:22,709 (戸の開く音) すまねえな 火落としちまったんだ 308 00:23:22,709 --> 00:23:24,709 (戸の閉まる音) 309 00:23:26,713 --> 00:23:29,716 何だよ 蔦吉ねえさんか 310 00:23:29,716 --> 00:23:33,716 お前さんだったら 一杯つきあってやってもいいんだぜ 311 00:23:38,725 --> 00:23:42,725 何だ どうした 312 00:23:44,731 --> 00:23:48,735 口説きに来ました 313 00:23:48,735 --> 00:23:50,735 (とっくりの割れる音) 314 00:23:58,745 --> 00:24:01,748 あ… 後は 太兵衛さん なっ お前さんの方から 315 00:24:01,748 --> 00:24:04,751 (太兵衛)はい 316 00:24:04,751 --> 00:24:10,757 本日 お目通り願いましたのは 娘が 先日 奥向きで・ 317 00:24:10,757 --> 00:24:14,761 針を紛失するという 不始末を犯し・ 318 00:24:14,761 --> 00:24:21,701 大奥に上がる際 娘を 養女にしてくだされた高木様が・ 319 00:24:21,701 --> 00:24:26,706 事の次第によっては 娘を手討ちにいたすと 320 00:24:26,706 --> 00:24:32,712 大奥では そのような決まりが あるのでございましょうか? 321 00:24:32,712 --> 00:24:34,714 (いち)決まりはない・ 322 00:24:34,714 --> 00:24:39,719 ただ 親が お上へのわびと申して・ 323 00:24:39,719 --> 00:24:44,724 暇を下された娘を 手討ちにしたという話は・ 324 00:24:44,724 --> 00:24:47,727 聞かぬではない しかし 実の親は… 325 00:24:47,727 --> 00:24:51,731 形だけはと申せ 武家の養女になったのであれば・ 326 00:24:51,731 --> 00:24:53,733 その養女先の親が親です 327 00:24:53,733 --> 00:24:57,737 (太兵衛)おいち様から お口添えいただければ・ 328 00:24:57,737 --> 00:25:00,740 高木様も お手討ちなどとは 329 00:25:00,740 --> 00:25:05,745 何とぞ! お願い申し上げます 330 00:25:05,745 --> 00:25:07,745 姉上 331 00:25:09,749 --> 00:25:12,749 お引き受けいたしかねます 332 00:25:14,754 --> 00:25:20,754 娘御の失態は お手討ちも致し方ないと存ずる 333 00:25:23,697 --> 00:25:26,700 たかだか 針 1本のことじゃありませんか 334 00:25:26,700 --> 00:25:32,706 大奥には 上様が おなりあそばします・ 335 00:25:32,706 --> 00:25:36,710 なくなった その針が 上様を傷つけるやもしれぬ・ 336 00:25:36,710 --> 00:25:42,716 また 上様のお命を狙う 不届き者がおらぬとも限らぬ・ 337 00:25:42,716 --> 00:25:47,721 それ故 奥向きでは はさみ一丁 針一本まで・ 338 00:25:47,721 --> 00:25:50,724 その数が決められておる・ 339 00:25:50,724 --> 00:25:53,727 針の先が 折れてなくなっただけでも・ 340 00:25:53,727 --> 00:25:58,732 昼夜の別なく 見つかるまで 捜さねばならぬ・ 341 00:25:58,732 --> 00:26:04,738 針一本が 上様のお命に関わるのです 342 00:26:04,738 --> 00:26:08,742 娘御を大奥に上げるについては・ 343 00:26:08,742 --> 00:26:12,746 そのぐらいの覚悟は できていたのではないのか? 344 00:26:12,746 --> 00:26:27,746 ・~ 345 00:26:59,726 --> 00:27:03,730 (麻佐女)い… いかがいたした 346 00:27:03,730 --> 00:27:06,733 冷てえよ (いち)私は道理を申した 347 00:27:06,733 --> 00:27:09,736 道理? 針一本で 手討ちにされる道理をですか! 348 00:27:09,736 --> 00:27:12,739 (いち) 大奥は 行儀見習いの場ではない・ 349 00:27:12,739 --> 00:27:15,742 一体 みんな 大奥を何と 大奥の講釈は結構ですよ! 350 00:27:15,742 --> 00:27:17,744 俺はね 姉上なら・ 351 00:27:17,744 --> 00:27:19,746 あんな くだらねえことで 手討ちにしようってやつらを・ 352 00:27:19,746 --> 00:27:22,746 説得してくれると (いち)お門違いじゃ 353 00:27:24,684 --> 00:27:28,688 姉上は変わったよ 変わっちまったよ! 354 00:27:28,688 --> 00:27:30,690 (麻佐女)それは しかたあるまい 355 00:27:30,690 --> 00:27:32,692 大奥ってやつに縛られてさ 356 00:27:32,692 --> 00:27:35,695 あそこの 堅っ苦しい 道理ってやつに縛られて・ 357 00:27:35,695 --> 00:27:38,698 人の情けっていうか 人の痛みっていうか・ 358 00:27:38,698 --> 00:27:41,701 そういうものを 忘れちまってるんだ 359 00:27:41,701 --> 00:27:44,704 俺たちはね 何も 清い水の中で 生きてるわけじゃねえんだ 360 00:27:44,704 --> 00:27:46,706 たまには 濁った水だって・ 361 00:27:46,706 --> 00:27:48,708 飲まなきゃならねえときだって あるんですよ! 362 00:27:48,708 --> 00:27:51,711 火の用心 お説ごもっともですよ 363 00:27:51,711 --> 00:27:54,714 でもね ああ何度も言われるとね 息が詰まるんだな! 364 00:27:54,714 --> 00:27:57,717 (いち)母上も? 365 00:27:57,717 --> 00:28:00,720 さっきの親子にしたって そうですよ 366 00:28:00,720 --> 00:28:03,723 もっと 他に 言いようはなかったんですか! 367 00:28:03,723 --> 00:28:09,729 あんな冷てえ言い方 あの姉上がするなんて 368 00:28:09,729 --> 00:28:11,731 (いち)「あの」とは? 369 00:28:11,731 --> 00:28:15,735 小せえころ 一緒に遊んでくれた姉上がですよ 370 00:28:15,735 --> 00:28:18,735 あの にこにこ笑ってた 姉上がですよ! 371 00:28:21,675 --> 00:28:27,681 あのころ 近所のやつら集めて・ 372 00:28:27,681 --> 00:28:31,685 魚取り 鳥刺っていや 姉上が大将だった 373 00:28:31,685 --> 00:28:36,690 あさりや しじみ取りだって みんな 姉上が連れてったんだ 374 00:28:36,690 --> 00:28:42,696 中に 足の遅いのが 1人いてさ 覚えてますか? 375 00:28:42,696 --> 00:28:45,696 高畑の信二郎だ 376 00:28:47,701 --> 00:28:50,704 信二郎が いつも 俺たちから遅れると・ 377 00:28:50,704 --> 00:28:55,709 いつの間にか姉上が あいつの そばへ行って・ 378 00:28:55,709 --> 00:28:59,713 さみしい思いを させねえようにって 379 00:28:59,713 --> 00:29:05,719 おてんばで 男勝りの姉上でも・ 380 00:29:05,719 --> 00:29:10,724 あのころは 弱い者への 思いやりってもんがありました 381 00:29:10,724 --> 00:29:14,728 さっきのような親子がいたら・ 382 00:29:14,728 --> 00:29:18,728 一緒に泣いて 怒ってくれたはずなんだ 383 00:29:27,674 --> 00:29:30,677 今の姉上は 情ってもんのねえ でく人形と一緒だ! 384 00:29:30,677 --> 00:29:32,679 (麻佐女)九郎 385 00:29:32,679 --> 00:29:36,679 昔の姉上は もっと もっと… 386 00:29:42,689 --> 00:29:44,691 もっと優しかった! 387 00:29:44,691 --> 00:30:04,711 ・~ 388 00:30:04,711 --> 00:30:17,724 ・~ 389 00:30:17,724 --> 00:30:19,726 (男性たちの笑い声) 390 00:30:19,726 --> 00:30:24,664 (男性)おう! (男性)何だ 三一 391 00:30:24,664 --> 00:30:28,668 (男性)そこのやつ 何とか言ったらどうなんだい 392 00:30:28,668 --> 00:30:31,671 (男性)ああ? こら 393 00:30:31,671 --> 00:30:51,691 ・~ 394 00:30:51,691 --> 00:31:11,711 ・~ 395 00:31:11,711 --> 00:31:18,711 ・~ 396 00:31:42,742 --> 00:31:46,746 何か (佐次)あの 残九郎様は? 397 00:31:46,746 --> 00:31:50,750 おりませぬ (佐次)あ… さようで 398 00:31:50,750 --> 00:31:52,752 九郎に何か 399 00:31:52,752 --> 00:31:56,756 (佐次)はい 今日はちょっと・ 400 00:31:56,756 --> 00:32:00,760 東八のお手伝いはできないと お断りに 401 00:32:00,760 --> 00:32:03,763 (いち)東八とは? 402 00:32:03,763 --> 00:32:05,765 居酒屋でございます 403 00:32:05,765 --> 00:32:09,769 いや… あの ちょっと あの だからといって あの・ 404 00:32:09,769 --> 00:32:14,774 残九郎様は お侍を お辞めになったわけじゃなく・ 405 00:32:14,774 --> 00:32:19,774 あの 普段から いろいろと… 406 00:32:21,714 --> 00:32:25,718 稼ぐ算段をなさってまして・ 407 00:32:25,718 --> 00:32:29,722 けど 御心配なく・ 408 00:32:29,722 --> 00:32:36,729 残九郎様には そのようなことは ちっとも苦労じゃないんです 409 00:32:36,729 --> 00:32:40,729 それじゃ あっしは これで 410 00:32:49,742 --> 00:32:54,742 (物音) 411 00:33:23,710 --> 00:33:27,714 三洲屋のおしのさん 412 00:33:27,714 --> 00:33:30,714 いよいよ お手討ちになるらしいですよ 413 00:33:49,736 --> 00:33:54,741 (太兵衛) 高木様! お願いでございます・ 414 00:33:54,741 --> 00:33:57,744 娘の命だけは! 415 00:33:57,744 --> 00:34:01,748 (高木)こうでもしなければ 高木家の面目が立たんのだ 416 00:34:01,748 --> 00:34:05,752 (太兵衛)後生でございます! 何とぞ 何とぞ! 417 00:34:05,752 --> 00:34:08,755 (高木)わしだとて 何も すき好んで斬りたいわけではない 418 00:34:08,755 --> 00:34:11,755 ・ 俺が 代わりに斬ろう 419 00:34:13,760 --> 00:34:16,763 (高木)何者だ 松平残九郎家正 420 00:34:16,763 --> 00:34:20,767 大名家などの 表沙汰にできぬ とが人の首をはねるを・ 421 00:34:20,767 --> 00:34:23,703 かたてわざとしておる 422 00:34:23,703 --> 00:34:29,709 (高木)しかし 拙者自ら 手を下さねば 当家の面目が 423 00:34:29,709 --> 00:34:32,712 お主 人の首をはねたことがあるか? 424 00:34:32,712 --> 00:34:34,714 (高木)ご… ござらん 425 00:34:34,714 --> 00:34:38,714 この娘の首 見事はねられるか? 426 00:34:40,720 --> 00:34:42,722 下がれ (太兵衛)残九郎様! 427 00:34:42,722 --> 00:34:44,722 下がっておれ! 428 00:34:50,730 --> 00:34:54,734 (おしの)おとっつぁん… (太兵衛)お… おしの 429 00:34:54,734 --> 00:34:56,734 息を吐け 430 00:34:58,738 --> 00:35:00,738 目を閉じろ! 431 00:35:14,754 --> 00:35:16,754 (高木)あっ! 432 00:35:27,700 --> 00:35:30,703 髪は女子の命と申す 433 00:35:30,703 --> 00:35:32,705 従って おしのは死んだ 434 00:35:32,705 --> 00:35:34,707 (高木)し… しかし 435 00:35:34,707 --> 00:35:36,707 おしのは死んだ! 436 00:35:38,711 --> 00:35:41,714 もういいだろう えっ? 437 00:35:41,714 --> 00:35:46,719 (おしのの泣き声) 438 00:35:46,719 --> 00:35:48,721 (太兵衛)しの… 439 00:35:48,721 --> 00:36:01,734 ・~ 440 00:36:01,734 --> 00:36:05,738 (太兵衛)残九郎様に 娘の命を助けていただき・ 441 00:36:05,738 --> 00:36:07,740 あ… いえ 殺していただいたんですが・ 442 00:36:07,740 --> 00:36:12,745 命 長らえ やはり 助けていただきました・ 443 00:36:12,745 --> 00:36:15,745 ともかく そのお礼にと 444 00:36:19,752 --> 00:36:22,752 残九郎様に くれぐれもよろしく 445 00:36:29,695 --> 00:36:44,710 ・~ 446 00:36:44,710 --> 00:36:51,717 (麻佐女)朋輩衆への土産を 用意できなかった・ 447 00:36:51,717 --> 00:36:55,717 帰ってから これで あんばいしてくだされ 448 00:37:02,728 --> 00:37:04,730 気にすることはない 449 00:37:04,730 --> 00:37:07,730 前々から用意してあった物ゆえ 450 00:37:13,739 --> 00:37:17,743 母上には もう十分に 御配慮を頂きました 451 00:37:17,743 --> 00:37:20,746 これ以上は 不要でございます 452 00:37:20,746 --> 00:37:24,684 それでは 朋輩衆への面目が立つまい 453 00:37:24,684 --> 00:37:27,687 (いち) 見えを張るのは もう やめます 454 00:37:27,687 --> 00:37:30,687 (麻佐女)しかし… (いち)本当に 455 00:37:34,694 --> 00:37:36,694 (麻佐女)半分だけでも 456 00:37:38,698 --> 00:37:44,698 それでは 先ほどの おみそを頂ければ 457 00:37:59,719 --> 00:38:02,719 (蔦吉) お屋敷には戻ってないそうですね 458 00:38:06,726 --> 00:38:09,729 いいんですか? 姉上様をほっておいて 459 00:38:09,729 --> 00:38:11,729 やかましい 460 00:38:16,736 --> 00:38:18,736 ・(お光)失礼します 461 00:38:23,676 --> 00:38:26,679 (お光)蔦吉さんに会いたいって 今 (蔦吉)誰? 462 00:38:26,679 --> 00:38:29,679 (お光)残九郎様の姉様が 463 00:38:32,685 --> 00:38:35,685 俺がいることは? (お光)言ってません 464 00:38:37,690 --> 00:38:40,693 私に何でしょう 465 00:38:40,693 --> 00:38:42,693 蔦吉 466 00:39:11,724 --> 00:39:15,724 私 今日 お城へ戻ります 467 00:39:17,730 --> 00:39:21,667 先日の踊りのお礼にと 468 00:39:21,667 --> 00:39:26,667 わざわざ 恐れ入ります 469 00:39:28,674 --> 00:39:34,680 (蔦吉)で… 残九郎様は このこと 470 00:39:34,680 --> 00:39:36,680 いえ 471 00:39:38,684 --> 00:39:41,684 (蔦吉)よろしいんですか? 472 00:39:43,689 --> 00:39:47,689 ・(いち)九郎には私 嫌われました 473 00:39:50,696 --> 00:39:53,699 ・(いち)冷たいと言われました 474 00:39:53,699 --> 00:39:55,701 そんな… 475 00:39:55,701 --> 00:39:59,705 (いち)情けを忘れた でく人形だと 476 00:39:59,705 --> 00:40:01,705 どっちが でく人形だか 477 00:40:03,709 --> 00:40:08,709 (いち)九郎が申したことも もっともだと思いました 478 00:40:11,717 --> 00:40:13,719 (いち)奥向きに勤めていると・ 479 00:40:13,719 --> 00:40:17,723 我が身を律して 過ごさなければなりませぬ・ 480 00:40:17,723 --> 00:40:21,660 失態のないよう 人様に後ろ指のさされぬよう・ 481 00:40:21,660 --> 00:40:26,660 つつがなく ただただ つつがなく 482 00:40:29,668 --> 00:40:36,675 ・(いち)そのような生き方が 身に付き過ぎました・ 483 00:40:36,675 --> 00:40:43,675 九郎に言われました 昔の私は 笑って遊んでいたと 484 00:40:45,684 --> 00:40:48,684 それで やっと気が付いたんです 485 00:40:50,689 --> 00:40:54,693 ・(いち)長いこと・ 486 00:40:54,693 --> 00:40:58,693 笑うことを 忘れていたということに 487 00:41:03,702 --> 00:41:05,702 蔦吉殿 488 00:41:07,706 --> 00:41:09,708 (蔦吉)はい 489 00:41:09,708 --> 00:41:13,712 ・(いち)九郎をよしなに 490 00:41:13,712 --> 00:41:33,732 ・~ 491 00:41:33,732 --> 00:41:53,752 ・~ 492 00:41:53,752 --> 00:41:58,757 ・~ 493 00:41:58,757 --> 00:42:00,757 いいんですか? 494 00:42:03,762 --> 00:42:05,764 本当に いいんですか? 495 00:42:05,764 --> 00:42:24,717 ・~ 496 00:42:24,717 --> 00:42:26,719 ・~ 497 00:42:26,719 --> 00:42:29,719 ・ 姉上! 498 00:42:32,725 --> 00:42:34,725 ・ 姉上! 499 00:42:37,730 --> 00:42:39,730 九郎 500 00:42:45,738 --> 00:42:47,740 お待ちくだされ 501 00:42:47,740 --> 00:42:50,743 お待ちくだされ! 松平残九郎でござる 502 00:42:50,743 --> 00:42:53,743 しばし しばし! 503 00:43:02,755 --> 00:43:04,755 姉上 504 00:43:13,766 --> 00:43:16,766 (いち)いろいろ すまぬ 505 00:43:24,710 --> 00:43:26,710 九郎 はっ 506 00:43:29,715 --> 00:43:33,715 母上をよろしゅう 507 00:43:35,721 --> 00:43:39,725 ・(子供たち)・ ずいずい ずっころばし ごまみそずい… 508 00:43:39,725 --> 00:43:46,732 これからは たまには 笑おうと思います・ 509 00:43:46,732 --> 00:43:49,735 きれいな花を見たら・ 510 00:43:49,735 --> 00:43:54,740 笑って話しかけようと思います 511 00:43:54,740 --> 00:43:59,745 美しい月を見たら・ 512 00:43:59,745 --> 00:44:04,745 笑って眺めようと思います 513 00:44:06,752 --> 00:44:26,705 ・~ 514 00:44:26,705 --> 00:44:46,725 ・~ 515 00:44:46,725 --> 00:45:01,740 ・~ 516 00:45:01,740 --> 00:45:09,748 (女性たち)お火の番 相回りまする 517 00:45:09,748 --> 00:45:29,702 ・~ 518 00:45:29,702 --> 00:45:32,705 ・~ 519 00:45:32,705 --> 00:45:34,705 (店主)へい お待ち 520 00:45:37,710 --> 00:45:39,712 (店主)へい 521 00:45:39,712 --> 00:45:42,715 おやじ 何か燃えてるぞ えっ?・ 522 00:45:42,715 --> 00:45:46,719 ああっ あっ! 523 00:45:46,719 --> 00:45:49,719 火の用心 火の用心か 524 00:45:55,728 --> 00:46:15,748 ・~ 525 00:46:15,748 --> 00:46:35,701 ・~ 526 00:46:35,701 --> 00:46:55,721 ・~ 527 00:46:55,721 --> 00:47:14,740 ・~ 528 00:47:14,740 --> 00:47:16,740 ・~ 529 00:47:21,680 --> 00:47:23,682 (久五郎)わーっ! 530 00:47:23,682 --> 00:47:27,686 てめえの不始末の尻拭いまで 人に任せたんじゃ・ 531 00:47:27,686 --> 00:47:30,689 それこそ やつは 一生笑い者だぜ 532 00:47:30,689 --> 00:47:33,689 (伝三郎)死んでも 負け犬になりたくないんだ 533 00:47:38,697 --> 00:47:40,699 伝三郎 534 00:47:40,699 --> 00:47:42,699 男の中の男だよ お前は